JP2799449B2 - 車両用ホイールの鋳型構造 - Google Patents

車両用ホイールの鋳型構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス圧を利用して溶湯
を注入する圧力鋳造によりディスク部とリム部を一体成
形する車両用ホイールの鋳型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、現在の自動車用ホイールに
はアルミニウム合金材等の軽合金を素材としたホイー
ル、いわゆる軽合金ホイールが多用されている。このよ
うな軽合金ホイールの構造は、1ピースホイール、2ピ
ースホイール、3ピースホイール等多種にわたり、ホイ
ールを構成するリムやディスクの成形方法も多様にわた
っている。
【0003】特に、ディスク部とリム部を一体成形する
1ピースホイールの鋳造方法としては、鋳型の下に溶け
たアルミ溶湯を保持する密閉された炉を配し、その中の
アルミ溶湯にガス圧を加えることによって、ストーク
(給湯管)を介して鋳型内にアルミ溶湯を充填する圧力
鋳造法が用いられている。このような圧力鋳造法により
車両用ホイールを鋳造する鋳型としては、例えば特開平
2−41756号公報に開示された鋳造装置のように、
キャビティのリム成形空間部の外方の湯口から鋳造する
ものがある。しかしながら、この鋳造装置は、鋳型内の
キャビティに溶湯を該キャビティのリム成形空間部に合
致する部分の外方の1個の湯口から注入するため、湯口
から遠い部分の湯回りが遅れ、湯口に近い部分との間に
大きな温度差が生じて製品の品質が低下し易いといった
問題がある。
【0004】そこで、更に特開平4−200966号公
報等に開示された鋳型構造のように、キャビティのホイ
ールの中心に合致する部分から該キャビティの各取付孔
に合致する取付孔開設部を通って外方にのびる線上で且
つ該キャビティのリム成形空間部に合致する部分の外方
に位置させて湯口を該各取付孔開設部に対応して複数設
けることにより、キャビティのディスク成形空間部の湯
回りを良くしてディスク部の品質を向上させたものがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、走行
性能を向上させるために懸架装置(サスペンション)が
改良されて、ダブルウィッシュボーン型やマルチリンク
型サスペンションのように長いアーム長を有するサスペ
ンションが広く採用されるようになったため、スクラブ
半径(キングピン・オフセット)を小さくする為にリム
幅の中心とディスクのハブ取り付け面との間のプラスオ
フセット量が大きなホイールが増えている。このため、
ディスク部がアウターリム側に寄せられて、アウターリ
ムの幅は狭く、反対にインナーリムの幅は広いホイール
が一般的になってきている。
【0006】そこで、上記の如き従来の鋳型構造では、
いずれの場合においてもディスク部のデザイン面が下を
向き、且つディスク成形空間部がキャビティのリム幅中
心線より鋳型下方側に位置する形でキャビティが形成さ
れている。そして、キャビティのリム成形空間部の外方
に設けた湯口から注入された溶湯は、先ず鋳型下方に位
置するキャビティのアウターリム成形空間部からディス
ク成形空間部に流れ、その後鋳型上方のインナーリム成
形空間部に流れる。
【0007】この場合、キャビティ内の溶湯は鋳型に熱
を奪われながら流入するため、最初に通る湯口と鋳型下
方側に位置するディスク成形空間部及びアウターリム成
形空間部内での温度が最も高く、鋳型上方のインナーリ
ム成形空間側へ行くにしたがってその温度が下がる。そ
して、湯口近傍の鋳型温度は全般的に高く、湯口近傍の
キャビティ空間の容積も大きいので、キャビティ内の溶
湯は鋳型下方側に位置するディスク成形空間部、アウタ
ーリム成形空間部及びリムのウエル成形空間部での凝固
速度が遅くなり、最も強度が要求されるこれら部位の強
度が低くなってしまう。
【0008】そして更に、ディスク成形空間部の下方に
