JP2827827B2 - 鋳造用金型設備におけるガス抜き装置 - Google Patents
鋳造用金型設備におけるガス抜き装置Info
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Description
鋳造するための金型設備に適用されるガス抜き装置に関
する。
品などを鋳造するための低圧鋳造法を実施する金型設備
において、注湯時に金型内に生じるガスを排出する目的
で、図5に示されるようなガス抜きピン1が使われてい
る。従来のガス抜きピン1は金型2に設けられたガス抜
き孔3に挿入され、ガス抜きピン1の外周部とガス抜き
孔3の内面との間にガス逃がしギャップ4,5が形成さ
れるようにしている。ガス抜きピン1の下部側に位置す
る第1のガス逃がしギャップ4は、金型2に注入された
溶湯がギャップ4内に入り込まないようにする必要があ
るため、このギャップ4の間隔は0.2 mm〜0.5mm とかな
り狭くしてある。これに対しガス抜きピン1の上部側に
位置する第2のガス逃がしギャップ5は、ガスの排出効
率を良くするために数mm程度の比較的広い間隔としてい
る。
を備えた金型2において、注湯時に金型2の内部に発生
するガスは第1のガス逃がしギャップ4に入り、更に第
2のガス逃がしギャップ5を通って金型2の外部に放出
される。このため、間隔の狭い第1のガス逃がしギャッ
プ4において、ガスをいかにして効率良く逃がすかが重
要なポイントとなる。このギャップ4のガス抜き効率が
悪いと金型2の冷却が不十分になったり、金型2の内部
にガスが残留して鋳造欠陥が生じる原因となる。
ガス逃がしギャップ4,5を通るガスの排出はガスの自
然上昇によるため、ガスの排出速度が遅い場合があり、
特に第1のガス逃がしギャップ4と第2のガス逃がしギ
ャップ5との境界にある段差部分7のように隙間が広が
る箇所などにおいてガスが滞留しやすく、この部位にガ
スの成分が付着することがあった。特に、型の一部にシ
ェル砂をレジンで固めた中子などが用いられている場合
に、ガス化したレジンの成分が滞留しやすく、種々の問
題を生じる原因となる。
発生するガスを短時間に効率良く排出することができる
とともに、金型の冷却効果を高めることができるような
鋳造用金型設備におけるガス抜き装置を提供することに
ある。
に開発された本発明のガス抜き装置は、鋳造用金型に貫
通形成されたガス抜き孔に挿入されるガス抜きピンを有
し、上記ガス抜きピンは、上記ガス抜き孔に挿入された
状態においてピン外周部とガス抜き孔の内面との間に金
型内部と外部とに通じるガス逃がしギャップが形成され
るような外形・寸法とし、このガス抜きピンの内部には
軸線方向に延びかつ奥端が閉じた中空孔を設けるととも
にこの中空孔の側面壁に上記ガス逃がしギャップに連通
する側面貫通孔を設け、上記中空孔に供給される気体を
上記側面貫通孔から上記ガス逃がしギャップに向って噴
出させるようにしたことを特徴とするものである。
て圧搾空気等の気体をガス抜きピンの中空孔に供給す
る。この気体はガス抜きピンの側面貫通孔を通ってガス
逃がしギャップ側に吹き出すとともに、このガス逃がし
ギャップを通って上昇し、金型の外に放出される。この
気体が流れる際の排圧等により、金型内のガスがガス逃
がしギャップ内に吸い込まれやすくなり、上記気体とと
もに金型の外部に効率良く排出される。このため、金型
内のガスがガス抜き孔に滞留することが回避される。ま
た、ガス抜きピンに供給された気体によってガス抜きピ
ンが冷却されるため金型の冷却効率が高まる。このため
金型の冷却不良や金型内部のガスの排出不良などによる
鋳造欠陥の発生も回避される。
し図4を参照して説明する。図2に一部を示した低圧鋳
造用の金型設備に使われる金型10は、図示しない金型
支持構造物に固定される下型11と、この下型11に対
して左右の型開き方向に移動可能な寄せ型12と、上型
13と、上型入子型14と、中空部を成形するための中
子(図示せず)などを備えており、金型10の内部に、
所望の鋳造製品に応じた形状部17を有するキャビティ
(成形用空間)18が形成されるようになっている。上
記中子はシェル砂などをレジンで固めたものであり、型
ばらし時に鋳造製品から取除かれる。
溜まる箇所に、ガス抜き装置20が設けられている。ガ
ス抜き装置20は、ガス抜きピン21を備えている。こ
のガス抜きピン21は、上型入子型14に設けられたガ
ス抜き孔22に挿入される。ガス抜き孔22は上型入子
型14を上下方向に貫通しており、ガス抜き孔22の下
