JP3128167B2 - 高品質ペンタンの製造方法 - Google Patents

高品質ペンタンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高品質ペンタンの製造方
法に関し、詳しくは、ナフサ分解などによって得られる
C5炭化水素留分(以下、C5留分と記す。)から高品
質のn-ペンタンあるいはイソペンタンを製造する方法に
関する。ペンタンは溶剤、プラスチック等の発泡剤、重
合用溶媒として有用な化合物である。特に異臭の少ない
ペンタンは家庭用の塗料やエアーゾル用として利用さ
れ、フロンの代替品としてもその利用価値は向上してい
る。
【0002】
【従来の技術】ペンタンは天然ガスの重質分あるいは石
油化学工場のナフサ分解留分に存在している。しかし、
天然ガスの重質分はその主成分が飽和炭化水素であり不
飽和炭化水素はほとんど含有されておらず、また、成分
が単純である。したがって、ペンタンは蒸留で容易に分
離できる天然ガスを原料とした方法により製造されてい
るのが現状である。
【0003】具体的には油田から導入された天然ガスは
高圧分離器で軽沸ガスと液化天然ガスとにまず分けられ
る。次に、この液化天然ガスは中圧分離器および低圧分
離器を経てプロパン、ブタンとペンタンを含む重質分に
分けられ、さらにこの重質分から蒸留によりペンタンが
分離される。このようにして得られたペンタンは目的に
応じ、さらに精製される。たとえば、粗ペンタンをアル
カリ液でイオウ分を処理し、水洗、乾燥後さらに活性炭
で脱臭される。
【0004】一方、ナフサ分解留分は不飽和炭化水素、
芳香族化合物に富み、エチレン、プロピレン、C4留分
および芳香族化合物等は分離され、これらは幅広く利用
されている。沸点がC5炭化水素の範囲にあるC5留分
は非常に数多くの成分からなり、各成分を目的に応じた
純度と品質で分離することが殆どできず、現在のとこ
ろ、ジシクロペンタジエンとイソプレン等が単離され利
用されているに過ぎない。
【0005】C5留分中のn-ペンタンおよびイソペンタ
ンも、実質上、通常の蒸留操作だけでは、たとえば、1-
ペンタン、2-メチルブテン-1等との分離が不可能であ
り、純度の高いペンタンを得ることができない。したが
って、通常、C5留分からペンタンを含むC5留分は再
び原料ナフサと混合されて分解炉へ戻され、エチレンや
プロピレンの原料として再利用され、ペンタンとしては
ほとんど利用されていないのが実状である。
【0006】また、特開昭50-53304ではC5〜C6に富
むパラフィン供給原料を水素ガスの存在下にn-パラフィ
ン類をイソパラフィン類に異性化し、さらに、残りのn-
パラフィン類をC3留分とイソパラフィン類に分解し、
イソパラフィン類は高オクタン価ガソリンとして利用す
る方法が開示されている。しかし、この開示された方法
はn-パラフィン類の異性化方法とn-パラフィンの分解方
法の組み合わせに関するものであり、C5〜C6パラフ
ィンの取得方法ならびにn-ペンタンおよびイソペンタン
の単離に関する記載はなく、またそれらの品質や純度に
ついても全く記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはナフサ分
解で得られる未利用留分であるC5留分から重合溶媒用
あるいは異臭の少ない家庭用溶剤用として利用できるさ
らなる高純度で異臭のないペンタンを製造する方法を提
供するものである。
【0008】本発明者らはナフサ分解によって得られた
C5留分から特に、高品質のイソペンタンおよびn-ペン
タンは直接蒸留により分離できないが、C5留分を水添
することにより、イソペンタン(沸点28.5℃)およびn-
ペンタン(沸点35.5℃)との分離が不可能であるペンテ
ン類がすべて水添によりイソペンタンあるいはn-ペンタ
ンに変化し、蒸留で分離できることを既に見い出してい
る。
【0009】しかし、このようにして分離したペンタン
は未だ異臭を有し、重合用溶媒として適用するには不充
分であり、さらには水添時において、留分に不溶の結晶
が析出し、水添触媒が目詰まりし、そのままでは水添反
応を継続できない等の問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの原因を鋭意究明
