JPH07185738A - 鋳造装置 - Google Patents
鋳造装置Info
- Publication number
- JPH07185738A JPH07185738A JP33303293A JP33303293A JPH07185738A JP H07185738 A JPH07185738 A JP H07185738A JP 33303293 A JP33303293 A JP 33303293A JP 33303293 A JP33303293 A JP 33303293A JP H07185738 A JPH07185738 A JP H07185738A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling
- cavity
- casting
- mold
- lower mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Forging (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳造後に鍛造を行う鋳物でかつ装飾面を有す
る鋳物を製作する際に、装飾面に不具合がなくしかも引
け巣もない鋳物を得ることが可能であり、鍛造時におい
て傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得られるよう
な鋳物を製作することができる鋳造装置を提供する。 【構成】 上型2および下型3の各キャビティー面2
2,32には乱流発生防止部23,33を各々設け、下
型3には湯口31を囲む空気層35を設けると共に、冷
却用穴41とこの冷却用穴41に挿入されて当該冷却用
穴41との間で冷却水の流路42を形成しかつ流路42
を部分的に狭くする大径部43dを有する冷却水流路形
成ロッド43を具備した型冷却部4を設けた。
る鋳物を製作する際に、装飾面に不具合がなくしかも引
け巣もない鋳物を得ることが可能であり、鍛造時におい
て傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得られるよう
な鋳物を製作することができる鋳造装置を提供する。 【構成】 上型2および下型3の各キャビティー面2
2,32には乱流発生防止部23,33を各々設け、下
型3には湯口31を囲む空気層35を設けると共に、冷
却用穴41とこの冷却用穴41に挿入されて当該冷却用
穴41との間で冷却水の流路42を形成しかつ流路42
を部分的に狭くする大径部43dを有する冷却水流路形
成ロッド43を具備した型冷却部4を設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、鋳造後に鍛
造される車両用ロードホイールのディスクを鋳造するの
に利用される鋳造装置に関するものである。
造される車両用ロードホイールのディスクを鋳造するの
に利用される鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した鋳造装置としては、例え
ば、図5に示す鋳造装置51が一般的である。
ば、図5に示す鋳造装置51が一般的である。
【0003】この鋳造装置51は、成形品押出しピン挿
通用でかつエアベント用の貫通孔52aを有する上型5
2と、この上型52との間でキャビティーCaを形成し
かつこのキャビティーCaに連通する湯口53aを具備
した下型53を備えたものであって、この鋳造装置51
で例えば車両用ロードホイールのディスクdaを鋳造す
る場合には、湯口53aから溶湯を押上げてキャビティ
ーCa内に充填するようにしており、この際、下型53
のオーバーヒートを防止すること、溶湯を充填する際の
乱流の発生を防ぐこと、湯口53aで凝固した部分の除
去作業を簡単かつ効率良く行うことができるようにする
ことといった理由から、上型52のキャビティー面52
bによってディスクdaの装飾面(意匠面)diが形成
されるようにしていた。
通用でかつエアベント用の貫通孔52aを有する上型5
2と、この上型52との間でキャビティーCaを形成し
かつこのキャビティーCaに連通する湯口53aを具備
した下型53を備えたものであって、この鋳造装置51
で例えば車両用ロードホイールのディスクdaを鋳造す
る場合には、湯口53aから溶湯を押上げてキャビティ
ーCa内に充填するようにしており、この際、下型53
のオーバーヒートを防止すること、溶湯を充填する際の
乱流の発生を防ぐこと、湯口53aで凝固した部分の除
去作業を簡単かつ効率良く行うことができるようにする
ことといった理由から、上型52のキャビティー面52
bによってディスクdaの装飾面(意匠面)diが形成
されるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記した従来
の鋳造装置51により製作したディスクdaに対して鍛
造を行う場合には、鋳造時にディスクdaの装飾面di
