JPH07179718A - ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料 - Google Patents

ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料

Info

Publication number
JPH07179718A
JPH07179718A JP32432093A JP32432093A JPH07179718A JP H07179718 A JPH07179718 A JP H07179718A JP 32432093 A JP32432093 A JP 32432093A JP 32432093 A JP32432093 A JP 32432093A JP H07179718 A JPH07179718 A JP H07179718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene wax
group
polyethylene
living
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32432093A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ito
康志 伊藤
Genichi Nakamura
元一 中村
Koichi Nakamura
浩一 中村
Takeo Imai
健雄 今井
Masafumi Shibata
雅史 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP32432093A priority Critical patent/JPH07179718A/ja
Publication of JPH07179718A publication Critical patent/JPH07179718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油性固形物等に配合して、少量で高い固形物
の強度制御能、耐油分分離能、化学安定性を示すポリエ
チレンワックスを提供する。 【構成】 炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキルリ
チウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビ
ング重合させ、得られたポリエチレンのリビング末端
に、有機ケイ素化合物を反応させて得られる次式(I)
で表される分子末端にシリル基を有するポリエチレンワ
ックス、このポリエチレンワックスを液体油及び/又は
固体油に配合してなる油性固形物、及びこの油性固形物
を含有する化粧料。 【化1】 (式中、R1は炭素数1から6の飽和炭化水素基、R2、R3
及びR4は炭素数1〜18の脂肪族または芳香族炭化水素
基、n は10〜300 の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエチレンワックス、
その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料
に関し、詳しくはシリル基を分子末端に有するポリエチ
レンワックス、その製造法、このポリエチレンワックス
を配合してなる適度な強度と優れた安定性を有し、化粧
料や医薬品、クレヨン等の油性基剤として有用な油性固
形物、及びこの油性固形物を含有する使用感に優れ、耐
オイル分離性が良好な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、口紅、アイシャドウ等の化粧品
や医薬品、クレヨン等の文具などの油性基剤としては、
ワックス等の固体油を液体油と共に加熱溶解し、次いで
冷却成形することにより得られる油性固形物が用いられ
ている。また、近年ではかかる油性固形物の利用分野、
とりわけ化粧料分野においては製品の多様化、高度化に
伴なって油性固形物に更なる性能の向上が望まれてい
る。例えば、従来、固形油性化粧料としては、化粧料用
液体油及びカルナウバロウ、パラフィン等のワックスか
らなる油性固形物に顔料等の化粧料成分を分散したもの
が用いられているが、このような固形油性化粧料は、強
度と安定性に劣り、折損し易く、また化粧料中からの油
分の分離(発汗現象)を生じ易いものであった。
【0003】そこで、これらの固形油性化粧料の強度、
安定性等の性能改善を目的として、合成ポリエチレンワ
ックスを配合することも行われてきている。しかしポリ
エチレンワックスを配合した油性固形物においても未だ
その効果が十分とはいえない。このようなポリエチレン
ワックスの欠点を改良するためにワックスにおける分岐
構造の導入が有効であるといわれており、目的の分岐構
造を有するポリエチレンワックスの開発が望まれてい
た。
【0004】これに関し、ブチルリチウム/3級ジアミ
ン系開始剤によりエチレンのアニオン重合が可能である
ことはよく知られており、このアニオンリビング重合法
で得られるポリエチレンのリビング末端は、各種の官能
基に変換することができる。本発明者らはこれらに関
し、既にカルボニル化合物、酸素と反応させ、さらに酸
ハロゲン化物、酸無水物と反応させ、様々な官能基を導
入することに成功している。
【0005】しかしながら上述の末端官能基導入法を利
用して、分岐を導入すると生成するポリエチレンワック
スは必ずエステル結合、水酸基等の官能基を有するため
に、ワックスの極性、化学反応性が変化し、製品の性
