JPH11181425A - 地盤注入用グラウト材 - Google Patents
地盤注入用グラウト材Info
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- JPH11181425A JPH11181425A JP36603297A JP36603297A JPH11181425A JP H11181425 A JPH11181425 A JP H11181425A JP 36603297 A JP36603297 A JP 36603297A JP 36603297 A JP36603297 A JP 36603297A JP H11181425 A JPH11181425 A JP H11181425A
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- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract
久性、液状化防止、アルカリ公害の軽減に優れた地盤注
入用グラウト材を得る。 【構成】水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理してアルカ
リを除去して得られる活性珪酸に次の3種の処理を施
す。 (1)酸性材(無機酸性材、有機酸性材)を添加して可
使時間を長くする。 (2)アルカリ領域に移行するまでアルカリ材を添加し
てさらに可使時間を長くする。 (3)(1)の活性珪酸にアルカリ領域に移行するまで
アルカリ材を添加してさらに可使時間を長くする。 これら3種の活性珪酸または該活性珪酸をベースとして
各種アルカリ材、反応剤を作用させ、pHを上下にコン
トロールしてゲル化に至らしめる。
Description
止、都市土木の掘削工事、基礎の補強工事、ダムの止水
工事等に利用される地盤注入用グラウト材に係り、詳細
には浸透性に優れ、耐久性が良好であり、固結強度が大
きく、かつ公害の発生が少ない地盤注入用グラウト材に
関する。
られる可使時間が1〜3日程度の活性珪酸は従来、軟弱
地盤の改良を目的として広く利用されている。(特願平
9−183239号参照)。また、水ガラスと酸を混合
してなる酸性水ガラスが広く使用されている。
ラスを陽イオン交換樹脂で処理して水ガラスのNa+ を
H+ で置換することにより製造され、pH2〜4を呈す
る物質である。
濃度(SiO2 濃度)が濃いと、水ガラスは陽イオン交
換樹脂を通過中にゲル化してしまう。このため、SiO
2 濃度はせいぜい6%付近までであり、かつゲル化時間
は室温で長くて2〜3日である。
めて優れた特性を呈するものの、2〜3日でゲル化して
しまうため、工場から現場に輸送する間にもゲル化しや
すく、特に、気温が高いときや、SiO2 濃度が高いと
きには、ゲル化が急速に促進してしまい、また、現場で
の施工待ちが長いときにもゲル化してしまい、使用不可
能となる。すなわち、活性珪酸はSiO2 濃度を高くす
ることはできないので、高強度は期待できない。また、
酸性水ガラスは高アルカリの水ガラスを安定領域なゲル
化領域であるpH1付近とし、それにアルカリ材を加え
てゲル化時間を短縮して注入するものであるが、高アル
カリの水ガラスを1付近のpHにするには硫酸等の強酸
を多量に使用しなくてはならず、注入液に酸根が多く含
まれる。また、アルカリ材を加えると急激にゲル化時間
が変動するため、ゲル化時間の調整が難しい。すなわ
ち、水質保全作業上の点で問題があった。
るのみならず、固結強度も高く、かつ浸透性に優れ、公
害をも防止し得、上述の公知技術に存する欠点を改良し
た地盤注入用グラウト材を提供することにある。
め、本発明によれば、水ガラスを陽イオン交換樹脂で処
理して得られる活性珪酸に酸性材を含有せしめて可使時
間を長くしたことを特徴とする。
明によれば、水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理して得
られる活性珪酸にアルカリ材を含有せしめることを特徴
とする。
る。
陽イオン交換樹脂で処理することによって、水ガラス中
のアルカリを除去して得られ、実質的に塩を含まず、分
子量が1,000以下であり、かつ、pHが2〜4程度で
あり、さらに可使時間が約1〜3日を有するものであ
る。この可使時間はpHやSiO2 濃度によって多少左
右される。