はインナーリム成形空間部の外方に位置させた複数の湯
口に連通する給湯管や炉等の熱源が接近して設けられて
おり、ディスク成形空間部の鋳型下部に位置する鋳型の
下型には充分なスペースをとることができないので、該
下型へは効率良く冷却配管を組み込むことが難しく、充
分な冷却能力を与えることも困難であった。
【0009】そこで、ディスク部の強度を充分に向上さ
せるために冷却速度を上げて鋳物組織の微細化を図ろう
としても、該ディスク部の金型温度が高く、該ディスク
部の冷却速度を速めることは難しかった。従って、ディ
スク部の強度を上げる為には肉厚を増加させなければな
らないという結果を招いていた。また、湯口に接するリ
ム部近傍は他のリム部位に比べて冷却速度が遅いため、
部分的に強度が弱くなる傾向にあるので、リム部の強度
を確保するためにはリム全周にわたって製品の肉厚を厚
くしなければならない。更に、凝固速度の遅いディスク
部に鋳物全体の鋳造サイクルを合わせなければならず、
ディスク部の冷却速度を上げられない従来の鋳型構造で
は鋳造時間の短縮が困難であった。
【0010】この為、従来の鋳型構造では、鋳物の急冷
が難しいために製品一つの鋳造に要する時間が長く量産
性に劣ると共に、鋳込み重量及び製品重量の軽減が困難
であり、鋳造時間、鋳造歩留り、製品重量などの面で効
率が良くなかった。また、従来の鋳型構造ではリム成形
空間部外方に複数の湯口が配設されているので、ホイー
ル成形品のリム外周面(リム底、特にビードシート)に
複数の湯口跡が生じる。リム外周面に生じたこのような
湯口跡は切断が困難であり、最終形状への切削加工段階
での加工時間も長くなる。更に、ディスク部のデザイン
形状によっては、これら湯口の配設位置がディスク成形
空間部の各取付孔開設部等に対応しきれないものがあ
る。
【0011】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、製品の強度を向上させてホイールの軽量
化を図ると共に、鋳造時間及び後工程の湯口切断・切削
加工時間を短縮することができる車両用ホイールの鋳型
構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ガ
ス圧を利用して鋳型内のキャビティに鋳型下方から溶湯
を注入する圧力鋳造によりディスク部とリム部を有する
車両用ホイールを一体成形するための車両用ホイールの
鋳型構造において、前記キャビティに連通して該キャビ
ティ内に溶湯を注入する湯口が、該キャビティのディス
ク成形空間部のデザイン面側の外側端から遠いインナー
リム側のリムフランジ成形空間部に複数設けられている
ことを特徴とする車両用ホイールの鋳型構造により達成
される。
【0013】即ち、前記キャビティのディスク成形空間
部のデザイン面側の外側端から遠いインナーリム側のリ
ムフランジ成形空間部に設けられた複数の湯口より溶湯
を注入した後、鋳型上方に位置するディスク部を鋳型下
方に位置するインナーリム部の湯口近傍より先に凝固さ
せる。
【0014】
【作用】上記構成によれば、キャビティのディスク成形
空間部が鋳型下方の湯口から遠い鋳型上方に位置するの
で、ディスク部の溶湯温度が下がり易くなる。また、リ
ム部内側の容積が大きいディスク取付け面が鋳型下方に
向く形でキャビティが形成されるので、ディスク成形空
間部の鋳型下部に位置する下型には充分なスペースがで
き、この部位への冷却配管の組み込みが容易になる。こ
のため、下型の冷却能力が向上し、かつ型温の最適分布
も得やすくなる。そこで、鋳物の温度分布を最適にコン
トロールして良好な指向性凝固を行いながらディスク部
を急冷することができ、鋳物組織の微細化を図ってディ
スク部の強度を飛躍的に向上させることができる。
【0015】また、キャビティのインナーリム成形空間
部が湯口に近い鋳型下方に位置し、インナーリム部は温
度が低下し難くなるので、該インナーリム部の肉厚を薄
くしてリム部の質量を落とすことにより鋳物全体の凝固
速度を上げることができる。そこで、鋳込み重量の低減
