JPH07184677A - バクテリアセルロースの製造方法 - Google Patents

バクテリアセルロースの製造方法

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JPH07184677A
JPH07184677A JP33149193A JP33149193A JPH07184677A JP H07184677 A JPH07184677 A JP H07184677A JP 33149193 A JP33149193 A JP 33149193A JP 33149193 A JP33149193 A JP 33149193A JP H07184677 A JPH07184677 A JP H07184677A
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JP
Japan
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cellulose
invertase
medium
carbon source
substance
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Pending
Application number
JP33149193A
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English (en)
Inventor
Hikari Seto
光 瀬戸
Takayasu Tsuchida
隆康 土田
Fumihiro Yoshinaga
文弘 吉永
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Bio Polymer Research Co Ltd
Original Assignee
Bio Polymer Research Co Ltd
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Publication date
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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アセトバクター属に属しセルロース性物質生
産能を有する微生物を、シュークロスを炭素源とし、イ
ンベルターゼを添加した培地で培養し、培地中にセルロ
ース、セルロース性物質を生成蓄積せしめ、該物質を採
取することから成るセルロースの製造方法。 【効果】 セルロースを高収率かつ経済的に生産するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトバクター属に属
しセルロース性物質を生産する能力を有する微生物(こ
の微生物を以後「セルロース生産性酢酸菌」と称する)
が生産するセルロース性物質の製造方法に関する。より
具体的には、シュークロスを炭素源とし、インベルター
ゼを添加した培地中での該微生物によるセルロース性物
質の生産に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース性物質は可食性であり食品分
野で利用されるほか水系分散性に優れているので食品、
化粧品又は塗料等の粘度の保持、食品原料生地の強化、
水分の保持、食品安定性向上、低カロリー添加物又は乳
化安定化助剤としての産業上利用価値がある。
【0003】また、該セルロース性物質の離解物はミク
ロフィブリルの構造的物理的特徴に基づき高分子、特に
水系高分子用補強剤として各種の産業用用途がある。こ
のような離解物は高い引張弾性率を示すので該セルロー
ス性離解物を紙状または固型状に固化した物質はミクロ
フィブリルの構造的特徴に基づくすぐれた機械特性が期
待され、各種産業用素材としての応用がある。
【0004】従来より、アセトバクター属に属する微生
物を培養して、セルロースを生産する方法は知られてい
る。例えば、特開昭62−265990号公報、特開昭
61−221201等に、その記載がある。セルロース
生産性酢酸菌の培養を行なう際に適当とされている栄養
培地としては、炭素源、ペプトン、酵母エキス、燐酸ナ
トリウム及びクエン酸からなる Schramm/Hestrin 培地
(Schramm ら、J. General Biology, 11, pp.123〜129,
1954 )が知られている。しかしながら、上記栄養培地
で振盪もしくは通気撹拌培養を行なった場合、得られる
セルロース生産量は低く、生成速度も必ずしも満足のい
くものではなかった。また、上記栄養培地の他に、コー
ンスチープリカー(CSL)や麦芽エキス等を加えた培
地が知られているが、これら天然栄養素(ペプトン、酵
母エキス、CSL、麦芽エキスなど)に含まれる特定成
分がセルロース生成促進に関与していることは知られて
いない。培地中の特定栄養素によるセルロース生成促進
因子として、現在知られているものにはイノシトール、
フィチン酸、ピロロキノリンキノン(PQQ)(特公平
5−1718号公報;高井光男,紙パ技協誌,第42
巻,第3号,第237〜244頁)等があるが、セルロ
