JP2005266025A - ハーフトーン型位相シフトマスク、露光方法及び露光装置 - Google Patents

ハーフトーン型位相シフトマスク、露光方法及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【目的】 パターンの脇のサイドローブの発生を抑制することを目的とする。また、半導体基板においてフォトレジストの膜減りが生じてしまうことを抑制することを目的とする。
【構成】 ハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、透明基板103と、透過光が透過する開口部150を設けて前記透明基板103上に形成され、前記開口部150を透過する透過光の位相を180度反転させるハーフトーン位相シフト膜101と、前記ハーフトーン位相シフト膜101を透過する透過光の位相を180度反転させる膜で構成され、前記ハーフトーン位相シフト膜101と前記開口部150との境界から所定の距離離れた前記ハーフトーン位相シフト膜101領域内にドット状に形成された膜102とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リソグラフィ装置に用いられるハーフトーン型位相シフトマスクの構造、その製造方法、露光方法、露光装置に関する。
図10は、従来ハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図である。
図10(a)では、従来ハーフトーン位相シフトマスクの断面構造を示している。図10(b)では、従来ハーフトーン位相シフトマスクの平面図を示している。
従来のハーフトーン位相シフトマスクは、透明基板103上に選択的にハーフトーン位相シフト膜101を形成した構造を有する(例えば、特許文献1参照)。
フォトリソグラフィにおいて、157nm以上の波長を有する光を適用し露光を行なう場合は、一般に透明基板材料として石英ガラスが適用され、大きさは6インチ角、厚さは0.25インチである。また、ハーフトーン位相シフト膜101の材料としては、ドライエッチングレートが他の材料と比較して大きいモリブデンシリサイド(MoSi)が適用され、透過率4〜20%の光学特性を有し、位相差180°となる厚さに設定される。ハーフトーン位相シフト膜101の厚さDは、露光波長をλ、ハーフトーン位相シフト膜101の屈折率をnとすると、次式で表される。
D=λ/2(n−1)
従来のハーフトーン位相シフトマスクを適用し、露光装置を用いてフォトレジストへ転写すると、ハーフトーン位相シフト領域を通った光と、透過領域を通った光の回折光とが重なり合い、強いサイドローブ光となる。これにより、フォトレジストの膜減りを生じさせる。
図11は、5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜で形成された一辺が100nmの正方形の孤立ホールパターンについて、波長157nmの露光光を用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図11(a)は従来ハーフトーン位相シフトマスクの断面構造、図11(b)は従来ハーフトーン位相シフトマスクの平面図、図11(c)はシミュレーションにより求めた光強度分布を示している。ハーフトーン位相シフト膜101を透過した光と、ハーフトーン位相シフト膜101の開口で形成された透過領域からの回折光とが重なり合い、ホールパターンの脇にサイドローブが発生する。図11(d)は、上記と同様に、5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜で形成された一辺が100nmの正方形の孤立ホールパターンについて、波長157nmの露光光を用いた場合のフォトレジスト形状をシミュレーションにて求めた結果である。図11(c)に示した光強度分布の、ホールパターンの脇のサイドローブが転写され、フォトレジストの膜減りが発生することがわかる。
図12は、別の従来ハーフトーン位相シフトマスクの平面図を示す図である。
図12では、転写像のエッジ近傍において光強度が強調される現象が生じないようにして、転写レジストパターンの側壁形状の劣化を防止することを目的として、透明基板上に形成した半遮光膜2を有するハーフトーン位相シフトマスクにおいて、光透過領域4と半遮光膜2との境界に沿って、半遮光膜2内に、透明基板面を露出させた微小サイズの光補正用パターン3を配列して微小の光を透過させている(例えば、特許文献2参照)。
その他、ハーフトーン位相シフトマスクにおいて、ハーフトーン膜に遮光膜を組み合わせた技術が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)
特開平4−136854号公報 特開平10−319568号公報 特開2003−5344号公報 特開2003−322956号公報