と各部の急冷から強度が十分に上がるため、製品の軽量
化が可能となる。
【0016】更に、複数の湯口がリムフランジ成形空間
部に連通するようにして配設されるので、ホイール成形
品に生じる湯口跡はリム端縁のリムフランジ部に生じ、
リム外周面に生じた湯口跡に比べて切断が容易である。
【0017】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を詳細に説明する。図1は、本発明に基づき車両用
ホイールを一体成形するための鋳型構造の概略断面であ
り、鋳型本体1は、下型2と、昇降自在の上型3と、水
平方向に移動自在の複数の摺動型4と、下型2を支える
支持具7とを組み合わせることによって構成されてい
る。
【0018】これら金型内に形成されるキャビティ5
は、ホイールのディスク部を形成するディスク成形空間
部5aと、アウターリム部を形成するアウターリム成形
空間部5bと、インナーリム部を形成するインナーリム
成形空間部5cとからなる。そして、前記キャビティ5
は、リム幅の中心線とハブ取付け面との間のプラスオフ
セット量が大きな車両用ホイールを一体成形するための
キャビティであり、ディスク成形空間部5aのデザイン
面側の外側端5dから遠いインナーリム成形空間部5c
が鋳型下方に位置すると共に、アウターリム成形空間部
5bが鋳型上方に位置し、ディスク部のデザイン面を上
向きにする形でキャビティが形成されている。即ち、デ
ィスク成形空間部5aに対応する上型3はホイールディ
スク部のデザイン表面を成形し、下型2はホイールディ
スク部の裏面を成形する。
【0019】そこで、前記キャビティ5に連通してキャ
ビティ内に鋳型下方から溶湯を注入する湯口6が、該キ
ャビティ5のディスク成形空間部5aのデザイン面側の
外側端5dから遠いインナーリム成形空間部5cの下端
縁であるリムフランジ成形空間部に複数設けられてい
る。更に、前記ディスク成形空間部5aの中心に合致す
る部分に押し湯用の凹部8が形成されると共に、前記湯
口6に対応したアウターリム成形空間部5bの上端縁に
押し湯用の凹部9が形成されている。尚、前記湯口6
は、前記インナーリム成形空間部5cの溶湯温度が過剰
に上がるのを防ぎつつ必要な溶湯の流入量を確保できる
ように、湯口一つ当たりのアルミ溶湯の流入量を抑える
べく適宜数に分割される。
【0020】前記鋳型本体1の下側にはアルミ溶湯を保
持する密閉された保持炉13が設けられており、該保持
炉13の溶湯内にストーク12の下端を挿入し、該スト
ーク12の上側の分岐管11を前記各湯口6に接続し
た。そして、前記保持炉13内にエア圧を加えてアルミ
溶湯を押し上げ、ストーク12を介して各湯口6からア
ルミ溶湯をキャビティ5内に注入するようにした。
【0021】そこで、前記保持炉13内に例えば加圧空
気を供給してエア圧を加えると、押し上げられたアルミ
溶湯がストーク12及び分岐管11を介して各湯口6か
らキャビティ5内に注入される。従来の鋳造方法におい
て湯回り不良や引け巣が生じ易かったインナーリム部
は、本件考案においては湯口6に近いため、湯回り不良
や引け巣の発生が防止される。
【0022】更に、前記下型2、上型3及び摺動型4の
適所には、冷却水等の冷却媒体を還流する冷却孔10が
形成されており、これら金型の冷却を可能としている。
特に、前記キャビティ5のディスク成形空間部5aがキ
ャビティ5のリム幅中心線より鋳型上方側に位置して湯
口6から離れると共に、リム部内側の容積が大きいディ
スク取付け面側が鋳型下方に向く形でキャビティ5が形
成されるので、ディスク成形空間部5aの鋳型下部に位
置する下型2には下面に凹部空間ができると共にストー
ク12及び分岐管11に対して充分なスペースを得られ
る。
【0023】即ち、ディスク成形空間部5aが鋳型下方
の湯口6から遠い鋳型上方に位置するので、ディスク部
の溶湯温度が下がり易くなる。また、前記下型2への冷
却配管の組み込みが容易になって該下型2の冷却能力が
向上し、かつ型温の最適分布も得やすくなるので、鋳物
