JPH0718655U - とこ板傾動可能なベッドおよびとこ板の傾動制御機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 片手や片足でもベッドのとこ板の傾斜操作が
できるとこ板傾動可能なベッドおよび、既設のベッドで
種類によっては簡単に改造取付けが出来得るベッドとこ
板の傾動制御機構を得る。 【構成】 ベッドとこ板を２分割し、ガスダンパ等の弾
発手段４で傾動できるようにした。とこ板１を任意の角
度位置で停止させる傾動制御機構は、とこ板１下面側に
設けられたスライドレール５に沿って摺動するラック２
５と、このラックに常時噛み合う第１の歯車２７と、ラ
ックと係脱可能に移動でき、かつ、ラックと噛み合った
ときに第１の歯車とも噛み合う第２の歯車２８と、この
第２の歯車を連結部材１２を介してベッド上から移動さ
せることのできる操作レバー１１とから構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は手が自由であるが下半身が不自由で寝起きに介護を必要とする人が 、ベッドの手摺り等に取付けてある操作レバーを握り、身体を起こそうとすれば 上半身側とこ板が自動的に上がってくる。又、肢体不自由者や寝たきりの人の介 護者が操作レバーを握り、ベッドのとこ板を上下させれば、楽に傾斜が出来るよ うに改良したベッドおよびその傾動制御機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在市販のベッドでとこ板を傾斜させるには、棒ネジ部を電動機やハンドルを 回すことによって行うものが多く用いられている。ハンドルを回すにしても寝て いる本人の足下側に有り、手が使える人でも一人では不可能である。電動機の場 合は手元にスイッチを置くことが出来たり、他の機能が併用されていて便利であ るが高価な物となる。さらに、構造上そのベッド専用に部品を製作するため、一 般家庭に用いられ易い安価な組立て式の簡易形ベッド等には簡単に取付けられな い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述したようにハンドルを回したり、スイッチにて電動機を駆動してベッドの とこ板を傾ける方法は、介護者のいる病院や施設に設置するのには便利に出来て いるので病室等に適うように出来ているが、一般家庭に適う家具調の物でないた め、使用する人も病人の感じになってしまう。 また、下半身のみが不自由な人で手の使える人もいる。リューマチや神経痛等 足に不具合のある人も手が使える。中風等で片側が不自由になっても片方の手が 使える人がいる。このような人達は畳の上に寝るよりベッドに腰掛けた後、ベッ ドのとこ板と一緒に寝起きしたほうが楽と思われる。 さらに、老人のように寝たきりになった人の畳の上での寝起きの介護には苦労 が多い。

【０００４】 本考案は上述の問題点に鑑みてなされたもので、片手や片足でもベッドのとこ 板の傾斜操作ができるとこ板傾動可能なベッドおよび、既設のベッドで種類によ っては簡単に改造取付けが出来得るベッドとこ板の傾動制御機構を得ようとする ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案のベッドは、ベッドのとこ板を上半身 側とこ板（１）と下半身側とこ板（２）とに２分割し、前記上半身側とこ板（１ ）と下半身側とこ板（２）とを蝶番（３）等で屈曲自在に連結し、前記上半身側 とこ板（１）を所望の角度傾斜させて保持することのできるベッドにおいて、 前記上半身側とこ板（１）の下面に揺動自在に設けられたスライドレール（５ ）と、ベッドの基体（２０）または下半身側とこ板（２）に揺動自在に取り付け られ前記上半身側とこ板（１）の傾斜動とともに前記スライドレール（５）に沿 って摺動する摺動体（１９）と、ベッドの基体（２０）または下半身側とこ板（ ２）に設けられ、上半身側とこ板（１）を常時付勢する弾発手段（４）と、前記 摺動体（１９）を前記スライドレール（５）に係止させることにより前記摺動体 （１９）の摺動を規制する係止手段（２２），（２３），（２４）およびこの係 止手段（２２），（２３），（２４）と連結部材（１２）で連結され任意の位置 に配置された操作レバー（１１）の操作により前記係止手段（２２），（２３） ，（２４）による係止を解除する係止解除手段からなる傾動制御機構とからなる ことを特徴とする。

