JPH0718019A - オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体の製造方法

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JPH0718019A
JPH0718019A JP16452793A JP16452793A JPH0718019A JP H0718019 A JPH0718019 A JP H0718019A JP 16452793 A JP16452793 A JP 16452793A JP 16452793 A JP16452793 A JP 16452793A JP H0718019 A JPH0718019 A JP H0718019A
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olefin
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瑞智 武内
Hajime Shozaki
肇 庄崎
Norio Tomotsu
典夫 鞆津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価なアルミノキサンを用いなくても高活性
を有し、かつアミンなどのルイス塩基の副生による活性
低下のない触媒系を用いて、残留灰分や残留毒性物の少
ないオレフィン系重合体を効率よく製造する方法を提供
すること。 【構成】 (A)π配位子を1個もつ遷移金属化合物,
(B)非配位性アニオンと周期律表第4族典型元素カチ
オンとのイオン性化合物及び場合により用いられる
(C)ルイス酸からなる重合用触媒の存在下、(イ)オ
レフィンを重合させるか、又は(イ)オレフィンと
(ロ)芳香族ビニル化合物、ジエン化合物及びアセチレ
ン類の中から選ばれた少なくとも一種とを重合させるオ
レフィン系重合体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン系重合体の製
造方法に関し、さらに詳しくは、高価なアルミノキサン
を用いなくても高活性を有し、かつアミンなどのルイス
塩基の副生による活性低下のない触媒系を用いて、残留
灰分や残留毒性物の少ないオレフィン系単独重合体や共
重合体を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン類の重合体は、チーグラー・
ナッタ触媒を基本とする触媒系で製造されることが知ら
れているが、特に近年では、可溶系触媒として、遷移金
属化合物とアルミノキサンを共触媒とする製造方法が多
くみられる。しかしながら、このアルミノキサン、特に
活性の高いメチルアルミノキサンは、原料のトリメチル
アルミニウムの価格が高く、かつ製造工程に危険を伴
い、その結果高価な化合物となり、さらに、該メチルア
ルミノキサンを共触媒とする系では、遷移金属化合物に
対して多量のアルミノキサンを必要とするため、重合体
の製造コストが高くつくのを免れないという欠点を有し
ている。
【0003】また、アルミノキサンを使用する触媒系に
おいては、主触媒である遷移金属化合物に対して、通常
100倍から1000倍以上のアルミノキサンを使用す
るため(特開平3−163088号公報、同3−188
092号公報など)、生成するポリマー中に多量の残留
灰分が存在し、したがって該残留灰分を除く工程が必要
となる。この工程を省略するとポリマーの着色や物性低
下が起こる場合がある。このような高価なアルミノキサ
ンを用いないオレフィンの重合触媒系については、中性
のメタロセンと鉄(III)カチオンを含むイオン性化合物
とを接触させることにより生成するメタロセンカチオン
錯体が、エチレンなどのオレフィンに対して重合能を有
することが報告されている〔「ジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem. So
c.)」第108巻,第7410ページ(1987
年)〕。前記鉄(III)カチオンを含むイオン性化合物を
メタロセンのイオン化剤とする系では、鉄(III)カチオ
ンの酸化−還元能を利用して、配位子を引抜き、メタロ
センカチオン錯体を生成させる。この反応は以下のよう
に例示できる。 Cp2 MR2 + [Cp2 Fe][A] → [Cp2 MR]
[A] +1/2R−R+Cp 2 Fe 〔式中、Rはアルキル基など、Cpはシクロペンタジエ
ニル基、Mは金属、Aはアニオンをそれぞれ示す。〕
【0004】上記反応を重合条件下で行うと、重合後、
生成樹脂中に鉄(III)カチオン由来の化合物が残留す
る。これは樹脂の着色などの原因となり、樹脂本来のも
つ性質を損なう場合がある。また、中性遷移金属化合物
のイオン化方法として、特開平3−163088号公報
及び国際公開特許第9200333号公報に開示された
方法がある。これはプロトンと反応しうる基をもつメタ
ロセンと、活性プロトンをもつアンモニウム塩とを反応
させることにより遷移金属カチオン化合物を生成させる
方法であり、この反応を例示すると次のようになる。 CpMR' k + [R”3 NH][A] → [Cp2 MR’
k-1][ A] +R’−H+R”3 N 〔式中、Cp,M及びAは前記と同じであり、R’,
R”はアルキル基などを示す。〕この反応では、副生物
としてルイス塩基(R”3 Nなどのアミン類)が生成す
る。該ルイス塩基はメタロセンカチオンに配位すること
が可能であり、触媒活性を低下させる。その上、触媒及
びこの触媒で製造される樹脂中には有毒な残留アミンを