に付いた上型52の貫通孔52aやこの貫通孔52aに
挿通される図示しない成形品押出しピンによる痕が、鍛
造後においても表面傷として残ってしまうことがあるう
え、鋳造ガスによる欠陥が生じるのを防ぐために上型の
塗型材粒度を粗くしているので、鍛造後の装飾面diの
面粗度が粗くなってしまうことがあり、その結果、鋳造
後に仕上げ加工工程およびショットブラスト加工工程な
どの工程が必要となる。
の鋳造装置51により製作したディスクdaに対して鍛
造を行う場合には、鋳造時にディスクdaの装飾面di
に付いた上型52の貫通孔52aやこの貫通孔52aに
挿通される図示しない成形品押出しピンによる痕が、鍛
造後においても表面傷として残ってしまうことがあるう
え、鋳造ガスによる欠陥が生じるのを防ぐために上型の
塗型材粒度を粗くしているので、鍛造後の装飾面diの
面粗度が粗くなってしまうことがあり、その結果、鋳造
後に仕上げ加工工程およびショットブラスト加工工程な
どの工程が必要となる。
【0005】これらの工程の削減を図るうえで、最近で
は、冷却ブロックを内蔵した下型のキャビティー面によ
りディスクの装飾面を形成するようにして、鋳造後に鍛
造を行う場合であっても、傷がなくかつ面粗度の粗くな
い装飾面が得られるようにする鋳造装置が検討されてい
る。
は、冷却ブロックを内蔵した下型のキャビティー面によ
りディスクの装飾面を形成するようにして、鋳造後に鍛
造を行う場合であっても、傷がなくかつ面粗度の粗くな
い装飾面が得られるようにする鋳造装置が検討されてい
る。
【0006】ところが、このような鋳造装置にあって
は、溶湯充填時の乱流発生による酸化物や空気の巻き込
みによって、装飾面に不具合を生じる可能性がないとは
いえず、また、湯口部分を保温しなくてはならない都合
上、冷却ブロックによる装飾面形成用のキャビティー面
を有する下型の冷却を充分に行えず、ディスクに引け巣
が発生してしまう恐れがあるという問題を有しており、
これらの問題を解決することが従来の課題であった。
は、溶湯充填時の乱流発生による酸化物や空気の巻き込
みによって、装飾面に不具合を生じる可能性がないとは
いえず、また、湯口部分を保温しなくてはならない都合
上、冷却ブロックによる装飾面形成用のキャビティー面
を有する下型の冷却を充分に行えず、ディスクに引け巣
が発生してしまう恐れがあるという問題を有しており、
これらの問題を解決することが従来の課題であった。
【0007】
【発明の目的】この発明は、上記した従来の課題に着目
してなされたものであって、例えば、鋳造後に鍛造を行
う鋳物でかつ装飾面を有する鋳物を製作するに際して、
装飾面に不具合を生じることがなくしかも引け巣もない
鋳物を製作することが可能であり、加えて、あとの鍛造
時において傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得ら
れるような鋳物を製作することができる鋳造装置を提供
することを目的としている。
してなされたものであって、例えば、鋳造後に鍛造を行
う鋳物でかつ装飾面を有する鋳物を製作するに際して、
装飾面に不具合を生じることがなくしかも引け巣もない
鋳物を製作することが可能であり、加えて、あとの鍛造
時において傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得ら
れるような鋳物を製作することができる鋳造装置を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる鋳造装
置は、上型と、前記上型との間でキャビティーを形成し
かつ前記キャビティーに連通する湯口を具備した下型を
備えた鋳造装置において、前記上型および下型の各キャ
ビティー面には乱流発生防止部をそれぞれ設け、前記下
型には湯口を囲む湯口保温部を設けると共に、冷却用穴
と前記冷却用穴に挿入されて当該冷却用穴との間で冷却
水の流路を形成しかつ前記流路を部分的に狭くする大径
部を有する冷却水流路形成体を具備した型冷却部を設け
た構成としたことを特徴としており、この鋳造装置の構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
置は、上型と、前記上型との間でキャビティーを形成し
かつ前記キャビティーに連通する湯口を具備した下型を
備えた鋳造装置において、前記上型および下型の各キャ
ビティー面には乱流発生防止部をそれぞれ設け、前記下
型には湯口を囲む湯口保温部を設けると共に、冷却用穴
と前記冷却用穴に挿入されて当該冷却用穴との間で冷却
水の流路を形成しかつ前記流路を部分的に狭くする大径
部を有する冷却水流路形成体を具備した型冷却部を設け
た構成としたことを特徴としており、この鋳造装置の構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0009】そして、一実施態様において、下型のキャ
ビティー面を装飾面形成用とした構成としている。
