JPH07179730A - メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物 - Google Patents

メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物

Info

Publication number
JPH07179730A
JPH07179730A JP34571593A JP34571593A JPH07179730A JP H07179730 A JPH07179730 A JP H07179730A JP 34571593 A JP34571593 A JP 34571593A JP 34571593 A JP34571593 A JP 34571593A JP H07179730 A JPH07179730 A JP H07179730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
norbornene derivative
dodecene
polymerization
opening polymerization
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34571593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3259498B2 (ja
Inventor
Hitoshi Oka
仁志 岡
Yoshihisa Nakase
吉久 中瀬
Akira Iio
章 飯尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP34571593A priority Critical patent/JP3259498B2/ja
Publication of JPH07179730A publication Critical patent/JPH07179730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3259498B2 publication Critical patent/JP3259498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、保存安定性に優れ、従って長期間
の保存後においても十分に高い重合転化率でメタセシス
開環重合反応を行うことのできるノルボルネン誘導体組
成物を提供することを目的とする。 【構成】 ノルボルネン誘導体と、含有割合が10〜1
0,000ppmであるフェノール系化合物とよりな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタセシス開環重合用
のノルボルネン誘導体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、下記化3で表されるノ
ルボルネン誘導体は、優れた光学特性および耐熱性を有
する透明樹脂の原料として非常に有用なものであること
が知られている。
【0003】
【化3】
【0004】(化3中、R1 〜R12は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子および一価の有機基のいずれかであ
り、それぞれ同一または異なっていてもよい。R9 とR
10またはR11とR12は、一体化して二価の炭化水素基を
形成してもよく、R9 またはR10と、R11またはR12
は、互いに結合して環状構造を形成するものであっても
よい。mは0〜2の整数である。)
【0005】このノルボルネン誘導体は、シクロペンタ
ジエン類および/またはジシクロペンタジエン類と、ジ
エノフィル化合物とを反応原料としてディールス・アル
ダー型の熱付加反応を行った後、蒸留等による精製を行
って得られるものである。このノルボルネン誘導体は、
メタセシス触媒を用いた開環重合(以下、「メタセシス
開環重合」という。)のための原料モノマーとして用い
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ノルボルネン誘導
体は、通常、窒素ガス等の不活性ガスによってシールさ
れたタンク等の容器内に導入され、保管される。しか
し、通常、シール用の不活性ガスにも微量の酸素が含有
されるため、保管期間が長期間となると、当該ノルボル
ネン誘導体の一部が酸化され、色相の黄変が生じて透明
性の良好な重合体を製造することができず、また、メタ
セシス開環重合反応における重合転化率が低下する、と
いう問題がある。
【0007】本発明は、以上の問題を解決し、保存安定
性に優れ、従って長期間の保存後においても、色相に変
化がみられず、しかも十分に高い重合転化率でメタセシ
ス開環重合反応を行うことのできるノルボルネン誘導体
組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため鋭意研究を重ねた結果、ノルボルネン誘導体
に特定の酸化防止剤を含有させることによって、保存安
定性が大幅に改良されると共に、当該ノルボルネン誘導
体組成物は、長期間にわたる保存後においてもメタセシ
ス開環重合のための原料として用いた場合に十分に高い
重合転化率で重合することが見出されたことによって完
成されたものである。
【0009】本発明のメタセシス開環重合用ノルボルネ
ン誘導体組成物は、下記化4で表されるノルボルネン誘
導体と、含有割合が10〜10,000ppmである下
記化5で表されるフェノール系化合物とよりなることを
特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】(化4中、R1 〜R12は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子および一価の有機基のいずれかであ
り、それぞれ同一または異なっていてもよい。R9 とR
