JPH07181669A - 減衰型位相シフトマスクおよびその製造方法 - Google Patents

減衰型位相シフトマスクおよびその製造方法

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JPH07181669A
JPH07181669A JP843094A JP843094A JPH07181669A JP H07181669 A JPH07181669 A JP H07181669A JP 843094 A JP843094 A JP 843094A JP 843094 A JP843094 A JP 843094A JP H07181669 A JPH07181669 A JP H07181669A
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phase shift
attenuation type
attenuation
pattern
shift pattern
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JP843094A
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Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
Junji Miyazaki
順二 宮崎
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰型位相シフトマスクにおいて、正規の露
光領域の周囲に形成される露光光の発生を防止し、移動
しながら連続して露光を行なう場合の隣接する露光領域
への露光を防止するパターンを有する減衰型位相シフト
マスクを提供する。 【構成】 減衰型位相シフトパターン2と、この減衰型
位相シフトパターン2の周縁部の所定の位置に形成され
た、透過部37と位相シフタ部34とを含む減衰型補助
位相シフトパターン3とを備え、この減衰型補助位相シ
フトパターン3は、露光装置の解像限界より小さいパタ
ーンを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は減衰型位相シフトマス
クおよびその製造方法に関し、特に、減衰型位相シフト
マスクに形成されるパターンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路における高集積化
および微細化には目覚ましいものがある。それに伴い、
半導体基板上に形成される回路パターンの微細化も急速
に進んできている。なかでも、フォトリソグラフィ技術
が、パターン形成における基本技術として広く認識され
るところである。よって、今日までに種々の開発、改良
がなされてきているのではあるが、パターンの微細化は
止まるところを知らず、パターンの解像度向上への要求
はさらに強いものとなってきている。
【0003】一般に、縮小露光方法を用いたフォトリソ
グラフィ技術における解像限界R(nm)は、 R=K1 ・λ/(NA) …(1) と表わされる。ここで、λは使用する光の波長(n
m)、NAはレンズの開口数、k1 はレジストプロセス
に依存する定数である。
【0004】上式からもわかるように、解像限界の向上
を図るためには、k1 およびλの値は小さくし、NAの
値は大きくすればよい。つまり、レジストプロセスに依
存する定数を小さくするとともに、短波長化や高NA化
を進めればよいのである。しかし、光源やレンズの改良
は技術的に難しく、また短波長化および高NA化を進め
ることによって、光の焦点深度δ(δ=k2 ・λ/(N
A)2 )が浅くなり、かえって解像度の低下を招くとい
った問題も生じている。
【0005】ここで、図16(a),(b),(c)を
参照して、従来のフォトマスクを使用した場合の、マス
ク断面、マスク上の露光光の電場およびウェハ上の露光
光の光強度について説明する。
【0006】まず、図16(a)を参照して、フォトマ
スクの断面の構造について説明する。石英ガラス基板1
0上には、クロムなどからなる金属マスクパターン20
が形成されている。次に、図16(b)を参照して、フ
ォトマスク上の露光光の電場は、フォトマスクパターン
に沿った電場となる。しかし、ウェハ上の露光光の光強
度については、特に、微細なパターンの転写を考えたと
きは、図16(c)に示すように、フォトマスクを透過
した露光光が、光の回折現象および光の干渉効果により
光の重なり合う隣合ったパターン像において、互いに強
め合うことになる。この結果、ウェハ上の光強度の差が
小さくなってしまい、解像度が低下するといった問題点
があった。
【0007】これを解決するために、たとえば特開昭5
7−62052号公報および特開昭58−173744
号公報により、位相シフトマスクによる位相シフト露光
法が提案されている。次に、図17(a),(b),
(c)を参照して、特開昭58−173744号公報に
開示された位相シフトマスクによる位相シフト露光法に
ついて説明する。図17(a)は、位相シフトマスクの
断面を示している。図17(b)は、マスク上の露光光
の電場を示している。図17(c)は、ウェハ上の露光
光の光強度が示されている。
【0008】まず、図17(a)を参照して、この位相
シフトマスクは、ガラス基板10上に形成されたクロム
マスクパターン20の開口部に、1つおきにシリコン酸
化膜などの透明絶縁膜よりなる位相シフタ60が設けら
れている。
【0009】次に、図17(b)を参照して、この位相
シフトマスクを透過した光によるフォトマスク上の露光
光の電場は、交互に180°反転して構成されている。
したがって、光の干渉効果により光の重なり合う隣合っ
たパターン像においては、互いに打ち消し合うことにな
る。この結果、図17(c)に示すようにウェハ上の露
光光の光強度の差は十分となり、パターン像の解像度の
向上を図ることが可能となる。
【0010】しかし、上記位相シフトマスクは、ライン
・アンド・スペースなどの周期的なパターンに対しては
非常に有効ではあるが、パターンが複雑な場合には、位
相シフタの配置等が非常に困難となり、任意のパターン
には設定できないという問題点があった。
【0011】そこで、さらに上記問題点を解決する位相
シフトマスクとして、たとえば、「JJAP Seri
es5 Proc. of 1991 Intern.
