JP3760553B2 - エンジン - Google Patents
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- F01M11/0004—Oilsumps
- F01M2011/0062—Gaskets
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダブロックとオイルパンとを接続して構成されたエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オイルパンはエンジンボディにボルト等を用いて直結されることにより支持されている。このオイルパンの締結はオイルのシール性、オイルパンとオイルの重量を支持する強度を保持する観点から強固に行う必要がある。この場合エンジンボディの振動がオイルパンに伝達し、下方への騒音放射を悪化させる要因となっていた。
【0003】
この騒音放射の対策としてエンジンボディとオイルパンとの間にゴムを挟み込んでオイルパンへの振動伝達を抑制する方法が採用されることがあるが、シール性を確保するために締結力を弱めることができないので、振動伝達を完全に無くすことができない。そこで、オイルパンはシリンダブロック側に連結部材を用いて防振可能に支持するとともに、オイルパンとシリンダブロックとの間は2枚の環状部材の間に膜状の弾性部材を接着してなるフロ−ティングアダプタでシールする方法が提案されている(実開平4−109453号公報)。このものでは、前記一方の環状部材をボルトによりシリンダブロックに固定するとともに、前記他方の環状部材をオイルパンにボルトにより固定し、連結部材をオイルパンにボルトにより固定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開平4−109453号公報に示されたエンジンでは環状部材をシリンダブロック、オイルパンに固定し、連結部材をオイルパンに固定する必要があるので、固定箇所が3ヶ所となり組立性が悪い。また、シリンダブロック、オイルパンと前記環状部材との接触面が二カ所あるので、当該部分のシール性を確保するためにガスケット等のシール部材を介在させる必要があり、シール性が劣る。
【0005】
本発明は前記欠点に鑑みてなされたもので、エンジンの組立性を高めることができ、エンジンのシール性の向上をも図ることができるエンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オイルパンに弾性部材を接着するとともに該弾性部材に取付部材を接着し、前記オイルパンに締結部材が非接触状態で貫通する貫通切欠を形成し、該貫通切欠に前記締結部材を挿入して該締結部材により前記取付部材を前記シリンダブロックに固定し、前記オイルパンを前記シリンダブロック側に連結部材により防振可能に支持した。
【0007】
なお、前記連結部材が前記シリンダブロックを覆うシリンダカバーであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
【0009】
図3は本発明の実施の一形態のエンジンを示すものであり、1はシリンダブロックで、本実施例においてそれは上下分割構造が採用されており、2が上部シリンダブロック、3が下部シリンダブロックである。上部シリンダブロック2は、その上部がシリンダ部4、下部がスカート部5とされ、シリンダ部4には長手方向に等間隔に離間された四つのボア6が設けられる。スカート部5底部には上下が開放された下部シリンダブロック3が結合され、これらによってクランク室7が区画形成されてその内部にクランクシャフト(図示せず)を収容する。このような構成からなるシリンダブロック1は、その長手方向両端壁、即ち前側壁8と後側壁9とにクランクシャフトのための主軸受10を有する。
【0010】
シリンダブロック1の長手方向に沿った両方の側壁11には、それら壁面全体を所定の間隔を隔てて覆うシリンダカバー12が取り付けられる。
【0011】
シリンダカバー12は、鋼板やアルミ板等により形成され、図4に示すように、側壁11の形状に沿った折曲げ成形が施されている。またシリンダカバー12には、シリンダブロック1に取り付けられるための孔13(図5参照)が六箇所設けられている。さらにシリンダカバー12の下端にはオイルパン14を接続するためのボルトを通過させるための貫通孔16が、長手方向に所定間隔で複数設けられる。シリンダカバー12の上下長はシリンダブロック1のそれよりも大きく形成され、またその前後長はシリンダブロック1のそれより長くされる。シリンダカバー12の前端及び後端には、前カバー17及び後カバー18を取り付けるためのカバー取付孔19が各二箇所ずつ設けられる。
【0012】