背景技術で説明した通り、従来のハーフトーン位相シフトマスクを適用し、露光装置を用いてフォトレジストへ転写すると、ハーフトーン位相シフト領域を通った光と、透過領域を通った光の回折光とが重なり合い、フォトレジストの膜減りが生じてしまうといった問題があった。また、上記特許文献2における技術では、光補正用パターンが、透明基板を透過しただけの光であるため、ホールパターンの脇のサイドローブの抑制に用いる光としては、その光強度が大きすぎ、逆にフォトレジストの膜減りを発生させてしまうおそれがある。
本発明は、上述した従来のハーフトーン位相シフトマスクを適用した場合の問題を克服し、パターンの脇のサイドローブの発生を抑制することを目的とする。また、半導体基板においてフォトレジストの膜減りが生じてしまうことを抑制することを目的とする。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクは、
透明基板と、
透過光が透過する開口部を設けて前記透明基板上に形成され、前記開口部を透過する透過光の位相を180度反転させる半透明膜と、
前記半透明膜を透過する透過光の位相を180度反転させる第2の半透明膜と前記半透明膜を透過する透過光を遮光する遮光膜とのいずれかで構成され、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域内にドット状に形成されたドット膜と、
を備えたことを特徴とする。
前記半透明膜を透過する透過光の位相を180度反転させる第2の半透明膜で構成されるドット膜を、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域内に備えた場合には、ドット膜を透過した光によりパターンの脇のサイドローブを打ち消すことができる。また、前記半透明膜を透過する透過光を遮光する遮光膜で構成されるドット膜を、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域内に備えた場合には、ドット膜で光が遮光されることによりパターンの脇のサイドローブの発生を抑制することができる。
さらに、前記ドット膜は、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域の全面に所定の間隔で複数配列されたことを特徴とする。
前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた以降の前記半透明膜領域の全面に前記ドット膜を所定の間隔で複数配列することで、レジスト膜の荒れを防止することができる。
本発明の露光方法は、
透過領域を透過した第1の露光光と、
前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる第1の半透過領域を透過した第2の露光光と、
前記第1の半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記第1の半透過領域内で、前記第1の半透過領域と位相が180度反転するドット状の第2の半透過領域を透過した第3の露光光と、
を用いて半導体基板を露光することを特徴とする。
第2の露光光を用いることで、第1の露光光により形成される写像の境界の解像度を向上させることができる。第3の露光光を用いることで、さらに、第2の露光光を用いることで生じたサイドローブを打ち消すことができる。
本発明の露光方法は、
透過領域を透過した第1の露光光と、
前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる半透過領域を透過し、前記半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記半透過領域内でドット状の遮光領域で遮光された第2の露光光と、
を用いて半導体基板を露光することを特徴とする。
第2の露光光を用いることで、第1の露光光により形成される写像の境界の解像度を向上させることができる。さらに、第2の露光光がドット状の遮光領域で遮光されることによりサイドローブの発生を抑制することができる。
本発明の露光装置は、
所定のパターンが形成された、露光光が透過する透過部と、
前記透過部と隣接して設けられ、前記透過部を透過する露光光と位相が180度反転した露光光が半透過する半透過部と、
前記透過部と前記半透過部との境界から所定の距離離れた前記半透過部内に光軸方向から見た場合にドット状に形成され、前記半透過部を透過する露光光の位相の180度反転と前記半透過部を透過する露光光の遮光とのいずれかをおこなうドット部と、
を備えたことを特徴とする。
ドット部により、前記半透過部を透過する露光光の位相の180度反転がおこなわれるため、サイドローブを打ち消すことができる。或いは、前記半透過部を透過する露光光の遮光がおこなわれるので、サイドローブの発生を抑制することができる。