の温度分布を最適にコントロールして良好な指向性凝固
を行いながらディスク部を急冷することができ、鋳物組
織の微細化を図ってディスク部の強度を飛躍的に向上さ
せることができる。
【0024】一方、湯口6に近づいて溶湯温度が下がり
難くなったキャビティのインナーリム成形空間部5c
は、リムのウエル成形空間の金型部に冷却手段を配する
と共に該インナーリム部の肉厚を薄くすることにより、
凝固速度を速めることができる。そこで、鋳込み重量の
低減と各部の急冷から強度が十分に上がるため、必要な
強度を確保しつつ製品の軽量化が可能となる。
【0025】従って、上記鋳型構造によれば、キャビテ
ィ内の凝固速度のばらつきによる鋳造欠陥を生じること
なく鋳物全体の冷却速度を上げることができるので、急
冷凝固により鋳物組織の微細化を図ってホイールの強
度、特にディスク部の強度を飛躍的に向上させることが
できると共に、製品一つの鋳造に要する時間を短くして
量産性を向上させることができる。
【0026】更に、複数の湯口6がリムフランジ成形空
間部の下端縁に連通するように配設されており、湯口6
はインナーリム部のビードシートに位置しないので、上
記鋳型により鋳造されたホイールは走行中に大きな負荷
が加わる該ビードシート近傍の強度が部分的に弱くなる
ことがない。又、上記鋳型により鋳造されたホイール
は、湯口跡がインナーリム端縁のリムフランジ部に生じ
るため、湯口跡の切断作業が容易であり、最終形状への
切削加工段階での加工時間も短くなる。
【0027】尚、本発明の車両用ホイールの鋳型構造は
上記実施態様に限定されるものではなく、鋳型本体を構
成する各上型、下型、摺動型等の金型形状及び構成は種
々変形することができる。また、良質の鋳物を得る為に
は、必要に応じて湯口、押し湯、金型冷却、ガス抜き等
の位置、大きさ、数が適宜選定される。
【0028】
【発明の効果】本発明の車両用ホイールの鋳型構造によ
れば、キャビティのディスク成形空間部が鋳型下方に位
置する湯口から遠い鋳型上方に位置するので、ディスク
部の溶湯温度が下がり易くなる。また、リム部内側の容
積が大きいディスク取付け面が鋳型下方に向く形でキャ
ビティが形成されるので、ディスク成形空間部の鋳型下
部に位置する下型には充分なスペースができ、この部位
への冷却配管の組み込みが容易になる。このため、下型
の冷却能力が向上し、かつ型温の最適分布も得やすくな
る。そこで、鋳物の温度分布を最適にコントロールして
良好な指向性凝固を行いながらディスク部を急冷するこ
とができ、鋳物組織の微細化を図ってディスク部の強度
を飛躍的に向上させることができる。
【0029】また、キャビティのインナーリム成形空間
部が湯口に近い鋳型下方に位置し、インナーリム部は温
度が低下し難くなるので、該インナーリム部の肉厚を薄
くしてリム部の質量を落とすことにより鋳物全体の凝固
速度を上げることができる。そこで、鋳込み重量の低減
と各部の急冷から強度が十分に上がるため、製品の軽量
化が可能となる。
【0030】更に、複数の湯口がリムフランジ成形空間
部に連通するようにして配設されるので、ホイール成形
品に生じる湯口跡はリム端縁のリムフランジ部に生じ、
切断が容易である。従って、製品の強度向上と軽量化を
促進させると共に、鋳造時間及び後工程の湯口切断・切
削加工時間を短縮することができる車両用ホイールの鋳
型構造を提供できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明の車両用
ホイールの鋳型構造の効果を明らかにすることができ
る。 (実施例1)前記実施態様における鋳型本体1を用いて
アルミ合金製の車両用ホイール20を低圧鋳造し、図2
に示すような試料1を作製した。但し、この時の加圧力
は0.3〜1.0kg/cm2 とし、金型温度は350〜4
50℃の範囲に設定した。
【0032】(比較例1)前記実施例1における鋳型本
体1に代えて、一般的なセンターゲート方式による車両
用ホイールの低圧鋳造方案に準ずる鋳型本体を用いて前