の水ガラスであるが、実用的にはJIS3号水ガラスが
般用される。なお、本発明では水ガラスの代わりに珪酸
カリ、珪酸アンモニウム等の水溶性珪酸塩を用いて活性
珪酸を製造することもできる。
燐酸等の無機酸、塩化アルミニウム、硫酸水素ナトリウ
ム、酸性燐酸ソーダ等の水に溶解して酸性を呈する無機
系酸性塩、酒石酸、乳酸、酢酸等の有機酸、酒石酸水素
ナトリウム等の有機系酸性塩等である。
水ガラスに使用する量と比べると、ごく少量ですみ、し
かも得られるグラウト材の可使時間は大幅に大きくな
る。酸性材を含有せしめて活性珪酸のpH値を低くする
ほど、可使時間が長くなるが、酸性水ガラスに比べて活
性珪酸の場合はpHの低下が少ない割には可使時間の延
び方が大きくなる。さらに、酸性材が少量でゲル化時間
が大きく延長されるので酸根が少なくてすみ、地下水の
水質保全に優れている。また、リン酸や有機酸のような
弱酸を用いてもゲル化時間が容易に延長されるので硫酸
のような強酸を使用する必要がないため取扱いが容易
で、かつ添加量がゲル化時間の急激な変化をもたらさな
いのでゲル化時間の調整が容易である。
しめて可使時間を長くした本発明にかかるグラウト材は
さらにアルカリ材を加えてゲル化時間を調整することが
好ましい。ここで用いられるアルカリ材としては、水ガ
ラス、コロイダルシリカ、苛性ソーダ、苛性カリ、アル
ミン酸ソーダ、重曹、炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウ
ム、石灰類、セメントやスラグ類等が挙げられる。アル
カリ剤が粉末の場合には、予め水に溶解または懸濁させ
て使用する。これらアルカリ剤のうち、特に、水ガラス
およびコロイダルシリカはグラウト材のSiO2 濃度を
高めて固結体の強度を増強させるので好ましい。
上述のアルカリ材のほかに、各種塩類が挙げられる。例
えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物、リン
酸水素ナトリウム等のリン酸塩、ヘキサメタリン酸ソー
ダ等の金属封鎖剤等である。
硬化剤としてセメント類を使用することもできる。これ
により、本発明グラウトは従来の懸濁型(超微粒子型)
グラウトと同様に、20〜50kgf/cm2 の高強度を呈す
るように調整される。
ト材のゲル化時間にしたがって変化する。グラウト材の
pH値が6以下を呈するような量では、長結〜中結のゲ
ル化時間が得られ、また、pH値が6〜8.5付近のほぼ
中性を呈するような量では、短結のゲル化時間が得られ
る。
含有せしめて可使時間を長くしたグラウト材に、アルカ
リ材を加えてほぼ中性領域にまで移行するとゲル化時間
が短縮する。アルカリ材をさらに加え、該グラウトがア
ルカリ領域に移行するまで、例えば、pH値がおおよそ
8.5以上になるまで含有せしめて可使時間がさらに長く
なって実質的にゲル化しなくなる。この添加量は例え
ば、活性珪酸100重量部に対してアルカリ材1.0重量
部以上である。ここで使用されるアルカリ材としては上
述と同様であるが、特に溶液型のもの、例えば水ガラス
および/またはコロイダルシリカが固結体の強度が増強
されるので好ましい。
珪酸とアルカリ材の液量比によって異なるが、混合しや
すく、ゲル化しない方法であればいかなる方法であって
もよい。例えば、アルカリ材の液量が多い場合には、ア
ルカリ材を攪拌しながらこの中に活性珪酸を添加すれば
よく、アルカリ材の液量が少ない場合には、活性珪酸を
強く攪拌しながら、この中に短時間でアルカリ材を添加
することが好ましい。
珪酸は次第に安定化して可使時間が延長される。この手
法を採用すれば、工場で製造した活性珪酸、あるいは酸
性材を含んだ活性珪酸を工場において調整し、または現
場に運搬中、あるいは現場で貯溜中にゲル化しないよう
に調整し、作業上のトラブルを防ぐことができる。
グラウト材はさらに、反応剤を含有せしめてゲル化させ
ることができる。この場合、本発明にかかるアルカリ材
を加えて調整した活性珪酸は従来の水ガラスよりもアル
カリ量が少ないので、反応剤の使用量も少なくてすむ。
このため、本発明グラウト材から地下水に溶出する塩が
少なくてすみ、水質保全の面から優れている。
ば、得られる固結体の耐久性が向上するとともに、強度
も高められる。しかし、液状化防止の目的で本発明グラ
ウト材を地盤中に注入する場合には、浸透性ならびに固
