JPH07188115A - フタル酸ハーフエステルおよび架橋剤 - Google Patents

フタル酸ハーフエステルおよび架橋剤

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JPH07188115A
JPH07188115A JP32885793A JP32885793A JPH07188115A JP H07188115 A JPH07188115 A JP H07188115A JP 32885793 A JP32885793 A JP 32885793A JP 32885793 A JP32885793 A JP 32885793A JP H07188115 A JPH07188115 A JP H07188115A
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JP
Japan
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phthalic acid
half ester
crosslinking agent
acid half
compound
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Pending
Application number
JP32885793A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takeuchi
浩史 竹内
Kazuhiko Hotta
一彦 堀田
Takeshi Kato
武 加藤
Akio Iwamoto
暁生 岩本
Kunio Iwase
国男 岩瀬
Shinobu Fujie
忍 藤江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性樹脂の架橋剤に好適な、新規なジカ
ルボン酸ハーフエステルを得る。 【構成】 加熱により容易に酸無水物を形成することを
特徴とするフタル酸ハーフエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により容易に酸無
水物を形成する新規なジカルボン酸ハーフエステルに関
するものであり、さらに詳しくは熱硬化性樹脂の架橋剤
に好適なジカルボン酸ハーフエステルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、メラミン樹脂やポリイソシアネ
ート化合物を架橋剤とする熱硬化性樹脂は、耐候性、美
粧性に優れた性能を有することから広範な用途で種々使
用されている。しかし、メラミン樹脂を架橋剤として使
用すると耐酸性が低下し、例えばこれを塗料に適用した
場合、酸性雨により塗膜に雨ジミが発生し、外観が低下
するという欠点を有する。一方、ポリイソシアネート化
合物を架橋剤として使用した場合、ポリイソシアネート
化合物の持つ毒性が、作業者の健康に悪影響を及ぼす等
の環境上の問題が指摘されている。
【0003】これらの問題を解決するために、メラミン
樹脂やポリイソシアネート化合物に代わる、熱硬化型塗
料用架橋剤が求められており、酸基とエポキシ基の硬化
反応を利用した架橋剤等の検討が盛んに行われている。
例えば、特開昭63−84674号公報には、接着性、
光沢および鮮映性に優れた塗料用組成物として、低分子
量ポリエポキシド、低分子量ヒドロキシル基含有多官能
性物質、酸無水物からなる架橋剤および硬化触媒を含有
する高固形分硬化性組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
酸無水物からなる架橋剤は、化学的活性が強いため刺激
性を有し、作業環境を損なう等の問題点を有しており、
また、組成成分間の反応性が高くなるために貯蔵安定性
が悪く、組成成分全体を一液化することが困難であり、
作業性が悪いという問題点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、熱硬化性型樹脂用架橋剤ついて鋭
意検討した結果、特定のジカルボン酸無水物前駆体が、
加熱により容易にジカルボン酸無水物を形成することを
見いだし、本発明に至ったものである。すなわち、本発
明の第一の発明であるフタル酸ハーフエステルは、次の
一般式(1)で示されるものである。
【0006】
【化2】 (式中、nは1〜4の整数である。) また、本発明の第二の発明である熱硬化性樹脂用架橋剤
は、上記一般式(1)で示されるフタル酸ハーフエステ
ルからなることを特徴とするものである。
【0007】本発明のフタル酸ハーフエステルは、無水
フタル酸と一価アルコール類を無触媒または塩基性触媒
存在下で反応させることにより合成することができる。
一価アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール、t−ブチルアルコール等の炭素数が1〜4で
ある一価アルコール類が使用できる。本発明において
は、一価アルコール類として炭素数が1〜4であること
が、すなわち上記一般式(1)においてnが1〜4であ
ることが重要である。これは、一価アルコール類の炭素
数が5以上になると、得られたフタル酸ハーフエステル
の酸無水物への変化率が著しく低下するためである。
【0008】また、塩基性触媒としては、例えば、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン等
のアミン類が好適である。反応物のモル比は、無水フタ
ル酸:一価アルコール類=1:1〜1:20の範囲であ
り、好ましくは1:2〜1:5である。塩基性触媒を使
用する場合には、その添加量は無水フタル酸に対して
0.1〜200モルパーセント、好ましくは1〜100
モルパーセントである。また、反応温度は、無触媒の場
合では40〜100℃、好ましくは60〜80℃であ
り、塩基性触媒を使用する場合には0〜80℃、好まし
くは20〜50℃である。
【0009】このようにして得られた本発明のフタル酸
ハーフエステルは、常温では化学的活性が低く、低臭
気、低刺激性であり、加熱時においても有毒な蒸気を発
生しない。また、加熱によって容易に酸無水物を形成す
るために化学的活性が高くなるものである。本発明のフ
タル酸ハーフエステルは、上記のような特徴を有してお
り、エポキシ基含有樹脂等に代表される熱硬化性樹脂の
架橋剤として使用すると、貯蔵安定性が極めて良好であ
るために、これら組成物全体の一液化が可能となり、特
に、塗料、接着剤等に使用される熱硬化性樹脂の架橋剤
として非常に有効なものである。
【0010】本発明のフタル酸ハーフエステルを熱硬化
性樹脂用架橋剤として使用する場合には、酸無水物への
変化率が70%以上であることが好ましい。酸無水物へ
の変化率が70%未満であると、樹脂の硬化性が損なわ
れる傾向にあり好ましくない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例、比較例を挙
げて具体的に説明する。例中の部は、全て重量基準であ
る。 ・ハーフエステルから酸無水物への変化率の評価方法 ハーフエステルを岩塩板に塗布したものを140℃で3
0分間保持した時における、ハーフエステルから酸無水
物への変化率を赤外吸収スペクトルによって測定した
(カルボキシル基の特性吸収(2400〜3400cm
-1)が消失し、酸無水物基の特性吸収(1780c
-1、1860cm-1)が発生する。)。
【0012】・塗膜性能の定義 鉛筆硬度:JIS K−5400の「鉛筆引っかき試
験」に準じた。 貯蔵安定性:実施例、比較例で調製した樹脂組成物を5
0℃で一週間保存した後の状態の変化で判断した。
【0013】製造例1 温度計、攪拌機、コンデンサー、温度制御装置を備えた
四つ口フラスコに、無水フタル酸(片山化学工業(株)
製)146部、メタノール160部、トリエチルアミン
10部を仕込み、70℃で6時間反応させた。赤外吸収
スペクトル測定で、酸無水物基の吸収特性(1780c
-1、1860cm-1)が消失し、カルボキシル基の吸
収特性(2400〜3400cm-1)が発生しているこ
とを確認した後、過剰のメタノールを減圧留去し、無色
透明液体のフタル酸モノメチルエステル(H−1)を得
た。得られたハーフエステルの酸無水物への変化率は7
0%であった。
【0014】製造例2 温度計、攪拌機、コンデンサー、温度制御装置を備えた
四つ口フラスコに、無フタル酸(片山化学工業(株)
製)146部、n−ヘキサノール153部、トリエチル
アミンを仕込み、70℃で6時間反応させた。赤外吸収
スペクトル測定で、酸無水物基の吸収特性(1780c
-1、1860cm-1)が消失し、カルボキシル基の吸
収特性(2400〜3400cm-1)が発生しているこ
とを確認した後、過剰のn−ヘキサノールを減圧留去
し、無色液体のフタル酸モノヘキシルエステル(H−
2)を得た。得られたハーフエステルの酸無水物への変
化率は10%以下であった。
【0015】実施例1 フタル酸モノメチルエステル(H−1)18部に、エポ
キシ樹脂(東都化成(株)製、エポトートYD−12
8)19部、臭化テトラブチルアンモニウム0.74部
を配合して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物
の貯蔵安定性は良好であった。この樹脂組成物を希釈
(溶剤:キシレン、固形分:60%)し、これをバーコ
ーターで水研板に塗布した後、140℃で30分間焼き
付けた。得られた塗膜の鉛筆硬度はHであった。
【0016】比較例1 フタル酸モノヘキシルエステル(H−2)25部に、エ
ポキシ樹脂(東都化成(株)製、エポトートYD−12
8)19部、臭化テトラブチルアンモニウム0.88部
を配合して樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物
の貯蔵安定性は良好であった。この樹脂組成物を希釈
(溶剤:キシレン、固形分:60%)し、これをバーコ
ーターで水研板に塗布した後140℃で30分間処理し
たが、樹脂が硬化せず塗膜が得られなかった。
【0017】比較例2 無水フタル酸15部に、エポキシ樹脂(東都化成(株)
製、エポトートYD−128)19部、臭化テトラブチ
ルアンモニウム0.68部を配合して樹脂組成物を調製
した。得られた樹脂組成物の貯蔵安定性は不良であっ
た。この樹脂組成物を希釈(溶剤:キシレン、固形分:
60%)し、これをバーコータで水研板に塗布した後1
40℃で30分間処理した。得られた塗膜の鉛筆硬度は
Hであった。
【0018】
【発明の効果】本発明の、フタル酸ハーフエステルは、
加熱により容易に酸無水物を形成することができるもの
であり、熱硬化性樹脂用架橋剤として用いると、貯蔵安
定性に優れ、組成成分全体を一液化することが可能とな
り、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 暁生 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 岩瀬 国男 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 藤江 忍 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)に示す構造を持つことを特徴
    とするフタル酸ハーフエステル。 【化1】 (式中、nは1〜4の整数である。)
  2. 【請求項2】請求項1記載のフタル酸ハーフエステルか
    らなる熱硬化性樹脂用架橋剤。
JP32885793A 1993-12-24 1993-12-24 フタル酸ハーフエステルおよび架橋剤 Pending JPH07188115A (ja)

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