ビティー面を装飾面形成用とした構成としている。
【0010】
【発明の作用】この発明に係わる鋳造装置では、例え
ば、鋳造後に鍛造を行う鋳物でかつ装飾面を有する鋳物
を製作するに際して、下型の湯口から溶湯を押上げてキ
ャビティー内に充填すると、上型および下型の各キャビ
ティー面における乱流発生防止部により、溶湯の乱れは
少なく抑えられることから、下型のキャビティー面を装
飾面形成用とした場合には、成形品押出しピンによる痕
などの不具合のない装飾面が形成されることとなる。
ば、鋳造後に鍛造を行う鋳物でかつ装飾面を有する鋳物
を製作するに際して、下型の湯口から溶湯を押上げてキ
ャビティー内に充填すると、上型および下型の各キャビ
ティー面における乱流発生防止部により、溶湯の乱れは
少なく抑えられることから、下型のキャビティー面を装
飾面形成用とした場合には、成形品押出しピンによる痕
などの不具合のない装飾面が形成されることとなる。
【0011】また、湯口が湯口保温部に囲まれているの
で、湯口部分は充分に保温されるうえ、型冷却部の冷却
用穴に供給される冷却水が、冷却水流路形成体により形
成された冷却用穴内の流路を通過するので下型の充分な
冷却もなされ、とくに、冷却水流路形成体の大径部によ
り流路が狭くされた部分では、冷却水の流速が増して冷
却機能が向上することから、この流路が狭くなった部分
を下型の最も冷却を必要とする箇所に設定すると、下型
の冷却がより充分なものとなり、その結果、湯口に向か
っての指向性凝固が図られることとなって、引け巣のな
い鋳物の製作がなされることとなる。
で、湯口部分は充分に保温されるうえ、型冷却部の冷却
用穴に供給される冷却水が、冷却水流路形成体により形
成された冷却用穴内の流路を通過するので下型の充分な
冷却もなされ、とくに、冷却水流路形成体の大径部によ
り流路が狭くされた部分では、冷却水の流速が増して冷
却機能が向上することから、この流路が狭くなった部分
を下型の最も冷却を必要とする箇所に設定すると、下型
の冷却がより充分なものとなり、その結果、湯口に向か
っての指向性凝固が図られることとなって、引け巣のな
い鋳物の製作がなされることとなる。
【0012】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
【0013】図1ないし図4はこの発明に係わる鋳造装
置の一実施例を示すものであり、この実施例では、この
発明に係わる鋳造装置が、鋳造後に鍛造がなされる車両
用ロードホイールのディスクを鋳造する装置である場合
を示す。
置の一実施例を示すものであり、この実施例では、この
発明に係わる鋳造装置が、鋳造後に鍛造がなされる車両
用ロードホイールのディスクを鋳造する装置である場合
を示す。
【0014】図1に示すように、この鋳造装置1は、成
形品押出しピン挿通用でかつエアベント用の貫通孔21
を有する上型2と、この上型2との間でキャビティーC
を形成しかつこのキャビティーCに連通する湯口31を
具備した下型3を備えており、下型3のキャビティー面
32によりディスクDの装飾面Diを形成するようにし
ている。
形品押出しピン挿通用でかつエアベント用の貫通孔21
を有する上型2と、この上型2との間でキャビティーC
を形成しかつこのキャビティーCに連通する湯口31を
具備した下型3を備えており、下型3のキャビティー面
32によりディスクDの装飾面Diを形成するようにし
ている。
【0015】また、この鋳造装置1は、上型2および下
型3の各キャビティー面22,32に乱流発生防止部2
3,33をそれぞれ設けている。これらの乱流発生防止
部23,33は、ディスクDの略完成品形状における斜
面(図1に破線で示す斜面)よりも鉛直方向に対する傾
きを大きくした斜面(この実施例ではθ>45゜とした
斜面)23a,33aと、同じくディスクDの略完成品
形状における角部分および隅部分(図1に破線で示す部
分)の丸みよりも大きな丸みを付けて形成した隅成形部
分23b,33bおよび角成形部分23c,33cとか
らなっており、下型3の湯口31から溶湯を押上げてキ
ャビティーC内に充填する際に、溶湯の乱れを少なく抑
えて溶湯に酸化物や空気が巻き込まることがないように
している。この場合、鋳造後のディスクDには、乱流発
生防止部23,33における隅成形部分23b,33b
および角成形部分23c,33cの丸みをもった角部分
および隅部分が形成されるが、あとの鍛造工程で略完成
品形状の角部分および隅部分の各丸みに仕上げられるよ
うになっている。
型3の各キャビティー面22,32に乱流発生防止部2
3,33をそれぞれ設けている。これらの乱流発生防止
部23,33は、ディスクDの略完成品形状における斜
面(図1に破線で示す斜面)よりも鉛直方向に対する傾
きを大きくした斜面(この実施例ではθ>45゜とした
斜面)23a,33aと、同じくディスクDの略完成品
形状における角部分および隅部分(図1に破線で示す部
分)の丸みよりも大きな丸みを付けて形成した隅成形部