結体の耐久性が要求され、このような場合には、アルカ
リ性の本発明グラウト材に酸性材を添加して再び酸性領
域に移行せしめて使用することができる。このように、
活性珪酸を自由に酸性にしたり、アルカリ性にしたり等
が可能なのは活性珪酸中のアルカリ含量が少なく、中和
反応によって生成する塩がほとんど含有しないからであ
る。
殊な装置や混合手段が必要であり、しかも生成される酸
性シリカゾルには中和によって生じた塩が多く含有する
ため、水質保全の面からも好ましくない。しかも、この
場合、ゲル化時間を長くすることができないのみなら
ず、固結体(ゲル化物)は離漿水による収縮が大きい。
したものであって、固結強度が増強され、固結体の収縮
もほとんどなく、このため耐久性に優れ、さらに広範囲
にわたってゲル化時間の調整ができ、このため、浸透性
にも優れている。
して得られる活性珪酸そのものはゲル化時間が1〜3日
を呈するものの、地盤中に注入すると急速にゲル化時間
が短1して、例えば、液状化防止に適合するような浸透
効果は得られない。これに対して、本発明グラウトはゲ
ル化時間が長く、地盤中でも充分に長いゲル化時間を保
持するものである。しかも、本発明グラウトは、アルカ
リ性の強い従来の水ガラス系グラウトに比べると、弱酸
性〜弱アルカリ性の領域内に調整されたもの、あるいは
塩の含有量が少ないものが注入されるためであって、ア
ルカリ公害や酸公害を起こさず、水質保全性が優れてい
る。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
号水ガラスを使用。
理して得られる、pH2.7、比重1.03、SiO2 5.0
%の活性珪酸を使用。ゲル化には室温で1.5〜2日を要
する。
して塩化アルミニウムおよび硫酸水素ナトリウム、有機
酸として酒石酸、有機系酸性塩として酒石酸水素ナトリ
ウムを使用。
6H2 O (5) 硫酸水素ナトリウム:試薬一級、NaHSO4 ・H
2 O (6) 酒石酸:試薬一級、COOH・CH(OH)CH
(OH)・COOH (7) 酒石酸水素ナトリウム:試薬一級、COOH・CH
(OH)CH(OH)・COONa・H2 O
ム、および炭酸水素ナトリウムを使用。
これにアルカリを加えて加熱重合し、濃縮してSi
O2 :〜30〜31%、Na2 O:0.7%以下、比重:
1.21〜1.22、pH:9〜10の無水珪酸のコロイド
溶液を使用。
用。
し、これら各試料についてpH、20℃におけるゲル化
時間およびホモゲルの収縮率を測定し、結果を表1に示
した。表1中、試料No.1は活性珪酸だけの試料であり、
試料No.2〜17は可使時間を長くした本発明にかかるグ
ラウト材(酸性材を含む活性珪酸)である。
性材を含まない活性珪酸そのものであって、ゲル化時間
は1.5〜2日である。
料No.2〜17はゲル化時間がそれぞれ3〜7日間を呈
し、可使時間が延長されている。
系酸性塩を用いた試料No.2(硫酸)、試料No.3および4
(リン酸)、試料No.5〜8(塩酸)、試料No.11(塩化
アルミニウム)、試料No.13および14(塩酸と塩化ア
ルミニウム)はゲル化時間おおよそ3〜4日を呈してい
る。特に酸性材としてリン酸を用い、pHを1.4まで低
下させた試料No.4はゲル化時間が4〜5日に延長されて
いる。
または有機酸と無機系酸性塩や有機系酸性塩を用いた試
料No.9および10(酒石酸)、試料No.12(酒石酸水素
ナトリウム)、試料No.15〜17(塩酸、酒石酸、塩化
アルミニウム、酒石酸水素ナトリウム等の併用)はいず
れもpH値が比較的高いにもかかわらず、ゲル化時間が
5〜7日に延長されている。
収縮率が約20%であるのに対し、本発明にかかる試料
No.2〜17では、いずれもゲル化時間が延びているにも
かかわらず、ホモゲルの収縮率が10〜13%と小さく
なる。
配合物)と、表1には示されない従来公知の酸性水ガラ
ス(通常の水ガラスと硫酸の配合物)について、いずれ
もSiO2 濃度を5〜5.2%、pH値を2.1に調整した
上で、硫酸の使用量を比較したところ、試料No.2は0.1
3gであったが、酸性水ガラスは3.5〜4gであった。
このことから、本発明にかかる試料No.2は従来の酸性水
ガラスと比較して酸根が著しく減少したグラウト材であ
ることがわかる。また、本発明にかかる試料No.2はゲル
化時間が3〜4日に延長されているのに対し、従来の酸