含有するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術が有する問題を解決し、高価なアルミノキサン
を用いなくても高活性を有し、かつアミンなどのルイス
塩基の副生による活性低下のない触媒系を用いて、残留
灰分や残留毒性物の少ないオレフィン系単独重合体や共
重合体を効率よく製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、π配位子を1
個もつ遷移金属化合物及び非配位性アニオンと周期律表
第4族典型元素カチオンとのイオン性化合物からなる触
媒系が極めて有用であることを見出した。この触媒系に
おいて、π配位子を1個もつ遷移金属化合物と該イオン
性化合物との反応は、以下のように例示できる。 CpM’R’k + [R”3 M”][A] → [CpM’R’
k-1][ A] +R”3 M”−R’ 〔式中、Cp,A,R’及びR”は前記と同じであり、
M’は金属、M”は第4族典型元素を示す。〕上記の式
で例示されるように、周期律表第4族典型元素カチオン
により遷移金属化合物からσ配位子が引き抜かれ、活性
の高い触媒が得られる。またこの際、副生するR”
3 M”−R’は重合溶媒様の化合物である。また、上記
反応の際に、アルキルアルミニウム,アルキル亜鉛,ア
ルキル硼素,アルキルマグネシウム,アルキルリチウム
などのルイス酸を存在させることにより、同様な触媒を
得ることができる。また触媒としては、〔CpM’R’
k-1 ][A] を単離して使用することもできるが、錯体と
しては不安定なものが多く、触媒活性,残留灰分,残留
毒性物の点で好ましくない。このような触媒系を用い
て、(イ)オレフィンを重合させるか、又は(イ)オレ
フィンと(ロ)芳香族ビニル化合物、ジエン化合物及び
アセチレン類の中から選ばれた少なくとも一種とを重合
させることにより、残留灰分や残留毒性物の少ないオレ
フィン系単独重合体や共重合体が効率よく得られ、前記
目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、(A)π配位子を1
個もつ遷移金属化合物、(B)非配位性アニオンと周期
律表第4族典型元素カチオンとのイオン性化合物及び場
合により用いられる(C)ルイス酸からなる重合用触媒
の存在下、(イ)オレフィンを重合させるか、又は
(イ)オレフィンと(ロ)芳香族ビニル化合物,ジエン
化合物及びアセチレン類の中から選ばれた少なくとも一
種とを重合させることを特徴とするオレフィン系重合体
の製造方法を提供するものである。本発明の方法におい
ては、重合用触媒として、(A)π配位子を1個もつ遷
移金属化合物,(B)非配位性アニオンと周期律表第4
族典型元素カチオンとのイオン性化合物及び場合により
用いられる(C)ルイス酸からなるものが用いられる。
該重合用触媒において、(A)成分として用いられるπ
配位子を1個もつ遷移金属化合物としては、一般式
(I) M1 1 n-1 m ・・・(I) で表されるπ配位子R1 を1個有する遷移金属化合物を
用いることができる。
【0008】上記一般式(I)において、M1 は周期律
表第4族の金属元素及びランタノイド系金属元素を示
す。R1 はπ配位子を示し、具体的にはシクロペンタジ
エニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル
基,置換インデニル基,フルオレニル基,置換フルオレ
ニル基などが挙げられる。Xは水素原子,炭素数1〜2
0のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素
数1〜20のチオアルコキシ基,炭素数6〜20のアリ
ール基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,炭素数6〜
20のチオアリーロキシ基,アミノ基,アルキルシリル
基などを示す。複数のXは同一であっても異なっていて
もよい。また該Xは特定の基を介してR1 と結合してい
てもよい。nはM1 の価数を示し、mは0又は1であ
る。
【0009】該一般式(I)で表される化合物として
は、例えばモノ(シクロペンタジエニル)遷移金属化合
物,モノ(インデニル)遷移金属化合物,モノ(フルオ
レニル)遷移金属化合物などがある。この式中のR1
示される置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数
1〜6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタ
ジエニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル
基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,
2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基;1,2,
3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基;トリメ
チルシリルシクロペンタジエニル基;1,3−ジ(トリ
メチルシリル)シクロペンタジエニル基;tertーブ
チルシクロペンタジエニル基;1,3−ジ(tertー
ブチル)シクロペンタジエニル基;ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基などである。このような遷移金属化合
物における遷移金属としては、チタンが好適に用いられ
る。チタン化合物の具体例としては、シクロペンタジエ
ニルトリメチルチタン;シクロペンタジエニルトリエチ
