JPH10245556A - 地盤注入用薬液 - Google Patents

地盤注入用薬液

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Publication number
JPH10245556A
JPH10245556A JP9063769A JP6376997A JPH10245556A JP H10245556 A JPH10245556 A JP H10245556A JP 9063769 A JP9063769 A JP 9063769A JP 6376997 A JP6376997 A JP 6376997A JP H10245556 A JPH10245556 A JP H10245556A
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JP
Japan
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water
soluble
compound
water glass
polyvalent metal
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Pending
Application number
JP9063769A
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English (en)
Inventor
Kenji Kashiwabara
健二 栢原
Motomu Miwa
求 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyokado Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kyokado Engineering Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kyokado Engineering Co Ltd filed Critical Kyokado Engineering Co Ltd
Priority to JP9063769A priority Critical patent/JPH10245556A/ja
Publication of JPH10245556A publication Critical patent/JPH10245556A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00732Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for soil stabilisation

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地盤中に注入して該地盤を固結する水ガラス
系ないしは懸濁型地盤注入用薬液であって、短時間から
長時間にわたり、広範囲でゲル化時間の調整が容易であ
り、さらに、浸透性に優れ、しかも固結後のゲルの収縮
が少なく、かつ高強度を呈する地盤注入用薬液を得る。 【構成】 水ガラスと硬化剤とを含む水ガラス系地盤注
入用薬液であって、前記硬化剤が水溶性アルミニウム化
合物と、水溶性多価金属化合物および/または水溶性リ
ン酸化合物とからなることを特徴とする。さらに、セメ
ントおよび/またはスラグと硬化剤とを含む懸濁型地盤
注入用薬液であって、前記硬化剤が水ガラスと、水溶性
アルミニウムと、水溶性多価金属化合物とからなること
を特徴とする。前記水溶性アルミニウム化合物は、好ま
しくはアルミン酸アルカリ金属塩であり、前記水溶性多
価金属化合物は、好ましくは塩化カルシウムであり、さ
らに前記水溶性リン化合物は、好ましくはリン酸、リン
酸二水素アルカリ金属塩、リン酸三アルカリ金属塩等で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地盤中に注入して該
地盤を固結する水ガラス系ないしは懸濁型地盤注入用薬
液に係り、特に、短時間から長時間にわたり、広範囲で
ゲル化時間の調整が容易であり、さらに、浸透性に優
れ、しかも固結後のゲルの収縮が少なく、かつ高強度を
呈する地盤注入用薬液に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤中に注入して該地盤を固結する地盤