図3及び図4に示すように、シリンダカバー12とシリンダブロック側壁11との間には所定間隔の隙間21が形成されるが、この隙間21にはゴム材料からなる発泡構造の防振材が埋め尽くされており、これによって防振層が形成されている。防振層は具体的には防振板22であり、防振板22は、その上下長及び前後長がシリンダブロック側壁11のそれと等しい矩形状に形成される。この防振板22は、シリンダカバー12と同時に取り付けられてシリンダカバー12とシリンダブロック側壁11とにより挟持される。取付前の防振板22の厚さは隙間21の間隔よりも若干大きい一定厚さとされ、よって取付後はそれが厚さ方向に均一に圧縮変形を行って互いの接触面に密着する。尚、シリンダブロック側壁11には補機類を取り付けるための取付部材20が一体的に設けられ、これら取付部材20は防振板22の孔(図示せず)、シリンダカバー12の挿通孔34をそれぞれ貫通して外部に突出される。
【0013】
さらに図5に示すように、シリンダカバー12はシリンダブロック側壁11に防振支持されている。シリンダブロック側壁11には、シリンダカバー12の孔13の位置の基準となる取付面部23が形成され、取付面部23には段付ボルト24が固定されるためのボルト穴25が設けられる。取付面部23の位置に対応して、防振板22にも取付面部23より大径の孔部26が設けられる。段付ボルト24の軸部27には分割式の溝付ゴム部材28が嵌合される。溝付ゴム部材28の溝にはシリンダカバー12の孔13の周囲部分が嵌合され、また溝付ゴム部材28は段付ボルト24によりワッシャ29を介して取付面部23に固定される。
【0014】
図3に示すように、オイルパン14の上端周囲に沿ってフランジ部30が形成されている。このフランジ部30の周縁部はさらに折り曲げられて折曲部36が形成されている。図1に示すように、フランジ部30には、その周縁部に沿って複数の貫通孔31(本発明の貫通切欠に相当する。)が所定間隔で形成されている。この貫通孔31は後述するようにボルトをねじ込むナットランナ−のヘッド等の工具が挿入できる程度の大きさに形成されている。また前記折曲部36には複数の貫通孔37が折曲部36に沿って所定間隔で形成されている。フランジ部30には、その内周縁の形状に沿って環状に形成された断面矩形かつ平板状の弾性部材44が接着により固定され、さらに弾性部材44の上面に環状のプレート42(本発明の取付部材に相当する。)が接着されている。前記弾性部材44はシリコンゴム等の材料で形成されている。プレート42には、前記貫通孔31に対応した位置に複数の貫通孔43がプレート42に沿って所定の間隔で形成されている。このように、オイルパン14に弾性部材44、プレート42が予め接着されて一体化されている。
【0015】
オイルパン14のフランジ部30の上面に対向するシリンダブロック1の下端部には、前記貫通孔31および貫通孔43に対応して複数のネジ穴45が所定間隔で形成されている。このネジ穴45に貫通孔43および貫通孔31が一致するようにオイルパン14をシリンダブロック1の下方に位置させ、貫通孔31側から本発明の締結部材であるボルト46を挿入してネジ穴45に螺合して、オイルパン14とシリンダブロック1とが連結されるようになっている。このように連結された際にシリンダブロック1の下端部とオイルパン14のフランジ部30との間には隙間が形成されるが、この隙間は弾性部材44とプレート42とで閉塞かつシールされる。
【0016】
シリンダカバー12の下端には、前記折曲部36に形成された貫通孔37に対応して貫通孔48が形成されており、これらの貫通孔37、48内にボルト49を挿入してナット50により締め付けることで、オイルパン14がシリンダブロック1に防振可能に支持されている。
【0017】
次に本発明の実施の一形態のエンジンの作用について説明する。
【0018】
振動騒音に関しては、シリンダブロック1からシリンダカバー12への直接的な振動伝達は、シリンダカバー12が溝付ゴム部材28により防振支持されることで抑制される。またシリンダブロック側壁11からの空気伝搬音による間接的な振動伝達は、その空気伝搬音が防振板22に吸収されることから大巾に低減される。特に防振板22は大部分bが発泡構造の低密度とされており、そのかたさは比較的柔軟であり防音性も高く、またそれがシリンダブロック側壁11の全体を覆うことからその吸収能力は極めて高い。さらに直接伝達によるシリンダカバー12自体の振動も防振板22のダンパー効果によって低減される。これにより、シリンダカバー12の振動を効果的に且つ大巾に低減でき、シリンダカバー12からの放射音発生を抑制して騒音を大巾に低減できる。
【0019】
このシリンダカバーにオイルパン14が取り付けられているので、シリンダカバ−1からオイルパン14への振動伝達は大幅に抑制され、オイルパン14から騒音が放射されることが抑制される。
【0020】