ルチタン;シクロペンタジエニルトリプロピルチタン;
シクロペンタジエニルトリブチルチタン;メチルシクロ
ペンタジエニルトリメチルチタン;1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニルトリメチルチタン;1,2,4−ト
リメチルシクロペンタジエニルトリメチルチタン;1,
2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニルトリメ
チルチタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメ
チルチタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリエ
チルチタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリプ
ロピルチタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
ブチルチタン;シクロペンタジエニルメチルチタンジク
ロリド;シクロペンタジエニルエチルチタンジクロリ
ド;ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルチタンジ
クロリド;ペンタメチルシクロペンタジエニルエチルチ
タンジクロリド;シクロペンタジエニルジメチルチタン
モノクロリド;シクロペンタジエニルジエチルチタンモ
ノクロリド;シクロペンタジエニルチタントリメトキシ
ド;シクロペンタジエニルチタントリエトキシド;シク
ロペンタジエニルチタントリプロポキシド;シクロペン
タジエニルチタントリフェノキシド;ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタントリメトキシド;ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリエトキシド;ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタントリプロポキシド;ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタントリブトキシ
ド;ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリフェ
ノキシド;シクロペンタジエニルチタントリクロリド;
ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロリ
ド;シクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリド;
シクロペンタジエニルジメトキシチタンクロリド;ペン
タメチルシクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリ
ド;シクロペンタジエニルトリベンジルチタン;ペンタ
メチルシクロペンタジエニルメチルジエトキシチタン;
インデニルチタントリクロリド;インデニルチタントリ
メトキシド;インデニルチタントリエトキシド;インデ
ニルトリメチルチタン;インデニルトリベンジルチタ
ン;ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリチオ
メトキシド;ペンタメチルシクロペンタジエニルチタン
トリチオフェノキシドなどが挙げられる。また、モノ
(シクロペンタジエニル)遷移金属化合物としては下記
一般式(II) で表されるようなシクロペンタジエニル基
から任意の置換基を介して金属と結合した化合物でもよ
い。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R2 は水素原子,アルキル基,ア
リール基あるいはシリル基を示し、複数のR2 は同一で
も異なっていてもよく、また二つのR2 がたがいに結合
して環を形成していてもよい。Jは酸素原子,硫黄原
子,NR3 ,PR3 を示し、Qによりシクロペンタジエ
ニル基に結合している。ここで、R3 は水素原子,アル
キル基,アリール基あるいはシリル基を示す。また、Q
はSiR4 2,CR4 2,SiR4 2SiR4 2,CR4 2
4 2,SiR4 2SiR4 2SiR4 2,CR4 2CR4 2CR4 2
である。ここで、R4 はそれぞれ水素原子,アルキル
基,アリール基あるいはシリル基を示し、複数のR4
同一でも異なっていてもよい。また、B及びDは、それ
ぞれハイドライド基,ハロゲン原子,アルキル基,シリ
ル基,アリール基,アミド基,アリールオキシ基,アル
コキシ基,シリルオキシ基,ホスファイド基,サルファ
イド基,アシル基,シアニド基,アジド基、それらの組
合せ及び中性ルイス塩基から選ばれたものを示す。M2
は周期律表第4族の金属元素又はランタノイド系金属元
素を示す。)
【0012】上記一般式(II)で表させる化合物の具体例
としては、(tert−ブチルアミド)(1,2,3,4
−テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタ
ンジイルチタニウムジクロリド、(tert−ブチルア
ミド)(1,2,3,4−テラメチルシクロペンタジエニ
ル)−1,2−エタンジイルチタニウムジメチル、(t
ert−ブチルアミド)(1,2,3,4−テラメチルシ
クロペンタジエニル)−ジメチルシリルチタニウムジク
ロリド、(tert−ブチルアミド)(1,2,3,4−
テトラメチルシクロペンタジエニル)−ジメチルシリル
チタニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(2,
3−ジメチルインデニル)−ジメチルシリルチタニウム
ジクロリド、(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメ
チルインデニル)−ジメチルシリルチタニウムジメチ
ル、(tert−ブチルアミド)(2,3,4,5,6,
7−ヘキサメチルインデニル)−ジメチルシリルチタニ
ウムジクロリド、(tert−ブチルアミド)(2,3,
4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル)−ジメチル
シリルチタニウムジメチル、(tert−ブチルアミ
ド)(1,3,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニ
ル)−ジメチルシリルチタニウムジクロリド、(ter
t−ブチルアミド)(1,3,4,5,6,7−ヘキサメ
チルインデニル)−ジメチルシリルチタニウムジメチ
ル、(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1−エタン−2−オキサチタニウムジクロリ
ド、(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1−エタン−2−オキサチタニウムジメチルな
どを挙げることができる。本発明で用いられる重合用触
媒においては、上記(A)成分のπ配位子を1個もつ遷
移金属化合物は一種用いてもよいし、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0013】一方、(B)成分である非配位性アニオン
と周期律表第4族典型元素カチオンとのイオン性化合物
としては様々なものがある。該非配位性アニオンは、例
えば一般式(III) (M3 1 2 ・・・Xp (p-q)- ・・・(III) (式中、M3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選
ばれる金属、X1 〜Xpはそれぞれ水素原子,ジアルキ
ルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基
(ハロゲン置換アリール基を含む),アルキルアリール
基,アリールアルキル基,置換アルキル基,有機メタロ
イド基又はハロゲン原子を示し、qはM3 の原子価で1
〜7の整数、pは2〜8の整数である。)で表されるも
のを挙げることができる。
【0014】M3 の具体例としてはB,Al,Si,
P,As,Sbなどがある。また、X 1 〜Xp の具体例
としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジメチル
アミノ基;ジエチルアミノ基、アルコキシ基としてメト
キシ基;エトキシ基;n−ブトキシ基、アリールオキシ
基としてフェノキシ基;2,6−ジメチルフェノキシ
基;ナフチルオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基と
してメチル基;エチル基;n−プロピル基;イソプロピ
ル基;n−ブチル基;n−オクチル基;2−エチルヘキ
シル基、炭素数6〜20のアリール基やアルキルアリー
ル基若しくはアリールアルキル基としてフェニル基;p
−トリル基;ベンジル基;モノ〜ペンタ(フルオロ)フ
ェニル基;3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル
基;4−tert−ブチルフェニル基;2,6−ジメチ
ルフェニル基;3,5−ジメチルフェニル基;2,4−
ジメチルフェニル基;1,2−ジメチルフェニル基、ハ
ロゲンとしてF,Cl,Br,I、有機メタロイド基と
して五メチルアンチモン基;トリメチルシリル基;トリ
メチルゲルミル基;ジフェニルアルシン基;ジシクロヘ
キシルアンチモン基;ジフェニル硼素基などが挙げられ
る。そして、このアニオンの具体例としては、B(C6
5 4 - ,B(C6 HF 4 4 - ,B(C6
2 3 4 - ,B(C6 3 2 4 - ,B(C6 4
F)4 - ,BF4 - ,PF6 - ,P(C6 5 6 -
Al(C6 5 4 - などが挙げられる。
【0015】一方、第4族典型元素カチオンは、様々な
ものがあるが、一般式(IV) M4 5 6 7 ・・・(IV) (式中、M4 は第4族典型元素を示し、具体的には、
C、Si、Geなどであるが、C、Siが好ましい。R
5 ,R6 及びR7 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜2
0のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数
1〜20のアルコキシ基,炭素数1〜20のチオアルコ
キシ基を示し、それらは同一でもあっても異なっていて
もよい。)で表されるものが好ましい。具体例として
は、トリフェニルカルベニウム,トリ(トルイル)カル
ベニウム,トリ(メトキシフェニル)カルベニウム,ト
リ(クロロフェニル)カルベニウム,トリ(フルオロフ
ェニル)カルベニウム,トリ(キシリル)カルベニル
ム,〔ジ(トリイル)フェニル〕カルベニウム,〔ジ
(メトキシフェニル)フェニル〕カルベニウム,〔ジ
(クロロフェニル)フェニル〕カルベニウム,〔トルイ
ルジ(フェニル)〕カルベニウム,〔メトキシフェニル
ジ(フェニル)〕カルベニウム,〔クロロフェニルジ
(フェニル)〕カルベニウム,トリフェニルシリルカチ
オン,トリメトキシシリルカチオン,トリ(チオイソプ