ース生成量はまだ不十分であり、またこれらの振盪もし
くは通気撹拌培養における効果も明確ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかるセルロース生産
性酢酸菌の培養に際して、培地中の炭素源としてはシュ
ークロス、グルコース、フラクトース、マンニトール、
ソルビトール、ガラクトース、マルトース、エリスリッ
ト、ガドニット、グリセリン、エチレングリコール、エ
タノール等が単独あるいは組み合わされて使用されてき
た。
【0006】この中でも特に、シュークロスは安価な原
料であり、経済的見地からはシュークロスを炭素源とし
て用いることが好ましい。
【0007】しかしながら、シュークロスを炭素源とし
た場合にセルロースを効率よく生産させる方法はこれま
で知られていなかった。
【0008】本発明の目的は、セルロース生産性酢酸菌
を用いて、シュークロスを炭素源として使用して、経済
的かつ高収率でセルロースを生産させる方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の研究を行ない、セルロース生
産性酢酸菌をインベルターゼを添加した培地中で培養す
ることにより、シュークロスを炭素源として用いた場合
のセルロース性物質の生産性が向上することを見出し
た。
【0010】即ち、本発明は、アセトバクター属に属し
セルロース性物質生産能を有する微生物を、シュークロ
スを炭素源とし、インベルターゼを添加した培地中で培
養し、培地中にセルロース、セルロース性物質を生成蓄
積せしめ該物質を採取することから成るセルロースの製
造方法を提供する。
【0011】本発明において使用される微生物はアセト
バクター属に属し、セルロース性物質を産生する微生物
であればどのようなものでもよい。例えば、アセトバク
ター・スピーシーズ(Acetobacter sp. )BPR200
1、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinu
m )ATCC23768、アセトバクター・キシリナム
ATCC23769、アセトバクターパスツリアヌス
A.Pasteurianus)ATCC10245、アセトバクタ
ーキシリナムATCC14851、アセトバクターキシ
リナムATCC11142及びアセトバクター・キシリ
ナムATCC10821などが挙げられる。
【0012】本発明の培地に添加するインベルターゼ
は、EC3.2.1.26.に分類され、サッカラーゼ
又はスクラーゼとも呼ばれており、シュークロスを加水
分解してD−グルコースとD−フルクトースの混合物で
ある転化糖を生成する。
【0013】炭素源は、細菌、酵母、高等植物又は哺乳
動物等由来のものを使用し得る。培地へのインベルター
ゼの添加量としてはシュークロス1g当り通常0.5〜
2 unit 、特に1〜1.5unitが好ましい。インベルタ
ーゼは、培養の途中から添加することも可能であるが、
培養の初めから添加するのが好ましい。
【0014】尚、本明細書中、シュークロスを基質とし
てpH4.0、20℃において30分間に1gのシュー
クロスを加水分解するインベルターゼの酵素量を1unit
とする。
【0015】培地組成物中、炭素源としてはシュークロ
スの他にグルコース、フラクトース、マンニトール、ソ
ルビトール、ガラクトース、マルトース、エリスリッ
ト、ガドニット、グリセリン、エチレングリコール、エ
タノール等も単独或いは併用して添加することもでき
る。更にはこれらのものを含有する澱粉水解物、シトラ
スモラセス、ビートモラセス、ビート搾汁、サトウキビ
搾汁、柑橘類を始めとする果汁等をシュークロスに加え
て使用することもできる。
【0016】また、窒素源としては硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウ
ム塩、硝酸塩、尿素等有機或いは無機の窒素源が使用さ
れてもよいし、或いはBact−Peptone、Ba
ct−Soytone、Yeast−Extract、
豆濃などの含窒素天然栄養源が使用されてもよい。有機
微量栄養素としてアミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、
2,7,9−トリカルボキシ−1Hピロロ[2,3−
5]−キノリン−4,5−ジオンを添加してもよい。
【0017】生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変
異株を使用する場合には、要求される栄養素を補添する
ことが必要である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト
塩、モリブデン酸塩、赤血塩、キレート金属類等が使用
される。
【0018】培養のpHは3ないし7に、好ましくは5
付近に制御する。
【0019】培養温度は10〜40℃、好ましくは25
〜35℃の範囲で行う。
【0020】培養槽に供給する酸素濃度は1〜100
%、望ましくは21〜80%であれば良い。
【0021】本発明方法では、培養方法に制限を受け
ず、静置、振盪もしくは通気撹拌培養のいずれでもよ
い。振盪もしくは通気撹拌下での培養であってもセルロ
ース生産性に影響を及ぼさないことも本発明方法の特徴
の1つである。
【0022】本発明の方法によって生成されるセルロー
ス性物質はそのまま採取してもよく、さらに本物質中に
含まれる菌体を始めとするセルロース性物質以外の物質
を取り除く処理をほどこしてもよい。
【0023】不純物を取り除くためには水洗、加圧脱
水、希酸洗浄、アルカリ洗浄トルエン及び酢酸エチルな
どの極性有機溶媒による処理、次亜塩素酸ソーダ及び過
酸化水素などの漂白剤による処理、リゾチームなどの菌
体溶解酵素による処理、ラウリル硫酸ソーダ、デオキシ
コール酸などの界面活性剤による処理、常温から200
℃の範囲の加熱洗浄などを単独及び併用してほどこすこ
とによりセルロース様物質から不純物を除去することが
できる。
【0024】このようにして得られた本発明でいうセル
ロース性物質とは以下のものをいう。
【0025】本発明のセルロース性物質とはセルロース
及び、セルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及
びβ−1,3、β−1,2等のグルカンを含むものであ
る。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分はマ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、
アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭糖、
五炭糖及び有機酸等である。
【0026】なおこれ等の多糖が単一物質である場合も
あるし2種以上の多糖が水素結合等により混在してもよ
い。
【0027】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0028】実施例1 各種セルロース生産性酢酸菌を用いて、組成: シュークロス 40g/L、 KH2 PO4 1.0g/L、 MgSO4 ・7H2 O 0.25g/L、 (NH4 2 SO4 3.3g/L、 塩 類 10ml、 ビタミン類 10ml、 CSL 20ml、 初 発 pH 5.0 の培地にインベルターゼ(和光純薬製、生化学用)の量
を変化させて添加し、300ml斜めバッフルフラスコ
(培地張込み75ml、植菌量10%)を用いて28℃、
150rpm で4日間培養後のセルロース蓄積量と消費糖
収率で評価した。
【0029】その結果を図1に示す。
【0030】図1の結果から分かるように、培地にイン
ベルターゼを添加したときには、無添加の場合と比較し
ていずれの菌類においてもセルロース蓄積量が約1.3
倍〜約9倍増大した。
【0031】次に、インベルターゼ40 unit の添加時
期を変化させ、その他は上で述べたものと同様の条件下
でセルロースの生産を行った。
【0032】その結果を図2に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明方法による発酵法を利用したセル
ロース生産において、インベルターゼを培地に適量添加
するだけでシュークロスを炭素源としたセルロースの生
産性が従来法と比べて著しく向上する。このことは、本
方法がセルロースを効率よくかつ安価に製造できること
を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】インベルターゼの初発添加量の影響を示すグラ
フである。
【図2】インベルターゼの添加時期の影響を示すグラフ
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトバクター属に属しセルロース性物
    質生産能を有する微生物を、シュークロスを炭素源と
    し、インベルターゼを添加した培地中で培養し、培地中
    にセルロース、セルロース性物質を生成蓄積せしめ、該
    物質を採取することから成るセルロースの製造方法。
  2. 【請求項2】 インベルターゼを培地中にシュークロス
    1g当り0.5〜2unit添加することを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 培養が静置、振盪又は通気撹拌培養であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
JP33149193A 1993-12-27 1993-12-27 バクテリアセルロースの製造方法 Pending JPH07184677A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7485720B2 (en) 2001-11-08 2009-02-03 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Cellulose-type material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7485720B2 (en) 2001-11-08 2009-02-03 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Cellulose-type material

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