JPH0718032A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化方法

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JPH0718032A
JPH0718032A JP18892993A JP18892993A JPH0718032A JP H0718032 A JPH0718032 A JP H0718032A JP 18892993 A JP18892993 A JP 18892993A JP 18892993 A JP18892993 A JP 18892993A JP H0718032 A JPH0718032 A JP H0718032A
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bis
methyl
compound
phenyl
resin composition
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Application number
JP18892993A
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English (en)
Inventor
Akira Washimi
章 鷲見
Masao Takei
正雄 武井
Kaoru Kimura
馨 木村
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形が容易で硬化中に水が副生することがな
く、高度の耐熱性と優れた機械的性質を有する樹脂硬化
体が得られる熱硬化性樹脂組成物及びその硬化方法を提
供する。 【構成】 1.00モルのビス〔4−マレイミドフェニ
ル〕メタン、1.00モルの2,2−ビス〔4−ヒドロ
キシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕
プロパン及び樹脂組成物全量に対して35重量%のガラ
スパウダー(繊維長約10μm、繊維径約1μmの繊維
状微粒子)からなる樹脂組成物を120℃で均一に溶融
混練し、ポリテトラフルオロエチレン製の型に流し込
み、140℃で2時間、240℃でさらに2時間加熱し
て硬化させ、板状の樹脂硬化物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物及び
その硬化方法に関するものである。その硬化物は耐熱性
が高く、且つ曲げ強度、強靱性等の機械的物性に優れて
おり、電気絶縁材料、プリプレグ、構造材料等の成形材
や積層材用原料として有用であり、含浸、注型、封止及
び接着等の種々の方法で使用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の小型化、軽量化、さら
には使用条件の過酷化が一段と増すようになり、電気機
器の絶縁材料、基板材料等として用いられる樹脂硬化物
に対する耐熱性の要求が高まっている。代表的な耐熱性
樹脂硬化物としてポリイミド硬化物が挙げられるが、通
常のポリイミドは種々の溶媒に対して不溶且つ不融であ
り、そのままでは成形又は成膜用の材料として使用する
ことは困難である。そのため一般的には、酸二無水物と
ジアミンとを極性溶媒中で溶液重合させ、ポリイミドの
前駆体であるポリアミック酸を得た後、そのポリアミッ
ク酸溶液を流延したり種々のフィラーや繊維に含浸し、
溶媒を除去した後、脱水環化させることにより成形材や
フィルムを調製している。しかしながら、この製法では
成形中に水が副生するという問題が生じる。また、付加
反応により得られるポリイミドとして、例えば、ビス
(4−マレイミドフェニル)メタンとビス(4−アミノ
フェニル)メタンとの付加生成物があり、水の副生がな
い耐熱性樹脂硬化物として知られているが、得られたポ
リイミドは架橋点がない直鎖状であるため、ガラス転移
点が比較的低く、高耐熱性樹脂硬化物としては使用でき
ない。
【0003】一方、高耐熱性樹脂硬化物として、熱硬化
反応により得られるポリイミドが知られており、その代
表例として、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンと
0,0' −ジアリルビスフェノールAとの硬化物があ
る。しかしながら、この二成分系の熱硬化型ポリイミド
は、曲げ強度やショアー硬度等の機械的物性が不十分で
あり、実用的な材料としては更なる改善が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形が容易
であって硬化中に水が副生せず、硬化後は優れた耐熱性
及び機械的物性を有するポリマレイミド系熱硬化性樹脂
組成物(以下、樹脂組成物という。また、硬化後のもの
を樹脂硬化物という)及びその硬化方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明は、(a)ポ
リマレイミド化合物、(b)一分子中に少なくとも2個
のメタリル基を有するメタリルフェニルエーテル系化合
物及び/又はメタリルフェノール系化合物、及び(c)
無機充填剤を含有することを特徴とする。また、本第2
発明は、上記第1発明に示す熱硬化性樹脂組成物を硬化
させる際、上記(a)、(b)及び(c)を溶融混練
後、加熱硬化する前に予め100〜180℃の温度範囲
において攪拌下で加熱し、次いで、加熱硬化することを
特徴とする。
【0006】上記「ポリマレイミド化合物」〔以下、成
分(a)という〕は、下記一般式(1)で表わされる分
子内に2個以上のマレイミド基を有する化合物である。
【0007】
【化1】
【0008】(式中のZは二価以上の残基であり、nは
2以上の整数である。)上記一般式(1)におけるZ
