JPH07187716A - セラミックコーティング剤 - Google Patents

セラミックコーティング剤

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JPH07187716A
JPH07187716A JP32748993A JP32748993A JPH07187716A JP H07187716 A JPH07187716 A JP H07187716A JP 32748993 A JP32748993 A JP 32748993A JP 32748993 A JP32748993 A JP 32748993A JP H07187716 A JPH07187716 A JP H07187716A
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JP
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ceramic coating
compound
ceramic
coated
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JP32748993A
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Ryoji Yamada
亮治 山田
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Asahi Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/22Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
    • C03C17/23Oxides
    • C03C17/25Oxides by deposition from the liquid phase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2218/00Methods for coating glass
    • C03C2218/10Deposition methods
    • C03C2218/11Deposition methods from solutions or suspensions
    • C03C2218/113Deposition methods from solutions or suspensions by sol-gel processes

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Abstract

(57)【要約】 【構成】金属アルコキシド及び/又は金属アセテートの
化合物と、該化合物の部分縮合体と、水より高い沸点を
有する有機化合物とからなることを特徴とするセラミッ
クコーティング剤。 【効果】低温焼成でも密着性の高いしっかりした被膜が
形成でき、被コート材に無機質の感触や、高い硬度、耐
久性、耐候性、耐汚染性、腐食耐性、酸化劣化耐性等を
付与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密着性の高いしっかり
した被膜を低温焼成で形成できる、セラミックコーティ
ング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の無機材料の持つ高い硬度、耐久
性、表面の感触、外観、及び光エネルギー等に関する特
有の機能等を、前記無機材料の前駆体からゾル・ゲル法
の手法でかかる機能を有しない材料にコートし、付与す
る技術は公知である。ゾル・ゲル法によるガラス、セラ
ミックス等の製造は、テトラメトキシシラン等金属アル
コキシドの溶液から出発し、これの加水分解とそれに続
く縮合重合によって進められ、焼成され、最終的に金属
酸化物のガラス、セラミックスに仕上げられる。かかる
方法は、溶融法よりもはるかに低温で高純度のガラス、
セラミックスが得られるとされている。例えばSiO2
の薄膜等は、一般には650℃程度で焼成され、製造さ
れている。
【0003】しかしながら、650℃に耐える汎用材料
は多くはなく、200℃前後で成形できるセラミック質
コーティング剤の開発が望まれていた。
【0004】このような要望に答えるものとして、従
来、350℃で焼成できる無機薄膜コーティング剤が知
られている。かかるコーティング剤を、密着性を高める
ためにブラスト処理したフロートガラスに施し、350
℃で焼成してコート試料を調製し、この試料を沸騰水中
に6時間置くと、コート被膜はほぼ完全に剥離してしま
った。
【0005】また、150℃で焼成できるとしたコーテ
ィング剤も知られているが、このコーティング剤も、上
記と同様にして密着性を調べたところほぼ完全に剥離し
てしまった。
【0006】これらのコーティング剤は、相当する金属
アルコキシドモノマーから調製したコーティング剤に比
べれば、低温でも比較的しっかりとした硬度のある被膜
を形成する。しかしながら、まだまだ実使用に耐え得る