10またはR11とR12は、一体化して二価の炭化水素基を
形成してもよく、R9 またはR10と、R11またはR12
は、互いに結合して環状構造を形成するものであっても
よい。mは0〜2の整数である。)
【0012】
【化5】
【0013】(化5中、X、Yは水素原子または炭素数
1〜10の炭化水素基であり、Zは水素原子、炭素数1
〜10の炭化水素基または炭素数1〜20の有機基(炭
素数1〜10の炭化水素基を除く。)である。)
【0014】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のメタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成
物は、上記化4で表されるノルボルネン誘導体と、含有
割合が10〜10,000ppmである上記化5で表さ
れるフェノール系化合物とよりなるものである。
【0015】<ノルボルネン誘導体>本発明のノルボル
ネン誘導体組成物の主成分であるノルボルネン誘導体
は、上記化4で表される構造を有する化合物であり、化
4におけるR1 〜R12は、それぞれ水素原子、あるいは
塩素、臭素などのハロゲン原子、またはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜10の炭
化水素基、またはメトキシ基、エトキシ基などのアルコ
キシ基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基など
のカルボキシアルキル基、その他の一価の有機基のいず
れかであり、それぞれ同一または異なっていてもよい。
また、R9 とR10またはR11とR12は、一体化して二価
の炭化水素基を形成してもよく、ノルボルネン環を構成
する炭素原子と不飽和結合によって結合されていてもよ
い。一体化して形成される二価の炭化水素基としては、
例えばエチリデン基、プロピリデン基などのアルキリデ
ン基を挙げることができる。さらに、R9 またはR
10と、R11またはR12とは互いに結合して環状構造を形
成するものであってもよい。このようにして形成される
環は、単環状、縮合多環状、架橋を有する多環状、不飽
和結合を有する環状構造のいずれであってもよい。この
ような環状構造の具体例としては、例えば下記化6〜化
10に示したものを挙げることができ、これらの環状構
造はメチル基などの置換基を有していてもよい。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】上記化6〜化10において、符号Aおよび
Bが付されている位置にある炭素原子は、それぞれ、上
記化4に示されるR9 〜R12が結合される炭素原子を示
す。
【0022】上記化4において、mの値が0であるノル
ボルネン誘導体の具体例としては、5−カルボキシメチ
ルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル
−5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−
ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5
−ビニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−
エチリデンビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンなど
を挙げることができる。
【0023】上記化4において、mの値が1であるノル
ボルネン誘導体の具体例としては、8−メチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−ブチルプロピルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−ビニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、5−メチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、7−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0024】8,8−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、2,10−ジメ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、2,7,9
−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プ
ロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0025】さらに、8−メチル−8−カルボキシメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−メチル−8−カルボキシエチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−カルボキシn−プロピルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−カルボキシsec−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−カルボキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ
t−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ
イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0026】上記化4において、mの値が2であるノル
ボルネン誘導体の具体例としては、ヘキサシクロ[6.
