JPH10338876A - 地盤注入用薬液 - Google Patents
地盤注入用薬液Info
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- JPH10338876A JPH10338876A JP16670297A JP16670297A JPH10338876A JP H10338876 A JPH10338876 A JP H10338876A JP 16670297 A JP16670297 A JP 16670297A JP 16670297 A JP16670297 A JP 16670297A JP H10338876 A JPH10338876 A JP H10338876A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/24—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
- C04B28/26—Silicates of the alkali metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/0004—Compounds chosen for the nature of their cations
- C04B2103/0021—Compounds of elements having a valency of 3
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/70—Grouts, e.g. injection mixtures for cables for prestressed concrete
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- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 純無機系で懸濁型の水ガラス系グラウトであ
って、低粘性で、浸透性を有し、かつ、広範囲にわたっ
てゲル化時間の調整が容易であり、さらに、均質で高強
度の固結体を得ることができる。 【構成】 水ガラスおよびリン酸に加えてさらに、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミ
ニウムの群から選択された一種または複数種を含有して
構成される。
って、低粘性で、浸透性を有し、かつ、広範囲にわたっ
てゲル化時間の調整が容易であり、さらに、均質で高強
度の固結体を得ることができる。 【構成】 水ガラスおよびリン酸に加えてさらに、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミ
ニウムの群から選択された一種または複数種を含有して
構成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は懸濁型の水ガラス系
地盤注入用薬液(グラウト)に係り、特に、低粘性を有
し、広範囲にわたってゲル化時間の調整が容易であり、
かつ、均質で高強度の固結体を得る純無機系地盤注入用
薬液に関する。
地盤注入用薬液(グラウト)に係り、特に、低粘性を有
し、広範囲にわたってゲル化時間の調整が容易であり、
かつ、均質で高強度の固結体を得る純無機系地盤注入用
薬液に関する。
【0002】
【従来の技術】懸濁型の水ガラス系グラウトとして、従
来、水ガラスに加えて、セメントやスラグを含有するも
のが実用に供されている。また、上述の懸濁型水ガラス
系グラウトの浸透性を向上せしめるために微粉化された
セメントやスラグを用いたグラウトも開発され、実用化
されつつある。
来、水ガラスに加えて、セメントやスラグを含有するも
のが実用に供されている。また、上述の懸濁型水ガラス
系グラウトの浸透性を向上せしめるために微粉化された
セメントやスラグを用いたグラウトも開発され、実用化
されつつある。
【0003】しかし、前者は高い固結強度を呈するもの
の、浸透性に欠ける。また、後者は微粉化されたセメン
トやスラグを用いるため、浸透性はかなり向上するもの
の、必ずしも充分とは言えず、しかも微粉化にかなりの
経費がかさむ。
の、浸透性に欠ける。また、後者は微粉化されたセメン
トやスラグを用いるため、浸透性はかなり向上するもの
の、必ずしも充分とは言えず、しかも微粉化にかなりの
経費がかさむ。
【0004】さらに、浸透性の向上されたグラウトとし
て、溶液型で、かつゲル化時間の長い水ガラス系グラウ
トが開発されている。
て、溶液型で、かつゲル化時間の長い水ガラス系グラウ
トが開発されている。
【0005】しかし、この溶液型水ガラスグラウトは確
かに浸透性に優れているが、ゲル化時間の調整が難し
く、かつ固結強度が低い。
かに浸透性に優れているが、ゲル化時間の調整が難し
く、かつ固結強度が低い。
【0006】さらにまた、水ガラスと、石灰系硬化剤、
例えば消石灰、塩化カルシウム等とからなる懸濁型グラ
ウト、または水ガラスと、アルミニウム系硬化剤、例え
ばアルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、明ばん等とからなる懸濁型グラウトも知られてい
る。
例えば消石灰、塩化カルシウム等とからなる懸濁型グラ
ウト、または水ガラスと、アルミニウム系硬化剤、例え
ばアルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、明ばん等とからなる懸濁型グラウトも知られてい
る。
【0007】しかし、これらのグラウトは沈降性を呈し
