JP3173314B2 - 位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクの製造方法

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JP3173314B2
JP3173314B2 JP7288595A JP7288595A JP3173314B2 JP 3173314 B2 JP3173314 B2 JP 3173314B2 JP 7288595 A JP7288595 A JP 7288595A JP 7288595 A JP7288595 A JP 7288595A JP 3173314 B2 JP3173314 B2 JP 3173314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセスに
代表される微細パターンを形成する際のフォトリソグラ
フィ工程における露光転写用のフォトマスク(レチク
ル)とその製造方法ならびにマスクブランクに関し、特
にはハーフトーン位相シフト層を用いた位相シフト技術
に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】位相シフトマスク技術は光リソグラフィ
技術におけるいわゆる超解像技術の一種であって、近年
は開発が盛んに行われている。これは従来のフォトマス
クのように光透過部と遮光部だけでなく、透過光の位相
を反転させる位相シフト部を具備したフォトマスクであ
り、従来のフォトマスクに比べて、飛躍的に優れた微細
パターンの解像度向上効果および焦点深度向上効果を持
つ。さらに、この位相シフト技術の中でも方式がいくつ
かに分かれており、その内の一つとしてハーフトーン位
相シフトマスクがある。ハーフトーン位相シフトマスク
は、半透明性層にパターンエッジでの透過光の位相反転
作用およびパターン内部での遮光の役割を持たせること
によって、透過光強度のエッジ形状を急峻にして解像性
や焦点深度特性を向上させると共に、マスクパターンを
忠実にウェハー上に転写する効果を持つものである。
【0003】さて、図3はハーフトーン位相シフトマス
クを用いて露光した場合の様子を示す図である。ハーフ
トーン位相シフトマスクの基板側から露光を行った場
合、マスクを透過した光の振幅透過率は図3(b)のよ
うに半透明部を透過した部分では位相が反転し、且つ若
干の値ながら透過率を持つ。そして、投影面上での図3
(c)のようにメインピークの両側にサイドピークが現
れるが、レジスト解像レベル(A)よりも低い為にこの
部分は解像せず、メインピークによる開口パターンのみ
が解像する。尚、フォトマスクの一種であり、ステッパ
ーに装填して使用され、露光転写により形成するパター
ン寸法を所定倍率に拡大して転写用パターンを形成して
あるフォトマスクのことを従前よりレチクルと称してい
るが、本発明に係る位相シフトマスクの分野において
も、これをレチクル(又は位相シフトレチクル)と称
し、広義として位相シフトマスクに含めることにする。
【0004】次に、従来のハーフトーン位相シフトマス
クおよびマスクブランクの構造について、図2(a)〜
図2(d)を参照して説明する。図2(a)は単層ハー
フトーン位相シフトマスクと称するマスクの構造を示す
断面図であり、図2(b)はそれに用いるマスクブラン
クの構造を示す断面図である。その構造は、透明基板1
1上に半透明性層12が設けられている。一般に半透明
性層12は位相シフト層であって、これを垂直に透過す
る光に対して透過前後で180°に相当する位相反転を
生じるように膜厚および屈折率を設定してある。また該
半透明性層の光学透過率は通常5〜20%の範囲内であ
ってわずかに光が透過するが、該マスクを用いてウェハ
ー上にパターン露光転写した際にパターン内部が解像し
ない程度の透過率である。また図2(c)は2層ハーフ
トーン位相シフトマスクの構造を示す断面図であり、図
2(d)はそれに用いるマスクブランクの構造を示す断
面図である。その構造は、透明基板11上に透明位相シ
フト層13と透過率調整層14とがこの順に設けられて
いる。該透明位相シフト層13は透明であって、垂直透
過光が180°位相反転するような膜厚および屈折率に
設定してある。また、該透過率調整層14の透過率は通
常5〜20%の範囲内であって、前記と同様に露光転写
時に解像しない程度の遮光性を有している。