ものとは言い難い状況にあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する上記の問題点を解決するために成されたものであ
り、密着性の高いしっかりしたセラミック被膜を低温焼
成で形成できる、新規なコーティング剤を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被コート材に
適用されるセラミックコーティング剤であって、金属ア
ルコキシド及び/又は金属アセテートの化合物と、該化
合物の部分縮合体と、水より高い沸点を有する有機化合
物とからなることを特徴とするセラミックコーティング
剤を提供するものである。
【0009】本発明におけるセラミックコーティング剤
に含まれる第1の成分は、金属アルコキシド化合物及び
/又は金属アセテート化合物である。本発明にはかかる
化合物の単体、混合体あるいはこれらから派生した誘導
体等が、好ましく用いられる。
【0010】本発明に用いられる第2の成分は、第1の
成分の金属アルコキシド化合物及び/又は金属アセテー
ト化合物の部分縮合重合体である。かかる成分は、焼成
温度が低くてもしっかりした被膜を形成する等の点で好
ましく用いられる。
【0011】前記金属アルコキシド化合物及び/又は金
属アセテート化合物の金属として有効なものは、シリコ
ン、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、銅、イットリウム、インジ
ウム、スズ、アンチモン、バリウム、ランタン、タング
ステン、鉛等が具体的に例示できる。さらに、ここに例
示された以外の金属を用いることもまた可能である。し
かしながら好ましくは、取扱容易で安定なコーティング
剤が得られることと強固な被膜が得られること等から、
シリコン、チタン、ジルコニウム、アルミニウム及びバ
ナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
ことが好ましい。
【0012】前記金属アルコキシド及び/又は金属アセ
テートの化合物と、該化合物の部分縮合体との含有量
が、焼成後に残存する固形成分換算で、セラミックコー
ティング剤に対して、0.1〜25重量%であることが
好ましい。
【0013】本発明のセラミックコーティング剤に含ま
れる第3の成分は、水の沸点、すなわち100℃以上の
沸点を有するもの、特に、分子中に窒素、酸素及び硫黄
の群から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、その
有機化合物分子中の前記元素の含有量が総量で27重量
%以上であるものは、さらに密着性の高い強固な被膜を
形成できる点で望ましい。
【0014】かかる有機化合物としては次のようなもの
が例示できる。例えばアルドール、ジアセトンアルコー
ル等のアルデヒドやケトンの誘導体類、コハク酸エチル
等のカルボン酸誘導体類、ホルムアミド、ジメチルホル
ムアミド、アセトアミド、メチルホルムアミド、コハク
酸アミド等の酸アミド類及びその誘導体類、カルバミン
酸メチル、カルバミン酸エチル等の炭酸誘導体類、エチ
レンジアミン、エタノールアミンといったアルカノール
アミン類等のアミン類やアミン誘導体類、ジメチルスル
ホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類、
ジエチルスルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホ
ン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ブタンジオール、グリコールメチル
エーテル、セロソルブ、セロソルブアセテート、カルビ
トール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリ
コール類及びその誘導体類、ヒドラジン、ブチロラクト
ン、その他がある。本発明にはかかる有機化合物をそれ
ぞれ単独で、あるいはそれぞれ2種以上の混合して用い
ることができる。
【0015】なお上記例示の中にあるジメチルホルムア
ミドやエチレングリコールをゾル・ゲル系に添加する試
みは従来もあった。かかる化合物を添加するとクラック
の発生が押えられ、バルク成形体の製造が容易になると
考えられたためである。しかしながらこれらの化合物を
コーティング剤に添加し、基材との密着性を高めたとす
る報告はまだない。
【0016】本発明のセラミックコーティング剤の中の
これらの有機化合物は、前述の焼成後の残存固形成分に
対して、少なくとも5重量%添加されることが望まし
い。さらに好ましくは、少なくとも10重量%添加され
ることが、より強靱で良く密着した被膜が得られる点で
望ましい。また、かかる有機化合物が常温で液体状態を
呈する物の場合には、これらを直接、本発明のセラミッ
クコーティング剤の溶媒及び/又は分散媒として用いる
ことも可能である。しかしながらより硬度の高い被膜を
得るためには、かかる有機化合物は、溶媒及び/又は分
散媒中に多くとも68重量%であるのが望ましい。
【0017】さらに本発明のセラミックコーティング剤
には、その他の成分を添加することができる。
【0018】1つは金属アルコキシド及び/又は金属ア
