JP2009208127A - 加圧鋳造金型及びその温度制御方法 - Google Patents

加圧鋳造金型及びその温度制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加圧鋳造法において、指向性凝固を促進する金型及び金型温度の制御方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも一つの加熱手段14及び/又は冷却手段15と、加熱手段14及び/又は冷却手段15が配設された金型の領域を少なくとも部分的に区画する少なくとも一つの断熱層17とを具備する加圧鋳造用金型1。
加圧鋳造用金型1の温度制御方法は、断熱層17を含んで延びる仮想金型分割面21によって金型1を複数の金型要素Dtn,Dbnへ仮想的に分割する段階と、複数の金型要素Dtn,Dbnの各々に対して、指向性凝固を実現するための金型要素温度Tdnを設定する段階と、設定された金型要素温度Tdnを達成するように、加熱手段14及び/又は冷却手段15の発熱量及び/又は吸熱量を調節する段階とを含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、加圧鋳造金型及びその温度制御方法に関するものである。
ダイカスト鋳造法において、凝固過程で生じる鋳造品の引け巣欠陥を抑制するために、射出プランジャー或いは局部スクイズといった加圧手段を用いて溶湯の圧力を高めることがしばしば行われる。しかしながら、圧力を高めることは設備及び金型の大型化と費用の増大を招くため、このように圧力を高めることなく引け巣欠陥を抑制する技法が求められており、そのような技法の一つとして、湯口から遠い湯先部分若しくは先端部分から湯口へ向けて鋳物を順次凝固させる指向性凝固が知られている。この指向性凝固を実現するために金型又は鋳型を冷却又は加熱する技術が特許文献1及び2に記載されている。
特許文献1には、低圧鋳造用金型の冷却方法が記載されており、この方法は、指向性凝固を進行させる方向に沿って複数の温度センサを設置し、かつ金型の特定の部分の外側に複数の金型冷却手段を設置し、金型冷却手段を選択的に作動させて、各温度センサの検出温度が所定の温度勾配を有するようにフィードバック制御するものである。
特許文献2には、精密鋳造の指向性凝固方法が記載されており、この方法は、上部に湯口が設けられたほぼ円筒状の一つの鋳型の上中下の3つの領域にそれぞれヒータを設け、各ヒータの温度を上から例えば1300℃、1000℃、800℃に設定することにより、下方から上方への指向性凝固を促進するものである。
特開2000−61610号公報 特開平11−57984号公報
特許文献1及び2に記載されたいずれの方法も、鋳型(金型)に温度分布又は温度勾配を能動的に付与することが可能であるが、特に鋳物の肉厚の変化が激しい場合には、連続体である鋳型の温度分布を、指向性凝固を実現する所望の分布に設定することが困難であると考えられる。
本発明は前述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、加圧鋳造法において、指向性凝固を促進する金型及び金型温度の制御方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するための技術的手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の金型及び金型温度の制御方法を提供する。
請求項1に記載された発明は、加圧鋳造用金型(1)であって、該金型(1)に配設された少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)と、加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)が配設された金型の領域を少なくとも部分的に区画する少なくとも一つの断熱層(17)とを具備することを特徴としている。
金型(1)に断熱層(17)を設けることによって、断熱層(17)によって区画された金型の領域間の熱の移動が抑制され、その結果金型の各領域に対して、より熱的に独立した温度調節が可能になる。かくして、金型の温度変化の勾配を大きくすることも可能となり、指向性凝固が進行し難い例えば肉厚の急変部が存在する鋳物に対しても適切な金型温度を設定することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加圧鋳造用金型(1)が、断熱層(17)に沿って分割可能な複数の金型要素(Dtn,Dbn)を含むことを特徴としている。このように金型を分割することにより断熱層(17)の配置の自由度を高めることが可能になる。