本発明によれば、サイドローブの発生を抑制することができるので、従来サイドローブが発生していた位置での基板上のフォトレジストを露光する露光量を減らすことができる。従来サイドローブが発生していた位置での基板上のフォトレジストを露光する露光量を減らすことができるので、従来サイドローブが発生していた位置での基板上のフォトレジストの膜減りが生じてしまうことを抑制することができる。基板上のフォトレジストの膜減りが生じてしまうことを抑制することができるので、基板上のフォトレジストの下地層に対する寸法精度の高いフォトレジストマスクパターンを形成することができる。寸法精度の高いフォトレジストマスクパターンを形成することができるので、フォトレジストをマスクとして形成された下地層の寸法精度を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図を示す図である。
図1において、図1(a)では、ハーフトーン位相シフトマスクの断面構造が示されている。図1(b)では、ハーフトーン位相シフトマスクの平面図が示されている。
ハーフトーン位相シフトマスクは、半透明膜の一例としての透過光の位相を180°反転させるハーフトーン位相シフト膜101で形成されたホールパターンである開口部150の脇に、ハーフトーン位相シフト膜101に対して逆位相すなわち位相0°のドット膜の一例としての膜102で形成されたドットパターンを格子状に配置した。言い換えれば、位相0°のドット膜をホールパターンである開口部150の脇に配置した。位相0°の膜102の膜厚Dは、露光波長をλ、膜102の屈折率をnとすると、次式で表される。
D=2Nλ/(n−1) N:整数
図2は、5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜101で形成された一辺が100nmの正方形のホールパターンにおいて、ホールパターンエッジから80nmの位置に、15%の透過率を有する位相0°の膜102で形成した幅30nmのドットパターンを格子状に配置したハーフトーン位相シフトマスクを使用し、波長157nmの露光光を用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図2(a)は実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの断面構造を示している。図2(b)は実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの平面図を示している。図2(c)はシミュレーションにより求めた光強度分布を示す。位相180°のハーフトーン位相シフト膜101を透過した光と、位相0°の膜102を透過した光が相殺され、ホールパターン脇のサイドローブの光強度が抑えられる。
また、図2(d)は、実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを使用し、波長157nmの露光光を用いた場合のフォトレジストの断面形状をシミュレーションにて求めた結果を示している。5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜101で形成された一辺が100nmの正方形のホールパターンにおいて、ドットパターンを格子状に配置した新規ハーフトーン位相シフトマスクを使用した。ドットパターンは、ホールパターンエッジから80nmの位置に、15%の透過率を有する位相0°の膜102で形成した幅30nmの正方形のドットパターンであり、ドットパターンを格子状に所定の間隔で配置した新規ハーフトーン位相シフトマスクを使用することにより、サイドローブの光強度が抑えられ、フォトレジストの膜減りは発生せず、良好な形状となる。
図3は、図1におけるハーフトーン位相シフトマスクの製造方法の要部を表すフローチャートである。
図3において、本実施の形態では、ハーフトーン位相シフト膜101を成膜するハーフトーン膜成膜工程(S302)、エッチングストッパ膜を成膜するエッチングストッパ膜成膜工程(S304)、電子線レジストを塗布する電子線レジスト塗布工程(S306)、電子線レジストを電子ビームで描画する電子ビーム描画工程(S308)、描画された電子線レジストを現像する現像工程(S310)、エッチングストッパ膜をエッチングするエッチングストッパ膜エッチング工程(S312)、ハーフトーン位相シフト膜101をエッチングするハーフトーン膜エッチング工程(S314)、電子線レジストを除去する電子線レジスト除去工程(S316)、膜102を成膜する膜102成膜工程(S318)、電子線レジストを塗布する電子線レジスト塗布工程(S320)、電子線レジストを電子ビームで描画する電子ビーム描画工程(S322)、描画された電子線レジストを現像する現像工程(S324)、膜102をエッチングする膜102エッチング工程(S326)、電子線レジストを除去する電子線レジスト除去工程(S328)、エッチバック工程(S330)、さらに、次のエッチバック工程(S332)という一連の工程を実施する。
図4は、図3のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図4では、図3のハーフトーン膜成膜工程(S302)から膜102を成膜する膜102成膜工程(S318)までを示している。それ以降の工程は後述する。
