JP3289310B2 - 水添石油樹脂の製造方法 - Google Patents

水添石油樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP3289310B2
JP3289310B2 JP11231592A JP11231592A JP3289310B2 JP 3289310 B2 JP3289310 B2 JP 3289310B2 JP 11231592 A JP11231592 A JP 11231592A JP 11231592 A JP11231592 A JP 11231592A JP 3289310 B2 JP3289310 B2 JP 3289310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
petroleum resin
catalyst
hydrogenation
solvent
hydrogenated petroleum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11231592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05287012A (ja
Inventor
計治 御手洗
康一 川島
英治 岡成
貞勝 雲井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14583598&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3289310(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP11231592A priority Critical patent/JP3289310B2/ja
Publication of JPH05287012A publication Critical patent/JPH05287012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289310B2 publication Critical patent/JP3289310B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/04Reduction, e.g. hydrogenation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水添石油樹脂の製造方法
に関する。更に詳しくは、芳香族及び/又はオレフィン
性不飽和結合を有する石油樹脂を限定された溶媒と混合
し、触媒存在下,加圧下で水素化する、易操作性,高経
済性,高品質水添石油樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油樹脂は、石油ナフサを熱分解又は触
媒を用いた接触分解により得られるC4 −C6 の脂肪族
オレフィンのスペント留分や、オレフィン性不飽和結合
を有するC8 以上の芳香族炭化水素のスペント留分に含
まれるー種以上の重合性物質をフリーデルクラフツ型触
媒や熱により、単独重合又は共重合して得られたC5
系,C9 系及びC5 −C9 系共重合石油樹脂,そしてそ
の他、テルペン樹脂,天然ロジン等がある。
【0003】これら石油樹脂は、粘着性,接着性,他の
樹脂との相溶性を有していることから、各種プラスチッ
クス,ゴム,油性物質に混溶され,塗料,印刷インキ,
接着剤,粘着剤,トラフィクペイント等の用途に用いら
れる。
【0004】しかしながら、石油樹脂は、ー般に黄〜薄
茶色に着色している上に、独特の臭気を有し、又熱安定
性は低く、耐候性も低いといった課題を有する。
【0005】この課題の解決法として、石油樹脂を触媒
の存在下で水素添加する方法があり、この方法で得られ
る樹脂が水添石油樹脂である。この水添石油樹脂は、通
常無色透明〜白色であり,臭気がなく,熱安定性,耐候
性にも優れた性質を有し、且つ接着性,粘着性もも高
い。更に、各種プラスチックス,例えばゴム,ポリオレ
フィン,及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などにも優
れた相溶性を有する。したがって、食品分野,サニタリ
−分野等の外,ホットメルト接着剤,印刷用途,各種プ
ラスチックス改質剤等の高品質が要求される分野に広く
用いられる。
【0006】ところで、石油樹脂の水素添加反応は、そ
のモノマ−の水素添加反応に比べてはるかに困難であ
り、水素添加の実施には、過酷な反応条件が必要とな
る。とりわけ、芳香核を含むC9 系石油樹脂の水素添加
はC5 系石油樹脂のそれに比較して、よりー層過酷な条
件が必要となる。例えば、特公昭49−32438号、
コラム2の2〜4行には、Ni−珪藻土触媒を用いたC
9 系石油樹脂の製造で、触媒濃度10重量%の存在下、