前記断熱層(17)は、空気の層又はセラミック材料の層から形成されてよい。
請求項5に記載の発明は、加圧鋳造用金型(1)に配設された少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)と、加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)が配設された金型の領域を少なくとも部分的に区画する少なくとも一つの断熱層(17)とを具備する加圧鋳造用金型(1)の温度制御方法が、断熱層(17)を含んで延びる仮想金型分割面(21)によって金型(1)を複数の金型要素(Dtn,Dbn)へ仮想的に分割する段階と、複数の金型要素(Dtn,Dbn)の各々に対して、指向性凝固を実現するための金型要素温度(Tdn)を設定する段階と、設定された金型要素温度(Tdn)を達成するように、少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)の発熱量及び/又は吸熱量を調節する段階と、を含むことを特徴としている。
仮想的に分割された金型要素(Dtn,Dbn)は、加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)が配設され且つ断熱層によって実際に区画された金型の領域に一致するので、各金型要素(Dtn,Dbn)の温度調節が容易になると共に、隣接する金型要素との間の温度変化の勾配を大きくすることも可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の温度制御方法において、前記金型要素温度(Tdn)を設定する段階が、金型(1)により形成される鋳物(10)を、前記仮想金型分割面(21)に連続する仮想鋳物分割面(20)によって、複数の鋳物要素(Cn)へ仮想的に分割する段階と、前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、溶湯の温度(Tcn)を予測する段階と、前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、指向性凝固を実現するための凝固時間(tn)を設定する段階と、前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、凝固するまでに必要な抜熱量(Qn)を計算する段階と、前記複数の鋳物要素(Cn)に接する前記複数の金型要素(Dtn,Dbn)の各々について、下式から前記金型要素温度(Tdn)を求める段階と、から構成されることを特徴としている。
(Tcn−Tdn)・kn=Qn/tn
但し上記式中のknは、各鋳物要素(Cn)と金型要素(Dtn,Dbn)との間の伝熱面積(Sn)に溶湯の熱伝達率を乗じた係数である。
これにより、各鋳物要素の抜熱量は各鋳物要素の体積、伝熱面積、及び温度から求めることができるので、指向性凝固を実現するための各金型要素温度をより高精度に求めることが可能になる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本明細書で用いられる用語の「加圧鋳造法」は、溶湯圧力が高圧(MPaオーダー)で溶湯の注入速度が高速(m/secオーダー)のダイカスト法、高圧低速のスクイズキャスティング法及び低圧鋳造法等も含んでいる。
本発明の第1の実施形態による金型1について、金型1の中心軸線Axの右半分を示す模式的断面図である図1を参照して説明する。この金型1は、可動側金型を構成する上型2と固定側金型を構成する下型3とから構成されている。上型2は上断熱板4及び受けブロック5を介して上取付板6に固定されており、下型3は下取付板7に固定されている。また上型2の上方に配置された押出板8に保持された押出ピン9が上型2を貫通している。この金型1で鋳造される鋳物10は、上型2と下型3が組み合わされて形成されるキャビティ11に一致する図1のハッチングを施した領域で表され、概ね有底円筒形をしていて、前記円筒の底部中央から下方へ延びる突出部12を有しており、前記突出部12の下端に湯口13が設けられている。また、上型2と下型3との分割面Psは湯口13から最も遠い鋳物10の先端面と同レベルに設けられている。また、本実施形態の金型1の材料は合金工具鋼であり、鋳物10の材料はアルミニウム合金である。