セテートの化合物等を溶解及び/又は分散させるための
溶媒及び/又は分散媒である。具体的には、ヘキサン、
シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、テト
ラリン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン及びその誘導体
類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホル
ム、塩化メチレン、トリクロロトリフロロエタン等のハ
ロゲン化合物類、酸類、アルカリ類、ジアセトンアルコ
ール、ニトロベンゼン、水等といった化合物、及び前述
のアミド類やその誘導体類、炭酸誘導体類、アミン類や
アミン誘導体類、スルホキシド類、スルホン類、グリコ
ール類やグリコール誘導体類、その他が例示できる。本
発明のコーティング剤にはかかる化合物の全てが、単独
で、あるいは2種以上混合して、使用可能である。また
これら以外からも自由に選択して使用することができ
る。
【0019】本発明のセラミックコーティング剤に添加
できるその他の成分の第2は、前記金属化合物の加水分
解と縮合重合を制御する触媒と水である。かかる触媒と
しては酸触媒、塩基触媒、その他が用いられる。一般的
には加水分解触媒として酸触媒が用いられ、重合触媒と
して塩基触媒が用いられる。
【0020】酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱
酸類、酢酸、しゅう酸、ギ酸、プロピオン酸、マレイン
酸、クエン酸、安息香酸、グリコール酸、トルエンスル
ホン酸等の有機酸が例示できる。また、アルミニウムア
セチルアセトネート等のアルミニウムキレート化合物
等、その他も加水分解触媒として役立つことが知られて
いて、これらも用い得る。
【0021】塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水
酸化アンモニウム、アミン類、第4級アンモニウム塩
類、ホルムアミド類等、その他が例示できる。なお、し
ゅう酸については重合触媒としても有効であると考えら
れている。
【0022】酸触媒の添加は、通常反応系のpHを3以
下にすることを目処に加えられる。しかしながら本発明
にあっては、触媒を加えなくとも実質上の問題にならな
いことが多い。ただし反応速度の異なる複数の成分から
なる系である場合には、反応速度の大きな偏りを押える
目的で、加水分解される官能基1当量に対して少なくと
も1000分の1当量の触媒が添加されるのが好まし
く、さらには少なくとも1000分の5当量添加される
のがより好ましい。また加水分解される官能基1当量に
対し1当量以上の触媒を加えることに何ら有効性がある
とは考えにくいことから、触媒の添加割合の上限は、好
ましくは1当量以下であることが望ましい。
【0023】塩基触媒の添加は、加水分解後、反応系の
pHを7〜7.5あるいは7.5以上とするのに必要な
量だけ加えられるのが一般的である。本発明においても
同様にして塩基触媒を添加することができる。ただし本
発明においては、前述の第3成分である有機化合物や第
2成分である部分縮合重合体がクラックの発生を有効に
防止することから、塩基触媒を加えなくとも何ら実用上
の問題とはならない。したがって酸性サイドでも重合は
支障なく進行し、良好な被膜が形成される。
【0024】前記金属化合物の加水分解を進めるために
は、水も必要となる。水は1当量のアルコキシド及び/
又はアセテートに対して1当量必要である。しかしなが
ら水を1当量よりも少なく添加した反応系においても、
加水分解と縮合重合をほぼ完結せしめることが可能であ
る。このような条件においては加水分解速度を遅延させ
ることが可能であることから、コーティングプロセスを
より取扱いやすくできると考えられている。一方、水を
1当量よりもさらに多く添加して反応を進めることも可
能である。この場合多量に加えられた水は、被膜をより
透明にする効果があると考えられている。したがって水
の添加量については一概に限定し得ないが、一般的には
加水分解される官能基1当量に対し100分の1〜10
0当量の範囲で添加されている。本発明においてもかか
る割合で添加するのに何ら支障はない。
【0025】さらに本発明のセラミックコーティング剤
の中には、任意にその他の成分を配合することができ
る。かかる成分としては例えば、チタン酸カリウム、窒
化ケイ素等のウィスカー、SiO2 、Al23 、Ti
2 、Zr02 、Sn02 等といった金属酸化物のコロ
イド、粒子、微粒子、超微粒子、各種染料、フタロシア
ニン、キナクリドン等の有機顔料、コバルト、クロム、
鉄等の無機顔料、各種界面活性剤類、カップリング剤
類、紫外線吸収剤等の安定剤類、その他が挙げられる。
【0026】次に、本発明のセラミックコーティング剤
の製造方法と、かかるコーティング剤を用いて成される
セラミックコート成形体の製造方法について説明する。
本発明のセラミックコーティング剤は、所謂ゾル・ゲル
法の手法を用いて低温焼成されてガラス、セラミック質
の被膜に形成される。したがって本発明のセラミックコ