図4(a)において、ハーフトーン膜成膜工程として、透明基板103上に、スパッタ、真空蒸着等により、ハーフトーン位相シフト膜102を成膜し形成する。成膜方法は、スパッタ、真空蒸着以外であっても構わない。透明基板103の材料としては、適用する露光光の波長において、透過率80%以上の高いものが望ましい。例えば、露光光の波長157nm以上において、85%以上の透過率を有する石英ガラスは有効である。石英ガラス以外でも透過率が80%以上の材料であれば使用しても構わない。ハーフトーン位相シフト膜101の材料としては、例えば、タンタルシリサイド(TaSi)、ジルコンシリサイド(ZrSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、クロムフロライド(CrF)、シリコンオキサイド(SiO2)、シリコンオキサイドナイトライド(SiON)が有効である。ハーフトーン位相シフト膜101の成膜の際、膜厚は、透過領域を透過する露光光に対して反転した位相180°が得られ、光透過率が4〜20%となる膜厚で成膜する。また、ハーフトーン位相シフト膜101の材料として、少なくとも250nm以下の短波長領域の光に対する耐光性を十分有している。
図4(b)において、エッチングストッパ膜成膜工程として、ハーフトーン位相シフト膜101の上にエッチングストッパ膜106を成膜する。エッチングストッパ膜106の材料としては、ハーフトーン位相シフト膜101と、膜102とのエッチング選択比が大きい材料であることが望ましい。例えば、ポリシリコン(Poly−Si)等が有効である。エッチング選択比が大きい材料であることによりエッチングストッパ膜106の膜厚を小さくすることができる。ここでは、後述するように、ハーフトーン位相シフトマスクが完成した際の膜102の厚さ、すなわち、膜102が0度の位相を形成することができる厚さと同じ厚さにエッチングストッパ膜106を成膜する。膜102の厚さと同じ厚さに形成することで、後述する膜102の厚さ形成を容易にすることができる。
図4(c)において、電子線レジスト塗布工程として、エッチングストッパ膜106の上に電子線レジスト105を塗布する。そして、電子ビーム描画工程として、選択的に電子線104を照射して、所定のパターンを描画する。ここでは、透過領域となる開口部150と膜102が成膜される領域とを描画する。
図4(d)において、現像工程として、電子ビーム描画工程により描画された領域を現像液につけて除去する。描画と現像工程により、電子線レジストは、レジスト領域と無レジスト領域に区別されてパターニングが行なわれる。ポジ型の電子線レジスト105を適用した場合、電子線104が照射された領域は電子線レジスト105が現像液に溶解し、ハーフトーン位相シフト膜101が露出する。電子線104が照射されない領域は、電子線レジスト105が現像液に溶解しないので、電子線レジスト105のパターンが残存する。ここでは、ポジ型の電子線レジスト105を適用したが、ネガ型の電子線レジスト105を適用しても構わない。かかる場合、電子ビーム描画工程により描画される領域が反対になればよい。
図4(e)において、エッチングストッパ膜エッチング工程として、残った電子線レジスト105をマスクとして、エッチングストッパ膜106をエッチングする。その後、ハーフトーン膜エッチング工程として、エッチングストッパ膜106をハードマスクとして、ハーフトーン位相シフト膜101をエッチングする。この際、ハーフトーン位相シフト膜101と透明基板103とのエッチング選択比は十分でなければならない。かかる工程により、透過領域となる開口部150と膜102が成膜される領域とが形成される。すなわち、透過領域となる開口部150のホールパターン脇の残しパターン部に、膜102を埋め込むためのホールパターンを形成しておく。開口部150の端となるホールエッジから膜102を埋め込むためのホールパターンの端までの距離(7)は、光学条件によって最適値は異なるが、50〜100nm程度が望ましい。また、膜102を埋め込むためのホールパターンの幅(8)は10〜50nm程度が望ましい。また、膜102を埋め込むためのホールパターンは、一辺の長さが幅(8)となる正方形で、所定の間隔を空けて格子状に並ぶようにするとよい。以上のように、図4(c)〜(f)に示す電子線レジストの露光工程〜ハーフトーン位相シフト膜101のエッチング工程において透過領域となる開口部150と膜102が成膜される領域とが形成される。
図4(f)において、電子線レジスト除去工程として、マスクとして用いた電子線レジスト105を除去する。除去する手法は、硫酸(HSO)と過酸化水素の混合液に浸漬させることで電子線レジスト105を剥離除去する。その他の方法であっても構わない。
図4(g)において、膜102成膜工程として、膜102を成膜する。成膜する手法は、スパッタ、真空蒸着等を用いればよい。その他の方法であっても構わない。膜102の材料としては、ハーフトーン位相シフト膜101の材料と同様、TaSi、ZrSi、MoSi、CrF、SiO2、SiONが有効である。また、クロム(Cr)であっても構わない。Crを用いることで、光透過率0%の遮光膜を形成することができる。成膜の際、膜厚は少なくとも膜102を埋め込むためのホールパターン幅(8)を完全に埋め込み、かつ位相0°が得られる膜厚よりも厚めに成膜しておく。また、膜102の材料として、少なくとも250nm以下の短波長領域の光に対する耐光性を十分有している。