上型2にはそれを加熱するための加熱手段として、図1において矩形で模式的に表された4個のヒータ14及び冷却するための冷却手段として3本の冷却水管15が埋設されており、下型3には8個のヒータ14と1本の冷却水管15が埋設されている。ヒータ14は湯口13から最も遠い鋳物10の先端部以外の金型1の各部に配設され、冷却水管15は前記先端部に接する金型1の部分に埋設されている。図1のヒータ14は、リング状にしたシーズヒータを用いているが、板状のセラミックヒータを用いることもできる。またヒータの出力は挿入位置によって異なった出力(0.1KWから2KWまで)のものを用い、ヒータ挿入部分の隙間には、熱伝導性の高い充填剤を充填している。一方、図1の冷却手段15としては、水を冷媒として用いているが、代わりに、エア、CO2ガスなどの冷媒を用いることもできる。また気化熱を奪い冷却する手段(ミスト、ドライアイス粒)を用いることもできる。
金型1に埋設された各ヒータ14の間及び冷却水管15とヒータ14との間の金型1の部分には、細長い矩形穴により形成される間隙16が多数形成されている。前記間隙16は、上型2及び下型3のそれぞれの端縁より内側に形成されており、ヒータ14又は冷却水管15を挟むようにもしくはヒータ14又は冷却水管15が配設された金型1の領域を少なくとも部分的に区画するように配置されている。間隙16は、その中の空気を断熱層17として利用するために設けられたものであり、この空気の断熱層17によって、あるヒータ14が配設された金型1のある領域と、隣りのヒータ14或いは冷却水管15が配設された金型1の他の領域との間の熱の移動が抑制される。その結果断熱層17によって少なくとも部分的に区画された金型1の各領域に対して、より熱的に独立した温度調節が可能になる。かくして、金型1の温度変化の勾配を大きくすることも可能となり、指向性凝固が進行し難い例えば肉厚の急変部が存在する鋳物10に対しても適切な金型温度を設定することが可能になる。ところで、本実施形態では前記間隙16には空気が含まれるが、断熱効果を高めるために、前記間隙16を密閉空間にしかつ真空にしてもよい。
また、本実施形態では、下型3は一体であるが、上型2は間隙16を形成するために複数の分割面18によって5個の金型要素Dt1〜Dt5に分割されている。上型2は、各金型要素Dtnの分割面18に沿って間隙16を形成するための凹部を切削加工した後、各金型要素Dtnを図示しない複数の連結ボルトによって一体に結合することにより作り出される。
また、各ヒータ14は、金型1の外部に配設された図示しないコントローラに図示しない電気ケーブルによって接続されており、前記コントローラを操作することによって発熱量の調節が個別に可能であるように構成されている。各冷却水管15は、循環路を形成しており、金型1の外部において図示しない熱交換器に接続されている。また各冷却水管15には図示しない弁が設けられていて、この弁を操作することによって冷却水量を調節できるようになっている。また温調回路によって、冷却水温を調整できるようになっている。
次に第2の実施形態の金型を図2に示す。この金型1では、下型3も断熱層17に沿って複数の分割面19によって9個の金型要素Db1〜Db9に分割されており、分割された9個の金型要素Dbnは、図示されない複数のボルトによって互いに結合されている。
次に第3の実施形態について図3を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第2の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図3において太線で表現されている断熱層17がセラミック製の板により構成されている点及びそのセラミック製の板の断熱層17がキャビティ11に達するまで延びてキャビティ11の一部を形成している点で異なっている。図3においては、一つの断熱層17を構成するセラミック板は連続して一体であるように表現されているが、実際にはその屈曲部において分割されている。また、図3において上型2内で鉛直方向に延びる断熱層17はセラミックのパイプ材の縦断面を示している。但し、寸法誤差を吸収する等の目的でパイプ材を例えば4分割した90度の中心角を有する円弧状部材を組み合わせることによって前記パイプ材と同等の断熱層17を形成してもよい。また、本実施形態ではセラミック材料には窒化珪素が用いられているがアルミナ等の他のセラミック材料を用いることも可能である。
また第3の実施形態では、多数のヒータ14が全体的に配置されて上型2及び下型3が全体的に分割されているが、例えば上型及び/又は下型の一部分にだけヒータを配設する構造とし、ヒータが配設された金型の部分を入れ子として形成し、その入れ子の周囲に断熱層を設けることによってその入れ子をおも型部分から熱的に区画することも可能である。このような構造は、例えば鋳物に部分的な薄肉部分がある場合に適しており、その薄肉部分に対応してヒータを配置することによりその薄肉部分の凝固時間を延ばすことが可能になる。