【０００６】 また、前記傾動制御機構は、前記上半身側とこ板（１）の下面に揺動自在に設 けられたスライドレール（５）と、ベッドの基体または下半身側とこ板（２）に 揺動自在に取り付けられ前記上半身側とこ板（１）の傾斜動とともに前記スライ ドレール（５）に沿って摺動する摺動体（１９）と、この摺動体（１９）と平行 に設けられたラック（２５）と、前記スライドレール（５）に取り付けられた取 付部材（２６）に回動自在に取り付けられ前記ラック（２５）と常時噛合する第 １の歯車（２７）と、前記取付部材（２６）に回動自在に、かつ、前記第１の歯 車（２７）噛み合い可能であるとともに、移動して前記ラック（２５）と噛み合 いまたは解除可能な第２の歯車（２８）と、前記取付部材（２６）に揺動自在に 取り付けられるとともに前記第２の歯車（２８）と連結され、揺動して前記第２ の歯車（２８）を前記第１の歯車（２７）の外周に沿って移動させ、かつ、前記 第２の歯車（２８）をラック（２５）と噛み合う方向に常時付勢する付勢手段（ ９）を備えた開閉機構（２９）と、この開閉機構（２９）と連結部材（１２）を 介して連結され前記開閉機構（２９）を揺動可能にするとともに、任意の位置に 配置が可能な操作レバー（１１）とからなることを特徴とするものとしてもよい 。

【０００７】

【作用】

例えば、ベッドに本考案の傾斜制動機構を設ける場合には、ベッド使用者の操 作しやすい場所、例えば手の使えるベッド使用者の場合にはベッドの手すり等に 、両手の使えないベッド使用者に場合には、ベッド使用者の足元に操作レバーを 配置する。ベッド使用者が手や足を使って操作レバーを操作すると、ワイヤ等の 連結部材を介して開閉機構が揺動され、第２の歯車が移動する。この第２の歯車 の移動とともに、ラックと第２の歯車との噛み合いが解除され、第１の歯車が回 動可能となる。

【０００８】 第１の歯車が回動可能になると、摺動部材がスライドレールに沿って摺動可能 となる。一方、スプリングやガスダンパ等の弾発手段により上半身側とこ板は常 時傾動する方向に付勢されているので、この弾発手段により上半身側とこ板が持 ち上げられ、傾斜する。所望の傾斜角度になったときにベッド使用者が操作レバ ーの操作を解除すると、付勢手段により開閉機構が復帰し、第２の歯車が移動し てラックと噛み合う。第２の歯車がラックと噛み合うと、第２の歯車に常時噛合 している第１の歯車の回動が規制されるので、スライドレールに沿った摺動体の 摺動が規制され、上半身側とこ板は所望の傾斜角度で保持される。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に従って説明する。 実施例については図面の図９、図１０、図１１にて説明すると、組立式のベッ ドで、とこ板の位置が床から低い場合高い場合に合せて補助金具１４，１５，１ ６を設けて取付けることができる。家具調のベッドでもとこ板が２分割出来れば 可能となる。手摺りの付けにくいベッドでは図１１に示すように、紐１７を利用 し操作レバー１１を握り、引張ることにより身体を起こせばとこ板も上がってく る。上半身側とこ板を傾動させるための弾発手段としては、補助金具１４に基幹 部を取り付けたガスダンパー４であってもよいし、圧縮コイルスプリング等を使 用してもよい。

【００１０】 次に傾動制御機構について説明する。 上半身側とこ板１の下面に設けたスライドレール５の一端を上半身側とこ板の 下面に軸受部６にて揺動可能に固定する。また、ガスダンパ４のピストンロッド を軸受部６に連結する。これにより、ガスダンパー４の圧縮力の反発によって、 上半身側とこ板１が常時付勢される状態になる。傾斜角度の調整は傾動制御機構 ８（図３〜図６参照) 等の方法によって行うことができる。すなわち、図４で示 す傾動制御機構は、ラック２５ａとこれに噛み合う歯形２２と適宜に係合，解除 させて摺動体１９の摺動規制するもの、図５は、所定間隔で凹部を設けた部材２ ５ｂに、凸状体２３を係合，解除させる構成のもの、図６は、所定間隔で部材２ ５ｃに穿設した孔に、凸状体２４を挿入することにより係合，解除をさせる構成 のもので、いずれも操作レバー１１の操作により揺動杵２２ａ，２２ｂ，２２ｃ が揺動または回動できるようになっている。操作レバー１１としては公知の種々 の態様のものが考えられるが、この実施例では、自転車のブレーキ機構に用いら れるものを使用した。操作レバー１１を握ると、端部に連結されたワイヤ１２が 引っ張られて揺動杵２２ａ，２２ｂ，２２ｃが揺動または回動する。