Micro Process Conference
pp.3−9」および「特開平4−136854号公
報」において、減衰型位相シフトマスクが開示されてい
る。以下、特開平4−136854号公報に開示され
た、減衰型位相シフトマスクについて説明する。
【0012】図18(a)は、上記減衰型の位相シフト
マスク500の断面を示す図である。図18(b)は、
マスク上の露光光の電場を示す図である。図18(c)
は、ウェハ上の露光光の光強度を示す図である。
【0013】まず、図18(a)を参照して、位相シフ
トマスク500の構造は、露光光を透過する石英基板1
0と、この石英基板10の主表面上に形成され、上記石
英基板10の主表面を露出する透過部100と、透過す
る露光光の位相を前記透過部100を透過する露光光の
位相に対して180°変換する位相シフタ部200とを
含む所定の露光パターンである位相シフトパターン30
0を備えている。
【0014】また、上述した位相シフタ部200は、透
過部100を透過する露光光の透過率が、5〜20%と
なるクロム層20と、透過部100を透過する露光光と
の位相差が180°となるシフタ層30との二重構造の
吸収型シフタ膜となっている。
【0015】なお、上述した位相シフタ部200の、露
光光に対する透過率をリソグラフィにおいて適性な5〜
20%としたのは、図19に示すように、透過率によっ
てレジスト膜の現像後の膜厚を調節するためである。
【0016】上記構造よりなる位相シフトマスクを透過
する露光光のマスク上の電場は、図18(b)に示すよ
うになる。よって、ウェハ上の露光光の光強度は、図1
8(c)に示すように、露光パターンのエッジで位相が
反転しているので、露光パターンのエッジでの光強度が
図に示すように必ず0となる。その結果、露光パターン
の透過部100と、位相シフタ部200とを透過した露
光光の光強度の差は十分となり、パターン像の解像度を
上げることが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下に述べる問題点を有している。
【0018】図20(a)は、縮小投影露光型などの露
光装置内にある減衰型位相シフトマスクと、露光装置の
露光領域を決めるためのブラインド70との位置関係を
示す図である。図20(b)は、減衰型位相シフトマス
クとブラインド70との直下の露光光の電場を示す図で
ある。図20(c)は、減衰型位相シフトマスクと、ブ
ラインド70とを透過した光の被露光材上での光の強度
を示す図である。図20(d)は、減衰型位相シフトマ
スクとブラインド70とを透過した光の露光領域を表わ
す図である。
【0019】まず、図20(a)を参照して、減衰型位
相シフトマスクのチップパターン形成領域領域(Lc
以外の領域は、パターンの加工が行なわれていない吸収
型シフタ膜20により覆われている。縮小投影型の露光
装置では、露光領域を決めるための光を遮光するブライ
ンド70が、減衰型位相シフトマスクの下方の所定の位
置に設けられている。
【0020】このブラインド70の開口幅は、チップパ
ターン領域(Lc )が露光されればよいので、チップパ
ターン領域(Lc )と同じであればよい。しかし、ブラ
インド70の位置制御が、1000μm程度(1mm程
度)であり、さらにブラインド70が、減衰型位相シフ
トマスクと同じフォーカス面にないために、ブラインド
70のエッジ部分が、フォーカスがずれた状態となる。
このため、図20(a)に示すように、ブラインド70
の開口幅(Lb )は、チップパターン領域(L c )に、
ブラインド70が重ならないようにするため、チップパ
ターン領域(L c )よりも約1000μm程度広く設定
する必要がある。
【0021】以上のような状態において、クロムなどの
遮光膜をチップパターンに用いた通常のフォトマスクで
は、クロムを透過する光は、千分の1以下になるため、
チップパターン領域と、ブラインド70の間を通過する
光が、半導体ウェハ上のレジスト膜を露光してしまうこ
とはない。
【0022】しかし、減衰型位相シフトマスクの場合、
チップパターン材料である吸収型シフタ膜の透過率が5
〜20%程度あるため、図20(b)のイ部に指示する
ように、チップパターン領域とブラインド70との間に
露光光の5〜20%が通過してしまう。この結果、図2
0(c)を参照して、減衰型位相シフトマスクとブライ
ンド70とを透過した光の強度分布からわかるように、
チップパターン領域L c と、ブラインド70の領域Lb
との間に、透過した光I0 に対して5〜20%の光強度
I′の領域が生じてしまう。このために、図20(d)
を参照して、チップパターン領域30(Lc ×Lc )の
周囲に、幅Ld の光強度(I′)の領域50が生じてし
まう。
【0023】次に、上記構成よりなる縮小投影型の露光
装置を用いて、減衰型位相シフトマスクのパターンを半
導体ウェハ上に縮小して転写する場合、チップパターン
サイズLc のピッチで順次露光していく。図21は、チ
ップパターンのサイズが(L c ×Lc )の減衰型位相シ
フトマスクで縮小投影型の露光装置を用いて、半導体ウ
ェハ上に露光した場合の、半導体ウェハ上での露光の領
域の様子を示している。
【0024】この場合、縦方向および横方向ともにピッ
チLc で露光を行なうために、図20に示したように、
1つの露光ショットのチップパターンの周囲には、上述
したように光強度(I′)の領域50が生じている。こ
の領域50が、隣の別の露光ショットによって生じた領
域に重なってしまう。さらに、順次露光を繰返していく
と、露光領域のコーナー部においては、隣接する3つの
領域50が重なり合って露光されてしまう。このため、
露光領域において、適性露光量IO に5〜20%の光強
度(I′)の領域が重なった領域31と、5〜20%の
光強度(I′)の領域が3回重なった領域32が生じて
しまう。
【0025】このように、露光光が重なって露光されて
いる領域31,領域32においては、たとえばポジ型レ
ジスト膜を露光している場合においては、現像後のレジ
スト膜の膜減りが生じ、また吸収型シフタ膜の透過率が
高いものにおいては、完全にレジスト膜が露光されてし
まい、レジスト膜が現像により抜けてしまうという問題
点があった。
【0026】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、減衰型位相シフトマスクを用いて縮小