次に、本発明の第4の実施形態による金型温度の制御方法について以下に説明する。この実施形態による金型温度の制御方法は、前述の第1〜第3の実施形態のいずれかの金型を用いて実施されるが、本実施形態の方法は図3に示される第3の実施形態の金型を用いて実施されるものとして説明する。
以下、第4の実施形態による金型温度の制御方法の手順を示す。
まず、下型3及び上型2を仮想金型分割面21によって複数の金型要素Dtn,Dbnへ仮想的に分割する。このとき、仮想金型分割面21は断熱層17及び実際の金型分割面18及び19に沿って延びるように金型1を仮想的に分割する。従って、図3の実施形態における仮想的に分割された金型要素Dtn,Dbnは実際の金型要素Dtn,Dbnに、実質的に一致する。なお、第1の実施形態の金型1の下型3の場合、仮想金型分割面21は断熱層17に沿ってキャビティ11及び下型3の端縁まで延長される。
次に、各金型要素Dtn,Dbnに対して、指向性凝固を実現するための金型要素温度Tdnを設定する。この金型要素温度Tdnは、各金型要素Dtn,Dbnのキャビティを形成する面の温度であって、湯口13からの距離及び鋳物の肉厚等を考慮して決定される。
次に、設定された各金型要素温度Tdnを達成するように、ヒータ14の発熱量を図示しないコントローラによって及び冷却水管15の流水量を図示しない弁によってそれぞれ調節する。なお、金型各部の温度を確認する方法としては、例えばキャビティ11を形成する金型各部の表面に温度センサを貼り付けて温度を確認する方法、或いは温度センサを金型の内部に埋め込んでおく方法等があり、前者の方法は金型を稼動させる前の金型条件出し試験の一環として実施可能であり、後者の方法は溶湯を注入した直後からの金型温度を確認することができる。
次に第5の実施形態による金型温度の制御方法について、やはり図3を参照して説明する。また鋳物10の各部の温度及び放出熱量を模式的に表す図4も参照する。第5の実施形態による金型温度の制御方法は、金型要素温度Tdnを下記の手順に従って設定する点で第4の実施形態による方法と異っているが、それ以外の手順は第4の実施形態と同様である。
第5の実施形態による方法における金型要素温度Tdnの設定手順は、まず鋳物10を図3の点線で表される仮想鋳物分割面20によって複数の鋳物要素Cnへ仮想的に分割する。このとき、仮想鋳物分割面20は、仮想金型分割面21及び従って金型分割面18、19に連続するようにする。図3では8個の鋳物要素C1〜C8に仮想的に分割されている。
次に、各鋳物要素Cnに対して、指向性凝固を実現するための凝固時間tnを定める。この凝固時間tnは、生産性を考慮しつつ、指向性凝固を実現することを条件として定める。従って通常は鋳物の先端部を最も短く、湯口部分を最も長くなるように設定する。つまり、鋳物要素Cnの凝固時間tnを先端部側からt1、t2、t3.....t8とした場合、それはt1<t2<t3<.....<t8を満足するように設定される。
次に、鋳物要素Cnの各々について、溶湯の温度Tcnを予測する。溶湯の温度Tcnは、例えば「ADSTEFAN」(登録商標)等の3次元の鋳造CAEシステムを利用して求めることができる。
次に、鋳物要素Cnの各々について、凝固するまでに必要な放出熱量即ち抜熱量Qnを計算する。各鋳物要素Cnの抜熱量Qnは、各鋳物要素Cnの、重量をWn、溶湯金属の固相線温度をTs、溶湯の比熱をCp、及び凝固潜熱をQLとすると、下式によって求めることができる。
Qn=Wn(Cp・(Tcn−Ts)+QL
抜熱量Qnは図4において鋳物要素Cnから金型要素Dtn,Dbnへ向かう3本又は2本の波形矢印で表される。鋳物要素C1からの抜熱量Q1は金型に3面で接しているのでQ1a,Q1b,Q1cの3本の波形矢印で表され、鋳物要素C2からの抜熱量Q2は金型に2面で接しているので2本の波形矢印Q2a及びQ2bで表される。
次に、各鋳物要素Cnに接する金型要素Dtn,Dbnの各々について、金型要素温度Tdnを、下記の方程式を解くことによって求める。
(Tcn−Tdn)・kn=Qn/tn
ここで、上記方程式中の符号knは、各鋳物要素Cnと金型要素Dtn,Dbnとの間の接触面積(伝熱面積)Snにアルミニュウム溶湯の熱伝達率を乗じた係数である。また、上記方程式を解く際、一つの鋳物要素Cnに関する複数の伝熱面の金型温度Tdnは等しいものとする。