は、脂肪族、芳香族、脂環式及び複素環式残基の何れで
あっても良い。具体的なポリマレイミド化合物として
は、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3
−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミド
シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレ
イミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4
−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−ブチル−4
−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブチ
ル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチ
ル−4−マレイミド−5−メチルフェニル)メタン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス[4−(4−マレイミドフェニルオキシ)フェニル]
プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパン、
2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェニルオキシ)
フェニル]プロパン、ビス(4−マレイミドフェニル)
エーテル、ビス(3−マレイミドフェニル)エーテル、
ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マ
レイミドフェニル)スルホン、ビス[4−(4−マレイ
ミドフェニルオキシ)フェニル]スルホン、ビス(3−
マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミ
ドフェニル)スルホキシド、ビス(4−マレイミドフェ
ニル)ジフェニルシラン、1,4−ビス(4−マレイミ
ドフェニル)シクロヘキサン、1,4−ジマレイミドナ
フタレン、1,8−ジマレイミドナフタレン、4,4'
−ジマレイミドビフェニル、2,5−ジマレイミド−
1,3−キシレン、1,5−ジマレイミドアントラキノ
ン、2,7−ジマレイミドフルオレン、9,9−ビス
(4−マレイミドフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(4−マレイミド−3−メチルフェニル)フルオレン、
3,7−ジマレイミド−2−メトキシフルオレン、9,
10−ジマレイミドフェナントレン、3,6−ジマレイ
ミドアクリジン、1,2−ジマレイミドアントラキノ
ン、3,8−ジマレイミド−6−フェニルフェナントリ
ジン、1,2−ジマレイミドベンゼン、1,4−ビス
(4−マレイミドフェニル)ベンゼン、2−メチル−
1,4−ジマレイミドベンゼン、2,5−ジメチル−
1,4−ジマレイミドベンゼン、4−エチル−1,3−
ジマレイミドベンゼン、4,6−ジメチル−1,3−ジ
マレイミドベンゼン、2,4,6−トリメチル−1,3
−ジマレイミドベンゼン、2,3,5,6−テトラメチ
ル−1,4−ジマレイミドベンゼン、等のビスマレイミ
ド;トリス(4−マレイミドフェニル)メタン等のトリ
スマレイミド;ビス(3,4−ジマレイミドフェニル)
メタン等のテトラキスマレイミド;ポリ(4−マレイミ
ドスチレン)及びポリ(3−マレイミドスチレン)及び
アニリンとホルムアルデヒドの反応により得られるアニ
リン樹脂等の芳香族ポリアミンをマレイミド化したポリ
マレイミド等が挙げられる。
【0009】上記に例示した成分(a)の中では、成形
性及び耐熱性に優れた樹脂硬化物を容易に得ることがで
きる点で、特に芳香族系ビスマレイミド化合物が好まし
い。前記一般式(1)で表される成分(a)は下記一般
式(2)で表わされるポリアミン化合物と無水マレイン
酸との反応により容易に合成することができる。
【0010】
【化2】
【0011】(式中のZは二価以上の残基であり、nは
2以上の整数である。)
【0012】上記「一分子中に少なくとも2個のメタリ
ル基を有するメタリルフェニルエーテル系化合物及び/
又はメタリルフェノール系化合物」〔以下、成分(b)
という〕のうち「一分子中に少なくとも2個のメタリル
基を有するメタリルフェニルエーテル系化合物」として
は、下記(b−1)〜(b−3)に記載の化合物が挙げ
られる。 (b−1):ビフェニルジオールのジメタリルフェニル
エーテル化合物 4,4' −ビス(2−メチル−2−プロペニルオキシ)
ビフェニル、2,2'−ビス(2−メチル−2−プロペ
ニルオキシ)ビフェニル。 (b−2):ビスフェノールのジメタリルフェニルエー
テル化合物 2,2' −ビス[4−(2−メチル−2−プロペニルオ
キシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−メチル−
2−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[4−
(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル]スル
ホキシド、ビス[4−(2−メチル−2−プロペニルオ
キシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2−メチル
−2−プロペニルオキシ)フェニル]エーテル、ビス
[4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニ
ル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−メチル−2−
