JPH07187726A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JPH07187726A
JPH07187726A JP33306793A JP33306793A JPH07187726A JP H07187726 A JPH07187726 A JP H07187726A JP 33306793 A JP33306793 A JP 33306793A JP 33306793 A JP33306793 A JP 33306793A JP H07187726 A JPH07187726 A JP H07187726A
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laminated glass
layer
glass
interlayer film
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JP33306793A
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Masao Suzuki
雅雄 鈴木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋外暴露や紫外線照射及び温度により経時で
接着力の低下が殆どなく、水分や湿気により合わせガラ
スの周縁から内方への白化が起こらず、耐貫通性及びガ
ラスの飛散防止性に優れ、熱線反射性等の高機能性を有
する合わせガラスに用いる合わせガラス用中間膜及び合
わせガラスを提供すること。 【構成】 少なくとも内面側に金属酸化物層又は金属層
が形成された透明板と、ガラス板との間に挟着される合
わせガラス用中間膜であって、アセタール化度が60〜
75モル%のポリビニルアセタール樹脂を主成分とする
樹脂組成物より形成される基層と、該基層の面のうち上
記金属酸化物層又は金属層が存在する側の面に設けら
れ、アセタール化度が80〜95モル%のポリビニルア
セタール樹脂を主成分とする樹脂組成物より形成される
高アセタール化度層とからなることを特徴とする合わせ
ガラス用中間膜及びこの合わせガラス用中間膜を用いた
合わせガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐貫通性及びガラスの
飛散防止性に優れ、熱線反射性等の高機能を有する合わ
せガラスに用いられる合わせガラス用中間膜及び合わせ
ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より積層安全ガラスは、建築用及び
自動車のフロントガラス用等に広く使用されてきた。こ
の積層安全ガラスの代表的なものとして、可塑化された
ポリビニルアセタール樹脂組成物からなる中間膜を一対
のガラス板間に挟着して貼り合わせたものがある。この
ような積層安全ガラスは、外部から衝撃が加えられると
ガラス部分が破損するが、ガラスの間に挟着された中間
膜は容易には破損せず、また、ガラスは中間膜に貼着さ
れた状態にあるので、たとえ破損してもガラスの破片が
飛散することは少ない。従って、輸送機関や建造物の中
にいる人がガラスの破片により傷害を受けることを防止
することができる。
【0003】このような安全ガラスとしての機能を満足
するためには、中間膜とガラスとの接着力をある範囲内
に調整する必要がある。というのも、ガラス板と中間膜
との接着力が小さ過ぎる合わせガラスでは、外部からの
衝撃によってガラスの破片が中間膜より剥がれて飛散し
てしまうし、逆にガラス板と中間膜との接着力が大き過
ぎる合わせガラスでは、外部からの衝撃によってガラス
板と中間膜とが共に割れて貫通してしまうからである。
【0004】従って、ガラス板と中間膜との接着力を適
度に調整するには、通常、中間膜中に接着力調整剤(衝
撃強度増加剤と呼ばれることもある)を練り込んで含有
させるか、或いは、中間膜の表面に接着力調整剤を付着
させる方法が採用されている。もちろん、中間膜中の含
水量も調節される。
【0005】上記接着力調整剤としては、一般にカルボ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、変性シ
リコンオイル等が使用されている(例えば、特公昭45
−32071号公報及び特公昭55−29950号公報
参照)。
【0006】ところで、近年、ガラス板の内側面に高機
能を有する層を設け、選択光線透過性や透明電導性等の
高機能を付与した合わせガラスが提案されている。例え
ば、熱線反射ガラスや結露防止導電ガラス等であり、こ
