JPH07180610A - エンジンカバー組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合プラスチック本体と、低クリープ材料製
のフランジ部分とを含み、エンジンブロックの移動に対
して移動可能であるにもかかわらず、エンジンカバーと
エンジンブロックとの間をシール可能な軽量でありかつ
エンジンの騒音を低減する作用をする内燃機関用エンジ
ンカバーを提供する。 【構成】 このエンジンカバー１０は金属よりも軽量で
ありかつより大きい騒音減衰効果を生ずる複合プラスチ
ック材料で製造されたカバー本体１２と、該カバー本体
と連結された低クリープ材料で製造されたフランジ１４
と、エンジンヘッドの表面と係合するためのシールを挿
入するためにカバー１２の底部の端縁に沿ったみぞ２０
とを備えている。低クリープ材料の使用により、カバー
をエンジンヘッドに固定するボルトにおいてクリープが
起きることが少くなり、ボルトが締め付けられた材料の
劣化によりボルトがゆるまなくなることが保証される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は一般にカバー組立体に関
し、かつさらに特定すると、内燃機関用の新規のエンジ
ンカバー組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】内燃機関
用のカバー組立体は多年の間使用されてきた。エンジン
カバー組立体は、代表的には、金属で製造され、そして
金属製のボルトによりエンジンブロックに締め付けられ
る。この金属製のカバー組立体は騒音を良好に減衰させ
ず、またはエンジンカバーに対するエンジンブロックの
移動に追従しない。ある金属製のエンジンカバーは自動
車の重量を増大させることがある。しかしながら、いか
なる取替え部品も自動車において適切な機能を発揮する
ために当初の部品と同一の強度を有していなければなら
ない。多数のプラスチックカバーが試みられてきたが、
これらのプラスチックカバーは材料のクリープ強さと、
エンジンブロックに固定された状態に保つことが困難で
あることとに起因する欠点を有している。プラスチック
はボルトの頭部がプラスチックまたはフランジの首部に
くぼみを作ることを許容して、それによりエンジンカバ
ーとエンジンブロックとの間に挟まれたガスケットの締
付荷重を減少させる高いクリープ値を有する傾向があ
る。

【０００３】カバーのその他の型式もまた、試みられて
きた。例えば、プラスチックカバーが金属型シール面に
成形され、その後エンジンヘッド上に配置されてきた。
しかしながら、この型式のカバーはプラスチックと金属
との間のいかなる可撓性をも許容しない。このプラスチ
ックと金属との継目が脆くなり、油の漏洩をひき起こ
す。従って、この技術分野においては、内燃機関に使用
される軽量でありかつ高い騒音減衰能力を有するエンジ
ンカバーが必要とされてきた。このフランジカバーはク
リープをひき起こすおそれがなくエンジンブロックにボ
ルトにより確実に締め付けることができるように低いク
リープ特性を有することが必要である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の一つの目的は軽
量でありかつエンジンの騒音を減少させる作用をする新
規のエンジンカバーを提供することにある。

【０００５】本発明の別の一つの目的は複合プラスチッ
ク封入成形（ｐｌａｓｔｉｃ ｅｎｃａｐｓｕｌａｔｉ
ｎｇ）カバーと共に低クリープ材料フランジを有するエ
ンジンカバーを提供することにある。

【０００６】本発明のさらに一つの目的はエンジンブロ
ックの移動に対して移動可能であるにもかかわらず、エ
ンジンカバーとエンジンヘッドまたはエンジンブロック
との間をシールすることができるエンジンカバーを提供
することにある。

【０００７】本発明のその他の目的、特徴および利点は
添付図面に関する以下の説明を読むことによりより良く
理解されるにつれて容易に認識されよう。

【０００８】上記の目的を達成するために、このエンジ
ンカバーはプラスチック材料から製造されたカバー本体
と、エンジンカバーをエンジンヘッドまたはエンジンブ
ロックに固定するためにエンジンヘッドまたはエンジン
ブロックと接するフランジ部分とを含む。このフランジ
は付属物（ａｐｐｅｎｄａｇｅ）を有する複合プラスチ
ックカバー材料に向かって突出して、それ自体をプラス
チック封入成形カバーに固定する突起部を含む。プラス
チックカバーの底部の端縁に沿って周囲みぞが配置さ
れ、かつこのみぞの中にエンジンカバーとエンジンヘッ
ドまたはエンジンブロックとの間に挟まれるシールが配
置される。このプラスチック封入成形カバーは金属製フ
ランジの表面領域に成形されている。