した結果、C5留分中のジシクロペンタジエンが水添さ
れて変化したトリシクロデカンが目詰まりの原因である
ことを見い出し、また、ジシクロペンタジエンを除去す
ることにより異臭の少ないペンタンが得られることも見
い出し本発明を完成した。すなわち、本発明は、C5炭
化水素留分から、ジシクロペンタジエンを分離して得た
ジシクロペンタジエン濃度が10wt%以下の留分を水添し
た後、n-ペンタンあるいはイソペンタンを蒸留分離する
ことを特徴とする高品質ペンタンの製造方法である。
【0011】本発明の方法におけるC5炭化水素留分と
は、ナフサ分解により得られる留分が好ましく適用でき
る。この留分中にはジシクロペンタジエンが約15%含有
されており、水添することでトリシクロデカンに変化
し、残C5留分に対する溶解度が低いために水添反応時
に析出して時間と共に触媒が目詰まりするため、本来の
目的とする水添反応を阻害する。しかるに、本発明の方
法では水添を行う前に、まず、C5留分からジシクロペ
ンタジエンを分離することが必須である。
【0012】このC5留分中のジシクロペンタジエンを
分離した後の水添に供する留分(以下、残C5留分と記
す。)中のジシクロペンタジエンの含有量は多くとも10
wt%以下になるように分離することである。たとえ残っ
ていても、水添後に行われる蒸留により実質的に分離で
きるが、水添触媒への影響をも考慮して、好ましくは5
wt%以下、さらに好ましくは1wt%以下になるように分
離する。
【0013】この分離方法としては特に限定されない
が、蒸留で分離する方法が経済的で好ましい。例えば、
蒸留で分離する場合、ペンタンの回収率と蒸留塔の段数
から分離条件を決定すればよく、理論段で数段の簡単な
蒸留塔を使用しても容易に分離することができる。具体
的にはナフサ分解で得られるC5留分を汎用の蒸留装置
で塔頂温度が100 ℃未満になるように蒸留するだけで十
分である。このような条件で蒸留を行った場合、蒸留分
離後の残C5留分はナフサ原料やナフサ分解の運転条件
の違いによりその組成は異なるが、ジシクロペンタジエ
ンは0.1 wt%以下である。また、その他の組成は通常、
n-ペンタン30〜45wt%、イソペンタン15〜25wt%の他
に、2-メチルブテン-1等のC5のモノオレフィンが10〜
20wt%、シクロペンタジエン、イソプレン等のジオレフ
ィンが5〜10wt%、2-メチルペンテン、2-メチルペンタ
ン等のC6炭化水素類が5〜10wt%、ベンゼンやトルエ
ン等の芳香族化合物量が3wt%以下であり、実質的にC
5留分が60%wt以上の組成である。
【0014】上述したように、ジシクロペンタジエンを
分離することなくC5留分をそのまま後述するような方
法で水添し、次いで蒸留でペンタンを分離しても異臭が
分離できないだけでなく、重合用の溶媒としても利用で
きない。しかしながら、既に開示されているC5留分か
ら抽出蒸留して得たイソプレンあるいはイソブチレンと
ホルマリンから合成されるイソプレンを、そのままイソ
ペンタンの原料として本願における方法、即ち、イソプ
レンを後述の方法により水添した後、蒸留することによ
り高品質のイソペンタンを得ることが出来ることは言う
までもない。
【0015】ジシクロペンタジエンは異臭の直接の原因
ではないが、水添前にジシクロペンタジエンを徹底的に
分離する操作は、ジシクロペンタジエンと近接あるいは
それ以上の沸点を有する化合物が除去でき、異臭を改善
する上で不可欠である。具体的には、沸点がジシクロペ
ンタジエン以上、すなわち、常圧で170 ℃以上の化合物
を蒸留分離すれば異臭は大幅に改善され、水添時の析出
もなく、さらには、水添触媒への被毒物質も減少し触媒
ライフは大幅に向上する。
【0016】本発明における水添で使用する触媒は均一
系でも不均一系でも使用できるが、不均一系触媒の方が
本水添原料に含まれる種々の被毒化合物に対し耐性があ
り、また、触媒と生成物との分離が容易であり好まし
い。このような触媒の例として、(1) Ni/シリカ、Ni/
アルミナ、Ni/シリカ・アルミナ、Ni/C 、Ni/シリカ
ゲル等の担持Ni、ラネーNi、漆原Ni等のNi系触媒、(2)