分23b,33bおよび角成形部分23c,33cとか
らなっており、下型3の湯口31から溶湯を押上げてキ
ャビティーC内に充填する際に、溶湯の乱れを少なく抑
えて溶湯に酸化物や空気が巻き込まることがないように
している。この場合、鋳造後のディスクDには、乱流発
生防止部23,33における隅成形部分23b,33b
および角成形部分23c,33cの丸みをもった角部分
および隅部分が形成されるが、あとの鍛造工程で略完成
品形状の角部分および隅部分の各丸みに仕上げられるよ
うになっている。
【0016】さらに、この鋳造装置1は、下型3の湯口
31に嵌合した保温スリーブ5を備えていると共に、湯
口31の周囲に設けた断熱溝34内に湯口保温部として
の空気層35を備えており、この空気層35で湯口31
からの熱伝導を遮断することにより、湯口31の部分の
溶湯がキャビティーC内の溶湯よりも先に凝固するのを
防ぐようにしている。
31に嵌合した保温スリーブ5を備えていると共に、湯
口31の周囲に設けた断熱溝34内に湯口保温部として
の空気層35を備えており、この空気層35で湯口31
からの熱伝導を遮断することにより、湯口31の部分の
溶湯がキャビティーC内の溶湯よりも先に凝固するのを
防ぐようにしている。
【0017】さらにまた、この鋳造装置1は下型3の冷
却を行う型冷却部4を備えている。この型冷却部4は、
図2にも示すように、断熱溝34の周囲における複数箇
所に設けた冷却用穴41と、これらの冷却用穴41に各
々挿入されて当該冷却用穴41との間で冷却水の流路4
2を形成する冷却水流路形成ロッド(冷却水流路形成
体)43とから主として構成してある。この場合、冷却
水流路形成ロッド43には中空部43aが設けてあっ
て、冷却用穴41内の流路42に対する冷却水の供給
は、この中空部43aを介してなされるようにしてお
り、一方、流路42を通過した冷却水は、冷却水流路形
成ロッド43の冷却用穴閉塞部43bに設けた排出孔4
3cから排出させるようにしている。また、この冷却水
流路形成ロッド43の先端部よりの部分には大径部43
dが設けてあって、この大径部43dによって流路42
を部分的に狭くすることにより、この部分を通過する冷
却水の流速を増大させて冷却機能を高めるようにしてお
り、下型3のとくに冷却を必要とする部分を重点的に冷
却することができるようにしている。さらに、冷却水流
路形成ロッド43の大径部43dには、図3に示すよう
に、3個の突起43eが約120゜の間隔をもって設け
てあり、これらの突起43eを冷却用穴41の内周壁に
それぞれ当接させることにより、冷却水流路形成ロッド
43が冷却用穴41の中心から位置ずれしないようにし
ている。
却を行う型冷却部4を備えている。この型冷却部4は、
図2にも示すように、断熱溝34の周囲における複数箇
所に設けた冷却用穴41と、これらの冷却用穴41に各
々挿入されて当該冷却用穴41との間で冷却水の流路4
2を形成する冷却水流路形成ロッド(冷却水流路形成
体)43とから主として構成してある。この場合、冷却
水流路形成ロッド43には中空部43aが設けてあっ
て、冷却用穴41内の流路42に対する冷却水の供給
は、この中空部43aを介してなされるようにしてお
り、一方、流路42を通過した冷却水は、冷却水流路形
成ロッド43の冷却用穴閉塞部43bに設けた排出孔4
3cから排出させるようにしている。また、この冷却水
流路形成ロッド43の先端部よりの部分には大径部43
dが設けてあって、この大径部43dによって流路42
を部分的に狭くすることにより、この部分を通過する冷
却水の流速を増大させて冷却機能を高めるようにしてお
り、下型3のとくに冷却を必要とする部分を重点的に冷
却することができるようにしている。さらに、冷却水流
路形成ロッド43の大径部43dには、図3に示すよう
に、3個の突起43eが約120゜の間隔をもって設け
てあり、これらの突起43eを冷却用穴41の内周壁に
それぞれ当接させることにより、冷却水流路形成ロッド
43が冷却用穴41の中心から位置ずれしないようにし
ている。
【0018】この鋳造装置1では、ディスクDを製作す
るに際して、下型3の湯口31から溶湯を押上げて、こ
の溶湯をキャビティーC内に充填すると、上型2および
下型3の各キャビティー面22,32における乱流発生
防止部23,33により、溶湯の乱れが極めて少なく抑
えられることから、この間、溶湯に酸化物や空気が巻き
込まることはほとんどなく、ディスクDの品質を落とす
ような不具合の発生は防止されることとなる。
るに際して、下型3の湯口31から溶湯を押上げて、こ
の溶湯をキャビティーC内に充填すると、上型2および
下型3の各キャビティー面22,32における乱流発生
防止部23,33により、溶湯の乱れが極めて少なく抑
えられることから、この間、溶湯に酸化物や空気が巻き
込まることはほとんどなく、ディスクDの品質を落とす
ような不具合の発生は防止されることとなる。
【0019】そして、キャビティーCに対する溶湯の充