次に本発明の第6の実施形態による金型について図5を参照しながら以下に説明する。図5は、金型の中心軸線より右側の下型3の主要部とキャビティ11を示す模式的断面図である。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しており、各金型要素Dbnの間にセラミック製の板を断熱層17として有し、また各金型要素Dbnは加熱手段14又は冷却手段15を備えている。但し、図5において下型3の分割された金型要素Dbnの材質を熱伝導率の異なる合金(例えば、合金工具鋼、銅、ヘビーアロイ)を組み合わせて用いている。湯先側の金型要素Dbに熱伝導率の高い材質を用い、湯口側の金型要素Dbに熱伝導率の低い材質を用いることによって、湯先から湯口に向けて、傾斜的な金型温度分布を設定することができる。
次に第7の実施形態の金型について図6を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図6において下型3の分割された金型要素Dbnの板厚を湯先側の金型要素Dbが最も厚く、湯口側の金型要素Dbが最も薄くなるようにしている。このように湯先から湯口に向かって板厚を段階的に変化させることにより、断熱層17で区切られた各金型要素Dbnの熱容量が傾斜的に変化し、金型温度分布を傾斜的に設定することができる。
次に第8の実施形態の金型について図7を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図7において下型3の分割された金型要素Dbnの間の断熱層17の厚さを、湯先側は薄く、湯口側は厚くしている。このように湯先から湯口に向かって断熱層17の厚さを段階的に変化させることにより、各金型要素間の温度ギャップが傾斜的に変化し、湯先側に近いほど金型要素温度が低い温度に近づき、湯口側に近いほど金型要素温度が高い温度で維持されることから、金型温度分布を傾斜的に設定することができる。
次に第9の実施形態について図8を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図8において下型3の分割された金型要素に挿入する加熱手段としてのヒータ14の挿入位置を、湯先側は鋳物又はキャビティ11から遠く配置し、湯口側は鋳物に近い位置に配置している。このように湯先から湯口に向かって加熱手段14(ヒータ)を配置する位置つまり鋳物からのヒータの距離を段階的に変化させることにより、湯口側の温度を一定の高い温度で保持することができ、湯先側から湯口側に向けて金型温度分布を傾斜的に設定することができる。また本実施形態に加えて、加熱手段の発熱量(ヒータ出力)を湯先側から湯口側に向けて段階的に大きくすることによって、金型温度分布をより傾斜的に設定し易くすることも可能である。
次に第10の実施形態の金型について図9を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図9において下型3の分割された金型要素Dbnに挿入する冷却手段15の挿入位置を、湯先側は鋳物又はキャビティ11に近く配置し、湯口側は鋳物から遠い位置に配置している。このように湯先から湯口に向かって冷却を配置する位置を鋳物からの距離を段階的変化させることにより、湯先側から湯口側に向けて、金型温度分布を傾斜的に設定することができる。また本実施形態に加えて、冷却手段15の水量を湯先側から湯口側に向けて段階的に小さくすること、または冷却手段15の水温を湯先側から湯口側に向けて段階的に高くすることによって、金型温度分布をより傾斜的に設定し易くすることも可能である。
次に第11の実施形態の金型について図10を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図10において下型3の分割された金型要素Dbnに接する加熱手段14を可動可能な状態で配置し、湯先側から湯口側に向かって複数配置している。この加熱手段14を湯先から湯口に向かって順に金型要素から離していくことにより、湯先側から湯口側に向けて、金型温度分布を傾斜的に設定することができる。また本実施形態に加えて、加熱手段の発熱量(ヒータ出力)を湯先側から湯口側に向けて段階的に大きくすることによって、金型温度分布をより傾斜的に設定し易くすることも可能である。
次に第12の実施形態の金型について図11を参照しながら以下に説明する。この実施形態の金型は、第3の実施形態の金型とほぼ同様の構成を有しているが、図11において下型3の分割された金型要素Dbnにある一定距離だけ離した位置に冷却手段15を可動可能な状態に配置し、湯先側から湯口側に向かって複数配置している。この冷却手段15を湯先から湯口に向かって順に金型要素に接触させていくことにより、湯先側から湯口側に向けて、金型温度分布を傾斜的に設定することができる。また本実施形態に加えて、冷却手段15の水量を湯先側から湯口側に向けて段階的に小さくすること、または冷却手段15の水温を湯先側から湯口側に向けて段階的に高くすることによって、金型温度分布をより傾斜的に設定し易くすることも可能である。