注入用薬液として、従来、水ガラスと、アルミン酸ソー
ダとを含んでなる水ガラス系地盤注入用薬液(水ガラス
系グラウト)が広く知られている。
【0003】さらに、セメントやスラグ、あるいはこれ
らの両方を主成分とする懸濁型地盤注入用薬液(懸濁型
グラウト)も広く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の水ガラス系グラ
ウトは糊状を呈して粘性が高く、このため、浸透性に欠
ける。この浸透性を良好にするために水ガラスの濃度を
低くして、粘性を低下せしめると、今度は固結ゲルの強
度低下を来たし、かつゲルの収縮、すなわち、シネリシ
ス現象(離漿現象)を起こす。
【0005】さらに、前者の水ガラス系グラウトはゲル
化時間の調整を水ガラスとアルミン酸ソーダの量的割合
により行うので、この調整が非常に難しい。
【0006】後者の懸濁型グラウトは固結強度に優れる
ものの、浸透性が悪く、かつ、ゲル化時間の調整も困難
である。
【0007】そこで、本発明の目的は短時間から長時間
にわたり、広範囲でゲル化時間の調整が容易であり、か
つ浸透性に優れ、しかも、固結後のゲルの収縮が少な
く、高強度を呈し、上述の公知技術に存する欠点を改良
した水ガラス系ないしは懸濁型の地盤注入用薬液を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、水ガラスと硬化剤とを含む水ガラ
ス系地盤注入用薬液であって、前記硬化剤が水溶性アル
ミニウム化合物と、水溶性多価金属化合物および/また
は水溶性リン酸化合物とからなることを特徴とする。
【0009】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明によれば、セメントおよび/またはスラグと硬化剤と
を含む懸濁型地盤注入用薬液であって、前記硬化剤が水
ガラスと、水溶性アルミニウムと、水溶性多価金属化合
物からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0011】本発明は上述のとおり、硬化剤を特定した
ところに特徴を有する。
【0012】水ガラス系地盤注入用薬液の場合には、該
薬液中の水ガラスの硬化剤として、水溶性アルミニウム
化合物と水溶性多価金属化合物、水溶性アルミニウム化
合物と水溶性リン化合物、または水溶性アルミニウム化
合物と、水溶性多価金属化合物と、水溶性リン化合物と
を使用することを特徴とする。
【0013】また、懸濁型地盤注入用薬液の場合には、
該薬液中のセメントおよび/またはスラグの硬化剤とし
て、水ガラスと、水溶性アルミニウム化合物と、水溶性
多価金属化合物とを用いることを特徴とする。すなわ
ち、この場合の本発明薬液としては具体的には、セメン
トと、水ガラスと、水溶性アルミニウム化合物と、水溶
性多価金属化合物、セメントと、スラグと、水ガラス
と、水溶性アルミニウム化合物と、水溶性多価金属化合
物、または、スラグと、水ガラスと、水溶性アルミニウ
ム化合物と、水溶性多価金属化合物の配合がそれぞれ挙
げられる。
【0014】一般に、水ガラスと水溶性アルミニウム化
合物との系では、水ガラスと他の無機系反応剤との系に
比べると、ゲル化時間の調整は比較的容易であるが、満
足できるものではなく、さらに、シネリシスが大きく、
かつ強度的にも軟弱である。また、配合液の状態は水酸
化アルミニウムの糊状の沈澱が発生して、沈澱自体はコ
ロイド状を呈しているが、液の粘性上昇が著しく、地盤
への浸透注入をはかることには問題があった。
【0015】水ガラスと、水溶性多価金属化合物との系
では、粘性の上昇は少ないものの、生成する多価金属の
水酸化物が沈降する。また、生成したゲルは不均質で、
かつ、明確なゲル化を示さないため、強度が低く、さら
に、ゲルの収縮も著しい。したがって、この系は注入用
薬液としては不適である。
【0016】さらに、水ガラスと、水溶性リン化合物と
の系は、低粘性であって、浸透性に優れている。一方、
生成ゲルは比較的均質で、シネリシスも比較的少なく、
無機系溶液型グラウトとしては比較的高強度を呈するも
のの、充分なものではない。しかも、水溶性リン化合物
は高価であって、水ガラスの硬化剤としての単独使用は
実用性に欠ける。
【0017】ところが、本発明者は水溶性アルミニウム
化合物と水溶性多価金属化合物との併用、あるいは水溶
性アルミニウム化合物と水溶性リン化合物との併用で
は、これらの上述単独使用の際に生じる欠点を改良する