図5は、図3のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図5では、図3の電子線レジスト塗布工程(S320)からエッチバック工程(S332)までを示している。
図5(h)において、電子線レジスト塗布工程として、膜102の上に電子線レジスト105を塗布する。そして、電子ビーム描画工程として、選択的に電子線104を照射して、所定のパターンを描画し露光する。この露光で形成するパターンは、図4(f)までに形成したパターンに精度良く重ね、膜102を埋め込むためのホールパターン幅(8)よりも10〜30nm程度大きい幅(9)(図5(i)参照)を一辺に持つ例えば四角形の残しパターンとする。そして、膜102を埋め込むためのホールパターンに完全に被せる。膜102を埋め込むためのホールパターンに完全に被せることで、膜102のドットパターンの寸法精度を高めることができる。すなわち、ドットパターンの膜102とハーフトーン位相シフト膜101との間に隙間ができないようにすることができる。或いは、隙間ができないまでも膜102の一部の厚さが薄くなり、膜102を透過する光の位相が一部でずれないようにすることができる。
図5(i)において、現像工程として、電子ビーム描画工程により描画された領域を現像液につけて除去する。描画と現像工程により、電子線レジスト105は、レジスト領域と無レジスト領域に区別されてパターニングが行なわれる。ポジ型の電子線レジスト105を適用した場合、電子線104が照射された領域は電子線レジスト105が現像液に溶解し、膜102が露出する。電子線104が照射されない領域は、電子線レジスト105が現像液に溶解しないので、電子線レジスト105のパターンが残存する。
図5(j)において、膜102エッチング工程として、電子線レジスト105をマスクとして、膜102をエッチングする。この際、エッチングストッパ膜106がハードマスクとして働くため、ハーフトーン位相シフト膜101をエッチングせずに残すことができる。
図5(k)において、電子線レジスト除去工程として、マスクとして用いた電子線レジスト105を除去する。除去する手法は、硫酸(HSO)と過酸化水素の混合液に浸漬させることで電子線レジスト105を剥離除去する。その他の方法であっても構わない。
図5(l)において、エッチバック工程として、全面エッチバックをおこなう。かかる場合、エッチングストッパ膜106を利用することで、エッチングストッパ膜106より上部に出ている膜102を取り去ることができる。この際、膜102と透明基板103とのエッチング選択比は十分でなければならない。また、膜102の膜厚は、ハーフトーン位相シフト膜101の膜厚とエッチングストッパ膜106の膜厚との和となるため、その膜厚が位相0°が得られる膜厚になるように、上述したように、予め、エッチングストッパ膜106の成膜の際、膜厚を所望の膜厚に設定しておいたことにより、位相0°が得られる膜102の膜厚になるように膜102の膜厚を形成することができる。
図5(m)において、エッチバック工程として、エッチングストッパ膜106を全面エッチバックすることにより取り去り、本実施の形態におけるハーフトーン位相シフトマスクが完成する。エッチバックの際、エッチングストッパ膜106と、ハーフトーン位相シフト膜101、膜102、及び透明基板103とのエッチング選択比は十分でなければならない。
図6は、実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを使用した際の、サイドローブ抑制効果とDOF(Depth of Focus)向上効果を示した図である。
透明基板103の透過率が90%であるため、図6では、0〜90%の範囲でデータを示している。ここでは、5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜101で形成された一辺が100nmの正方形のホールパターンにおいて、ホールパターンエッジから80nmの位置に、15%の透過率を有する位相0°の膜102で形成した幅30nmのドットパターンを格子状に配置したハーフトーン位相シフトマスクを使用し、波長157nmの露光光を用いた場合のデータを示している。図6に示されるように、ハーフトーン位相シフトマスクに適用される膜102の透過率によって異なるが、従来のハーフトーン位相シフトマスクに比べ、フォーカスマージンは最大約19%向上し、ホールパターン脇のサイドローブの光強度は最大約20%まで抑制することができる。また、図6に示されるように、ハーフトーン位相シフトマスクに適用される膜102の透過率は、0〜90%の範囲にすることで効果を得ることができる。
図7は、ホールパターン脇の残しパターン部に配置するドット膜の他の例を示す図である。