填が終了した段階において、湯口31は保温スリーブ5
および空気層35に囲まれているので、湯口31の部分
は充分に保温されることとなり、この湯口31の部分の
溶湯がキャビティーC内の溶湯よりも先に凝固すること
はない。
填が終了した段階において、湯口31は保温スリーブ5
および空気層35に囲まれているので、湯口31の部分
は充分に保温されることとなり、この湯口31の部分の
溶湯がキャビティーC内の溶湯よりも先に凝固すること
はない。
【0020】また、型冷却部4では、冷却水流路形成ロ
ッド43の中空部43aを介して冷却用穴41に供給さ
れた冷却水が、この冷却水流路形成ロッド43により形
成された冷却用穴41内の流路42を通過するようにし
ているので、湯口31の部分が保温されているのと同時
に、下型3が充分に冷却されることとなり、下型3がオ
ーバーヒートする可能性はほとんどないこととなる。
ッド43の中空部43aを介して冷却用穴41に供給さ
れた冷却水が、この冷却水流路形成ロッド43により形
成された冷却用穴41内の流路42を通過するようにし
ているので、湯口31の部分が保温されているのと同時
に、下型3が充分に冷却されることとなり、下型3がオ
ーバーヒートする可能性はほとんどないこととなる。
【0021】とくに、冷却水流路形成ロッド43の大径
部43dにより流路42が狭くされた部分では、冷却水
の流速が増して冷却機能が向上することから、この流路
42が狭くなった部分が位置する下型3の最も冷却を必
要とする箇所の冷却がより充分なものとなり、その結
果、湯口31に向かっての指向性凝固が図られることと
なって、引け巣のないディスクDの製作がなされること
となる。
部43dにより流路42が狭くされた部分では、冷却水
の流速が増して冷却機能が向上することから、この流路
42が狭くなった部分が位置する下型3の最も冷却を必
要とする箇所の冷却がより充分なものとなり、その結
果、湯口31に向かっての指向性凝固が図られることと
なって、引け巣のないディスクDの製作がなされること
となる。
【0022】次いで、図示しない成形品押出しピンを上
型2の貫通孔21に挿通して、この鋳造装置1からディ
スクDを取り出す場合には、下型3のキャビティー面3
2を装飾面形成用としているので、成形品押出しピンや
貫通孔21による痕がディスクDの装飾面Diに付くこ
とはなく、加えて、この装飾面Diは鋳造ガスによる欠
陥が生じるのを防ぐために粒度を粗くした上型2の塗型
材に影響を受けることもないことから、鋳造後に仕上げ
加工工程およびショットブラスト加工工程などの工程を
必要とすることがなく、続いて、ディスクDから湯口3
1で凝固した部分を除去したのち、このディスクDに対
して鍛造を行うと、傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾
面Diが得られることとなる。
型2の貫通孔21に挿通して、この鋳造装置1からディ
スクDを取り出す場合には、下型3のキャビティー面3
2を装飾面形成用としているので、成形品押出しピンや
貫通孔21による痕がディスクDの装飾面Diに付くこ
とはなく、加えて、この装飾面Diは鋳造ガスによる欠
陥が生じるのを防ぐために粒度を粗くした上型2の塗型
材に影響を受けることもないことから、鋳造後に仕上げ
加工工程およびショットブラスト加工工程などの工程を
必要とすることがなく、続いて、ディスクDから湯口3
1で凝固した部分を除去したのち、このディスクDに対
して鍛造を行うと、傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾
面Diが得られることとなる。
【0023】この際、図4に示すように、湯口31で凝
固した部分の除去を装飾面Diとは反対側からエンドミ
ルEを用いて行うと、装飾面Di側から除去を行う場合
と比較して、ばり取りなどの作業が少なくて済み、仕上
げ作業工数を低く抑えることができる。
固した部分の除去を装飾面Diとは反対側からエンドミ
ルEを用いて行うと、装飾面Di側から除去を行う場合
と比較して、ばり取りなどの作業が少なくて済み、仕上
げ作業工数を低く抑えることができる。
【0024】上記した実施例では、この発明に係わる鋳
造装置が、鋳造後に鍛造がなされる車両用ロードホイー
ルのディスクを鋳造する装置である場合を示したが、こ
れに限定されるものではない。
造装置が、鋳造後に鍛造がなされる車両用ロードホイー
ルのディスクを鋳造する装置である場合を示したが、こ
れに限定されるものではない。
【0025】また、上記した実施例では、湯口31の周
囲に設けた断熱溝34内の空気層35を湯口保温部とし
たが、これに限定されるものではなく、断熱溝34には
断熱ウールや断熱セメントを充填することも可能であ
る。
囲に設けた断熱溝34内の空気層35を湯口保温部とし
たが、これに限定されるものではなく、断熱溝34には
断熱ウールや断熱セメントを充填することも可能であ