露光を行なう場合、正規の露光領域の周囲が露光される
ことを防止し、特に、移動しながら連続して露光を行な
う場合に正規の領域に隣接する領域への露光を防止する
パターンを有する減衰型位相シフトマスクおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいた請求
項1に記載の減衰型位相シフトマスクにおいては、フォ
トマスク基板上の所定の位置に形成された減衰型位相シ
フトパターンと、上記減衰型位相シフトパターンの周縁
部の所定の位置に形成された、透過部と位相シフタ部と
を含む減衰型補助位相シフトパターンとを備えている。
さらに、上記減衰型補助位相シフトパターンは、露光装
置の解像限界より小さいパターンを有している。
【0028】次に、この発明に基づいた請求項2に記載
の減衰型位相シフトマスクにおいては、請求項1に記載
の減衰型位相シフトマスクであって、上記透過部を透過
する光の被露光材上での光強度と、上記位相シフタ部を
透過する光の被露光材上での光強度とが重なり打ち消し
合って、被露光材上での実質的な光強度が、前記透過部
および前記位相シフタ部を透過する前の光強度に対して
3%以下となるように、上記透過部の平面面積(SO
と、上記位相シフタ部の平面面積(SH )と、上記位相
シフタ部の透過率(T)との3者の値が設定されてい
る。
【0029】次に、この発明に基づいた請求項3に記載
の減衰型補助位相シフトマスクにおいては、請求項2に
記載の減衰型位相シフトマスクであって、上記減衰型補
助位相シフトパターンの、上記透過部の平面面積
(SO )と、上記位相シフタ部の平面面積(SH )との
比SO /SH の値が、上記位相シフタ部の透過率(T)
の√Tの値とほぼ同一となるように設定されている。
【0030】次に、この発明に基づいた請求項4に記載
の減衰型位相シフトマスクにおいては、請求項1に記載
の減衰型位相シフトマスクであって、上記減衰型補助位
相シフトパターンは、上記減衰型位相シフトパターンの
周縁部の全周に設けられている。
【0031】次に、この発明に基づいた請求項5に記載
の減衰型位相シフトマスクにおいては、請求項1に記載
の減衰型位相シフトマスクであって、上記減衰型位相シ
フトパターンの外周形状は四角形であり、上記減衰型補
助位相シフトパターンは、上記減衰型位相シフトパター
ンの4つの角部の近傍に設けられている。
【0032】次に、この発明に基づいた請求項6に記載
の減衰型位相シフトマスクにおいては、請求項1に記載
の減衰型位相シフトマスクであって、上記減衰型補助位
相シフトパターンの上記透過部の平面形状は四角形であ
る。
【0033】次に、この発明に基づいた請求項7に記載
の減衰型位相シフトマスクにおいては、請求項1に記載
の減衰型位相シフトマスクであって、上記減衰型補助位
相シフトパターンの上記透過部と上記位相シフタ部と
は、直線でありかつ交互に配置されている。
【0034】次に、この発明に基づいた請求項8に記載
の減衰型位相シフトマスクの製造方法においては、以下
の工程を備えている。まず、透明基板の上に光の透過率
が5〜20%であり、透過する光の位相を180°返還
する減衰型位相シフタ膜が形成される。
【0035】次に、上記減衰型位相シフタ膜の上に減衰
型位相シフトパターン領域と、この減衰型位相シフトパ
ターン領域の周縁部の所定の位置に形成された減衰型補
助位相シフトパターン領域とを含むレジスト膜が形成さ
れる。その後、上記レジスト膜をマスクとして、上記減
衰型位相シフタ膜とがエッチングされる。
【0036】さらに、上記減衰型補助位相シフトパター
ンは、露光装置の解像限界よりも小さいパターンを有し
ている。
【0037】次に、この発明に基づいた請求項9に記載
の減衰型位相シフトマスクの製造方法においては、請求
項8に記載の減衰型位相シフトマスクの製造方法であっ
て、上記減衰型位相シフタ膜を形成する工程は、光の透
過率が5〜20%である半遮光膜を形成する工程と、透
過する光の位相を180°変換する位相シフタ膜を形成
する工程とを含んでいる。
【0038】次に、この発明に基づいた請求項10に記
載の減衰型位相シフトマスクの製造方法においては、請
求項9に記載の減衰型位相シフトマスクの製造方法であ
って、上記半遮光膜を形成する工程は、クロム膜を形成
する工程を含み、上記位相シフタ膜を形成する工程は、
酸化シリコン膜を形成する工程を含んでいる。
【0039】次に、この発明に基づいた請求項11に記
載の減衰型位相シフトマスクの製造方法においては、請
求項8に記載の減衰型位相シフトマスクの製造方法であ
って、上記減衰型シフタ膜を形成する工程は、クロムの
酸化物、クロムの酸化窒化物、モリブデンシリサイドの
酸化物およびモリブデンシリサイドの酸化窒化物からな
る群より選択される1種類の膜を形成する工程を含んで
いる。
【0040】
【作用】この発明に基づいた請求項1ないし請求項7に
記載の減衰型位相シフトマスクおよび請求項8ないし請
求項11に記載の減衰型位相シフトマスクの製造方法に
よれば、減衰型補助位相シフトパターンを透過する光の
半導体ウェハ上での像は、露光装置の解像限界より小さ
いために、解像しない。さらに、透過部と位相シフタ部
とを透過した光が互いに重なり合い、また位相が反転し
ているので、干渉して打ち消し合うことにより、半導体
ウェハ上での光強度を弱めることが可能となる。
【0041】次に、この発明に基づいた請求項2および
請求項3に記載の減衰型位相シフトマスクによれば、透
過部を透過する光の被露光材上での光強度と、位相シフ
タ部を透過する光の被露光材上での光強度とが重なり打
ち消し合って、被露光材上での実質的な光強度が、前記
透過部および前記位相シフタ部を透過する前の光強度に
対して3%以下となるように、減衰型補助位相シフトパ
ターンの透過部の平面面積(SO )と、位相シフタ部の
平面面積(SH )と、位相シフタ部の透過率(T)との
3者の値を設定している。これにより、位相シフタ部を
透過する光の強度と透過部を透過する光の強度とを調整
して、半導体ウェハ上での光強度を制御することが可能
となる。
【0042】次に、この発明に基づいた請求項3に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、減衰型補助位相シ
フトパターンの透過部の平面面積(SO )と、位相シフ
タ部の平面面積(SH )との比SO /SH の値が、上記