【０００９】このエンジンカバーの一つの利点はフラン
ジおよびプラスチックカバーの重量がすべての部分が金
属で製造されたカバーよりも軽量であることである。こ
のエンジンカバーの別の一つの利点はフランジおよびプ
ラスチックカバーの騒音減衰作用がすべての部分が金属
で製造されたカバーの騒音減衰作用よりも良好であるこ
とである。

【００１０】

【実施例】さて、図１を参照すると、本発明によるエン
ジンカバー１０を示してある。エンジンカバー１０はプ
ラスチック封入成形カバー本体１２と、エンジンヘッド
またはエンジンブロック（図示せず）と連結されるフラ
ンジ１４とを含む。フランジ１４は、また、エンジンカ
バー１０をエンジンヘッドまたはエンジンブロックに固
定するための複数個のボルト穴１８を含む。ボルト穴１
８は、エンジンカバー１０のまわりを完全にシールする
ようにガスケットに十分な締付荷重を加えるために、エ
ンジンカバー１０のまわりに所定の距離に配置されてい
る。ボルト穴１８を包囲する材料およびフランジ１４は
低クリープ特性を有する材料で製造されている。

【００１１】締付荷重はフランジ圧力の関数である。締
付荷重はガスケット継手の成否を支配する単一の最も重
要な要素である。十分なフランジ圧力を確立することに
より、ガスケットはフランジ継手をシールすることがで
きる。

【００１２】ボルトは締め付けられるときに伸びる。ボ
ルトに対する応力・ひずみの関係から、ボルト荷重なら
びにフランジおよびガスケットに作用する圧縮応力が決
定される。時間の経過と共に、ガスケットおよびフラン
ジに作用する圧縮応力がフランジ材料およびガスケット
材料のクリープをひき起こす。クリープは応力が一定値
に保たれているときにひずみが増大する過渡的な応力・
ひずみ状態である。この状態はボルトの伸びが大きい平
面ガスケット継手に起こり易い。その他のガスケット継
手においては、ボルトの頭部の下方のフランジ材料がク
リープしかつガスケット材料がクリープするときに、応
力が減少する。継手をシールするために十分なフランジ
圧力が作用すると仮定すると、長期間にわたって漏洩が
生じない継手を構成するためには、締付荷重はフランジ
材料のクリープにガスケット材料のクリープを加えた値
よりも大きくなければならない。

【００１３】長い耐用年数が必要である用途、例えば、
自動車、エンジン、航空機、定置発電所、農業用車両、
工業用の用途、建設車両およびトラックにおいては、カ
バーシステム全体は漏洩が生じない低騒音の封入成形カ
バーを構成するように、ガスケットにシールを維持する
ために十分な弾性反発力が得られかつ時間の経過と共に
フランジ材料およびガスケット材料に低いクリープが発
生すると共に、十分なボルトの伸びが得られるように設
計されねばならない。