ロピル)シリルカチオン,トリメチルシリルカチオン,
トリ(メトキシフェニル)シリルカチオン,トリ(トル
イル)シリルカチオン,トリ(クロロフェニル)シリル
カチオンなどが挙げられる。
【0016】上記イオン性化合物としては、非配位性ア
ニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
トであるものが特に好ましい。具体例としては、例えば
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート;4,4’,4''−トリ(メトキシ
フェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート;トリ(トルイル)カルベニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;4,
4’,4''−トリ(クロロフェニル)カルベニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリフェ
ニルシリルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート;トリメトキシシリルテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート;トリ(チオイソプロピル)シリル
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリ
メチルシリルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート;4,4’,4''−トリ(メトキシフェニル)シ
リルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
トリ(トルイル)シリルテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート;4,4’,4''−トリ(クロロフェ
ニル)シリルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レートなどが挙げられる。
【0017】本発明で用いられる重合用触媒において
は、上記(B)成分のイオン性化合物は一種用いてもよ
いし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、
該重合用触媒において、必要に応じ、(C)成分として
用いられるルイス酸はアルキル基含有化合物であって、
様々なものがあるが、例えば一般式(V) R8 r Al(OR9)s X’3-r-s ・・・(V) (式中、R8 及びR9 はそれぞれ炭素数1〜8、好まし
くは1〜4のアルキル基を示し、X’は水素原子あるい
はハロゲン原子を示す。また、rは0<r≦3、好まし
くは2あるいは3、最も好ましくは3であり、sは0≦
s<3、好ましくは0あるいは1である。)で表される
アルキル基含有アルミニウム化合物や一般式(VI) R8 2Mg ・・・(VI) (式中、R8 は前記と同じである。)で表されるアルキ
ル基含有マグネシウム化合物、さらには一般式(VII) R8 2Zn ・・・(VII) (式中、R8 は前記と同じである。)で表されるアルキ
ル基含有亜鉛化合物などが挙げられる。
【0018】これらのアルキル基含有化合物のうち、ア
ルキル基含有アルミニウム化合物、とりわけトリアルキ
ルアルミニウムやジアルキルアルミニウム化合物が好ま
しい。具体的にはトリメチルアルミニウム,トリエチル
アルミニウム,トリn−プロピルアルミニウム,トリイ
ソプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウム,トリt−ブチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,
ジn−プロピルアルミニウムクロリド,ジイソプロピル
アルミニウムクロリド,ジn−ブチルアルミニウムクロ
リド,ジイソブチルアルミニウムクロリド,ジt−ブチ
ルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウム
ハライド、ジメチルアルミニウムメトキシド,ジメチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド、ジメチルアルミニウムハイドライド,ジ
エチルアルミニウムハイドライド,ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライドなどが挙げられる。さらには、ジメチルマグネ
シウム,ジエチルマグネシウム,ジn−プロピルマグネ
シウム,ジイソプロピルマグネシウムなどのジアルキル
マグネシウムやジメチル亜鉛,ジエチル亜鉛,ジn−プ
ロピルエチル亜鉛,ジイソプロピル亜鉛などのジアルキ
ル亜鉛を挙げることができる。
【0019】本発明で用いられる重合用触媒において
は、上記(C)成分のルイス酸は一種用いてもよいし、
二種以上を組合せて用いてもよい。本発明において用い
られる重合用触媒は、上記(A)及び(B)成分、ある
いは(A),(B)及び(C)成分を主成分として含有
するものであるが、このほかに更に他の触媒成分を加え
ることも可能である。この触媒中の(A)及び(B)成
分の配合割合あるいは(A),(B)及び(C)成分の
配合割合は、各種の条件により異なり、一義的に定めら
れないが、通常は(A)成分と(B)成分のモル比が
1:10〜10:1、(A)成分と(C)成分のモル比
が1:0.01〜1:1000である。本発明において