プロペニルオキシ)フェニル]エチルベンゼン、1,1
−ビス[4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フ
ェニル]シクロヘキサン、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2,2−ビス[4−(2メチル−2−プ
ロペニルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2
−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル]ケトン、
9,9−ビス[4−(2−メチル−2−プロペニルオキ
シ)フェニル]フルオレン、3,3−ビス[4−(2−
メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル]フタリド、
2−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル
4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル
ケトン。
【0013】(b−3):その他のメタリルフェニルエ
ーテル化合物 1,4−ビス(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベ
ンゼン、1,2,4−トリス(2−メチル−2−プロペ
ニルオキシ)ベンゼン、2,4−ビス(2−メチル−2
−プロペニルオキシ)アセトフェノン、1,8−ビス
(2−メチル−2−プロペニルオキシ)アントラキノ
ン、2,3−ビス(2−メチル−2−プロペニルオキ
シ)ベンズアルデヒド、トリス[4−(2−メチル−2
−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、1,1,1−
トリス[4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フ
ェニル]エタン、1−[1−メチル−1−(4−(2−
メチル−2−プロペニルオキシ)フェニル)エチル]−
4−[1,1−ビス(4−(2−メチル−2−プロペニ
ルオキシ)フェニル)エチル]ベンゼン、1,2−ビス
(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ナフタレン、
1,2−ビス(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ア
ントラキノン、1,4−ビス(2−メチル−2−プロペ
ニルオキシ)アントラキノン、2,2' −ビス(2−メ
チル−2−プロペニルオキシ)アゾベンゼン及び5,8
−ビス(2−メチル−2−プロペニルオキシ)−1,4
−ナフトキノン。上記に例示した成分(b)の中では、
2個のメタリル基を有するメタリルフェニルエーテル系
化合物が好ましい。
【0014】成分(b)の一つである「一分子中に少な
くとも2個以上のメタリル基を有するメタリルフェノー
ル系化合物」としては、下記(b’−1)〜(b’−
3)に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は、
例えばメタリルフェニルエーテル系化合物を加熱し、メ
タリル基をクライゼン転位させることにより容易に得ら
れる。 (b’−1):ジメタリルビフェニルジオール系化合物 3,3' −ビス(2−メチル−2−プロペニル)−4,
4' −ビフェニルジオール。 (b’−2):ジメタリルビスフェノール系化合物 2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロ
キシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]
メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]スルホキシド、ビス[4−ヒ
ドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニ
ル]スルフィド、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル]エーテル、ビス[4
−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フ
ェニル]スルホン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3
−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]エチルベ
ンゼン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル]シクロヘキサン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス−[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペ
ニル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロキシ−3
−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]ケトン、
9,9−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]フルオレン、3,3−ビス
[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル]フタリド、2,2−ビス[4−ヒドロキ