6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセ
ン、11−ビニルヘキサシクロ[6.6.11,8 .1
3,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセ
ン、11−メチル−11−カルボキシメチルヘキサシク
ロ[6.6.11,8 .13,6.110,13 .02,7 .0
9,14]−4−ヘプタデセンなどを挙げることができる。
【0027】<ノルボルネン誘導体の合成>上述のノル
ボルネン誘導体は、シクロペンタジエン類および/また
はジシクロペンタジエン類と、目的とするノルボルネン
誘導体の種類に応じて選ばれたジエノフィル化合物とを
反応原料として用いたディールス・アルダー型の熱付加
反応を行うことによって合成することができる。この反
応温度は80〜250℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは130〜220℃である。また、例えばノルボル
ネン誘導体としてテトラシクロドデセン誘導体を合成す
る場合には、この合成の反応系に、反応原料であるシク
ロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンと
ジエノフィル化合物と共に、当該合成の反応における中
間生成物である下記化11で表されるビシクロヘプテン
誘導体を供給することによって、高い反応選択率でテト
ラシクロドデセン誘導体を得ることができる。
【0028】
【化11】
【0029】(化11において、R5 〜R12は、それぞ
れ化4と同一である。)
【0030】さらに、上記の反応においては、N,N−
ジエチルヒドロキシルアミン、テトラキス[メチレン−
3−(3’.5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタンなどの重合防止剤を添
加することによって、目的とするノルボルネン誘導体の
反応選択率を向上させることができる。
【0031】<ノルボルネン誘導体の精製>上記の反応
により得られた反応液は、目的とするノルボルネン誘導
体以外に、未反応のシクロペンタジエン類および/また
はジシクロペンタジエン類、ジエノフィル化合物、当該
反応における中間生成物、さらにノルボルネン誘導体よ
りも分子量の大きい重質分を含んでいるため、この反応
液について精製処理を行うことによって、高純度のノル
ボルネン誘導体を得ることができる。精製処理の方法と
しては、ノルボルネン誘導体の種類によっても異なる
が、通常は、蒸留塔内の温度などの条件を変化させて蒸
留処理を複数回行う方法が採られており、これによって
高純度のノルボルネン誘導体を得ることができる。蒸留
処理は、蒸留塔内の温度が200℃以下、好ましくは1
80℃以下となるように減圧下で行うことが好ましい。
蒸留塔内が高温の場合には、合成されたノルボルネン誘
導体が分解するおそれがある。
【0032】<特定の酸化防止剤>上述のようにして得
られるノルボルネン誘導体に、上記化5で表される構造
を有するフェノール系化合物(以下、「特定の酸化防止
剤」という。)が含有される。上記化5においてXおよ
びYは、それぞれ水素原子、またはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜10のアル
キル基に代表される炭化水素基であり、Zは水素原子、
またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
の炭素数1〜10のアルキル基に代表される炭化水素
基、またはメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基、アルキルエステル基などの炭素数1〜20のその他
の有機基である。上記化5で表されるフェノール系化合
物の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
4−メトキシフェノール、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネートなどを挙げることができる。
【0033】特定の酸化防止剤の含有割合は10〜1
0,000ppmであり、好ましくは20〜1,000
ppmの割合で含有される。10ppm未満である場合
は長期間における保存安定性が不十分となり、一方、1
0,000ppmを超える場合は経済的に不利なばかり
でなく、メタセシス開環重合反応における重合転化率が
却って低下するおそれが生じて好ましくない。
【0034】<メタセシス開環重合>既述のノルボルネ
ン誘導体を原料モノマーとしてメタセシス開環重合が行
われ、重合体が生成される。このメタセシス開環重合
は、通常トルエン、キシレンなどの溶媒の存在下におい
て、触媒として (a)WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 などのW、
MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種
と、(b)n−C4 9 Li、(C2 5 3 Al、
(C2 5 2 AlCl、LiHなどのデミングの周期
律表IA族元素、III A族元素の化合物から選ばれた少
なくとも1種との組合せによる混合物などを用いて行わ
れる。このメタセシス開環重合において、さらに、添加
剤としてアルコール類、アルデヒド類などを好適に用い
ることができ、また、分子量調節剤として反応系に共存
させられるα−オレフィン類などをの量を調整すること
によって、目的とする重合体の分子量を制御することが
できる。
【0035】以下、本発明の実施例について説明する
が、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【実施例】〔合成例〕温度180℃、圧力3.5kg/
cm2 ・Gに保った内容積50リットルの撹拌機付の反
応器に、定量ポンプを用いて、メチルメタクリレート