は、上記重合用触媒の存在下、(イ)オレフィンを重合
させるか、又は(イ)オレフィンと(ロ)芳香族ビニル
化合物、ジエン化合物及びアセチレン類の中から選ばれ
た少なくとも一種を重合させてオレフィン系重合体を製
造する。
【0020】上記(イ)単量体成分であるオレフィンと
しては、例えばエチレン;プロピレン;ブテン−1;ペ
ンテン−1;ヘキセン−1;ヘプテン−1;オクテン−
1;ノネン−1;デセン−1;4−フェニルブテン−
1;6−フェニルヘキセン−1;3−メチルブテン−
1;4−メチルペンテン−1;3−メチルペンテン−
1;3−メチルヘキセン−1;4−メチルヘキセン−
1;5−メチルヘキセン−1;3,3−ジメチルペンテ
ン−1;3,4−ジメチルペンテン−1;4,4−ジメ
チルペンテン−1;ビニルシクロヘキサン;ビニルシク
ロヘキセンなどのα−オレフィン、ヘキサフルオロプロ
ペン;テトラフルオロエチレン;2−フルオロプロペ
ン;フルオロエチレン;1,1−ジフルオロエチレン;
3−フルオロプロペン;トリフルオロエチレン;3,4
−ジクロロブテン−1などのハロゲン置換α−オレフィ
ン、シクロペンテン;シクロヘキセン;ノルボルネン;
5−メチルノルボルネン;5−エチルノルボルネン;5
−プロピルノルボルネン;5,6−ジメチルノルボルネ
ン;1−メチルノルボルネン;7−メチルノルボルネ
ン;5,5,6−トリメチルノルボルネン;5−フェニ
ルノルボルネン;5−ベンジルノルボルネン;5−ビニ
ルノルボルネンなどの環状オレフィンなどを挙げること
ができる。これらのオレフィンは一種用いてもよいし二
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】一方、(ロ)単量体成分における芳香族ビ
ニル化合物としては、例えばスチレン;p−メチルスチ
レン;o−メチルスチレン;m−メチルスチレン;2,
4−ジメチルスチレン;2,5−ジメチルスチレン;
3,4−ジメチルスチレン;3,5−ジメチルスチレ
ン;p−t−ブチルスチレン;p−クロロスチレン;m
−クロロスチレン;o−クロロスチレン;p−ブロモス
チレン;m−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p
−フルオロスチレン;m−フルオロスチレン;o−フル
オロスチレン;o−メチル−p−フルオロスチレン;ジ
ビニルベンゼン;p−イソプロペニルスチレン;4−ビ
ニルビフェニル;3−ビニルビフェニル;2−ビニルビ
フェニルなどが挙げられる。また、ジエン化合物として
は、例えばブタジエン;イソプレン;1,6−ヘキサジ
エンなどの鎖状ジエン化合物、ノルボルナジエン;5−
エチリデンノルボルネン;5−ビニルノルボルネン;ジ
シクロペンタジエンなどの環状ジエン化合物などが挙げ
られる。さらに、アセチレン類としては、例えばアセチ
レン;メチルアセチレン;フェニルアセチレン;トリメ
チルシリルアセチレンなどが挙げられる。これらの
(ロ)単量体成分は一種用いてもよいし、二種以上を組
み合わせて用いてもよい。また、本発明においては、気
体状のモノマーと液体状のモノマーを混在して用いても
よく、その際の混在割合は任意でよい。
【0022】本発明の方法においては、上記重合用触媒
にモノマーを接触させて重合させるが、該触媒とモノマ
ーとの接触方法としては、(A)成分と(B)成分と
の反応物を触媒とし、これに重合すべきモノマーを接触
させる方法、(A)成分と(B)成分との反応物に
(C)成分を加えて触媒とし、これに重合すべきモノマ
ーを接触させる方法、(A)成分と(C)成分との反
応物に(B)成分を加えて触媒とし、これに重合すべき
モノマーを接触させる方法、あるいは重合すべきモノ
マーに(A),(B),(C)の一成分ずつ加えて接触
させる方法などがある。また、(A)成分と(B)成分
との反応物は、予め単離精製したものを用いることもで
きる。なお、上述の(A),(B)及び(C)成分の添
加あるいは接触は、重合温度下で行うことができること
は勿論、0〜100℃の温度にて行うことも可能であ
る。
【0023】また、重合方法については、特に制限はな
く、スラリー重合法,溶液重合法,塊状重合法,気相重
合法などを用いることができるし、連続方式,非連続方
式のいずれも採用することができる。また、重合溶媒と
しては、例えばベンゼン,トルエン,キシレン,エチル
ベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シク
ロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水
素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂
肪族炭化水素などを用いることができる。重合温度は、
通常−80〜250℃、好ましくは20〜200℃の範
囲で選ばれ、重合圧力は、通常常圧〜30kg/cm2
・Gの範囲で選ばれる。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 乾燥窒素下、4,4',4”−トリメトキシトリチルアル
コール5.0gを乾燥トルエン10ミリリットルに溶解
し、氷冷下塩化チオニル2.0ミリリットルを滴下したの
ち、昇温して還流下6時間反応を行った。反応後、放冷
して40℃の時点でヘキサン20ミリリットルを加え
て、4,4',4”−トリメトキシトリチルクロリドを析
出させた。粗結晶を再度トルエン/ヘキサン(1/2重
量比)の混合溶媒で冷却再結晶し、4,4',4”−トリ
メトキシトリチルクロリド4.8gを得た。乾燥窒素下、