【００１１】 以下においては、図７、図８、図９，図１０で示す本考案の請求項２にかかる 傾斜制動機構の構成について説明する。 スライドレール５に摺動自在な摺動部材１９がスライドレール５に嵌装され、 この摺動部材１９に平行にラック２５が固定されている。スライドレール５の端 部近傍には取付部材７が立設され、この取付部材７に第１の歯車２７が前記ラッ ク２５と常時噛み合って取り付けられている。すなわち、上半身側とこ板１が傾 動すると、スライドレール５に沿って摺動部材１９が摺動し、ラック２５と噛み 合う第１の歯車２７が回転するようになっている。第１の歯車２７には第１の歯 車２７と同一形状の第２の歯車２８が常時噛合している。この第２の歯車２８は 、支持部材２６に回転自在に支持され、かつ、第１の歯車２７と噛合状態を維持 したままで第１の歯車２７の外周に沿って移動できるようになっている。また、 この第２の歯車２８はラック２５とも噛合可能である。

【００１２】 第２の歯車２８を取り付ける支持部材２６は、取付部材７に軸２９ａで揺動自 在に取りつけられた一方のリンク部材２９ｂの先端に設けられていて、軸２９ａ を揺動中心とするリンク部材２９ｂの揺動運動とともに、第２の歯車２８が第１ の歯車２７の外周に沿って移動できるようになっている。前記一方のリンク部材 ２９ｂと、一端を取付部材７に固定され他端で前記軸２９ａを支持する他方のリ ンク部材２９ｃとで三日月形状の揺動部材２９が構成されている。 また、符号９は揺動部材２９を常時一方向に付勢するスプリングで、このスプ リングの作用により、第２の歯車２８はラック２５と噛み合う方向に常時付勢さ れている。第２の歯車２８がラック２５と噛み合うと、第１の歯車２７の回動が 規制されるので、所定傾斜角度で上半身側とこ板１が停止して保持される。

【００１３】 次に上記構成のベッドおよび傾斜制動機構の作用を説明する。 図１１〜図１３に示すように、操作レバー１１はボルトおよびブラケット等に よって手すり１０等の任意の位置に固定することができ、また、操作レバー１１ のみをベッド使用者の足元に置くこともできる。 操作レバー１１を握ると、ワイヤ１２が引っ張られて揺動部材２９のリンク部 材２９ｂが揺動し、第２の歯車２８を第１の歯車２７の外周に沿って移動させる 。これにより第２の歯車２８とラック２５との噛み合いが解除され、第１の歯車 ２７は回転自在となる。ガスダンパー４の弾発力により上半身側とこ板１が持ち 上げられるが、ガスダンパー４と平行にガスダンパー４のシリンダに流量調整弁 を組み合わせて取り付けることによって、上半身側とこ板１の移動速さを制御で きる。

【００１４】 所望の傾斜角度になったときに操作レバー１１から手や足を離すと、リンク部 材２９ｂがスプリング１２により復帰して第２の歯車２８とラック２５とが再び 噛み合う。これにより、第１の歯車２７の回動が規制されるので、上半身側とこ 板１は前記所望の角度位置で保持される。 なお、このベッドにおいては、手摺りの取付金具１３に軸や蝶番を設け倒せる ことにより乗り降りを容易ならしめる等の機能にて構成することもできる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は上記したとおり構成されているので、次のような効果を奏する。 上述のように構成されたベッドは、まず足が使えなくなって寝たきりになった としても、片手が使用出来れば手摺りに取付けられた操作レバーを握り締めて体 を起こそうとすれば、とこ板が自動的に上がってくるので介護者がいなくとも一 人にて寝起きしてテレビを見たり物を食べたり出来る。老夫婦でどちらかが介護 しなければならない時でも楽に起こしてあげられるので、食事の世話をする人に も食べる人にも楽であり衛生的でもある。さらに２４時間寝たきりのままより身 体を起こすことで、本や新聞が読み易くなりテーブルを用意すれば自分で食事が 出来たりより健康的である。両手は勿論、片手にてもレバーを握り起きたり、寝 たりを繰返せば腕の力や腹筋を強くする運動にもなる。

【００１６】 また、ガスダンパーや圧縮コイルスプングなどの弾発手段の圧縮力の反発を利 用するため、スライドレールを平行に使用することにより曲げに対する強度が増 し、両端の軸受部が同位置であるため、回転運動にも無理がかからない。前記の 各止金装置はスライドレールに固定され移動しているが、ワイヤー等の連結部材 にて連結されているため、どの位置に移動しても無理なく働き、操作レバーの取 付け位置も左 右、正面、等と手摺りの形状を変え、使用する人に合せて取付け られる。制動機構の構造が一体となっているので、既設のベッドの種類によって は補助金具の追加にて取付け可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】傾動制御機構のガスダンパーが取付けられてい
る左側面図である。