記実施例1と同形状のアルミ合金製の車両用ホイール2
1を鋳造し、図3に示すような試料2を作製した。但
し、この時の加圧力は0.3〜1.0kg/cm2 とし、金
型温度は350〜520℃の範囲に設定した。
【0033】(比較例2)前記実施例1における鋳型本
体1に代えて、特開平4−200966号公報に開示さ
れている鋳型構造に準ずる鋳型本体を用いて前記実施例
1と同形状のアルミ合金製の車両用ホイール22を鋳造
し、図4に示すような試料3を作製した。但し、この時
の加圧力は0.3〜1.0kg/cm2 とし、金型温度は3
20〜450℃の範囲に設定した。
【0034】そして、上記実施例1及び比較例1,2に
おける各試料1,2,3をそれぞれ鋳造した後、各図に
示す車両用ホイール20,21,22のA点乃至L点に
対応する各部を切断し、研磨後適度に腐食させた断面を
顕微鏡で観察して鋳造品各部における凝固速度を推定す
べく、各試料のデンドライトアームスペーシング(dend
rite arm spacing)を測定した。その結果を図5に示
す。
【0035】尚、前記デンドライトアームスペーシング
とは、鋳造品における樹枝状結晶の2次枝間隔であり、
隣接する2次アーム間の中心間距離である。即ち、観察
面においてデンドライトの2次アームが3本以上整列し
ている部分を複数選び、アーム群の境界から境界までの
距離、アーム群の境界から境界まで線を引いた時のアー
ム境界との交点数を測定し、これら測定値よりアームの
平均間隔を求める。尚、測定するデンドライトの枝の数
は30とした。
【0036】図5に示した測定結果より、実施例1の試
料1は比較例1,2の試料2,3に比べてデンドライト
のアームスペーシングが狭くなっており、本発明の鋳型
構造により作製された試料1が従来の鋳型構造により作
製された比較例1,2の試料2,3に比べて凝固速度が
速く、鋳物組織の微細化が図られていることが明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に基づく車両用ホイールの
鋳型構造を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した鋳型構造により鋳造された車両用
ホイールの部分断面図である。
【図3】従来の鋳型構造により鋳造された車両用ホイー
ルの部分断面図である。
【図4】従来の鋳型構造により鋳造された車両用ホイー
ルの部分断面図である。
【図5】実施例において、各試料の各部分におけるデン
ドライトアームスペーシングの測定結果を示した比較図
である。
【符号の説明】
1 鋳型本体 2 下型 3 上型 4 摺動型 5 キャビティ 5a ディスク成形空間部 5b アウターリム成形空間部 5c インナーリム成形空間部 5d デザイン面側の外側端 6 湯口 7 支持具 8 凹部 9 凹部 10 冷却孔 11 分岐管 12 ストーク 13 保持炉 20 車両用ホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−269923(JP,A) 特開 平4−197568(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 18/04 B60B 3/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス圧を利用して鋳型内のキャビティに
    鋳型下方から溶湯を注入する圧力鋳造によりディスク部
    とリム部を有する車両用ホイールを一体成形するための
    車両用ホイールの鋳型構造において、前記キャビティに
    連通して該キャビティ内に溶湯を注入する湯口が、該キ
    ャビティのディスク成形空間部のデザイン面側の外側端
    から遠い方のリムフランジ成形空間部に複数設けられて
    いることを特徴とする車両用ホイールの鋳型構造。
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