ことを見い出した。
【0018】すなわち、水溶性アルミニウム化合物と水
溶性多価金属化合物との併用では、水酸化アルミニウム
単独による糊状化現象が減少して比較的低粘性となり、
また、多価金属水酸化物の沈降も薄らいで微粒子のコロ
イド状となり、両者単独による欠点が改良されて、全体
として比較的低粘性で、ミルク状の懸濁液が得られる。
これは両沈澱物がそれぞれ、単独の形態から何らかの複
合的な相互作用によって微粒子に変態し、低粘性でミル
ク状になるものと思われる。
【0019】したがって、上記併用物を水ガラスと混合
してもなお、混合液は比較的低粘性で、沈降物が少な
く、全体としてミルク状の懸濁液である。しかも、生成
する固結体は均質で、シネリシスが少なく、強度も大き
い。
【0020】また、これら各成分の配合割合を調整する
ことにより、長短にわたるゲル化時間の調整が容易に達
成される。
【0021】また、水溶性アルミニウム化合物と、水溶
性リン化合物との併用では、均一な溶液状のものもあれ
ば、沈澱物を生成するものもある。沈澱物を生成する場
合は上記と同じような性状を示し、また、水ガラスとの
反応においても上記と同様な現象ならびに効果がみられ
た。
【0022】これは水溶性アルミニウム化合物と水溶性
リン化合物の反応で沈澱する水酸化アルミニウムの性状
が上記併用の複合的な作用で変化して微粒子状に変態さ
れ、低粘性のミルク状の懸濁液となるものと思われる。
【0023】このような現象は上記のように生成したミ
ルク状のコロイド微粒子を核として水ガラスのシリカゾ
ルを生成し、シリカゲルへと成長していき、骨組みの確
かな構造が出来上がるものと推察される。したがって、
生成したゲルは全体として均質でシネリシスが少なく、
強度的にも優れ、かつ、耐久性にも期待がもてる。
【0024】以上、本発明の水ガラス系グラウトはミル
ク状の微粒子コロイドであって、低粘性を呈し、このた
め、セメントやスラグ系にはみられない優れた浸透性を
示し、また、ゲル化時間の調整も比較的容易である。し
かも固結物はシネリシスが少なく、均質で高い強度を呈
し、耐久性にも期待がもてる。
【0025】また、上述の水ガラスと、水溶性アルミニ
ウムと、水溶性多価金属の併用物を、スラグおよび/ま
たはセメントの硬化剤としてこれらに混合し、優れた懸
濁型グラウトを得ることができる。
【0026】この場合、スラグおよびセメントとして
は、通常のものが用いられるが、特に、ブレーン比表面
積が5000cm2/g以上の微粒子が浸透性ならびに固結強度
向上のため好ましい。また、この微粒子から2μm以下
の粒径のものを除去すれば、静電気力による再凝集が抑
制されて、さらに好ましい。
【0027】上述のようにしてなる本発明にかかる地盤
注入用薬液は実際の施工に当り、水ガラスと、水溶性ア
ルミニウム化合物と、水溶性多価金属化合物および/ま
たは水溶性リン化合物とを均一に混合して地盤に注入す
るが、一般には水ガラス水溶液をA液、水溶性アルミニ
ウム化合物と水溶性多価金属化合物および/または水溶
性リン化合物の混合水溶液をB液とし、A液とB液をゲ
ル化時間の長短に応じて1.0ショット、1.5ショット、
2.0ショット方式により合流して地盤に注入する。
【0028】懸濁型グラウトの場合には、いかなる方法
で地盤中に注入してもよいが、一例を示せば、セメント
および/またはスラグの水懸濁液と、水ガラス、水溶性
アルミニウム化合物および水溶性多価金属化合物の混合
水溶液とを2ショット方式で合流して地盤中に注入す
る。
【0029】本発明に用いられる上述の水ガラスはJI
S1号、2号、3号、その他各種モル比の珪酸ソーダで
ある。
【0030】また、本発明に用いられる水溶性アルミニ
ウム化合物としては、アルミン酸アルカリ金属塩、硫酸
アルミニウム、ミョウバン類、塩化アルミニウム、硝酸
アルミニウム等が挙げられる。この中で特に、アルミン
酸アルカリ金属塩が好ましい。
【0031】また、本発明に用いられる水溶性多価金属
化合物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、
塩化鉄等が挙げられる。この中で特に、塩化カルシウム
が好ましい。
【0032】さらに、本発明に用いられる水溶性リン化
合物としてはリン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸
二水素カルシウム、リン酸三ナトリウム等が挙げられ
る。
