JPH07184554A - アイスクリーム類の製造法 - Google Patents

アイスクリーム類の製造法

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JPH07184554A
JPH07184554A JP5331490A JP33149093A JPH07184554A JP H07184554 A JPH07184554 A JP H07184554A JP 5331490 A JP5331490 A JP 5331490A JP 33149093 A JP33149093 A JP 33149093A JP H07184554 A JPH07184554 A JP H07184554A
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transglutaminase
ice cream
milk
protein
protein component
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JP5331490A
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Takahiko Soeda
孝彦 添田
Katsutoshi Yamazaki
勝利 山崎
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 原材料の蛋白成分に、トランスグルタミナー
ゼを作用させ、またはこれに所望によりトレハロースを
加えたアイスクリーム類のミックスを凍結してアイスク
リーム類を製造する。 【効果】 このようにして製造されるアイスクリーム類
は、緻密な組織を有し、ソフトで滑かな歯ごたえとオイ
リー感を高度に有し、しかも保形性の向上したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アイスクリーム、アイ
スミルク、ラクトアイス等のアイスクリーム類の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】アイスクリーム類は、乳製品の中でも、
昔から栄養価の高い蛋白食品として広く普及してきた嗜
好品の1つであり、冷たさの中に、口に含んだ時になめ
らかな歯ざわり、舌ざわり、口の中での広がり、及び喉
ごしの良いテクスチャーを持つものは代表的な乳化食品
といえ、特に、若い女性に好まれている。
【0003】しかしながら、アイスクリーム類には、以
下に述べるような問題点が指摘されている。すなわち、
アイスクリーム類にこのような優れたテクスチャーを常
に安定して付与することが必ずしも容易ではないことで
ある。例えば、従来知られている方法によった場合、例
えば、アイスクリームは、乳化状態の差によって舌ざわ
りが異なってくる。即ち、乳化状態が良好な場合はなめ
らかで舌ざわりが良く、逆に、乳化状態が不良の場合は
なめらかさが欠如して好ましくない。事実、このような
乳化状態の不良は製造過程でよく起きる現象である。こ
の対策として、改質剤として、乳化剤、ガム類、多糖類
等が検討されているが、乳化状態の問題はある程度解決
されても、アイスクリームのテクスチャーが重くなる傾
向を示し、上記の改質剤を多量に用いることが出来な
い。よって、現状では、良好な乳化状態の維持は抜本的
には未だ解決されていない。
【0004】また、アイスクリーム類の嗜好面での更な
る品質向上や物性面での更なる品質向上の望まれている
ことは言うまでもない。
【0005】
【課題を解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明の目的は、アイスクリーム類の中に原
材料として含まれる油脂の乳化状態を安定化させること
によって、安定した口の中での広がりや舌ざわり等のア
イスクリーム類独特のテクスチャーを維持し、更には改
善する方法を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく、アイスクリーム類の中の油脂の乳化
の程度を向上し、これを安定化させることを目的として
種々検討をおこなった結果、アイスクリームの原材料の
成分の1つである蛋白成分にトランスグルタミナーゼを
作用させたものを採用することで上記目的の達成できる
こと、すなわち、緻密な組織を有し、ソフトでなめらか
な歯ごたえとオイリー感を高度に有し、しかも耐熱性
(保形性)が付与されたアイスクリーム類の提供される
こと、及び原材料にトランスグルタミナーゼを作用させ
た蛋白成分に加えてトレハロースを併用すると、このよ
うな優れたアイスクリーム類の品質が更に一段と向上す
ることを見出し、このような知見に基いて本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、原材料の蛋白成分と
してトランスグルタミナーゼを作用させた蛋白成分を使
用することを特徴とするアイスクリーム類の製造法、及
び、このようなアイスクリーム類の製造法であって、原
材料にトレハロースを併用することを特徴とする方法に
関する。
【0008】以下、本発明について逐次具体的に説明す
る。
【0009】本発明の対象であるアイスクリーム類の主
要原材料としては、一般に、牛乳、濃縮乳、粉乳、カゼ
イネートなどの乳蛋白成分及び生クリーム等が挙げら
れ、最終製品によって、これらの原材料は単独もしくは
2種以上の組合せで採用される。さらに、全卵、砂糖、
ガム類、乳化剤、食用油及び香料等も、必要に応じてま
た所望により副原材料として加えても差し支えない。ガ
ム類は、グアガム、ローカストビーンガム、キサンタン
ガムなどであり、乳化剤はシュガーエステル、モノグリ
などが使用でき、食用油とはパーム油、大豆水添脂など
が一般に用いられる。但し、全卵、砂糖、ガム類、乳化
剤、食用油等を加える場合は、これらと主要原材料の全
体をよく混合溶解するとよいことは言うまでもない。さ
らに、食用油として、パーム油などの比較的融点の高い
油脂を用いる際は、食用油のみを予め加温して溶融した
状態で使用することが好ましいことはもちろんである。
【0010】さて、これらの原材料を使用して行なう、
例えば、アイスクリームの製造は、例えば次のようにし
て行なわれる。すなわち、上に挙げたような、牛乳また
は乳製品に糖類、卵、安定剤、乳化剤、香料、色素、必
要に応じてフルーツ(果汁、果肉)、チョコレート、ナ
ッツ、キャンデーなどの諸原料を混合し、水を加えて撹
拌溶解し、さらに均質化、殺菌、冷却の工程を経てアイ
スクリームフリーザーに入れる状態の液状原料を調製し
(アイスクリームミックス)、ついでこの冷却されたア
イスクリームミックスをアイスクリームフリーザーで凍
結することで行なわれる。アイスミルク、ラクトアイス
等の他のアイスクリーム類も、同様の原材料から適宜の
ものを選び、同様の工程を経て製造することのできるこ
とは、周知の通りである。
【0011】さて、アイスクリーム類のこのような原材
料中の、牛乳、濃縮乳、粉乳、カゼイネートなどの乳蛋
白成分などの蛋白成分に作用させるべきトランスグルタ
ミナーゼとしては、カルシウム非依存性のものとカルシ
ウム依存性のものがある。前者の例としては、微生物由
来のもの(例えば、特開平1−27471参照)をあげ
ることができる。後者の例としては、モルモット肝臓由
来のもの(特公平1−50382参照)、魚由来のもの
(例えば、関信夫ら「昭和63年度日本水産学会秋期大
会講演要旨集」167頁及び「平成2年度日本水産学会
春季大会講演要旨集」219頁参照)をあげることがで
きる。この他、遺伝子組み替えにより製造されるものな
ど、いずれのトランスグルタミナーゼでも用いることが
でき、起源及び製法に制限されるところはない。但し、
機能性及び経済性の点から、好ましくはカルシウム非依
存性のものがよい。例えば、上述の微生物由来のトラン
スグルタミナーゼ(特開平1−27471)などはいづ
れの条件を満足するのもであり、現時点では最適といえ
る。
【0012】トランスグルタミナーゼの添加量は、要す
るに、トランスグルタミナーゼの使用効果の奏され得る
量であるが、この量は、通常、上に説明した原材料中の
蛋白成分の蛋白1g当り0.5〜50ユニット、好まし
くは1〜10ユニットである。トランスグルタミナーゼ
の使用量が少な過ぎると緻密な組織を構成することが出
来ず、トランスグルタミナーゼを添加した効果が奏され
ず、逆に多過ぎると組織が強固になりすぎてゲル様のテ
クスチャーを呈し、いずれも好ましくない。
【0013】因みに、トランスグルタミナーゼのアイス
クリーム類における機能は、以下の通りである。即ち、
トランスグルタミナーゼの蛋白間架橋重合化により改質
された乳蛋白及びその他の蛋白成分が油脂の乳化を促進
し、そのために乳化系全体を安定化することである。そ
の結果得られる機能は、舌ざわり、口の中での風味の広
がり、オイリー感付与等のテクスチャー、味、風味の改
善である。
【0014】本発明の他の特徴をなすものとして使用さ
れるトレハロースは、グルコースが1,1結合した二糖
類である。トレハロースは、2分子のD−グルコースが
その還元性基どうしで結合し、そのため還元性基がない
ために褐変を起こさない糖類とされている。また、機能
としては高度の水和状態を維持できることから、乾燥食
品具材等の湯戻しが容易で、かつ復元後の食感が乾燥前
の品質に近い状態を保持されると言われている。このよ
うな機能を有するトレハロースには、微生物により産生
されるもの、合成によるものなどがあるが、本発明にお
いては、その起源には制限がなく、いずれのトレハロー
スでも使用することができる。
【0015】トレハロースの本発明における機能は、次
の通りである。即ち、喫食時のさじ入れ性を改善できる
ことである。このさじ入れ性の改善は、乳化状態をよく
するトランスグルタミナーゼにもその機能は認められる
が、トランスグルタミナーゼの添加量が多くなると、逆
に固くなり、さじ入れ性が悪くなる。そこで、トレハロ
ースを併用することにより、組織に緻密さを付与し、さ
じ入れ性のよいなめらかな物性を付与することが可能と
なるのである。
【0016】そこで、トレハロースの使用量は、要する
に、このような機能の発現する量であるが、この量は、
アイスクリーム類の製造原材料に対して、通常、1〜2
0重量%(上乗せ)、好ましくは2〜10重量%であ
る。トレハロースの使用量が少な過ぎるとその使用効果
が奏されず、逆に多すぎるとテクスチャーが重くなりい
ずれも好ましくない。
【0017】次に、蛋白成分にトランスグルタミナーゼ
を作用させ、またこれに加えてトレハロースを併用する
本発明のアイスクリーム類の製造法そのものについて説
明する。
【0018】本発明のアイスクリーム類の製造法は、本
発明の特徴を成す蛋白成分にトランスグルタミナーゼを
作用させること、またはこれに加えてトレハロースを併
用することを除いては特別の制限はなく、先に言及した
従来周知のアイスクリーム類の製造法に準ずることがで
きる。
【0019】蛋白成分にトランスグルタミナーゼを作用
させるには、要するに、トランスグルタミナーゼを作用
せしめうる態様であればよいので、例えば、蛋白成分を
含む原材料の一部を水と混合撹拌したものにトランスグ
ルタミナーゼを添加して作用させてもよく、また諸原料
全てを混合し、水を加えて撹拌溶解したのにトランスグ
ルタミナーゼを添加して作用させてもよい。
【0020】トランスグルタミナーゼを添加した原材料
の混合溶解物は、0〜60℃で10分乃至15時間保持
することでトランスグルタミナーゼの酵素作用が発現す
る。
【0021】トランスグルタミナーゼの作用を発現せし
めた後は、過度の酵素作用の進行を防止するためにトラ
ンスグルタミナーゼを失活させる方が好ましい。これ
は、従来のアイスクリーム類の製造法における、原料の
加熱殺菌工程に兼ねさせるとよく、そうすると失活のた
めの特別の工程が不要となって好都合である。
【0022】トレハロースを使用する場合も、例えば、
アイスクリームを製造する場合、従来周知のアイスクリ
ームの製造法における、諸原料を混合し、水を加えて撹
拌溶解し、さらに均一化するに至るまでの適宜の個所で
トレハロースを添加することで行なうことができる。
【0023】より具体的には、例えば、次のようにし
て、例えばアイスクリームを製造することができる。
【0024】まず、牛乳、濃縮乳、粉乳などの乳蛋白成
分を単独に採用してまたは2種以上組み合わせて乳蛋白
原料として採り、必要に応じて水を加えて均一に混合す
る。この水性乳組成物中の蛋白濃度は3〜4%とする
が、これは従来法によるものと同一である。これらの乳
蛋白成分の他に、全卵、砂糖、ガム類、乳化剤等を添加
しても差し支えないことはもちろんである。また、所望
によりトレハロースも加える。
【0025】この際、水性混合物全体をホモジナイザー
等により均一にした方が、よりトランスグルタミナーゼ
の効果にばらつきが生じなくて好ましい。また、この段
階でトランスグルタミナーゼを、先に説明した範囲の量
で添加しておくとは同様の理由から好ましい。
【0026】このようにして調製された、トランスグル
タミナーゼを添加し、所望によりトレハロースの添加さ
れた、均一にした水性混合物は、ついでその中でトラン
スグルタミナーゼによる酵素反応を起さしめる。その条
件は、先に説明したように、0℃〜60℃で10分乃至
15時間程度であるが、反応温度によって反応時間は規
定される。即ち、10℃であれば約8時間、25℃であ
れば60分、40℃であれば30分となる。通常は25
〜50℃の温度で処理するとよい。
【0027】酵素反応後、水性混合物は殺菌のために加
熱をおこなう。この加熱により、同時にトランスグルタ
ミナーゼは失活する。この条件は、例えば、70℃以上
で30分程度である。加熱後、3℃以下まで冷却する。
もちろん、上記条件は1例に過ぎず、これにこだわる必
要はない。
【0028】ついで、例えば冷蔵庫に一晩放置して冷却
する。
【0029】冷却後、アイスクリームフリーザーもしく
は市販の家庭用アイスクリーム製造機等により凍結して
アイスクリームが調製される。なお、トランスグルタミ
ナーゼ反応後、加熱せずとも、急激に冷却することによ
りトランスグルタミナーゼ反応を停止させることもでき
る。因みに、アイスクリームは家庭で少量作る場合と、
やや多量に業務用製造機により作る場合がある。いづれ
も基本的には、生クリームや牛乳を0℃以下で撹拌しな
がら乳化させると同時に、含気させることによってアイ
スクリームとする。これを本発明に関して言えば、冷却
したアイスクリームミックスがここに言う0℃以下とし
た生クリームや牛乳に相当する。そして、この撹拌によ
る含気の割合によりアイスクリームの舌ざわりなどのテ
クスチャーはかなり左右されるが、通常は元の水性混合
物の原料体積を100とすると、仕上がり量は120〜
130が好まれる。
【0030】このようにして製造されたアイスクリーム
は冷凍保管され、流通に置かれる。
【0031】アイスミルク、ラクトアイスなどのその他
のアイスクリーム類も、上に説明したところに準じて製
造され、同様にして流通に置かれる。
【0032】さて、諸原料を水を加えて撹拌溶解し、ト
ランスグルタミナーゼを作用させた後に殺菌処理した本
発明の方法における中間製品であるアイスクリームミッ
クスを含むアイスクリーム類のミックス(液状原料)
は、牛乳のように紙パック詰めにし、または更に大容量
の容器詰めとし、家庭でアイスクリーム類作りを楽しむ
ためにまたは業務用としてアイスクリーム類を作るため
に常温またはチルドの流通に置くことができる。従っ
て、本発明は、原材料の蛋白成分としてトランスグルタ
ミナーゼを作用させた蛋白成分および所望によるトレハ
ロースを併用したアイスクリーム類ミックスをその範囲
に含むものである。
【0033】尚、本発明でいうトランスグルタミナーゼ
の活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義され
るものであることを付言する。即ち、ベンジルオキシカ
ルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルア
ミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸
をトリクロル酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、52
5nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線
より求め、活性を算出する(前掲特開平1−27471
号公報参照)。
【0034】
【作用】トランスグルタミナーゼは、ペプチド鎖内にあ
るグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転
移反応を触媒する酵素である。このトランスグルタミナ
ーゼは、アシル受容体としてタンパク質中のリジン残基
のε−アミノ基が作用すると、タンパク質分子の分子内
において及び分子間においてε−(γ−Glu)−Ly
s架橋結合が形成される。また、水がアシル受容体とし
て機能するときは、グルタミン残基が脱アミド化されて
グルタミン酸残基になる反応を進行させる酵素である。
【0035】本発明により、原材料中の蛋白成分にトラ
ンスグルタミナーゼを作用させ、また所望によりトレハ
ロースを加え、トランスグルタミナーゼの酵素反応後、
常法の製造法により得られるアイスクリーム類は、緻密
な組織を有し、さじ入れ性の改善されたなめらかでオイ
リー感の強調された品質を有する。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。本発明の範囲は、もちろん、これによって限定
されるものではない。
【0037】実施例1 生クリーム800g、牛乳400g、全卵8個、砂糖大
さじ12杯及びバニラエッセンス20滴を加え、よくか
き混ぜた。得られた水性混合物を4等分し、それぞれに
微生物(Streptoverticillium mobaraense IFO 13819)
起源のトランスグルタミナーゼ(比活性1000ユニット/
mg)を加えた。添加量としては、(A)トランスグルタ
ミナーゼ無添加(コントロール)、(B)トランスグル
タミナーゼ0.08g(蛋白1gあたり0.5ユニット
相当量)、(C)トランスグルタミナーゼ0.3g(蛋
白1gあたり20ユニット相当量)、(D)トランスグ
ルタミナーゼ0.8g(蛋白1gあたり50ユニット相
当量)とした。
【0038】各々水性混合物に所定量のトランスグルタ
ミナーゼを加え、20〜25℃に60分間保持してトラ
ンスグルタミナーゼを作用せしめた後、直ちに、冷蔵庫
に一晩保管することによって品温を10℃以下に冷却し
た。この場合は、トランスグルタミナーゼを作用せしめ
た後直ちに冷却することでトランスグルタミナーゼの酵
素作用の進行を停止させ、また加熱による殺菌も不要で
あった。
【0039】一方、家庭用アイスクリーム製造機(日本
軽金属(株)製「どんびえ」)の内層容器ポットを−1
8℃以下の冷凍庫に一夜入れ十分に冷却しておいた。こ
の十分に冷却されたポットに、上の品温10℃以下とし
たアイスクリームミックスを入れ、蓋をしてからハンド
ルをまわし、滑らかにまわるようになったら後は時々ま
わした。最終的にはポットの上部まで内容物がオーバー
ランした時点でハンドル操作を止め、アイスクリームを
得た。
【0040】得られた4種類のアイスクリームを、パネ
ル10名による官能評価をおこない、下記第1表に示す
結果を得た。但し、評価尺度は10点法を用い、10点
を非常に優れている、5点を普通、1点を非常に劣ると
した。また、Aのコントロールを5点として比較評価し
た。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 1L容容器に牛乳200gを取り、弱火にかけて50℃
に温めた後、これに微生物によるトレハロース(味の素
(株)製)17g及び卵黄3個をよくほぐしてから加え
た。これに実施例1におけると同様のトランスグルタミ
ナーゼ0.2g(蛋白1g当り1ユニット相当量)を加
え、10分間保持した。この間の品温は40〜50℃と
した。ついで、砂糖150gおよびコーンスターチ大さ
じ1杯を加えてから、よくかき混ぜた後、弱火にかけ、
よくかき混ぜながら、トロリとなるまで火を通した。次
に、容器の底を氷水につけ混ぜながら、バニラエッセン
ス数滴を加えた。これに生クリーム150gを加えよく
かき混ぜた。
【0043】ついで、このアイスクリームミックスを冷
凍庫に移し、1〜2時間保持して表面が固まったら、全
体をかき混ぜた。この操作を3回繰り返した(本発明
A)。また、トレハロースを加えないことを除いては全
く同様にしてアイスクリームを製造した(本発明B)。
尚、比較のために、トランスグルタミナーゼもトレハロ
ースも添加しない以外は全く同様の操作によったアイス
クリームも調製した(対照区)。
【0044】以上のようにして得られた3種類のアイス
クリームを官能的に評価した結果、トタンスグルタミナ
ーゼとトレハロースを添加しない対照区に比べて、本発
明によるアイスクリームはさじ入れ性がよく、なめらか
で、かつオイリー感が強く、味、風味が好まれた。ま
た、室温で20分放置後での保形性も、対照区に比べて
良好で、若干のべとつきはみられたが殆ど保形してい
た。なお、トレハロースを使用した本発明Aのアイスク
リームと使用しない本発明Bのアイスクリームとの比較
では、前者の方がさじ入れ性、滑らかさおよびオイリー
感の点で後者よりも更に優れていた。
【0045】
【発明の効果】本発明により、トランスグルタミナーゼ
の蛋白分子間もしくは分子内でのグルタミンとリジン間
のε−(γ−Glu)Lys架橋高分子化能を利用し
て、蛋白網目構造を緻密にして、アイスクリーム類特に
アイスクリームのテクスチャーと耐熱性とを容易に向上
せしめ得るところとなった。
【0046】更にトレハロースを添加することにより、
トランスグルタミナーゼを単独使用のものに比較して更
にテクスチャーが改良されるところとなった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料の蛋白成分としてトランスグルタ
    ミナーゼを作用させた蛋白成分を使用することを特徴と
    するアイスクリーム類の製造法。
  2. 【請求項2】 原材料にトレハロースを併用することを
    特徴とする請求項1記載のアイスクリーム類の製造法。
  3. 【請求項3】 トランスグルタミナーゼの添加量が蛋白
    1g当り0.5〜50ユニットである請求項1または2
    記載のアイスクリーム類の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    よって製造されたアイスクリーム類。
  5. 【請求項5】 原材料の蛋白成分としてトランスグルタ
    ミナーゼを作用させた蛋白成分および所望によるトレハ
    ロースを併用したアイスクリーム類ミックス。
JP5331490A 1993-12-27 1993-12-27 アイスクリーム類の製造法 Pending JPH07184554A (ja)

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