JPH07181875A - ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法

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JPH07181875A
JPH07181875A JP32696893A JP32696893A JPH07181875A JP H07181875 A JPH07181875 A JP H07181875A JP 32696893 A JP32696893 A JP 32696893A JP 32696893 A JP32696893 A JP 32696893A JP H07181875 A JPH07181875 A JP H07181875A
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Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広い波長領域に渡って高感度で、化学的に安定
性であり、解像度、回折効率、透明性に優れ、且つ耐光
性に優れたホログラム記録材料およびホログラム記録媒
体と、それを用いたホログラムの製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】芳香環または複素環を分子内に有しない高分子
重合体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモ
ノマー(B)、可視光増感色素(C)、光重合開始剤
(D)を含むことを特徴とするホログラム記録材料と、
該ホログラム記録材料を基材上に感光膜として形成して
成ることを特徴とするホログラム記録媒体、および該ホ
ログラム記録媒体を用いてホログラムを作成するにあた
って、該ホログラム記録媒体をホログラム露光したの
ち、光または熱を加えることを特徴とするホログラムの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い波長領域に渡って
高感度で、化学的に安定性であり、解像度、回折効率、
透明性に優れ、且つ耐光性に優れたホログラム記録材料
およびホログラム記録媒体と、それを用いたホログラム
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトポリマーを用いたホログラ
ムの製造方法として、フォトポリマーからなるホログラ
ム記録媒体を輻射線の干渉パターンに露光した後、現像
液による現像処理を施す方法が提案されている。例えば
特公昭62−22152号公報においては、担体となる
べき重合体に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有す
る多官能単量体および光重合開始剤とを組み合わせた感
材を、輻射線の干渉パターンに露出する第1の工程、該
感材を第1の溶剤で処理し該感材を膨潤せしめる第2の
工程、膨潤作用の乏しい第2の溶剤で処理し該感材を収
縮せしめる第3の工程とを具備してなることを特徴とす
る、フォトポリマーを使ったホログラムの製造方法が開
示されている。当該公知技術に従えば、回折効率、解像
度及び耐環境特性などの点において優れたホログラムを
製造することができるが、感度特性および感光波長領域
特性に劣る、あるいはホログラムの製造において湿式処
理工程を採用しているなどの製造上の煩雑性、また、溶
媒浸漬操作時に生じる空隙やひび割れに起因する現像む
らや白化による透明性の低下などの問題が生じるなどの
欠点を有していた。
【0003】一方、ホログラムの製造工程において現像
液による現像処理工程を必要とせずに、唯一の処理工程
として干渉露光のみでホログラムを製造することが可能
なホログラム記録材料が、「アプライド・オプティック
ス」、第15巻、第2号、534頁(1976年)にて
公知技術として知られている。これは、低屈折率のモノ
マーと高屈折率の非反応性物質との組合わせからなる。
さらに、特開平3−36582号公報及び特開平3−2
49785号公報においては、屈折率と重合性の違うア
リルモノマーとアクリルモノマーとを組み合わせること
を特徴とするホログラム記録材料が開示されている。こ
の公知技術に従えば、高い回折効率の体積位相型ホログ
ラムが製造可能であることは、「ホログラフィック・デ
ィスプレイ研究会会報」,第10巻,第1号,3頁(1
990年)にて実証されている。しかしながら、これら
の公知技術はいずれも、流動性を有するモノマーを主成
分として使用しているため、ホログラム露光前に加熱処
理をするなどの感光膜の流動性を抑制するための処理を
予め行う必要があり、操作が煩雑になったり、膜厚の制
御が難しいなどの欠点を有していた。
【0004】また同様に、干渉露光のみでホログラムを
製造することが可能なフォトポリマーを使ったホログラ
ム記録材料(および)あるいはその製造法が開示されて
いる。例えば、特開平2−3081号公報においては、
溶媒可溶性の熱可塑性ポリマー、液体エチレン性モノマ
ー、光重合開始剤からなることを特徴とするホログラム
記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが開
示されている。該ホログラム記録用光重合性組成物にお
いては、輻射線の干渉パターンに対する露出で生ずる屈
折率変調を大きくするために、ポリマーあるいはモノマ
ーのどちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子を含む
置換基を有する材料の組合わせで構成されている。しか
しながら、これら芳香族性あるいはハロゲン原子含有の
化合物の使用による、環境中暴露下でのホログラムの黄