【0033】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって詳述す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0034】1.使用材料 (1)水ガラス JIS3号水ガラスを使用した。
【0035】(2)水溶性アルミニウム化合物 次のアルミン酸ソーダと硫酸アルミニウムを用いた。 (a)アルミン酸ソーダ 次の表1に示される二種類のアルミン酸ソーダ液を使用
した。
【0036】
【表1】
【0037】(b)硫酸アルミニウム 試薬一級、Al2(SO4)3 ・16〜18H2 Oを用いた。
【0038】(3)水溶性多価金属化合物 次の塩化カルシウムおよび塩化第二鉄を用いた。 (a)塩化カルシウム 試薬一級、CaCl2 ・2H2 Oを使用した。 (b)塩化第二鉄 試薬一級、FeCl3 ・6H2 Oを使用した。
【0039】(4)水溶性リン化合物 次のリン酸およびリン酸二水素ナトリウムを用いた。 (a)リン酸 75%工業用精製リン酸を使用した。 (b)リン酸二水素ナトリウム 試薬一級、NaH2 PO4 ・2H2 Oを使用した。
【0040】(5)セメント、スラグ 次に示す粘度のポルトランドセメントおよび高炉スラグ
を用いた。 (a)ポルトランドセメント 表2に示される3種類のポルトランドセメントを用い
た。
【0041】
【表2】
【0042】(b)高炉スラグ 表3に示される3種類のポルトランドセメントを用い
た。
【0043】
【表3】
【0044】2.配合とその物性 水ガラス水溶液をA液、水溶性アルミニウム化合物と水
溶性多価金属化合物および/または水溶性リン化合物と
の混合水溶液をB液として、B液の液性とA・B合流液
のゲル化時間、固結標準砂のポリ塩化ビニリデン密閉養
生における一軸圧縮強度、ホモゲルの収縮率および合流
時の液性を測定し、結果を表4に示した。
【0045】なお、併せて水ガラス−水溶性アルミニウ
ム化合物系、水ガラス−水溶性多価金属化合物系、水ガ
ラス−水溶性リン化合物系についてのデーターを比較例
として併記した。
【0046】ここで、ゲル化時間は20℃の温度でカップ
倒立法により測定した。一軸圧縮強度は土質工学会基準
「土の一軸圧縮試験方法」により測定した。ホモゲルの
収縮率は密閉容器中にホモゲルを20℃の温度で3日間放
置し、生じた離漿水の量から算出した。また、B液の液
性およびA・B液合流時の液性は主として粘性と沈澱の
発生状態について定時的に観察した。
【0047】
【表4】
【0048】表4において、比較を容易にするため、実
施例も比較例もA液の水ガラス水溶液中の水ガラスの濃
度を50容量%とした。表4から次のことがわがる。
【0049】B液として、アルミン酸ソーダと、塩化カ
ルシウムを併用した実施例No.1〜6、およびアルミン酸
ソーダと塩化第二鉄、リン酸またはリン酸一ナトリウム
を併用した実施例No.7、8、9と、B液としてアルミン
酸ソーダのみを使用した比較例No.1、2、硫酸アルミニ
ウムのみを使用した比較例No.3、4、塩化カルシウムの
みを使用した比較例No.5、リン酸のみを使用した比較例
No.6、7、およびリン酸一ナトリウムのみを使用した比
較例No.8、9を比較すると、B液自体については前者は
低粘性で微粒子の乳濁状を呈し、後者は低粘性で溶液状
である。
【0050】AB合流液では、前者は低粘性で微粒子の
乳濁状を呈しているが、後者のリン酸、リン酸一ナトリ
ウムのみの場合(比較例No.6〜9)は低粘性で溶液状で
ある。
【0051】しかし、後者のアルミン酸ソーダのみの場
合(比較例No.1、2)および硫酸アルミニウムのみの場
合(比較例No.3、4)は糊状の沈澱を生じて粘性の上昇
が甚だしい。また、塩化カルシウムのみの場合(比較例
No.5) は部分ゲル化を起こし、ゲル化が不明瞭で不均質
な軟弱ゲルとなった。
【0052】また、前者におけるゲル化時間は瞬結から
数10分にわたり、ゲル化時間の調整は比較的容易であ
る。
【0053】強度について比較すると、本発明の実施例
No.1〜9および水溶性リン化合物のみを使用した比較例
No.6〜9では、ほぼ同程度に優れている。しかし、同程
度のゲル化時間に対応する強度を細かく比較すると、本
発明の実施例No.1〜9の方が比較例No.6〜9より優れて
いる。
【0054】アルミン酸ソーダのみを使用した比較例N
o.1、2、硫酸アルミニウムのみを使用した比較例No.