位相シフタ部の透過率(T)の√Tの値とほぼ同一とな
るように設定することで、SO /SH の値が上述のよう
に設定されているので、半導体ウェハ上での光強度をこ
のパターンを透過する前の光強度の3%以下とすること
が可能となる。
【0043】次に、この発明に基づいた請求項4に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、減衰型位相シフト
パターンの周縁部の全周に補助位相シフトパターンを設
けている。これにより、半導体ウェハ上に減衰型位相シ
フトマスクを用いて、半導体ウェハ上に規則正しく順次
露光を行った場合でも、他の露光領域を露光することな
く露光を行なうことが可能となる。
【0044】次に、この発明に基づいた請求項5に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、外形形状が四角形
からなる減衰型位相シフトパターンの4つの角部の近傍
の領域にのみ減衰型補助位相シフトパターンを設けてい
る。これにより、上記減衰型位相シフトパターンを用い
て、半導体ウェハ上に規則正しく順次露光を行なった場
合、減衰型位相シフトパターンの外縁部を透過する光が
2回以上重なって露光される領域がなくなり、露光不良
を起こすことなく露光を行なうことが可能となる。
【0045】次に、この発明に基づいた請求項6に記載
の発明によれば、減衰型補助位相シフトパターンの透過
部の平面形状を四角形としている。これにより、位相シ
フタ部がフォトマスク基板上において一体物として設け
られ、かつ透過部が抜きパターンとなっていることで、
位相シフトのフォトマスク基板への密着性をよくし、構
造的に信頼性の高い減衰型位相シフトマスクを提供する
ことが可能となる。
【0046】次に、この発明に基づいた請求項7に記載
の発明によれば、減衰型補助位相シフトパターンの透過
部と位相シフタ部とは直線でありかつ交互に配置してい
る。これにより、パターン形状がライン・アンド・スペ
ースとなるために、容易に形成することが可能となり、
減衰型位相シフトマスクのコストの低減を図ることが可
能となる。
【0047】次に、この発明に基づいた請求項11に記
載の減衰型位相シフトマスクの製造方法によれば、減衰
型位相シフタ膜を形成する工程は、クロムの酸化物、ク
ロムの酸化窒化物、クロムの酸化窒化炭化物、モリブデ
ンシリサイドの酸化物およびモリブデンシリサイドの酸
化窒化物からなる群より選択される1種類の膜を形成す
る工程を含んでいる。
【0048】このように、減衰型位相シフタ膜を1種類
の膜により形成することにより、減衰型位相シフトマス
クの製造工程の短縮を図ることができ、その結果、減衰
型位相シフトマスクのコストの低減を図ることが可能と
なる。
【0049】
【実施例】以下、この発明に基づいた減衰型位相シフト
マスクの第1の実施例について説明する。
【0050】図1(a)は、この実施例における減衰型
位相シフトマスク1のパターン形成側からの見た図であ
る。図1(b)は、図1(a)中X−X線矢視断面図で
ある。
【0051】この減衰型位相シフトマスク1において
は、フォトマスク基板4の上の略中央部に、正方形の領
域からなる減衰型位相シフトパターン2が形成されてい
る。また、この減衰型位相シフトパターン2の周縁部の
全周の領域には、減衰型補助位相シフトパターン3が形
成されている。
【0052】減衰型位相シフトパターン2は、位相シフ
タ部24と透過部27とから構成されている。そのうち
位相シフタ部24は、透過率5〜20%のクロム膜2a
と、位相差180°を与えるSiO2 膜2bからなる。
【0053】次に、図2を参照して、減衰型補助位相シ
フトパターン3について説明する。この減衰型補助位相
シフトパターン3は、透過率が5〜20%のクロム膜3
aと、位相差180°を与えるSiO2 膜3bからなる
位相シフタ部34を、露光装置の解像限界より小さいパ
ターンサイズに加工する。図2においては、位相シフタ
部34の平面面積をSH とし、正方形からなる透過部3
7の平面面積をSo とする。
【0054】次に、図3(a)〜(d)を参照して、こ
の減衰型補助位相シフトパターン3を透過する光の半導
体ウェハ上での露光光の強度について説明する。
【0055】図3(a)は、減衰型補助位相シフトパタ
ーン3の拡大断面図である。図3(b)は、フォトマス
ク基板4を透過した直下の、露光光の電場を示す図であ
る。図3(c)は、被露光材上での露光光の電場を模式
的に示す図である。図3(d)は、被露光材上での露光
光の強度を示す。
【0056】まず、図3(a)を参照して、フォトマス
ク基板4の上に、所定形状の位相シフタ部34と、透過
部37が形成され、それぞれの平面面積は、位相シフタ
部34が(SH )、透過部37が(So )に形成されて
いる。
【0057】図3(b)を参照して、フォトマスク基板
4の直下においては、形成されたパターンに従って、透
過率と位相とが変化した露光光の電場となる。この光学
像が、露光装置の縮小レンズで投影されると、図3
(c)に示すように、透過部37および位相シフタ部3
4を透過した光で露光される材料上での露光光の電場
は、パターンが解像限界より小さく、かつ、像が重なり
合うために、透過部37を透過した光で露光された材料
上での電場は曲線fに示すようにほぼ一定の値となる。
また、位相シフタ部34を透過した光で露光材料上での
電場は、曲線fの場合と同様に曲線gに示すようにほぼ
一定の値となる。
【0058】よって、被露光材上での露光光の強度は、
図3(d)に示すように、曲線fに示す電場と曲線gに
示す電場とが打ち消し合い小さくなる。以上のように、
曲線fに示す電場と曲線gに示す電場の絶対値が等しけ
れば、被露光材上での光強度を可能な限り小さくするこ
とができる。
【0059】この曲線fに示す電場と曲線gに示す電場
の大きさは、それぞれ位相シフタ部34の平面面積(S
H )と、透過部37の平面面積(So )と、位相シフタ
部34の透過率(T)との3者の関係から決定すること
ができる。
【0060】図4は、So /SH の比を横軸に、ウェハ
上光強度比I/Io (%)を縦軸にとったものである。
【0061】実線は、位相シフタ膜の透過率がT=0.
075(7.5%)の場合を示し、点線は位相シフタ膜
の透過率がT=0.12(12%)の場合を示してい
る。
【0062】図4からもわかるように、透過率T=7.
5%の位相シフタ膜を用いた場合、So /SH =0.2
7のとき、また透過率T=12.0%の位相シフタ膜を
用いた場合は、So /SH =0.35のときが最小値と
なり、それぞれI/Io が0.1%以下となる。
【0063】以上の関係から、I/Io が、3%以下と
なるためには、位相シフタ部34の平面面積(So
と、透過部37の平面面積(SH )と、位相シフタ部3
4の透過率(T)との3者の関係が、 So /SH ≒√T …(2) を満たさなければならないことがわかる。
【0064】次に、この√Tに値の許容範囲について説
明する。図5に示すグラフは、横軸に位相シフタ部34
の透過率T%を示し、縦軸に位相シフタ部34の平面面
積So の範囲を、(1−a)SO 〜(1+a)SO とし
た場合の、aの値を示したものである。これはI/Io
が3%以下という条件で計算されたものである。
【0065】次に、SO とSH の間には、相関関係があ
るために、SO の値が変化した場合、SH も変化する。
【0066】よって、So /SH の比は、
【0067】
【数1】
【0068】したがって、
【0069】
【数2】
【0070】となる。次に、たとえば、光源にi線(λ
=365nm)を用い、レンズの縮小率が5分の1、N
A=0.54、k1 =0.4の縮小露光装置を用いる場
合の、減衰型補助位相シフトパターン3について説明す
る。
【0071】再び、図2を参照して、透過部37の抜き
寸法を、1.0μm×1.0μmとし、ピッチ2.0μ
mの正方形パターンを形成する。この減衰型補助位相シ
フトパターン3は、図1に示すように、減衰型位相シフ
トパターン2の全周に幅1500μmで形成されてい
る。
【0072】位相シフト部34は、位相を制御するSi
2 膜2bと、透過率を制御するクロム膜2aの2層構
造であり、位相シフタ180°、透過率12%としてい
る。
【0073】なお、上述の縮小投影露光装置の解像限界
は、半導体ウェハ上においては0.4μm、フォトマス
ク上では5倍となるため2.0μmとなる。よって、上
記減衰型補助位相シフトパターン3は、解像限界よりも
十分小さいものとなる。
【0074】上記条件において、SO /SH =0.33
となり、図5より透過率12%の場合、a=0.25と
なるため、式(4)は、0.23910≧SO /SH
0.474となり、このとき√T=0.346であるか
ら、式(4)の関係を満たし、またほぼ式(2)を満た
すことになる。
【0075】次に、上記構成よりなる減衰型位相シフト
マスク1を用いて、露光を行なった場合について説明す
る。
【0076】図6(a)は、上記条件を満足する減衰型
補助位相シフトパターン3が減衰型位相シフトパターン
2の全周に形成された減衰型位相シフトマスク1であ
る。
【0077】図6(b)は、この減衰型位相シフトマス
ク1と露光装置のブラインド7との位置の関係を示す断
面図である。図6(c)は、フォトマスク基板を透過し
た直下の光の電場を示す。図6(d)は、被露光材上で
の光の強度を示す図である。
【0078】減衰型補助位相シフトパターン3を透過し
た光は、半導体ウェハ上においては、パターンが解像限
界より小さいので像が結像せず、また打ち消されるため
に、3%以下の光強度となり、露光領域以外の領域が露
光されることはない。
【0079】したがって、従来のように連続して露光す
る場合であっても、他の領域を露光することはなく、露
光不良を起こさずに露光を行なうことが可能となる。
【0080】次に、上記減衰型位相シフトマスクの製造
方法について、図7ないし図11を参照して説明する。
まず図7を参照して、石英ガラス基板4の上に、膜厚約
200Åのクロム膜23aを成膜する。その後、このク
ロム膜23aの上に、膜厚約4000ÅのSiO2 膜2
3bを成膜する。さらに、このSiO2 膜23bの上
に、電子ビームレジスト膜(たとえばZEP−810)
25を膜厚約5000Å成膜する。
【0081】次に、図8を参照して、電子ビームレジス
ト膜25に、可変成形電子ビーム露光装置(たとえば日
本電子 JBX−7000MV,6AIII)を用い
て、EB描画を行なう。このEB描画を行なうときは、
減衰型補助位相シフトパターンを精度よく仕上げるため
に、以下に示すようにEB描画を行なう。
【0082】まず、減衰型補助位相シフトパターンの露
光図形に、この露光図形の仕上がり寸法よりも小さめの
寸法バイアスの処理を施すか、減衰型補助位相シフトパ
ターン領域の電子ビームのドーズ量を、減衰型位相シフ
トパターン領域よりも多いドーズ量で処理するか、また
は両方の処理を行なう。たとえば、減衰型位相シフトパ
ターン領域200には、電子ビームのドーズ量を8〜1
0μc/cm2 の範囲で行なう。また、減衰型補助位相
シフトパターン領域300には、2μmのピッチで、1
μm×1μm□の抜きパターンを得るために、EB描画
の際の露光図形は、0.8μm×0.8μm□として、
電子ビームのドーズ量を10〜12μc/cm2 のオー
バドーズとする。これにより、抜きパターンの仕上がり
を1μm×1μm□とすることができる。その後、EB
描画が終了した電子ビームレジスト膜25の現像を行な
い、所定のパターンが完成する。
【0083】次に、図9を参照して、所定のパターンが
形成された電子ビームレジスト膜25をマスクとして、
SiO2 膜23bのエッチングを行なう。このときのエ
ッチングには、マグネトロンRIE装置を用いて、エッ
チングガスとして、CHF3+O2 (CHF3 :O2
90:10)を用い、RFパワーを200W、磁場を1
00G、ガス圧力50mtorrの条件で行なう。これ
により、減衰型位相シフトパターン領域200に、所定
形状のパターンを有するSiO2 膜2bと減衰型補助位
相シフトパターン領域300に、所定の形状を有するS
iO2 膜3bが形成される。
【0084】次に、図10を参照して、再び電子ビーム
レジスト膜25を用いて、クロム膜23aのエッチング
を行なう。このときのエッチングには、上記SiO2
と同様にマグネトロンRIE装置を用いて、エッチング
ガスとして、Cl2 +O2 (Cl2 :O2 =80:2
0)を用い、RFパワー100W、磁場100G、ガス
圧力50mtorr条件で行なう。これにより、減衰型
位相シフトパターン領域200に、所定形状のクロム膜
2aが形成され、減衰型補助位相シフトパターン領域3
00に所定形状のクロム膜3aが形成される。次に、図
11を参照して、電子ビームレジスト膜25を除去する
ことにより、本実施例における減衰型位相シフトマスク
1が完成する。
【0085】なお、上記実施例においては、位相を制御
するSiO2 膜と、透過率を制御するクロム膜の2層構
造としているが、クロムの酸化物、クロムの酸化窒化
物、クロムの酸化窒化炭化物、モリブデンシリサイドの
酸化物およびモリブデンシリサイドの酸化窒化物からな
る群より選択される1種類の材料からなる単層膜を用い
ても、位相と透過率とを所定の値に制御することができ
る。この場合、クロムの酸化物等の膜厚は約1200〜
1600Åと上述した2層構造に比べ薄く形成すること
ができ、位相シフトパターンの形成を容易に行なうこと
ができる。
【0086】次に、この発明に基づいた第2の実施例に
ついて説明する。上述した第1の実施例においては、減
衰型補助位相シフトパターンのパターンとして、1.0
μm×1.0μmの正方形パターンの場合について述べ
た。この正方形パターンの場合、フォトマスク基板上に
おいて、位相シフタ膜は1体ものであるために接着性が
よい。しかし、大量の透過部を形成するために、このフ
ォトマスク製作時の電子ビーム描画時間が多くかかって
しまう。特に、可変成型ビームを用いた描画装置では、
図形の形状に大きく依存するために、製作時間が長くな
ってしまう。
【0087】このために、上記描画時間を短くするため
に、図12に示すように減衰型補助位相シフトパターン
3の透過部37と位相シフタ部34とを直線とし、かつ
交互に配置されたライン・アンド・スペース形状とし
た。この場合、透過部の幅は0.5μm、ピッチ2μm
とし、減衰型位相シフトパターン3を減衰型位相シフト
パターン2の全周に第1の実施例と同様に形成した。な
お、図12中Z−Z矢視断面図は、図3(a)に示す断
面図と同様となる。
【0088】上記構成よりなる減衰型位相シフトマスク
におけるSo /SH の値は0.33となり、√T=√
0.12≒0.35となり式(2)および式(4)を満
足する。よって、この第2の実施例における減衰型位相
シフトマスクを用いても、第1の実施例と同様の作用効
果を得ることが可能となる。
【0089】次に、この発明に基づいた第3の実施例に
おける減衰型位相シフトマスクについて説明する。上記
第1の実施例および第2の実施例においては、減衰型位
相シフトパターンの全周に減衰型補助位相シフトパター
ンを設けている。しかし、位相シフタ部を構成する吸収
型シフタ膜の透過率が5〜8%と小さい場合において
は、露光時に他の露光領域に1回だけ位相シフタ部の透
過光が露光された場合でも、許容することができる。よ
って、位相シフタ部の透過率が低い場合には、図21に
示す領域32だけが問題となる。したがって、本実施例
においては、減衰型位相シフトパターンの4つの角部の
近傍にのみ、減衰型補助位相シフトパターンを設けるよ
うにしている。
【0090】図13(a)は、この第3の実施例におけ
る減衰型位相シフトマスク1をパターン形成面から見た
図であり、減衰型位相シフトパターン2の4つの角部の
近傍にのみ減衰型補助位相シフトパターン3が形成され
ている。
【0091】この実施例においては、減衰型補助位相シ
フトパターンの位相シフタ部の透過率Tは7.5%の吸
収型シフタ膜を用いており、減衰型位相シフトパターン
の4つの角部に、図13(b)に示すように、一辺20
00μm、透過部37の寸法が0.9μm×0.9μm
の正方形パターンを、ピッチ2.0μmで形成した。
【0092】上記条件において、So /SH =0.25
となり、図5より透過率7.5%の場合a=0.3とな
るため、式(4)は、0.1771≧So /SH ≧0.
38789となり、このとき√T=0.27から、式
(4)を満たし、またほぼ式(2)を満たすことにな
る。
【0093】この第3の実施例における減衰型位相シフ
トマスク1を用いて露光した場合、最適露光量の4倍の
露光量を用いて露光した場合であっても、減衰型位相シ
フトパターンの4つの角部に対応するレジスト膜の膜減
りは観測されなかった。
【0094】次に、この発明に基づいた第4の実施例に
ついて説明する。この第4の実施例における減衰型位相
シフトマスク1は、上記第3の実施例における減衰型補
助位相シフトパターンに形成されたパターンを、図13
(c)に示すように、透過部37と位相シフタ部34と
を直線とし、かつ交互に配置したライン・アンド・スペ
ースとしている。このとき、透過部37の幅を0.4μ
m、ピッチ2.0μmとした。よって、So /SH
0.25となるため、√T=√0.075=0.27と
なり、式(2)および式(4)を満足するものとなる。
【0095】以上、この第4の実施例においても、第3
の実施例と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0096】なお上記各実施例の減衰型補助位相シフト
パターンの露光時に、露光領域の周辺パターンの寸法
が、図14に示すように、小さくなったり、また、図1
5に示すように、細くなったりする場合がある。これ
は、電子ビーム露光の近接効果のため、露光領域の周辺
パターン部分の電子ビーム量がアンダードーズとなって
しまうからである。
【0097】したがって、このような問題を回避するた
めに、周辺パターンの電子ビーム露光時に、予め電子ビ
ーム露光データに、寸法バイアス(+0.1〜+0.