能、安定性に影響を与える。また、官能基の導入を避け
るために、脱離基を持つ分岐炭化水素化合物(例えばハ
ロゲン化分岐アルキル等)をリビングポリエチレンに反
応させると、脱離基とリチウムとの交換反応などが起こ
り、分岐炭化水素基の導入率は低いものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、極性基などを
持たない、分岐構造の明確なポリエチレンワックスが収
率よく、さらに純度よく得られれば、油性固形物、油性
クリーム等に化学的安定性とともに、適度な強度、発汗
現象防止能を付与することができ、化粧料等に用いた際
に、その使用感を悪化させずに、適度な強度と高い安定
性を付与できると考えられ、このようなポリエチレンワ
ックスの開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、リビング重合の後に
得られるリビングポリエチレンに特定の有機ケイ素化合
物を反応させる操作により、油性固形物の物性改良剤と
して用いられる末端に3つの任意の炭化水素分岐を有す
るシリル基を導入したポリエチレンワックスを導入率良
く合成できることを見出し、更にこのポリエチレンワッ
クスを液体油及び/又は固体油に配合することにより使
用感を悪化させることなく、飛躍的に強度と耐油分分離
性等の安定性を改善した油性固形物が得られ、これは特
に口紅等の化粧料の基剤として有用であることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、以下の(1) 〜(4) に
示す分子末端にシリル基を有するポリエチレンワック
ス、その製造法、油性固形物及び化粧料を提供するもの
である。 (1) 次式(I)で表される分子末端にシリル基を有する
ポリエチレンワックス。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は炭素数1〜6の直鎖または分
岐の飽和炭化水素基、R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は
異なって炭素数1〜18の脂肪族または芳香族炭化水素
基、n は10〜300 の整数である。) (2) 以下の工程からなる上記(1) 記載の分子末端にシリ
ル基を有するポリエチレンワックスの製造法。 1) 炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキルリチウム
/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビング重
合させる工程 2) 工程1)で得られたポリエチレンのリビング末端に、
次式(II)で示される有機ケイ素化合物を反応させる工
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を
示し、X はハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。) (3) 液体油及び/又は固体油に上記(1) 記載のポリエチ
レンワックスを配合してなることを特徴とする油性固形
物。 (4) 上記(3) 記載の油性固形物を含有することを特徴と
する化粧料。
【0013】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本
発明の前記式(I)で表される分子末端にシリル基を有
するポリエチレンワックス(以下ポリエチレンワックス
(I)と略記する)は分子末端のケイ素原子にR2〜R4
示される3つの独立した炭化水素置換基を有する。かか
る炭化水素置換基としては炭素数1〜18、好ましくは1
〜10の脂肪族または芳香族炭化水素基から選ばれる。脂
肪族炭化水素置換基の具体例としてはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、 sec−ブチル基、tert−ブチル基、炭素
数5〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基、脂環式炭
化水素基等が挙げられる。なお、特殊な場合として、前
記式(I)におけるR2〜R4の中の二つの置換基が共有結
合で結ばれており、ケイ素原子を含む環が形成されてい
るものも本発明の範囲に入る。芳香族炭化水素置換基の
具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチ
ルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの末
端シリル基のR2〜R4で示される基は、生成ポリエチレン
の物性に対し、融点を低下させるなどの変化を発現する
が、化学安定性には影響を及ぼさない。R2〜R4で示され
る基の炭素数が18より大きいと適度な強度を有する油性
固形物を得ることができない。
【0014】本発明の分子末端にシリル基を有するポリ
エチレンワックス(I)は、エチレン繰り返し単位とし
て10〜300 、好ましくは10〜100 、より好ましくは10〜
50の範囲の平均重合度を有する混合物である。その重合
度分布に特に制限はないが通常、1.01〜5程度が好まし
い。平均重合度が10未満であるとワックスとしての性能
が不十分であり、また平均重合度が300 より大きい場合
は生成ポリエチレンがプラスチックス様の外観および物
性を示し、ワックスとしては適さない。
【0015】次に本発明の分子末端にシリル基を有する
ポリエチレンワックス(I)の製造法について説明す
る。まず第一工程として、炭素数1〜6の直鎖または分