と、ジシクロペンタジエンと、下記化12で表されるビ
シクロヘプテン誘導体である5−メチル−5−カルボキ
シメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンとの
三者を、これらのモル比が1:1.2:2.4となるよ
う供給した。
【0036】
【化12】
【0037】これら三者の反応器への供給量は、反応器
内における滞留時間が8時間となるように毎時4kgと
した。さらに、重合防止剤として、N,N−ジエチルヒ
ドロキシルアミンと、テトラキス[メチレン−3−
(3’.5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンの各々をメチルメタクリレ
ートに溶解して連続的に添加した。各々の添加量は、上
記三者の全供給量に対し300ppmの割合に相当する
量とした。反応器内で得られた反応液を、毎時4kgの
割合で当該反応器から抜き出し、この反応液を、圧力3
0torr、温度105℃に保ったフラッシュタンクに
連続的に供給し、当該反応液中に存在する未反応のメチ
ルメタクリレート、ジシクロペンタジエンおよびビシク
ロヘプテン誘導体の一部を回収した。その後、充填材
「スルザーパッキンBX(住友重機社製)」(以下にお
いて同じ。)が221cmの高さに充填された塔径3イ
ンチの蒸留塔に、前記フラッシュタンクからの缶出液を
連続的に供給し、塔頂圧力5torr、還流比1、塔底
温度145℃の条件で蒸留を行い、前記フラッシュタン
クで回収されなかった未反応のメチルメタクリレート、
ジシクロペンタジエンおよび上記ビシクロヘプテン誘導
体を塔頂から回収すると共に、下記化13で示される6
7重量%の8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンを
含有する缶出液を塔底より回収した。
【0038】
【化13】
【0039】上記のようにして回収された未反応のメチ
ルメタクリレート、ジシクロペンタジエンおよびビシク
ロヘプテン誘導体は、いずれも反応器へ循環させて再び
反応に供した。一方、上記缶出液を、蒸留塔径3イン
チ、充填材を119cmの高さに充填した蒸留塔に連続
的に供給し、塔頂圧力2torr、還流比1、塔底温度
160℃で蒸留を行い、塔底より高沸点成分を除去する
と共に、塔頂より86重量%の8−メチル−8−カルボ
キシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンを含有する留出液を回収し、当
該留出液を、さらに塔径3インチ、充填材を340cm
の高さに充填した蒸留塔に連続的に供給し、塔頂圧力2
torr、還流比10、塔底温度150℃で蒸留を行
い、塔頂よりトリシクロペンタジエン留分を回収すると
共に、塔底の蒸気相より純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンを得、凝縮させて窒素
シール下の容器へ導入した。
【0040】実施例1 上述の合成例で得られた純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンの一部を窒素シール下
の撹拌機付のフラスコに移し、酸化防止剤としての4−
メトキシフェノールを、当該8−メチル−8−カルボキ
シメチルテトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .17,10
−3−ドデセンに対し100ppmの割合に相当する量
だけ添加し、撹拌して均一化させ、重合用原料Aを得
た。
【0041】実施例2 上述の合成例で得られた純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンの一部を窒素シール下
の撹拌機付のフラスコに移し、酸化防止剤としての2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを、当該8
−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに対し100
ppmの割合に相当する量だけ添加し、撹拌して均一化
させ、重合用原料Bを得た。
【0042】比較例1 上述の合成例で得られた純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンの一部を窒素シール下
の撹拌機付のフラスコに移し、酸化防止剤を添加せず
に、重合用原料Cを得た。
【0043】比較例2 上述の合成例で得られた純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンの一部を窒素シール下
の撹拌機付のフラスコに移し、酸化防止剤としてのハイ
ドロキノンを、当該8−メチル−8−カルボキシメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセンに対し100ppmの割合に相当する量だけ添加
し、撹拌して均一化させ、重合用原料Dを得た。
【0044】比較例3 上述の合成例で得られた純度99.7重量%の8−メチ
ル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセンの一部を窒素シール下
の撹拌機付のフラスコに移し、酸化防止剤としての4−
メトキシフェノールを、当該8−メチル−8−カルボキ
シメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセンに対し12,000ppmの割合に相当
する量だけ添加し、撹拌して均一化させ、重合用原料E
を得た。
【0045】上記実施例1〜2ならびに比較例1〜3で
得られた重合用原料について、色相評価およびメタセシ
ス開環重合反応における重合転化率の測定を行った。以
下、具体的に説明する。
【0046】<試験> ・色相評価 実施例1で得られた重合用原料Aについて、目視により
色相観察をおこない、評価した。結果を表1に示す。 ・メタセシス開環重合 上記重合用原料A80gと、水分が5ppmの割合で含
有されるトルエン240gと、分子量調節剤である1−
ヘキセン5.8gと、濃度0.96モル/リットルのジ
エチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液1.4g
とを、窒素によりシールされた撹拌機付のフラスコに仕
込み、80℃まで昇温した後、濃度0.05モル/リッ
トルの六塩化タングステンのトルエン溶液1.4gを仕
込んで3時間メタセシス開環重合を行った。 ・重合転化率の測定 上記メタセシス開環重合により得られた重合反応液につ
いてガスクロマトグラフィー分析を行い、メタセシス開
環重合反応における8−メチル−8−カルボキシメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセンの重合転化率を測定した。結果を表1に示す。
【0047】<試験> ・重合用原料の保存 実施例1で得られた重合用原料Aを、50℃の恒温室内
に30日間保存した。 ・色相評価 この重合用原料Aについて、試験と同様にして色相評
価を行った。結果を表1に示す。 ・メタセシス開環重合 この重合用原料Aを用い、試験と同様にしてメタセシ
ス開環重合を行った。 ・重合転化率の測定 上記メタセシス開環重合により得られた重合反応液につ
いて、試験と同様にして分析を行い、重合転化率を測
定した。結果を表1に示す。
【0048】<試験〜試験>重合用原料B〜重合用
原料Eの各々について、試験と同様にして、保存し、
その後色相評価を行い、さらにメタセシス開環重合およ
び重合転化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】以上の結果から明らかなように、特定の酸
化防止剤が特定の割合で含有された実施例1および実施
例2に係る本発明のノルボルネン誘導体組成物は、30
日間の保存の前後において色相に変化がみられず、しか
も、当該ノルボルネン誘導体組成物を30日間保存した
後にメタセシス開環重合のための原料として用いた場合
にも、メタセシス開環重合反応における重合転化率が9
8.0%程度と十分に高く、他の酸化防止剤を用いた場
合のように重合転化率の低下を招くことがない。
【0051】
【発明の効果】本発明のメタセシス開環重合用ノルボル
ネン誘導体組成物には特定の酸化防止剤が特定の割合で
含有されるため、保存安定性に優れ、従って、当該ノル
ボルネン誘導体組成物は、長期間が経過した後において
も、メタセシス開環重合反応における重合転化率が十分
に高いため、長期間の保存が可能である。従って、優れ
た光学特性を有する透明樹脂の原料として好適に用いる
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるノルボルネン誘導体
    と、含有割合が10〜10,000ppmである下記化
    2で表されるフェノール系化合物とよりなることを特徴
    とするメタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成
    物。 【化1】 (化1中、R1 〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン
    原子および一価の有機基のいずれかであり、それぞれ同
    一または異なっていてもよい。R9 とR10またはR11
    12は、一体化して二価の炭化水素基を形成してもよ
    く、R9 またはR10と、R11またはR12とは、互いに結
    合して環状構造を形成するものであってもよい。mは0
    〜2の整数である。) 【化2】 (化2中、X、Yは水素原子または炭素数1〜10の炭
    化水素基であり、Zは水素原子、炭素数1〜10の炭化
    水素基または炭素数1〜20の有機基(炭素数1〜10
    の炭化水素基を除く。)である。)
JP34571593A 1993-12-22 1993-12-22 メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物 Expired - Lifetime JP3259498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34571593A JP3259498B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34571593A JP3259498B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07179730A true JPH07179730A (ja) 1995-07-18
JP3259498B2 JP3259498B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=18378475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34571593A Expired - Lifetime JP3259498B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3259498B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007010830A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Jsr Corporation 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途ならびに該共重合体を含む位相差板の製造方法
JP2009507837A (ja) * 2005-09-12 2009-02-26 フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド 環状アルケン誘導体の分解を防止する添加剤
KR101409887B1 (ko) * 2005-09-12 2014-06-20 후지필름 일렉트로닉 머티리얼스 유.에스.에이., 아이엔씨. 사이클릭 알켄 유도체의 분해를 방지하기 위한 첨가제

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007010830A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Jsr Corporation 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途ならびに該共重合体を含む位相差板の製造方法
JP2009507837A (ja) * 2005-09-12 2009-02-26 フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド 環状アルケン誘導体の分解を防止する添加剤
KR101378826B1 (ko) * 2005-09-12 2014-03-28 후지필름 일렉트로닉 머티리얼스 유.에스.에이., 아이엔씨. 사이클릭 알켄 유도체의 분해를 방지하기 위한 첨가제
KR101409887B1 (ko) * 2005-09-12 2014-06-20 후지필름 일렉트로닉 머티리얼스 유.에스.에이., 아이엔씨. 사이클릭 알켄 유도체의 분해를 방지하기 위한 첨가제
KR101478636B1 (ko) * 2005-09-12 2015-01-07 후지필름 일렉트로닉 머티리얼스 유.에스.에이., 아이엔씨. 사이클릭 알켄 유도체의 분해를 방지하기 위한 첨가제

Also Published As

Publication number Publication date
JP3259498B2 (ja) 2002-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lewis et al. Copolymerization. IX. A Comparison of Some cis and trans Isomers1, 2
JPH07179730A (ja) メタセシス開環重合用ノルボルネン誘導体組成物
Toreki et al. Two rhenium complexes that contain an unsupported metal-metal double bond in the presence of potentially bridging ligands
EP1623967A1 (en) Norbornene derivative, norbornene polymer produced by ring-opening (co)polymerization, and process for producing the polymer by ring-opening (co)polymerization
JP4356528B2 (ja) ノルボルネン系開環(共)重合体およびその製造方法
Feast et al. Metathesis polymerization of 1, 7, 7-trimethylbicyclo [2.2. 1] hept-2-ene using a well defined molybdenum initiator
JP5593585B2 (ja) α−オレフィン低重合体の製造方法
JPH07173085A (ja) テトラシクロドデセン誘導体組成物
JP3106811B2 (ja) 環状オレフィン系開環重合体の精製方法
US6891007B2 (en) Method for polymerizing polar substituted cycloalkenes
US20240109984A1 (en) Catalysts for Olefin Metathesis, Methods of Preparation, and Processes for the use Thereof
KR100969433B1 (ko) 노르보르넨계 개환 중합체
Petrov et al. Cycloaddition reaction of quadricyclane and fluoroolefins
Ivin et al. Metathesis polymerization of endo‐5‐and exo‐5‐chloromethylbicyclo [2.2. 1] hept‐2‐ene and of 5, 5‐bis (chloromethyl) bicyclo [2.2. 1] hept‐2‐ene; microstructure of the polymers
JP4503901B2 (ja) テトラシクロドデセン類の連続的製造方法
JPH06206985A (ja) (水添)ノルボルネン系重合体
JP4471322B2 (ja) テトラシクロドデセン類の連続的製造方法
JP2019089714A (ja) フッ素含有環状オレフィンモノマーの製造方法
JP2008069358A (ja) 光学フィルム
JPH05112474A (ja) ノルボルネン環を有する化合物の製造方法
JP4537550B2 (ja) テトラシクロドデセン誘導体組成物
KR20210082171A (ko) 금속 옥소 착물 및 그 제조 방법
JP2000026329A (ja) テトラシクロドデセン組成物
KR100691414B1 (ko) 테트라시클로도데센류의 연속적 제조방법
Takenaka et al. 1, 8H‐Perfluorocyclooctatetraene and its Congeners. Dynamic Equilibrium among Four Valence Isomers

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term