3、4および塩化カルシウムのみを使用した比較例No.5
に比べると、本発明の実施例No.1〜9は格段に優れてい
る。
【0055】また、ホモゲルの収縮についても、本発明
の実施例No.1〜9および比較例No.6〜9の場合は比較例
No.1〜5に比べると格段に小さく、シネリシスが少な
い。
【0056】水溶性アルミニウム化合物として硫酸アル
ミニウムを用い、これと塩化カルシウム、塩化第二鉄、
リン酸またはリン酸一ナトリウムを併用した実施例No.1
0 〜13におけるB液自体は塩化カルシウムの場合(実施
例No.10)については低粘性で、生成する石膏は沈降性で
あるが微粒子状である。塩化カルシウム以外の場合(実
施例No.11 〜13) については低粘性で溶液状を呈する。
【0057】対照のB液が硫酸アルミニウムのみの比較
例No.3、4はB液自体はもちろん低粘性で、溶液状であ
るが、AB合流液はゲル化が不明瞭で、糊状の沈澱を生
成して粘性は著しく上昇する。また、強度は非常に軟弱
でゲルの収縮も甚だしい。
【0058】実施例No.10 〜13のAB合流液では上記の
実施例No.1〜9程ではないが、比較的微粒子状低粘性で
乳濁状を呈する。
【0059】ゲル化時間も調整は比較的容易で、強度、
ホモゲルの収縮においても実施例No.1〜9と比べると、
若干劣るようでもあるが、比較例に比べると格段に優れ
ている。
【0060】B液として水溶性アルミニウム化合物と、
水溶性多価金属化合物と、水溶性リン化合物の三者を併
用した実施例No.14 、15においても、上記実施例と同じ
ような優れた結果を示している。
【0061】すなわち、本発明の系では、水ガラスの硬
化剤としての水溶性アルミニウム化合物、水溶性多価金
属化合物および水溶性リン化合物を単独に用いる場合の
それぞれの欠点を補い、相乗的に優れた効果を発揮する
ことができた。
【0062】また、本発明の系では、強度、ホモゲルの
収縮においては水ガラス−リン酸系に略比適するか、あ
るいは幾分優れた結果を示し、ゲル化時間の調整はより
容易となる。したがって、本発明の系では優れた耐久性
が期待できる。しかも、水ガラス−リン酸系に比べる
と、使用する材料費は安価で、リン系化合物を併用する
にしてもその量は非常に少量で大きな効果を発揮する。
【0063】3.セメント、スラグの混合試験 水ガラス、水溶性アルミニウム化合物および水溶性多価
金属化合物の混合物と、スラグおよび/またはセメント
との混合試験を行った。
【0064】上記混合物として表4の実施例No.2の水ガ
ラス系グラウト、対照として比較例No.1を用いた。結果
を表5に示す。ここで、一軸圧縮強度の測定は前回に準
ずる。
【0065】
【表5】
【0066】表5から次のことがわかる。すなわち、実
施例No.16 〜18と、これに対応する比較例No.10 〜12、
実施例No.19 〜21と、これに対応する比較例No.13 〜1
5、および実施例No.22 、23とこれに対応する比較例No.
16 、17について、ホモゲルの一軸圧縮強度をそれぞれ
比較すると、何れの場合も実施例は比較例よりも優れて
いる。
【0067】また、セメント、スラグはブレーン比表面
積が5000cm2/g以上のもの、特に、粒径2μm以下の超
微粒子を除去したものがより好ましい。
【0068】また、水ガラス−リン酸系に比べると、使
用する材料費は安価である例に、リン系化合物を併用す
るにしても、その量は非常に少量で大きな効果を発揮す
る。
【0069】4.注入試験 表4において、本発明の実施例を比較例のうちの水溶性
リン化合物の場合(比較例No.6〜9)以外の系と比べる
と、本発明は低粘性で微粒子乳濁状であるのに対し、比
較例では糊状の沈澱を生じて粘性が上昇することから、
本発明の系では、浸透性により優れることが期待でき
る。
【0070】そこで表4の実施例と比較例の配合液につ
いて、さらに注入試験を行い、定性的に注入効果を観察
した。
【0071】注入試験は図1に示す実験室での注入装置
を用いて行った。図1において、1はコンプレッサー、
2、3は圧力計である。
【0072】コンプレッサー1に連結された攪拌器4を
備えた水槽5の中に、表2の実施例および比較例にかか
る注入材を充填する。7はアクリルモールドであって、
この中に土8が充填される。
【0073】水槽5中に充填された注入材6はコンプレ
ッサー1の作動によってアクリルモールド7中の土8に
導入される。ここで、注入材6は土8に浸透され、やが
て透過された注入材6はメスシリンダー11に採取され、
浸透状態が観察される。9、10は金網である。アクリル
モールド7に充填される土8は粒度を異にしたものであ
る。
【0074】実施例No.1〜5、7〜15および比較例No.