3)を加えておくことで対処することができる。
【0098】また、上記減衰型位相シフトパターンの形
状として、四角形と直線とを示しているが、解像限界よ
り小さいパターンで、So /SH ≒√Tを満足するもの
であれば、円形や多角形を用いることによっても同様の
作用効果を得ることができる。
【0099】また、上記実施例においては、減衰型補助
位相シフトパターンをチップ周辺に設けるように形成し
ているが、チップ内部においても、遮光部が必要であれ
ば、チップ内に同じような方法を用いることにより、減
衰型補助位相シフトパターンを設けることも可能であ
る。
【0100】さらに、上記各実施例における減衰型位相
シフトマスクを用いた露光方法によれば、4M,16
M,64M,256MなどのDRAM、SRAM、フラ
ッシュメモリやASIC、マイコン、GaASなどの半
導体装置の製造工程において有効に用いることができ、
さらには半導体デバイスや、液晶ディスプレイの製造工
程においても十分用いることが可能となる。
【0101】
【発明の効果】以上、この発明に基づいた請求項1ない
し請求項7に記載の減衰型位相シフトマスクおよび請求
項8ないし請求項11に記載の減衰型位相シフトマスク
の製造方法によれば、減衰型補助位相シフトパターンを
透過する光の半導体ウェハ上での像は、露光装置の解像
限界より小さいために結像しない。また、透過部と位相
シフタ部とを透過した光が互いに重なり合い、また透過
部と位相シフタ部とを透過した光の位相が反転している
ので干渉して打ち消し合うことにより、半導体ウェハ上
での光強度を弱めることが可能となる。よって、露光時
に露光領域以外の部分が露光されることを防止し、半導
体装置の製造時における露光状態の改善を図り、半導体
装置の製造時における歩留りの向上を図ることが可能と
なる。
【0102】次に、この発明に基づいた請求項2および
請求項3に記載の減衰型位相シフトマスクによれば、減
衰型補助位相シフトパターンの透過部の平面面積
(So )と、位相シフタ部の平面面積(SH )と、位相
シフタ部の透過率(T)との3者の関係を所定の値に規
定することで、位相シフタ部を透過する光の強度と透過
部を透過する光の強度を調節して、半導体ウェハ上での
光強度を制御することが可能となる。
【0103】次に、この発明に基づいた請求項3に記載
の発明によれば、減衰型補助位相シフトパターンの透過
部の平面面積(So )と、位相シフタ部の平面面積(S
H )との比So /SH の値が、位相シフタ部の透過率
(T)の√Tの値とほぼ同一になるように設定すること
で、半導体ウェハ上での光強度をこのパターンを透過す
る前の光強度の3%以下に制御することが可能となる。
【0104】次に、この発明に基づいた請求項4に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、減衰型位相シフト
パターンの周縁部の全周に補助位相シフトパターンを設
けている。これにより、半導体ウェハ上に、減衰型位相
シフトマスクを用いて、半導体ウェハ上に規則正しく順
次露光を行なった場合でも、他の領域を露光することは
なく、露光不良を起こさずに露光を行なうことが可能と
なる。
【0105】次に、この発明に基づいた請求項5に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、外形形状が四角形
からなる減衰型位相シフトパターンの4つの角部の近傍
の領域にのみ補助位相シフトパターンを設けている。
【0106】これにより、上記減衰型位相シフトパター
ンを用いて、半導体ウェハ上に規則正しく順次露光を行
なった場合、減衰型位相シフトパターンの外縁部を透過
する光が2回以上重なって露光される領域がなくなり、
露光不良を起こすことなく露光を行なうことが可能とな
る。
【0107】次に、この発明に基づいた請求項6に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、減衰型補助位相シ
フトパターンに形成される透過部の平面形状を四角形と
している。これにより、位相シフトパターンとフォトマ
スク基板との接着性が向上し、構造的に信頼性の高い減
衰型位相シフトマスクを提供することが可能となる。
【0108】次に、この発明に基づいた請求項7に記載
の減衰型位相シフトマスクによれば、減衰型位相シフト
パターンに形成される透過部と位相シフタ部とを直線と
し、かつ交互に配置している。これにより、減衰型補助
位相シフトマスクの形成が容易となり、減衰型位相シフ
トマスクの製造を容易にすることを可能とする。
【0109】次に、この発明に基づいた請求項11に記
載の減衰型位相シフトマスクの製造方法によれば、減衰
型位相シフタ膜を形成する工程は、クロムの酸化物、ク
ロムの酸化窒化物、クロムの酸化窒化炭化物、モリブデ
ンシリサイドの酸化物およびモリブデンシリサイドの酸
化窒化物からなる群より選択される1種類の膜を形成す
る工程を含んでいる。
【0110】このように、減衰型位相シフタ膜を1種類
の膜により形成することにより、減衰型位相シフトマス
クの製造工程の短縮を図ることができ、その結果、減衰
型位相シフトマスクのコストの低減を図ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第1の実施例における減衰型位相シ
フトマスクのパターン形成面から見た図である。(b)
は、(a)中X−X線矢視断面図である。
【図2】第1の実施例における減衰型補助位相シフトパ
ターンのパターン形状を示す図である。
【図3】(a)は、減衰型補助位相シフトパターンの拡
大断面図である。(b)は、フォトマスク基板を透過し
た直下の露光光の電場を示す断面図である。(c)は、
半導体ウェハ上での露光光の電場を示す図である。
(d)は、半導体ウェハ上での露光光の強度を示す図で
ある。
【図4】透過部の平面面積(So )と位相シフタ部の平
面面積(SH )との比と、ウェハ上の比強度との関係を
示す図である。
【図5】位相シフタ部の透過率と位相シフタ部の平面面
積を示すaの値との関係を示す図である。
【図6】(a)は、第1の実施例における減衰型位相シ
フトマスクのパターン形成面から見た図である。(b)
は、減衰型位相シフトマスクとブラインドとの位置関係
を示す断面図である。(c)は、フォトマスク基板を透
過した直下の露光光の電場を示す図である。(d)は、
半導体ウェハ上での露光光の強度を示す図である。
【図7】この発明に基づいた第1の実施例における減衰
型位相シフトマスクの第1製造工程である。
【図8】この発明に基づいた第1の実施例における減衰
型位相シフトマスクの第2製造工程である。
【図9】この発明に基づいた第1の実施例における減衰
型位相シフトマスクの第3製造工程である。
【図10】この発明に基づいた第1の実施例における減
衰型位相シフトマスクの第4製造工程である。
【図11】この発明に基づいた第1の実施例における減
衰型位相シフトマスクの第5製造工程である。
【図12】第2の実施例における減衰型補助位相シフト
パターンのパターン図を示す図である。
【図13】(a)は、第3の実施例における減衰型位相
シフトマスクのパターン形成面から見た図である。
(b)は、第3の実施例における減衰型補助位相シフト
パターンのパターン図である。(c)は、第4の実施例
における減衰型補助位相シフトパターンのパターンを示
す図である。
【図14】各実施例における問題点を示す第1の図であ
る。
【図15】各実施例における問題点を示す第2の図であ
る。
【図16】(a)は、従来のフォトマスクの構造を示す
断面図である。(b)はマスク上の露光光の電場を示す
図である。(c)は、ウェハ上の露光光の強度を示す図
である。
【図17】(a)は、従来の位相シフトマスクの構造を
示す断面図である。(b)は、マスク上の露光光の電場
を示す図である。(c)は、ウェハ上の露光光の強度を
示す図である。
【図18】(a)は、従来の減衰型位相シフトマスクの
構造を示す図である。(b)は、マスク上の露光光の電
場を示す図である。(c)は、ウェハ上の露光光の強度
を示す図である。
【図19】透過率と現像後のレジスト膜の膜厚の関係を
示す図である。
【図20】(a)は従来の減衰型位相シフトマスクとブ
ラインドの位置関係を示す断面図である。(b)は、フ
ォトマスク基板を透過した直下の露光光の電場を示す図
である。(c)は、半導体ウェハ上での露光光の強度を
示す図である。(d)は、半導体ウェハ上での露光の状
態を示す図である。
【図21】従来の減衰型位相シフトマスクを用いた場合
の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 減衰型位相シフトマスク 2 減衰型位相シフトパターン 3 減衰型補助位相シフトパターン 4 フォトマスク基板 なお、図中同一符号は、同一または相当部分を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトマスク基板上の所定の位置に形成
    された減衰型位相シフトパターンと、 前記減衰型位相シフトパターンの周縁部の所定の位置に
    形成された、透過部と位相シフタ部とを含む減衰型補助
    位相シフトパターンと、を備え、 前記減衰型補助位相シフトパターンは、露光装置の解像
    限界より小さいパターンを有する、減衰型位相シフトマ
    スク。
  2. 【請求項2】 前記減衰型補助位相シフトパターンは、 前記透過部を透過する光の被露光材上での光強度と、上
    記位相シフタ部を透過する光の被露光材上での光強度と
    が、重なり打ち消し合って、被露光材上での実質的な光
    強度が、前記透過部および前記位相シフタ部を透過する
    前の光強度に対して3%以下となるように、前記透過部
    の平面面積(SO )と、前記位相シフタ部の平面面積
    (SH )と、前記位相シフタ部の透過率(T)との3者
    の値が設定された、請求項1に記載の減衰型位相シフト
    マスク。
  3. 【請求項3】 前記減衰型補助位相シフトパターンの、
    前記透過部の平面面積(SO )と、前記位相シフタ部の
    平面面積(SH )との比SO /SH の値が、前記位相シ
    フタ部の透過率(T)の√Tの値とほぼ同一である、請
    求項2に記載の減衰型位相シフトマスク。
  4. 【請求項4】 前記減衰型補助位相シフトパターンは、
    前記減衰型位相シフトパターンの周縁部の全周に設けら
    れた、請求項1に記載の減衰型位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】 前記減衰型位相シフトパターンの外周形
    状は四角形であり、 前記減衰型補助位相シフトパターンは、前記減衰型位相
    シフトパターンの4つの角部の近傍の領域に設けられ
    た、 請求項1に記載の減衰型位相シフトマスク。
  6. 【請求項6】 前記減衰型補助位相シフトパターンの前
    記透過部の平面形状は四角形である、請求項1に記載の
    減衰型位相シフトマスク。
  7. 【請求項7】 前記減衰型補助位相シフトパターンの前
    記透過部と前記位相シフタ部とは直線でありかつ交互に
    配置された、請求項1に記載の減衰型位相シフトマス
    ク。
  8. 【請求項8】 透明基板の上に光の透過率が5〜20%
    であり、透過する光の位相を180°変換する減衰型位
    相シフタ膜を形成する工程と、 前記減衰型位相シフタ膜の上に減衰型位相シフトパター
    ン領域と、この減衰型位相シフトパターン領域の周縁部
    の所定の位置に形成された減衰型補助位相シフトパター
    ン領域とを含むレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜をマスクとして、前記減衰型位相シフタ
    膜をエッチングによりパターニングする工程と、を備
    え、 前記減衰型補助位相シフトパターン領域は、露光装置の
    解像限界より小さいパターンを有する、減衰型位相シフ
    トマスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記減衰型位相シフタ膜を形成する工程
    は、 光の透過率が5〜20%である半遮光膜を形成する工程
    と、 透過する光の位相を180°変換する位相シフタ膜を形
    成する工程と、を含む、請求項8に記載の減衰型位相シ
    フトマスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記半遮光膜を形成する工程は、クロ
    ム膜を形成する工程を含み、前記位相シフタ膜を形成す
    る工程は、酸化シリコン膜を形成する工程を含む、請求
    項9に記載の減衰型位相シフトマスクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記減衰型位相シフタ膜を形成する工
    程は、 クロムの酸化物、クロムの酸化窒化物、クロムの酸化窒
    化炭化物、モリブデンシリサイドの酸化物およびモリブ
    デンシリサイドの酸化窒化物からなる群より選択される
    1種類の膜を形成する工程を含む、請求項8に記載の減
    衰型位相シフトマスクの製造方法。
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