性水ガラスは20〜40時間であった。
添加してなるグラウト材の調製 表1の試料No.6、すなわち、酸性材として塩、酸を含む
活性珪酸、および表1の試料No.10、すなわち、酸性材
として酒石酸を含む活性珪酸にそれぞれ表2に示す各種
アルカリ材を配合し、試料No.18〜33を調製した。こ
れら各試料について、pH、20℃におけるゲル化時
間、サンドゲルの一軸圧縮強度(kgf/cm2)、およびホモ
ゲルの収縮率(%)を測定し、結果を表2に示した。サ
ンドゲルの一軸圧縮強度は豊浦標準砂によるサンドゲル
をポリ塩化ビニリデン密封養生し、1日および8日経過
後のサンドゲルの一軸圧縮強度(kgf/cm2)を測定した。
て表1の試料No.6を用いた試料No.18〜21(アルカリ
材として水ガラスを使用)では、pHの上昇とともにゲ
ル化時間が短縮され、固結強度も上昇している。また、
試料No.25〜27(アルカリ材としてコロイダルシリカ
を使用)では、固結強度が一層向上している。さらに、
試料No.22(アルカリ材として水ガラスとコロイダルシ
リカの両方を使用)も同様に、固結強度が増加してい
る。活性珪酸として表1の試料No.10を用いた試料No.2
8〜32(アルカリ材として水ガラス、コロイダルシリ
カ、またはこれらの両方を使用)でも、上述と同様の傾
向が見られる。また、これら試料において、ゲル化時間
も広い範囲にわたって調整が可能である。
を表2の各試料とほぼ同一にし、ゲル化時間を1〜数分
に調整した水ガラス−炭酸水素ナトリウム系試料(対
照)では、養生数日後のサンドゲル固結強度は0.6〜1.
0 kgf/cm2程度である。これに対し、本発明にかかる試
料No.18〜22、および25〜32、特に、酒石酸によ
り可使時間を長くした試料No.28〜32では、上述対照
の試料よりも一段として強度増加が図られている。
いが、ホモゲルの収縮率が約25%まで達することが知
られているが、これに対して本発明各試料では、表2に
示されるようにホモゲルの収縮率が15%以下である。
特に、アルカリ材としてコロイダルシリカを用い、かつ
活性珪酸として表1の試料No.10を用いた表2の試料N
o.30〜31では、収縮率が5%以下であって、非常に
小さい。
を用いた試料No.23、24および33では、セメント特
有の高固結強度が充分に発揮されている。特に、養生日
数8日の強度は、初期強度に比べて著しく上昇してお
り、長期強度に優れている。なお、表2に示されない
が、本発明において微粒子化されたセメントを用いれば
強度はさらに著しく増加することが期待される。また、
本発明において、スラグを併用することもできる。
性珪酸にアルカリ材を添加してなるグラウト材の調製 表1の試料No.1(活性珪酸単独)、試料No.6(酸性材と
して塩酸を含む活性珪酸)、および試料No.10(酸性材
として酒石酸を含む活性珪酸)にそれぞれ表3に示すア
ルカリ材を添加して試料No.34〜43のグラウト材を調
製した。これら各試料についてpHおよび硬化性(ゲル
化時間)を測定し、結果を表3に示した。
性珪酸にアルカリ材を添加してpH値をアルカリ領域
(pH8.5以上)に移行せしめると、長期間にわたって
硬化せず、長期間安定したグラウト材を得る。また、試
料No.34および試料No.39のように、pH値を中性ない
しは弱アルカリ性(pH約8.5以下)にすると、ゲル化
が起こる。
た地盤注入用グラウト材の調製 表1の試料No.36、37、38、41、42、43(い
ずれも可使時間が著しく長い)に表4に示すようにそれ
ぞれ酸性材として硫酸水素ナトリウムを添加して試料N
o.44〜51を調製した。これら試料についし、pH、
20℃におけるゲル化時間、サンドゲルの一軸圧縮強
度、およびホモゲルの収縮率を測定し、結果を表4に示
した。
と同様、豊浦標準砂によるサンドゲルをポリ塩化ビニリ
デン袋中に1日間および8日間密閉養生の後、測定され
た強度(kgf/cm2)である。また、ホモゲルの収縮率は3
日間および30日間経過後の収縮率(%)である。
に移行せしめて著しく可使時間を長くした活性珪酸(例
えば、表3の試料No.36、37、38、41、42、4
3)はこれにそれぞれ反応剤(酸性材)を添加すること
によりゲル化せしめることができる。しかも、これらは
いずれも通常の水ガラス系グラウトよりも高い強度を示
している。さらに、ホモゲルの収縮率もせいぜい10%