反応温度300℃,水素圧200Kg/cm2 ,反応時
間6時間以上という、厳しい条件での水素添加が記載さ
れている。こういった条件では、高価な触媒の劣化が極
めて大きく、又触媒設備も大がかりなものになる。又、
石油樹脂の分解も大きく、品質が不安定になる。
【0007】ー方、石油樹脂の水素添加を、シクロヘキ
サン,ヘプタン,ヘキサン等の飽和炭化水素を希釈溶媒
として行う方法がある(例えば,特開昭57−2122
02号公報)。しかしながら,これら溶媒を用いても、
温和な条件下での効率的,効果的水素添加は難しい。
【0008】又、特開平2−215802号公報には、
溶媒としてメチルシクロヘキサン及び/又はエチルシク
ロヘキサンを用いることが提案されている。この方法
は、確かに前述の溶媒と比べ水素添加は容易である。し
かしながら、それでも水素添加効率は満足のいくもので
はなく、更に溶媒が一般的でなく高価であること等の問
題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この様に、水添石油樹
脂の物性は優れ、その特徴から幅広い利用分野を有して
いるにも拘らず、その製造方法は満足できるものではな
く、過酷な条件が強いられている。本発明は、かかる製
造上の課題を解消し、品質の優れた水添石油樹脂を経済
的に,効率的に製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、温和な条
件でも石油樹脂の水素添加が容易に効率よく達成でき、
且つ高品質の水添石油樹脂が得られる製造方法につい
て、鋭意検討した。その結果、限定された溶剤の存在下
で、水素化触媒を用い、加圧下で石油樹脂を水素添加す
ることで、前記目的を達成できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、石油樹脂と、石油樹脂1
00重量部に対し、常圧での沸点が実質的に140〜2
80℃の飽和鎖状炭化水素,飽和環状炭化水素,芳香族
炭化水素より選ばれた1種以上の溶剤10重量部以上を
混合し、水素化触媒存在下にて、加圧下で水素添加する
ことを特徴とする水添石油樹脂の製造方法である。
【0012】本発明における石油樹脂とは、石油ナフサ
の熱分解又は触媒を用いた接触分解により得られるスペ
ント留分で、重合性を有するスチレン,α−メチルスチ
レン,β−メチルスチレン,ビニルトルエン,インデ
ン、ジシクロペンタジエン,アルキルインデン、エチル
ベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタリン等を主とし
て含むC9 留分をフリーデルクラフツ型触媒又は熱によ
り重合して得られるC9系石油樹脂,イソプレン,ペン
テン,ペンタジエン,メチルブテン等を主成分とするC
5 留分を同様に重合して得られるC5 系石油樹脂,前記
C5 留分とC9 留分を共重合して得られるC5 −C9 系
石油樹脂,シクロペンタジエンを重合して得られるDC
PD系石油樹脂,シクロペンタジエンとスチレンを共重
合して得られるDCPD−St系石油樹脂,リモネン,
ピネン類を重合して得られるテルペン系石油樹脂,主と
してクマロンを重合して得られるクマロン系石油樹脂,
そして天然ロジン等であり、いずれも使用できる。
【0013】しかしながら、本発明をより効果的,効率
的に行う為には、C9 系石油樹脂又はC5 −C9 系石油
樹脂が好ましく、従来困難であった温和な条件での高水
添率の達成を容易に実施できる。又、得られる水添石油
樹脂の品質は高く、前述した多くの重要な用途に好適に
使用できる。
【0014】更に好ましくは、前記スペント留分で、常
圧での沸点が実質的に140〜280℃であるC9 留分
を重合して得られるC9 石油樹脂,又は該C9 留分とC
5 留分(好ましくは常圧での沸点が15〜70℃)をを
共重合して得られるC5 −C9 系石油樹脂である。この
場合、効果,効率は更に高くなり、より高品質の水添石
油樹脂を得ることができる。ここで実質的にとは、石油
樹脂を構成する成分の殆どが前記沸点範囲であること、
より具体的には通常80%以上であることをいう。
【0015】次に本発明は、石油樹脂100重量部に対
して常圧での沸点が実質的に140〜280℃の飽和炭
化水素,飽和環状炭化水素,芳香族炭化水素より選ばれ
た1種以上の溶剤10重量部以上を石油樹脂と混合する
ことを必須とする。ここが本発明の骨子となる。
【0016】本発明者らは、より温和な条件で、より高
品質の水添石油樹脂が得られる製造方法について永年研
究した結果、前記溶剤及びその使用量を見いだし、効果
的,効率的に石油樹脂を水添できること、その後の触媒
分離、製品である水添石油樹脂との分離も容易に達成で
き、高品質の水添石油樹脂が得られることを見いだし
た。
【0017】具体的溶剤としては、飽和鎖状炭化水素と
して、n−ノナン,2−メチル−ノナン,3−メチル−
ノナン,4−メチル−ノナン,n−デカン,イソ−デカ