端側開口部25は金型内部のキャビティ18に連通して
いる。ガス抜き孔22の上端側開口部26は、上型入子
型14の外部(大気側)に開放されている。
22は、その下部側に長さL1 にわたって形成された内
径D1 の小径部30と、この小径部30の上側に位置す
る内径D2 の大径部31と、大径部31の上端に設けら
れたフランジ嵌合凹部32などからなる。
うな高硬度金属からなり、おおむね中空の円柱状をなし
ている。ガス抜きピン21の先端面35は、この先端面
35が配置される金型10の形状部17に応じた形状と
している。例えば図示例のように形状部17が斜めにな
っている箇所においては、ピンの先端面35が斜めにカ
ットされた形状となっている。また、図2に破線で示す
ガス抜きピン21′のように形状部17の平坦部分に配
置されるものでは、ピンの先端面35がフラットに仕上
げられている。ガス抜きピン21の外径は、このピン2
1の先端部36がガス抜き孔22の上記小径部30に丁
度嵌合できるような寸法としてある。ピン21の先端部
36にはフレーム焼入れ等の熱処理が施されている。
の先端部36に、軸線方向に沿う浅いスリット40が長
さL2 にわたって設けられている。このスリット40
は、ピン21の周方向に所定間隔で複数箇所(例えば6
箇所)に設けられている。従ってこのピン21をガス抜
き孔22に挿入した時に、ピン21の先端部36におい
て、ガス抜き孔22の小径部30の内面とピン21の外
周部との間に、スリット40の凹みに応じた第1のガス
逃がしギャップ41が形成される。このガス逃がしギャ
ップ41の間隔Δdは、注湯時に溶湯がギャップ41の
内部に進入しないようにするために、例えば 0.3mm程度
の狭い値としている。
とガス抜きピン21の外周部との間に、第2のガス逃が
しギャップ42が形成されている。第2のガス逃がしギ
ャップ42の間隔ΔDは第1のガス逃がしギャップ41
の間隔Δdよりも大きく、例えばΔDを 2mm程度に設定
している。
5が設けられており、このフランジ部45がフランジ嵌
合凹部32に対して所定の回転方向を向いて嵌合した状
態の時に、ピンの先端面35が金型の形状部17に対し
て所定の方向を向くようになっている。このフランジ部
45は、適宜の固定用部品46によって、上型入子型1
4のプレート部47などに固定される。フランジ部45
に、ガス抜きスリット48が設けられている。このガス
抜きスリット48は第2のガス逃がしギャップ42に連
通しており、ガス逃がしギャップ42を通ってフランジ
部45まで流れてきたガスを金型10の外に排出できる
ようにしてある。
う中空孔50が設けられている。中空孔50の下部側の
奥端51は閉じている。中空孔50の上端側の開口部5
2は大気に開放されている。この中空孔50に送気用パ
イプ55が挿入される。送気用パイプ55は、中空孔5
0に対し所定深さまで挿入された状態で、上型入子型1
4のプレート部47に適宜の固定手段によって固定され
る。送気用パイプ55の先端開口部56は、中空孔50
の奥端51の近傍に開口している。
61などを介して、気体供給源の一例としての圧搾エア
供給源62が接続されている。この圧搾エア供給源62
は、例えば圧力が数kg/cm2 程度の工場エアを送気用パ
イプ55に供給するようになっている。
71が設けられている。この側面貫通孔71は中空孔5
0に連通している。しかもこの側面貫通孔71の外側開
口部72は、第1のガス逃がしギャップ41と第2のガ
ス逃がしギャップ42との境界の段差部分73の近傍に
おいて、第1のガス逃がしギャップ41に臨む位置に開
口している。この側面貫通孔71は、第2のガス逃がし
ギャップ42に向ってヱアが上向きに吹き出るように、
ピン21の軸線と直交する面に対して45°〜60°程
度の角度θ(図3参照)をもたせている。
について説明する。図2に示されるように型締めされた
金型10のキャビティ18に、金型10の下方に設けら
れた湯口から鋳物の原料となる溶湯が供給される。キャ
ビティ18の内部で湯面が次第に上昇するのに伴い、キ
ャビティ18内のガスがガス抜き孔22の下端側開口部
25から第1のガス逃がしギャップ41に入り込む。
ア供給源62から送気用パイプ55に送られるエアをガ
ス抜きピン21の中空孔50に供給する。中空孔50に
供給されたエアの一部は側面貫通孔71を通ってガス逃
がしギャップ41,42側に吹き出し、図1中に矢印で
示すようにガス抜き孔22の上端側開口部26に向かっ
て移動する。このためこのエアの排圧により、キャビテ
ィ18内のガスがガス逃がしギャップ41に吸い込まれ