ーティング剤は、ゾルに相当する段階のものを指してい
るとも見ることができる。
【0027】本発明のコーティング剤を製造する1つの
方法は、適当な溶媒及び/又は分散媒に前述の第1〜3
の成分とその他の配合可能な成分を加えて混合し、コー
ティング剤とする方法である。またかかる成分を反応容
器内に仕込み、室温〜百数十度の温度範囲で撹拌・混合
して一体化し、加水分解と部分縮合を起したゾルとし
て、コーティング剤とする方法も可能である。配合可能
な成分をそれぞれ個別に、あるいはそれぞれの一部を分
割して独立に、反応系に順次加えて、逐次に加水分解と
部分縮合を進めていく方法を採用することもできる。こ
の方法の場合、反応速度の大きく異なる複数成分を含有
する場合には有効であり、反応速度の速い成分を後から
添加する等の操作で反応速度を調製することができる。
【0028】さらに一度ゲル化された全部あるいは一部
の成分を溶媒中で超音波照射するなどした後粉砕し、ゾ
ルとする方法を採用することもできる。かかる方法で得
られたゾルから再びゲル化されて調製された被膜は、ク
ラックの発生が抑制され、より強靱となることが認めら
れる。
【0029】かくして調製された本発明のコーティング
剤は、ガラス基体、セラミック基体等の被コート材に適
用され、焼成されて、本発明のセラミックコート成形体
に仕上げられる。コーティング剤の被コート材への適用
方法は種々考えられるが、ロールコート、フローコー
ト、スプレー、浸漬等の方法で行われるのが一般的であ
る。本発明においてもかかる手法を用いてコーティング
することができる。またその他の手法を用いてコーティ
ングしても、本発明には何ら支障はない。
【0030】被コート材に設けられた本発明のコーティ
ング剤の層は、所謂ゾル・ゲル法の手法を用いて乾燥さ
れ、焼成されて、ガラス、セラミック質のコート層に成
型される。本発明のコーティング剤は、この焼成を34
5℃以下の温度で行うことができる。また345℃以上
の温度で焼成することも、被コート材及び添加剤等に影
響の無い限り、支障はない。
【0031】本発明のコーティング剤から形成されるコ
ート層の厚さは、10Å〜500μであるのが一般的で
ある。しかしながら好ましくは、100Å以上であるの
がコート剤の特性をムラ無く引出せることから望まし
く、また100μ以下であるのがクラックの無い均質な
被膜が得られることから望ましい。
【0032】本発明のコーティング剤から成るコート層
は、ガラス基体、プラスチック基体等の被コート材を酸
化、光、腐食、汚染等から護る保護層として使用でき
る。また熱線吸収膜、熱線反射膜、反射防止膜、電気絶
縁膜、パターン形成用ネガマスク、着色膜、化粧膜、カ
ラーフィルター、その他類似の用途に好適に使用され
る。本発明のセラミックコート成型体、例えばセラミッ
クコートガラス板等は、建築、車両、電子材料、装飾等
の種々な用途に使用される。
【0033】
【作用】本発明のセラミックコーティング剤は、低温焼
成でも密着性の高いしっかりした被膜を形成可能にした
ものである。かかる事実がいかなる作用機構で達成され
ているのか必ずしも明確ではないが、本発明者は以下の
ように考えている。
【0034】すなわち第2成分である部分縮合体は、バ
インダー的に機能してしっかりした被膜を形成する働き
を担っているものと考えられる。また第3成分である有
機化合物は、分子量、官能基、活性等の大きく異なった
コーティング剤の中の各成分を、均質に分散させる働き
を担っている。しかも基材とコーティング剤界面にあっ
ては、かかる化合物は基材表面の官能基をあたかも溶解
する如くしてコーティング剤の反応系内に引込み、相互
の均質な反応を促している。このような機構で本発明の
コーティング剤からは、低温焼成でも、密着性の高い強
固な被膜が製造できるものと判断される。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらの説明によって本発明が何ら限定される
ものでないことは勿論である。
【0036】[実施例1]イソプロピルアルコールの2
0%テトラヒドロフラン溶液10gと3mmolのHC
lを含有する水1.75gに、10gのテトラエトキシ
シランを加えて混合溶解した後、80℃にて2時間撹拌
後、室温に静置した。2日後、これにプロピレングリコ
ール7.5%、ジメチルアセトアミド4.5%をそれぞ
れ含有するイソプロピルアルコール溶液68gを加え、
さらに10.73gのテトラエトキシシランを加えて混
合撹拌し、コート液Aを得た。
【0037】次に市販のスリ板ガラスを洗浄、乾燥した
後、65℃に加熱してからスリ面にコート液Aをスプレ
ーコートした。これを100℃にて20分間乾燥させて
から250℃にて40分間焼成し、セラミックコート成
形体1を得た。この成形体の諸性能を表1に示す。な
お、表1における密着性は数1により評価した。
【0038】
【数1】
【0039】ただし、数1中のG(1)は、被コート素
板の光沢度、G(2)は、コート成形体の初期光沢度、
G(3)は、コート成形体を沸騰水中に6時間置いた後
の光沢度であり、それぞれの光沢度は、JIS Z 8
741に示される60°鏡面光沢測定方法に準じて測定
した。
