JPH0718015A - 水添石油樹脂の製造方法 - Google Patents
水添石油樹脂の製造方法Info
- Publication number
- JPH0718015A JPH0718015A JP16445293A JP16445293A JPH0718015A JP H0718015 A JPH0718015 A JP H0718015A JP 16445293 A JP16445293 A JP 16445293A JP 16445293 A JP16445293 A JP 16445293A JP H0718015 A JPH0718015 A JP H0718015A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- petroleum resin
- softening point
- hydrogenation
- hydrogenated
- catalyst
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【構成】石油樹脂を水素化触媒存在下、温度 290〜320
℃,圧力 20 〜100 kg/cm 2 G にて、2 〜10時間水素化
して、軟化点がX-30 ℃以上、X-10 ℃以下、水添率が
50%以上の水添石油樹脂を製造すること、石油樹脂を水
素化触媒存在下、温度 270〜300 ℃,圧力 20 〜300 kg
/cm 2 G にて、1 〜10時間水素化して、軟化点がX-10
℃よりも高く、X+10 ℃以下、水添率が50%以上の水添
石油樹脂を製造すること、及び石油樹脂を水素化触媒存
在下、温度 200〜280 ℃,圧力 20〜300 kg/cm 2 G に
て、1 〜10時間水素化して、軟化点がX+10 ℃よりも高
く、X+20 ℃以下、水添率が50%以上の水添石油樹脂を
製造することを特徴とする方法。(原料石油樹脂軟化
点:X(℃)) 【効果】種々の軟化点を有する石油樹脂から高品質で任
意の軟化点,水添率の水添石油樹脂を効率的に製造する
ことができる。
℃,圧力 20 〜100 kg/cm 2 G にて、2 〜10時間水素化
して、軟化点がX-30 ℃以上、X-10 ℃以下、水添率が
50%以上の水添石油樹脂を製造すること、石油樹脂を水
素化触媒存在下、温度 270〜300 ℃,圧力 20 〜300 kg
/cm 2 G にて、1 〜10時間水素化して、軟化点がX-10
℃よりも高く、X+10 ℃以下、水添率が50%以上の水添
石油樹脂を製造すること、及び石油樹脂を水素化触媒存
在下、温度 200〜280 ℃,圧力 20〜300 kg/cm 2 G に
て、1 〜10時間水素化して、軟化点がX+10 ℃よりも高
く、X+20 ℃以下、水添率が50%以上の水添石油樹脂を
製造することを特徴とする方法。(原料石油樹脂軟化
点:X(℃)) 【効果】種々の軟化点を有する石油樹脂から高品質で任
意の軟化点,水添率の水添石油樹脂を効率的に製造する
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水添石油樹脂の製造方
法に関する。更に詳しくは、石油樹脂を限定された反応
条件下で水素化して、軟化点の制御された水添石油樹脂
を製造する方法に関する。
法に関する。更に詳しくは、石油樹脂を限定された反応
条件下で水素化して、軟化点の制御された水添石油樹脂
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油樹脂は、石油ナフサを熱分解又は触
媒を用いた接触分解により得られるC4 −C6 の脂肪族
オレフィンのスペント留分や、オレフィン性飽和結合を
有するC8 以上の芳香族炭化水素のスペント留分に含ま
れる1種以上の重合性物質をフリーデルクラフツ型触媒
や熱により、単独重合又は共重合して得られたC5 系,
C9 系及びC5 −C9 系共重合石油樹脂,そしてその
他、テルペン樹脂,天然ロジン等がある。
媒を用いた接触分解により得られるC4 −C6 の脂肪族
オレフィンのスペント留分や、オレフィン性飽和結合を
有するC8 以上の芳香族炭化水素のスペント留分に含ま
れる1種以上の重合性物質をフリーデルクラフツ型触媒
や熱により、単独重合又は共重合して得られたC5 系,
C9 系及びC5 −C9 系共重合石油樹脂,そしてその
他、テルペン樹脂,天然ロジン等がある。
【0003】これら石油樹脂は、粘着性,接着性,他の
樹脂との相溶性を有していることから、各種プラスチッ
クス,ゴム,油性物質に混溶され、塗料,印刷インキ,
接着剤,粘着剤,トラフィクペイント等の用途に用いら
れる。
樹脂との相溶性を有していることから、各種プラスチッ
クス,ゴム,油性物質に混溶され、塗料,印刷インキ,
接着剤,粘着剤,トラフィクペイント等の用途に用いら
れる。
【0004】しかしながら、石油樹脂は、一般に黄〜薄
茶色に着色している上に、独特の臭気を有し、又熱安定
性は低く、耐候性も低いといった課題を有する。
茶色に着色している上に、独特の臭気を有し、又熱安定
性は低く、耐候性も低いといった課題を有する。
【0005】この課題解決法として、石油樹脂を触媒の
存在下で水素添加する方法があり、この方法で得られる
樹脂が水添石油樹脂である。この水添石油樹脂は、通常
無色透明〜白色であり,臭気がなく,熱安定性,耐候性
にも優れた性質を有し、且つ接着性,粘着性も高い。更
に、各種プラスチックス,例えばゴム,ポリオレフィ
ン,及びエチレン一酢酸ビニル共重合体などにも優れた
相溶性を有す。したがって、食品分野,サニタリー分野
等の外,ホットメルト接着剤,印刷用途,各種プラスチ
ックス改質剤等の高品質が要求される分野に広く用いら
れる。
存在下で水素添加する方法があり、この方法で得られる
樹脂が水添石油樹脂である。この水添石油樹脂は、通常
無色透明〜白色であり,臭気がなく,熱安定性,耐候性
にも優れた性質を有し、且つ接着性,粘着性も高い。更
に、各種プラスチックス,例えばゴム,ポリオレフィ
ン,及びエチレン一酢酸ビニル共重合体などにも優れた
相溶性を有す。したがって、食品分野,サニタリー分野
等の外,ホットメルト接着剤,印刷用途,各種プラスチ
ックス改質剤等の高品質が要求される分野に広く用いら
れる。
【0006】また、水添石油樹脂は用途に応じて、特定
の軟化点,水添率を有するものが使用され、その要求グ
レードは益々多様化している。これまで、C9 系水添石
油樹脂の製造方法として、特開昭47-26492号公報、特開
昭57-212202 号公報、特公昭62-61201号公報、特公昭63
-35643号公報がある。しかしながら、物性上重要な水添
石油樹脂の軟化点をコントロールするための反応条件に
ついての記載はない。
の軟化点,水添率を有するものが使用され、その要求グ
レードは益々多様化している。これまで、C9 系水添石
油樹脂の製造方法として、特開昭47-26492号公報、特開
昭57-212202 号公報、特公昭62-61201号公報、特公昭63
-35643号公報がある。しかしながら、物性上重要な水添
石油樹脂の軟化点をコントロールするための反応条件に
ついての記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原料の石油
樹脂を限定された反応条件下(反応温度,反応圧力,反
応時間)で水素化し、所望の軟化点と水添率を有する高
品質の水添石油樹脂を経済的に効率良く製造する方法を
提供することにある。
樹脂を限定された反応条件下(反応温度,反応圧力,反
応時間)で水素化し、所望の軟化点と水添率を有する高
品質の水添石油樹脂を経済的に効率良く製造する方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水素化条
件と得られる水添石油樹脂の水添率,軟化点の関係につ
いて鋭意検討した。その結果、軟化点を支配する因子は
水添率と分子量であり、水素化反応においてこれらをコ
ントロールする因子は反応温度,反応圧力,反応時間で
あり、これら因子を厳密にコントロールすることによ
り、目的の水添率,軟化点を有する水添石油樹脂を自在
に製造できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
件と得られる水添石油樹脂の水添率,軟化点の関係につ
いて鋭意検討した。その結果、軟化点を支配する因子は
水添率と分子量であり、水素化反応においてこれらをコ
ントロールする因子は反応温度,反応圧力,反応時間で
あり、これら因子を厳密にコントロールすることによ
り、目的の水添率,軟化点を有する水添石油樹脂を自在
に製造できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、石油樹脂を水素化触媒存
在下、水素ガスにより水素化する方法に於いて、所望の
水添率と軟化点を有する水添石油樹脂を反応温度,反応
圧力,反応時間の各因子を任意に組み合わせて製造する
ことを特徴とする水添石油樹脂の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
在下、水素ガスにより水素化する方法に於いて、所望の
水添率と軟化点を有する水添石油樹脂を反応温度,反応
圧力,反応時間の各因子を任意に組み合わせて製造する
ことを特徴とする水添石油樹脂の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明における石油樹脂とは、石油ナフサ
の熱分解又は触媒を用いた接触分解により得られるスペ
ント留分で、重合性を有するスチレン,α−メチルスチ
レン,β−メチルスチレン,ビニルトルエン,インデ
ン,ジシクロペンタジエン,アルキルインデン,エチル
ベンゼン,トリメチルベンゼン,ナフタリン等を主とし
て含むC9 留分をフリーデツクラフツ型触媒又は熱によ
り重合して得られるC9系石油樹脂,イソプレン,ペン
テン,ペンタジエン,メチルプテン等を主成分とするC
5 留分を同様に重合して得られるC5 系石油樹脂,前記
C5 留分とC9 留分を共重合して得られるC5 −C9 系
石油樹脂,シクロペンタジエンを重合して得られるDC
PD系石油樹脂,シクロペンタジエンとスチレンを共重
合して得られるDCPD−St系石油樹脂,リモネン,
ピネン類を重合して得られるテルペン系石油樹脂,主と
してクマロンを重合して得られるクロマン系石油樹脂,
そして天然ロジン等であり、いずれも使用できる。
の熱分解又は触媒を用いた接触分解により得られるスペ
ント留分で、重合性を有するスチレン,α−メチルスチ
レン,β−メチルスチレン,ビニルトルエン,インデ
ン,ジシクロペンタジエン,アルキルインデン,エチル
ベンゼン,トリメチルベンゼン,ナフタリン等を主とし
て含むC9 留分をフリーデツクラフツ型触媒又は熱によ
り重合して得られるC9系石油樹脂,イソプレン,ペン
テン,ペンタジエン,メチルプテン等を主成分とするC
5 留分を同様に重合して得られるC5 系石油樹脂,前記
C5 留分とC9 留分を共重合して得られるC5 −C9 系
石油樹脂,シクロペンタジエンを重合して得られるDC
PD系石油樹脂,シクロペンタジエンとスチレンを共重
合して得られるDCPD−St系石油樹脂,リモネン,
ピネン類を重合して得られるテルペン系石油樹脂,主と
してクマロンを重合して得られるクロマン系石油樹脂,
そして天然ロジン等であり、いずれも使用できる。
【0011】中でも、C9 系石油樹脂又はC5 −C9 系
石油樹脂が資源的に豊富であり、価格も安価で、且つそ
れらの水添品は熱安定性が高く、接着力が大きいといっ
た特徴を有することから、好ましい石油樹脂である。更
には、軟化点100 〜150 ℃のC9 系石油樹脂が好まし
い。
石油樹脂が資源的に豊富であり、価格も安価で、且つそ
れらの水添品は熱安定性が高く、接着力が大きいといっ
た特徴を有することから、好ましい石油樹脂である。更
には、軟化点100 〜150 ℃のC9 系石油樹脂が好まし
い。
【0012】本発明に於ける水素化触媒としては、水素
化能力を有する触媒であればいずれも使用でき、特に限
定されない。例えば、第VIII 族金属、即ちニッケル,
パラジウム,白金,コバルト,ロジウム,ルテニウム等
の金属を単独あるいは第Ia,Ib,IVaの金属ある
いは酸化物の中から1種あるいは2種以上の組み合わせ
により成るものが利用でき、これらをアルミナ,シリ
カ,珪藻土,活性炭,チタニア等の担体に担持したもの
が用いられる。特に好ましくはニッケル金属を主成分と
し、助触媒成分としてMg,Ca,Ba,Srのアルカ
リ土類金属より選ばれた1種以上の酸化物,水酸化物,
炭酸塩を珪藻土担体に担持した水素化触媒である(特願
平3-156053号)。該触媒は、熱によるニッケル粒子のシ
ンタリングを抑制し、叉、通常石油樹脂に含有されるイ
オウ化合物による触媒被毒を抑制する。その結果、触媒
寿命は向上し繰り返し使用ができ、経済性は著しく向上
する。
化能力を有する触媒であればいずれも使用でき、特に限
定されない。例えば、第VIII 族金属、即ちニッケル,
パラジウム,白金,コバルト,ロジウム,ルテニウム等
の金属を単独あるいは第Ia,Ib,IVaの金属ある
いは酸化物の中から1種あるいは2種以上の組み合わせ
により成るものが利用でき、これらをアルミナ,シリ
カ,珪藻土,活性炭,チタニア等の担体に担持したもの
が用いられる。特に好ましくはニッケル金属を主成分と
し、助触媒成分としてMg,Ca,Ba,Srのアルカ
リ土類金属より選ばれた1種以上の酸化物,水酸化物,
炭酸塩を珪藻土担体に担持した水素化触媒である(特願
平3-156053号)。該触媒は、熱によるニッケル粒子のシ
ンタリングを抑制し、叉、通常石油樹脂に含有されるイ
オウ化合物による触媒被毒を抑制する。その結果、触媒
寿命は向上し繰り返し使用ができ、経済性は著しく向上
する。
【0013】本発明は、前記水素化触媒存在下、水素ガ
スで水素化するが、反応温度,反応圧力,反応時間の3
つの因子を組み合わせて軟化点,水添率のコントロール
することが本発明の骨子となる。
スで水素化するが、反応温度,反応圧力,反応時間の3
つの因子を組み合わせて軟化点,水添率のコントロール
することが本発明の骨子となる。
【0014】即ち、軟化点がX-30 ℃以上,X-10 ℃以
下(X:原料石油樹脂軟化点(℃)),水添率が50%以
上の水添石油樹脂を得る時は、反応温度 290〜320 ℃,
反応圧力 20 〜100 kg/cm 2 G ,反応時間 2〜10時間で
行い、軟化点がX-10 ℃以上,X+10 ℃以下,水添率 5
0 %以上のものを得る時は、反応温度 270〜300 ℃,反
応圧力 30 〜300 kg/cm 2 G ,反応時間 1〜10時間で行
い、軟化点がX+10 ℃以上,X+20 ℃以下,水添率が50
%のものを得る時は、反応温度 200〜280 ℃,反応圧力
20 〜300 kg/cm 2 G ,反応時間 1〜10時間で行う。上
記3つの因子を選択することにより、軟化点、選択率を
自在にコントロールでき、目的とする水添石油樹脂を得
ることができる。
下(X:原料石油樹脂軟化点(℃)),水添率が50%以
上の水添石油樹脂を得る時は、反応温度 290〜320 ℃,
反応圧力 20 〜100 kg/cm 2 G ,反応時間 2〜10時間で
行い、軟化点がX-10 ℃以上,X+10 ℃以下,水添率 5
0 %以上のものを得る時は、反応温度 270〜300 ℃,反
応圧力 30 〜300 kg/cm 2 G ,反応時間 1〜10時間で行
い、軟化点がX+10 ℃以上,X+20 ℃以下,水添率が50
%のものを得る時は、反応温度 200〜280 ℃,反応圧力
20 〜300 kg/cm 2 G ,反応時間 1〜10時間で行う。上
記3つの因子を選択することにより、軟化点、選択率を
自在にコントロールでき、目的とする水添石油樹脂を得
ることができる。
【0015】軟化点がX-30 ℃以上,X-10 ℃以下のも
のを得る時は,反応温度は290 〜320 ℃が好ましい。32
0 ℃を越える温度で行うと、得られる水添石油樹脂の軟
化点がX-30 ℃より低くなり、又、熱安定性が著しく劣
るものとなる。反応圧力は20〜100 kg/cm 2 G が好まし
い。100 kg/cm 2 G を越える圧力では、軟化点がX-10
℃を越えるものとなり、20kg/cm 2 G 未満では、反応時
間が長時間となり好ましくない。
のを得る時は,反応温度は290 〜320 ℃が好ましい。32
0 ℃を越える温度で行うと、得られる水添石油樹脂の軟
化点がX-30 ℃より低くなり、又、熱安定性が著しく劣
るものとなる。反応圧力は20〜100 kg/cm 2 G が好まし
い。100 kg/cm 2 G を越える圧力では、軟化点がX-10
℃を越えるものとなり、20kg/cm 2 G 未満では、反応時
間が長時間となり好ましくない。
【0016】軟化点がX-10 ℃以上,X+10 ℃以下のも
のを得る時は、反応温度は 270〜300 ℃が好ましい。30
0 ℃を越える温度では軟化点がX-10 ℃より低くなり、
270℃未満の温度では軟化点がX+10 ℃を越える。反応
圧力は30〜300 kg/cm 2 G が好ましい。300 kg/cm 2 G
を越える圧力では設備が高価となり、30kg/cm 2 G 未満
では反応時間が長時間となる。
のを得る時は、反応温度は 270〜300 ℃が好ましい。30
0 ℃を越える温度では軟化点がX-10 ℃より低くなり、
270℃未満の温度では軟化点がX+10 ℃を越える。反応
圧力は30〜300 kg/cm 2 G が好ましい。300 kg/cm 2 G
を越える圧力では設備が高価となり、30kg/cm 2 G 未満
では反応時間が長時間となる。
【0017】軟化点がX+10 ℃以上,X+20 ℃以下のも
のを得る時は、反応温度は 200〜280 ℃が好ましい。28
0 ℃を越える温度では軟化点がX+10 ℃より低くなり、
200℃未満では反応時間が長時間となる。反応圧力は20
〜300 kg/cm 2 G が好ましい。300 kg/cm 2 G を越える
圧力では設備が高価となり、20kg/cm 2 G 未満では反応
時間が長時間となる。
のを得る時は、反応温度は 200〜280 ℃が好ましい。28
0 ℃を越える温度では軟化点がX+10 ℃より低くなり、
200℃未満では反応時間が長時間となる。反応圧力は20
〜300 kg/cm 2 G が好ましい。300 kg/cm 2 G を越える
圧力では設備が高価となり、20kg/cm 2 G 未満では反応
時間が長時間となる。
【0018】触媒添加量は、触媒の種類,活性により異
なる。例えば、Ni珪藻土(Ni:50%)触媒では、軟化点
がX-30 ℃以上,X-10 ℃以下の水添石油樹脂を得る時
の触媒添加量は0.5 〜2wt %が好ましく、軟化点がX-1
0 ℃以上,X+10 ℃以下の水添石油樹脂を得る時の触媒
添加量は 2〜4wt %が好ましく、軟化点がX+10 ℃以
上,X+20 ℃以下の水添石油樹脂を得る時の触媒添加量
は1 〜10wt%が好ましい。
なる。例えば、Ni珪藻土(Ni:50%)触媒では、軟化点
がX-30 ℃以上,X-10 ℃以下の水添石油樹脂を得る時
の触媒添加量は0.5 〜2wt %が好ましく、軟化点がX-1
0 ℃以上,X+10 ℃以下の水添石油樹脂を得る時の触媒
添加量は 2〜4wt %が好ましく、軟化点がX+10 ℃以
上,X+20 ℃以下の水添石油樹脂を得る時の触媒添加量
は1 〜10wt%が好ましい。
【0019】反応形式は、回分式,半回分式,懸濁床連
続式いずれでもよい。
続式いずれでもよい。
【0020】本発明に使用する溶剤としては、飽和鎖状
炭化水素として、n−ノナン,2−メチル−ノナン,3
−メチル−ノナン,4−メチル−ノナン,n−デカン,
イソ−デカン,2−メチルデカン,3−メチルデカン,
4−メチルデカン,n−ウンデカン,2−メチルウンデ
カン,3−メチルウンデカン,4−メチルウンデカン,
n−ドデカン,イソ−ドデカン,2−メチルドデカン,
3−メチルドデカン,4−メチルドデカン,5−メチル
ドデカン,2, 3−ジメチルドデカン,2, 3, 4−ト
リメチルドデカン,2, 3, 4, 5−テトラメチルドデ
カン,n−トリデカン,メチルトリデカン,ジメチルト
リデカン,トリメチルトリデカン,n−テトラデカン,
メチルテトラデカン,ジメチルテトラデカン,トリメチ
ルテトラデカン,ペンタデカン,アルキルペンタデカ
ン,ヘキサデカン,アルキルヘキサデカン,ヘプタデカ
ン,アルキルヘプタデカン,オクタデカン,アルキルオ
クタデカン,ノナデカン,アルキルノナデカン,エイコ
サン,アルキルエイコサン等を挙げることができる。
炭化水素として、n−ノナン,2−メチル−ノナン,3
−メチル−ノナン,4−メチル−ノナン,n−デカン,
イソ−デカン,2−メチルデカン,3−メチルデカン,
4−メチルデカン,n−ウンデカン,2−メチルウンデ
カン,3−メチルウンデカン,4−メチルウンデカン,
n−ドデカン,イソ−ドデカン,2−メチルドデカン,
3−メチルドデカン,4−メチルドデカン,5−メチル
ドデカン,2, 3−ジメチルドデカン,2, 3, 4−ト
リメチルドデカン,2, 3, 4, 5−テトラメチルドデ
カン,n−トリデカン,メチルトリデカン,ジメチルト
リデカン,トリメチルトリデカン,n−テトラデカン,
メチルテトラデカン,ジメチルテトラデカン,トリメチ
ルテトラデカン,ペンタデカン,アルキルペンタデカ
ン,ヘキサデカン,アルキルヘキサデカン,ヘプタデカ
ン,アルキルヘプタデカン,オクタデカン,アルキルオ
クタデカン,ノナデカン,アルキルノナデカン,エイコ
サン,アルキルエイコサン等を挙げることができる。
【0021】飽和環状炭化水素として、トリメチルシク
ロヘキサン,テトラメチルシクロヘキサン,メチルエチ
ルシクロヘキサン,ビシクロヘキサン,メチルビシクロ
ヘキサン,ジエチルビシクロヘキサン等を挙げることが
できる。
ロヘキサン,テトラメチルシクロヘキサン,メチルエチ
ルシクロヘキサン,ビシクロヘキサン,メチルビシクロ
ヘキサン,ジエチルビシクロヘキサン等を挙げることが
できる。
【0022】芳香族炭化水素として、ジエチルベンゼ
ン,トリメチルベンゼン,テトラメチルベンゼン,メチ
ルエチルベンゼン,イソプロピルベンゼン,P−シメ
ン,アミルベンゼン,ナフタリン,アルキルナフタリ
ン,シクロヘキシベンゼン,アルキルシクロヘキシルベ
ンゼン,フルオレン,アルキルフルオレン等を挙げるこ
とができる。
ン,トリメチルベンゼン,テトラメチルベンゼン,メチ
ルエチルベンゼン,イソプロピルベンゼン,P−シメ
ン,アミルベンゼン,ナフタリン,アルキルナフタリ
ン,シクロヘキシベンゼン,アルキルシクロヘキシルベ
ンゼン,フルオレン,アルキルフルオレン等を挙げるこ
とができる。
【0023】これらは、1種あるいは2種以上の混合物
でも良い。
でも良い。
【0024】溶剤添加量は、石油樹脂100 重量部に対し
て10〜150 重量部が好ましい。更に好ましくは20〜100
重量部である。
て10〜150 重量部が好ましい。更に好ましくは20〜100
重量部である。
【0025】水素化処理後、通常の操作、即ち濾過,蒸
留などにより触媒,低沸分,溶剤を除去する。
留などにより触媒,低沸分,溶剤を除去する。
【0026】このようにして水添石油樹脂が得られる。
【0027】本発明で得られる水添石油樹脂は、無色透
明であり、耐熱性,耐候性に優れ、且つ粘着性,接着性
が大きく、粘着剤,接着剤として、又 ゴム,インキ等
の添加剤として有用、且つ有効に使用できる価値の高い
ものである。
明であり、耐熱性,耐候性に優れ、且つ粘着性,接着性
が大きく、粘着剤,接着剤として、又 ゴム,インキ等
の添加剤として有用、且つ有効に使用できる価値の高い
ものである。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものでは
ない。
体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものでは
ない。
【0029】実施例1 電磁撹拌機及び加熱器を備えた内容積300ml のステンレ
ス製耐圧容器に、市販のC9 系石油樹脂(東ソー株式会
社製,ペトコール120ARK,軟化点120 ℃,イオウ含有12
0ppm,ガードナー色数12)70g ,水素化触媒としてNi/
珪藻土触媒〔N社製,Ni(50wt%含有) 〕0.7g,溶剤とし
て市販パラフィン系炭化水素(I社製,bp:160 〜200
℃)21g を仕込み、窒素ガス次に水素ガスで置換後、水
素加圧した。次に、撹拌,加熱し、温度 290℃で 8時間
保持した。この間、圧力は50kg/cm 2 G に維持した。そ
の後、放冷し、反応生成物を取り出し、加圧濾過器を用
い、触媒と反応生成物を分離した。次に、反応生成物
は、オイルバスにて加熱しつつ、N2 ガスを通じ溶剤を
除去し、水添石油樹脂を得た。
ス製耐圧容器に、市販のC9 系石油樹脂(東ソー株式会
社製,ペトコール120ARK,軟化点120 ℃,イオウ含有12
0ppm,ガードナー色数12)70g ,水素化触媒としてNi/
珪藻土触媒〔N社製,Ni(50wt%含有) 〕0.7g,溶剤とし
て市販パラフィン系炭化水素(I社製,bp:160 〜200
℃)21g を仕込み、窒素ガス次に水素ガスで置換後、水
素加圧した。次に、撹拌,加熱し、温度 290℃で 8時間
保持した。この間、圧力は50kg/cm 2 G に維持した。そ
の後、放冷し、反応生成物を取り出し、加圧濾過器を用
い、触媒と反応生成物を分離した。次に、反応生成物
は、オイルバスにて加熱しつつ、N2 ガスを通じ溶剤を
除去し、水添石油樹脂を得た。
【0030】水添石油樹脂を分析したところ、軟化点は
99℃,水添率は87.1%で、無色透明,無臭であった。
99℃,水添率は87.1%で、無色透明,無臭であった。
【0031】実施例2 反応圧力を100 kg/cm 2 G とした以外は実施例1と同様
に行い、軟化点101 ℃,水添率96.8%,無色透明,無臭
の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
に行い、軟化点101 ℃,水添率96.8%,無色透明,無臭
の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0032】実施例3 触媒添加量を2.1g,反応時間を 4時間とした以外は実施
例1と同様に行い、軟化点118 ℃,水添率97.7%,無色
透明,無臭の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
例1と同様に行い、軟化点118 ℃,水添率97.7%,無色
透明,無臭の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0033】実施例4 反応温度を250 ℃,触媒添加量を3.5gとした以外は実施
例1と同様に行い、軟化点133 ℃,水添率97.2%,無色
透明,無臭の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
例1と同様に行い、軟化点133 ℃,水添率97.2%,無色
透明,無臭の水添石油樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、種々の軟化点を有する
石油樹脂から高品質で任意の軟化点,水添率の水添石油
樹脂を効率的に製造することができる。
石油樹脂から高品質で任意の軟化点,水添率の水添石油
樹脂を効率的に製造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】石油樹脂を水素化触媒存在下、温度 290〜
320 ℃,圧力 20 〜100 kg/cm 2 G にて、2 〜10時間水
素化して、軟化点がX-30 ℃以上、X-10 ℃以下、水添
率が50%以上の水添石油樹脂を製造することを特徴とす
る方法。 原料石油樹脂軟化点:X(℃) - 【請求項2】石油樹脂を水素化触媒存在下、温度 270〜
300 ℃,圧力 20 〜300 kg/cm 2 G にて、1 〜10時間水
素化して、軟化点がX-10 ℃よりも高く、X+10 ℃以
下、水添率が50%以上の水添石油樹脂を製造することを
特徴とする方法。 原料石油樹脂軟化点:X(℃) - 【請求項3】石油樹脂を水素化触媒存在下、温度 200〜
280 ℃,圧力 20 〜300 kg/cm 2 G にて、1 〜10時間水
素化して、軟化点がX+10 ℃よりも高く、X+20 ℃以
下、水添率が50%以上の水添石油樹脂を製造することを
特徴とする方法。 原料樹脂軟化点:X℃ - 【請求項4】水素化触媒が、Ni金属を主成分とする Ni
系触媒である請求項1から3いずれか記載の方法。 - 【請求項5】石油樹脂の水素化を石油樹脂100 重量部に
対し、常圧での沸点が実質的に 140〜280 ℃の飽和炭化
水素、飽和環状炭化水素、芳香族炭化水素より選ばれた
1種以上の溶剤10重量部以上を混合して行う、請求項
1,2のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】石油樹脂が、軟化点 70 〜150 ℃を有する
C5 −C9 系又はC9系石油樹脂である請求項1から5
いずれか記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16445293A JP3316942B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 水添石油樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16445293A JP3316942B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 水添石油樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718015A true JPH0718015A (ja) | 1995-01-20 |
JP3316942B2 JP3316942B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=15793448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16445293A Expired - Fee Related JP3316942B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | 水添石油樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3316942B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002275212A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-25 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 水素化石油樹脂の製造方法および当該製造方法に用いる水素化触媒 |
JP2018131515A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 東ソー株式会社 | 水添スチレン系共重合樹脂 |
JP2018131516A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 東ソー株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
WO2018180462A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2018-10-04 | 日本ゼオン株式会社 | 変性炭化水素樹脂 |
-
1993
- 1993-07-02 JP JP16445293A patent/JP3316942B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
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JP2018131515A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 東ソー株式会社 | 水添スチレン系共重合樹脂 |
JP2018131516A (ja) * | 2017-02-14 | 2018-08-23 | 東ソー株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
WO2018180462A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2018-10-04 | 日本ゼオン株式会社 | 変性炭化水素樹脂 |
JPWO2018180462A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2020-02-06 | 日本ゼオン株式会社 | 変性炭化水素樹脂 |
TWI743332B (zh) * | 2017-03-30 | 2021-10-21 | 日商日本瑞翁股份有限公司 | 改質烴樹脂 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3316942B2 (ja) | 2002-08-19 |
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