【0005】ハーフトーン位相シフトマスクの条件とし
ては、以下の条件が存在する。まず第一の条件は、パタ
ーン膜の透過光の位相反転量が一般的には180°(露
光時に実用上充分な位相シフト量を得る為の位相反転量
の許容範囲値は180±10°)になっていることが挙
げられる。第二の条件として、パターン膜の透過率が少
なくとも被露光物のレジストプロセス(例えば、半導体
集積回路製造工程におけるウェハーのレジストプロセ
ス。)の露光条件の範囲内である必要から、一般には5
〜20%以内になっていることが挙げられる。なお、位
相反転量が180°であるための条件は、光学薄膜理論
から明らかなように、次の(式1)で求められる。
【0006】
【数1】
【0007】また、透過率は膜厚と膜の屈折率と減衰係
数とから決まる。従ってハーフトーン位相シフトマスク
の製造工程では、特に膜の製造工程がハーフトーン位相
シフトマスクの性能を決める重要な要素となる。
【0008】該透明基板11の材料としては一般に合成
石英基板が用いられる。該半透明性層12および透過率
調整層14の材料としては、通常は酸化クロム(CrO
X )、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)
のような金属酸化物あるいは金属窒化物が用いられるこ
とが多い。また透明位相シフト層13の材料としては、
透明性の高い二酸化珪素(SiO2 )、酸化アルミニウ
ム(Al2 3 )あるいはフッ化マグネシウム(MgF
2 )のようなガラス・セラミック材料や、有機SOG
(スピンオングラス)のような有機系材料も用いられ
る。
【0009】前記の構造は単純なものであるが、実際に
はその製造方法や露光転写時において問題を有してお
り、その問題とは以下の通りになる。第1に、ウェハー
露光条件に大きな制限が課せられるという問題があり、
その理由を次に示す。図2(a)の単層位相シフトマス
クは最も構造が単純な型であるが、該半透明性層12の
透過率については、膜が均一であることによって半導体
ウェハー露光転写条件での大きな制限が加わる。すなわ
ち、ウェハーに露光する際の露光量設定において、通常
のフォトマスクを用いた場合はパターンが完全な遮光性
を有しているから、ウェハーでの露光条件にはマスクに
よる制限は全くなく、1ショットあたりの露光量を大き
くしてコントラストを上げ、スループットを向上するこ
とが自由に可能であった。しかし、該単層ハーフトーン
位相シフトマスクの場合は膜が半透明性層のみであるた
めパターンに完全な遮光性がない。そのため露光量を大
きくすると、パターン内部の本来遮光すべき部分から光
が透過して、ウェハー上のレジストパターンが露光され
解像してしまうことがあり、これを防ぐためには、露光
量の上限を大幅に狭める等の露光条件への大きな制限を
課さなければならず、レジスト寸法が変化したり、露光
量不足による解像不良が生じたり、スループットが低下
する等の問題があった。
【0010】第2に、製造上の問題として、ハーフトー
ン位相シフト層の光学特性の制御の著しい困難さが挙げ
られる。単層ハーフトーン位相シフトマスクに求められ
る条件として、該半透明性層のみで180°の位相差と
所定の透過率とを同時に満足していなければならない。
前記(式1)で示したように、位相差は膜厚と膜の光学
定数とが関係する量であり、一方透過率も膜厚と光学定
数にも関係するから、位相差と透過率という二つの要求
特性を同時に満足するのは容易ではない。このためには
膜の光学定数すなわち屈折率および減衰係数を両方独立
に制御する必要があるが、実際には膜の光学定数は成膜
段階での材料の組成により決まるので、成膜時の反応ガ
ス条件や圧力・温度などの制御によっても殆どの場合屈
折率と減衰係数とが連動して変化してしまうことにな
り、これらを自由に制御して製造することは非常に困難
であった。さらに、膜厚も位相差と透過率とを同時に満
足するためにはかなり狭い範囲での制御を要求されてい
た。すなわち、膜厚が位相差だけで決まるならば、制御
範囲は位相差180°に対して±10°の範囲内にあれ
ばよいが、透過率が例えば±1%の範囲内を要求された
場合は位相差の要求範囲と重なる膜厚範囲しか許され
ず、より大きく限定され、場合によっては位相差と透過
率の両方を満足する膜厚範囲が得られないこともあっ
た。
【0011】図2(c)の2層ハーフトーン位相シフト