たり、かつ、糊状を呈して高い粘性を有するものであ
り、このため、均質な固結体を得ることが難しく、強度
的にも低く、かつ浸透性にも劣る。
たり、かつ、糊状を呈して高い粘性を有するものであ
り、このため、均質な固結体を得ることが難しく、強度
的にも低く、かつ浸透性にも劣る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は低粘性で浸透性を有し、かつ、広範囲にわたってゲル
化時間の調整が容易であり、さらに、均質で高強度の固
結体を得ることができ、上述の公知技術に存する欠点を
改良した純無機系で懸濁型の水ガラス系地盤注入用薬液
(グラウト)を提供することにある。
は低粘性で浸透性を有し、かつ、広範囲にわたってゲル
化時間の調整が容易であり、さらに、均質で高強度の固
結体を得ることができ、上述の公知技術に存する欠点を
改良した純無機系で懸濁型の水ガラス系地盤注入用薬液
(グラウト)を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、水ガラスおよびリン酸に加えて、
さらに、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポ
リ塩化アルミニウムの群から選択された一種または複数
種を含有してなることを特徴とする。
め、本発明によれば、水ガラスおよびリン酸に加えて、
さらに、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポ
リ塩化アルミニウムの群から選択された一種または複数
種を含有してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
る。
【0011】一般に、純溶液型の水ガラス系グラウトは
低粘性を呈するものの、ゲル化時間の調整が困難であ
り、このため、浸透性に劣り、かつ固結強度も低い。ま
た、セメントやスラグを用いた懸濁型の水ガラス系グラ
ウトは一般に、ゲル化が不明瞭であって、部分ゲル化を
起こしたり、粘性が極度に増加したり等の問題を起こ
す。また、この浸透性を向上せしめるためには、上述の
とおり、セメントやスラグを微粉化しなければならず、
手間がかかる。
低粘性を呈するものの、ゲル化時間の調整が困難であ
り、このため、浸透性に劣り、かつ固結強度も低い。ま
た、セメントやスラグを用いた懸濁型の水ガラス系グラ
ウトは一般に、ゲル化が不明瞭であって、部分ゲル化を
起こしたり、粘性が極度に増加したり等の問題を起こ
す。また、この浸透性を向上せしめるためには、上述の
とおり、セメントやスラグを微粉化しなければならず、
手間がかかる。
【0012】本発明グラウトは懸濁型の水ガラス系グラ
ウトであるにもかかわらず、水ガラスの硬化剤としてセ
メントやスラグを使用せず、この代わりにリン酸と、硫
酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アル
ミニウムの一種または複数種との組み合わせを用いるこ
とにより、短時間から長時間にわたり広範囲でゲル化時
間の調整が容易であり、かつ低粘性で浸透性に優れ、し
かも均質で高強度の固結体を得るものである。
ウトであるにもかかわらず、水ガラスの硬化剤としてセ
メントやスラグを使用せず、この代わりにリン酸と、硫
酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アル
ミニウムの一種または複数種との組み合わせを用いるこ
とにより、短時間から長時間にわたり広範囲でゲル化時
間の調整が容易であり、かつ低粘性で浸透性に優れ、し
かも均質で高強度の固結体を得るものである。
【0013】水ガラスとリン酸のみの系では、比較的低
粘性で高固結強度を示すものの、ゲル化時間の調整が困
難であり、かつ高価なリン酸を多量に必要とする。
粘性で高固結強度を示すものの、ゲル化時間の調整が困
難であり、かつ高価なリン酸を多量に必要とする。
【0014】また、水ガラスと、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの一種また
は複数種との組み合わせの系では、水酸化アルミニウム
の糊状沈澱物が生じて粘性が上昇し、かつ部分ゲルを生
じてゲル化時間が不明確となり、しかも、不均質な固結
体を生じ、固結強度も低い。
化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの一種また
は複数種との組み合わせの系では、水酸化アルミニウム
の糊状沈澱物が生じて粘性が上昇し、かつ部分ゲルを生
じてゲル化時間が不明確となり、しかも、不均質な固結
体を生じ、固結強度も低い。
【0015】これに対して、リン酸と、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの一
種または複数種とを組み合わせ、これらの混合液として
水ガラスと反応せしめると、部分ゲルを起こさず、もち
ろん沈澱は生じるものの乳白濁のコロイドの沈降は生ぜ
ず、ゲル化時間の調整が容易であり、かつ、ゲル化直前
まで比較的低粘性を維持し、しかも、有機系水ガラスグ
ラウトに匹敵ないしはそれ以上の高固結強度を呈し、ま
た、使用するリン酸量も少量ですむ。
ム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの一
種または複数種とを組み合わせ、これらの混合液として
水ガラスと反応せしめると、部分ゲルを起こさず、もち
ろん沈澱は生じるものの乳白濁のコロイドの沈降は生ぜ
ず、ゲル化時間の調整が容易であり、かつ、ゲル化直前
まで比較的低粘性を維持し、しかも、有機系水ガラスグ