やすくなり、キャビティ18内のガスが速やかにガス逃
がしギャップ41,42を通って上端側開口部26から
排出される。
ピン21の冷却も良好であり、従って金型10の冷却効
率が高いから、鋳造製品の指向性凝固が促進され、冷却
不足による鋳造欠陥や湯回り不良あるいはひけ不良など
の発生が回避される。特に、側面貫通孔71の外側開口
部72が第1のガス逃がしギャップ41と第2のガス逃
がしギャップ42との境界の段差部分73の近傍に開口
しているから、側面貫通孔71から吹き出すエアによっ
てこの段差部分73に滞留しようとするガスを上端側開
口部26に向って強制的に追い出す効果があり、段差部
分73の近傍にガスの成分が付着するなどの不具合も防
止される。
じるガスを効率良く排出することができるとともに、金
型の冷却効率が高いため、湯回り不良やひけ不良などの
鋳造欠陥の発生を防ぐ上で有効である。しかも本発明の
ガス抜きピンは、その内部に送り込むエア等の気体の排
出圧を利用してガスの排出効率を高めるようにしている
ので構造が簡単であり、金型構造の変更も不要であり、
既存の金型にそのまま組込むことができる。
断面図。
の一部の断面図。
きピンの先端部の側面図。
ン、22…ガス抜き孔、41…第1のガス逃がしギャッ
プ、42…第2のガス逃がしギャップ、50…中空孔、
51…奥端、55…送気用パイプ、62…エア供給源、
71…側面貫通孔。
Claims (1)
- 【請求項1】鋳造用金型に貫通形成されたガス抜き孔に
挿入されるガス抜きピンを有し、 上記ガス抜きピンは、上記ガス抜き孔に挿入された状態
においてピン外周部とガス抜き孔の内面との間に金型内
部と外部とに通じるガス逃がしギャップが形成されるよ
うな外形・寸法とし、このガス抜きピンの内部には軸線
方向に延びかつ奥端が閉じた中空孔を設けるとともにこ
の中空孔の側面壁に上記ガス逃がしギャップに連通する
側面貫通孔を設け、上記中空孔に供給される気体を上記
側面貫通孔から上記ガス逃がしギャップに向って噴出さ
せるようにしたことを特徴とする鋳造用金型設備におけ
るガス抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19834693A JP2827827B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 鋳造用金型設備におけるガス抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19834693A JP2827827B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 鋳造用金型設備におけるガス抜き装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0751795A JPH0751795A (ja) | 1995-02-28 |
JP2827827B2 true JP2827827B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=16389598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19834693A Expired - Lifetime JP2827827B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 鋳造用金型設備におけるガス抜き装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (6)
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CN109895421A (zh) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 汉达精密电子(昆山)有限公司 | 碳纤板模具中间定位吸气入子 |
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-
1993
- 1993-08-10 JP JP19834693A patent/JP2827827B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0751795A (ja) | 1995-02-28 |
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