変性が懸念され、耐候性をより一層向上させる材料、す
なわち芳香族またはハロゲン原子を含有する化合物群を
使用しないホログラム記録材料が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広い波長領
域に渡って高感度で、化学的に安定性であり、解像度、
回折効率、透明性に優れ、且つ耐光性に優れたホログラ
ム記録材料およびホログラム記録媒体と、それを用いた
ホログラムの簡便な製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。すなわち、本発明の第一の
発明は、芳香環または複素環を分子内に有しない高分子
重合体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモ
ノマー(B)、可視光増感色素(C)、光重合開始剤
(D)を含むことを特徴とするホログラム記録材料であ
り、第二の発明は、本ホログラム記録材料が、基材上に
感光膜を形成して成ることを特徴とするホログラム記録
媒体であり、第三の発明は、該ホログラム記録媒体を用
いてホログラムを作成するにあたって、該ホログラム記
録媒体をホログラム露光したのち、光または熱を加える
ことを特徴とするホログラムの製造方法である。
【0007】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
まず、本発明で使用される、芳香環または複素環を分子
内に有しない高分子重合体(A)を例示する。この主な
ものとしては、ビニルモノマーの単一重合体または2成
分以上の共重合体があげられ、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、2−
メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチルブチル、
1,3−ジメチルブチル、2−エチルヘキシル、2−メ
チルペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、イソボ
ルニル、ジシクロペンタニル、テトラヒドロフルフリー
ルなどの鎖状、分枝状及び環状アルキルの(メタ)アク
リル酸エステルモノマーの重合体、2−ヒドロキシエチ
ル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチルな
どの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーの重合体、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエ
ポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーの重合体、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−
ジエチルアミノエチル、t−ブチルアミノエチルなどの
アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーの重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサ
ヒドロフタル酸などのカルボキシル基を含有するビニル
モノマーの重合体、エチレンオキサイド変性リン酸(メ
タ)アクリレートなどのリン酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルモノマーの重合体、アクリルアミド、N−ブ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルホ
ルマールなどのビニルモノマーの重合体があげられる。
また、さらにこれらビニルモノマーの二成分以上の共重
合体が挙げられる。とくに、本発明において、芳香環ま
たは複素環を分子内に有しない高分子重合体(A)とし
て好ましいものとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマ
ールなどがあげられる。
【0008】つぎに、本発明で使用される、分子内に脂
肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)について説明
する。ここでいう分子内に脂肪族縮合多環基を含有する
モノマー(B)とは、ピナニル基、ボルニル基、イソボ
ルニル基、フェンチェニル基等の二環式テルペン骨格や
ビシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン骨格を
有するアクリレート、メタクリレート、アリレートを意
味し、分子内の一部が不飽和結合となっていても良い。
したがって、具体例としては、イソボルニルアクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルアクリ
レート、ノルボルニルメタクリレート、ボルニルアクリ
レート、ボルニルメタクリレート、ピナニルアクリレー
ト、ピナニルメタクリレートおよびこれらのエチレンオ
キシド、プロピレンオキシド変性されたアクリレートや
メタクリレート、アリレートが挙げられる。とくに、本
発明において、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモ
ノマー(B)として好ましいものとしては、一般式
(1)
【0009】
【化2】 (ただし、nは1または2の整数、R、R’は水素原子
もしくはアルキル基、X、X’はアクリロイル基、メタ
クリロイル基、アリル基のいずれかを一つ以上含む重合
性置換基を表す)で表される化合物のいずれかであるこ
とがあげられる。これら一連の分子内に脂肪族縮合多環
基を含有するモノマー(B)は高い屈折率を有するた
め、芳香環または複素環を分子内に有しない高分子重合
体(A)との屈折率差を大きくとることができ、輻射線
の干渉パターンによるホログラム記録を行った時、高い
回折効率を有するホログラムを作成せしめることがで
き、また光学的に極めて透明性が高く、且つ黄変性が極
めて低いため、形成されたホログラムの耐光性を極めて
高めることができる。
【0010】このような目的のために適した、分子内に
脂肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)としては、
例えば、特開昭60−152515号公報に記載されて
いるジシクロデカンまたはトリシクロデカンのジ(メ
タ)アクリル酸誘導体、特開昭61−293961号公
報に記載されているトリシクロデカンの(メタ)アクリ
ル酸誘導体、特開昭62−108846号公報に記載さ
れているアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、特
開昭62−230750号公報に記載されている(メ
タ)アクリル酸エステル、特開昭63−243108号
公報に記載されているトリシクロデカンのモノ(メタ)
アクリル酸誘導体、特開昭63−248810号公報に
記載されている重合性単量体、特開平2−67248号
公報に記載されている(メタ)アクリル酸エステル、特
開平2−115205号公報に記載されているトリヒド
ロキシトリシクロデカンの(メタ)アクリル酸エステル
等が挙げられる。これらは必要に応じて任意の比率で二
種以上用いてもかまわない。
【0011】つぎに、本発明で使用される、可視光増感
色素(C)について説明する。これらは、可視域の光に
対して吸収を持たせ、光に対する活性を高める目的で添
加される。このような可視光増感色素(C)の具体例と
しては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表
される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等
に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラ
キノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導
体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリ
ン誘導体、ケトクマリン誘導体、スチリル誘導体、シア
ニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導
体、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導
体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘
導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポ
ルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導
体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィ
リン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フ
タロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導
体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタ
ロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム
誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピ
ロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロ
ピラン誘導体、有機ルテニウム錯体等が挙げられ、その
他さらに具体的には大河原信ら編、「色素ハンドブッ
ク」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性
色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三
朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシ
ー)に記載の色素および増感剤などが挙げられる。これ
らは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわ
ない。
【0012】つぎに、本発明で使用される、光重合開始
剤(D)について説明する。可視光増感色素(C)と組
み合わせて組成物とすることによって光に対する活性を
高め、極めて高感度なホログラム記録材料とする目的に
添加される。このような目的に適した光重合開始剤
(D)としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’
−ビイミダゾールやビス(2,4,5−トリフェニル)
イミダゾリルのようなビスイミダゾール誘導体、N−フ
ェニルグリシンのようなN−アリールグリシン誘導体、
4,4’−ジアジドカルコンのような有機アジド化合
物、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン
類、特開平3ー209477号公報記載のアルミナート
錯体などがあげられる。
【0013】好ましい光重合開始剤(D)としては、英
国特許1388492号や特開昭53−133428号
公報記載のトリス(トリクロロメチル)−2,4,6−
トリアジンなどの2,4,6−置換トリアジン化合物、
特開昭59−189340号公報および特開昭60−7
6503号公報記載の3,3’4,4’−テトラ(te
rt−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンな
どの有機過酸化物、特開平1−54440号、ヨーロッ
パ特許第109851号、ヨーロッパ特許第12671
2号、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス
(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁
(1986年)記載の金属アレーン錯体、特開昭63−
142345号公報記載の1−メトキシ−4−フェニル
ピリジニウムテトラフェニルボレートなどのN−アルコ
キシピリジニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスフェート、ジ(p−トリル)ヨードニウムヘ
キサフルオロホスフェート、ジ(p−tert−ブチル
フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
などのジアリールヨードニウム塩や、トリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルフェ
ナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ
メチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホニウ
ム塩、テトラフェニルオキソスルホニウムヘキサフルオ
ロホスフェートなどのオキソスルホニウム塩などのオニ
ウム塩などがあげられる。中でも、特に好ましい光重合
開始剤(D)としては、特開平3−704号公報記載の
ジフェニルヨードニウム(n−ブチル)トリフェニルボ
レートなどのヨードニウム有機ホウ素錯体や、ジフェニ
ルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニル
ボレート、ジメチルフェナシルスルホニウム(n−ブチ
ル)トリフェニルボレートなどのスルホニウム有機ホウ
素錯体などがあげられる。
【0014】また、本発明のホログラム記録材料は保存
時の重合を防止する目的で熱重合禁止剤を添加すること
が可能である。本発明のホログラム記録材料に添加可能
な熱重合禁止剤の具体例としては、p−メトキシフェノ
ール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、
カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチア
ジン等をあげることができ、これらの熱重合防止剤は、
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物100重量部に対して0.001から5重量部の範囲
で添加されるのが好ましい。また、本発明のホログラム
記録材料はさらに重合をコントロールする目的で、アミ
ンやチオール、ジスルフィド等に代表される重合促進剤
や連鎖移動触媒等を添加することが可能である。本発明
のホログラム記録材料に添加可能な重合促進剤や連鎖移
動触媒の具体例としては、例えば、トリエタノールアミ
ン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、USP第
4414312号や特開昭64−13144号記載のチ
オール類、特開平2−291561号記載のジスルフィ
ド類、USP第3558322号や特開昭64−170
48号記載のチオン類、特開平2−291560号記載
のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピ
リジンチオン類があげられる。
【0015】本発明のホログラム記録材料はさらに目的
に応じて、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等
の酸素除去剤や還元剤、ハレーション防止剤、可塑剤、
レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等と混合して
使用しても良い。本発明で使用のホログラム記録材料
は、芳香環または複素環を分子内に有しない高分子重合
体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマ
ー(B)、可視光増感色素(C)、光重合開始剤(D)
を、任意の割合で適当な溶媒中に溶解させ、得られた溶
液を、基材上に感光膜として形成してホログラム記録媒
体として使用することが可能である。本発明で使用のホ
ログラム記録材料の各成分の配合比は、全ホログラム記
録材料に対して、芳香環または複素環を分子内に有しな
い高分子重合体(A)が好ましくは10〜90重量%、
さらに好ましくは30〜70重量%、分子内に脂肪族縮
合多環基を含有するモノマー(B)が好ましくは10〜
90重量%、さらに好ましくは30〜70重量%、可視
光増感色素(C)が好ましくは0.001〜10重量
%、さらに好ましくは0.01〜1重量%、光重合開始
剤(D)が好ましくは0.001〜10重量%、さらに
好ましくは0.01〜1重量%用いる。
【0016】また、可視光増感色素(C)は、基材上に
感光膜として形成してホログラム記録媒体とした時点で
の、照射用レーザー光に対する透過率が10%以上とな
るように濃度を調製することが好ましい。このような配
合比を選ぶことによって、高い回折効率と高い感度特性
を有するホログラム記録材料を得ることができる。上記