ラウトに匹敵ないしはそれ以上の高固結強度を呈し、ま
た、使用するリン酸量も少量ですむ。
【0016】リン酸、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウムおよびポリ塩化アルミニウムはそれぞれ相互に反応
することは殆どなく、一緒に組み合わされても混合液の
型を維持する。
ウムおよびポリ塩化アルミニウムはそれぞれ相互に反応
することは殆どなく、一緒に組み合わされても混合液の
型を維持する。
【0017】この混合液と水ガラスとの間では、まずリ
ン酸が水ガラスと反応し、次いで硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウムまたはポリ塩化アルミニウムが水ガラス
と反応し、この結果、水ガラスをゲル化に至らしめる。
ン酸が水ガラスと反応し、次いで硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウムまたはポリ塩化アルミニウムが水ガラス
と反応し、この結果、水ガラスをゲル化に至らしめる。
【0018】この場合、前者の水ガラス−リン酸系反応
の優れた特性はそのまま維持される。そして、後者の水
ガラス−硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムまたはポ
リ塩化アルミニウム系で生成する沈澱物は前者との複合
的な相互作用で超微粒子状に変態して低粘性の完全な乳
濁コロイド状を形成する。
の優れた特性はそのまま維持される。そして、後者の水
ガラス−硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムまたはポ
リ塩化アルミニウム系で生成する沈澱物は前者との複合
的な相互作用で超微粒子状に変態して低粘性の完全な乳
濁コロイド状を形成する。
【0019】本発明では、このようなコロイド粒子が核
となって水ガラスのシリカゾルを生成し、水ガラス−リ
ン酸系の骨組みはさらに助成されて強固な固結体を形成
するものと推察される。
となって水ガラスのシリカゾルを生成し、水ガラス−リ
ン酸系の骨組みはさらに助成されて強固な固結体を形成
するものと推察される。
【0020】本発明に用いられる水ガラスとしては、J
IS1、2、3号、その他各種モル比のものが挙げられ
る。
IS1、2、3号、その他各種モル比のものが挙げられ
る。
【0021】リン酸としては試薬リン酸、工業用精製リ
ン酸、精製処理前の粗リン酸等リン酸分を多量含有した
ものが使用される。硫酸アルミニウムとしては硫酸バン
ドと称せられるものであって、アルミナ分として、約14
〜17%以上を含有した無水物の固形品、アルミナ分が約
8%前後の液体状のもの、および16〜18水化物の結晶性
のもの等が使用される。さらに、塩化アルミニウムとし
ては無水物および6水塩が用いられる。また、ポリ塩化
アルミニウムとしては、アルミナ約10〜11%、硫酸イオ
ン約3.5%、塩基度約45〜65%であって、一般に〔Al
2(OH) n Cl6]m (ただし、1<n<5、m<10) で
示される液状のポリ塩化アルミニウム液が用いられる。
ン酸、精製処理前の粗リン酸等リン酸分を多量含有した
ものが使用される。硫酸アルミニウムとしては硫酸バン
ドと称せられるものであって、アルミナ分として、約14
〜17%以上を含有した無水物の固形品、アルミナ分が約
8%前後の液体状のもの、および16〜18水化物の結晶性
のもの等が使用される。さらに、塩化アルミニウムとし
ては無水物および6水塩が用いられる。また、ポリ塩化
アルミニウムとしては、アルミナ約10〜11%、硫酸イオ
ン約3.5%、塩基度約45〜65%であって、一般に〔Al
2(OH) n Cl6]m (ただし、1<n<5、m<10) で
示される液状のポリ塩化アルミニウム液が用いられる。
【0022】本発明において、実際の注入にあたって
は、如何なる方法でもよいが、一般の水ガラス系グラウ
トに準じて水ガラス水溶液をA液、リン酸と、硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウ
ムの一種または複数種との混合水溶液をB液とし、これ
らA液とB液をゲル化時間の長短に応じて、1、1.5、
2ショット方式により合流して地盤に注入する。
は、如何なる方法でもよいが、一般の水ガラス系グラウ
トに準じて水ガラス水溶液をA液、リン酸と、硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウ
ムの一種または複数種との混合水溶液をB液とし、これ
らA液とB液をゲル化時間の長短に応じて、1、1.5、
2ショット方式により合流して地盤に注入する。
【0023】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって詳述す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0024】1.使用材料 (1)水ガラス JIS3号水ガラスを使用した。
【0025】(2)リン酸 75%工業用精製リン酸を使用した。
【0026】(3)硫酸アルミニウム アルミナ分8%の液体硫酸バンド(Al2(SO4)3)を使
用した。
用した。
【0027】(4)塩化アルミニウム 6水塩の試薬一級(AlCl3 ・6H2 O)を使用し
た。
た。
【0028】(5)ポリ塩化アルミニウム Al2 O3 10.3%の液体ポリ塩化アルミニウムを使用
した。
した。
【0029】2.水ガラス−リン酸系の配合とその物性 水ガラス水溶液をA液、リン酸水溶液をB液として、A