【0040】[実施例2]市販無機コーティング剤NT
−L2102[日産化学工業(株)製]30g、エタノ
ール58g、プロピレングリコール10g、ジメチルア
セトアミド2gを撹拌混合し、コート液Bを得た。この
コート液Bを用いた点を除き、実施例1と同様にしてセ
ラミックコート成形体2を得た。この成形体の諸性能を
表1に示す。
【0041】[比較例1]30gの市販無機コーティン
グ剤NT−L2102と70gのエタノールを混合撹拌
し、コート液Cを得た。このコート液Cを用いた点を除
き、実施例1と同様にしてセラミックコート成形体3を
得た。この成形体の諸性能を表1に示す。
【0042】[比較例2]コート液Aの代わりにコート
液Cを用い、250℃の40分間焼成の代わりに350
℃の1時間焼成を行った点を除き、実施例1と同様にし
てセラミックコート成形体4を得た。この成形体の諸性
能を表1に示す。
【0043】[実施例3]市販無機コーティング剤アト
ロンNSi−500[日本曹達(株)製]90gに、エ
チレングリコール6g、ジメチルアセトアミド4gを加
えて撹拌混合し、コート液Dを得た。このコート液Dを
用いた点を除き、実施例1と同様にしてセラミックコー
ト成形体5を得た。この成形体の諸性能を表1に示す。
【0044】[比較例3]市販無機コーティング剤アト
ロンNSi−500をそのまま用いた点を除き、実施例
1と同様にしてセラミックコート成形体6を得た。この
成形体の諸性能を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のセラミックコーティング剤は、
低温焼成でも密着性の高いしっかりした被膜が形成で
き、ガラス基体、セラミック基体等の被コート材に無機
質の感触や、高い硬度、耐久性、耐候性、耐汚染性、腐
食耐性、酸化劣化耐性等を付与する効果を有している。
また低温で成形できることから、エネルギ消費量の削減
及び、高温炉等の設置費を削減する効果も有している。
さらに熱的に優れた特性を有していない被コート材にも
セラミック質コーティングが施せるといった効果も有し
ている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被コート材に適用されるセラミックコーテ
    ィング剤であって、金属アルコキシド及び/又は金属ア
    セテートの化合物と、該化合物の部分縮合体と、水より
    高い沸点を有する有機化合物とからなることを特徴とす
    るセラミックコーティング剤。
  2. 【請求項2】前記有機化合物は、分子中に窒素、酸素及
    び硫黄の群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、かつ、その有機化合物分子中の前記元素の含有量が
    総量で27重量%以上であることを特徴とする請求項1
    記載のセラミックコーティング剤。
  3. 【請求項3】前記金属が、シリコン、チタン、ジルコニ
    ウム、アルミニウム及びバナジウムの群から選ばれる少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のセラミックコーティング剤。
  4. 【請求項4】前記金属アルコキシド及び/又は金属アセ
    テートの化合物と、該化合物の部分縮合体との含有量
    が、焼成後に残存する固形成分換算で、セラミックコー
    ティング剤に対して、0.1〜25重量%であることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のセラミッ
    クコーティング剤。
  5. 【請求項5】前記有機化合物の含有量が、前記固形成分
    に対して、少なくとも5重量%であることを特徴とする
    請求項1〜4いずれか1項に記載のセラミックコーティ
    ング剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載のセラミ
    ックコーティング剤を基体に適用した後、345℃以下
    の温度で焼成したことを特徴とするセラミックコート成
    形体。
JP32748993A 1993-12-24 1993-12-24 セラミックコーティング剤 Pending JPH07187716A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009185366A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nippon Paint Co Ltd 水系表面処理組成物
JP2021127288A (ja) * 2017-08-11 2021-09-02 東洋アルミニウム株式会社 窒化アルミニウム系フィラー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009185366A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Nippon Paint Co Ltd 水系表面処理組成物
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