のような組成比のホログラム記録材料を適当な溶媒に溶
解させ、これをスピンコーター、ロールコーター、ナイ
フコーターまたはバーコーターなどを用いることによっ
て、直接、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフ
ィルムなどの基材上に感光膜として形成させることによ
り、ホログラム記録媒体として用いる。ここで得られた
ホログラム記録媒体は、さらにその感光膜の上に、酸素
遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレート
などのプラスチック製のフィルムまたは板を貼合わせ
る。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層
と感光膜の間(および)または、基材と感光膜の間に、
気密性を高めるために粘着剤または有機溶剤を存在させ
てもよい。
【0017】以上にようにして得られたホログラム記録
媒体は、振動の影響を受けないようホルダー等に固定し
た後、He−Cdレーザー、Arイオンレーザー、He
−Neレーザー、Krイオンレーザー、ルビーレーザー
などの可視光レーザーを照射し、ホログラム記録を行な
う。第1図に光学系の一例を示す。このようにして記録
されたホログラムは、未露光部分または露光量の少ない
部分の定着定着のため、光または熱を加えることを必要
とする。光は、先に示した可視光レーザーの他、カーボ
ンアーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハラ
イドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプなどの可
視光または紫外光を用いる。また、熱は40℃から16
0℃の間で加熱するのが好ましい。さらに、ホログラム
記録された該ホログラムに、光と熱を同時に加えても、
光と熱を別々に加えてもよい。また、光または熱を加え
る前後に、保護層を剥離する操作をおこなってもよい。
【0018】
【作用】本発明で使用のホログラム記録材料は、芳香環
または複素環を分子内に有しない高分子重合体(A)、
分子内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)、
可視光増感色素(C)、光重合開始剤(D)を含むこと
を特徴とする。このホログラム記録材料を用いて作成し
たホログラム記録媒体にホログラム露光すると、可視光
増感色素(C)が、レーザー光を吸収して励起し、これ
が光重合開始剤(D)の分解を誘発してフリーラジカル
を発生し、その結果、分子内に脂肪族縮合多環基を含有
するモノマー(B)を重合するものと考えられる。この
際、ホログラム露光に応じて、ホログラム記録媒体中で
光の干渉が起こるが、干渉作用の強い部位において、分
子内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)の重
合反応が生じる。ここで、この重合反応によって生じた
重合物と、芳香環または複素環を分子内に有しない高分
子重合体(A)との間で屈折率差が生じ、ホログラムが
形成される。
【0019】さらにホログラム露光後、光または熱によ
る後処理工程を加えることにより、未反応であった分子
内に脂肪族縮合多環基を含有するモノマー(B)の重合
が促進され、化学的に安定な、かつ経時変化のないホロ
グラムが製造される。また、この後処理工程によって、
残存していた可視光増感色素(C)が効果的に消色さ
れ、ホログラムの透明性を向上させることになる。一
方、本発明で使用のホログラム記録材料は、高分子重合
体(A)およびモノマー(B)の何れも、その分子内に
芳香環または複素環を有しない化合物を使用することを
特徴としているため、太陽光などの活性線に対する長時
間暴露においても、形成されたホログラムが黄変するこ
とがないなどの特長を持つに至った。
【0020】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。 実施例1 芳香環または複素環を分子内に有しない高分子重合体
(A)としてポリビニルアセテート(屈折率=1.4
7)を100部、分子内に脂肪族縮合多環基を含有する
モノマー(B)としてジシクロペンタニルジアクリレー
ト(屈折率=1.50)を90部、可視光増感色素
(C)として3,3’−カルボニルビス(7−ジエチル
アミノクマリン)を1部、光重合開始剤(D)としてジ
フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを
2.5部、溶剤としてジクロロメタンを1000部から
なる感光液を調製した。この感光液を、100×125
×3mmのガラス板上に、10ミルアプリケーターを用
いて塗布し、50℃のオーブン中で10分間乾燥し、ホ
ログラム記録媒体を作成した。乾燥後の感光層の膜厚は
29μmであった。これにさらに保護層として、3ミル
アプリケーターでポリビニルアルコールの10%水溶液
を感光層側に塗布した。このホログラム記録媒体に、図
1に示すホログラム作成用光学系を用いて、Arイオン
レーザーの488nm光を二光束干渉により、露光量1
0mJ/cm2 でホログラム露光を行った。ホログラム
露光を実施した後、更に二光束の一方を遮断してホログ
ラム露光と同じ露光量に晒し、その後100℃オーブン
中に1時間放置した。回折効率は、日本分光工業(株)
製ART25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅
3mmのスリットを有したフォトマルチメータを、試料
を中心にした半径20cmの円周上に設置できる。幅
0.3mmの単色光を試料に45度の角度で入射し、試