【００１４】カバー本体１２は、好ましくは、プラスチ
ック複合材料、例えば、ナイロン６６またはナイロン４
６から製造される。しかしながら、その他の材料、例え
ば、熱硬化性プラスチックであるフェノール樹脂、ポリ
エステル、またはビニルエステル、または熱可塑性材
料、例えば、ポリエーテルスルホン（ｐｏｌｙｅｔｈｅ
ｒ ｓｕｌｐｈｏｎｅ）、ポリフタルアミド、ポリアク
リル酸エステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド樹脂または同様な材料を使
用することができ、そしてプラスチック材料はガラス繊
維または鉱物質により強化することができる。エンジン
カバー１０のカバー本体１２を製造するために、その他
の材料、例えば、ポリウレタン、ナイロン、アセター
ル、ポリカーボネートの重合体、またはその他の好適な
熱硬化性材料または熱可塑性材料をも使用することがで
きる。エンジンカバー１０のカバー本体１２はエンジン
全体の重量を減少させかつプラスチック材料が同じ型式
の用途に使用される金属よりもほぼ３０％ないし６０％
低い固有振動数を有する事実のためにエンジンの騒音を
減少させる。また、プラスチックの固有の（ｓｐｅｃｉ
ｆｉｃ）曲げ強さは冷間圧鋼板の曲げ強さよりもはるか
に大きく、かつアルミニウムダイカストまたはマグネシ
ウム合金鋳造部品の曲げ強さとほぼ同じであるか、また
はそれよりも僅かに良好である。カバー１０の剛さ（ｓ
ｔｉｆｆｎｅｓｓ）が低いために、より大きい騒音の減
少が得られる。複合プラスチックカバーにおいて得られ
る剛さにより、７００ＨＺないし２８００ＨＺの範囲内
のより大きい騒音レベルの減少が得られる。この騒音の
範囲はエンジンのシリンダヘッドの構造的な振動レベル
が高い場合に起こる。また、これは励起振動数（ｅｘｃ
ｉｔａｔｉｏｎ ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ）範囲内の固有振
動数モードを低下させ、従って、騒音レベルを減少させ
る。このプラスチック材料は、また、エンジンカバー１
０に必要な形状に成形することがより容易である。

【００１５】プラスチックカバー本体１２が非常に高い
クリープ特性を有しているので、低クリープ材料フラン
ジ１４（アルミニウム、鋼、鋳鉄、フェノール樹脂、ポ
リエーテルスルホン等の材料で製造された）をプラスチ
ックカバー本体１２と共に使用すべきである。プラスチ
ックは、ボルトがプラスチックに高温度において長期間
にわたって締め付けられるときに、クリープを生じ、く
ぼみ、すなわち、ブリネルくぼみ（Ｂｒｉｎｅｌｌ）を
形成する傾向がある。ブリネルくぼみの形成（Ｂｒｉｎ
ｅｌｌｉｎｇ）はガスケットまたはシールに対する締付
荷重の減少をひき起こし、その結果油の漏洩およびエン
ジンのその他の問題をひき起こす。それゆえに、低クリ
ープ材料フランジ１４は、実質的な締付荷重を失う可能
性を減少させることにより潜在的な漏洩を減少させるた
めに、エンジンカバー１０が好適なファスナーによりエ
ンジンヘッドまたはブロックに物理的に連結される場合
に使用することができる。低クリープ材料フランジ１４
はエンジンヘッドまたはブロックにねじを切ったファス
ナーにより固定される。この実施例においては、低クリ
ープ材料フランジ１４はエンジンヘッドの合せ面との界
面を形成するエンジンカバー１０の外側リムに沿った領
域を形成する。しかしながら、低クリープ材料フランジ
１４は、例えば、貫通したボルト穴を有するＬ字形セグ
メント（ｓｅｇｍｅｎｔ）により穴のまわりのみに配置
することができる。低クリープ材料フランジ１４はファ
スナーがエンジンカバー１０をエンジンヘッドに連結す
ることを可能にする複数個の垂直の穴１８を含む。

【００１６】低クリープ材料フランジ１４は頂面の中心
部分に貫通したボルト穴１８を有する平坦な平面断面形
状、すなわち、正方形に形成することができる。エンジ
ンカバー１０は隅部に丸みがつけられた全般的に長方形
の形状を有している。プラスチックカバー本体１２は低
クリープ材料フランジ１４の側部の付属物、すなわち、
突起部と接するような形状に形成されている。プラスチ
ックカバー本体の外側壁部は、プラスチックカバー本体
の内側壁部と同様に、低クリープ材料フランジ１４とカ
バー本体１２の頂面とを短い水平端縁の後方で連結す
る。

【００１７】エンジンの運転中にエンジンブロックの相
対移動が発生するために、プラスチックカバー本体１２
と低クリープ材料フランジ１４との間には、機械的なロ
ック（ｍｅｃｈａｎｉｃａｌ ｌｏｃｋ）または化学的
なロックを行うことが望ましい。化学的なロックは好適
な接着剤をプラスチックカバー本体１２と低クリープ材
料フランジ１４との間に塗布することにより使用され
る。この接着剤の塗布により、プラスチックカバー本体
１２と低クリープ材料フランジ１４との間に化学反応が
生ずる。この化学反応はプラスチックカバー本体１２を
低クリープ材料フランジ１４にシールしかつ固定して、
カバー本体１２とフランジ１４との間の界面に漏洩通路
が生じないことを保証する。

【００１８】別の一実施例（図示せず）は低クリープ材
料（すなわち、アルミニウム、鋼、鋳鉄、フェノール樹
脂、ポリエーテルスルホン等）で製造されたフランジ１
４に直接に成形されたプラスチックカバー本体１２を有
している。成形工程の作用により、低クリープ材料フラ
ンジ１４がプラスチックカバー本体１２に固定され、そ
れによりプラスチックカバー本体１２と低クリープ材料
フランジ１４との間に確実な漏洩が生じないシールが得
られる。

【００１９】機械的なロックの実施例（図２参照）はプ
ラスチックカバー本体１２とフランジ１４とが一緒に結
合されることを保証する。この機械的なロックの実施例
は金属または別の一つの低クリープ材料で製造された突
起部、すなわち、付属物１６を含む。突起部１６は金属
または別の低クリープ材料で製造されている。突起部１
６は金属製または低クリープ材料製のフランジ１４から
突出しかつプラスチックカバー本体１２を金属製または
低クリープ材料製のフランジ１４に固定するようにキー
ロック（ｋｅｙ ｌｏｃｋ）の形態でプラスチックカバ
ー本体１２の中に物理的に成形される。この実施例にお
いては、突起部１６が金属製または低クリープ材料製の
フランジ１４の最上端縁から突出しかつほぼＬ字形の形
状を有している。このＬ字形突起部はカバー本体１２に
向けられかつプラスチックカバー本体１２の中に直接に
成形される。突起部１６は低クリープ材料フランジ１４
全体に沿って連続して延びることができ、またはボルト
穴１８を包囲する低クリープ材料フランジ１４の部分に
配置することができる。この構成は通常のエンジンの運
転状態の下でゆるまない適切な結合を保証する。

【００２０】プラスチックカバー本体１２は、また、下
端縁において周囲みぞ２０を有している。周囲みぞ２０
はエンジンカバー１０とエンジンヘッドとの間に挟まれ
たエラストマーシールを保持するために使用するために
長方形または正方形に形成されている。このシールみぞ
２０はプラスチックカバー本体１２の内側の下端縁全体
に沿って連続して延びている。

【００２１】本発明の別の一実施例（図７参照）はスト
ラップ（ｓｔｒａｐ）３２によりエンジンカバー１０の
薄板フランジ１４と連結された軸封装置用の金属製支持
部材３０を含む。４個のストラップ３２は金属材料また
はプラスチック材料で製造することができる。４個のス
トラップ３２は軸封装置を適正な位置に保持する。軸封
装置は、エンジンカバー１０を取り付けるときに、軸が
エンジンカバー１０の中に滑動するように適正に配置さ
れる。エンジンカバー１０の本体は複合プラスチック材
料またはその他の好適な低クリープ材料で製造されてい
る。このエンジンカバー１０もまた、軽量であり、すべ
ての部分が金属で製造されたカバーよりも良好に騒音を
減衰させる。

【００２２】本発明の別の一つの実施例はプラスチック
カバー本体１２と連結されたヒンジ部分を有する低クリ
ープ材料（すなわち、アルミニウム、鋼、鋳鉄、フェノ
ール樹脂、ポリエーテルスルホン等）で製造されたフラ
ンジ１４を含む。（図４、図５および図６参照）この実
施例における封入成形カバー１０は、低クリープ材料フ
ランジ１４の領域を除いて、ガラス繊維強化材を含むこ
とができる複合プラスチック材料から完全に製造されて
いる。複数個のボルト穴１８が低クリープ材料フランジ
１４に形成されている。このフランジ１４はボルトをエ
ンジンヘッドまたはエンジンブロックの中に貫通可能に
するために立方体または円筒体の中央部に垂直に下方に
延びる穴１８を有している。これらの立方体または円筒
体は、また、低クリープ材料ロッド２６により側壁の中
点を通して連結されている。

【００２３】その後、このワンピースの低クリープ材料
フランジ１４およびロッド組立体２６がプラスチックカ
バー本体１２上に成形される。プラスチックカバー本体
１２は低クリープ材料フランジ１４の側部に対しかつ低
クリープ材料ロッド２６のまわりに成形される。プラス
チックカバー本体１２は低クリープ材料フランジ１４と
係合する丸みがついた表面を有し、低クリープ材料フラ
ンジ１４もまた、その立方体の内側端縁に同様な丸みが
ついた表面を有している。この丸みがついた端縁は低ク
リープ材料フランジ１４とプラスチックカバー本体１２
との間の移動を可能にする。このプラスチックカバー本
体１２は、また、プラスチックカバー本体１２のいかな
る相対移動をも補正するためにエンジンヘッド上で回転
する底部の外側隅部上に丸みがついた端縁２８を有して
いる。フランジ１４の端縁はその回転する能力のために
エンジンヘッドまたはエンジンブロックに対して気密な
シールを保持することができる。プラスチックカバー本
体１２は、また、流体の漏洩を阻止するようにエンジン
カバー１０をエンジンヘッドに締め付けるためのシール
を保持する周囲シールみぞ２０を有している。

【００２４】プラスチックカバー本体１２の横断面（図
５および図６参照）を参照すると、プラスチックカバー
本体１２はロッド２６を包囲しかつ底部の外側隅部にお
いて丸みがついた端縁２８を有する正方形の形状を有す
ることができるけれども、円筒形の形状を有することが
好ましい。その場合には、プラスチックカバー本体１２
はエンジンカバー１０の頂部に突出する。低クリープ材
料フランジ１４とプラスチックカバー本体１２との間の
連結部は相対移動が起こり得るように成形され、ヒンジ
付きの設計の場合にフランジ１４とプラスチックカバー
材料との間に化学的なロックを行う必要がない。このヒ
ンジ付きの設計は二つの方法のうちの一つの方法で行う
ことができる。第一の方法は、ヒンジ付き低クリープ材
料フランジがエンジンカバー１０の片側のみに配置さ
れ、そしてフランジの残りの部分が低クリープ材料で製
造される場合である。第二の方法は、ヒンジ付きの低ク
リープ材料フランジがエンジンカバー１０のまわりに連
続して延びる場合である。

【００２５】本発明の別の一つの実施例は、例えば、タ
ペットカバーと共に使用することができる。（図８参
照）この実施例においては、低クリープ材料（すなわ
ち、アルミニウム、鋼、鋳鉄、フェノール樹脂、ポリエ
ステルスルホン等）製のフランジ１４はプラスチック材
料製カバー本体１２と界面で連結される。プラスチック
カバー本体１２の頂点には、ファスナ３４を受け入れる
ための穴があけられている。この穴の内部にはファスナ
３４を案内するためにスリーブ３８が配置されている。
ファスナ３４がこの穴およびスリーブを通してエンジン
ヘッドの中に配置される。ガスケット３６が低クリープ
材料フランジの全長を横切りかつ全長に沿って連続して
延びることができる。金属強化部材もまた、プラスチッ
クカバー本体１２の内側部分に完全に沿って延びること
ができる。この実施例は、また、流体が流体収納室外に
漏洩することを阻止すると共に、エンジンの総重量を軽
減する。

【００２６】本発明の別の一実施例は、また、カバーお
よびガスケットからなる２個の装置（図示せず）に使用
することができる。この実施例は、例えば、水ポンプが
エンジンと接続される前側カバーに使用される。この水
ポンプは金属製または低クリープ材料製フランジを備え
ていよう。この水ポンプの本体は複合プラスチック材料
で製造されかつ漏洩量の少ない境界（ｌｏｗ ｌｅａｋ
ｂｏｕｎｄａｒｙ）を形成するために低クリープ材料
フランジと界面で連結される。前側カバーもまた、金属
製または低クリープ材料製フランジと、複合プラスチッ
ク材料で製造されたカバー本体とを備えていよう。前側
カバーフランジおよびカバー本体もまた、漏洩量の少な
い境界を形成するために界面で連結される。この前側カ
バーは金属製フランジの両側に連続して延びる周囲シー
ルみぞを備えていよう。この水ポンプもまた、その低ク
リープ材料フランジに沿って連続して延びる周囲シール
みぞを備えていよう。ガスケットが水ポンプのフランジ
に沿ったみぞ内に配置され、その後前側カバーのフラン
ジと連結される。このガスケットは水ポンプのフランジ
と前側カバーとの間に挟まれよう。その後、前側カバー
および水ポンプは、エンジンブロックの界面において漏
洩が生じないないことを保証するために、前側カバーの
第２みぞ内にガスケットが配置された状態で、エンジン
ブロックに締め付けられる。

【００２７】上記のエンジンカバーは、また、エンジ
ン、トランスミッション、車軸および流体の封入（ｅｎ
ｃａｐｓｕｌａｔｉｏｎ）を必要とする任意の伝動機構
構成部分のために適用することができる。このカバーは
いくつかの構造部材、例えば、フロントエンジンカバ
ー、オイルパン、弁カバー、後部シールリテーナーカバ
ー、サーモスタットハウジングカバーおよびタペットカ
バーに使用される。このカバーは、また、トランスミッ
ションにおいて以下の状況、すなわち、サイドカバー、
主制御カバー、底部パンおよび動力取出サイドカバーと
して使用することができる。

【００２８】しかしながら、上記の設計のすべては、フ
ランジ１４およびプラスチック本体カバー１２の固有振
動数がすべての部分が金属で製造されたカバーの固有振
動数よりも低いので、エンジンの騒音を減少させる。こ
の設計は、また、エンジンカバー１０をエンジンヘッド
に低クリープ材料フランジ１４およびファスナーを介し
て固定することができる。連続した低クリープ材料フラ
ンジ１４が別の実施例と共に使用される限りは、この好
ましい実施例のプラスチックカバー本体１２を別の態様
としてその他の材料、例えば、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレンアクリリック（ｅｔｈｙｌｅｎｅ ａｃｒ
ｙｌｉｃ）またはシリコンエラストマーで製造すること
ができる。１０種類の複合プラスチックが使用された。
これはエンジンのいかなる磨耗および裂けをも減少さ
せ、かついかなる異常な漏洩をも阻止する。

【００２９】以上、本発明を例示した態様で説明した。
使用した用語が限定の性質よりもむしろ説明用の用語の
性質を有するように意図されていることを理解すべきで
ある。

【００３０】本発明の多数の変型および変更を上記の教
旨に照らして実施可能である。それゆえに、本発明は上
記の説明と異なる態様で特許請求の範囲内で実施するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエンジンカバー組立体を示した
図。

【図２】（Ａ）部はプラスチックカバー本体およびフラ
ンジが一緒に結合されることを保証する機械的なロック
の実施例を示した図、（Ｂ）部は（Ａ）部を２Ｂ−２Ｂ
線に沿って裁ったフランジおよびカバー本体継手の横断
面図。

【図３】エンジンカバー組立体の上面図。

【図４】図１を４−４線に沿って裁ったフランジおよび
カバー本体継手の別の一つの構造の横断面図。

【図５】別の一実施例を示した本発明のプラスチックカ
バー本体の横断面図。

【図６】（Ａ）部は金属製フランジに対するプラスチッ
クカバーの相対移動を可能にするためにも使用すること
ができる金属製のフランジおよびロッド機構を示した斜
視図、（Ｂ）部は（Ａ）部を６Ｂ−６Ｂ線に沿って裁っ
た断面図。

【図７】（Ａ）部は軸封装置支持部材および支持ストラ
ップを示した別の一実施例の上面図、（Ｂ）部は（Ａ）
部に示した実施例の斜視図。

【図８】タペットカバーまたは同様な部材を示した別の
一実施例を示した図。

【符号の説明】

１０ エンジンカバー １２ カバー本体 １４ フランジ １６ 突起部 １８ 穴 ２０ 周囲みぞ ２６ ロッド ２８ 丸みがついた端縁 ３０ 金属支持部材 ３２ ストラップ ３４ ファスナー ３６ ガスケット ３８ スリーブ

Claims (31)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のエンジンヘッドまたはエンジ
   ンブロック上に使用されるエンジンカバー組立体におい
   て、 金属よりも重量が軽くかつより大きい騒音減衰効果を生
   ずる複合プラスチック材料で製造されたカバー本体と、 前記カバー本体と連結された低クリープ材料で製造され
   たフランジと、 エンジンヘッドまたはエンジンブロックの表面と係合す
   るためのシールを挿入するために前記プラスチックカバ
   ーの底部端縁に沿ったみぞとを備えているエンジンカバ
   ー組立体。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記フランジが金属でありかつ複数個の穴を
   含むエンジンカバー組立体。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記フランジがカバー本体に向かって突出し
   た突起部を含み、前記突起部が前記フランジを前記カバ
   ー本体に固定するために前記フランジの内側の最上端縁
   に配置されているエンジンカバー組立体。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記突起部が前記フランジ全体に沿って連続
   しているエンジンカバー組立体。
5. 【請求項５】 請求項３に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記突起部が前記穴においてのみ配置されて
   いるエンジンカバー組立体。
6. 【請求項６】 請求項３に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記突起部が横断面において全般的にＬ字形
   であるエンジンカバー組立体。
7. 【請求項７】 請求項１に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記フランジと前記カバー本体との間の前記
   連結がエポキシ材料でなされているエンジンカバー組立
   体。
8. 【請求項８】 請求項１に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記フランジがロッドにより連結された複数
   個の立方体状の部材を含み、前記ロッドが前記立方体の
   一側部の中央部において連結され、前記ロッドが前記複
   合プラスチックにより完全に封入成形され、前記カバー
   本体がエンジンの移動を補正するために前記ロッドのま
   わりに回転可能であるエンジンカバー組立体。
9. 【請求項９】 請求項８に記載のエンジンカバー組立体
   において、前記カバー本体と前記フランジとの連結がフ
   ォーム注入（ｆｏｒｍ ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ）によりな
   されているエンジンカバー組立体。
10. 【請求項１０】 請求項１に記載のエンジンカバー組立
    体において、前記フランジが複数個のストラップと、前
    記ストラップと連結された円形の支持部材とを含むエン
    ジンカバー組立体。
11. 【請求項１１】 請求項１０に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記の円形の支持部材が前記ストラップ
    に対して所定の位置に配置されているエンジンカバー組
    立体。
12. 【請求項１２】 請求項１に記載のエンジンカバー組立
    体において、前記カバー本体が前記カバー本体の頂点に
    おいてオリフィスを含むエンジンカバー組立体。
13. 【請求項１３】 請求項１２に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記オリフィスがエンジンブロックまで
    延びるスリーブを含むエンジンカバー組立体。
14. 【請求項１４】 請求項１に記載のエンジンカバー組立
    体において、さらに前記フランジに装着された第２カバ
    ーを含むエンジンカバー組立体。
15. 【請求項１５】 内燃機関のエンジンヘッドおよびエン
    ジンブロック上に使用されるエンジンカバー組立体にお
    いて、 金属よりも重量が軽くかつより大きい騒音減衰効果を生
    ずる複合プラスチック材料で製造されたカバー本体と、 低クリープ材料で製造されたフランジとを備え、前記フ
    ランジがロッドを含み、前記フランジが前記フランジの
    頂面および底面を貫通した円形のオリフィスを有する全
    般的に立方体の形状を有し、前記ロッドが前記立方体の
    形状のフランジを連結し、前記の円形のオリフィスは前
    記カバーをエンジンと連結するために設けられ、 前記プラスチックカバー本体が前記ロッドのまわりに形
    成されて、エンジンカバーとエンジンブロックとの間に
    トルクによる運動を可能にし、さらに、 エンジンカバーをエンジンにシールするために前記カバ
    ーの底縁に沿って形成されたシールみぞを備えているエ
    ンジンカバー組立体。
16. 【請求項１６】 請求項１５に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記フランジが金属であるエンジンカバ
    ー組立体。