る。
【0026】
【発明の効果】この発明に係わる鋳造装置では、上記し
た構成としたことから、例えば、鋳造後に鍛造を行う鋳
物でかつ装飾面を有する鋳物を製作するに際して、溶湯
充填時における乱流の発生を少なく抑えることができる
と共に、下型の充分な冷却および湯口部分の充分な保温
を行って湯口に向かっての指向性凝固を実現できるの
で、装飾面に不具合を生じることがなくしかも引け巣の
ない鋳物を製作することが可能であり、下型のキャビテ
ィー面を装飾面形成用とした場合には、あとの鍛造時に
おいて傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得られる
ような鋳物を製作することができるという極めて優れた
効果がもたらされる。
た構成としたことから、例えば、鋳造後に鍛造を行う鋳
物でかつ装飾面を有する鋳物を製作するに際して、溶湯
充填時における乱流の発生を少なく抑えることができる
と共に、下型の充分な冷却および湯口部分の充分な保温
を行って湯口に向かっての指向性凝固を実現できるの
で、装飾面に不具合を生じることがなくしかも引け巣の
ない鋳物を製作することが可能であり、下型のキャビテ
ィー面を装飾面形成用とした場合には、あとの鍛造時に
おいて傷がなくかつ面粗度の粗くない装飾面が得られる
ような鋳物を製作することができるという極めて優れた
効果がもたらされる。
【図1】この発明に係わる鋳造装置の一実施例を示す断
面説明図である。
面説明図である。
【図2】図1に示した鋳造装置における型冷却部の拡大
断面説明図である。
断面説明図である。
【図3】図2のA−A線位置における断面説明図であ
る。
る。
【図4】図1に示した鋳造装置により製作されたディス
ク(鋳物)から湯口部分で凝固した部分を除去する状況
の説明図である。
ク(鋳物)から湯口部分で凝固した部分を除去する状況
の説明図である。
【図5】従来の鋳造装置を示す断面説明図である。
1 鋳造装置 2 上型 22 キャビティー面 23 乱流発生防止部 3 下型 31 湯口 32 キャビティー面 33 乱流発生防止部 35 空気層(湯口保温部) 4 型冷却部 41 冷却用穴 42 流路 43 冷却水流路形成ロッド(冷却水流路形成体) 43d 大径部 C キャビティー Di 装飾面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 17/22 F
Claims (2)
- 【請求項1】 上型と、前記上型との間でキャビティー
を形成しかつ前記キャビティーに連通する湯口を具備し
た下型を備えた鋳造装置において、前記上型および下型
の各キャビティー面には乱流発生防止部をそれぞれ設
け、前記下型には湯口を囲む湯口保温部を設けると共
に、冷却用穴と前記冷却用穴に挿入されて当該冷却用穴
との間で冷却水の流路を形成しかつ前記流路を部分的に
狭くする大径部を有する冷却水流路形成体を具備した型
冷却部を設けたことを特徴とする鋳造装置。 - 【請求項2】 下型のキャビティー面を装飾面形成用と
した請求項1に記載の鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5333032A JP2979940B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5333032A JP2979940B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 鋳造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185738A true JPH07185738A (ja) | 1995-07-25 |
JP2979940B2 JP2979940B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=18261512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5333032A Expired - Fee Related JP2979940B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2979940B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009208127A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Denso Corp | 加圧鋳造金型及びその温度制御方法 |
CN101992269A (zh) * | 2010-11-10 | 2011-03-30 | 王洪伟 | 水冷镁合金铸造模具 |
CN104607614A (zh) * | 2015-02-03 | 2015-05-13 | 中信戴卡股份有限公司 | 一种分水装置 |