シ−3−メチル−5−(2−メチル−2−プロペニル)
フェニル]プロパン及び2−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル 4−ヒドロキシ−3
−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル ケトン。
【0015】(b’−3):その他のメタリルフェノー
ル系化合物 2,3−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−1,4
−ベンゼンジオール、3,5,6−トリス(2−メチル
−2−プロペニル)−1,2,5−ベンゼントリオー
ル、2,4−ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−メチル
−2−プロペニル)アセトフェノン、3,5−ジヒドロ
キシ−2,4−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ア
セトフェノン、1,8−ジヒドロキシ−2,7−ビス
(2−メチル−2−プロペニル)アントラキノン、2,
4−ジヒドロキシ−3,4−ビス(2−メチル−2−プ
ロペニル)ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−
2,5−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ベンズア
ルデヒド、トリス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル
−2−プロペニル)フェニル]メタン、1,1,1−ト
リス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペ
ニル)フェニル]エタン、2,2' −ジヒドロキシ−
3,3' −(2−メチル−2−プロペニル)アゾベンゼ
ン、1−[1−メチル−1−(4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル)エチル]−
4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−(2−メチ
ル−2−プロペニル)フェニル)エチル]ベンゼン、
1,3−ジヒドロキシ−2,4−ビス(2−メチル−2
−プロペニル)ナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−
1,5−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシ−3,6−ビス(2−メチル
−2−プロペニル)ナフタレン、1,4−ジヒドロキシ
−2,3−ビス(2−メチル−2−プロペニル)アント
ラキノン、1,5−ジヒドロキシ−2,6−ビス(2−
メチル−2−プロペニル)アントラキノン、及び5,8
−ジヒドロキシ−6,7−ビス(2−メチル−2−プロ
ペニル)−1,4−ナフトキノン。上記に例示した成分
(b)の中では、2個のメタリル基を有するメタリルフ
ェノール系化合物が好ましい。
【0016】上記「無機充填剤」〔以下、成分(c)と
いう〕は、樹脂硬化物の機械的強度を高めるための成分
であり、従来より使用されているものは何れも使用可能
である。好ましい具体例としては、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム
等の金属水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の金属炭酸塩;ケイソウ土粉;塩基性ケイ酸マグネシ
ウム;焼成クレイ;微粉末シリカ、石英粉末、結晶シリ
カ;カオリン、タルク;カーボンブラック;三酸化アン
チモン;微粉末マイカ;グラファイト;二硫化モリブデ
ン;カーボンファイバー;ロックウール;セラミック繊
維;アスベスト等の無機質繊維;紙、パルプ、木料;ポ
リアミド繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等の合成繊維
及びガラス製充填剤等が挙げられる。
【0017】上記ガラス製充填剤としては、例えば、ガ
ラス繊維、ガラスパウダー、ガラスクロス、ガラスチョ
ップドストランドマット、ガラスフィラメントマット及
び溶融シリカ等が挙げられる。形状、表面処理方法など
は特に限定されないが、ガラス繊維の場合、繊維長10
mm以下のものが好ましく、繊維長10mm以上の繊維
では樹脂硬化物の表面にガラス繊維が露出することがあ
る。ガラスパウダーの場合、その粒子径は1mm以下が
好ましく、粒子径が1mmを越えると成分(a)、
(b)及び(c)が均一に混ざらず、樹脂硬化物が得ら
れなかったり、得られたとしても機械的物性が低下する
ことがある。ガラス製充填剤は表面処理が施されていな
くても本発明の樹脂組成物の成分として使用できるが、
好ましくはシラン系或いはクロム系等種々の処理剤とよ
って表面処理されたものがよい。
【0018】本第1発明の熱硬化性樹脂組成物は、成分
(a)、成分(b)及び成分(c)を100〜140℃
程度の温度で実質的に硬化を生じない時間溶融混練する
ことにより得られる。温度が低い場合は相対的に短時
間、温度が高い場合は相対的に長時間混練することにな
るが、低温、長時間混練が均質で粘度の低い樹脂組成物
を得るためにはより好ましい。このようにして得られた
樹脂組成物は120〜300℃の温度で1〜20時間加
熱することにより容易に硬化する。この硬化のための加
熱は、上記の樹脂組成物を得るための溶融混練終了後直
ちに開始してもよいが、本第2発明のように、硬化の加
熱開始前に樹脂組成物を100〜180℃の温度で好ま
しくは1〜12時間攪拌下で加熱して前処理してもよ
い。この前処理により樹脂組成物をより均質なものとす