マスクの場合も前記とまったく同様に、パターンの遮光
性が不完全であるために露光条件が大きく制限されてし
まうという問題があった。また、この構造の場合も該透
明位相シフト層と該透過率調整層との2層構造におい
て、180°の位相差と所定の透過率とを同時に満足し
なければならないが、前記単層型の場合と同様の理由で
そのような制御は非常に困難であり、しかもそれぞれの
層を個別に制御しなければならないため単層の場合より
も複雑な成膜工程の制御が要求されていた。
【0012】第3に、2層型ハーフトーンの場合には製
造工程上の工程数の多さが挙げられる。すなわちパター
ニング工程において、該透過率調整層14のエッチング
と該透明位相シフト層13のエッチングとはエッチング
条件が全く異なるため、エッチングを少なくとも2回以
上に分けて行う必要があった。
【0013】このように従来のハーフトーン位相シフト
マスクは、単純な構成であってもその製造条件が極めて
困難であって、しかもウェハー工程での露光条件を制限
してしまうという問題点があった。しかし、前記のよう
な問題点に対する一つの解決策として、例えば特開平6
−230556号公報に示される提案がなされている。
これは通常の遮光膜に開口パターンが形成され、その開
口パターンの周囲部分の遮光膜について半透過する程度
の厚さにハーフエッチングを行い、その上に透明位相シ
フト層を設けることにより、該開口パターン部において
位相シフト効果が得られ、かつそれ以外の部分は完全に
遮光されるようにしたものである。
【0014】しかしながら我々の検討によれば、この提
案にも次のような問題点が考えられる。その問題点と
は、 ・第1に、遮光層のハーフエッチングを行い、続いて位
相シフト層のエッチング、さらに遮光層のエッチング、
という少なくとも3回以上のエッチング工程が必要であ
り工程 数が増え、しかも複雑化すること、 ・第2に、透明位相シフト層のパターニング工程は、下
層のパターンに位置合わせをした電子線重ね合わせ描画
を行う必要があるが、これは従来の(位相シフト技術を
用いない)通常のフォトマスクあるいはハーフトーン位
相シフトマスクの製造では行わない特殊な工程であり、
高度な技術と専用の描画装置を必要とする工程であるこ
と、 ・第3に、遮光膜を半透明膜にするためのハーフエッチ
ング工程は、わずかなオーバーエッチングも許されない
非常に精密なエッチング制御が必要であり、生産ライン
上で高生産性のもとに安定して行うことは、技術的に非
常に困難であること、 ・第4に、半透明膜の透過率に関して、位相シフト技術
による露光時に、被露光物(例えばシリコンウェハー)
上のレジストを解像させない程度に小さくなけれ ばな
らず、従来のハーフトーン位相シフトマスクと同様な制
限があったこと、である。これらの問題点により、簡単
な工程でありしかも前記ハーフトーン位相シフトマスク
の問題点を解決する、ということは至極困難といえる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の技
術の問題点に着目してなされたものであり、その目的と
するのは、従来の技術による以上の位相シフト効果が得
られ、しかも位相シフトマスクを用いた露光を行う際の
露光条件に係る多大な制約を解消できる位相シフトマス
クと、位相シフトマスクの製造に際して高生産性でしか
も容易に製造可能なマスクブランクと、そしてこの位相
シフトマスクを高生産性でしかも容易に製造可能とする
製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が提供する手段とは、すなわち、請求項1に示
すように、(イ)透明基板上に半透明性層を設け、電子
線リソグラフィにより半透明性層をパターンし、しかる
後に電子線レジストを除去する工程、(ロ)半透明パタ
ーン上にポジ型感光性レジストを塗布し、透明基板側か
ら露光量の多い露光を行い、該半透明性層パターンの端
部領域以外を感光させ、しかる後に現像して該半透明性
層パターンの端部領域に第1のレジストパターンを形成
する工程、(ハ)さらにその上にネガ型感光性レジスト
を塗布し、透明基板側から露光量の少ない露光を行い、
該半透明性層パターンの開口部のみを感光させ、しかる
後に現像して該半透明性層パターンの開口部のみに第2
のレジストパターンを形成する工程、(ニ)ついで、そ
の上に遮光層を成膜した後に、該第1のレジストパター
ンと第2のレジストパターンとを除去する工程、以上、