JP6006839B1 (ja) * | 2015-06-24 | 2016-10-12 | 株式会社スグロ鉄工 | 金型冷却パイプ、金型冷却装置、金型冷却構造、および金型 |
RU2686178C1 (ru) * | 2018-03-05 | 2019-04-24 | Тимофей Иванович Кожокин | Охлаждаемая матрица штампа под заготовку-диск |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5333032A patent/JP2979940B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009208127A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Denso Corp | 加圧鋳造金型及びその温度制御方法 |
CN101992269A (zh) * | 2010-11-10 | 2011-03-30 | 王洪伟 | 水冷镁合金铸造模具 |
CN104607614A (zh) * | 2015-02-03 | 2015-05-13 | 中信戴卡股份有限公司 | 一种分水装置 |
JP6006839B1 (ja) * | 2015-06-24 | 2016-10-12 | 株式会社スグロ鉄工 | 金型冷却パイプ、金型冷却装置、金型冷却構造、および金型 |
RU2686178C1 (ru) * | 2018-03-05 | 2019-04-24 | Тимофей Иванович Кожокин | Охлаждаемая матрица штампа под заготовку-диск |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2979940B2 (ja) | 1999-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8061409B2 (en) | Mold | |
US7987895B2 (en) | Method and apparatus for improved heat extraction from aluminum castings for directional solidification | |
US20030102100A1 (en) | Method for the uphill casting of cast pieces in sand dies with controlled solidification | |
EP2335844B1 (en) | Method of manufacturing casting for mold for molding tire | |
JPH07185738A (ja) | 鋳造装置 | |
JP3266734B2 (ja) | 車両用ホイールの鋳造方法及び鋳造装置 | |
US5213149A (en) | Mold and method for making variable thickness cast articles | |
US5092390A (en) | Method and mold for sand casting varying thickness articles | |
JP2827827B2 (ja) | 鋳造用金型設備におけるガス抜き装置 | |
JP3180233B2 (ja) | 特殊中子を用いて鋳造した鋳造品 | |
JP2799449B2 (ja) | 車両用ホイールの鋳型構造 | |
JPH06269923A (ja) | 車両用ホイールの鋳造方法及びその鋳造用金型 | |
JPH04274859A (ja) | 車両用ホイールの鋳造用金型の冷却方法 | |
JPH0691345A (ja) | 鋳造用特殊中子 | |
JP2989721B2 (ja) | 冷却孔を有する鋳造品およびその鋳造方法 | |
JP3055048B2 (ja) | 金型鋳造における鋳造方法 | |
JPH0687052A (ja) | 鋳造用特殊中子 | |
JPH04356327A (ja) | 消失模型および消失模型鋳造法 | |
JPH08206814A (ja) | 金型鋳造方法 | |
JPS62148056A (ja) | ダイス付きシエル鋳型のガス抜き孔の形成方法 | |
JPH08174152A (ja) | 成形用特殊中子を用いて成形した成形品 | |
JPH02217131A (ja) | 消失模型鋳造方法 | |
JPH0775851A (ja) | 金型鋳造法 | |
CN118788925A (zh) | 一种水套排气管倾斜浇注的工艺方法 | |
JP2914144B2 (ja) | ロードホイール用ディスクの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |