JPH07183576A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子

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JPH07183576A JP32776293A JP32776293A JPH07183576A JP H07183576 A JPH07183576 A JP H07183576A JP 32776293 A JP32776293 A JP 32776293A JP 32776293 A JP32776293 A JP 32776293A JP H07183576 A JPH07183576 A JP H07183576A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多色発光LEDディスプレイの一画素を小さ
くすることができる発光素子を提供することにより、近
接した位置からでも均一に混色された映像を得ることが
できるディスプレイを実現する。 【構成】 基板上にInXAlYGa1-X-YN(0≦X≦
1、0≦Y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半導
体が積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素
子において、前記発光素子にはバンドギャップエネルギ
ーの異なる活性層が少なくとも二層以上形成されている
ことにより一チップで多色発光を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光ダイオード、レーザ
ーダイオード等に使用されるInXAlYGa 1-X-Y
(0≦X≦1、0≦Y≦1)が積層されてなる窒化ガリウ
ム系化合物半導体発光素子に係り、特に1チップで多色
発光可能にできる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ光源の一つとして発光ダイ
オード(LED)が知られている。一般にLEDを用い
てディスプレイのような多色発光を行う場合、赤、緑、
青色各発光色のLEDを複数個組み合わせて1画素を形
成するか、あるいはLEDのステム上に赤、緑、青色の
各発光チップを複数個組み合わせて一つのLED画素と
する試みが成されている。
【0003】しかしながら、前者の場合では1画素に設
置したLED間の距離が離れているため、近距離からデ
ィスプレイを観測する際には混色が不十分になる欠点が
ある。また、各LEDレンズの集光形状のため視認方向
によって、表示色が変化してしまい混色が不十分となる
欠点がある。混色をよくするため、例えばLEDの樹脂
モールドに光拡散剤を添加するか、あるいはLEDの前
面に光拡散板を設置すると、外部量子効率が低下してし
まう。一方、後者の場合は混色を行う際の外部量子効率
の点では前者よりも有利であるが、何分一画素を構成す
るLEDが大きくなってしまい、精細な画像を得ること
が困難である。従って現在LEDを用いたディスプレイ
は、広告用、スタジアムのディスプレイ等のように数メ
ートル、あるいは数十メートル以上離れた位置から視認
するものしか実用化されていないのが現状である。つま
り、従来のLEDディスプレイは、どうしても1画素を
構成するLEDが大きくなり接近した位置で混色が十分
にできなくなるので、かなり離れた位置でしか見ること
ができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】LEDを用いた多色発
光のディスプレイを高精細とし、例えば数十センチ離れ
た位置からでも均一に混色が行うことができれば、その
用途を広告だけでなく、他の分野にも大きく広げること
が可能となる。従って本発明の目的は、多色発光LED
ディスプレイの一画素を小さくすることができる発光素
子を提供することにより、近接した位置からでも均一に
混色された映像を得ることができるディスプレイを実現
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々はLEDを構成する
半導体材料の中でも特にワイドギャップ半導体と知られ
ている窒化ガリウム系化合物半導体を用い、その半導体
一種類で多色発光を可能とする発光素子を見いだした。
即ち、本発明の発光素子は、基板上にInXAlYGa
1-X-YN(0≦X≦1、0≦Y≦1)で表される窒化ガリ
ウム系化合物半導体が積層されてなる窒化ガリウム系化
合物半導体発光素子において、前記発光素子にはバンド
ギャップエネルギーの異なる活性層が少なくとも二層以
上形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】InXAlYGa1-X-YNはそのバンドギャップ
エネルギーが最大のAlNで6.2eV、最小のInN
で1.89eVあり、このバンドギャップエネルギーの
バンド間発光のみを利用すると、理論的にはAlNから
InNまで発光波長をおよそ200nm〜656nmま
で変化させることができる。そしてこの半導体を活性層
として、1チップの中に複数形成し、それぞれの活性層
を同じく窒化ガリウム系化合物半導体よりなるクラッド
層で挟むことにより、活性層を独自に発光させることが
可能となる。但し、同一素子内において、活性層はバン
ドギャップエネルギーの大きい方、つまり発光波長の短
い活性層ほど、発光観測面側に形成されている方が好ま
しい。なぜなら、逆に短波長の活性層の上に長波長の活
性層があると、発光の際、短波長が長波長に吸収され
て、発光観測面側に取り出しにくいからである。
【0007】
【実施例】以下実施例で本発明の発光素子を詳説する。
図1は本願の一実施例の発光素子の構造を示す模式断面
図であり、1はサファイアよりなる基板、2はn型Al
0.23In0.66Ga0.11Nよりなるクラッド層、3はn
型、あるいはp型のIn0.89Ga0.11Nよりなる活性
層、4はp型Al0.23In0.66Ga0.11Nよりなるクラ
ッド層、5はn型、あるいはp型のIn0.63Ga0.37N
よりなる活性層、6はp型Al0.23In0.66Ga0.11N
よりなるクラッド層、7はn型、あるいはp型のAl0.
13In0.63Ga0.24Nよりなる活性層、最上層である8
はp型Al0.23In0.66Ga0.11Nよりなるクラッド層
であり、発光観測面側をp型Al0.23In0.66Ga0.11
Nクラッド層8側としている。この発光素子は各クラッ
ド層に設けられた電極α、β、γ、δに通電することに
より、各活性層3、5、7が発光する構造としている。
【0008】これらの窒化ガリウム系化合物半導体はノ
ンドープでもn型となる性質があるが、好ましいn型と
するためにSi、Ge、Te、Se等のn型ドーパント
をドープして結晶成長させることがさらに好ましい。ま
た、p型とするためにはZn、Mg、Ca、Sr等のp
型ドーパントであるII族元素をドープしてp型特性を示
すように結晶成長させるか、あるいは特開平5−183
189号に開示したように、前記p型ドーパントをドー
プした窒化ガリウム系化合物半導体を400℃以上でア
ニーリングする必要がある。特に、活性層3、4、5に
は前記n型ドーパントおよび/またはp型ドーパントを
ドープしてn型あるいはp型とすることにより発光強度
を向上させることができ、さらに発光波長を変えること
もできる。
【0009】図1の発光素子において、バンドギャップ
エネルギーは活性層3で2.0eV、活性層5で2.3
eV、活性層7で2.7eVであり、その他のクラッド
層は全て3.0eVである。つまり活性層3はおよそ6
20nm、活性層5は539nm、活性層7は459n
mのバンド間発光を示す。
【0010】以上のような発光素子の電極α、β、γ、
δに表1に示す電圧を印可して発光させ、発光観測面側
から観測される色調を同じく表1に示す。表1におい
て、Rはレッド、Gはグリーン、Bはブルー、Sはシア
ン、Mはマゼンタ、Yはイエロー、Wはホワイトの各発
光色を示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示すように、各電極に所定の電圧を
印可することにより、クラッド層で挟まれた各活性層が
発光するので、一つのチップ内で均一に混色を行うこと
ができる。
【0013】[実施例2]図2は本願の他の実施例に係
る発光素子の構造を示す模式断面図であり、図1と同一
符号の部分は同一物質を指している。この図は各活性層
がそれぞれ半絶縁性のGaN層9(以下、i型GaNと
いう。)により、層毎に分離されていることを示してい
る。つまり、バンドギャップエネルギーの異なる活性層
をそれぞれクラッド層で挟み、クラッド層+活性層+ク
ラッド層よりなる単一の発光素子をi型GaNを介して
基板上に3つ積層した構造としている。
【0014】i型GaN層9は、pクラッド層4を結晶
成長させた後、連続して例えばGaNを成長させながら
p型ドーパントをドープすることにより形成できる。そ
の層をi型にするか、p型にするかは、成長条件によっ
て変更可能である。また発光観測面側に対し、この半絶
縁層のバンドギャップエネルギーを活性層よりも大きく
すると、発光が吸収されずに外部に取り出すことができ
る。(なお、GaNのバンドギャップエネルギーは3.
4eV)
【0015】図2の発光素子では(クラッド層2+活性
層3+クラッド層4)と、(クラッド層4+活性層5+
クラッド層6)と、(クラッド層6+活性層7+クラッ
ド層8)とがそれぞれ単独の発光素子として、i型Ga
N層9を介して基板上に積層されているので、それぞれ
の電極に電流を流すことにより、各発光素子を自由に発
光させることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本願の発光素子は
1チップで多色発光が可能であるので、LEDディスプ
レイにした際にも、一画素の大きさを小さくすることが
でき高精細な画面を得ることができる。また1チップで
混色できるので、接近した位置でディスプレイを観察し
てもムラのない画像を得ることができる。従って、本願
の発光素子は、将来民生用LEDディスプレイを提供す
る上でも非常に利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の一実施例の発光素子の構造を示す模式
断面図。
【図2】 本願の他の実施例の発光素子の構造を示す模
式断面図。
【符号の説明】
1・・・・・サファイア基板 2・・・・・n型Al0.23In0.66Ga0.11Nクラッド
層 3・・・・・n型、あるいはp型In0.89Ga0.11N活
性層 4・・・・・p型Al0.23In0.66Ga0.11Nクラッド
層 5・・・・・n型、あるいはp型In0.63Ga0.37N活
性層 6・・・・・p型Al0.23In0.66Ga0.11Nクラッド
層 7・・・・・n型、あるいはp型Al0.13In0.63Ga
0.24N活性層 8・・・・・p型Al0.23In0.66Ga0.11Nクラッド
層 9・・・・・i型GaN層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にInXAlYGa1-X-YN(0≦X
    ≦1、0≦Y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半
    導体が積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光
    素子において、前記発光素子にはバンドギャップエネル
    ギーの異なる活性層が少なくとも二層以上形成されてい
    ることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記活性層は、それぞれ半絶縁性の窒化
    ガリウム系化合物半導体により、層毎に分離されて形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層はバンドギャップエネルギー
    の大きい方が発光観測面側に形成されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の窒化ガリウム系
    化合物半導体発光素子。
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