程度であって、通常の水ガラス系グラウトの20数%と
比べるとはるかに小さい。特に、酸性材として酒石酸を
用いた試料No.47は強度および収縮率ともに、塩酸を用
いた試料No.46および50と比べて若干優れているよう
である。
性材)としての硫酸水素ナトリウムの添加量は0.3〜0.
4gの範囲であるが、SiO2 含有量のほぼ同じ3号水
ガラスを硫酸水素ナトリウムでゲル化せしめるには約2
〜3gの添加量を必要とする。すなわち、本発明では、
反応剤の使用量は従来の水ガラス系グラウトと比較して
著しく少なくてすむ。したがって、本発明では、地盤注
入後、ゲル化物からの酸根の溶出あるいはその他の塩の
溶出は極めて少なく、水質保全の点からも好ましい。
ガラス電極pH計、ゲル化時間はカップ倒立法、一軸圧
縮強度は土質工学会規準「土の一軸圧縮試験方法」によ
りそれぞれ測定し、また、ホモゲルの収縮率はホモゲル
をポリプロピレン樹脂製密閉容器中で養生し、遊離した
離漿水の量から算出した。
独)、表2の試料No.6、表1の試料No.15、表1の試料
No.16、表2の試料No.18および表4の試料No.44をそ
れぞれ試料No52〜57として用意した。これら各試料
を20℃の温度で豊浦標準砂と混合し、静止の後、砂に
竹串を刺して引き抜き、竹串に跡が残ったときの時間を
土中のゲル化時間として測定し、結果を表5に示した。
表1の試料No.1であって、砂との混合以前には表1に示
されるように、pH2.7、ゲル化時間1.5〜2日であっ
たが、砂との混合後には表5に示されるように、土中ゲ
ル化時間は30分に短縮されている。土の液状化防止の
ためにはさらにゲル化時間を長くして充分な浸透をはか
る必要がある。
砂との混合後にはゲル化時間が短縮されてもなお、ほぼ
1時間あるいは数10時間と長く、しかも完全にゲル化
に至っている。したがって、これら試料は液状化防止用
グラウト材として極めて良好な効果を発揮するものと推
測される。
来の水ガラス系グラウトに比べると、粘性が、定性的観
察ではあるが、ゲル化直前まで低いことがわかった。特
に、有機系酸性材を含む試料では、粘性が著しく低い。
かかるグラウト材はグラウト材としての可使時間が長く
でき、土中ゲル化も含めてゲル化時間の調整も比較的容
易である。さらに、従来の水ガラス系グラウトに比べて
ゲル化前の粘性が低く、ゲルは高強度で収縮性が少ない
ため、浸透性、耐久性に優れ、かつ液状化防止に優れる
ことが期待できる。さらに、従来の水ガラス系グラウト
で懸念されるアルカリ公害問題の軽減をはかることもで
きる。
ラウト材は次の効果を奏し得るものである。
製できる。
間のグラウト調製が可能である。
ラウト材は低粘性を示す。
た浸透性、耐久性、液状化防止が期待できる。
果が特に優れている。
質保全性に優れる。
めて優れた特性を呈するものの、2〜3日でゲル化して
しまうため、工場から現場に輸送する間にもゲル化しや
すく、特に、気温が高いときや、SiO2濃度が高いと
きには、ゲル化が急速に促進してしまい、また、現場で
の施工待ちが長いときにもゲル化してしまい、使用不可
能となる。すなわち、活性珪酸はSiO2濃度を高くす
ることはできないので、高強度は期待できない。また、
酸性水ガラスは高アルカリの水ガラスを安定領域なゲル
化領域である強酸性とし、それにアルカリ材を加えてゲ
ル化時間を短縮して注入するものであるが、高アルカリ
の水ガラスを強酸性にするには硫酸等の強酸を多量に使
用しなくてはならず、注入液に酸根が多く含まれる。ま
た、アルカリ材を加えると急激にゲル化時間が変動する
ため、ゲル化時間の調整が難しい。すなわち、水質保全
作業上の点で問題があった。
して得られる活性珪酸そのものはゲル化時間が1〜3日
を呈するものの、地盤中に注入すると急速にゲル化時間
が短縮して、例えば、液状化防止に適合するような浸透
効果は得られない。これに対して、本発明グラウトはゲ
ル化時間が長く、地盤中でも充分に長いゲル化時間を保
持するものである。しかも、本発明グラウトは、アルカ
リ性の強い従来の水ガラス系グラウトに比べると、弱酸
性〜弱アルカリ性の領域内に調整されたもの、あるいは
塩の含有量が少ないものが注入されるためであって、ア
ルカリ公害や酸公害を起こさず、水質保全性が優れてい
る。
添加してなるグラウト材の調製 表1の試料No.6、すなわち、酸性材として塩酸を含
む活性珪酸、および表1の試料No.10、すなわち、
酸性材として酒石酸を含む活性珪酸にそれぞれ表2に示
す各種アルカリ材を配合し、試料No.18〜33を調
製した。これら各試料について、pH、20℃における
ゲル化時間、サンドゲルの一軸圧縮強度(kgf/cm
2)、およびホモゲルの収縮率(%)を測定し、結果を
表2に示した。サンドゲルの一軸圧縮強度は豊浦標準砂
によるサンドゲルをポリ塩化ビニリデン密封養生し、1
日および8日経過後のサンドゲルの一軸圧縮強度(kg
f/cm2)を測定した。
単独)、表1の試料No.6、表1の試料No.15、
表1の試料No.16、表2の試料No.18および表
4の試料No.44をそれぞれ試料No.52〜57と
して用意した。これら各試料を20℃の温度で豊浦標準
砂と混合し、静止の後、砂に竹串を刺して引き抜き、竹
串に跡が残ったときの時間を土中のゲル化時間として測
定し、結果を表5に示した。
Claims (4)
- 【請求項1】 水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理して
得られる活性珪酸に酸性材を含有せしめて可使時間を長
くしたことを特徴とする地盤注入用グラウト材。 - 【請求項2】 水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理して
得られる活性珪酸にアルカリ材を含有せしめたことを特
徴とする地盤注入用グラウト材。 - 【請求項3】 請求項1の地盤注入用グラウト材に、さ
らにアルカリ剤を含有せしめたことを特徴とする請求項
1に記載される地盤注入用グラウト材。 - 【請求項4】 請求項1または2の地盤注入用グラウト
材に、さらに反応剤を含有せしめてなる請求項1または
2のいずれかに記載される地盤注入用グラウト材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36603297A JP3216878B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 地盤注入用グラウト材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36603297A JP3216878B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 地盤注入用グラウト材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181425A true JPH11181425A (ja) | 1999-07-06 |
JP3216878B2 JP3216878B2 (ja) | 2001-10-09 |
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ID=18485752
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36603297A Expired - Fee Related JP3216878B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 地盤注入用グラウト材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3216878B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012483A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 地盤注入用グラウト材および地盤注入工法 |
JP2012228685A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-22 | Hazama Corp | ヒ素拡散防止用注入薬液、ヒ素汚染土壌中におけるヒ素の拡散防止方法、及びこの方法に使用される送液装置 |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP36603297A patent/JP3216878B2/ja not_active Expired - Fee Related
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