JPH0717903B2 - 地盤注入用薬液 - Google Patents

地盤注入用薬液

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JPH0717903B2
JPH0717903B2 JP2141547A JP14154790A JPH0717903B2 JP H0717903 B2 JPH0717903 B2 JP H0717903B2 JP 2141547 A JP2141547 A JP 2141547A JP 14154790 A JP14154790 A JP 14154790A JP H0717903 B2 JPH0717903 B2 JP H0717903B2
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caustic soda
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健二 栢原
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強化土エンジニヤリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水ガラス液を微粒子懸濁状の硬化剤(反応剤)
により長時間を要して硬化せしめ、優れた浸透性と固結
強度を発揮する地盤注入用薬液の開発に関する。
〔従来の技術〕
セメントを使用しない無機系の懸濁型水ガラスグラウト
として古くから水ガラスと反応剤として、難溶性の消石
灰、生石灰、炭酸カルシウム、ドロマイト等の石灰類を
用いるグラウトがある。このうち消石灰が極めて反応性
が優れているが、消石灰の粒子径は10〜40μ程度である
ため浸透性に劣る欠点があり、粉砕して微粒子にするに
は限度があり、また経済的に高価となる。炭酸カルシウ
ムは消石灰よりも一般に粒子は細かいが、やはり限度が
あり、水ガラスとの反応性は悪い。石灰類(マグネシウ
ム類を含む)以外の難溶性多価金属化合物は一般に水ガ
ラス液とは反応せず、水ガラスの硬化剤として使用され
ているものはほとんど見当たらない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は極めて微粒の多価金属の水酸化物を水ガ
ラスの硬化剤として使用するために、難溶性の多価金属
化合物と苛性アルカリ(苛性ソーダまたは苛性カリ)を
反応せしめて粒径の小さな水酸化物のコロイドを形成せ
しめて、水ガラスのモル比を如何にかかわらず広範囲の
水ガラス液をゲル化に至らしめ、浸透性・固結性に優れ
た地盤注入用薬液を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前述の目的を達成するため、本発明によれば苛性アルカ
リ剤と難溶性多化金属化合物との反応生成物からなる水
酸化物のコロイド状懸濁液を水ガラス液に反応せしめる
ことにより、モル比の如何にかかわらず広範囲の水ガラ
ス液を長時間を要してゲル化に至らしめて浸透性に優
れ、かつ固結性にも優れたグラウトを得ることができ
た。
苛性アルカリとして苛性ソーダおよび苛性カリが挙げら
れ、水ガラスは各種モル比の水ガラスが使用できる。
難溶性多価金属化合物として重質の炭酸カルシウム、酸
化第二鉄、酸化アルミニウム消石灰、粒子の細かい軽質
の炭酸カルシウム、同族の炭酸マグネシウム、その他石
膏、生石灰、マグネシア、水酸化マグネシウム、四三酸
化鉄等が挙げられる。
〔作用〕
難溶性の多価金属化合物と苛性アルカリは徐々に反応し
て水溶液中で多価金属の水酸化物を生成し、この水酸化
物は微粒子状でコロイド状を呈している。
難溶性の多価金属化合物として多価金属の水酸化物を用
いると、多価金属水酸化物は苛性アルカリによって沈降
状からコロイド状へと変化し、見掛け上細かい粒子と同
じような挙動をとるようになる。
このため上記水酸化物は何れも従来の懸濁型グラウトに
比べると一段と浸透性に優れるものと思われる。
また生成するこれらの水酸化物は、モル比の如何にかか
わらず広範囲の水ガラスをゲル化せしめることができ
る。
〔実施例〕
以下本発明を実施例によって詳述する。
〔1〕使用材料 (1)水ガラス モル比の異なる表−1に示す組成の水ガラスを使用 (2)苛性アルカリ剤 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)試薬一級を使用 (3)難溶性多価金属化合物 難溶性多価金属化合物として次の4種のものを使用 i)炭酸カルシウム 工業用重質炭酸カルシウム ii)酸化第二鉄 工業用ベンガラ iii)酸化アルミニウム 工業用アルミナ iv)消石灰 水酸化カルシウム(試薬一級) 〔2〕水ガラスと難溶性多価金属化合物−苛性ソーダの
系 A液として水ガラス水溶液、B液として炭酸カルシウ
ム、酸化鉄第二鉄、酸化アルミニウム、消石灰と苛性ソ
ーダの混合懸濁液を用い、A−B混合液のゲル化時間と
固結体の水中養生における一軸圧縮強度を表−2に示
す。
対照としてB液を炭酸カルシウム、酸化第二鉄、酸化ア
ルミニウム、消石灰単独の懸濁を使用した例を挙げる。
〔3〕標準砂への注入試験 内径5cm、高さ10cmのモールド中に豊浦標準砂を填充し
て、小型注入ポンプを用いてモールド下面から表−2の
代表的な配合液を注入して、注入時の浸透状況の観察と
24時間後に固結体を取り出して水中養生し、一軸圧縮強
度の経日変化をみた。結果を表−3に示す。
表−2および表−3から次のことがわかる。
1.ゲル化時間 炭酸カルシウムと水ガラスからなる系では水ガラスのモ
ル比は低い場合(約2以下)のみ長時間でゲル化し(表
−2の実施例No.10、14参照)般用の水ガラス(モル比
約2以上)ではゲル化を起こさない。(表−2の実施N
o.1、6参照)酸化第二鉄、酸化アルミニウムと水ガラ
スからなる系(表−2の実施No.17、19、22、24)では
水ガラスのモル比の如何にかかわらずゲル化を起こさな
い。また消石灰と水ガラスからなる系では水ガラスのモ
ル比が大きいと(実施No.27)短時間(1分以内)でゲ
ル化する。しかるに本願発明にかかる系では如何なるモ
ル比の水ガラスでも適当な時間でゲル化し、安価な3号
水ガラスの使用も可能となる。(表−2参照) 2.ホモゲル強度 炭酸カルシウムと低モル比水ガラスからなる系(表−2
の実施No.10、14)では前述のようにゲル化するが、本
願発明にかかる炭酸カルシウムと苛性ソーダを水ガラス
の硬化に使用した系(表−2の実施No.2、3、4、5、
7、8、9、11、12、13、15、16、)と比較するとホモ
ゲル強度は格段に劣っている。炭酸カルシウムと低モル
比水ガラスからなる系では懸濁物がゲル化に至る間に徐
々に沈降して、下層は強固に固結するが、上層にいくに
従って軟弱となり、全体として不均一となって低い強度
しか示さない。本願発明にかかる炭酸カルシウムと苛性
アルカリを使用した系ではこのような傾向は極めて少な
く全体が略均一に固結するため全体としての強度にまさ
る。炭酸カルシウムにかえて酸化第二鉄、酸化アルミニ
ウムを使用した苛性ソーダを使用しない系(表−2の実
施No.17、19、22、24)では前述のように全くゲル化を
起こさないが、苛性ソーダを使用した本願発明の系(表
−2の実施No.18、20、21、23、25、26)ではゲル化を
起こして、ホモゲルの強度は炭酸カルシウム使用の本願
発明の系に比べれば若干劣るものの可成りの強度を示し
ている。
水ガラスの硬化に消石灰と苛性ソーダを使用した本願発
明の系(表−2の実施No.28、29、30、32、33)は苛性
ソーダを使用しない消石灰と水ガラスからなる系(表−
2の実施No、27、31)に比べるとゲル化時間は長いにも
拘わらず強度は明らかに優れている。
3.浸透性およびサンドゲル強度 標準砂への注入試験における観察結果から炭酸カルシウ
ムと水ガラスからなる系(表−3実施No.10、14)およ
び消石灰と水ガラスからなる系(表−3実施No.31)で
は浸透に要する時間が長く、得られたサンドゲルは下層
は強固に固結しているが、上層にいくに従って軟弱とな
り、全体としてのサンドゲルの強度は弱くなっている。
これは懸濁物が均一な状態で充分に上層まで浸透せず、
上層にいくに従って懸濁物が濾過された型で浸透してい
るためと思われる。
これに比べて、本願発明にかかる系(表−3の実施No.
4、8、12、15、18、20、23、26、32)ではこのような
傾向は非常に少なく、従ってサンドゲルは均一な状態で
強度も勝っている。特にその効果は炭酸カルシウム−苛
性アルカリの系において著しい。
4.水ガラスのモル比と相当モル比 B液に苛性ソーダを添加して低モル比水ガラスと同一モ
ル比となる如く相当モル比を調整した場合、苛性ソーダ
無添加の場合に比べて消石灰の場合を除いてはゲル化を
促進すると共に固結強度においても優れている。消石灰
の場合はゲル化を長びかす拘わらず、固結強度は優れて
いる。表−2より相当モル比が同一の場合をとりあげ
て、それぞれのゲル化時間と固結強度をまとめると表−
4のようになる。
表−4より炭酸カルシウム使用で苛性ソーダ無添加の表
−2の実施No.6、10、14に比べ、苛性ソーダを添加して
それぞれNo.6、No.10、No.14と同一モル比(相当モル
比)に調整したNo.2およびNo.3、7およびNo.4、8、11
の場合は何れもゲル化時間を短縮し、強度は著しく増強
されている。
酸化第二鉄、酸化アルミニウム使用で苛性ソーダ無添加
の表−2の実施No.19、24の場合は未固結の状態である
が、苛性ソーダを添加すると(表−2の実施No.18、2
0、23、25)ゲル化を起こし可成りの強度を示す。
消石灰の使用で苛性ソーダ無添加の表−2の実施No.27
の場合は、ゲル化時間1分以内、実施No.31では15分で
あるが、苛性ソーダを添加すると(表−2の実施No.2
8、29、30、32、33)ゲル化を遅らせ、しかも強度は優
れている。
〔発明の効果〕
以上の事実から水ガラス液に苛性アルカリと難溶性多化
金属化合物の混合懸濁液を作用せしめた本願発明は長い
ゲル化時間を要し、固結強度並びに浸透性に優れたグラ
ウトを得ることができる。特に難溶性多価金属化合物と
して炭酸カルシウムの効果は著しい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水ガラス液と硬化剤とからなる地盤注入用
    薬液において、前記硬化剤として難溶性多価金属化合物
    と苛性アルカリ水溶液との微粒子懸濁状反応生成物を使
    用することを特徴とする地盤注入用薬液。
JP2141547A 1990-06-01 1990-06-01 地盤注入用薬液 Expired - Fee Related JPH0717903B2 (ja)

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JPH0436383A JPH0436383A (ja) 1992-02-06
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6377989A (ja) * 1986-09-22 1988-04-08 Raito Kogyo Kk 地盤や構造物等の改良方法
JPH01224254A (ja) * 1988-03-03 1989-09-07 Kyokado Eng Co Ltd 固結用材料

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JPH0436383A (ja) 1992-02-06

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