また、オイルパン14はシリンダブロック1に弾性部材44を介して連結され、強固に連結されていないので、シリンダブロック1の振動が直接オイルパン14に伝達することがなく、この点からもオイルパン14から騒音が放射されることが抑制される。
【0021】
一方、エンジンの組立に関しては、オイルパン14に弾性部材44およびプレート42が予め接着により一体化されているので、組み立てに際して取り扱いが容易であり、組み立ての生産性が向上する。また、シリンダブロック1とオイルパン14とを連結するために、プレート42のボルト止め、およびオイルパン14へのシリンダカバー12のボルト止めの2ヶ所ですむので、3ヶ所ボルト止めする前記従来の技術に比べて締め付けの手間が省け、組み立ての生産性が向上する。また、シリンダブロック1とオイルパン14に付設されたプレート42との固定を、貫通孔31の外側からボルト46を挿入してネジ穴43に螺合することにより行うことができるので、組み立てが容易になる。
【0022】
また、弾性部材44は平板状であり、オイルパン14のフランジ部30及びプレート42も平板状であるので、これらの接着による一体化も極めて容易であり、製造工程の簡略化、製造コストの低減等が図られる。しかも、弾性部材44とプレート42の高さを薄くすることができるので、エンジンの高さの増大を招くこともない。
【0023】
次に、エンジンのシール性に関しては、ボルトによる締結部分がシリンダブロック1とプレート42との1ヶ所となり、弾性部材44、プレート42およびオイルパン14は予め接着により一体化されているので、2ヶ所でボルト締結する前記従来の技術と比べて高いシール性が確保される。
【0024】
その他、シリンダブロック1については大幅な設計変更をする必要がないので、従来製品に使用されていたシリンダブロックを流用することが可能である。
【0025】
なお、前記実施の一形態では、シリンダカバ−12を本発明の連結部材として構成したが、シリンダカバーとは別に独立した機能を有する部材、例えばステ−状の部材で構成してもよい。
【0026】
上記実施の一形態では、オイルパン14の折曲部36とシリンダカバー12とを直接ボルト49、ナット50により連結しているが、折曲部36とシリンダカバー12との間に弾性体を介在させるようにしてもよい。これにより、防振性をさらに増すことが可能である。連結部材として例えばステ−状部材を用いた場合には、ステ−状部材をシリンダブロックに強固に連結するとともに、ステ−状部材とオイルパンとを弾性部材を介して連結するようにしてもよい。
【0027】
上記実施の一形態では、シリンダブロック1の下端に直接プレート42を当接させてボルト46により固定しているが、シリンダブロック1の下端とプレート42との間に適宜のシール手段(例えばゴムシール、液状シール等)を介在させてもよい。これにより、当該部分のシール性を高めることができ、前記実施の一形態のエンジンのシール性能をさらに高めることができる。
【0028】
本実施の一形態では、貫通切欠として貫通孔31を用いたが、少なくとも締結部材が非接触で貫通するものであれば、Vノッチ、Uノッチのようなものであってもよい。
【0029】
上記実施の一形態では、プレート42として環状のものを使用したが、シリンダブロック1の下端部の形状及びオイルパン14のフランジ部30の形状に対応して、複数の板状部材を矩形状に組み合わせたものであってもよい。
【0030】
防振板22は、その下端部aを、それより上部即ち下端部aを除く部分bよりも高密度に形成してもよい。例えば、防振板22の下端部aを発泡構造ではなく中実構造としてもよい。この場合にはこの下端部aにより、隙間21の下端部をシールすることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、エンジンの組立性を高めることができ、エンジンのシール性の向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のエンジンの部分断面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】本発明の実施の一形態のエンジンを示す全体構成図である。
【図4】本発明の実施の一形態のエンジンの部分断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態のシリンダカバ−の支持構造を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック
12 シリンダカバ−(連結部材)
14 オイルパン
30 フランジ部
31 貫通孔(貫通切欠)
42 プレート(取付部材)
44 弾性部材
46 ボルト(締結部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダブロックとオイルパンとを接続して構成されたエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オイルパンはエンジンボディにボルト等を用いて直結されることにより支持されている。このオイルパンの締結はオイルのシール性、オイルパンとオイルの重量を支持する強度を保持する観点から強固に行う必要がある。この場合エンジンボディの振動がオイルパンに伝達し、下方への騒音放射を悪化させる要因となっていた。
【0003】
この騒音放射の対策としてエンジンボディとオイルパンとの間にゴムを挟み込んでオイルパンへの振動伝達を抑制する方法が採用されることがあるが、シール性を確保するために締結力を弱めることができないので、振動伝達を完全に無くすことができない。そこで、オイルパンはシリンダブロック側に連結部材を用いて防振可能に支持するとともに、オイルパンとシリンダブロックとの間は2枚の環状部材の間に膜状の弾性部材を接着してなるフロ−ティングアダプタでシールする方法が提案されている(実開平4−109453号公報)。このものでは、前記一方の環状部材をボルトによりシリンダブロックに固定するとともに、前記他方の環状部材をオイルパンにボルトにより固定し、連結部材をオイルパンにボルトにより固定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開平4−109453号公報に示されたエンジンでは環状部材をシリンダブロック、オイルパンに固定し、連結部材をオイルパンに固定する必要があるので、固定箇所が3ヶ所となり組立性が悪い。また、シリンダブロック、オイルパンと前記環状部材との接触面が二カ所あるので、当該部分のシール性を確保するためにガスケット等のシール部材を介在させる必要があり、シール性が劣る。
【0005】
本発明は前記欠点に鑑みてなされたもので、エンジンの組立性を高めることができ、エンジンのシール性の向上をも図ることができるエンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オイルパンに弾性部材を接着するとともに該弾性部材に取付部材を接着し、前記オイルパンに締結部材が非接触状態で貫通する貫通切欠を形成し、該貫通切欠に前記締結部材を挿入して該締結部材により前記取付部材を前記シリンダブロックに固定し、前記オイルパンを前記シリンダブロック側に連結部材により防振可能に支持した。
【0007】
なお、前記連結部材が前記シリンダブロックを覆うシリンダカバーであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
【0009】
図3は本発明の実施の一形態のエンジンを示すものであり、1はシリンダブロックで、本実施例においてそれは上下分割構造が採用されており、2が上部シリンダブロック、3が下部シリンダブロックである。上部シリンダブロック2は、その上部がシリンダ部4、下部がスカート部5とされ、シリンダ部4には長手方向に等間隔に離間された四つのボア6が設けられる。スカート部5底部には上下が開放された下部シリンダブロック3が結合され、これらによってクランク室7が区画形成されてその内部にクランクシャフト(図示せず)を収容する。このような構成からなるシリンダブロック1は、その長手方向両端壁、即ち前側壁8と後側壁9とにクランクシャフトのための主軸受10を有する。
【0010】
シリンダブロック1の長手方向に沿った両方の側壁11には、それら壁面全体を所定の間隔を隔てて覆うシリンダカバー12が取り付けられる。
【0011】
シリンダカバー12は、鋼板やアルミ板等により形成され、図4に示すように、側壁11の形状に沿った折曲げ成形が施されている。またシリンダカバー12には、シリンダブロック1に取り付けられるための孔13(図5参照)が六箇所設けられている。さらにシリンダカバー12の下端にはオイルパン14を接続するためのボルトを通過させるための貫通孔16が、長手方向に所定間隔で複数設けられる。シリンダカバー12の上下長はシリンダブロック1のそれよりも大きく形成され、またその前後長はシリンダブロック1のそれより長くされる。シリンダカバー12の前端及び後端には、前カバー17及び後カバー18を取り付けるためのカバー取付孔19が各二箇所ずつ設けられる。
【0012】
図3及び図4に示すように、シリンダカバー12とシリンダブロック側壁11との間には所定間隔の隙間21が形成されるが、この隙間21にはゴム材料からなる発泡構造の防振材が埋め尽くされており、これによって防振層が形成されている。防振層は具体的には防振板22であり、防振板22は、その上下長及び前後長がシリンダブロック側壁11のそれと等しい矩形状に形成される。この防振板22は、シリンダカバー12と同時に取り付けられてシリンダカバー12とシリンダブロック側壁11とにより挟持される。取付前の防振板22の厚さは隙間21の間隔よりも若干大きい一定厚さとされ、よって取付後はそれが厚さ方向に均一に圧縮変形を行って互いの接触面に密着する。尚、シリンダブロック側壁11には補機類を取り付けるための取付部材20が一体的に設けられ、これら取付部材20は防振板22の孔(図示せず)、シリンダカバー12の挿通孔34をそれぞれ貫通して外部に突出される。