液とB液を合流し、混合して比較例とした。
液とB液を合流し、混合して比較例とした。
【0030】(1)配合 A液、B液の配合を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(2)ゲル化時間 表1の配合において、リン酸量とゲル化時間との関係を
図1に示す。ゲル化時間はカップ倒立法により測定し
た。
図1に示す。ゲル化時間はカップ倒立法により測定し
た。
【0033】(3)一軸圧縮強度 表1の配合において、B液中のリン酸量21mlのときの固
結標準砂のポリ塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧
縮強度を経過日数を追って測定し、結果を図2のa線で
示す。一軸圧縮強度は土質工学会基準「土の一軸圧縮試
験方法」により測定した。
結標準砂のポリ塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧
縮強度を経過日数を追って測定し、結果を図2のa線で
示す。一軸圧縮強度は土質工学会基準「土の一軸圧縮試
験方法」により測定した。
【0034】(4)粘性 表1の配合において、B液中のリン酸量20mlのときの、
配合後ゲル化に至るまでの粘性と、経過時間(ゲル化時
間に対する割合)との関係を図3のf線で示した。粘性
はB型粘度計を用いて20℃で測定した。
配合後ゲル化に至るまでの粘性と、経過時間(ゲル化時
間に対する割合)との関係を図3のf線で示した。粘性
はB型粘度計を用いて20℃で測定した。
【0035】3.水ガラス−硫酸アルミニウム系、水ガ
ラス−塩化アルミニウム系、水ガラス−ポリ塩化アルミ
ニウム系の配合とその物性 水ガラス水溶液をA液、硫酸アルミニウム水溶液をB1
液、塩化アルミニウム水溶液をB2液、ポリ塩化アルミ
ニウム水溶液をB3液としてA液とB1液、B2液、B
3液をそれぞれ合流し、混合して比較例とした。
ラス−塩化アルミニウム系、水ガラス−ポリ塩化アルミ
ニウム系の配合とその物性 水ガラス水溶液をA液、硫酸アルミニウム水溶液をB1
液、塩化アルミニウム水溶液をB2液、ポリ塩化アルミ
ニウム水溶液をB3液としてA液とB1液、B2液、B
3液をそれぞれ合流し、混合して比較例とした。
【0036】(1)配合 A液、B1液、B2液、B3液の配合をそれぞれ表2に
示す。
示す。
【0037】
【表2】
【0038】(2)ゲル化時間 表2におけるA−B1液、A−B2液、A−B3液はそ
れぞれ合流と同時に糊状の沈澱を発生して部分的にゲル
化を起こす。したがって、これらの明確なゲル化時間は
不明瞭であるが、ある時間経過後には不均一な状態で全
体がゲル化する。
れぞれ合流と同時に糊状の沈澱を発生して部分的にゲル
化を起こす。したがって、これらの明確なゲル化時間は
不明瞭であるが、ある時間経過後には不均一な状態で全
体がゲル化する。
【0039】(3)一軸圧縮強度 表2において、それぞれ、B1液中の硫酸アルミニウム
30ml、B2液中の塩化アルミニウム12g、B3液中のポ
リ塩化アルミニウム25mlのときの、固結標準砂のポリ塩
化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度と、養生経
過日数との関係を三者の平均値で測定し、結果を図2の
b線として表した。
30ml、B2液中の塩化アルミニウム12g、B3液中のポ
リ塩化アルミニウム25mlのときの、固結標準砂のポリ塩
化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度と、養生経
過日数との関係を三者の平均値で測定し、結果を図2の
b線として表した。
【0040】(4)粘性 表2におけるA−B1、A−B2、A−B3の合流液は
それぞれ合流と同時に糊状の沈澱を発生し、粘性は著し
く増加した。
それぞれ合流と同時に糊状の沈澱を発生し、粘性は著し
く増加した。
【0041】4.水ガラス−リン酸−硫酸アルミニウム
系、水ガラス−リン酸−塩化アルミニウム系、水ガラス
−リン酸−ポリ塩化アルミニウム系および水ガラス−リ
ン酸−硫酸アルミニウム−塩化アルミニウム系の配合と
その物性 水ガラス水溶液をA液、リン酸と硫酸アルミニウムの混
合水溶液をB4液、リン酸と塩化アルミニウムの混合水
溶液をB5液、リン酸とポリ塩化アルミニウムの混合水
溶液をB6液、リン酸と、硫酸アルミニウムと、塩化ア
ルミニウムの混合水溶液をB7液として、A液と、B4
液、B5液、B6液、B7液とをそれぞれ合流し混合し
て本発明の実施例とした。
系、水ガラス−リン酸−塩化アルミニウム系、水ガラス
−リン酸−ポリ塩化アルミニウム系および水ガラス−リ
ン酸−硫酸アルミニウム−塩化アルミニウム系の配合と
その物性 水ガラス水溶液をA液、リン酸と硫酸アルミニウムの混
合水溶液をB4液、リン酸と塩化アルミニウムの混合水
溶液をB5液、リン酸とポリ塩化アルミニウムの混合水
溶液をB6液、リン酸と、硫酸アルミニウムと、塩化ア
ルミニウムの混合水溶液をB7液として、A液と、B4
液、B5液、B6液、B7液とをそれぞれ合流し混合し
て本発明の実施例とした。
【0042】(1)配合 A液、B4液、B5液、B6液、B7液の配合をそれぞ
れ表3に示す。
れ表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】(2)ゲル化時間 表3の配合において、A液はB4液、B5液、B6液、
B7液とをそれぞれ合流すると直ちに沈澱を生成する。
しかし、殆どについて沈降性はなく、白濁であって、ミ
ルクコロイド状を呈し、ゲル化は明瞭である。
B7液とをそれぞれ合流すると直ちに沈澱を生成する。