ることができ、また、型に流し込み易い適度な粘度の樹
脂組成物とすることができる。この前処理も上記樹脂組
成物調製の場合と同様、処理温度及び時間を適宜設定す
ることにより、樹脂組成物の実質的な硬化が進まない範
囲で処理する必要がある。また、硬化のための加熱は上
記の温度範囲内で設定することができるが、比較的低温
で数時間加熱後、昇温して更に数時間加熱するという段
階的加熱とすることもできる。尚、上記の溶融混練終了
とは、各成分がほぼ均質に混合された時点を意味し、通
常上記温度範囲で5〜30分間程度混練すれば十分であ
る。
【0019】樹脂硬化物の性質は、使用方法、要求性能
及び用途等に応じて成分(a)、(b)及び(c)の配
合割合を変えることによって適宜制御することができ
る。例えば耐熱性を高めるには成分(c)を多くすれば
よい。本発明において樹脂組成物の成分(a)のマレイ
ミド基のモル比は、成分(b)のメタリル基1モルに対
して0.5〜3.0の範囲が好ましい。この比が0.5
未満では成分(b)が過剰になり硬化後において未反応
物として残るため、硬化物の機械的物性が著しく低下
し、3.0を越える場合は硬化物が固く脆くなり、機械
的物性、特に曲げ強度が著しく低下するという問題があ
って好ましくない。また、成分(c)の使用量は樹脂組
成物全量を100重量%とした場合に20〜80重量
%、特に30〜60重量%の範囲が好ましい。成分
(c)が20重量%未満では、硬化物の機械的強度を高
める効果が不充分となる恐れがあり好ましくなく、一
方、80重量%を越える場合は160℃以上の温度で比
較的長時間混練しないと均一に混ざらず、ある程度硬化
が進んでしまって型に流し込むことが困難になることが
あるため好ましくない。
【0020】本発明の樹脂組成物には成分(d)とし
て、組成物を硬化させるためのラジカル開始剤を配合す
ることもできる。ラジカル開始剤としては従来より使用
されているものを、特に制限されることなく使用するこ
とができる。好ましいラジカル開始剤としては、過酸化
クミル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カ
リウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒ
ドロペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、過N−(3−
トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物;
2,2' −アゾビスプロパン、1,1' −アゾ(メチル
エチル)ジアセテート、2,2' −アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)塩酸塩、2,2' −アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)硝酸塩、2,2' −アゾビスイソブタ
ン、2,2' −アゾビスイソブチルアミド、2,2' −
アゾビスイソブチロニトリル、2,2' −アゾビス−2
−メチルプロピオン酸メチル、1,1' −アゾビス(1
−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウ
ム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマ
ロノジニトリル、4,4' −アゾビス−4−シアノ吉草
酸、1,1' −アゾビス−1−クロロフェニルエタン、
1,1' −アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベ
ンジルシアノ酢酸エチル及びフェニルアゾジフェニルメ
タン等のアゾ化合物;1,4−ビス(ペンタエチレン1
−2−テトラゼン)、ベンゼンスルホニルアジド及び
1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−
2−テトラゼン等が挙げられる。これらのラジカル開始
剤の好ましい添加量は用途により異なるが、成分
(a)、(b)の総量100重量部に対して50重量部
まで、好ましくは10重量部までである。
【0021】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて以下の(e−1)〜(e−3)成分を添加すること
ができる。 (1) 着色剤(e−1) この成分は、樹脂硬化物を着色するための成分であり、
従来より使用されているものは何れも使用可能である。
好ましい具体例としては、二酸化チタン、黄鉛、カーボ
ンブラック、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドニ
ウム黄、カドミウム赤及び窒化ホウ素等が挙げられる。 (2) 難燃剤(e−2) この成分は、樹脂硬化物に難燃性を付与するための成分
であり、従来より使用されているものは何れも使用可能
である。好ましい具体例としては、テトラブロモビスフ
ェノールA、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−
ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の臭素系難燃
剤;三塩化アンチモン、水酸化ジルコニウム、酸化スズ
等の無機系難燃剤;トリフェニルホスフェート、フェニ
レンビス(フェニルクレジルホスフェート)等の芳香族
リン酸エステル系難燃剤及びその重縮合物;トリス(2
−クロロエチル)ホスフェート等の(ハロ)アルキルリ
ン酸エステル系難燃剤及びその重縮合物及び赤リン等の
無機リン系難燃剤等が挙げられる。
【0022】(3) 種々の特性を付与するための成分(e
−3) この成分は、樹脂硬化物に上記以外の種々の特性を付与
するための成分であり、従来よりある特性を修飾するた
めの成分として使用されているものは何れも使用可能で
ある。好ましい具体例としては、フェノール樹脂、アル
キド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹
脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂及びポリエステル樹
脂等の合成樹脂類が挙げられる。これらの着色剤、顔
料、難燃剤、難燃助剤及び合成樹脂の好ましい添加量は
各々、用途により異なるが、成形材料や積層材として本
発明の樹脂硬化物を使用する場合は、成分(a)、
(b)及び(c)の総量100重量部に対して500重
量部までである。
【0023】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって本発明をさ
らに具体的に詳述する。尚、以下の実施例及び比較例に
おいて評価した各種物性値は以下のようにして測定した
ものである。 (1) 曲げ強度 JISK7203に準じて測定した。 (2) ショアーD硬度 JISZ2246に準じて測定した。 (3) 5%、10%及び20%重量損失温度 昇温速度を20℃/分として、熱重量示差熱法(TG・
DTA)により、5%、10%及び20%の重量減少と
なる温度を測定した。 (4) 分解温度 昇温速度を20℃/分として、TG・DTAにより、急
激な発熱及び重量減少が起こる温度を分解温度とした。
【0024】実施例1 成分(a)としてビス[4−マレイミドフェニル]メタ
ン〔式(3)の化合物〕1モル、成分(b)として2,
2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プ
ロペニル)フェニル]プロパン〔式(4)の化合物〕1
モル、成分(c)としてガラスパウダー〔日東紡社製、
「PF B−101」(繊維状微粒子、平均繊維長:1
0±2μm、平均繊維径:1μm)〕を樹脂組成物全量
に対して35重量%添加し、120℃で10分間溶融混
練した後、120℃で2時間、攪拌下で加熱し、その
後、ポリテトラフルオロエチレン製の型に流し込み、1
40℃で2時間、240℃で更に2時間加熱して硬化さ
せ、板状の樹脂硬化物を得た。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】実施例2〜4 成分(c)の添加量を50重量%(実施例2)、65重
量%(実施例3)及びチョップドストランドタイプのガ
ラス繊維〔日東紡社製、「CS3PE941」(繊維長
3mm)〕50重量%とした他は実施例1と同様にして
樹脂硬化物を得た。
【0028】比較例1 成分(c)を添加しなかったこと及び硬化条件を160
℃で2時間、240℃で2時間とした以外は実施例1と
同様にして樹脂硬化物を得た。 比較例2 成分(a)、成分(b)及び成分(c)を実施例1と同
様にして配合したものを、120℃で均一に溶融した
後、前処理を行わず、すぐにポリテトラフルオロエチレ
ン製の型に流し込み、実施例1と同様にして加熱硬化さ
せた。しかしながら、得られた硬化物において、ガラス
充填材は、均一に分散せず、硬化時の底部に偏在してし
まい、良好な硬化物を得ることができなかった。以上の
実施例及び比較例の樹脂組成物の組成及び得られた樹脂
硬化物の物性を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果によれば、本発明の樹脂組成物
からなる樹脂硬化物は、420℃を越えても分解せず高
い耐熱性を有するとともに、ガラス製充填剤を添加する
ことにより曲げ弾性率が大きく向上し、また、ガラス製
充填剤としてガラス製繊維を用いた場合はガラスパウダ
ーに比べて特に曲げ強度が大きく向上することが分か
る。また、樹脂組成物を前処理することにより、硬化物
においてガラス充填材を均一に分散させ、機械的物性に
優れた硬化物を得ることができることが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物及びその硬
化方法によれば、成形が容易で硬化中に水を副生するこ
とがなく、優れた耐熱性及び機械的特性を有する樹脂硬
化物が得られる。本発明は含浸、注型、封止及び接着等
種々の方法により、電気絶縁材料、プリプレグ、構造材
料等の成形材や積層材等として利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 馨 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリマレイミド化合物、(b)一
    分子中に少なくとも2個のメタリル基を有するメタリル
    フェニルエーテル系化合物及び/又はメタリルフェノー
    ル系化合物、及び(c)無機充填剤を含有することを特
    徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリマレイミド化合物、(b)一
    分子中に少なくとも2個のメタリル基を有するメタリル
    フェニルエーテル系化合物及び/又はメタリルフェノー
    ル系化合物、及び(c)無機充填剤を含有する熱硬化性
    樹脂組成物を硬化させる際、上記(a)、(b)及び
    (c)を溶融混練後、加熱硬化させる前に予め100〜
    180℃の温度範囲において攪拌下で加熱し、次いで、
    加熱硬化することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の硬
    化方法。
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