4,4',4”−トリメトキシトリチルクロリド4.5ミリ
モルを乾燥塩化メチレン30ミリリットルに溶解し、リ
チウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
4.0gを含む塩化メチレン60ミリリットルに滴下し
た。1時間室温で攪拌後、乾燥窒素下にグラスフィルタ
ーでろ過し、ろ液を50ミリリットルまで濃縮した。こ
れを乾燥ヘキサン450ミリリットル中に徐々に滴下す
ることにより、4,4',4”−トリメトキシフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ートを濃い赤色固体として得た。カチオン炭素の13C−
核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、192.5ppm
(溶媒重クロロホルムを77.00ppmとしたδ値)で
あった。この化合物をトルエンに溶解して10ミリモル
/リットルの赤い均一溶液を得た。
【0025】〔重合用触媒の調製〕2.0モル/リットル
のトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液13ミリ
リットルと(1,2,3,4−テトラメチルシクロペン
タジエニル)チタニウムトリ(メトキシド)の10ミリ
モル/リットルのトルエン溶液5ミリリットルとを混合
し、室温で30分間攪拌した。得られた褐色溶液に4,
4',4”−トリメトキシフェニルカルベニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの上記トルエン
溶液6ミリリットルを、予め窒素雰囲気下、室温で混合
して赤色の均一触媒溶液を調製した。 〔重合〕1リットルのSUS製オートクレーブ中で、ヘ
プタン400ミリリットルを80℃に加温し、窒素気流
下に前記触媒溶液20ミリリットルを加えたのち、エチ
レンを分圧4kg/cm2 一定になるように導入し、3
0分間重合を行った。未反応のエチレンを排出後、メタ
ノールを加えて反応を停止した。内容物をメタノール2
リットルで洗浄し、析出物をろ取、減圧乾燥することに
より、モルフォロジーの良い粉体のポリエチレン44.4
gを回収した。このポリマーをヘプタンで5時間ソック
スレー抽出することにより、定量的にポリマーを不溶物
として回収した。このポリマーは、131℃に結晶融点
をもつ分岐のほとんどない直鎖状ポリエチレンであっ
た。分子量は、135℃トリクロロベンゼン中での極限
粘度換算で〔η〕=1.71デシリットル/gであった。
【0026】実施例2 〔重合用触媒の調製〕(1,2,3,4−テトラメチル
シクロペンタジエニル)チタニウムトリ(メトキシド)
の代わりに(1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメ
チルシクロペンタジエニル)チタニウムトリ(メトキシ
ド)を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒溶液を
調製した。 〔重合〕触媒溶液を上記触媒溶液とし、かつ重合溶媒を
乾燥トルエンとしたこと以外は、実施例1と同様にして
エチレンの重合反応を行った。反応後、乾燥重量で27.
3gの直鎖状ポリエチレンが得られた。分子量は、13
5℃トリクロロベンゼン中での極限粘度換算で〔η〕=
2.99デシリットル/gであった。
【0027】実施例3 〔重合〕1リットルのSUS製オートクレーブ中で、乾
燥ヘプタン400ミリリットルを70℃に加温し、窒素
気流下に実施例2と同様にして調製した触媒溶液15ミ
リリットルを加えたのち、プロピレンを分圧4kg/c
2 一定になるように導入し、60分間重合を行った。
未反応のプロピレンを排出後、メタノールを加えて反応
を停止した。内容物をメタノール5リットルで洗浄し、
析出物をろ取、減圧乾燥することにより、透明性の良い
非晶性のアタクチックポリプロピレン14.0gを回収し
た。分子量は、135℃トリクロロベンゼン中での極限
粘度換算で〔η〕=1.24デシリットル/gであった。
【0028】実施例4 〔重合用触媒の調製〕4,4',4”−トリメトキシフェ
ニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート0.094gを乾燥トルエン31.6ミリリッ
トルに溶解し、2.0モル/リットルのトリイソブチルア
ルミニウムのトルエン溶液0.4ミリリットルと10ミリ
モル/リットルの(tert−ブチルアミド)(1,2,
3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)−ジメチ
ルシリルチタニウムジクロリドのトルエン溶液8.0ミリ
リットルと混合し、2時間室温で攪拌して触媒溶液とし
た。 〔重合〕1リットルのSUS製オートクレーブ中で、乾
燥スチレン400ミリリットルを70℃に加温し、窒素
気流下に2.0モル/リットルのトリイソブチルアルミニ
ウムのトルエン溶液0.1ミリリットルを加えて15分間
攪拌したのち、上記触媒10ミリリットルを加えて、エ
チレンを分圧8kg/cm2 一定になるように導入し、
2時間重合を行った。未反応のエチレンを排出後、メタ
ノールを加えて反応を停止した。降温後、メタノール2
リットルで洗浄し、不溶部を乾燥することにより、ポリ
マー173.7gを回収した。得られたポリマーは、アタ
クチックポリスチレンを溶解する沸騰メチルエチルケト
ンのソックスレー抽出では実質上抽出されなかった。ま
た、クロロホルムや塩化メチレンのようなポリエチレン
不溶の溶媒に対する溶解度が極めて高い。このポリマー