料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな
値と、試料を置かず直接入射光を受光したときの値との
比を回折効率とした。表2に、得られたホログラムの回
折効率およびプレイバック波長、ならびに保存性および
耐光性試験の結果を示した。
【0021】比較例1〜5 比較例として、実施例1と同様な方法で、ジシクロペン
タニルジアクリレートのかわりに、フェノキシエチルア
クリレート(屈折率=1.52)、ラウリルアクリレー
ト(屈折率=1.44)、テトラヒドロフルフリルアク
リレート(屈折率=1.46)、シクロヘキシルアクリ
レート(屈折率=1.46)、トリエチレングリコール
ジアクリレート(屈折率=1.46)を各々90部含ん
だ記録媒体を用いて行った。フェノキシエチルアクリレ
ートを用いた場合(比較例1)では、80%の回折効率
を有するホログラムが得られたが、フェードメーターに
よる耐光性試験(25℃、5万ルクス、10日間)で黄
変した。また、フェノキシエチルアクリレート以外の例
(比較例2〜5)ではホログラムは得られなかった。
【0022】実施例2〜5 実施例1と同様に、ポリビニルアセテートのかわりに、
表1に示した芳香環または複素環を分子内に有しない高
分子重合体(A)を100部含むホログラム記録媒体を
用いて、ホログラムを作成した。結果を表2に示す。い
ずれの場合も良好なホログラムが得られた。 実施例6〜11 実施例1と同様に、ジシクロペンタニルジアクリレート
のかわりに、表3に示した分子内に脂肪族縮合多環基を
含有するモノマー(B)を90部含むホログラム記録媒
体を用いて、ホログラムを作成した。結果を表4に示
す。いずれの場合も良好なホログラムが得られた。 実施例12〜16 実施例1と同様な方法で、3,3’−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノクマリン)のかわりに表5に示し
た可視光増感色素(C)を1重量部含むホログラム記録
媒体を用いてホログラムを作成した。結果を表6に示
す。何れの場合も良好なホログラムが得られた。 実施例17〜20 実施例1と同様な方法で、ジフェニルヨードニウムヘキ
サフルオロホスフェートのかわりに表7に示した光重合
開始剤(D)を2.5重量部含むホログラム記録媒体を
用いて、ホログラムを作成した。結果を表8に示す。い
ずれの場合も良好なホログラムが得られた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【発明の効果】本発明のホログラム記録材料およびホロ
グラム記録用媒体、ならびにそれを用いたホログラムの
製造方法を用いることにより、広い波長領域に渡って高
感度で、化学的に安定であり、高解像度、高回折効率、
高透明性を与え、且つ耐光性に優れたホログラムが簡便
に製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム作成用二光束露光装置のブロック図
【符号の説明】 1:レーザー発振装置 2:ミラー 3:レンズ 4:スペイシャルフィルター 5:基材(ガラス板) 6:ホログラム感光層 7:保護層(ポリビニルアルコール膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安池 円 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香環または複素環を分子内に有しない
    高分子重合体(A)、分子内に脂肪族縮合多環基を含有
    するモノマー(B)、可視光増感色素(C)、光重合開
    始剤(D)からなることを特徴とするホログラム記録材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1における、分子内に脂肪族縮合
    多環基を含有するモノマー(B)が、一般式(1)で表
    される化合物のいずれかであることを特徴とするホログ
    ラム記録材料。 【化1】 (ただし、nは1または2の整数、R、R’は水素原子
    もしくはアルキル基、X、X’はアクリロイル基、メタ
    クリロイル基、アリル基のいずれかを一つ以上含む重合
    性置換基を表す)
  3. 【請求項3】 請求項1記載のホログラム記録材料が、
    基材上に感光層を形成して成ることを特徴とするホログ
    ラム記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のホログラム記録媒体を、
    ホログラム露光した後、光または熱を加えることを特徴
    とするホログラムの製造方法。
JP32696893A 1993-12-24 1993-12-24 ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法 Pending JPH07181875A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315960A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Hitachi Chem Co Ltd トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006315960A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Hitachi Chem Co Ltd トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法

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