6、8では、何れも全域に充分な浸透がみられた。実施
例No.6と比較例No.7、9はゲル化時間が短い系のため、
充分な浸透は得られなかった。すなわち、本発明の系で
は、水ガラス−水溶性リン化合物という純溶液型グラウ
トに比適する浸透性が得られることが明らかになった。
比較例No.1〜5では粗い部分への浸透はみられるもの
の、細かい部分への浸透は不充分で、固結体自体の強度
も脆弱なものであった。
【0075】以上のとおり、本発明にかかる地盤注入用
薬液は微粒子の乳濁コロイド状となって、土粒子間に浸
透していくことが明らかである。
【0076】
【発明の効果】本発明にかかる地盤注入用薬液は、水ガ
ラスの硬化剤として水溶性アルミニウム化合物と水溶性
多価金属化合物および/または水溶性リン化合物を併用
することにより、次の効果を奏し得るものである。
【0077】1.長短にわたるゲル化時間の調整が容易
で、低粘性、乳濁状を呈するため、浸透性に優れる。
【0078】2.生成したゲルはシネリシス(収縮性)
が少なく、均質にして高強度である。
【0079】3.したがって、優れた耐久性が期待でき
る。
【0080】4.さらに、水ガラス、水溶性アルミニウ
ム化合物および水溶性多価金属化合物からなる地盤注入
用薬液をセメントおよび/またはスラグ(殊に、ブレー
ン比表面積5000cm2/g以上で、粒径2μm以下を除去)
と混合した懸濁型グラウトでは、一段と強度増加を招
く。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験室における注入装置の略図である。
【符号の説明】 1 コンプレッサー 2 圧力計 3 圧力計 4 攪拌器 5 水槽 6 注入薬液 7 アクリルモールド 8 土 9 金網 11 メスシリンダー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】(5)セメント、スラグ 次に示す度のポルトランドセメントおよび高炉スラグ
を用いた。 (a)ポルトランドセメント 表2に示される3種類のポルトランドセメントを用い
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】ここで、ゲル化時間は20℃の温度でカッ
プ倒立法により測定した。一軸圧縮強度は土質工学会基
準「土の一軸圧縮試験方法」により測定した。ホモゲル
の収縮率は密閉容器中にホモゲルを20℃の温度で3日
間放置し、生じた離漿水の量から算出した。また、B液
の液性およびA・B液合流時の液性は主として粘性と沈
澱の発生状態について定的に観察した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】また、水ガラス−リン酸系に比べると、使
用する材料費は安価であ、リン系化合物を併用するに
しても、その量は非常に少量で大きな効果を発揮する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 17/10 C09K 17/10 P //(C04B 28/26 22:06 22:16) C09K 103:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラスと硬化剤とを含む水ガラス系地
    盤注入用薬液であって、前記硬化剤が水溶性アルミニウ
    ム化合物と、水溶性多価金属化合物および/または水溶
    性リン化合物とからなることを特徴とする地盤注入用薬
    液。
  2. 【請求項2】 セメントおよび/またはスラグと、硬化
    剤とを含む懸濁型地盤注入用薬液であって、前記硬化剤
    が水ガラスと水溶性アルミニウム化合物と、水溶性多価
    金属化合物とからなることを特徴とする地盤注入用薬
    液。
  3. 【請求項3】 前記水溶性アルミニウム化合物がアルミ
    ン酸アルカリ金属塩である請求項1または2のいずれか
    に記載される地盤注入用薬液。
  4. 【請求項4】 前記水溶性多価金属化合物が塩化カルシ
    ウムである請求項1または2のいずれかに記載される地
    盤注入用薬液。
  5. 【請求項5】 前記水溶性リン化合物がリン酸、リン酸
    二水素アルカリ金属塩およびリン酸三アルカリ金属塩の
    群から選択される請求項1に記載される地盤注入用薬
    液。
  6. 【請求項6】 請求項2のセメントおよび/またはスラ
    グがブレーン比表面積5000cm2/g以上の微粒子である請
    求項2に記載される地盤注入用薬液。
  7. 【請求項7】 請求項6のセメントおよび/またはスラ
    グが粒径2μm以下の超微粒子を除去してなる請求項6
    に記載される地盤注入用薬液。
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