(イ)(ロ)(ハ)及び(ニ)を具備することを特徴と
する位相シフトマスクの製造方法である。
【0017】以下、添付図面を参照して本発明をさらに
詳述する。図1(a)は本発明に係わる(ハーフトー
ン)位相シフトマスクの構成を示した図である。その構
成は、透明基板1上の全面に半透明層2と遮光層3とが
この順に設けてある。該半透明層2の膜厚は所定の位相
差範囲内(一般に180±10°)となるように決定さ
れる。位相差が180°のときの膜厚は前記(式1)を
用いて計算でき、膜厚範囲は次の(式2)で計算され
る。
【0018】
【数2】
【0019】透過率の場合は、前記従来の場合のように
厳密に制御されなくともよく、5%以上の半透明性を持
てばよい。すなわち、位相差と膜の屈折率とから求めら
れた膜厚にすればよい。一方、該遮光層3の膜厚は半透
明層と併せた2層の透過率が充分な遮光性を持つよう
に、例えば1%未満の透過率となるような膜厚に設定す
ればよい。実際には遮光層の材料自体が純金属あるいは
金属の組成比が大きい金属化合物であれば、かなり薄く
とも単独で充分な遮光性を持つので、遮光層の膜厚に関
する制限はほとんどないと言える。
【0020】さらに、該半透明層の材料としては、露光
波長領域において半透明性を有する金属化合物、例えば
酸化クロム(CrOX )や酸化窒化モリブデンシリサイ
ド(MoSiON)、酸化タンタル(Ta2 5 )、酸
化鉄(Fe3 4 )、酸化タングステン(WO2 )、酸
化チタン(Ti2 3 )等を用いることができる。該遮
光層の材料としては、露光波長領域において充分な遮光
性を有する金属あるいは金属化合物、例えばクロムやモ
リブデンシリサイド、タンタル、タングステン、モリブ
デン等を用いることができる。
【0021】但し、上記の材料はこれらに限定されるも
のではなく、半透明性あるいは遮光性について充分な性
能を持つものであればよい。
【0022】図1(b)に本発明によるハーフトーン位
相シフトマスクの構成を示した。その構成は、透明基板
1上に半透明層パターン2’と遮光層パターン3’とが
この順に設けられ、開口部4を設けてある。遮光層パタ
ーン3’はその下の半透明層パターン2’よりもパター
ンエッジが後退して開口部が広がっている。また遮光層
パターンのエッジ部と半透明層パターンのエッジ部との
距離L1はパターンのどの部分でも同じである。図1
(b’)は透明基板1上に遮光層パターン3’と半透明
層パターン2’とがこの順に設けられ、開口部4を設け
てある。
【0023】図1(c)は図1(b)のパターンを上か
ら見た図であり、遮光層パターン3”の開口部に沿って
内側に半透明層パターン2”があり、その内側に開口部
4が形成されていることを示す。このような構成のマス
クを用いてウェハ上にパターンを露光転写した場合、前
記説明の通り該半透明層パターン2”が180°の位相
反転作用を持つため、露光時の透過光はパターンエッジ
部を境界として位相が急峻に180°反転する。これに
より、半透明層パターン部分でハーフトーン位相シフト
効果による光強度コントラストの向上による解像効果お
よび焦点深度の向上効果が生じる。一方、遮光層パター
ン3”は充分な遮光性を持つため露光による光もれはな
く、マスクパターンに忠実なパターンが得られる。
【0024】図4(a)〜図4(h)に図1(b)の構
成のマスクパターンの製造工程を示した。図4(a)
は、図1(a)の構成のマスクブランクを用いて、この
上に電子線レジスト5を塗布し、電子線描画30でパタ
ーンを描画することを示す。図4(b)においては、半
透明層のエッチングを行い、該電子線レジスト5を剥離
して半透明層パターン2’を得たことを示す。さて次に
図4(c)に示すように、ポジ型感光性レジスト6を該
基板上に塗布し、透明基板側から(つまり反対面側か
ら)全面露光する(いわゆるバック露光法を行う)。そ
してこの際、図5に示したように、露光量を通常よりも
大きくして半透明パターン部分からも光が透過するよう
にすると、パターン外側のサイドピーク部分の露光量が
レジスト解像レベル(A)より大きくなってしまい、半
透明層上のポジ型レジストまでも感光する。このとき、
半透明パターンの端部領域(B)は、位相のズレた透過
光のために光強度が相殺されて光強度が0になってしま
うため、露光量に関わりなく半透明パターンの端部領域
のみ遮光効果が生じる。この結果、得られる現像後のレ
ジスト形状は、図4(d)のようになる。すなわち、パ
ターンエッジ部分近傍にのみ該ポジ型レジストのパター
ン6’が形成される。
【0025】次に、図4(e)に示すように該基板上に
ネガ型感光性レジスト7を塗布し、基板の裏面から全面
露光21を行う。この際は露光量は大きくせず、該半透
明パターン部分は遮光され感光しないような露光量にす
ることで、現像後のレジスト形状は図4(f)のように
なる。そして、図4(g)のようにリフトオフ法によっ
て遮光膜を該基板に成膜し、次に残った該レジストパタ
ーンを剥離するとともにレジスト上の該遮光膜を除去す
ることにより、開口パターンの周囲に幅L1の半透明層
が露出した図4(h)の構造の位相シフトマスクが得ら
れる。
【0026】
【作用】前記従来技術の項で述べたように、従来の構造
のハーフトーン位相シフトマスクは、図2(a)の単層
型および図2(c)の2層型のいずれの構造によって
も、前記のウェハ露光条件における露光量に大きな制限
が加わるという問題点があった。またマスクの製造工程
において、位相シフト部の位相差と透過率を同時に制御
することが極めて困難であった。さらに後者の2層型ハ
ーフトーン位相シフトマスクの場合は少なくとも2回以
上のエッチング工程が必要であり工程が増加するという
問題があった。
【0027】これに対し本発明のハーフトーン位相シフ
トマスクは、パターンエッジ近傍が半透明層となってお
りこの部分でハーフトーン位相シフト効果が得られるの
で、露光転写時に従来と同等以上の解像度や焦点深度に
関する向上効果が得られる。しかもパターン内部では充
分な遮光性が得られるため、前記のような露光条件の制
限がなく、大きな露光量でも許容される。
【0028】そして、マスクブランクの製造条件におい
ては、該半透明層は位相差だけが正確に制御されてあれ
ばよく、透過率はある程度の透過性があればよい。すな
わち、従来のようにウェハ上のレジストが感光しない程
度の透過率に制限する必要がなく、例えば透過率を20
%以下としたような制限がなく、それ以上の透過率を持
つことができる。従って製造条件における許容範囲が従
来より拡大する。また、遮光層は単に遮光性があればよ
く、位相差や光学定数を制御する必要がないので、膜欠
陥が生じないような充分な膜厚とすることができる。
【0029】製造工程においては、半透明層パターンの
形成後はバック露光法による全面露光という簡便な手段
を用いてレジストパターンが形成でき、これを利用して
リフトオフ法によって遮光層パターンが形成されるた
め、従来考えられていた遮光層パターンの電子線重ね合
わせ描画や、エッチングすらも不要になり、極めて簡便
な工程で、かつ技術的に容易な手段を用いて所望のマス
クが得られる。
【0030】上記の位相シフト効果について、シミュレ
ーションを用いて確認した例を示す。図6(a1)は図
1(c)に示したものと同じパターンであり、光強度分
布シミュレーションによってこのパターンによる露光転
写時の光強度分布を求めた図を図6(a2)に示した。
なお図6(a2)は図6(a1)のx1−x2間を結ぶ
部分の光強度断面図である。ここで、計算条件として開
口パターン4は開口部寸法が0.6μm角のコンタクト
ホールパターンであり、周囲の半透明パターン2”の幅
は0.3μmとし、透過率は25%とした。遮光パター
ン3”の透過率は0%、開口部は100%である。露光
条件は波長365nm(i線)、開口数0.42、コヒ
ーレンス度0.3、焦点誤差は0,1,2μmの3種類
とした。図6(a2)に示した3種類の焦点誤差による
3本の光強度分布プロファイルは、光強度ピーク値が最
大となるのが焦点誤差0μm(i) の場合であり、以下同
様に、焦点誤差1μm(ii),同2μm(iii) となるに従
いピーク値は小さくなっている。
【0031】結果の比較のために、図6(b1)に従来
の構造の単層ハーフトーン位相シフトパターン(透過率
9%)を、そして図6(b2)にその光強度分布断面図
(x3−x4間を結ぶ部分)を示した。さらに図6(c
1)に通常マスクパターンの場合のパターン(透過率0
%)を示し、図6(c2)にその光強度分布断面図(x
5−x6を結ぶ部分)を示した。露光条件は上記と同一
としてある。なお、これらの光強度分布図は、比較のた
めそれぞれの光強度最大値(焦点誤差0のときのピーク
値に相当)を1にとって規格化してある。
【0032】この結果を見ると、焦点誤差を大きくした