Pd/シリカ、Pd/アルミナ、Pd/シリカ・アルミナ、Pd
/C、Pd/BaSO4、Pd/CaCo3、Pd/SrCo3等のPd系触媒、(3)
RuO2、Ru/C等のRu系触媒、(4) Rh/C、Rh/アルミナ 等のRh系
触媒、(5) PtO2、Pt/C等のPt系触媒が挙げられる。この
中でもNi系触媒およびPd系触媒を使用した場合には得ら
れたペンタンにチーグラー系触媒のような重合用触媒に
対する被毒化合物が殆どないために重合用溶媒として利
用でき、好ましい。
【0017】さらに、Ni系触媒は精密な蒸留でも分離が
できない微量な有臭化合物をも水素化分解でき、通常の
蒸留だけで異臭のない高品質のペンタンを取得すること
ができ特に好ましい。このペンタンは通常の溶媒だけで
なく、無臭性溶媒として一般家庭で使用される塗料、シ
ンナー、エアーゾル用にも利用できる。
【0018】水添は触媒を充填した管型反応器に前述の
残C5留分を水素と共に供給する流通方式で行う方法が
好ましい。水添用の残C5留分および水素は予熱され、
反応器へ導入される。反応器の中では気相、気液混相の
状態で水添され、反応生成物は熱交換の後に分離工程へ
送られる。残C5留分の供給速度は入り口基準で液空間
速度が 0.1〜20/時間であり、好ましくは1〜5/時間
である。また、充分水添されない留分を再び反応器へ循
環することも好ましい。この場合、その循環量に相当す
る量が上記の供給量に加わり供給速度はさらに早くな
る。
【0019】一方、水素はメタンや一酸化炭素が含有さ
れていても使用することができる。未反応の水素は水素
の純度を保つために一部をパージして残りは再び反応器
へ導入される。水素の供給量は残C5留分中のオレフィ
ンの水添に要求される量以上であればよいが、多すぎて
も循環量が多くなって好ましくない。したがって、水素
の供給量は残C5留分中のオレフィン1モルに対し1〜
10モル、好ましくは1.1 〜5モルである。
【0020】水添温度は低いと水添速度は遅くなり、ま
た逆に温度が高すぎると触媒に悪影響を与える。したが
って、水添温度は通常30〜400 ℃であり、好ましくは50
〜250 ℃である。また、水添圧力は高いほうが反応には
好ましいが、反応器の耐圧が高くなり不経済である。し
たがって、好ましい水添圧力は2〜40Kg/cm2であり、好
ましくは10〜30Kg/cm2の範囲である。
【0021】本発明の方法において、水添後の水添反応
液からペンタンを蒸留分離するに先立って硫酸あるいは
陽イオン交換樹脂で接触処理することは、完全に異臭を
除去するために好ましい方法である。
【0022】硫酸でオレフィンを処理できることは一般
的に知られているが、通常、C5留分からペンタンを蒸
留で分離しても依然としてペンタンと分離できないオレ
フィンが多量に残存し、水添を行わないで硫酸処理だけ
で高純度のペンタンを得るには硫酸の使用量が多くな
り、また、その廃液処理装置を設けなければならない等
経済的でない。
【0023】一方、本発明の方法、詳しくは、C5留分
からジシクロペンタジエンを分離し、水添したのち蒸留
分離することにより高品質のペンタンが得られるが、必
要に応じて蒸留分離後のペンタンを硫酸で処理し、異臭
をさらに除去して、さらなる高純度のペンタンを得るこ
ともできるが、この硫酸との処理において、微量ではあ
るが炭素数でC6以上のパラフィンが生成するため再度
蒸留等の分離操作が必要である。したがって、上記方法
においては、蒸留分離する前に硫酸で処理した方が有利
である。
【0024】すなわち、残C5留分の水添後の留分を硫
酸あるいは後述の陽イオン交換樹脂と接触させることに
より、水添を行っても処理できない微量のオレフィン
類、含硫黄化合物や含窒素化合物が完全に処理できる。
その後に蒸留で分離して得たn-ペンタンあるいはイソペ
ンタンには全く異臭がなく高純度である。
【0025】本発明の方法で使用する硫酸はその濃度が
高い方が処理能力は大きいが、10%硫酸でも十分使用す
ることができ、通常の硫酸濃度は60〜98%、好ましくは
80〜98%である。硫酸と接触させる方法は、水添反応液
が圧力、温度の違いにより液状であってもまたガス状で
あっても容易に目的を達することができる。硫酸による