17. 【請求項１７】 内燃機関のエンジンヘッドおよびエン
    ジンブロック上に使用されるエンジンカバー組立体にお
    いて、 エンジンカバー組立体をエンジンブロックと連結するた
    めに使用される低クリープ材料で製造されたフランジを
    備え、前記フランジは全般的にＬ字形の横断面を有しか
    つ前記フランジの内側の最上端縁から突出する突起部を
    含み、前記突起部は機械的なロックとして作用し、さら
    に、 騒音減衰能力を有する複合プラスチック材料で製造され
    たエンジンカバー本体を備え、前記エンジンカバー本体
    は軽量のエンジンカバーを製造するために前記フランジ
    の内面および前記突起部上に成形され、さらに、 エンジンカバー組立体をエンジンブロックの表面と係合
    させるためのシールを形成するために前記エンジンカバ
    ー本体の底部の内側端縁に沿ったみぞを備えているエン
    ジンカバー組立体。
18. 【請求項１８】 請求項１７に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記フランジがエンジンカバーをエンジ
    ンブロックに固定するために使用される複数個の穴を有
    するエンジンカバー組立体。
19. 【請求項１９】 請求項１７に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記フランジと前記カバー本体とが化合
    物により接合されているエンジンカバー組立体。
20. 【請求項２０】 請求項１７に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記フランジが金属であるエンジンカバ
    ー組立体。
21. 【請求項２１】 内燃機関のエンジンヘッドおよびエン
    ジンブロック上に使用されるエンジンカバー組立体にお
    いて、 エンジンカバー組立体をエンジンブロックと連結するた
    めに使用される低クリープ材料で製造されたフランジを
    備え、前記フランジは複数個のボルト穴を包囲する立方
    体の形状の領域を連結する円形の低クリープ材料のロッ
    ドを有し、さらに、 騒音減衰能力を有する複合プラスチック材料で製造され
    たエンジンカバー本体を備え、前記エンジンカバー本体
    は前記フランジの前記ロッドのまわりに形成され、それ
    によりトルクによる運動をひき起こすことができ、前記
    エンジンカバー本体は運転中のエンジンの移動を補正す
    るために前記フランジの表面に対して滑動することが可
    能であり、さらに、 エンジンカバー組立体をエンジンブロックの表面と係合
    させるためのシールを形成するために前記エンジンカバ
    ー本体の底部の内側端縁に沿ったみぞを備えているエン
    ジンカバー組立体。
22. 【請求項２２】 請求項２１に記載のエンジンカバー組
    立体において、前記低クリープ材料が金属であるエンジ
    ンカバー組立体。
23. 【請求項２３】 内部に流体を封じ込めるための伝動機
    構用カバーにおいて、前記カバーが伝動機構に装着する
    ための周囲部分と前記周囲部分から延びる付属物とを有
    するフランジ部材と、 前記フランジ部材と隣接した外面部分と、 前記付属物が前記外面部分に固定されると共に、前記外
    面部分を前記フランジ部材に対して移動可能にするよう
    に前記外面部分を前記フランジ部材に取り付ける装置と
    を備えている伝動機構用カバー。
24. 【請求項２４】 請求項２３に記載の伝動機構用カバー
    において、前記外面部分がさらに周囲みぞを含みかつさ
    らに流体の漏洩を阻止するように前記周囲みぞの中に配
    置されたシールを備えている伝動機構用カバー。
25. 【請求項２５】 請求項２４に記載の伝動機構用カバー
    において、前記フランジ部材がさらに少なくとも１個の
    穴を形成する部分を含む伝動機構用カバー。
26. 【請求項２６】 請求項２４に記載の伝動機構用カバー
    において、該伝動機構が穴を形成する部分を有しかつさ
    らに前記フランジに装着された第２カバーと、 前記カバーを前記フランジに締め付けかつ伝動機構の穴
    と係合するファスナとを備えている伝動機構用カバー。
27. 【請求項２７】 請求項２３に記載の伝動機構用カバー
    において、前記取付け装置がさらに前記外面部分を前記
    フランジ部材に固定するために前記付属物に形成された
    機械的なロックを含む伝動機構用カバー。
28. 【請求項２８】 請求項２３に記載の伝動機構用カバー
    において、前記取付け装置がさらに前記外面部分と連結
    するために前記フランジ部材に形成されたヒンジ付き部
    材を含む伝動機構用カバー。
29. 【請求項２９】 請求項２８に記載の伝動機構用カバー
    において、前記ヒンジ付き部材が円筒形部分と、前記円
    筒形部分から延びるロッド部分とを有する伝動機構用カ
    バー。
30. 【請求項３０】 請求項２７に記載の伝動機構用カバー
    において、前記の機械的なロックがＬ字形部分を有する
    伝動機構用カバー。
31. 【請求項３１】 請求項３０に記載の伝動機構用カバー
    において、前記の機械的なロックが前記フランジ部材に
    対して隔置された関係に周囲方向に延びている伝動機構
    用カバー。