しかし、殆どについて沈降性はなく、白濁であって、ミ
ルクコロイド状を呈し、ゲル化は明瞭である。
【0045】また、B4液、B5液、B6液、B7液中
のリン酸量を一定(15ml) とし、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム量をそれぞれ変
化させたときの20℃におけるゲル化時間を測定し、結果
をそれぞれ図4、図5、図6に示した。さらにB7液中
のリン酸量、塩化アルミニウム量を一定(リン酸:15m
l、塩化アルミニウム:3g)とし、硫酸アルミニウム
量を変化させたときの20℃におけるゲル化時間を測定
し、結果を図7に示した。なお、ゲル化時間の測定は前
回に準ずる。
のリン酸量を一定(15ml) とし、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム量をそれぞれ変
化させたときの20℃におけるゲル化時間を測定し、結果
をそれぞれ図4、図5、図6に示した。さらにB7液中
のリン酸量、塩化アルミニウム量を一定(リン酸:15m
l、塩化アルミニウム:3g)とし、硫酸アルミニウム
量を変化させたときの20℃におけるゲル化時間を測定
し、結果を図7に示した。なお、ゲル化時間の測定は前
回に準ずる。
【0046】図4、図5、図6および図7の結果を図1
の水ガラス−リン酸系と比較すると、前者の曲線の傾斜
はゆるやかであり、したがって、本発明では、ゲル化時
間の調整が容易になることが明らかである。
の水ガラス−リン酸系と比較すると、前者の曲線の傾斜
はゆるやかであり、したがって、本発明では、ゲル化時
間の調整が容易になることが明らかである。
【0047】(3)一軸圧縮強度 図1において、水ガラス−リン酸系のリン酸量21mlのと
きのゲル化時間(約1.6分)と略同一のゲル化時間にお
ける図4のリン酸量は15ml、硫酸アルミニウム量は16ml
であり、図5のリン酸量は15ml、塩化アルミニウム量は
7gであり、図6のリン酸量は15ml、ポリ塩化アルミニ
ウム量は11mlであり、図7のリン酸量は15ml、塩化アル
ミニウム量は3g、硫酸アルミニウム量は8gである。
これらの配合による経過日数に対する固結標準砂のポリ
塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度の平均値
を測定し、結果を図2において、C線として表した。な
お、一軸圧縮強度の測定は前回に準じて行った。
きのゲル化時間(約1.6分)と略同一のゲル化時間にお
ける図4のリン酸量は15ml、硫酸アルミニウム量は16ml
であり、図5のリン酸量は15ml、塩化アルミニウム量は
7gであり、図6のリン酸量は15ml、ポリ塩化アルミニ
ウム量は11mlであり、図7のリン酸量は15ml、塩化アル
ミニウム量は3g、硫酸アルミニウム量は8gである。
これらの配合による経過日数に対する固結標準砂のポリ
塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度の平均値
を測定し、結果を図2において、C線として表した。な
お、一軸圧縮強度の測定は前回に準じて行った。
【0048】図2から本発明のC線にかかる一軸圧縮強
度は比較例の水ガラス−硫酸アルミニウム系、水ガラス
−塩化アルミニウム系、水ガラス−ポリ塩化アルミニウ
ム系(b線)よりは格段に優れていることがわかる。ま
た、水ガラス−リン酸系(a線)に比べても1日目の強
度は劣るものの2日経過後は早くも高強度を維持し続け
ている。
度は比較例の水ガラス−硫酸アルミニウム系、水ガラス
−塩化アルミニウム系、水ガラス−ポリ塩化アルミニウ
ム系(b線)よりは格段に優れていることがわかる。ま
た、水ガラス−リン酸系(a線)に比べても1日目の強
度は劣るものの2日経過後は早くも高強度を維持し続け
ている。
【0049】(4)粘性 表3におけるA−B4、A−B5、A−B6、A−B7
の配合では沈澱を生成するものの、沈降性はなく、白濁
でミルクコロイド状を呈している。これらの配合後、ゲ
ル化に至るまでの粘性を経過時間を追って測定し、ゲル
化時間に対する割合と、粘度(cps)との関係を測定
し、結果を図3に示した。
の配合では沈澱を生成するものの、沈降性はなく、白濁
でミルクコロイド状を呈している。これらの配合後、ゲ
ル化に至るまでの粘性を経過時間を追って測定し、ゲル
化時間に対する割合と、粘度(cps)との関係を測定
し、結果を図3に示した。
【0050】図3中、d線は水ガラス−リン酸−硫酸ア
ルミニウム系または水ガラス−リン酸−硫酸アルミニウ
ム−塩化アルミニウム系、e線は水ガラス−リン酸−塩
化アルミニウムまたはポリ塩化アルミニウム系を示す。
粘性の測定は前回に準ずる。
ルミニウム系または水ガラス−リン酸−硫酸アルミニウ
ム−塩化アルミニウム系、e線は水ガラス−リン酸−塩
化アルミニウムまたはポリ塩化アルミニウム系を示す。
粘性の測定は前回に準ずる。
【0051】図3より本発明の系では、白濁状であるた
め、比較例の水ガラス−リン酸系に比べて初期粘性は若
干高めに経過するものの、ゲル化直前まで低粘性を維持
し続けていることがわかる。特に、水ガラス−リン酸−
硫酸アルミニウム系(d線)では低粘性の持続が著し
い。
め、比較例の水ガラス−リン酸系に比べて初期粘性は若
干高めに経過するものの、ゲル化直前まで低粘性を維持
し続けていることがわかる。特に、水ガラス−リン酸−
硫酸アルミニウム系(d線)では低粘性の持続が著し
い。
【0052】5.浸透試験 上記試験結果から明白なように、本発明はゲル化時間の
調整が容易で、ゲル化の直前まで低粘性を維持し続ける