処理は瞬時で終了するため、例えば、水添反応液を液状
で処理する場合、等容量の硫酸と常温で1〜30分混合す
るだけで十分である。また、これらをラインミキサーを
介して配管内で混合させる方法も好ましい。比重差が大
きいので硫酸とは容易に分離することができる。
【0026】また、水添反応液をガス状で処理する場
合、通常の気泡塔形式あるいは充填塔形式で接触させる
ことができる。例えば、管型の塔に硫酸を保持し、ガス
状の水添反応液を通過させる方法あるいは充填物を充填
した管型の塔に硫酸を滴下してガス状の水添反応液を通
過させる方法等が挙げられる。
【0027】また、これらの硫酸処理は、水添反応液が
液状、ガス状に係わらず回分式あるいは流通式のいずれ
の方法でも使用できるが、これら以外の方法で硫酸と接
触させても本発明を限定するものではない。
【0028】本発明の方法で用いる陽イオン交換樹脂と
は、一般に入手可能な市販品が利用でき、例えば、商品
名でアンバーライトIR116 、IR252 、IRC84 (オルガノ
(株))、ダイアイオン SK102、SK110 、PK212 、WK1
0、WK20(三菱化成(株))、レバチットS100、SP112
、CNP80 (三井東圧ファイン(株))等が挙げられ
る。この中でもアンバーライトIR116 、IR252 、ダイア
イオン SK102、SK110 、レバチットS100、SP112 のよう
な交換基がスルホン基である強酸性陽イオン交換樹脂が
好ましい。また、イオン交換樹脂は塩型でもよいが、H
型に前処理した樹脂の方が好ましく用いられる。
【0029】これらの陽イオン交換樹脂と接触させる方
法は、回分方式でもよいが、一般的に行われている充填
塔での通液方法が効率的で好ましく、常圧下あるいは加
圧下において行われる。通液方法としては充填長さ/直
径が2以上20以下の範囲で行い、処理速度はSV(液空
間速度)で 0.1〜20/時間の範囲である。また、この処
理温度に制限はないが、処理温度が高いとペンタンの蒸
気圧が上昇し、また、陽イオン交換樹脂が劣化しやすく
なるため、0〜80℃の範囲が好ましい。
【0030】上述したように、水添反応液を硫酸あるい
は陽イオン交換樹脂に接触させて処理した後にペンタン
を蒸留分離することにより、水添あるいは蒸留だけでは
分離できない極めて微量の有臭成分を除去することがで
き、異臭のない高品質のペンタンが得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0032】実施例1 ナフサ分解留分の内、C5留分(ジシクロペンタジエン
を14.5wt%含有)を通常の方法で蒸留し、沸点100 ℃以
上の留分を実質的に分離し、C5炭化水素類が約80wt%
以上からなる残C5留分を取得した。この留分中のジシ
クロペンタジエンは0.1 wt%以下であった。この組成を
(表1)に示す。
【0033】
【表1】
【0034】次に、50%Ni/シリカ・アルミナ触媒100
gを充填した内径2.8cm の管型反応器に残C5留分を1
時間あたり150 g下向きに通液した。一方、水素を1時
間あたり30リットル(0℃換算)反応器上部から供給
し、圧力20Kg/cm2、温度70℃で水添した。得られた水添
反応液を分析した結果、n-ブタン2.2wt %、イソペンタ
ン33.5wt%、n-ペンタン45.7wt%、シクロペンタン10.1
wt%、その他8.5wt %であった。この水添反応液10Kgを
理論段60段の蒸留塔へ仕込み、回分式で蒸留を行い、沸
点28〜29℃のイソペンタン留分2.3Kg および沸点36〜37
℃のn-ペンタン留分3.2Kg を分離した。得られたイソペ
ンタンおよびn-ペンタンの組成を(表2)に示す。
【0035】さらに、このようにして得られたイソペン
タンおよびn-ペンタンと天然ガスから得られたペンタン
との臭気について評価した。判定はサンプルをそのまま
の直接嗅ぐ方法とサンプル3mlを濾紙に含ませてから嗅
ぐ方法で5名が相対評価を行ったところ、天然ガス品と
に有意差は認められなかった。さらに、チーグラー触媒
(三塩化チタン/アルキルアルミニウム)を使用し、各
々のペンタンを溶媒としてプロピレンの重合を行った結
果、両者に殆ど差は認められなかった。結果は(表2)
に示す。
【0036】比較例1 ジシクロペンタジエンを14.5wt%含有する実施例1で用
いた留分と同様のC5留分からジシクロペンタジエンを
分離する蒸留操作を行わないで水添を行った以外は実施
例1と同様に反応を行った。水添反応の途中で水添能力
が低下したので途中で水添温度を上げ、またSVを半分
にした。また、水添反応液中に生成したトリシクロデカ
ンの一部が析出したので途中で水添反応を中止した。そ
の間に得られた水添反応液から蒸留分離したイソペンタ
ンおよびn-ペンタンについて実施例1と同様の方法で臭
気の評価を行ったところ、明らかに異臭が認められた。
また、実施例1と同様にこれらのペンタンを溶媒として
使用してプロピレンの重合活性の評価を行った所、実施
例1で得られたペンタンに比べ約1/3の活性であっ
た。結果を(表2)に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例2 実施例1で得られた水添反応液を同容量の98%硫酸と1
分間撹拌することにより接触させ、次いで同容量の水で
洗浄した他は実施例1と同様にイソペンタンおよびn-ペ
ンタンを蒸留分離した。結果を(表3)に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例3 水添触媒として0.5 %Pd/シリカを100 g使用し、圧力
20Kg/cm2、温度80℃で反応して得られた水添反応液を、
硫酸に代えて通常の方法で前処理したH型の酸性陽イオ
ン交換樹脂(レバチットSP112 )200 mlを直径3.0 cmの
管型塔へ充填したものを用いて15℃、 200ml/H の速度
で通液し、次いで水添反応液と同容量の水で洗浄した他
は実施例2と同様に行ってイソペンタンおよびn-ペンタ
ンを分離した。結果を(表4)に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】ナフサ分解留分から得られたC5留分か
ら積極的にジシクロペンタジエンを除去して得た留分を
水添した後、蒸留することにより容易に異臭の少ないペ
ンタンを分離することができる。さらに、該蒸留分離の
前段で硫酸あるいは陽イオン交換樹脂と接触処理するこ
とにより異臭のない高品質のペンタンを製造することが
でき、今まで利用できなかったナフサ分解留分から産業
上利用価値の高いペンタンを分離する工業的に有利な方
法を提供したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 昇 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東 圧化学株式会社内 (72)発明者 大津 昭 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東 圧化学株式会社内 審査官 藤森 知郎 (56)参考文献 特開 昭50−96504(JP,A) 特開 昭52−62203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 7/163 C07C 9/14 C07C 5/03 C07C 5/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C5炭化水素留分から、ジシクロペンタジ
    エンを分離して得たジシクロペンタジエン濃度が10wt%
    以下の留分を水添した後、n-ペンタンあるいはイソペン
    タンを蒸留分離することを特徴とする高品質ペンタンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法が、硫酸あるいは陽イ
    オン交換樹脂との接触工程を含むことを特徴とする高品
    質ペンタンの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の硫酸あるいは陽イオン交換
    樹脂との接触工程が、n-ペンタンあるいはイソペンタン
    を蒸留分離する前段で行うことを特徴とする高品質ペン
    タンの製造方法。
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