JPH07188071A - 2,6−ジメチルナフタレンの回収法 - Google Patents
2,6−ジメチルナフタレンの回収法Info
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- JPH07188071A JPH07188071A JP33233093A JP33233093A JPH07188071A JP H07188071 A JPH07188071 A JP H07188071A JP 33233093 A JP33233093 A JP 33233093A JP 33233093 A JP33233093 A JP 33233093A JP H07188071 A JPH07188071 A JP H07188071A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C7/00—Purification; Separation; Use of additives
- C07C7/148—Purification; Separation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound
- C07C7/152—Purification; Separation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound by forming adducts or complexes
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 2,6−ジメチルナフタレン含有混合物にm
−ニトロ安息香酸を反応せしめ、得られた錯体の一部を
再びこの反応系に加え、錯体を製造し、次いでこの錯体
を低級飽和炭化水素と水からなる2層系の液体に接触さ
せて分解することを特徴とする2,6−ジメチルナフタ
レンの回収方法。 【効果】 2,6−ジメチルナフタレンを高い純度、収
率で回収することができ、更に、原料もリサイクルでき
るため工業的に有利である。
−ニトロ安息香酸を反応せしめ、得られた錯体の一部を
再びこの反応系に加え、錯体を製造し、次いでこの錯体
を低級飽和炭化水素と水からなる2層系の液体に接触さ
せて分解することを特徴とする2,6−ジメチルナフタ
レンの回収方法。 【効果】 2,6−ジメチルナフタレンを高い純度、収
率で回収することができ、更に、原料もリサイクルでき
るため工業的に有利である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6−ジメチルナフ
タレン(以下、「2,6−DMN」と略す)を含む混合
物から、2,6−DMNを単離して回収する方法に関す
る。
タレン(以下、「2,6−DMN」と略す)を含む混合
物から、2,6−DMNを単離して回収する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジメチルナフタレン(DMN)は、界面
活性剤原料や加熱媒体として用いられ、10種の異性体
が存在する。このうち、2,6−DMNは、他の異性体
と共に、軽質分解軽油(LCO)、改質油又は石炭ター
ル等に含まれている。これらから、2,6−DMNを単
離回収する方法としては、すでに次の方法が知られてい
る。
活性剤原料や加熱媒体として用いられ、10種の異性体
が存在する。このうち、2,6−DMNは、他の異性体
と共に、軽質分解軽油(LCO)、改質油又は石炭ター
ル等に含まれている。これらから、2,6−DMNを単
離回収する方法としては、すでに次の方法が知られてい
る。
【0003】すなわち、2,6−DMNは、他のDMN
異性体に比べて対称性が良好であることから、錯体を形
成し易いため、2,6−DMNを他のDMN異性体とと
もに含む炭化水素混合物中で2,6−DMNのみの錯体
を形成させ、これを炭化水素混合物から分離することで
2,6−DMNを単離回収する方法があり、この錯体形
成に、例えば、m−ニトロ安息香酸(以下、「m−NB
A」と略す)を用いる方法(特公昭47−29893号
公報他)が知られている。
異性体に比べて対称性が良好であることから、錯体を形
成し易いため、2,6−DMNを他のDMN異性体とと
もに含む炭化水素混合物中で2,6−DMNのみの錯体
を形成させ、これを炭化水素混合物から分離することで
2,6−DMNを単離回収する方法があり、この錯体形
成に、例えば、m−ニトロ安息香酸(以下、「m−NB
A」と略す)を用いる方法(特公昭47−29893号
公報他)が知られている。
【0004】更に、上記方法で形成された錯体を分解し
て、2,6−DMNを回収する方法として、低級飽和炭
化水素と水を用い、2,6−DMNを炭化水素中に、m
−NBAを水中に、それぞれ溶解させる2層系の分解方
法(特公昭47−30174号公報他)が提案されてい
る。
て、2,6−DMNを回収する方法として、低級飽和炭
化水素と水を用い、2,6−DMNを炭化水素中に、m
−NBAを水中に、それぞれ溶解させる2層系の分解方
法(特公昭47−30174号公報他)が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
錯体形成では、m−NBAの所要量が炭化水素混合物の
溶解度より多いため、溶解しないm−NBAが固体状態
で2,6−DMNを含む炭化水素混合物と接触すること
となり、m−NBAの利用効率が低く、この結果として
2,6−DMNの捕捉率を低下させている。また、後者
の錯体分解では、水に対するm−NBAの溶解度が小さ
いため多量の水が必要となり、その結果捕捉されるm−
NBAの再利用が困難であった。
錯体形成では、m−NBAの所要量が炭化水素混合物の
溶解度より多いため、溶解しないm−NBAが固体状態
で2,6−DMNを含む炭化水素混合物と接触すること
となり、m−NBAの利用効率が低く、この結果として
2,6−DMNの捕捉率を低下させている。また、後者
の錯体分解では、水に対するm−NBAの溶解度が小さ
いため多量の水が必要となり、その結果捕捉されるm−
NBAの再利用が困難であった。
【0006】従って本発明の目的は、上記の欠点がな
く、原料が有効利用でき、高純度の2,6−DMNを効
率よく回収する方法を提供することにある。
く、原料が有効利用でき、高純度の2,6−DMNを効
率よく回収する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、2,6−DMNを含む炭
化水素混合物を、芳香族炭化水素の存在下で、m−NB
Aと接触させ、m−NBAと2,6−DMNを主体とす
る錯体を形成させ、これを析出させて分離し、分離した
錯体及びm−NBAをさらに新たな前期混合物に加え
て、再び錯体を形成させれば、錯体中の2,6−DMN
の純度を向上させることができること、また、錯体分解
工程において、水によるm−NBAの融点降下現象を利
用することにより、従来よりはるかに小量の水の存在下
で反応が進み、m−NBAの再利用が容易となること、
さらに、錯体の状態で、2,6−DMNの純度が向上し
ているため、分解後の再結晶などの純度を向上させるた
めの工程が不要となることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
者らは鋭意研究を行った結果、2,6−DMNを含む炭
化水素混合物を、芳香族炭化水素の存在下で、m−NB
Aと接触させ、m−NBAと2,6−DMNを主体とす
る錯体を形成させ、これを析出させて分離し、分離した
錯体及びm−NBAをさらに新たな前期混合物に加え
て、再び錯体を形成させれば、錯体中の2,6−DMN
の純度を向上させることができること、また、錯体分解
工程において、水によるm−NBAの融点降下現象を利
用することにより、従来よりはるかに小量の水の存在下
で反応が進み、m−NBAの再利用が容易となること、
さらに、錯体の状態で、2,6−DMNの純度が向上し
ているため、分解後の再結晶などの純度を向上させるた
めの工程が不要となることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち本発明は、次の工程(1)〜
(6) (1)2,6−DMNを含有する炭化水素混合物を、芳
香族炭化水素の存在下で、m−ニトロ安息香酸と接触さ
せ、m−NBAと2,6−DMNを主体とする錯体を形
成せしめ、該錯体を析出させスラリー状態とする錯体形
成工程において、後の工程(2)で分離される錯体と、
さらに後の工程(4)において錯体から分離されるm−
NBAを、上記錯体形成工程の系内へ混合し、繰り返し
錯体を形成し、該錯体を析出させスラリー状態とする工
程、(2)(1)の工程で得られるスラリーを、錯体と
液体とに分解する工程、(3)(2)の工程で分離した
錯体の全部または一部を、(1)の工程へ返送する工
程、(4)(2)の工程で分離した錯体の全部または一
部を、低級飽和炭化水素と水からなる2層系の液体に接
触させて分解し、m−NBAを含む水層と、低級飽和炭
化水素層とに分離し、さらに該低級飽和炭化水素層にお
いて、2,6−DMNを主体とする結晶を析出させスラ
リー状態とする工程、(5)(4)の工程で得られたm
−NBAを、(1)の工程へ返送する工程、(6)
(4)の工程で得られたスラリーから、2,6−DMN
を主体とする結晶と、低級飽和炭化水素層とに分離する
工程、からなる2,6−DMNの回収法を提供するもの
である。さらにまた、本発明は上記工程に工程(7)と
して、(2)の工程で得られた油層について2,6−D
MNへの異性化を行なう行程を加えた2,6−DMNの
回収法を提供するものである。
(6) (1)2,6−DMNを含有する炭化水素混合物を、芳
香族炭化水素の存在下で、m−ニトロ安息香酸と接触さ
せ、m−NBAと2,6−DMNを主体とする錯体を形
成せしめ、該錯体を析出させスラリー状態とする錯体形
成工程において、後の工程(2)で分離される錯体と、
さらに後の工程(4)において錯体から分離されるm−
NBAを、上記錯体形成工程の系内へ混合し、繰り返し
錯体を形成し、該錯体を析出させスラリー状態とする工
程、(2)(1)の工程で得られるスラリーを、錯体と
液体とに分解する工程、(3)(2)の工程で分離した
錯体の全部または一部を、(1)の工程へ返送する工
程、(4)(2)の工程で分離した錯体の全部または一
部を、低級飽和炭化水素と水からなる2層系の液体に接
触させて分解し、m−NBAを含む水層と、低級飽和炭
化水素層とに分離し、さらに該低級飽和炭化水素層にお
いて、2,6−DMNを主体とする結晶を析出させスラ
リー状態とする工程、(5)(4)の工程で得られたm
−NBAを、(1)の工程へ返送する工程、(6)
(4)の工程で得られたスラリーから、2,6−DMN
を主体とする結晶と、低級飽和炭化水素層とに分離する
工程、からなる2,6−DMNの回収法を提供するもの
である。さらにまた、本発明は上記工程に工程(7)と
して、(2)の工程で得られた油層について2,6−D
MNへの異性化を行なう行程を加えた2,6−DMNの
回収法を提供するものである。
【0009】本発明において、(1)の錯体形成工程に
用いる原料炭化水素混合物としては、2,6−DMNを
含む炭化水素混合物であれば、特に限定されず、例え
ば、キノリン、インドールなどの含窒素化合物、チオフ
ェン、チオナフテンなどの含硫黄化合物を含む炭化水素
混合物であってもとくに支障はなく、またDMN類の濃
度が低い炭化水素混合物も用いることができる。この原
料炭化水素混合物の具体例としては、LCO、改質油な
どの石油精製工業の各過程で得られる油類、あるいは石
炭タールなどを挙げることができ、特にこれらの原料を
DMN類の沸点範囲である約260〜270℃留分に予
備蒸留したものがより好ましく、またDMN類の混合物
自体も使用し得ることは勿論である。
用いる原料炭化水素混合物としては、2,6−DMNを
含む炭化水素混合物であれば、特に限定されず、例え
ば、キノリン、インドールなどの含窒素化合物、チオフ
ェン、チオナフテンなどの含硫黄化合物を含む炭化水素
混合物であってもとくに支障はなく、またDMN類の濃
度が低い炭化水素混合物も用いることができる。この原
料炭化水素混合物の具体例としては、LCO、改質油な
どの石油精製工業の各過程で得られる油類、あるいは石
炭タールなどを挙げることができ、特にこれらの原料を
DMN類の沸点範囲である約260〜270℃留分に予
備蒸留したものがより好ましく、またDMN類の混合物
自体も使用し得ることは勿論である。
【0010】また、溶媒として用いられる芳香族炭化水
素については、単環のものが好ましく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの添加
量は、原料に対する重量比で、約0.2以上であるのが
好ましく、経済性などを考慮すると、特に約0.2〜
5.0、さらに約0.5〜3.0の範囲で用いるのが好
ましい。
素については、単環のものが好ましく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの添加
量は、原料に対する重量比で、約0.2以上であるのが
好ましく、経済性などを考慮すると、特に約0.2〜
5.0、さらに約0.5〜3.0の範囲で用いるのが好
ましい。
【0011】2,6−DMNと錯体を形成するm−NB
Aは、配合量が少なすぎると、2,6−DMNの捕捉率
が低下し、多すぎても、m−NBAの配合効果が飽和し
て2,6−DMNの捕捉率の向上効果は見られないた
め、原料炭化水素混合物中の2,6−DMNに対し、重
量比で約0.8〜7.5、特に、約1.0〜6.5が好
ましい。また、後述の(5)の工程より、(1)の工程
において、m−NBAが再使用される際に、少量の水が
混入することもあるが、なんら支障はない。
Aは、配合量が少なすぎると、2,6−DMNの捕捉率
が低下し、多すぎても、m−NBAの配合効果が飽和し
て2,6−DMNの捕捉率の向上効果は見られないた
め、原料炭化水素混合物中の2,6−DMNに対し、重
量比で約0.8〜7.5、特に、約1.0〜6.5が好
ましい。また、後述の(5)の工程より、(1)の工程
において、m−NBAが再使用される際に、少量の水が
混入することもあるが、なんら支障はない。
【0012】(3)の工程により循環される錯体につい
ては、配合量が少なすぎると、生産される錯体中の2,
6−DMNの純度が低下してしまい、逆に多すぎると、
原料炭化水素混合物の使用量が減少し、2,6−DMN
の回収量が減少するため、原料炭化水素混合物に対し、
重量比で約0.1〜3.0、特に、約1.0〜2.0と
することが好ましい。
ては、配合量が少なすぎると、生産される錯体中の2,
6−DMNの純度が低下してしまい、逆に多すぎると、
原料炭化水素混合物の使用量が減少し、2,6−DMN
の回収量が減少するため、原料炭化水素混合物に対し、
重量比で約0.1〜3.0、特に、約1.0〜2.0と
することが好ましい。
【0013】上記の炭化水素混合物、後述の(3)の工
程から返送される錯体、芳香族炭化水素、及びm−NB
Aの添加順序は、特に制限されない。ただし、予め錯体
及びm−NBAと、芳香族炭化水素とを混合し、スラリ
ー状態としたものを原料炭化水素混合物に加えること
が、錯体形成反応を速やかに進行させる上でより好まし
い。錯体形成反応をより効率的にするためには、反応温
度を、芳香族炭化水素が、適当なm−NBAの溶解度を
持つ40〜140℃、好ましくは50〜100℃とし、
約10分〜1時間程度十分に撹拌した後、室温まで、撹
拌しながら、放冷ないしは強制冷却し、錯体を析出させ
ればよい。冷却に関しては、反応槽におけるジャケット
冷却、熱交換機による外部冷却などが考えられるが、特