ン,2−メチルデカン、3−メチルデカン,4−メチル
デカン,n−ウンデカン,2−メチルウンデカン,3−
メチルウンデカン,4−メチルウンデカン,n−ドデカ
ン,イソ−ドデカン,2−メチルドデカン,3−メチル
ドデカン,4−メチルドデカン,5−メチルドデカン,
2,3−ジメチルドデカン,2,3,4−トリメチルド
デカン,2,3,4,5−テトラメチルドデカン,n−
トリデカン,メチルトリデカン,ジメチルトリデカン,
トリメチルトリデカン,n−テトラデカン,メチルテト
ラデカン,ジメチルテトラデカン,トリメチルテトラデ
カン,ペンタデカン,アルキルペンタデカン,ヘキサデ
カン,アルキルヘキサデカン,ヘプタデカン,アルキル
ヘプタデカン,オクタデカン,アルキオクタデカン,ア
ルキルオクタデカン,ノナデカン,アルキルノナデカ
ン,エイコサン,アルキルエイコサン,等を挙げること
ができる。飽和環状炭化水素として、トリメチルシクロ
ヘキサン,テトラメチルシクロヘキサン,メチルエチル
シクロヘキサン,ビシクロヘキサン,メチルビシクロヘ
キサン,ジメチルビシクロヘキサン,エチルビシクロヘ
キサン,メチルエチルビシクロヘキサン,ジエチルビシ
クロヘキサン等を挙げることができる。芳香族炭化水素
として,ジエチルベンゼン,トリメチルベンゼン,テト
ラメチルベンゼン,メチルエチルベンゼン,イソプロピ
ルベンゼン,P−シメン,アミルベンゼン,ナフタリ
ン,アルキルナフタリン,シクロヘキシルベンゼン,ア
ルキルシクロヘキシルベンゼン,フルオレン,アルキル
フルオレン等を挙げることができる。これらは、1種あ
るいは2種以上の混合物でも良い。
【0018】常圧での沸点が140℃未満の溶剤は本発
明に含まれない。沸点の低い溶剤は水素添加時の圧力が
増し、高圧操作が必要となり、設備が複雑で高価なもの
となる。又、常圧での沸点が280℃を越える溶剤も本
発明には含まれない。沸点の高い溶剤は、圧力的には良
いが、第ーの目的である水素添加速度が小さくなり、効
率が低下する。又、製品である水添石油樹脂との分離も
難しくなる。
【0019】常圧での沸点が実質的に140〜280℃
の飽和鎖状炭化水素,飽和環状炭化水素,芳香族炭化水
素を石油樹脂100重量部に対して、10重量部以上用
いることにより、初めて本発明を達成できる。即ち、温
和な条件でも水素添加速度を大きくでき、設備の簡略
化,操作の容易さ,生産性の向上が達成できる。更に、
溶剤及び石油樹脂(水添石油樹脂を含む)の分解も殆ど
なく、高品質の水添石油樹脂が得られ、後の触媒との分
離も容易であり、又溶剤と水添石油樹脂との分離も容易
となる。又、分離後の溶剤は再使用でき、経済的であ
る。更に、原理は明かではないが,触媒の寿命が向上す
ることも1つの特徴である。
【0020】本発明で,常圧での沸点が実質的に140
〜280℃である意味は,多くの場合,使用する溶剤が
単ー化合物ではなく混合系となるからである。この場
合,比率的には小さいが、前記沸点範囲をはずれる場合
がある。その場合に於いても、比率的に少なければ本発
明の目的を十分達成できる。又、水素添加時,量的には
極めて少ないが石油樹脂のー部分子が切れて溶剤の沸点
範囲となることがある。その場合、その物質は溶剤とし
てそのまま使用できるので経済的である。
【0021】より温和な条件で水素添加速度を大きくで
きること、溶剤の変質が小さいこと、後工程の触媒との
分離、水添石油樹脂との分離が容易であること、高品質
の石油樹脂が高収率で容易に得られこと、溶剤の再使用
が容易であり,再使用比率が高いこと、溶剤が安価で容
易に入手できること等により好ましい溶剤は、飽和鎖状
炭化水素である。更に好ましくは、複数の化合物より成
る飽和鎖状炭化水素である。これらは、前記効果をより
大きくできる。ー方、芳香族炭化水素は、水添率が低く
てよい場合(部分水添石油樹脂)は好都合であるが、水
添率を高くする必要がある場合、溶剤も水添を受けー部
飽和環状炭化水素となる。しかしながら、この場合生成
する飽和環状炭化水素が本発明の範囲であれば、本発明
でいう溶剤としての作用及び効果を示すので、そのまま
使用しても構わない。
【0022】又、本発明では石油樹脂100重量部に対
して溶剤10重量部以上使用する。本発明者等の詳細な
検討の結果、驚くべき事実を見いだした。即ち、本発明
で示す10重量部以上で石油樹脂と溶剤の粘度は急激に
低下し、水素添加速度が顕著に向上した。通常これら
は、単独での値に対して、混合比率に比例して変化する
ものである。そして、この範囲で前述の多くの特徴が発
現した。好ましい範囲は、10〜150重量部であり、
更に好ましくは,20〜100重量部である。好ましい
範囲で効果はより大きくなる。溶剤使用量が大きくなる
と、生産効率が減少したり,溶剤の分離,回収装置が大
きくなり,又エネルギーを多く必要とする。
【0023】本発明に於ける水素化触媒としては、水素
化能力を有する触媒であればいずれも使用でき、特に限
定されない。例えば、第VIII族金属、即ちニッケ
ル,パラジウム,白金,コバルト,ロジウム,ルテニウ
ム等の金属を単独あるいは第Ia,IIa,Ib,IV
aの金属あるいは酸化物の中から1種あるいは2種以上
の組合わせより成るものが利用でき、これらをアルミ
ナ,シリカ,珪藻土,活性炭,チタニア等の担体に担持
したものが用いられる。特に好ましくはニッケル金属を
主成分とし、助触媒成分としてMg,Ca,Ba,Sr
のアルカリ土類金属より選ばれた1種以上の酸化物,水
酸化物,炭酸塩を珪藻土担体に担持した水素化触媒であ
る(特願平3−156053号)。該触媒は、熱による
ニッケル粒子のシンタリングを抑制し、又、通常石油樹
脂に含有されるイオウ化合物による触媒被毒を抑制す
る。その結果、触媒寿命は向上し繰り返し使用ができ、
経済性は著しく向上する。
【0024】又、アルカリ土類金属の代わりにCu金属
を助触媒としても同様の効果を発現するので好ましい。
【0025】水素化触媒の使用量は、特に限定しない。
それは触媒の比表面積,金属量及びその分散度,助触媒
の種類と含量,水添率,石油樹脂の種類,そのイオウ化
合物含量,水添条件等が大きく異なるからである。しか
しながら、通常石油樹脂100重量部に対して0.1〜
30重量部であり、適宜決定する。
【0026】又、触媒の形状についても制限はなく、粉
末,ペレットいずれも使用できる。
【0027】水素化反応条件としては、石油樹脂の種
類,イオウ化合物含有量,水素化触媒の種類,量あるい
は目的とする水添石油樹脂の性状に応じて決めるべきで
あるが、ー般的には反応温度150〜320℃,反応圧
力30〜300Kg/cm2 ,反応時間1〜10時間で
ある。
【0028】水素化反応終了後,通常は濾過による触媒
分離、そして通常蒸留により溶剤を分離することによ
り,目的とする水素化石油樹脂を得ることができる。触
媒分離時、同ー溶剤で触媒を洗浄してもよい。又、回収
溶剤は再使用が容易である。
【0029】水素化反応の形式は,特に限定されず通常
の方法で行われる。例えば,回分式の懸濁床方式,流通
式の固定床方式,流通式の懸濁気泡塔方式等いずれも実
施できる。
【0030】又、得られた水添石油樹脂は、ビーズ状に
造粒すると取扱性が向上する。
【0031】本発明で得られる水添石油樹脂は、無色透
明で無臭であり,耐熱性,耐候性に優れ,且つ粘着性,
接着性が大きく,粘着剤,接着剤として,又ゴム,塗
料,インキ等の添加剤として有用,且つ有効にできる価
値の高いものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものでは
ない。なお、以下の実施例において使用した、Ni/珪
藻土触媒〔N社製,Ni(50wt%含有)〕は日揮化
学株式会社製 N103安定化ニッケル触媒であり、市
販パラフィン系炭化水素(I社製,bp:160〜20
0℃)は出光石油化学株式会社製 IPソルベント16
20であり、市販パラフィン系炭化水素(E社製,沸点
150〜175℃)はエクソンモービル化学製 アイソ
パーGである。
【0033】実施例1 電磁攪拌機及び加熱器を備えた内容積300mlのステ
ンレス製耐圧容器に、市販のC9 系石油樹脂(東ソー株
式会社製,ペトコール120ARK,軟化点120℃,
イオウ含量120ppm,ガードナー色数12)70
g,水素化触媒としてNi/珪藻土触媒〔N社製,Ni
(50wt%含有〕0.7g,溶剤として市販パラフィ
ン系炭化水素(I社製,bp:160〜200℃)21
gを仕込み、窒素ガス次に水素ガスで置換後、水素加圧
した。次に、攪拌,加熱し,温度250℃で5時間保持
した。この間圧力は100Kg/cm2 .Gに維持し
た。その後、放冷し,反応生成物を取り出し,加圧濾過
器を用い,触媒と反応生成物を分離した。次に、反応生
成物は、オイルバスにて加熱しつつ,N2 ガスを通じ溶
剤を除去し,水添石油樹脂を得た。水添石油樹脂を分析
したところ、水添率は88.1%で,色相はAPHA2
0以下であり,無色透明であった。又、臭いは全くなか
った。結果を表1に示す。
【0034】実施例2 溶剤添加量を70gとした以外は全て実施例1と同様に
行い、水添石油樹脂を得た。得られた水添石油樹脂の水
添率は89.4%,色相はAPHA20以下,無色透
明,無臭であった。結果を表1に示す。
【0035】実施例3 溶剤として市販パラフィン系炭化水素(E社製,沸点1
50〜175℃)を使用した以外は,全て実施例1と同
様に行い、水添石油樹脂を得た。得られた水添石油樹脂
の水添率は86.4%,色相はAPHA20以下,無色
透明,無臭であった。結果を表1に示す。
【0036】実施例4−1 水素化触媒としてNi/Mg/珪藻土触媒(特願平3−
156053)を使用した以外は全て実施例1と同様に
行い、水添石油樹脂を得た。得られた水添石油樹脂の水
添率は91.2%と高く、色相はAPHA20以下,無
色透明,無臭であった。結果を表1に示す。
【0037】実施例4−2 実施例4−1で使用した触媒を回収して使用した以外は
全て実施例4−1と同様に行い,水添石油樹脂を得た。
得られた水添石油樹脂の水添率は89.2%,色相はA
PHA20以下,無色透明,無臭であった。結果を表1
に示す。
【0038】実施例5 水素化触媒としてNi/珪藻土触媒を2.1g使用した
以外は、全て実施例1と同様に行い、水添石油樹脂を得
た。得られた水添石油樹脂の水添率は、98.3%と極
めて高く、色相はAPHA20以下,無色透明,無臭で
あった。結果を表1に示す。
【0039】実施例6 石油樹脂としてペトロタック90(東ソー社製,軟化点
90℃,イオウ含量100ppm)を使用した以外は全
て実施例1と同様に行い、水添石油樹脂を得た。得られ
た水添石油樹脂の水添率は91.8%と高く、色相はA
PHA20以下,無色透明,無臭であった。結果を表1
に示す。
【0040】比較例.1 溶剤を使用しないで反応を行った以外は、全て実施例1
と同様に行い、水添石油樹脂を得た。得られた水添石油
樹脂の水添率は75.5%,色相はAPHA20であっ
た。結果を表1に示す。
【0041】比較例2−1 反応圧力を200Kg/cm・Gで行った以外は、全
て比較例1と同様に行い、水添石油樹脂を得た。得られ
た水添石油樹脂の水添率は88.4%,色相はAPHA
20以下であった。結果を表1に示す。
【0042】比較例2−2 比較例2−1で分離回収した触媒を全量(若干の水添石
油樹脂付着のまま)用い、比較例2−1と同様に行っ
た。得られた水添石油樹脂の水添率は70.2%,色相
はAPHA20であった。結果を表1に示す。
【0043】比較例3 反応温度を290℃で行った以外は、全て比較例1と同
様に行い、水添石油樹脂を得た。得られた水添石油樹脂
の水添率は88.4%,色相はAPHA20以下であっ
た。結果を表1に示す。又、得られた水添石油樹脂を液
体クロマトグラフィーにて分析したところ、水素添加時
にかなり分解し、低分子量化していることが分かった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、石油樹脂から高品質の
水添石油樹脂を効率的,効果的に、即ち経済的に製造す
ることができる。以下、その効果を列記する。 (1)より温和な条件で水添石油樹脂を製造することが
でき、製造設備費の低減,運転操作性の向上,安全性の
向上が図れる。 (2)従来、過酷な反応条件を必要としたC9 系石油樹
脂,C5 −C9 系石油樹脂に於いても、その水添反応条
件をより温和にすることができる。 (3)水素添加時の石油樹脂,水添石油樹脂の劣化が少
なく、且つ高水添率が達成でき、高品質の水添石油樹脂
を製造できる。 (4)水添石油樹脂,溶剤及び水素化触媒の回収率が高
く、経済的である。 (5)溶剤及び水素化触媒の回収再使用が容易である。 (6)水素化触媒の寿命が向上する。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石油樹脂と、石油樹脂100重量部に対
    し、常圧での沸点が実質的に140〜280℃の飽和鎖
    状炭化水素,飽和環状炭化水素,芳香族炭化水素より選
    ばれた1種以上の溶剤10重量部以上を混合し、水素化
    触媒存在下にて、加圧下で水素添加することを特徴とす
    る水添石油樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】石油樹脂が、石油ナフサの熱分解又は触媒
    を用いた接触分解により得られるC9 留分をフリーデル
    クラフツ型触媒にて重合して得られるC9 系石油樹脂又
    は該C9 留分とC5 留分を共重合して得られるC5 ーC
    9 系石油樹脂である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】溶剤が飽和鎖状炭化水素である、請求項1
    又は請求項2に記載の方法。
JP11231592A 1992-04-06 1992-04-06 水添石油樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP3289310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231592A JP3289310B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 水添石油樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231592A JP3289310B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 水添石油樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05287012A JPH05287012A (ja) 1993-11-02
JP3289310B2 true JP3289310B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=14583598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11231592A Expired - Fee Related JP3289310B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 水添石油樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289310B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102300823B1 (ko) * 2017-12-29 2021-09-09 한화솔루션 주식회사 수소화 반응용 촉매 및 이의 제조방법
KR102300826B1 (ko) * 2018-12-28 2021-09-09 한화솔루션 주식회사 수소화 반응용 촉매 및 이의 제조방법
KR102311346B1 (ko) * 2018-12-31 2021-10-08 한화솔루션 주식회사 수소화반응용 촉매 및 이의 제조방법
US20220325011A1 (en) * 2019-06-03 2022-10-13 Hanwha Solutions Corporatiopn Preparation method of hydrogenated petroleum resin
KR102528310B1 (ko) * 2019-06-28 2023-05-02 한화솔루션 주식회사 수소화반응용 촉매 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05287012A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0082726B1 (en) Production of hydrofined hydrocarbon resins
EP0666273B1 (en) Hydrogenated resins, adhesive formulations and process for production of resins
CN1185186C (zh) 从饱和烃中分离烯烃的方法
CN111527184B (zh) 选择性氢化的方法
CN1160284C (zh) 借助于催化剂来氢化含苯乙烯介质中的苯乙炔的方法
EP1294779A2 (en) Hydrogenation process
JP3289310B2 (ja) 水添石油樹脂の製造方法
JP3687079B2 (ja) フェノール変性c9系水素化石油樹脂およびその製造方法
CN113939548B (zh) 氢化石油树脂的制备方法
US3484421A (en) Two stage hydrogenation process (ii)
JP3316942B2 (ja) 水添石油樹脂の製造方法
EP1378558A1 (en) Process for the recovery of an ethylene and propylene containing stream from a cracked gas resulting from hydrocarbon cracking
JP3316899B2 (ja) 水添石油樹脂の製造方法
WO2004018525A1 (ja) 水素添加石油樹脂の製造法
JP3128167B2 (ja) 高品質ペンタンの製造方法
KR100533906B1 (ko) 석유 수지의 제조 방법
JPH05331241A (ja) 水酸基含有水添石油樹脂及びその製造方法
JP2006219590A (ja) ガソリン基材の製造方法
JPH07138350A (ja) 多環式芳香族化合物からのアルキル化樹脂
US3316318A (en) Process for recovery of aromatics from cracked gasoline fractions
JPH06104628B2 (ja) 炭化水素溶剤の製造方法
US7078577B2 (en) DihydroDicyclopentadiene production
US3406156A (en) Regeneration of hydrogenation catalysts
JP3882970B2 (ja) 水素化石油樹脂の製造方法
US20050224395A1 (en) Prodcution of polymer/food grade solvents from paraffin rich low value streams employing hydroprocessing

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080322

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees