JPH05112474A - ノルボルネン環を有する化合物の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン環を有する化合物の製造方法

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JPH05112474A
JPH05112474A JP29655691A JP29655691A JPH05112474A JP H05112474 A JPH05112474 A JP H05112474A JP 29655691 A JP29655691 A JP 29655691A JP 29655691 A JP29655691 A JP 29655691A JP H05112474 A JPH05112474 A JP H05112474A
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Japan
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compound
reaction
specific
cyclopentadiene
norbornene ring
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JP29655691A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yamauchi
敦詞 山内
Yoshihisa Nakase
吉久 中瀬
Hitoshi Oka
仁志 岡
Akira Iio
章 飯尾
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副生重合物および副生成物の生成反応を有効
に抑制して、ノルボルネン環を有する化合物を高い反応
選択率で得ることができる製造方法を提供することにあ
る。 【構成】 ディールス・アルダー型の熱付加反応によ
り、下記化1(R1〜R12は、水素原子または炭化水素
基)で表わされるノルボルネン環を有する化合物を製造
する方法であって、(ジ)シクロペンタジエン類と、特
定のジエノフィル化合物とともに、特定の範囲となる割
合で特定の中間体を反応系に供給することを特徴とす
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノルボルネン環を有す
る化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下記化4で表わされるノルボルネン環を
有する化合物は、近年優れた光学特性および耐熱性を有
する透明樹脂の原料として非常に有用なものであること
が知られている。
【0003】
【化4】
【0004】〔上記化4において、R1 〜R12は、それ
ぞれ水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であっ
て、これらは同一またはそれぞれ異なっていてもよい。
また、R9 とR10またはR11とR12は、一体化して2価
の炭化水素基を形成していてもよく、更に、R9 または
10と、R11またはR12とは互いに環を形成していても
よい。〕
【0005】上記化4で表されるノルボルネン環を有す
る化合物(以下「ノルボルネン環を有する特定化合物」
ともいう)は、シクロペンタジエン類および/またはジ
シクロペンタジエン類(以下「(ジ)シクロペンタジエ
ン類」ともいう)と、下記化5で表わされるジエノフィ
ル化合物(以下「特定のジエノフィル化合物」ともい
う)とを反応原料としたディールス・アルダー型の熱付
加反応により得ることができる。
【0006】
【化5】
【0007】〔上記化5におけるR9 〜R12は、それぞ
れ上記化4におけるR9 〜R12と同一の水素原子または
炭化水素基を示す。〕
【0008】この反応は熱的に進行するため、反応温度
を比較的高温、例えば80〜250℃にして行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
反応においては、高温条件下では、反応原料である
(ジ)シクロペンタジエン類の重合反応および特定のジ
エノフィル化合物の重合反応が起こりやすく、副生重合
物の析出や付着による反応装置内の閉塞などの障害が生
じ、また、目的とするノルボルネン環を有する特定化合
物への反応選択率が低下するため結局製造コストが高く
なる、という問題点があった。
【0010】従来、高温でのディールス・アルダー反応
における副生重合物の生成を抑制する方法として、以下
の技術が提案されている。 反応原料とともに有機コバルト化合物を添加する技
術(英国特許第923462号)。 反応原料とともに有機ニッケル化合物を添加する技
術(米国特許第3201484号)。 反応原料とともにp−フェニレンジアミン類を重合
防止剤として用いる技術(特公昭57−7131号公
報)。 反応原料をベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶
媒によって希釈する技術。
【0011】しかし、上記およびの技術において
は、有機コバルト化合物および有機ニッケル化合物が空
気中で不安定であるため取り扱いが煩雑になる。また、
の技術では、ノルボルネン環を有する特定化合物を製
造する反応においては十分な効果を得ることができなか
った。また、の技術を適用しても、ノルボルネン環を
有する特定化合物の生成速度が遅くなるため反応時間が
長くなり、結局副生重合物の生成を十分に抑制すること
はできなかった。以上のほか、ジエノフィル化合物の反
応による二量体なども副生成物として生成される。この
ため目的物であるノルボルネン環を有する特定化合物へ
の反応選択率は相当に低いものとなる。
【0012】本発明は、上記の問題について鋭意研究を
重ねた結果、目的とするノルボルネン環を有する特定化
合物の中間生成物として生成されるべき化合物を、反応
原料とともに反応系に供給することにより、副生重合物
およびその他の副生成物の生成量が低下することを見出
し、これによって完成されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のノルボルネン環
を有する化合物の製造方法は、シクロペンタジエン類お
よび/またはジシクロペンタジエン類と、ジエノフィル
化合物とをディールス・アルダー型の熱付加反応させる
ことにより、上記化4で表わされるノルボルネン環を有
する化合物を製造する方法であって、シクロペンタジエ
ン類および/またはジシクロペンタジエン類と、上記化
5で表わされるジエノフィル化合物とともに、下記化6
で表わされる化合物(以下「特定の中間体」ともいう)
を、反応系に供給されるシクロペンタジエン類および/
またはジシクロペンタジエン類のシクロペンタジエン換
算によるモル数をa、前記ジエノフィル化合物のモル数
をbとするとき、0.4(a+b)〜1.2(a+b)
モルとなる割合で反応系に供給することを特徴とする。
【0014】
【化6】
【0015】〔上記化6において、R5 〜R12は、それ
ぞれ水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であっ
て、これらは同一またはそれぞれ異なっていてもよい。
また、R9 とR10またはR11とR12は、一体化して2価
の炭化水素基を形成していてもよく、更に、R9 または
10と、R11またはR12とは互いに環を形成していても
よい。〕
【0016】以下、本発明について具体的に説明する。 <ノルボルネン環を有する特定化合物>本発明の製造方
法によって得られるノルボルネン環を有する特定化合物
は、透明樹脂や光学材料用樹脂などの原料として有用な
ものである。
【0017】ここで、上記化4におけるR1 〜R8 は、
それぞれ、水素原子、あるいはメチル基、エチル基、プ
ロピル基またはブチル基など、炭素数1〜10の炭化水
素基である。これらの炭化水素基(水素原子)は、全て
が同一であっても、一部もしくは全てが異なっていても
よい。
【0018】上記化4におけるR9 〜R12は、それぞ
れ、水素原子、あるいはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシ
ル基、ステアリル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基など、炭素数1〜10の炭化
水素基である。
【0019】また、R9 とR10またはR11とR12は、一
体化して2価の炭化水素基を形成し、ノルボルネン環を
構成する炭素原子と不飽和結合によって結合されていて
もよい。一体化して形成される2価の炭化水素基として
は、例えばエチリデン基、プロピリデン基、イソプロピ
リデン基などのアルキリデン基を挙げることができる。
【0020】更に、R9 またはR10と、R11またはR12
とは互いに環を形成していてもよい。このようにして形
成される環は、単環、縮合多環、架橋を有する多環、不
飽和結合を有する環のいずれであってもよい。このよう
な環の具体例としては、例えば下記化7に示したものを
挙げることができ、これらの環はメチル基などの置換基
を有していてもよい。
【0021】
【化7】
【0022】なお、上記化7において、AおよびBを付
した炭素原子は、それぞれ上記化4〜6において、R9
〜R12が結合している炭素原子を示している。
【0023】上記化4で表される化合物のうち、好まし
い化合物としては、例えば8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−ブチルプロピルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、5−メチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、7
−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8,8−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、2,10−
ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、2,
7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.
5.1.13,6 .02,7 ,09,13 ]−4,10−ペン
タデカジエン、9,11,12−トリメチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができ
る。
【0024】<反応原料>本発明においては、(ジ)シ
クロペンタジエン類および特定のジエノフィル化合物が
反応原料として用いられ、それぞれ、ディールス・アル
ダー反応により、ノルボルネン環を有する特定化合物の
合成に供される。(ジ)シクロペンタジエン類および特
定のジエノフィル化合物は、目的とするノルボルネン環
を有する特定化合物の種類に応じて選択される。
【0025】本発明に用いる(ジ)シクロペンタジエン
類としては、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエ
ンのほか、これらのメチル置換体やエチル置換体などの
アルキル置換体も含まれる。
【0026】本発明に用いる特定のジエノフィル化合物
は、脂肪族オレフィンあるいは芳香族オレフィンであ
る。特定のジエノフィル化合物の具体例としては、例え
ばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、オクテン、デセン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘ
キサジエン、オクタジエン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジヒドロジ
シクロペンタジエン、シクロペンタジエン、ノルボルネ
ン、メチルノルボルネン、エチルノルボルネンなどを挙
げることができる。
【0027】反応系へ供給する(ジ)シクロペンタジエ
ン類と特定のジエノフィル化合物との割合は、モル比
(シクロペンタジエン換算)で1:0.15〜5
〔(ジ)シクロペンタジエン類:特定のジエノフィル化
合物〕が好ましく、更に好ましくは1:0.2〜2であ
る。
【0028】<特定の中間体>反応原料とともに供給さ
れる特定の中間体は上記化6で表わされる化合物であ
り、ノルボルネン環を有する特定化合物の中間生成物と
して生成されるべき化合物である。
【0029】斯かる特定の中間体の具体例としては、例
えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プ
ロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−6−プロピルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エンなどを挙げることができる。
【0030】反応系へ供給する反応原料と特定の中間体
との割合は、モル比(シクロペンタジエン換算)で1:
0.4〜1.2(反応原料:特定の中間体)とされ、好
ましくは1:0.5〜1.2である。反応原料に対する
特定の中間体の割合が0.4より小さい場合には、副生
重合物およびその他の副生成物の生成量が多くなり、本
発明の目的を満足させることができず、一方、この割合
が1.2より大きい場合には、原料の反応転化率が低下
し、反応生成物中のノルボルネン環を有する特定化合物
の濃度が低下するため、精製に多くのエネルギーを必要
とすることになり好ましくない。
【0031】<反応条件>ノルボルネン環を有する特定
化合物を長期間連続的に製造する場合においては、反応
系へ連続的に供給する特定の中間体の量を、反応系から
連続的に抜き出される反応生成物中の特定の中間体の量
と同等とすることが好ましく、これを確実に行うために
は、反応原料と特定の中間体との割合だけでなく、反応
温度、反応系内滞留時間などの反応条件を適当にコント
ロールする必要がある。反応温度は80〜250℃の範
囲が好ましく、更に好ましくは130〜220℃であ
る。滞留時間は1〜30時間が好ましく、更に好ましく
は2〜20時間である。
【0032】上記の反応条件で反応を実施することによ
り、反応系中には、供給された原料の反応によって生成
されるべき量を超えたいわば過剰量の特定の中間体が常
に存在することになり、これにより、副生重合物および
その他の副生成物の生成反応が抑制され、ノルボルネン
環を有する特定化合物への反応選択率が向上する。
【0033】また、本発明においてはハイドロキノン、
2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、4−メトキシフェノール、
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ第3ブチル−
5,5’−ジメトキシ−ジフェニルメタンなどの重合防
止剤を使用することができ、これにより反応系中の副生
重合物の生成量を更に抑制することができる。このと
き、重合防止剤は、反応系中の反応原料と特定の中間体
の全供給量に対して重量で、通常10〜10,000p
pmの範囲、好ましくは50〜5,000ppmの範囲
で添加される。
【0034】反応系から連続的に抜き出された、反応生
成物を含む反応液は蒸留され、未反応の特定のジエノフ
ィル化合物、(ジ)シクロペンタジエン類および特定の
中間体が分離される。これらの未反応物質は反応系に循
環されて再び使用することができる。
【0035】未反応物質が分離された反応液はさらに蒸
留精製され、目的物であるノルボルネン環を有する特定
化合物が回収される。
【0036】ここに、ノルボルネン環を有する特定化合
物および特定の中間体は高沸点であって高温では分解し
やすいため、上記の蒸留は、蒸留塔内の温度が200℃
以下となるように減圧下で行うことが好ましい。
【0037】なお、本発明は長期間連続的にノルボルネ
ン環を有する特定化合物を製造する場合において特に有
用であるが、バッチ方式を採用する場合においても有用
であることは勿論である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。 〔実施例1〕下記化8の構造式(1)で示される8−メ
チル−9−プロピルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセンを得る目的で下記の操作
を行った。
【0039】温度180℃、圧力4.5kg/cm2
Gに保った内容積50リットルの撹拌機付反応器に、定
量ポンプにより、2−ヘキセン(特定のジエノフィル化
合物)と、ジシクロペンタジエンと、下記化8の構造式
(2)で示される5−メチル−6−プロピルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定の中間体)とを
モル比で1:2.4(シクロペンタジエン換算):2.
4の割合で供給した。反応器への反応原料と5−メチル
−6−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ンの供給量は、反応器における滞留時間が8時間となる
ように毎時4kgとした。また、重合防止剤として、p
−メトキシフェノールを、反応器への反応原料と5−メ
チル−6−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エンの全供給量に対し重量で300ppmになるよう
連続的に供給した。毎時4kgの反応液を反応器から抜
き出し、この反応液を、30Torr、110℃に保っ
たフラッシュ蒸留塔に供給し、未反応の2−ヘキセン、
ジシクロペンタジエンおよび5−メチル−6−プロピル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの一部を回収
した。この後、塔径3インチ、充填剤「スルールザーパ
ッキンBX」(住友重機社製)が濃縮部に119cm、
回収部に102cmの高さに充填された蒸留塔に、前記
フラッシュ蒸留塔からの留出物を連続的に供給し、塔頂
圧力5Torr、還流比1で蒸留し、前記フラッシュ蒸
留で回収されなかった未反応の2−ヘキセン、ジシクロ
ペンタジエンおよび5−メチル−6−プロピルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エンを塔頂から回収した。
塔底からは70重量%の8−メチル−9−プロピルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ンを含有する液が得られた。上記のようにして回収され
た未反応の2−ヘキセン、ジシクロペンタジエンおよび
5−メチル−6−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エンは、いずれも反応器へ循環させて再び反応
に供した。反応器の運転は500時間連続して実施し、
運転終了後に反応器を開放したところ、副生重合物の付
着は認められず、反応器内部はきれいな状態であった。
反応転化率および反応選択率を表1に示す。
【0040】
【化8】
【0041】表1の結果から明らかなように、本実施例
においては、反応転化率および反応選択率が十分に高
く、反応液中の副生重合物の割合が小さい。
【0042】〔比較例1〕実施例1において、2−ヘキ
センと、ジシクロペンタジエンと、5−メチル−6−プ
ロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの割
合をモル比で1:2.4(シクロペンタジエン換算):
1.3とし、反応器における滞留時間が30時間となる
ように、反応器への供給量および反応器からの抜き出し
量を毎時1.07kgとした以外は実施例1と同様にし
て500時間連続して運転を実施した。反応転化率およ
び反応選択率を表1に示す。表1の結果から明らかなよ
うに、8−メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンへの反応選択
率が実施例1に比べて低く、反応液中の副生重合物の割
合が大きい。
【0043】〔比較例2〕実施例1において、2−ヘキ
センと、ジシクロペンタジエンと、5−メチル−6−プ
ロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの割
合をモル比で1:2.4(シクロペンタジエン換算):
4.2とし、反応器における滞留時間が3時間となるよ
うに、反応器への供給量および反応器からの抜き出し量
を毎時10.7kgとした以外は実施例1と同様にして
500時間連続して運転を実施した。反応転化率および
反応選択率を表1に示す。表1の結果から明らかなよう
に、8−メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセンへの反応選択率は
実施例1に比べて僅かに高いが、反応転化率が低く反応
液中の8−メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンの濃度が著し
く低い。従って、未反応の2−ヘキセン、ジシクロペン
タジエンおよび5−メチル−6−プロピルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エンを回収するためのエネ
ルギー並びに8−メチル−9−プロピルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンの精製
のために多量のエネルギーが必要とされることは明らか
である。
【0044】〔比較例3〕実施例1において、2−ヘキ
センと、ジシクロペンタジエンとをモル比で1:2.4
(シクロペンタジエン換算)とし、5−メチル−6−プ
ロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの供給
を行わないで反応させ、反応により回収した未反応の2
−ヘキセンおよびジシクロペンタジエンを反応器へ循環
させなかったこと以外は実施例1と同様にして150時
間連続して運転を実施した。反応転化率および反応選択
率を表1に示す。表1の結果から明らかなように、8−
メチル−9−プロピルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセンへの反応選択率が実施例
1に比べて著しく低く、反応液中の副生重合物の割合が
大きい。
【0045】〔実施例2〕下記化9の構造式(3)で示
される8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンを得る目的で下記の操作を行っ
た。
【0046】実施例1と同様の反応器を用い、定量ポン
プにより、ブタジエン(特定のジエノフィル化合物)
と、ジシクロペンタジエンと、下記化9の構造式(4)
で示される5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン(特定の中間体)とをモル比で1:2(シクロ
ペンタジエン換算):2の割合で供給した。反応器への
供給量は、反応器における滞留時間が6時間となるよう
に毎時5kgとした。また、重合防止剤として、p−メ
トキシフェノールを、反応器への反応原料と5−ビニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの全供給量に
対し重量で300ppmになるよう連続的に供給した。
毎時5kgの反応液を反応器から抜き出し、この反応液
を実施例1と同様の蒸留処理に付して未反応のブタジエ
ン、ジシクロペンタジエンおよび5−ビニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エンを回収した。回収され
た未反応のブタジエン、ジシクロペンタジエンおよび5
−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンは、
反応器へ循環させて再び反応に供した。このようにし
て、反応器の運転を500時間連続して実施した。反応
転化率および反応選択率を表1に示す。
【0047】
【化9】
【0048】表1の結果から明らかなように、本実施例
においても、反応転化率および反応選択率が十分に高
く、反応液中の副生重合物の割合が小さい。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1において、「特定のジエノフィル
化合物」の「ノルボルネン環を有する特定化合物」への
反応選択率、および「ジシクロペンタジエン」の「ノル
ボルネン環を有する特定化合物」への反応選択率は、そ
れぞれ、下記数1および数2に従って求めた。
【0051】
【数1】
【0052】
【数2】
【0053】数1および数2中、PT は「ノルボルネン
環を有する特定化合物」の生成モル量、PB は「特定の
中間体」の生成モル量、R1 は「特定のジエノフィル化
合物」の反応モル量、R2 は「ジシクロペンタジエン」
の反応モル量を示す。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、(ジ)シクロペ
ンタジエン類と、特定のジエノフィル化合物とともに、
特定の範囲となる割合で、中間生成物として生成される
べき特定の中間体を反応系に供給するので、副生重合物
の生成反応およびテトラシクロペンタジエンなどの副生
成物の生成反応が有効に抑制され、その結果、高い反応
選択率で目的とするノルボルネン環を有する特定化合物
を得ることができる。しかも副生重合物の析出、付着に
よる装置内の閉塞などの障害を生じることなく長時間連
続的に反応を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 章 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエン類および/またはジ
    シクロペンタジエン類と、ジエノフィル化合物とをディ
    ールス・アルダー型の熱付加反応させることにより、下
    記化1で表わされるノルボルネン環を有する化合物を製
    造する方法であって、 シクロペンタジエン類および/またはジシクロペンタジ
    エン類と、下記化2で表わされるジエノフィル化合物と
    ともに、下記化3で表わされる化合物を、反応系に供給
    されるシクロペンタジエン類および/またはジシクロペ
    ンタジエン類のシクロペンタジエン換算によるモル数を
    a、前記ジエノフィル化合物のモル数をbとするとき、
    0.4(a+b)〜1.2(a+b)モルとなる割合で
    反応系に供給することを特徴とするノルボルネン環を有
    する化合物の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 〔上記化1〜化3において、R1 〜R12は、それぞれ水
    素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であって、こ
    れらは同一またはそれぞれ異なっていてもよい。また、
    9 とR10またはR11とR12は、一体化して2価の炭化
    水素基を形成していてもよく、 更に、R9 またはR10と、R11またはR12とは互いに環
    を形成していてもよい。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000001742A1 (fr) * 1998-07-02 2000-01-13 Nippon Petrochemicals Company, Limited Compositions tetracyclododecene et procede de fabrication correspondant
JP2012129545A (ja) * 2008-05-28 2012-07-05 Air Products & Chemicals Inc 置換フェノール安定剤を用いるnbdeの安定化改良法

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