に、反応槽における断熱冷却を行い、水及び芳香族炭化
水素を除去する方法がよい。
程から返送される錯体、芳香族炭化水素、及びm−NB
Aの添加順序は、特に制限されない。ただし、予め錯体
及びm−NBAと、芳香族炭化水素とを混合し、スラリ
ー状態としたものを原料炭化水素混合物に加えること
が、錯体形成反応を速やかに進行させる上でより好まし
い。錯体形成反応をより効率的にするためには、反応温
度を、芳香族炭化水素が、適当なm−NBAの溶解度を
持つ40〜140℃、好ましくは50〜100℃とし、
約10分〜1時間程度十分に撹拌した後、室温まで、撹
拌しながら、放冷ないしは強制冷却し、錯体を析出させ
ればよい。冷却に関しては、反応槽におけるジャケット
冷却、熱交換機による外部冷却などが考えられるが、特
に、反応槽における断熱冷却を行い、水及び芳香族炭化
水素を除去する方法がよい。
【0014】なお、形成される錯体は、m−NBAと
2,6−DMNとの錯体であるが、原料として2,6−
DMNとともに他のDMN異性体を含む炭化水素混合物
を使用する場合であっても、主として2,6−DMNと
m−NBAとの錯体であって、この錯体中の他のDMN
異性体とは錯体を形成し難い。したがって、本発明によ
れば、2,6−DMNと他の異性体とが含まれる炭化水
素混合物を原料とする場合には、2,6−DMNを高純
度で含むDMNを分離回収することができる。
2,6−DMNとの錯体であるが、原料として2,6−
DMNとともに他のDMN異性体を含む炭化水素混合物
を使用する場合であっても、主として2,6−DMNと
m−NBAとの錯体であって、この錯体中の他のDMN
異性体とは錯体を形成し難い。したがって、本発明によ
れば、2,6−DMNと他の異性体とが含まれる炭化水
素混合物を原料とする場合には、2,6−DMNを高純
度で含むDMNを分離回収することができる。
【0015】本発明の(2)の工程では、上記の(1)
の工程が終了した後、濾過、遠心分離などの一般的な固
液分離方法で錯体を分離する。このとき、錯体は完全に
固体側に移行するということはなく、若干量が、液層側
に移行することはいうまでもない。 上記(2)の工程
で、分離された錯体の全部または一部は、(3)の工程
により、(1)の工程へ移送されるか、または(4)の
工程に用いられる。
の工程が終了した後、濾過、遠心分離などの一般的な固
液分離方法で錯体を分離する。このとき、錯体は完全に
固体側に移行するということはなく、若干量が、液層側
に移行することはいうまでもない。 上記(2)の工程
で、分離された錯体の全部または一部は、(3)の工程
により、(1)の工程へ移送されるか、または(4)の
工程に用いられる。
【0016】(4)の工程は、錯体を低級飽和炭化水素
と水からなる2層系の液体に接触させて分解する工程で
ある。この工程において、水は、イオン交換水あるいは
純水が好ましく使用でき、低級飽和炭化水素としては、
石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、リグロイン、シクロヘキサン、シクロペン
タンなどの炭素数が5〜10程度の低級飽和炭化水素が
好ましく使用できる。
と水からなる2層系の液体に接触させて分解する工程で
ある。この工程において、水は、イオン交換水あるいは
純水が好ましく使用でき、低級飽和炭化水素としては、
石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、リグロイン、シクロヘキサン、シクロペン
タンなどの炭素数が5〜10程度の低級飽和炭化水素が
好ましく使用できる。
【0017】水の使用量は、m−NBAが融点降下を生
起する量であればよいが、あまり多すぎると、前述した
従来技術の分解方法と同様の問題が生じるため、錯体に
対して、重量比で約0.05〜10、特に、約0.1〜
10とすることが好ましい。なお、水の量が下限値
(0.05)ぎりぎりであると、2,6−DMN(他の
DMN異性体を若干量含む)がm−NBA側に移行する
傾向が強くなり、2,6−DMNの回収量が低減するこ
とがあるため、2,6−DMNの回収量を重視するなら
ば、重量比で約3〜5とすることが適している。一方、
水の量が少なければ、全体の処理量も少なくなるため、
分解槽を小型化でき、したがって装置コスト、製造コス
トの低減につながるという利点があるため、このような
利点を重視するならば、重量比で約0.1〜3とするの
が好ましい。
起する量であればよいが、あまり多すぎると、前述した
従来技術の分解方法と同様の問題が生じるため、錯体に
対して、重量比で約0.05〜10、特に、約0.1〜
10とすることが好ましい。なお、水の量が下限値
(0.05)ぎりぎりであると、2,6−DMN(他の
DMN異性体を若干量含む)がm−NBA側に移行する
傾向が強くなり、2,6−DMNの回収量が低減するこ
とがあるため、2,6−DMNの回収量を重視するなら
ば、重量比で約3〜5とすることが適している。一方、
水の量が少なければ、全体の処理量も少なくなるため、
分解槽を小型化でき、したがって装置コスト、製造コス
トの低減につながるという利点があるため、このような
利点を重視するならば、重量比で約0.1〜3とするの
が好ましい。
【0018】また、低級飽和炭化水素の使用量について
は、少なすぎると、2,6−DMNが低級飽和炭化水素
中へ移行することが不可能ないしは極めて困難となるた
め、錯体に対する重量比で1以上とすることが好まし
い。なお、低級飽和炭化水素の使用量があまり多すぎる
と、低級飽和炭化水素に移行した2,6−DMNを、分
離回収する際の収率の低下を引き起こし、また経済性を
考慮すれば、使用量の上限を、錯体に対する重量比で約
20とすることが好ましい。
は、少なすぎると、2,6−DMNが低級飽和炭化水素
中へ移行することが不可能ないしは極めて困難となるた
め、錯体に対する重量比で1以上とすることが好まし
い。なお、低級飽和炭化水素の使用量があまり多すぎる
と、低級飽和炭化水素に移行した2,6−DMNを、分
離回収する際の収率の低下を引き起こし、また経済性を
考慮すれば、使用量の上限を、錯体に対する重量比で約
20とすることが好ましい。
【0019】以上の水と低級飽和炭化水素の2層系の液
体と、錯体とを接触させる際の、これらの各成分の接触
順序(具体的には、接触槽への各成分の添加順序)は、
特に制限されず、予め錯体を入れておき、ここに水から
低級飽和炭化水素の順序で、または逆に低級飽和炭化水
素から水の順序で加えてもよいし、水と低級飽和炭化水
素とを一度に加えてもよいし、水と低級飽和炭化水素と
を別途混合しておいたものを加えてもよい。あるいは、
予め水と低級飽和炭化水素とを添加して調製した2層系
の液体中に、錯体を投入してもよい。
体と、錯体とを接触させる際の、これらの各成分の接触
順序(具体的には、接触槽への各成分の添加順序)は、
特に制限されず、予め錯体を入れておき、ここに水から
低級飽和炭化水素の順序で、または逆に低級飽和炭化水
素から水の順序で加えてもよいし、水と低級飽和炭化水
素とを一度に加えてもよいし、水と低級飽和炭化水素と
を別途混合しておいたものを加えてもよい。あるいは、
予め水と低級飽和炭化水素とを添加して調製した2層系
の液体中に、錯体を投入してもよい。
【0020】このようにして、水と低級飽和炭化水素の
2層系の液体と、錯体とを接触させる際の温度(すなわ
ち、錯体の分解温度)は、約80〜140℃とすること
が好ましい。これは、m−NBAは、上記の水の使用量
において、大略10〜60℃程度の融点降下を生起して
おり、80〜130℃程度の低温で、ほぼ完全に溶融す
るからであり、また水の使用量が下限値ぎりぎりの場合
は、若干の余裕をみて140℃程度とすることが好まし
い。上記の温度において、水と低級飽和炭化水素の2層
系の液体と錯体とを十分に撹拌させ混合すると、錯体は
直ちに分解して、2,6−DMNは低級飽和炭化水素層
へ移行し、m−NBAは溶融状態において水層へ移行す
る。このときの撹拌時間は、あまり短すぎると錯体の分
解が不十分となり、逆にあまり長すぎてもそれ以上の分
解は起こらないため、10分〜1時間程度行うことが好
ましい。
2層系の液体と、錯体とを接触させる際の温度(すなわ
ち、錯体の分解温度)は、約80〜140℃とすること
が好ましい。これは、m−NBAは、上記の水の使用量
において、大略10〜60℃程度の融点降下を生起して
おり、80〜130℃程度の低温で、ほぼ完全に溶融す
るからであり、また水の使用量が下限値ぎりぎりの場合
は、若干の余裕をみて140℃程度とすることが好まし
い。上記の温度において、水と低級飽和炭化水素の2層
系の液体と錯体とを十分に撹拌させ混合すると、錯体は
直ちに分解して、2,6−DMNは低級飽和炭化水素層
へ移行し、m−NBAは溶融状態において水層へ移行す
る。このときの撹拌時間は、あまり短すぎると錯体の分
解が不十分となり、逆にあまり長すぎてもそれ以上の分
解は起こらないため、10分〜1時間程度行うことが好
ましい。
【0021】その後、温度を保ったまま、静置し、低級
飽和炭化水素層と、溶融状態のm−NBAが移行した水
層とに分離し、下層の水層を、(5)の工程により、
(1)の錯体形成工程へ返送する。該水層は、多量のm
−NBAが溶解しているため、このまま上記(1)の錯
体形成工程において、該m−NBAを、再度、錯体の形
成に使用する。水層の錯体形成工程への返送に際し、該
水層においてm−NBAを完全に溶解させるべく、返送
途上で加熱しておくことが好ましい。あるいは、水層を
冷却してm−NBAを析出させ、析出させたm−NBA
のみを(1)の錯体形成工程に返送することも好まし
い。
飽和炭化水素層と、溶融状態のm−NBAが移行した水
層とに分離し、下層の水層を、(5)の工程により、
(1)の錯体形成工程へ返送する。該水層は、多量のm
−NBAが溶解しているため、このまま上記(1)の錯
体形成工程において、該m−NBAを、再度、錯体の形
成に使用する。水層の錯体形成工程への返送に際し、該
水層においてm−NBAを完全に溶解させるべく、返送
途上で加熱しておくことが好ましい。あるいは、水層を
冷却してm−NBAを析出させ、析出させたm−NBA
のみを(1)の錯体形成工程に返送することも好まし
い。
【0022】さらに、上記(4)の工程において、残っ
た上層の低級飽和炭化水素層を冷却し、2,6−DMN
を主体とする結晶が析出したスラリーとし、(6)の分
離工程において、2,6−DMNを、これを主体とする
結晶として回収する。分離は遠心分離等常法により行な
うことができる。
た上層の低級飽和炭化水素層を冷却し、2,6−DMN
を主体とする結晶が析出したスラリーとし、(6)の分
離工程において、2,6−DMNを、これを主体とする
結晶として回収する。分離は遠心分離等常法により行な
うことができる。
【0023】更に、一方、上記(2)の工程で錯体と分
離された液層は、(7)の異性化工程に送り、異性化反
応を行なうことにより、2,6−DMNの濃度を向上さ
せることができる。この異性化工程は、例えば上記の液
層(油層)を、ペンタシル型の結晶性アルミノシリケー
トゼオライトに元素周期律表のIII B族(例えば、ガリ
ウムやアルミニウム)IIB族(例えば亜鉛)のうちの少
なくとも一つを含有させてなる触媒と接触させ、該油層
中のDMNを2,6−DMNに異性化させることにより
行なわれる。異性化工程を経た液層は、(1)の錯体形
成工程の原料として用いる。
離された液層は、(7)の異性化工程に送り、異性化反
応を行なうことにより、2,6−DMNの濃度を向上さ
せることができる。この異性化工程は、例えば上記の液
層(油層)を、ペンタシル型の結晶性アルミノシリケー
トゼオライトに元素周期律表のIII B族(例えば、ガリ
ウムやアルミニウム)IIB族(例えば亜鉛)のうちの少
なくとも一つを含有させてなる触媒と接触させ、該油層
中のDMNを2,6−DMNに異性化させることにより
行なわれる。異性化工程を経た液層は、(1)の錯体形
成工程の原料として用いる。
【0024】本発明方法の一例を図1の各成分(物質)
のフローを示す概略説明図に従い、説明すると次のよう
になる。
のフローを示す概略説明図に従い、説明すると次のよう
になる。
【0025】すなわち、図1において、2は本発明の
(1)の錯体形成工程に使用される錯体形成装置であっ
て、図示しない撹拌手段、加熱手段、及び冷却手段とを
備えている。この錯体形成装置2において、ライン1か
ら導入される原料炭化水素混合物、芳香族炭化水素、m
−NBAと、固液分離装置4よりライン6を介して導入
される錯体、及び錯体分解装置8よりライン9を介して
導入されるm−NBA(及び水)とが、所定の温度に加
熱され、撹拌混合されて、主として2,6−DMNとm
−NBAとからなる錯体が形成される。この後、上記の
錯体を含む液体は、室温まで、撹拌されながら、強制冷
却され、錯体が析出したスラリー状態となり、ライン3
を介して固液分離装置4に送られて、本発明の(2)の
工程である錯体と液体の分離が行なわれる。
(1)の錯体形成工程に使用される錯体形成装置であっ
て、図示しない撹拌手段、加熱手段、及び冷却手段とを
備えている。この錯体形成装置2において、ライン1か
ら導入される原料炭化水素混合物、芳香族炭化水素、m
−NBAと、固液分離装置4よりライン6を介して導入
される錯体、及び錯体分解装置8よりライン9を介して
導入されるm−NBA(及び水)とが、所定の温度に加
熱され、撹拌混合されて、主として2,6−DMNとm
−NBAとからなる錯体が形成される。この後、上記の
錯体を含む液体は、室温まで、撹拌されながら、強制冷
却され、錯体が析出したスラリー状態となり、ライン3
を介して固液分離装置4に送られて、本発明の(2)の
工程である錯体と液体の分離が行なわれる。
【0026】分離された錯体は、ライン6を介して錯体
形成装置1へ送られる(本発明の(3)の工程)か、ま
たはライン5を介して錯体分解装置8へ送られる。後者
の錯体の錯体は錯体分解装置8にて、本発明の(4)の
錯体分解工程が行なわれる。この錯体分解装置8は、図
示しない撹拌手段、加熱手段、冷却手段、及び油水分離
手段を備えており、先ずライン5から導入される錯体
を、ライン7から導入される水と低級飽和炭化水素から
なる2層系の液体と接触させ、これらを所定の温度まで
昇温して撹拌混合し、錯体を分解する。次に、上記錯体
分解が終了した系を、この装置8内において静置し、
2,6−DMN(他のDMN異性体を若干量含んでい
る)を移行させた低級飽和炭化水素層と、m−NBAを
移行させた水層とを分離する。そして、m−NBAを移
行させた下層の水層は、ライン9を介して錯体形成装置
2へ返送し(本発明の(5)の工程)、前述した(1)
の錯体形成工程で再使用する。なお、ライン9の途上に
適当な加熱手段を設け、水層を加熱しながら錯体形成装
置2へ導入するようにしてもよい。
形成装置1へ送られる(本発明の(3)の工程)か、ま
たはライン5を介して錯体分解装置8へ送られる。後者
の錯体の錯体は錯体分解装置8にて、本発明の(4)の
錯体分解工程が行なわれる。この錯体分解装置8は、図
示しない撹拌手段、加熱手段、冷却手段、及び油水分離
手段を備えており、先ずライン5から導入される錯体
を、ライン7から導入される水と低級飽和炭化水素から
なる2層系の液体と接触させ、これらを所定の温度まで
昇温して撹拌混合し、錯体を分解する。次に、上記錯体
分解が終了した系を、この装置8内において静置し、
2,6−DMN(他のDMN異性体を若干量含んでい
る)を移行させた低級飽和炭化水素層と、m−NBAを
移行させた水層とを分離する。そして、m−NBAを移
行させた下層の水層は、ライン9を介して錯体形成装置
2へ返送し(本発明の(5)の工程)、前述した(1)
の錯体形成工程で再使用する。なお、ライン9の途上に
適当な加熱手段を設け、水層を加熱しながら錯体形成装
置2へ導入するようにしてもよい。
【0027】一方、DMN類が移行した上層の低級飽和
炭化水素層は、撹拌されながら冷却され、2,6−DM
N(他のDMN異性体を若干量含んでいる)結晶が析出
したスラリーとされ、ライン10を介して、本発明の
(6)の工程が行なわれる固液分離装置11へ移送され
る。この固液分離装置11として、たとえば、遠心分離
機を使用する場合、該遠心分離機への導入に先だって、
DMN類が移行した低級飽和炭化水素を熱水により洗浄
を行なうことが、2,6−DMNを高純度で回収する上
で好ましい。この熱水洗浄の後、遠心分離機において濾
別すれば、2,6−DMNを約99%以上で含有するD
MNを得ることができる。
炭化水素層は、撹拌されながら冷却され、2,6−DM
N(他のDMN異性体を若干量含んでいる)結晶が析出
したスラリーとされ、ライン10を介して、本発明の
(6)の工程が行なわれる固液分離装置11へ移送され
る。この固液分離装置11として、たとえば、遠心分離
機を使用する場合、該遠心分離機への導入に先だって、
DMN類が移行した低級飽和炭化水素を熱水により洗浄
を行なうことが、2,6−DMNを高純度で回収する上
で好ましい。この熱水洗浄の後、遠心分離機において濾
別すれば、2,6−DMNを約99%以上で含有するD
MNを得ることができる。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、これに限定されるものではない。
するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0029】実施例1 図1の概略説明図に従って、2,6−DMNを製造し
た。すなわち、まずSWA1500BTMを精密蒸留し
て得た表1に示す組成の220〜260℃の留分20
3.0kgを原料炭化水素油とし、これに、m−NBA8
4.4kg、トルエン168.9kgを加え、97℃で、3
0分間撹拌した後、室温まで冷却してスラリー状態と
し、遠心分離機において、固液分離し、94.5kgの個
体(錯体)を得た。
た。すなわち、まずSWA1500BTMを精密蒸留し
て得た表1に示す組成の220〜260℃の留分20
3.0kgを原料炭化水素油とし、これに、m−NBA8
4.4kg、トルエン168.9kgを加え、97℃で、3
0分間撹拌した後、室温まで冷却してスラリー状態と
し、遠心分離機において、固液分離し、94.5kgの個
体(錯体)を得た。
【0030】
【表1】
【0031】そして、得られた錯体の全部または一部
と、上記の組成の原料炭化水素油、m−NBA、トルエ
ンを混合し、同様の操作を繰り返すことによって、13
1.3kgの固体(錯体:2,6−DMN純度90.0wt
%)を得た。このとき、仕込の組成は、原料炭化水素油
81.5kg、トルエン217.4kg、錯体104.4k
g、m−NBA33.0kg(後に示す分解工程で分離回
収されるリサイクルのm−NBAを含む)であった。ま
たこのとき、錯体形成工程へ返送される錯体、及び後の
分解工程に返送される錯体は、生成する錯体に対し、重
量比で80%、及び20重量%であった〔工程(1)、
(2)、(3)、(5)〕。
と、上記の組成の原料炭化水素油、m−NBA、トルエ
ンを混合し、同様の操作を繰り返すことによって、13
1.3kgの固体(錯体:2,6−DMN純度90.0wt
%)を得た。このとき、仕込の組成は、原料炭化水素油
81.5kg、トルエン217.4kg、錯体104.4k
g、m−NBA33.0kg(後に示す分解工程で分離回
収されるリサイクルのm−NBAを含む)であった。ま
たこのとき、錯体形成工程へ返送される錯体、及び後の
分解工程に返送される錯体は、生成する錯体に対し、重
量比で80%、及び20重量%であった〔工程(1)、
(2)、(3)、(5)〕。
【0032】次に、上記工程で得た錯体の一部26.9
kg、n−ヘプタン27.2kgと、水0.7kgを、オート
クレーブにて、130℃で30分間撹拌した後、30分
間静置して、水層を抜きだし、再び水0.7kgを混合
し、同様の昇温と静置をもう一度繰り返した後、水層を
抜きだし、n−ヘプタン層を冷却して2,6−DMNを
主体とする結晶を析出させ、スラリー状態とした〔工程
(4)〕。
kg、n−ヘプタン27.2kgと、水0.7kgを、オート
クレーブにて、130℃で30分間撹拌した後、30分
間静置して、水層を抜きだし、再び水0.7kgを混合
し、同様の昇温と静置をもう一度繰り返した後、水層を
抜きだし、n−ヘプタン層を冷却して2,6−DMNを
主体とする結晶を析出させ、スラリー状態とした〔工程
(4)〕。
【0033】上記工程で得たスラリーを、遠心分離機に
おいて固液分離し、2,6−DMNを主体とする6.2
kgの結晶(2,6−DMN純度99.5wt%)を得た
〔工程(6)〕。また、錯体形成後の固液分離工程〔工
程(2)〕で得られる液体(ろ液)については、ステン
レス鋼製反応管に充填されたペンタシル型の結晶製アル
ミノシリケイトゼオライトに、ガリウム化合物を含有さ
せた触媒を用いて、400℃、LHSV=1.0h-1、
圧力10気圧の条件で異性化反応を行なった。この結
果、異性化油が、液収率80.0wt%、DMN濃度7.
95wt%(トルエン分を除く)で得られた〔工程
(7)〕。この異性化油は、上記のSWA1500BT
Mと混合し、錯体形成工程の原料とした。
おいて固液分離し、2,6−DMNを主体とする6.2
kgの結晶(2,6−DMN純度99.5wt%)を得た
〔工程(6)〕。また、錯体形成後の固液分離工程〔工
程(2)〕で得られる液体(ろ液)については、ステン
レス鋼製反応管に充填されたペンタシル型の結晶製アル
ミノシリケイトゼオライトに、ガリウム化合物を含有さ
せた触媒を用いて、400℃、LHSV=1.0h-1、
圧力10気圧の条件で異性化反応を行なった。この結
果、異性化油が、液収率80.0wt%、DMN濃度7.
95wt%(トルエン分を除く)で得られた〔工程
(7)〕。この異性化油は、上記のSWA1500BT
Mと混合し、錯体形成工程の原料とした。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、石油精製工業の各過程
で得られる油類や石炭タールなどの炭化水素混合物中の
2,6−DMNを高純度かつ高収率で回収することがで
きる。しかも、各工程で得られる各成分を、系内で循環
させて使用することにより、各工程の原料となる各成分
の有効利用を図ることができるとともに、各成分毎の分
離、乾燥、あるいは精製工程を不要とし、効率的であ
る。従って2,6−DMNの回収を簡単なプロセスで、
しかも、経済的に行なうことができる。
で得られる油類や石炭タールなどの炭化水素混合物中の
2,6−DMNを高純度かつ高収率で回収することがで
きる。しかも、各工程で得られる各成分を、系内で循環
させて使用することにより、各工程の原料となる各成分
の有効利用を図ることができるとともに、各成分毎の分
離、乾燥、あるいは精製工程を不要とし、効率的であ
る。従って2,6−DMNの回収を簡単なプロセスで、
しかも、経済的に行なうことができる。
【図1】本発明における各成分のフローを示す概略説明
図である。 1、3、5、6、7、9、10、12:ライン 2:錯体形成装置 4:固液分離装置(錯体分離) 8:錯体分解装置 11:固液分離装置(2,6−DMN単離) 13:異性化装置
図である。 1、3、5、6、7、9、10、12:ライン 2:錯体形成装置 4:固液分離装置(錯体分離) 8:錯体分解装置 11:固液分離装置(2,6−DMN単離) 13:異性化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堂野前 守 神奈川県大和市中央5−2−26−502 (72)発明者 木藤 忠 埼玉県春日部市増富270−14
Claims (2)
- 【請求項1】 次の工程(1)〜(6) (1)2,6−ジメチルナフタレンを含有する炭化水素
混合物を、芳香族炭化水素の存在下でm−ニトロ安息香
酸と接触させ、m−ニトロ安息香酸と2,6−ジメチル
ナフタレンを主体とする錯体を形成せしめ、該錯体を析
出させスラリー状態とする錯体形成工程において、後の
工程(2)で分離される錯体と、さらに後の工程(4)
において錯体から分離されるm−ニトロ安息香酸を、上
記錯体形成工程の系内へ混合し、繰り返し錯体を形成
し、該錯体を析出させスラリー状態とする工程、(2)
(1)の工程で得られるスラリーを、錯体と液体とに分
離する工程、(3)(2)の工程で分離した錯体の全部
または一部を、(1)の工程へ返送する工程、(4)
(2)の工程で分離した錯体の全部または一部を、低級
飽和炭化水素と水からなる2層系の液体に接触させて分
解し、m−ニトロ安息香酸を含む水層と、低級飽和炭化
水素層とに分離し、さらに該低級飽和炭化水素層におい
て、2,6−ジメチルナフタレンを主体とする結晶を析
出させスラリー状態とする工程、(5)(4)の工程で
得られたm−ニトロ安息香酸を、(1)の工程へ返送す
る工程、(6)(4)の工程で得られたスラリーから、
2,6−ジメチルナフタレンを主体とする結晶と、低級
飽和炭化水素層とに分離する工程、からなる2,6−ジ
メチルナフタレンの回収法。 - 【請求項2】 更に、次の工程(7) (7)(2)の工程で得られた油層について、2,6−
ジメチルナフタレンへの異性化を行なう工程を加えた請
求項1記載の2,6−ジメチルナフタレンの回収法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33233093A JPH07188071A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 2,6−ジメチルナフタレンの回収法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33233093A JPH07188071A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 2,6−ジメチルナフタレンの回収法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188071A true JPH07188071A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18253760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33233093A Pending JPH07188071A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 2,6−ジメチルナフタレンの回収法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07188071A (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP33233093A patent/JPH07188071A/ja active Pending
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