は、11℃のガラス転移点をもつ非晶性重合体であり、
また炭素13核磁気共鳴スペクトルからは、スチレン−
エチレンのランダム共重合体であることが確認できた。
分子量は、135℃トリクロロベンゼン中での極限粘度
換算で〔η〕=1.05デシリットル/gであった。
【0029】実施例5 〔重合〕スチレン400ミリリットルをスチレン100
ミリリットルとし、かつ溶媒として乾燥ヘプタン300
ミリリットルを使用した以外は、実施例4と同様にして
重合反応を行い、乾燥重量104.8gのスチレン−エチ
レンのランダム共重合体を得た。スチレン単位/エチレ
ン単位モル比は20/80で、−15℃にポリエチレン
部のガラス転移点が観測され、9〜105℃の広い範囲
にポリエチレン部の結晶融点が認められた。分子量は、
135℃トリクロロベンゼン中での極限粘度換算で
〔η〕=2.00 デシリットル/gであった。
【0030】実施例6 〔重合用触媒の調製〕(1,2,3,4−テトラメチル
シクロペンタジエニル)チタニウムトリ(メトキシド)
を(tert−ブチルアミド)(1,2,3,4−テトラ
メチルシクロペンタジエニル)ジメチルシリルチタニウ
ムジクロリドに変えた以外は、実施例1と同様に触媒溶
液を調製した。 〔重合〕1リットルのSUS製オートクレーブ中で、乾
燥スチレン400ミリリットルを70℃に加温し、上記
触媒2.5ミリリットルを加えて、エチレンを分圧1kg
/cm2 一定になるように導入し、2時間重合を行っ
た。未反応のエチレンを排出後、メタノールを加えて反
応を停止した。降温後、メタノール2リットルで洗浄
し、不溶部を乾燥することにより、乾燥重量16.8gの
重合体を得た。このポリマーは、38℃にガラス転移点
をもち、メチルエチルケトンに可溶であった。炭素13
核磁気共鳴スペクトルより、スチレン単位/エチレン単
位モル比は51/49であり、エチレン−エチレンの結
合をもたないスチレン−エチレンの非晶性交互共重合体
であることが分かった。分子量は、135℃トリクロロ
ベンゼン中での極限粘度換算で〔η〕=0.35デシリッ
トル/gであった。
【0031】実施例7 〔重合〕1リットルのSUS製オートクレーブ中で、乾
燥スチレン7.3ミリリットルと溶媒としての乾燥トルエ
ン393ミリリットルを80℃に加温し、トリイソブチ
ルアルミニウム1ミリモル、4,4',4”−トリメトキ
シフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート0.5マイクロモル、(tert−ブチ
ルアミド)(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)−ジメチルシリルチタニウムジクロリド0.5
マイクロモルをトルエン溶液として加え、エチレンを分
圧8kg/cm2 一定になるように導入し、30分間重
合を行った。次いで未反応のエチレンを排出し、メタノ
ールを加えて反応を停止し、内容物をメタノールに加え
て洗浄した。不溶部を乾燥することにより、乾燥重量2.
4gのスチレン−エチレンの共重合体が得られた。ポリ
マーは、123℃に結晶融点をもち、135℃デカリン
中での極限粘度は〔η〕=16.4デシリットル/gであ
った。
【0032】実施例8 〔重合〕スチレンを加えなかったこと以外は、実施例7
と同様にして重合を行い、乾燥重量2.8gのポリエチレ
ンを得た。このポリエチレンは、136℃に結晶融点を
もち、135℃デカリン中での極限粘度〔η〕は13.5
デシリットル/gであった。
【0033】実施例9 1リットルのSUS製オートクレーブ中で、1−オクテ
ン5.0ミリリットルと溶媒としての乾燥トルエン395
ミリリットルを80℃に加温し、実施例7と同様に重合
を行った。メタノールより乾燥重量5.2gのポリマーを
回収した。このポリマーは118℃に結晶融点をもつ直
鎖状低密度ポリエチレンであった。分子量は、135℃
デカリン中での極限粘度換算で〔η〕は10.8デシリッ
トル/gであった。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法において用いられる重合用
触媒は、高価なアルミノキサンを用いなくても高活性を
有し、かつアミンなどのルイス塩基の副生による活性低
下がなく、この重合用触媒を用いることにより、残留灰
分や残留毒性物の少ないオレフィン系単独重合体や共重
合体を効率よく製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)π配位子を1個もつ遷移金属化合
    物及び(B)非配位性アニオンと周期律表第4族典型元
    素カチオンとのイオン性化合物からなる重合用触媒の存
    在下、(イ)オレフィンを重合させるか、又は(イ)オ
    レフィンと(ロ)芳香族ビニル化合物,ジエン化合物及
    びアセチレン類の中から選ばれた少なくとも一種とを重
    合させることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 (A)π配位子を1個もつ遷移金属化合
    物,(B)非配位性アニオンと周期律表第4族典型元素
    カチオンとのイオン性化合物及び(C)ルイス酸からな
    る重合用触媒の存在下、(イ)オレフィンを重合させる
    か、又は(イ)オレフィンと(ロ)芳香族ビニル化合
    物,ジエン化合物及びアセチレン類の中から選ばれた少
    なくとも一種とを重合させることを特徴とするオレフィ
    ン系重合体の製造方法。
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