【図２】傾動制御機構のガスダンパーとスライドレール
の平行を表す正面図である。

【図３】傾動制御機構のスライドレールと止金装置、お
よび上半身側とこ板の傾斜と水平の状態を表した右側面
図である。

【図４】傾動制御機構の他の実施例である。

【図５】傾動制御機構の他の実施例である。

【図６】傾動制御機構の他の実施例である。

【図７】この実施例における傾動制御機構の部分詳細図
である。

【図８】この実施例における傾動制御機構の実施例およ
び作用の説明図である。

【図９】この実施例における傾動制御機構の側面図であ
る。

【図１０】本考案の傾動制御機構の原理説明図である。

【図１１】本考案のベッドの実施例および作用の説明図
である。

【図１２】本考案のベッドの実施例および作用の説明図
である。

【図１３】本考案のベッドの実施例および作用の説明図
である。

【符号の説明】

1…上半身側とこ板 2…下半身側とこ板 3…蝶番 4…ガスダンパー 5…スライドレール 6…軸受部 7 …取付部材 8…開閉機構 9…
スプリング 10…手摺り 11…操作レバー 12…連結部材 13…操作レバー取付金具 14…補助金具 15…補助金具 16…補助金具 17…紐 19…摺動体 20…ベッドの基体 25…ラック 26…支
持部材 27…第１の歯車 28…第２の歯車

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッドのとこ板を上半身側とこ板（１）
   と下半身側とこ板（２）とに２分割し、前記上半身側と
   こ板（１）と下半身側とこ板（２）とを蝶番（３）等で
   屈曲自在に連結し、前記上半身側とこ板（１）を所望の
   角度傾斜させて保持することのできるベッドにおいて、 前記上半身側とこ板（１）の下面に揺動自在に設けられ
   たスライドレール（５）と、 ベッドの基体（２０）または下半身側とこ板（２）に揺
   動自在に取り付けられ前記上半身側とこ板（１）の傾斜
   動とともに前記スライドレール（５）に沿って摺動する
   摺動体（１９）と、 ベッドの基体（２０）または下半身側とこ板（２）に設
   けられ、上半身側とこ板（１）を常時付勢する弾発手段
   （４）と、 前記摺動体（１９）を前記スライドレール（５）に係止
   させることにより前記摺動体（１９）の摺動を規制する
   係止手段（２２），（２３），（２４）およびこの係止
   手段（２２），（２３），（２４）と連結部材（１２）
   で連結され任意の位置に配置された操作レバー（１１）
   の操作により前記係止手段（２２），（２３），（２
   ４）による係止を解除する係止解除手段からなる傾動制
   御機構と、からなることを特徴とするとこ板傾動可能な
   ベッド。
2. 【請求項２】 前記傾動制御機構は、前記上半身側とこ
   板（１）の下面に揺動自在に設けられたスライドレール
   （５）と、 ベッドの基体または下半身側とこ板（２）に揺動自在に
   取り付けられ前記上半身側とこ板（１）の傾斜動ととも
   に前記スライドレール（５）に沿って摺動する摺動体
   （１９）と、 この摺動体（１９）と平行に設けられたラック（２５）
   と、 前記スライドレール（５）に取り付けられた取付部材
   （７）に回動自在に取り付けられ前記ラック（２５）と
   常時噛合する第１の歯車（２７）と、 前記取付部材（７）に回動自在に、かつ、前記第１の歯
   車（２７）噛み合い可能であるとともに、移動して前記
   ラック（２５）と噛み合いまたは解除可能な第２の歯車
   （２８）と、 前記取付部材（７）に揺動自在に取り付けられるととも
   に前記第２の歯車（２８）と連結され、揺動して前記第
   ２の歯車（２８）を前記第１の歯車（２７）の外周に沿
   って移動させ、かつ、前記第２の歯車（２８）をラック
   （２５）と噛み合う方向に常時付勢する付勢手段（９）
   を備えた開閉機構（２９）と、 この開閉機構（２９）と連結部材（１２）を介して連結
   され前記開閉機構（２９）を揺動可能にするとともに、
   任意の位置に配置が可能な操作レバー（１１）と、 からなることを特徴とするベッドとこ板の傾動制御機
   構。