れら特殊な合わせガラスが建築物や自動車等に使用され
はじめている。これらの特性は、主に高機能性の薄膜を
真空蒸着法やスパッタリング法等によりガラス表面に形
成することで得られる。
【0007】高機能を有する層の構成としては、例え
ば、建築物用熱線反射ガラスにおいては、ガラス板の内
側面に金属酸化物層(熱線反射層)が設けられて構成さ
れたものが多い。一方、自動車用熱線反射ガラスでは、
ガラス板の内側面に銀などの金属層を金属酸化物で挟み
こんだ層(熱線反射層)を設けて構成されたものが多
い。他の高機能を有する層についても、いずれも金属酸
化物層又は金属層で形成されている場合が多い。
【0008】これら金属酸化物層又は金属層(熱線反射
層)を用いた合わせガラスは、主に、ガラス板/熱線反
射層/中間膜/ガラス板、ガラス板/中間膜/熱線反射
シート/中間膜/ガラス板という構成であり、ガラス板
又はシートに設けられている高機能層は、それを保護す
るために合わせガラスの内側に配置されている。それゆ
え、金属酸化物又は金属層と中間膜とが当接することに
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような金属酸化物
層又は金属層を有する合わせガラスにおいても、高度の
耐貫通性とガラスの飛散防止性とが要求されており、こ
れ等の性能を付与するためには、金属酸化物又は金属層
と中間膜との接着力を適度に調整する必要がある。
【0010】ところが、カルボン酸金属塩からなる接着
力調整剤を中間膜中に練り込むか或いは中間膜の表面に
付着させたものは、金属酸化物層又は金属層のない通常
の合わせガラスと異なり、屋外暴露や紫外線照射により
経時で両者間の接着力が低下しやすく、衝撃等によりガ
ラス板が中間膜より剥離しやすくなるという問題があっ
た。
【0011】また、変性シリコンオイルからなる接着力
調整剤を中間膜中に練り込んだものは、屋外暴露や紫外
線照射による経時変化は小さいが、温度により接着力の
経時変化が大きくなり、衝撃などによりガラス板が中間
膜より剥離しやすくなるという問題があった。
【0012】この接着力の低下は、変性シリコンオイル
が液体であり、且つ、樹脂及び可塑剤と完全には相溶し
ないため、金属酸化物層又は金属層と中間膜との界面に
徐々にブリードアウトしてくるためと考えられる。
【0013】また、変性シリコンオイルからなる接着力
調整剤を中間膜の表面に付着させたものは、熱線反射層
側(金属酸化物層又は金属層の側)とガラス板側とで、
中間膜とガラス板との接着力に著しい差異が生じ、耐貫
通性が低下するという問題があった。
【0014】本発明は、上記の問題を解決するものであ
り、その目的とするところは、屋外暴露、紫外線照射又
は温度等により経時での接着力の低下が殆どなく、耐貫
通性及びガラスの飛散防止性に優れ、熱線反射性等の高
機能性を有する合わせガラスに用いられる合わせガラス
用中間膜及び合わせガラスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の合
わせガラス用中間膜は、少なくとも内面側に金属酸化物
層又は金属層が形成された透明板と、ガラス板との間に
挟着される合わせガラス用中間膜であって、アセタール
化度が60〜75モル%のポリビニルアセタール樹脂を
主成分とする樹脂組成物より形成される基層と、該基層
の面のうち上記金属酸化物層又は金属層が存在する側の
面に設けられ、アセタール化度が80〜95モル%のポ
リビニルアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物より
形成される高アセタール化度層とからなる。
【0016】請求項1記載の発明の合わせガラス用中間
膜中の基層は、アセタール化度が60〜75モル%の範
囲にあるポリビニルアセタール樹脂に可塑剤を含有させ
た可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる樹脂組成物
より形成される。上記アセタール化度は、低くなるとポ
リビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が低下し、
高くなると得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する
ため、60〜75モル%の範囲に限定される。
【0017】上記ポリビニルアセタール樹脂としては、
従来より合わせガラス用中間膜に用いられている樹脂、
例えば、ポリビニルアルコールを炭素数4〜10のアル
デヒドでアセタール化した樹脂等が挙げられる。
【0018】上記ポリビニルアセタール樹脂を調製する
のに使用されるポリビニルアルコールの平均重合度は、
低くなると得られる合わせガラスの耐貫通性が低下し、
高くなると中間膜とガラス板との接着力が強くなり過ぎ
て安全ガラスとしての使用性が低下するため、800〜
3000が好ましい。また、上記ポリビニルアルコール
のケン化度は、低くなると得られる合わせガラスの透明
性、耐熱性、耐光性等が低下することがあるため、95
モル%以上であることが好ましい。
【0019】上記可塑剤としては、例えば、一塩基酸エ
ステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や、有機リ
ン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げら
れる。上記一塩基酸エステルとしては、例えば、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリ
プロピレングリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン
酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2
−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又
はデシル酸等の有機酸などとの反応によって得られるグ
リコール系エステルが挙げられ、好ましくは、トリエチ
レングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチ
レングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、トリエ
チレングリコール−ジ−カプロネート、トリエチレング
リコール−ジ−n−オクトエート等の、トリエチレング
リコールと有機酸とのグリコール系エステルである。
【0020】上記多塩基酸エステルとしては、例えば、
アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と、
炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとのエステ
ルが挙げられる。
【0021】上記リン酸系可塑剤としては、例えば、ト
リブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホ
スフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げら
れる。
【0022】上記可塑剤の添加量は、少なくなると、得
られる合わせガラスの耐貫通性が低下し、多くなると、
可塑剤がブリードアウトして得られる合わせガラスの透
明性及び中間膜とガラス板との接着性等が低下すること
があるため、樹脂100重量部に対して5〜80重量部
が好ましい。
【0023】なお、上記合わせガラス用中間膜の基層に
は、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤
等の公知の添加剤が含有されてもよい。また、カルボン
酸金属塩や変成シリコンオイルからなる接着力調整剤
が、ガラス板との接着力が低下しない程度に少量だけ含
有されてもよい。
【0024】上記合わせガラス用中間膜中の基層の厚さ
は、薄くなっても厚くなっても得られる合わせガラスの
耐貫通性が低下することがあるため、0.1〜2mmが
好ましい。また、この基層は、ポリビニルアセタール樹
脂に所要量の可塑剤を配合し、さらに必要に応じてその
他の添加剤を添加し、これを例えば押出機により溶融混
練してシート状に成形することにより得られる。また、
ロールで溶融混練した後プレスすることによっても得ら
れる。
【0025】上記合わせガラス用中間膜中の、金属酸化
物層又は金属層が存在する側の面に設けられる高アセタ
ール化度層は、ポリビニルアセタール樹脂を主成分とす
る樹脂組成物より形成され、該ポリビニルアセタール樹
脂のアセタール化度は、低くなると中間膜とガラス板と
の接着力が強くなって得られる合わせガラスの耐貫通性
が低下し、高くなると、接着性に寄与する水酸基の数が
減少して必要な接着力が得られないため、80〜95モ
ル%に限定される。
【0026】上記金属酸化物層又は金属層は、透明電導
性や熱線反射性等の高機能を付与するためのもので、透
明電導性を付与するためには、例えば酸化インジウムと
酸化錫との混合物(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛、金、
銀、銅等の被膜が形成される。熱線反射性付与のために
は、例えば金、銀、銅、錫、アルミニウム、ニッケル、
パラジウム及びこれ等の合金或いは混合物の金属被膜が
形成される。
【0027】これ等の金属酸化物層又は金属層は、ガラ
ス板の内面側に直接形成されてもよく、或いは一旦適当
なシートに予め金属酸化物層又は金属層が形成され、こ
のシートがガラス板の内面側に適当な接着膜(中間膜)
を介して接着されてもよい。なお、金属酸化物層又は金
属層は、ガラス板の内面側のみならず、ガラス板の内面
側と外面側の両面に形成されてもよい。
【0028】請求項2記載の発明の合わせガラスは、請
求項1記載の合わせガラス用中間膜を用いて得られる合
わせガラスである。上記合わせガラスを作製するには、
ガラス板と、内面側に金属酸化物層又は金属層が形成さ
れたガラス板との間に、上記合わせガラス用中間膜を挟
持させる。その際、合わせガラス用中間膜中の高アセタ
ール化度層が、金属酸化物層又は金属層に当接するよう
に積層される。なお、ガラス板としては、いずれも一般
に無機又は有機の透明なガラス板が使用される。
【0029】次いで、常法により、オートクレーブなど
の装置を用いてこの積層体を加熱、加圧する。こうし
て、請求項2記載の発明の合わせガラスが作製される。
この場合、金属酸化物層又は金属層が形成されたガラス
板と中間膜との接着力と、金属酸化物層又は金属層が形
成されていないガラス板と中間膜との接着力とは、ほぼ
同等であることが耐貫通性の点から好ましい。この接着
力は、中間膜のアセタール化度を変えることにより調整
することができる。
【0030】図1は、請求項2記載の発明の合わせガラ
スの代表的な例を示す模式断面図である。図1におい
て、10はガラス、11は金属酸化物層又は金属層、2
0は合わせガラス用中間膜、21は合わせガラス用中間
膜の高アセタール化度層、22は合わせガラス用中間膜
の基層、30は合わせガラスである。
【0031】
【作用】請求項1記載の合わせガラス用中間膜を用いた
請求項2記載の合わせガラスによれば、金属酸化物層又
は金属層により高機能性(熱線反射性等)が付与され、
アセタール化度が80〜95モル%の範囲にあるポリビ
ニルアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物により形
成される高アセタール化度層が、上記金属酸化物又は金
属層の存在する側に当接されることにより、合わせガラ
ス用中間膜と金属酸化物又は金属層との接着力が調整さ
れる。
【0032】また、アセタール化度が80〜95モル%
の範囲にあるポリビニルアセタール樹脂は、通常の、ア
セタール化度が60〜75モル%の範囲にあるポリビニ
ルアセタール樹脂に比べて吸水性が低く、合わせガラス
用中間膜として使用した際に耐湿性がよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明する。なお、「部」とあるのは、「重量部」を意味す
る。 実施例1 (1)基層用樹脂膜の調製 フラスコに、重合度1700、ケン化度99.2%、ア
セタール化度65モル%のポリビニルブチラール樹脂1
00部、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2
−エチルブチレート40部、紫外線吸収剤0.16部、
酸化防止剤0.16部、酢酸マグネシウム0.03部及
び下記一般式(A)で表されるポリエーテル変性シリコ
ンオイル0.025部を供給して混合した。得られた混
合物を80℃に加熱された二本ロールでよく混練して厚
さ0.7mmのシート状に成形し、これをスペーサーで
規制したプレスで150℃に加熱加圧して厚さ0.6m
mの基層用樹脂膜を得た。
【0034】
【化1】 (式中、m及びnは、10〜20の正の整数を示し、x
は、2〜8の正の整数を示す。)
【0035】(2)高アセタール化度層用樹脂膜の調製 攪拌装置及び滴下ロート付セパラブルフラスコに、重合
度1700、ケン化度99.2%、アセタール化度65
モル%のポリビニルブチラール樹脂100部、キシレン
2947gを供給し温度25℃にて溶解させ、n−ブチ
ルアルデヒド158部を一括して供給し、5分間攪拌し
て混合した。更に、35%塩酸溶液25部を滴下ロート
より15分間かけて滴下、混合した。混合してから30
分後に、反応系を60℃に昇温し、3時間恒温保持して
反応を完了させ、反応生成物を得た。得られた反応生成
物に、重曹を溶解させた大過剰の水/メタノール溶液
(混合比1:1)を添加し、中和させて中和生成物を得
た。得られた中和生成物を大過剰のメタノール中に滴下
して樹脂を再沈させ、水洗後乾燥させて、アセタール化
度85%の高アセタール化度ポリビニルブチラール樹脂
を得た。
【0036】得られた高アセタール化度のポリビニルブ
チラール樹脂100部、可塑剤としてトリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート30部、紫外線吸収
剤0.16部、及び酸化防止剤0.16部を混合し、得
られた混合物を80℃に加熱された二本ロールでよく混
練して厚さ0.2mmに成形し、これをスペーサーで規
制したプレスで150℃に加熱加圧し、厚さ0.16m
mの高アセタール化度層用樹脂膜を得た。得られた高ア
セタール化度層用樹脂膜を恒温恒湿室中に静置し、含水
率が0.4〜0.5重量%になるように調整した。
【0037】(3)合わせガラスの作製 得られた基層用樹脂膜及び高アセタール化度層用樹脂膜
を縦305mm×横305mmに裁断し、同じ寸法の、
ガラス/ITOの層構成を有する導電性ガラス(厚さ
2.5mm)及びガラス(厚さ2.5mm)との間に、
ガラス/ITO/高アセタール化度層/基層/ガラス、
の層構成となるように挟み込み、ロールで予備接着し
た。次いで、130℃のオートクレーブで13Kg/c
2 の圧力で圧着して合わせガラスを作製した。
【0038】得られた合わせガラスを用い、下記方法に
て耐光性試験を行って評価した結果を表2に示した。 耐光性試験 JIS R 3212の耐光性試験に準じ、750Wの
石英ガラス水銀灯(紫外線)から230mmの距離に合
わせガラスを置き、45℃で200時間照射した。紫外
線照射前後の合わせガラスについてパンメル試験を行
い、パンメル値を測定した。
【0039】パンメル試験 紫外線照射前後での上記合わせガラスを、−18℃±
0.6℃の温度に16時間調整し、この合わせガラスの
中央部(縦150mm×横150mmの部分)を0.4
5Kgのヘッドを有するハンマーで打って、ガラスの粒
径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離し
た後の中間膜の露出度を、表1によってパンメル値で評
価した。
【0040】
【表1】
【0041】なお、本発明においては、パンメル値が3
〜8の範囲で、しかも両面におけるパンメル値の差異の
小さい合わせガラスが、耐貫通性及びガラスの飛散防止
性に優れるので好ましい。パンメル値が3未満では接着
力が低くなり、衝撃等によるガラスの飛散防止性が低下
する。逆に、パンメル値が8を越えると接着力が高くな
り、衝撃等による合わせガラスの耐貫通性が低下する。
【0042】実施例2 酢酸マグネシウムを0.036部用いた以外は実施例1
と同様にして厚さ0.6mmの基層用樹脂膜を得、n−
ブチルアルデヒドを163部、トリエチレングリコール
−ジ−2−エチルブチレートを25部用いた以外は実施
例1と同様にして、アセタール化度88%、厚さ0.1
6mmの高アセタール化度層用樹脂膜を得た。得られた
基層用樹脂膜及び高アセタール化度層用樹脂膜を用い、
導電性ガラス(厚さ2.5mm)として、ガラス/Zn
O/Ag/ZnO、の層構成を有する導電性ガラスを用
いた以外は実施例1と同様にして、ガラス/ZnO/A
g/ZnO/高アセタール化度層/基層/ガラス、の層
構成を有する合わせガラスを得た。得られた合わせガラ
スを用い、実施例1と同様にして評価した結果を表2に
示した。
【0043】実施例3 酢酸マグネシウムを0.042g用いた以外は実施例1
と同様にして厚さ0.6mmの基層用樹脂膜を得、n−
ブチルアルデヒドを168部、トリエチレングリコール
−ジ−2−エチルブチレートを18部用いた以外は実施
例1と同様にして、アセタール化度90モル%、厚さ
0.16mmの高アセタール化度層用樹脂膜を得た。得
られた基層用樹脂膜及び高アセタール化度層用樹脂膜を
用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラスを得
た。得られた合わせガラスを用い、実施例1と同様にし
て評価した結果を表2に示した。
【0044】比較例1 紫外線吸収剤を0.2部、酸化防止剤を0.2部、酢酸
マグネシウムを0.032部用いた以外は実施例1と同
様にして混合物を得、得られた混合物を二本ロールでよ
く混練して厚さ0.8mmのシート状に成形し、これを
スペーサーで規制したプレスで150℃に加熱加圧して
厚さ0.76mmの中間膜を得た。得られた中間膜を用
いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを得
た。得られた合わせガラスを用い、実施例1と同様にし
て評価した結果を表2に示した。
【0045】比較例2 ポリエーテル変性シリコンオイルの代わりに、下記一般
式(B)で表されるアルキル基変性シリコンオイルを用
いた以外は比較例1と同様にして合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスを用い、実施例1と同様にして評
価した結果を表2に示した。
【0046】
【化2】
【0047】比較例3 比較例1と同様にして得られた合わせガラス用中間膜の
両面に、前記一般式(1)で表されるポリエーテル変性
シリコンオイルを塗布した。塗布量は両面とも約10-3
g/m2 であった。この合わせガラス用中間膜を恒温恒
湿室中に静置し、含水率が0.4〜0.5重量%になる
ように調整して得られた合わせガラス用中間膜を用いた
以外は実施例2と同様にして合わせガラスを得た。得ら
れた合わせガラスを用い、実施例1と同様にして評価し
た結果を表2に示した。
【0048】比較例4 ポリエーテル変性シリコンオイルの代わりにアルキル基
変性シリコンオイルを用いた以外は比較例3と同様にし
て合わせガラスを得た。得られた合わせガラスを用い、
実施例1と同様にして評価した結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の合わせガラス用中間膜及び合わ
せガラスは、上述のように構成されており、本発明の合
わせガラス用中間膜を用いて得られる合わせガラスは、
金属酸化物又は金属層により熱線反射性等の高機能性が
付与され、特にアセタール化度が80〜95モル%の範
囲にあるポリビニルアセタール樹脂を主成分とする樹脂
組成物より形成される高アセタール化度層が金属酸化物
又は金属層の表面で適度の接着性を示し、合わせガラス
用中間膜の基層中に練り込まれた既存の接着力調整剤に
より、合わせガラス用中間膜とガラスとが適度な接着性
を示すため、合わせガラス用中間膜のそれぞれの面で接
着力に大きな差異を生じることなく適度に調整され、し
かも屋外暴露や紫外線照射及び温度による経時での接着
力の低下が防止される。
【0051】したがって、本発明によれば、長期にわた
って耐貫通性及びガラスの飛散防止性に優れ、熱線反射
性等の高機能を有する合わせガラスを得ることができ、
この合わせガラスは、自動車、航空機、建築物等の窓ガ
ラスに好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラス用中間膜及び合わせガラ
スの断面を表す模式図である。
【符号の説明】
10 ガラス板 11 金属酸化物層又は金属層 20 合わせガラス用中間膜 21 合わせガラス用中間膜の高アセタール化度層 22 合わせガラス用中間膜の基層 30 合わせガラス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内面側に金属酸化物層又は金
    属層が形成された透明板と、ガラス板との間に挟着され
    る合わせガラス用中間膜であって、アセタール化度が6
    0〜75モル%のポリビニルアセタール樹脂を主成分と
    する樹脂組成物より形成される基層と、該基層の面のう
    ち上記金属酸化物層又は金属層が存在する側の面に設け
    られ、アセタール化度が80〜95モル%のポリビニル
    アセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物より形成され
    る高アセタール化度層とからなることを特徴とする合わ
    せガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも内面側に金属酸化物層又は金
    属層が形成された透明板と、ガラス板との間に、合わせ
    ガラス用中間膜が挟着されている合わせガラスであっ
    て、上記合わせガラス用中間膜が請求項1記載の合わせ
    ガラス用中間膜であり、該合わせガラス用中間膜中のア
    セタール化度が80〜95モル%のポリビニルアセター
    ル樹脂を主成分とする樹脂組成物より形成される高アセ
    タール化度層が上記金属酸化物層又は金属層に当接して
    いることを特徴とする合わせガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011218610A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Fujifilm Corp 転写用フィルム、合わせガラス及びその製造方法

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