ことから、優れた浸透性が期待されるが、念のため図8
に示す実験室での浸透注入試験装置を用いて浸透試験を
行った。
調整が容易で、ゲル化の直前まで低粘性を維持し続ける
ことから、優れた浸透性が期待されるが、念のため図8
に示す実験室での浸透注入試験装置を用いて浸透試験を
行った。
【0053】図8において、圧力計2、3を介して、コ
ンプレッサー1に連結された攪拌器4を備えた水槽5の
中に注入材6を充填する。7は内径50mm、高さ1mのア
クリル製パイプであって、この中に標準砂8を九層に分
けて詰め、各層ごとに水平打撃により60%の相対密度に
なるように締め固める。
ンプレッサー1に連結された攪拌器4を備えた水槽5の
中に注入材6を充填する。7は内径50mm、高さ1mのア
クリル製パイプであって、この中に標準砂8を九層に分
けて詰め、各層ごとに水平打撃により60%の相対密度に
なるように締め固める。
【0054】次いで、水槽5の中に充填された注入材6
はコンプレッサー1の注入圧0.5kgf/cm2 でパイプ7中
の標準砂8に圧入される。注入材は標準砂8中に浸透さ
れ、浸透距離を観察した。図8中、9、10は切換コッ
ク、11、12は金網、13はメスシリンダーである。
はコンプレッサー1の注入圧0.5kgf/cm2 でパイプ7中
の標準砂8に圧入される。注入材は標準砂8中に浸透さ
れ、浸透距離を観察した。図8中、9、10は切換コッ
ク、11、12は金網、13はメスシリンダーである。
【0055】試験に使用した注入材および試験結果を表
4に示す。表4において、浸透試験No.1および2の注入
材は比較例の系であり、浸透試験No.3〜6の注入材は本
発明の系である。
4に示す。表4において、浸透試験No.1および2の注入
材は比較例の系であり、浸透試験No.3〜6の注入材は本
発明の系である。
【0056】
【表4】
【0057】表4に示される浸透試験において、B液と
して硫酸アルミニウムを用いた浸透試験No.2以外はすべ
てゲル化時間が4〜5分程度になるように配合を選ん
だ。
して硫酸アルミニウムを用いた浸透試験No.2以外はすべ
てゲル化時間が4〜5分程度になるように配合を選ん
だ。
【0058】浸透試験No.1およびNo.3、No.4、No.5、N
o.6はアクリル製パイプ7の標準砂8の全長によく浸透
した。特に、No.3の水ガラス−リン酸−硫酸アルミニウ
ム系およびNo.6の水ガラス−リン酸−塩化アルミニウム
−硫酸アルミニウム系では完全に浸透した。浸透試験N
o.2は浸透が不均一で、しかも、せいぜい30〜40cmの高
さまでしか浸透しなかった。
o.6はアクリル製パイプ7の標準砂8の全長によく浸透
した。特に、No.3の水ガラス−リン酸−硫酸アルミニウ
ム系およびNo.6の水ガラス−リン酸−塩化アルミニウム
−硫酸アルミニウム系では完全に浸透した。浸透試験N
o.2は浸透が不均一で、しかも、せいぜい30〜40cmの高
さまでしか浸透しなかった。
【0059】以上の結果から、本発明は懸濁状である
が、全くの白濁コロイド状で無機系の純溶液型としては
優れている水ガラス−リン酸系に比べて短時間から長時
間にわたるゲル化時間の調整が一段と容易で、ゲル化直
前まで低粘性であるため、浸透性に優れ、しかも強度的
にも略同等、もしくは上廻る強さをもつことが明らかに
なった。さらに、高価なリン酸の使用量が軽減できる。
が、全くの白濁コロイド状で無機系の純溶液型としては
優れている水ガラス−リン酸系に比べて短時間から長時
間にわたるゲル化時間の調整が一段と容易で、ゲル化直
前まで低粘性であるため、浸透性に優れ、しかも強度的
にも略同等、もしくは上廻る強さをもつことが明らかに
なった。さらに、高価なリン酸の使用量が軽減できる。
【0060】
【発明の効果】以上のとおり、本発明にかかる地盤注入
用薬液は次の効果を奏し得るものである。
用薬液は次の効果を奏し得るものである。
【0061】1.発生する沈澱物は沈降性に乏しく、白
濁でミルクコロイド状を呈し、しかもゲル化直前まで低
粘性を持続する。
濁でミルクコロイド状を呈し、しかもゲル化直前まで低
粘性を持続する。
【0062】2.ゲル化時間の調整が容易である。
【0063】3.以上から優れた浸透性を示す。
【0064】4.懸濁型であるため溶液型以上の固結強
度が得られる。
度が得られる。
【0065】5.リン酸の使用量が軽減できるので、材
料費の節減につながる。
料費の節減につながる。
【図1】水ガラス−リン酸系におけるゲル化時間曲線を
示したグラフである。
示したグラフである。
【図2】各種水ガラス系グラウトについての養生経過日
数(日)と、一軸圧縮強度(kgf/cm2)との関係を表した
グラフである。
数(日)と、一軸圧縮強度(kgf/cm2)との関係を表した
グラフである。
【図3】各種水ガラス系グラウトについての経過時間
(ゲル化時間に対する割合)と、粘度(cps)との関
係を表したグラフである。
(ゲル化時間に対する割合)と、粘度(cps)との関
係を表したグラフである。
【図4】本発明の系において、一定のリン酸量に対して
硫酸アルミニウムの添加量(ml) を変化せしめたときの
ゲル化時間(分)の変化を表したグラフである。
硫酸アルミニウムの添加量(ml) を変化せしめたときの
ゲル化時間(分)の変化を表したグラフである。
【図5】本発明の系において、一定のリン酸量に対して
塩化アルミニウムの添加量(g)を変化させたときのゲ
ル化時間(分)の変化を表したグラフである。
塩化アルミニウムの添加量(g)を変化させたときのゲ
ル化時間(分)の変化を表したグラフである。
【図6】本発明の系において、一定のリン酸量に対して
ポリ塩化アルミニウムの添加量(ml) を変化せしめたと
きのゲル化時間(分)の変化を表したグラフである。
ポリ塩化アルミニウムの添加量(ml) を変化せしめたと
きのゲル化時間(分)の変化を表したグラフである。
【図7】本発明の系において、一定のリン酸量および塩
化アルミニウム量に対して、硫酸アルミニウムの添加量
(ml) を変化せしめたときのゲル化時間(分)の変化を
表したグラフである。
化アルミニウム量に対して、硫酸アルミニウムの添加量
(ml) を変化せしめたときのゲル化時間(分)の変化を
表したグラフである。
【図8】実験室用注入試験装置の略図である。
1 コンプレッサー 5 水槽 6 注入材 7 アクリル製パイプ 8 豊浦標準砂 13 メスシリンダー
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 一般に、純溶液型の水ガラス系グラウト
は低粘性を呈するものの、ゲル化時間の調整が困難であ
り、このため、浸透性を期待することは難しく、かつ固
結強度も低い。また、水ガラスとの反応で沈澱を発生す
るような懸濁型の系では一般に、ゲル化が不明瞭であっ
て、部分ゲル化を起こしたり、粘性が極度に増加したり
等の問題を起こす。また、セメントやスラグによって浸
透性を向上せしめるためには、上述のとおり、セメント
やスラグを微粉化しなければならず、手間がかかる。
は低粘性を呈するものの、ゲル化時間の調整が困難であ
り、このため、浸透性を期待することは難しく、かつ固
結強度も低い。また、水ガラスとの反応で沈澱を発生す
るような懸濁型の系では一般に、ゲル化が不明瞭であっ
て、部分ゲル化を起こしたり、粘性が極度に増加したり
等の問題を起こす。また、セメントやスラグによって浸
透性を向上せしめるためには、上述のとおり、セメント
やスラグを微粉化しなければならず、手間がかかる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 これに対して、リン酸と、硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの
一種または複数種とを組み合わせ、これらの混合液とし
て水ガラスと反応せしめると、もちろん沈澱は生じるも
のの部分ゲル化を起こすことなく乳白濁のコロイド状と
なって沈降することなく、ゲル化時間の調整が容易であ
り、かつ、ゲル化直前まで比較的低粘性を維持し、しか
も、有機系水ガラスグラウトに匹敵ないしはそれ以上の
高固結強度を呈し、また、使用するリン酸量も少量です
む。
ウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムの
一種または複数種とを組み合わせ、これらの混合液とし
て水ガラスと反応せしめると、もちろん沈澱は生じるも
のの部分ゲル化を起こすことなく乳白濁のコロイド状と
なって沈降することなく、ゲル化時間の調整が容易であ
り、かつ、ゲル化直前まで比較的低粘性を維持し、しか
も、有機系水ガラスグラウトに匹敵ないしはそれ以上の
高固結強度を呈し、また、使用するリン酸量も少量です
む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 リン酸としては試薬リン酸、工業用精製
リン酸、精製処理前の粗リン酸等リン酸分を多量含有し
たものが使用される。硫酸アルミニウムとしては硫酸バ
ンドと称せられるものであって、アルミナ分として、約
14〜17%以上を含有した無水物の固形品、アルミナ
分が約8%前後の液体状のもの、および16〜18水化
物の結晶性のもの等が使用される。さらに、塩化アルミ
ニウムとしては無水物および6水塩が用いられる。ま
た、ポリ塩化アルミニウムとしては、アルミナ約10〜
11%、硫酸イオン3.5%以下、塩基度約45〜65
%であって、一般に〔Al2(OH)nCl6]m(た
だし、1<n<5、m<10)で示される液状のポリ塩
化アルミニウム液が用いられる。
リン酸、精製処理前の粗リン酸等リン酸分を多量含有し
たものが使用される。硫酸アルミニウムとしては硫酸バ
ンドと称せられるものであって、アルミナ分として、約
14〜17%以上を含有した無水物の固形品、アルミナ
分が約8%前後の液体状のもの、および16〜18水化
物の結晶性のもの等が使用される。さらに、塩化アルミ
ニウムとしては無水物および6水塩が用いられる。ま
た、ポリ塩化アルミニウムとしては、アルミナ約10〜
11%、硫酸イオン3.5%以下、塩基度約45〜65
%であって、一般に〔Al2(OH)nCl6]m(た
だし、1<n<5、m<10)で示される液状のポリ塩
化アルミニウム液が用いられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 (3)一軸圧縮強度 表2において、それぞれ、B1液中の硫酸アルミニウム
30ml、B2液中の塩化アルミニウム12g、B3液
中のポリ塩化アルミニウム25mlのときの、固結標準
砂のポリ塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度
を養生経過日数を追って測定した。何れもほぼ同程度の
低い強度しか得られなかった。三者の平均的な結果を図
2のb線として表した。
30ml、B2液中の塩化アルミニウム12g、B3液
中のポリ塩化アルミニウム25mlのときの、固結標準
砂のポリ塩化ビニリデン密閉養生における一軸圧縮強度
を養生経過日数を追って測定した。何れもほぼ同程度の
低い強度しか得られなかった。三者の平均的な結果を図
2のb線として表した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 (2)ゲル化時間 表3の配合において、A液とB4液、B5液、B6液、