岐のアルキルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いて
エチレンのリビング重合を行う。エチレンのリビング重
合においては脂肪族炭化水素溶媒が用いられる。かかる
溶媒の具体例としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等が挙げら
れる。
【0016】炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
リチウムとしてはメチルリチウム、エチルリチウム、n
−ブチルリチウム、 sec−ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム等が用いられる。3級ジアミンとしては二つ
の窒素間原子数が2ないし3個のものが好適に用いられ
る。かかる3級ジアミンの具体例としてはテトラメチル
エチレンジアミン、ジピペリジノエタン、ジピロリジノ
エタン、スパルテイン等が挙げられる。これら3級ジア
ミンは通常アルキルリチウムに対して 0.1〜10当量用い
られる。ジアミンの使用量が 0.1当量より少ないと重合
が遅く、また、シリル基の導入率が低くなり、10当量を
越えるとリビング末端が失活してしまうものが多くなる
ために、分子量が低く、シリル基の導入率も低くなる。
【0017】上記アルキルリチウムおよび3級ジアミン
を含む炭化水素溶液にエチレンを導入することで、エチ
レンのリビング重合が進行する。エチレンの導入圧力に
は特に制限はないが、1kg/cm2 〜100 kg/cm2 が適当
である。1kg/cm2 未満の低圧においては重合反応が遅
すぎ、経済的ではない。一方、100 kg/cm2 を越える高
圧においては、重合が速すぎて反応の制御が困難であ
る。重合は0℃〜100 ℃で好適に行われる。望ましくは
20℃〜80℃である。反応温度が0℃未満では重合反応が
遅くなり、また、生成するポリエチレンが沈澱しやすく
なるため好ましくない。反応温度が 100℃を越えるとリ
ビング末端が失活しやすくなるため好ましくない。重合
時間は重合温度、3級ジアミン濃度、エチレン導入圧力
等によって異なるが、一般に 0.1時間から24時間程度で
ある。生成するポリエチレンの分子量は重合時間や温度
などの重合条件を変化させることで制御することができ
る。重合条件は重合熱を除去できる限りなるべく短時間
であることがリビング末端の失活を防ぐ点で好ましい。
【0018】第二の工程として、上記方法にて生成した
ポリエチレンのリビング末端に前記式(II)で表される
有機ケイ素化合物を反応させる。かかる有機ケイ素化合
物としては3つの置換基にそれぞれ独立した炭素数1〜
18の脂肪族または芳香族炭化水素を有し、1つの置換基
は、F, Cl, Br, I等のハロゲン原子、又はメトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基を
有するものが用いられる。
【0019】通常、アルキルリチウムのケイ素原子への
求核付加反応はα水素の引き抜き反応と競合するため、
ある程度の割合で末端にシリル基をもたないポリエチレ
ンを副生する。しかし、ケイ素原子への反応の反応速度
はα水素の引き抜き反応の反応速度に比して極めて大き
いため、温和な反応条件であれば、ほぼ定量的に目的の
シリル基を持つポリエチレンを得ることができる。前記
式(II)で表される有機ケイ素化合物の添加量は特に制
限はないが極めて定量的な反応のためリビング末端に対
し1〜1.2 倍過剰程度で十分である。
【0020】有機ケイ素化合物とリビングポリエチレン
との反応は均一系においては室温でもほぼ1分以内に完
結する。しかしながら、ポリエチレンの分子量が高く沈
澱を生成している場合には、数分〜数時間の反応が必要
となる。反応温度に特に制限はないが通常0℃〜100
℃、好ましくは20℃〜80℃で行われる。一般には重合に
用いた温度と同一で行われる。有機ケイ素化合物の添加
方法は特に規定しないが、高温下、過剰のリビングポリ
エチレン存在下の反応では前述のα水素の引き抜き反応
により、シリル基の導入率は70%以下に留まる。従っ
て、有機ケイ素化合物をリビングポリエチレン溶液にな
るべく速やかに除熱しながら加えるか、有機ケイ素化合
物を重合に用いられる炭化水素溶媒で希釈しておき、リ
ビングポリエチレン溶液を滴下することが望ましい。
【0021】上記のようにして得られる本発明のポリエ
チレンワックス(I)を、液体油及び/又は固体油に配
合することにより本発明の油性固形物が得られる。尚、
本発明において固形物とは、常温(15〜25℃)、常圧
で、流動性のないものを指し、その形状は棒状、板状及
び皿状物へ流し込み成形したもの等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。本発明の油性固形物中のポ
リエチレンワックス(I)の配合量は特に制限されない
が、通常 0.1〜95重量%、好ましくは 0.5〜50重量%、
更に好ましくは1〜30重量%である。
【0022】本発明において、ポリエチレンワックス
(I)と共に配合される液体油又は固体油としては、通
常化粧料、医薬品、クレヨン等に用いられる常温で液体
状又は固体状(半固体状のものも含む)のものであれば
特に限定されるものではない。液体油としては、室温で
流動性のある液状のものが好ましく、その具体例として
は、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサン、スクワラン、
軽質流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、流動
ポリイソブチレン、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸
オクチルドデシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イ
ソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、リンゴ
酸ジイソステアリル、ホホバ油、液状ラノリン、液状ジ
グリセリド、オリーブ油、アボカド油、ヒマシ油、イソ
ステアリルアルコール等が挙げられる。これらの液体油
の配合量は、特に制限はないが、本発明の油性固形物中
に5〜99.9重量%、特に50〜99重量%が好ましい。
【0023】また、固体油の具体例としては、モクロ
ウ、硬化牛脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラ
イスワックス、ミツロウ、セレシンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチ
レンワックス、硬化ホホバ油、ラノリン、ワセリン、固
形パラフィン、細胞間脂質(セラミド等)等が挙げられ
る。これらの固体油の配合量は、用途により適宜決定す
ればよいが、本発明の油性固形物中に0〜99.9重量%、
特に0〜50重量%が好ましい。
【0024】本発明の油性固形物は、上述の液体油及び
/又は固体油とポリエチレンワックス(I)とを加熱融
解して均一に混合し、次いで冷却固化することにより製
造することができる。
【0025】本発明の油性固形物は化粧料やクレヨン等
の文具の製造その他様々な用途の油性基剤として用いら
れるものであるが、特に化粧料用として有用であり、そ
の場合、本発明の油性固形物の配合量は化粧料の種類に
よっても異なるが、全量中に5〜99重量%、特に20〜99
重量%が好ましい。本発明の化粧料は、必須成分とし
て、上記のようなポリエチレンワックス(I)を配合し
た油性固形物を含有するが、この油性固形物の他に、目
的に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、
上記以外の実質的に水を含まない油性原料、界面活性
剤、薬効成分、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収
剤、顔料、香料等を配合することができる。本発明の化
粧料は、上記成分を常法に従って、加熱、混合、攪拌等
することにより製造することができ、口紅、ファンデー
ション、アイシャドウ、アイライナー等のメイクアップ
化粧品とすることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を用いて更に詳しく本発明を説
明するが、本発明はこれらによって何等限定されるもの
ではない。
【0027】実施例1 窒素置換した1リットルのオートクレーブに乾燥シクロ
ヘキサン 400ml、テトラメチルエチレンジアミン3ml、
n−ブチルリチウム (1.6mol/リットル)12.5mlを仕込
み、30℃にてエチレンガスを2kg/cm2 の圧力にて導入
した。30分重合を行った後、エチレンガスを除去し、窒
素置換しておいた。あらかじめ、1リットルのナスフラ
スコにトリメチルクロロシラン 2.8ml、乾燥シクロヘキ
サン10ml溶液を用意しておき、前述の重合混合物を窒素
気流下、滴下した。滴下終了後、30℃で30分間反応させ
た後、反応混合物を2リットルのメタノールに投入し
た。1時間攪拌した後、減圧濾過にて生成した固体を集
め、50℃のオーブンにて真空下に24時間乾燥し、白色ワ
ックス状固体を得た。生成物の収量は12.0g、GPC分
析(Waters社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポ
リエチレン標準サンプルで較正)の結果、数平均分子量
は 670、分子量分布は1.03であった。
【0028】1H-NMR分析(Bruker社製、200MHz、テトラ
クロロエチレン、80℃、ロック溶媒としてDMSO-d6を二
重管で用い、外部標準としてTMSを用いた。)の結
果、−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合してい
るメチル基、0.4ppm (トリプレット) にシリル基に結合
しているメチレン基、0.8ppm (トリプレット) に開始末
端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン基のシグナル
が観察された。各々のシグナルの積分比から、末端シリ
ル基導入率96%であることがわかった。
【0029】比較例1 実施例1と同様の方法でリビングポリエチレンを合成
し、エチレンガスを除去し、窒素置換しておいた。あら
かじめ、1リットルのナスフラスコにtert−ブチルクロ
リド 2.6ml、乾燥シクロヘキサン10mlを用意しておき、
前述の重合混合物を窒素気流下、滴下した。滴下終了
後、30℃で30分間反応させた後、反応混合物を2リット
ルのメタノールに投入した。1時間攪拌した後、減圧濾
過にて生成した固体を集め、50℃のオーブンにて真空下
に24時間乾燥し、白色ワックス状固体を得た。生成物を
1H-NMRにより分析した結果、0.8ppm (シングレット) に
停止末端(tert−ブチル)メチル基のシグナルがわずか
に観察された。各々のシグナルの積分比から、末端tert
−ブチル基導入率5%程度であることがわかった。
【0030】実施例2〜3 テトラメチルエチレンジアミンの代わりに表1に示す3
級ジアミンを用い、実施例1と同様にリビングポリエチ
レンを合成し、さらに、表1に示すような有機ケイ素化
合物を反応させ、実施例1と同様の処理を行い、分子末
端にシリル基を有するポリエチレンワックスを得た。条
件および結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例4 分子末端にシリル基を有するポリエチレンワックスとし
て、実施例1にて合成した変性ポリエチレンワックスを
用い、下記製法により表2に示す組成を有する口紅を製
造した。
【0033】<製法>基剤原料を加熱融解して均一に混
ぜた。これに色材原料を加え、ロールミルで練ることに
より均一に分散させた後、再融解して脱泡してから型に
流し込み、急冷して固めた。固まったものを型から取り
出し、容器に装填した。
【0034】
【表2】
【0035】比較例2 実施例1で合成した変性ポリエチレンワックスの代わり
に、固形パラフィン(融点63℃)を同じ量用いて、実施
例4と同様の製法により、口紅を製造した。
【0036】比較例3 実施例1で合成した変性ポリエチレンワックスの代わり
に、マイクロクリスタリンワックスを同じ量用いて、実
施例4と同様の製法により、口紅を製造した。
【0037】試験例1 専門パネラー10人に実施例4および比較例2、3の口紅
を使用してもらい、その使用感について下記基準で官能
評価した。その結果を表3に示す。また、実施例4およ
び比較例2、3の口紅を、35℃の恒温槽に1週間保存し
た場合の、耐オイル分離性について下記基準で評価を行
った。その結果も表3に示す。
【0038】<評価基準> ◎:非常に良好 ○:良好 △:普通 ×:劣る
【0039】
【表3】
【0040】実施例5 分子末端にシリル基を有するポリエチレンワックスとし
て、実施例2にて合成した変性ポリエチレンワックスを
用い、下記製法により表4に示す組成を有するまゆずみ
を製造した。
【0041】<製法>顔料以外の原料を加熱融解して均
一に混ぜた。これに顔料を加えてよく攪拌し、ロールミ
ルで練ることにより均一に分散させた後、冷却、圧搾射
出機によって内径3mmのノズルから押し出し成形した。
【0042】
【表4】
【0043】比較例4 実施例2で合成した変性ポリエチレンワックスの代わり
に固形パラフィンを同じ量用いて、実施例5と同様の製
法により、まゆずみを製造した。
【0044】試験例2 専門パネラー10人に実施例5および比較例4のまゆずみ
を使用してもらい、強度及び使用感について下記基準で
官能評価した。その結果を表5に示す。
【0045】<評価基準> ◎:非常に良好 ○:良好 △:普通 ×:劣る
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】本発明により、分子末端にシリル基を有
する新規なポリエチレンワックスが高収率かつ高純度で
得ることができた。特に本発明で得られるポリエチレン
ワックスはほとんど全ての分子末端に一つずつ望みの分
岐を有することから、油性固形物等に配合して、少量で
高い固形物の強度制御能、耐油分分離能、化学安定性を
示す。この配合品は油性化粧料、医薬品、クレヨン等の
文具、その他の分野に好適に用いられ、中でも化粧料に
配合した場合には、良好な使用感を有し、適度な強度と
高い安定性を有する化粧料を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)で表される分子末端にシリル
    基を有するポリエチレンワックス。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6の直鎖または分岐の飽和炭化
    水素基、R2、R3及びR4はそれぞれ同一又は異なって炭素
    数1〜18の脂肪族または芳香族炭化水素基、n は10〜30
    0 の整数である。)
  2. 【請求項2】1) 炭素数1〜6の直鎖または分岐のアル
    キルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレン
    をリビング重合させる工程と、 2) 工程1)で得られたポリエチレンのリビング末端に、
    次式(II)で示される有機ケイ素化合物を反応させる工
    程 【化2】 (式中、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を示し、X はハ
    ロゲン原子又はアルコキシ基を示す。)とからなる請求
    項1記載の分子末端にシリル基を有するポリエチレンワ
    ックスの製造法。
  3. 【請求項3】 液体油及び/又は固体油に請求項1記載
    のポリエチレンワックスを配合してなることを特徴とす
    る油性固形物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の油性固形物を含有するこ
    とを特徴とする化粧料。
JP32432093A 1993-12-22 1993-12-22 ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料 Pending JPH07179718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32432093A JPH07179718A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32432093A JPH07179718A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07179718A true JPH07179718A (ja) 1995-07-18

Family

ID=18164480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32432093A Pending JPH07179718A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07179718A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0739910A2 (en) * 1995-04-28 1996-10-30 Northwestern University Method for preparing silyl-terminated polyolefins
JP2003089699A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Kao Corp シラン化合物
WO2004035640A1 (ja) * 2002-10-16 2004-04-29 Mitsui Chemicals, Inc. オレフィン系ワックス、ならびにシリコーン変性オレフィン系ワックス、これを用いたシリコーン系室温固化組成物、およびこれらを用いた化粧料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0739910A2 (en) * 1995-04-28 1996-10-30 Northwestern University Method for preparing silyl-terminated polyolefins
EP0739910A3 (en) * 1995-04-28 1997-08-27 Univ Northwestern Process for the preparation of polyolefins with silylenol groups
JP2003089699A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Kao Corp シラン化合物
JP4633307B2 (ja) * 2001-09-19 2011-02-16 花王株式会社 シラン化合物
WO2004035640A1 (ja) * 2002-10-16 2004-04-29 Mitsui Chemicals, Inc. オレフィン系ワックス、ならびにシリコーン変性オレフィン系ワックス、これを用いたシリコーン系室温固化組成物、およびこれらを用いた化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3362785B2 (ja) 星形構造を有するポリマーを含有する組成物、該ポリマー及びそれらの用途
JP5878472B2 (ja) 化粧組成物
JP2010116419A (ja) アラルキルシロキサンの使用方法
JPH03264512A (ja) エステル変性シリコーン誘導体及びこれを含有する化粧料
JPH0577707B2 (ja)
JPH07179718A (ja) ポリエチレンワックス、その製造法及びそれを含有する油性固形物並びに化粧料
EP0270339B1 (en) External agent for the skin comprising a specific ethylenic copolymer
JP3274588B2 (ja) シリコーン油固化剤
US20020168332A1 (en) Composition comprising polymers having a star structure, the polymers, and their use
EP0523738B1 (en) Silicone derivative and cosmetic composition comprising the same
JPH07118122A (ja) 油性固形物
JP2799305B2 (ja) 弗素化化合物、その製造方法及びこれを含有する非水性媒体
JPS6021568B2 (ja) 化粧料
JPH07118121A (ja) 油性固形物
JPH0971505A (ja) 架橋型シリコーン含有化粧料
JP3624179B2 (ja) シリコーン油固化剤を含有する化粧料
JP3492947B2 (ja) 唇用油性固形化粧料
JP3383261B2 (ja) 星形構造を有するポリマーを含有する組成物、該ポリマー及びそれらの用途
JP2909924B2 (ja) 粉体入り油性化粧料
JP4633307B2 (ja) シラン化合物
EP1514884A1 (fr) Copolymères éthyléniques séquences comprenant une séquence vinyllactame, compositions cosmétiques ou pharmaceutiques les contenant, et utilisation de ces copolymères en cosmétique
JPH06299190A (ja) 油性固形物
JP3429858B2 (ja) 油性固形化粧料
JPH035488A (ja) エステル変性シリコーン誘導体及びこれを含有する化粧料
US4313888A (en) N-3-(Cis-9-octadecenoyloxy)-2-hydroxypropylamine derivative