ときの光強度ピーク値の変化は、図6(a2)と図6
(b2)ではほぼ同じ程度であり、図6(c2)ではそ
れより低下の度合いが大きいことがわかる。すなわち、
図6(a1)の本発明の構造と図6(b1)の従来ハー
フトーン位相シフトとは焦点深度特性が同等と見られ、
図6(c1)の通常マスクはそれより劣ることが明らか
になった。
【0033】また、解像度については、パターンのコン
トラスト(メインピークとサブピークとの比で表す)は
図6(a2)のサブピークが明らかに図6(b2)のそ
れよりも小さく、前者のコントラストが大きいことがわ
かる。これは、図6(b2)ではメインピークに隣接し
た回折光によるサブピークが大きくなっているのに対し
て、図6(a2)では片側に遮光層があるために回折光
が小さく、サブピークが低く抑えられているためで、図
6(a2)の方が解像性に優れていることがわかる。ま
た、残りの図6(c2)では焦点誤差が大きくなるとパ
ターンエッジが拡がり寸法制御性が著しく劣化すること
がわかる。
【0034】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の製造工程
をさらに詳述する。図4(a)〜図4(h)は、前記の
通り図1(b)の構成のマスクパターンの形成工程を示
した図であり、これを用いて詳述する。まず、図4
(a)に示すように、合成石英ガラス基板1上に膜厚1
66nmの酸化クロム膜による半透明層2(屈折率2.
1)をスパッタリング装置を用いて成膜した。この層の
光透過率は約16%であった。この上に電子線レジスト
5(東レ(株)製、商品名:EBR−900)を500
nmの膜厚に塗布し、プレベーク後電子線描画装置を用
いて所定のパターンを描画し、現像によりレジストパタ
ーンを得た。パターンは0.35μm(5倍レチクル上
では0.35μm×5=1.75μmに相当。)コンタ
クトホールパターンを含んでいる。
【0035】次にこのレジストパターンをマスクにし
て、該半透明層2のエッチングを行い、図4(b)のよ
うな半透明層パターン2’を得た。エッチング条件は、
エッチング液として従来のクロムマスクに用いているセ
リウム酸系のエッチング液を用いてディップエッチング
を行った。次に該電子線レジスト5を専用剥離剤に浸漬
して剥離除去した後、図4(c)に示すようにポジ型感
光性レジスト6をスピナーを用いて500nmの膜厚に
回転塗布した。そして所定のプレベーク後、マスク用ア
ライナーを用いて基板の反対面側から全面露光20を行
った。このときの露光量は図5に示したように該半透明
層を透過してその上のレジストが感光するレベルに設定
した。
【0036】これを所定の条件で現像して図4(d)の
レジストパターン6’を得た。レジストパターンの線幅
は約0.25μmであった。さらにこの上に、図4
(e)に示すようにネガ型感光性レジスト7を膜厚50
0nmに塗布し、プレベーク後基板の反対面側から全面
露光21を行った。このときの露光量は半透明層の上の
レジストが感光しないようなレベルに設定しており、現
像後、図4(f)に示したレジストパターンを得た。こ
こで開口パターン部は該ネガ型レジストによって被覆さ
れた。
【0037】次にこの上に、図4(g)に示すようにス
パッタリング装置を用いて膜厚80nmのクロム膜3を
成膜した。これをレジスト剥離剤に浸漬して、レジスト
を剥離するとともにレジスト上のクロム膜を除去するこ
とにより、図4(h)のような構成のパターンが得られ
た。5倍レチクルであるため、このパターンの開口幅は
約1.75μm、半透明パターンエッジ部の幅L1は約
0.3μmであった。また遮光膜部の透過率はほぼ0%
であった。さらに、この位相シフトマスクを用いて、i
線ステッパーで露光した結果、0.35μmのコンタク
トホールパターンを解像することができ、焦点深度2μ
mが得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明により得られたハーフトーン位相
シフトマスクは、遮光パターン部においては充分な遮光
性を持ち、かつ開口パターン部についてはハーフトーン
位相シフト効果と開口パターン部周辺の遮光パターンの
遮光効果によって非常に優れた解像性と焦点深度特性を
持つ。しかも従来の通常のフォトマスクは勿論のこと、
従来のハーフトーン位相シフトマスクと比較しても優れ
た解像性を持たせることが出来た。さらには、従来の技
術に係るハーフトーンの欠点であった露光条件(代表例
としてはウェハーへの露光)に係る制約を解消すること
が出来、またマスクブランクの製造においても、光学特
性の制御条件を従来の技術に係る場合と比較して緩和す
ることができた。そして、位相シフトマスクの製造工程
においても、エッチング工程を簡略化することが出来、
重ね合わせ描画やハーフエッチングのような困難な技術
を用いる必要がなく、スループットの改善とコストの低
減とが可能となった。
【0039】つまるところ、従来の技術による以上の位
相シフト効果が得られ、しかも位相シフトマスクを用い
た露光を行う際の露光条件に係る多大な制約を解消でき
る位相シフトマスクと、位相シフトマスクの製造に際し
て高生産性でしかも容易に製造可能なマスクブランク
と、そしてこの位相シフトマスクを高生産性でしかも容
易に製造可能とする製造方法をそれぞれ提供することが
出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる位相シフトマスクおよびマスク
ブランクの一実施例について、断面図((a),
(b))又は平面図((c))を用いてそれらの構造を
模式的に示した説明図である。(a)〜(c)
【図2】従来の技術に係る(ハーフトーン)位相シフト
マスクおよびマスクブランクの一例について、断面図を
用いてそれらの構造を模式的に示した説明図である。
(a)〜(d)
【図3】従来の技術に係る(ハーフトーン)位相シフト
マスクを用いて露光した場合の様子を模式的に示す説明
図である。 (a)位相シフトマスクの断面図 (b)振幅透過率 (c)投影面上の光強度分布
【図4】本発明に係わる位相シフトマスクの製造方法の
一実施例について、断面図を用いてその工程を模式的に
示した説明図である。(a)〜(h)
【図5】本発明に係わる位相シフトマスクの製造方法の
一実施例について、図4(c)の工程における光強度分
布と露光量レベルを模式的に示す説明図である。
【図6】本発明に係わる位相シフトマスク(a )、並びに
従来の位相シフトマスク(b )とフォトマスク(c )の各一
例について、それぞれの効果を光強度分布シミュレーシ
ョンにより求めた結果を模式的に示した説明図である。 (a1)、(b1)、(c1) パターン開口部一帯のパター
ンの平面図 (a2)、(b2)、(c2) 各場所の光強度分布シミュレ
ーション結果
【符合の説明】
1・・・透明基板 2・・・半透明層 2’・・・半透明層パターン 3・・・遮光層 3’・・・遮光層パターン 4・・・開口パターン 5・・・電子線レジスト層 6・・・ポジ型感光性レジスト層 7・・・ネガ型感光性レジスト層 11・・・透明基板 12・・・半透明層 12’・・・半透明層パターン 13・・・透明位相シフト層 13’・・・透明位相シフト層パターン 14・・・透過率調整層 14’・・・透過率調整層パターン (A)・・・レジスト解像レベル (B)・・・非感光部分 (i)・・・焦点誤差0μm (ii)・・・焦点誤差1μm (iii)・・・焦点誤差2μm

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)透明基板上に半透明性層を設け、電
    子線リソグラフィにより半透明性層をパターニングし、
    しかる後に電子線レジストを除去する工程、(ロ)半透
    明パターン上にポジ型感光性レジストを塗布し、透明基
    板側から露光量の多い露光を行い、該半透明性層パター
    ンの端部領域以外を感光させ、しかる後に現像して該半
    透明性層パターンの端部領域に第1のレジストパターン
    を形成する工程、(ハ)さらにその上にネガ型感光性レ
    ジストを塗布し、透明基板側から露光量の少ない露光を
    行い、該半透明性層パターンの開口部のみを感光させ、
    しかる後に現像して該半透明性層パターンの開口部のみ
    に第2のレジストパターンを形成する工程、(ニ)次い
    で、その上に遮光層を成膜した後に、該第1のレジスト
    パターンと第2のレジストパターンとを除去する工程、
    以上、(イ)(ロ)(ハ)及び(ニ)を具備することを
    特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
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