【0013】
さらに図5に示すように、シリンダカバー12はシリンダブロック側壁11に防振支持されている。シリンダブロック側壁11には、シリンダカバー12の孔13の位置の基準となる取付面部23が形成され、取付面部23には段付ボルト24が固定されるためのボルト穴25が設けられる。取付面部23の位置に対応して、防振板22にも取付面部23より大径の孔部26が設けられる。段付ボルト24の軸部27には分割式の溝付ゴム部材28が嵌合される。溝付ゴム部材28の溝にはシリンダカバー12の孔13の周囲部分が嵌合され、また溝付ゴム部材28は段付ボルト24によりワッシャ29を介して取付面部23に固定される。
【0014】
図3に示すように、オイルパン14の上端周囲に沿ってフランジ部30が形成されている。このフランジ部30の周縁部はさらに折り曲げられて折曲部36が形成されている。図1に示すように、フランジ部30には、その周縁部に沿って複数の貫通孔31(本発明の貫通切欠に相当する。)が所定間隔で形成されている。この貫通孔31は後述するようにボルトをねじ込むナットランナ−のヘッド等の工具が挿入できる程度の大きさに形成されている。また前記折曲部36には複数の貫通孔37が折曲部36に沿って所定間隔で形成されている。フランジ部30には、その内周縁の形状に沿って環状に形成された断面矩形かつ平板状の弾性部材44が接着により固定され、さらに弾性部材44の上面に環状のプレート42(本発明の取付部材に相当する。)が接着されている。前記弾性部材44はシリコンゴム等の材料で形成されている。プレート42には、前記貫通孔31に対応した位置に複数の貫通孔43がプレート42に沿って所定の間隔で形成されている。このように、オイルパン14に弾性部材44、プレート42が予め接着されて一体化されている。
【0015】
オイルパン14のフランジ部30の上面に対向するシリンダブロック1の下端部には、前記貫通孔31および貫通孔43に対応して複数のネジ穴45が所定間隔で形成されている。このネジ穴45に貫通孔43および貫通孔31が一致するようにオイルパン14をシリンダブロック1の下方に位置させ、貫通孔31側から本発明の締結部材であるボルト46を挿入してネジ穴45に螺合して、オイルパン14とシリンダブロック1とが連結されるようになっている。このように連結された際にシリンダブロック1の下端部とオイルパン14のフランジ部30との間には隙間が形成されるが、この隙間は弾性部材44とプレート42とで閉塞かつシールされる。
【0016】
シリンダカバー12の下端には、前記折曲部36に形成された貫通孔37に対応して貫通孔48が形成されており、これらの貫通孔37、48内にボルト49を挿入してナット50により締め付けることで、オイルパン14がシリンダブロック1に防振可能に支持されている。
【0017】
次に本発明の実施の一形態のエンジンの作用について説明する。
【0018】
振動騒音に関しては、シリンダブロック1からシリンダカバー12への直接的な振動伝達は、シリンダカバー12が溝付ゴム部材28により防振支持されることで抑制される。またシリンダブロック側壁11からの空気伝搬音による間接的な振動伝達は、その空気伝搬音が防振板22に吸収されることから大巾に低減される。特に防振板22は大部分bが発泡構造の低密度とされており、そのかたさは比較的柔軟であり防音性も高く、またそれがシリンダブロック側壁11の全体を覆うことからその吸収能力は極めて高い。さらに直接伝達によるシリンダカバー12自体の振動も防振板22のダンパー効果によって低減される。これにより、シリンダカバー12の振動を効果的に且つ大巾に低減でき、シリンダカバー12からの放射音発生を抑制して騒音を大巾に低減できる。
【0019】
このシリンダカバーにオイルパン14が取り付けられているので、シリンダカバ−1からオイルパン14への振動伝達は大幅に抑制され、オイルパン14から騒音が放射されることが抑制される。
【0020】
また、オイルパン14はシリンダブロック1に弾性部材44を介して連結され、強固に連結されていないので、シリンダブロック1の振動が直接オイルパン14に伝達することがなく、この点からもオイルパン14から騒音が放射されることが抑制される。
【0021】