B7液とをそれぞれ合流すると直ちに沈澱を生成する。
しかし、殆どについて沈降性はなく、白濁であって、ミ
ルクコロイド状を呈し、ゲル化は明瞭である。
B7液とをそれぞれ合流すると直ちに沈澱を生成する。
しかし、殆どについて沈降性はなく、白濁であって、ミ
ルクコロイド状を呈し、ゲル化は明瞭である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】 (3)一軸圧縮強度 図1において、水ガラス−リン酸系のリン酸量21ml
のときのゲル化時間(約1.6分)と略同一のゲル化時
間における図4のリン酸量は15ml、硫酸アルミニウ
ム量は16mlであり、図5のリン酸量は15ml、塩
化アルミニウム量は7gであり、図6のリン酸量は15
ml、ポリ塩化アルミニウム量は11mlであり、図7
のリン酸量は15ml、塩化アルミニウム量は3g、硫
酸アルミニウム量は8gである。これらの配合による経
過日数に対する固結標準砂のポリ塩化ビニリデン密閉養
生における一軸圧縮強度の測定値は四者とも略同程度で
平均的な値を図2において、C線として表した。なお、
一軸圧縮強度の測定は前回に準じて行った。
のときのゲル化時間(約1.6分)と略同一のゲル化時
間における図4のリン酸量は15ml、硫酸アルミニウ
ム量は16mlであり、図5のリン酸量は15ml、塩
化アルミニウム量は7gであり、図6のリン酸量は15
ml、ポリ塩化アルミニウム量は11mlであり、図7
のリン酸量は15ml、塩化アルミニウム量は3g、硫
酸アルミニウム量は8gである。これらの配合による経
過日数に対する固結標準砂のポリ塩化ビニリデン密閉養
生における一軸圧縮強度の測定値は四者とも略同程度で
平均的な値を図2において、C線として表した。なお、
一軸圧縮強度の測定は前回に準じて行った。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:12 22:14 28:26 C09K 103:00
Claims (1)
- 【請求項1】 水ガラスおよびリン酸に加えてさらに、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムおよびポリ塩化ア
ルミニウムの群から選択された一種または複数種を含有
してなる地盤注入用薬液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16670297A JPH10338876A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 地盤注入用薬液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16670297A JPH10338876A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 地盤注入用薬液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10338876A true JPH10338876A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15836180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16670297A Pending JPH10338876A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 地盤注入用薬液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10338876A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001115159A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-04-24 | Kyokado Eng Co Ltd | 地盤注入用薬液 |
KR100487825B1 (ko) * | 2000-03-27 | 2005-05-09 | 시모다 가즈오 | 그라우트 주입 공법 및 그라우트 주입재 |
WO2010140663A1 (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-09 | 株式会社Hi-Van | 耐熱性構造体の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-10 JP JP16670297A patent/JPH10338876A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001115159A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-04-24 | Kyokado Eng Co Ltd | 地盤注入用薬液 |
KR100487825B1 (ko) * | 2000-03-27 | 2005-05-09 | 시모다 가즈오 | 그라우트 주입 공법 및 그라우트 주입재 |
WO2010140663A1 (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-09 | 株式会社Hi-Van | 耐熱性構造体の製造方法 |
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