図6のデータより、ホールパターン脇の残しパターン部に配置する膜102の光透過率は0〜90%で良いので、光透過率0%に設定する場合は、図7(a)に示すように、ハーフトーン位相シフト膜101で形成されたホールパターン間の残しパターンの中央にドット状に形成された遮光膜110を挿入しても、図7(b)に示すように、ホールパターン間の残しパターンの上層にドット状に形成された遮光膜110を配置しても、図7(c)に示すように、ホールパターン間の残しパターンの下層にドット状に形成された遮光膜110を配置しても良い。光強度0%に設定する場合の遮光膜110の材料としては、上述したCr等が有効である。
図8は、実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図の他の例を示す図である。
本実施の形態1においては、ドットパターンの膜102或いは遮光膜110が、正方形のドットパターンについて説明したが、これに限るものではない。図8に示すように長方形であってもよいし、円形、三角形等であっても構わない。また、ドットパターンの膜102或いは遮光膜110は、同一ピッチで配列されているが、これに限るものではない。また、透過領域となる開口部150のホールパターン1つに対して、ドットパターンの膜102,110の個数も限定されるものではない。サイドロープが発生するのが、透過領域となる開口部150のホールパターンのエッジから150nm付近と考えられるので、上述したように、ホールパターンの端からの距離が50〜100nm程度からサイドロープが発生する150nm付近を含めるようにホールパターンの端からの距離が200nm程度までをドットパターンの膜102,110が配置されるのが望ましい。また、ホールパターンの端からの距離が200nm以降についてもドットパターンの膜102,110を所定の距離をおいて敷き詰めてもよい。言い換えれば、前記ドット膜を、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域の全面に所定の間隔で複数配列してもよい。敷き詰めることにより、レジストの荒れを防止することができる。
図9は、本実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを用いた露光装置の概要を説明するための概念図である。
露光装置400は、照明光学系410とマスク420と投影光学系430とウエハステージ450とを備えている。マスク420には、本実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを用いている。また、ウエハステージ450には、半導体基板440を配置している。図示していない光源からレーザー401が照射され、照明光学系410を通過して、マスク420を照射する。レーザー401としては、例えば、KrFレーザー、ArFレーザー、Fレーザー等が挙げられる。また、他の露光光源であってもよい。照射されたマスク420内では、透過領域である透過部426を透過した露光光421と、前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる半透過領域であるハーフトーン位相シフト膜101で形成された半透過部427を半透過した露光光422と、前記半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記半透過領域内で、前記半透過領域と位相が180度反転し光軸方向から見た場合にドット状に形成された半透過領域である膜102で形成されたドット部428を透過した露光光423とが生じている。そして、露光光421と露光光422と露光光423とが互いに影響し合いながら投影光学系430を通過してウエハステージ450に配置された基板440を露光する。
露光光422を用いることで、露光光421により形成される写像の境界の解像度を向上させることができる。また、露光光423を用いることで、さらに、露光光422を用いることで生じたサイドローブを打ち消すことができる。
或いは、照射されたマスク420内では、透過領域である透過部426を透過した露光光421と、前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる半透過領域であるハーフトーン位相シフト膜101で形成された半透過部427を半透過し、前記半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記半透過領域内で、光軸方向から見た場合にドット状に形成された遮光領域である膜110で形成されたドット部428で遮光された露光光422とが生じているようにしてもよい。
露光光422がドット状の遮光領域で遮光されることによりサイドローブの発生を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを用いて露光することで、サイドローブを抑制し、サイドローブの影響によるフォトレジストの膜減りを低減し、かつ光強度のコントラストを向上させ、フォトレジストの解像度を向上させることができる。