第1の実施形態による金型の模式的断面図である。 第2の実施形態による金型の模式的断面図である。 第3の実施形態による金型の模式的断面図である。 鋳物及び金型の各部の温度及び抜熱量を模式的に表す図である。 第6の実施形態による金型の模式的断面図である。 第7の実施形態による金型の模式的断面図である。 第8の実施形態による金型の模式的断面図である。 第9の実施形態による金型の模式的断面図である。 第10の実施形態による金型の模式的断面図である。 第11の実施形態による金型の模式的断面図である。 第12の実施形態による金型の模式的断面図である。
符号の説明
1 金型
2 上型
3 下型
14 加熱手段
15 冷却手段
17 断熱層
20 仮想鋳物分割面
21 仮想金型分割面
Cn 鋳物要素
Dtn 金型要素
Dbn 金型要素

Claims (6)

  1. 加圧鋳造用金型(1)であって、
    該金型(1)に配設された少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)と、
    前記加熱手段(14)及び/又は前記冷却手段(15)が配設された金型の領域を少なくとも部分的に区画する少なくとも一つの断熱層(17)とを具備することを特徴とする、加圧鋳造用金型(1)。
  2. 前記断熱層(17)に沿って分割可能な複数の金型要素(Dtn,Dbn)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の加圧鋳造用金型(1)。
  3. 前記断熱層(17)が、空気の層から形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の加圧鋳造用金型(1)。
  4. 前記断熱層(17)が、セラミック材料の層から形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の加圧鋳造用金型(1)。
  5. 加圧鋳造用金型(1)に配設された少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)と、前記加熱手段(14)及び/又は前記冷却手段(15)が配設された金型の領域を少なくとも部分的に区画する少なくとも一つの断熱層(17)とを具備する加圧鋳造用金型(1)の温度制御方法であって、
    前記断熱層(17)を含んで延びる仮想金型分割面(21)によって前記金型(1)を複数の金型要素(Dtn,Dbn)へ仮想的に分割する段階と、
    前記複数の金型要素(Dtn,Dbn)の各々に対して、指向性凝固を実現するための金型要素温度(Tdn)を設定する段階と、
    設定された前記金型要素温度(Tdn)を達成するように、前記少なくとも一つの加熱手段(14)及び/又は冷却手段(15)の発熱量及び/又は吸熱量を調節する段階と、を含むことを特徴とする加圧鋳造用金型の温度制御方法。
  6. 前記金型要素温度(Tdn)を設定する段階が、
    前記金型(1)により形成される鋳物(10)を、前記仮想金型分割面(21)に連続する仮想鋳物分割面(20)によって、複数の鋳物要素(Cn)へ仮想的に分割する段階と、
    前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、溶湯の温度(Tcn)を予測する段階と、
    前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、指向性凝固を実現するための凝固時間(tn)を設定する段階と、
    前記複数の鋳物要素(Cn)の各々について、凝固するまでに必要な抜熱量(Qn)を計算する段階と、
    前記複数の鋳物要素(Cn)に接する前記複数の金型要素(Dtn,Dbn)の各々について、下式から前記金型要素温度(Tdn)を求める段階と、から構成されることを特徴とする、請求項5に記載の加圧鋳造用金型(1)の温度制御方法。
    (Tcn−Tdn)・kn=Qn/tn
    但し上記式中のknは、各鋳物要素(Cn)と金型要素(Dtn,Dbn)との間の伝熱面積(Sn)に溶湯の熱伝達率を乗じた係数。
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