一方、エンジンの組立に関しては、オイルパン14に弾性部材44およびプレート42が予め接着により一体化されているので、組み立てに際して取り扱いが容易であり、組み立ての生産性が向上する。また、シリンダブロック1とオイルパン14とを連結するために、プレート42のボルト止め、およびオイルパン14へのシリンダカバー12のボルト止めの2ヶ所ですむので、3ヶ所ボルト止めする前記従来の技術に比べて締め付けの手間が省け、組み立ての生産性が向上する。また、シリンダブロック1とオイルパン14に付設されたプレート42との固定を、貫通孔31の外側からボルト46を挿入してネジ穴43に螺合することにより行うことができるので、組み立てが容易になる。
【0022】
また、弾性部材44は平板状であり、オイルパン14のフランジ部30及びプレート42も平板状であるので、これらの接着による一体化も極めて容易であり、製造工程の簡略化、製造コストの低減等が図られる。しかも、弾性部材44とプレート42の高さを薄くすることができるので、エンジンの高さの増大を招くこともない。
【0023】
次に、エンジンのシール性に関しては、ボルトによる締結部分がシリンダブロック1とプレート42との1ヶ所となり、弾性部材44、プレート42およびオイルパン14は予め接着により一体化されているので、2ヶ所でボルト締結する前記従来の技術と比べて高いシール性が確保される。
【0024】
その他、シリンダブロック1については大幅な設計変更をする必要がないので、従来製品に使用されていたシリンダブロックを流用することが可能である。
【0025】
なお、前記実施の一形態では、シリンダカバ−12を本発明の連結部材として構成したが、シリンダカバーとは別に独立した機能を有する部材、例えばステ−状の部材で構成してもよい。
【0026】
上記実施の一形態では、オイルパン14の折曲部36とシリンダカバー12とを直接ボルト49、ナット50により連結しているが、折曲部36とシリンダカバー12との間に弾性体を介在させるようにしてもよい。これにより、防振性をさらに増すことが可能である。連結部材として例えばステ−状部材を用いた場合には、ステ−状部材をシリンダブロックに強固に連結するとともに、ステ−状部材とオイルパンとを弾性部材を介して連結するようにしてもよい。
【0027】
上記実施の一形態では、シリンダブロック1の下端に直接プレート42を当接させてボルト46により固定しているが、シリンダブロック1の下端とプレート42との間に適宜のシール手段(例えばゴムシール、液状シール等)を介在させてもよい。これにより、当該部分のシール性を高めることができ、前記実施の一形態のエンジンのシール性能をさらに高めることができる。
【0028】
本実施の一形態では、貫通切欠として貫通孔31を用いたが、少なくとも締結部材が非接触で貫通するものであれば、Vノッチ、Uノッチのようなものであってもよい。
【0029】
上記実施の一形態では、プレート42として環状のものを使用したが、シリンダブロック1の下端部の形状及びオイルパン14のフランジ部30の形状に対応して、複数の板状部材を矩形状に組み合わせたものであってもよい。
【0030】
防振板22は、その下端部aを、それより上部即ち下端部aを除く部分bよりも高密度に形成してもよい。例えば、防振板22の下端部aを発泡構造ではなく中実構造としてもよい。この場合にはこの下端部aにより、隙間21の下端部をシールすることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、エンジンの組立性を高めることができ、エンジンのシール性の向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のエンジンの部分断面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】本発明の実施の一形態のエンジンを示す全体構成図である。
【図4】本発明の実施の一形態のエンジンの部分断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態のシリンダカバ−の支持構造を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック
12 シリンダカバ−(連結部材)
14 オイルパン
30 フランジ部
31 貫通孔(貫通切欠)
42 プレート(取付部材)
44 弾性部材
46 ボルト(締結部材)
Claims (2)
- オイルパンに弾性部材を接着するとともに該弾性部材に取付部材を接着し、前記オイルパンに締結部材が非接触状態で貫通する貫通切欠を形成し、該貫通切欠に前記締結部材を挿入して該締結部材により前記取付部材を前記シリンダブロックに固定し、前記オイルパンを前記シリンダブロック側に連結部材により防振可能に支持したことを特徴とするエンジン。
- 前記連結部材が前記シリンダブロックを覆うシリンダカバーである請求項1に記載のエンジン。
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-
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