実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図を示す図である。 5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜101で形成された一辺が100nmの正方形のホールパターンにおいて、ホールパターンエッジから80nmの位置に、15%の透過率を有する位相0°の膜102で形成した幅30nmのドットパターンを格子状に配置したハーフトーン位相シフトマスクを使用し、波長157nmの露光光を用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。 図1におけるハーフトーン位相シフトマスクの製造方法の要部を表すフローチャートである。 図3のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。 図3のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。 実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを使用した際の、サイドローブ抑制効果とDOF(Depth of Focus)向上効果を示した図である。 ホールパターン脇の残しパターン部に配置するドット膜の他の例を示す図である。 実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図の他の例を示す図である。 本実施の形態1におけるハーフトーン位相シフトマスクを用いた露光装置の概要を説明するための概念図である。 従来ハーフトーン位相シフトマスクの断面構造および平面図である。 5%の透過率を有するハーフトーン位相シフト膜で形成された一辺が100nmの正方形の孤立ホールパターンについて、波長157nmの露光光を用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。 別の従来ハーフトーン位相シフトマスクの平面図を示す図である。
符号の説明
2 半遮光膜
3 光補正用パターン
4 光透過領域
101 ハーフトーン位相シフト膜
102,110 膜
103 透明基板
104 電子線
105 電子線レジスト
106 エッチングストッパ膜
150 開口部
400 露光装置
401 レーザー
410 照明光学系
420 マスク
421,422,423 露光光
426 透過部
427 半透過部
428 ドット部
430 投影光学系
440 基板
450 ウエハステージ

Claims (5)

  1. 透明基板と、
    透過光が透過する開口部を設けて前記透明基板上に形成され、前記開口部を透過する透過光の位相を180度反転させる半透明膜と、
    前記半透明膜を透過する透過光の位相を180度反転させる第2の半透明膜と前記半透明膜を透過する透過光を遮光する遮光膜とのいずれかで構成され、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域内にドット状に形成されたドット膜と、
    を備えたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
  2. 前記ドット膜は、前記半透明膜と前記開口部との境界から所定の距離離れた前記半透明膜領域の全面に所定の間隔で複数配列されたことを特徴とする請求項1記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  3. 透過領域を透過した第1の露光光と、
    前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる第1の半透過領域を透過した第2の露光光と、
    前記第1の半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記第1の半透過領域内で、前記第1の半透過領域と位相が180度反転するドット状の第2の半透過領域を透過した第3の露光光と、
    を用いて半導体基板を露光することを特徴とする露光方法。
  4. 透過領域を透過した第1の露光光と、
    前記透過領域を透過する透過光の位相と180度反転させる半透過領域を透過し、前記半透過領域と前記透過領域との境界から所定の距離離れた前記半透過領域内でドット状の遮光領域で遮光された第2の露光光と、
    を用いて半導体基板を露光することを特徴とする露光方法。
  5. 所定のパターンが形成された、露光光が透過する透過部と、
    前記透過部と隣接して設けられ、前記透過部を透過する露光光と位相が180度反転した露光光が半透過する半透過部と、
    前記透過部と前記半透過部との境界から所定の距離離れた前記半透過部内に光軸方向から見た場合にドット状に形成され、前記半透過部を透過する露光光の位相の180度反転と前記半透過部を透過する露光光の遮光とのいずれかをおこなうドット部と、
    を備えたことを特徴とする露光装置。
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