JPH0717783B2 - 多孔性シート材料の製造方法 - Google Patents

多孔性シート材料の製造方法

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JPH0717783B2
JPH0717783B2 JP62146938A JP14693887A JPH0717783B2 JP H0717783 B2 JPH0717783 B2 JP H0717783B2 JP 62146938 A JP62146938 A JP 62146938A JP 14693887 A JP14693887 A JP 14693887A JP H0717783 B2 JPH0717783 B2 JP H0717783B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、多孔性シート材料及びその製造方法に関し、
表面滑性、撥水性(耐水圧)、洗濯耐久性、機械的性
質、水蒸気透過性等の諸性能に優れ、且つ風合の良好な
多孔性シート材料及びその製造方法を提供することを目
的とする。
(従来の技術) 従来、天然皮革代用品等としてポリウレタン系樹脂から
なる多孔性シート材料及びそれらを製造する方法は多数
知られており、大別すれば湿式法と乾式法に分けられ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 両方法はそれぞれ一長一短があり、生産性という面から
は乾式法が優れている。このような乾式法としては、特
公昭48−4380号公報、特公昭48−8742号公報、特開昭51
−41063号公報、特開昭45−66961号公報及び特開昭54−
68498号公報等に記載の方法が知られている。
これらの公知の方法によれば、それぞれ優れた透湿性の
多孔性シート材料が提供されるが、これらの多孔性シー
ト材料は多孔質であるが為に、当然のことであるが、表
面滑性が劣り、汚れ易いという問題がある。更に風合的
にも不充分である。
又、これらの多孔性シートの微細孔は透湿性を目的とし
て連通孔となっている結果、外部からの水の浸入が容易
であるため、雨天時等に使用すると内部にまで水が浸透
して内部が濡れるという問題がある。
このような問題を解決する方法として、多孔層中にシリ
コーン系化合物やフッ素系化合物等のいわゆる柔軟剤や
撥水剤を包含せしめる方法も広く行われているが、上記
の如き柔軟剤や撥水剤は比較的低分子量の化合物であ
り、且つポリウレタン系樹脂に対して相溶性が劣るた
め、経時的に多孔質層の表面にブリードアウトして、表
面がベタついたり、埃が付着し易くなるという汚染性の
問題が生じる。
更に洗濯を繰り返すことにより柔軟剤や溌水剤が除去さ
れ、柔軟剤や溌水剤によって付与された表面滑性、風
合、撥水性(耐水圧)という性能が失われるという洗濯
耐久性の問題が生じている。
従って多孔質でありながら表面滑性、良好な風合、耐水
圧及び洗濯耐久性に優れた多孔性シート材料の開発が要
望されている。
本発明者は上記要望に応えるべく鋭意研究の結果、特定
のポリウレタン乳濁液を用いる時は、上述の如き従来技
術の欠点が解決され、上述の業界の要望に十分に応え得
る多孔性シート材料の提供が可能であることを知見して
本発明を完成した。
(問題点を解決する手段) すなわち、本発明は、油中水型のポリウレタン乳濁液を
基材に含浸及び/又は塗布し、ゲル化及び乾燥すること
からなる多孔性シート材料の製造方法において、上記ポ
リウレタン乳濁液が、主鎖及び/又は側鎖にシリコーン
セグメントを有するポリウレタン系樹脂の有機溶剤溶液
及び/又は分散液中に水を乳化させてなることを特徴と
する多孔性シート材料の製造方法である。
(作 用) 次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明者は、前述
の如き従来技術の問題点は、多孔層の形成に特定のポリ
ウレタン、すなわち、主鎖及び/又は側鎖にシリコーン
セグメントを有するポリウレタン系樹脂を使用すること
によって解決されることを知見したものである。
すなわち、本発明においては柔軟剤或いは撥水剤として
のシリコーン化合物がポリウレタン中に共有結合によっ
て包含されている結果、多孔層に形成した後でも前記柔
軟剤や溌水剤が経時的に表面にブリードアウトしたり、
洗濯によって除去されたりすることがなく、殆ど永久的
に優れた表面滑性、高い柔軟性、耐水圧及び耐洗濯性等
を保持することができるものである。
(好ましい実施態様) 本発明を本発明の好ましい実施態様を挙げて更に詳しく
説明する。
本発明において使用し、本発明を主として特徴付けるシ
リコーンセグメントを有するポリウレタン系樹脂とは、
ポリオール、ポリイソシアネート、鎖伸長剤等を反応さ
せてポリウレタン系樹脂を得るに際して、ポリオール、
ポリイソシアネート又は鎖伸長剤の全部又は1部とし
て、アミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、
チオアルコール基等の反応性官能機を有するシリコーン
化合物を使用して得られるものである。
このような反応性有機官能基を有するシリコーン化合物
の好ましい例としては、例えば、下記の如き化合物が挙
げられる。
(1)アミノ変性シリコーンオイル (2)エポキシ変性シリコーンオイル (3)アルコール変性シリコーンオイル (4)メルカプト変性シリコーンオイル (5)カルボキシル変性シリコーンオイル 以上の如き反応性有機官能基を有するシリコーン化合物
は、本発明において好ましいシリコーン化合物の例示で
あって、本発明はこれらの例示に限定されるものではな
く、上述の例示の化合物及びその他のシリコーン化合物
は、現在市販されており、市場から容易に入手し得るも
のであり、いずれも本発明において使用できるものであ
る。
更に上記の如きシリコーン化合物と後述する如きポリイ
ソイアネートとを、シリコーン系化合物の反応性基又は
ポリイソシアネート基のイソシアネート基の少なくとも
一方が残るように反応させて得られる中間体、例えば、
2官能のシリコーン化合物と多官能のポリイソシアネー
トをイソシアネート基リッチで反応させたもの、或いは
逆にシリコーン化合物の反応性基をリッチにして反応さ
せて得られる中間体も同様に使用できる。
更にシリコーン化合物の反応性基が水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、エポキシ基等である場合には後述のポ
リオール、鎖伸長剤或いは多価カルボン酸や多価アミン
と反応させて得られるポリエステルポリオール、ポリア
ミドポリアミン、ポリエーテルポリオール等も同様にし
て使用することができる。
ポリオールとしては、従来公知のポリウレタン用ポリオ
ールはいずれも使用でき、例えば、好ましいものとして
末端基が水酸基であり、分子量が300乃至4,000の ポリエチレンアジペート、 ポリエチレンプロピレンアジペート、 ポリエチレンブチレンアジペート、 ポリジエチレンアジペート、 ポリブチレンアジペート、 ポリエチレンサクシネート、 ポリブチレンサクシネート、 ポリエチレンセバケート、 ポリプチレンセバケート、 ポリテトラメチレンエーテルグリコール、 ポリ−ε−カプロラクトンジオール、 ポリヘキサメチレンアジペート、 カーボネートポリオール、 ポリプロピレングリコール等、及び上記ポリオール中に
適当な量のポリオキシエチレン鎖を含有するものが挙げ
られる。
有機ポリイソシアネートとしては、従来公知のいずれの
ものも使用できるが、例えば、好ましいものとして、 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、 水添加MDI、 イソホロンジイソシアネート、 1,3−キシリレンジイソシアネート、 1,4−キシリレンジイソシアネート、 2,4−トリレンジイソシアネート、 2,6−トリレンジイソシアネート、 1,5−ナフタリンジイソシアネート、 m−フェニレンジイソシアネート、 p−フェニレンジイソシアネート等があり、 或いはこれらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポ
リオールやポリアミンとを末端イソシアネートとなるよ
うに反応させて得られるウレタンプレポリマー等も当然
使用することができる。
鎖伸長剤としては、従来公知のいずれのものも使用でき
るが、例えば、好ましいものとしては、エチレングリコ
ール、 プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 1,4−ブタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、 エチレンジアミン、 1,2−プロピレンジアミン、 トリメチレンジアミン、 テトラメチレンジアミン、 ヘキサメチレンジアミン、 デカメチレンジアミン、 イソホロンジアミン、 m−キシリレンジアミン、 ヒドラジン、 水等がある。
上述の如き材料から得られるシリコーンセグメント含有
ポリウレタン系樹脂は、いずれも本発明において使用で
きるが、好ましいものは、シリコーンセグメントが分子
中で約0.2乃至50重量%を占めるものであり、シリコー
ンセグメントが約0.2重量%未満では本発明の所期の目
的達成が不十分となり、又、約50重量%を越える量では
接着性の低下のような問題が生じて好ましくない。
又、好ましいものは分子量が2万乃至50万のものであ
り、最も好ましいものは分子量2乃至25万のものであ
る。
以上の如きシリコーンセグメント含有ポリウレタン系樹
脂は、従来公知の製造方法によって容易に得ることがで
きる。これらのポリウレタン系樹脂は、無溶剤で調製し
てもよいし、有機溶剤中で調製したものでもよいが、工
程的には、ポリウレタン乳濁液を調製すべき有機溶剤、
すなわち、水とある程度の相互溶解性のある有機溶剤中
で調製することにより、そのままポリウレタン乳濁液の
調製に利用できるので有利である。
このような有機溶剤として好ましいものは、メチルエチ
ルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等であり、又、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パ
ークロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等も使
用できる。これらの有機溶剤中で水との相互溶解度に限
界のないもの、或いは全く溶解しないものは、他の有機
溶剤との混合物とし、水との相互溶解度に限界をもたせ
て使用する。以上の有機溶剤は勿論混合有機溶剤として
も使用することができる。
このような有機溶剤中でポリウレタン系樹脂を調製する
ことによりポリウレタン系樹脂溶液が得られるが、その
固形分は同一又は他溶剤の添加或いは除去により約5乃
至60重量%の範囲とするのが好都合である。尚、本発明
においては上記ポリウレタン系樹脂が有機溶剤中に十分
溶解したものでもよいし、部分的或いは全面的に析出し
た状態の分散液でもよい。(以下単に溶液という)。
上記のポリウレタン溶液からポリウレタン乳濁液を調製
するには、前述のポリウレタン溶液に、必要に応じて適
当な量の油中水型乳化剤を添加し、これを、強力に攪拌
しつつ、この中に飽和量以下の水、例えば、溶液中の固
形分100重量部あたり約50乃至500重量部の水を添加する
ことにより得られる。
乳化剤としては、従来公知の油中水型乳化剤は、いずれ
も使用できるが、特に好適なものは、分子中に適当な量
のポリオキシエチレン鎖を有するポリウレタン系界面滑
性剤である。乳化剤は、ポリウレタン系樹脂溶液の固形
分100重量部あたり、約1乃至10重量部の割合で使用す
るのが好ましい。
このようにして得られたポリウレタン乳濁液は、乳白色
のクリーム状の流動体であり、そのまま数ケ月間放置し
ても安定な状態を保持している。このようなポリウレタ
ン乳濁液は必要に応じて各種の添加剤、例えば、着色
剤、架橋剤、安定剤、充填剤等の如く公知の添加剤を任
意に添加することができる。
上記の如きポリウレタン乳濁液から多孔性シートを製造
するのに使用する基材としては、例えば、各種の織布、
編布、不織布、離形紙、プラスチックフィルム、金属
板、ガラス板等いかなる基材でもよい。
該基材に対する上記ポリウレタン乳濁液の適用方法は、
例えば、コーティング法、浸漬法、これらの組合せ方法
等いずれの公知の方法でもよく、その含浸及び/又は塗
布量は、約5乃至2,000g(配合液)/m2の如く、その目
的に応じて広い範囲で変化させることができる。
上記のポリウレタン乳濁液を含浸及び/又は塗布した基
材のゲル化及び乾燥は、いずれも従来技術と同様でよい
ものであり、例えば、約40乃至200℃程度の温度で数分
間乃至数時間の乾燥で優れた特性を有するポリウレタン
多孔性シート材料が得られる。
(効果) 以上の如き本発明により得られた多孔性シート材料は非
常に微細な孔構造を有し、各種物性に優れるとともに優
れた水蒸気透過性を有し、各種の合成皮革等の素材とし
て、衣料、靴、防水布、テント、壁紙、床材、濾過材、
エアコン等のフィルター等に有用である。
特に本発明で使用するポリウレタン系樹脂は、その分子
の主鎖及び/又は側鎖中にシリコーンセグメントを含有
している結果、該樹脂から多孔層を形成しても、多孔層
中のシリコーンセグメントが経時的に多孔層の表面にブ
リードアウトすることがなく、従って半永久的に優れた
表面滑性、風合、耐水圧性及び洗濯耐久性を保持し得る
ものである。
次に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的
に説明する。尚、文中部又は%とあるのはいずれも重量
基準である。
参考例1(中間体の製造例) トリメチロールプロパン1モルとトリレンジイソシアネ
ート(TDI)3モルとの付加体(コロネートL、日本ポ
リウレタン製、NCO%12.5、固形分75%)175部を50℃で
よくかきまぜながら、この中に下記の構造を有する末端
アミノプロピルポリジメチルシロキサン(分子量2,20
0)880部を徐々に滴下し反応させる。
(nは分子量が2,200になる値である) 反応終了後、酢酸エチルを蒸発させると透明液体状の中
間体976部が得られた。
この中間体の赤外吸収スペクトルによれば、2270/cmの
遊離イソシアネート基による吸収は残っており、且つ10
90/cmにSi−O−C基による吸収帯を示していた。
又、この中間体中のフリーのイソシアネート基を定量す
ると、理論値が0.83%であるのに対して、実測値は0.78
%であった。
従って、上記の中間体の主たる構造は、下記式と推定さ
れる。
参考例2(中間体の製造例) 下記の構造を有する末端ヒドロキシプロピルポリジメチ
ルシロキサン(分子量980)196部に、フェニルイソシア
ネート24部を加え、60℃でよくかきまぜて反応させ透明
液状の反応生成物(A)213部が得られた。
(nは分子量が980になる値である) 次に、ヘキサメチレンジイソシアネートと水の付加体
(ジュラネート24A−100、旭化成製、NCO%23.5)52部
を60℃でよくかきまぜながら、この中に上記の反応生成
物(A)220部を徐々に滴下し反応させ、無色透明の液
状の中間体263部が得られた。
この中間体の赤外吸収スペクトルによれば、2270/cmの
遊離イソシアネート基による吸収は残っており、且つ10
90/cmにSi−O−C基による吸収帯を示していた。
又、この中間体中のフリーのイソシアネート基を定量す
ると、理論値が1.54%であるのに対して、実測値は1.37
%であった。
従って、上記の中間体の主たる構造は、下記式と推定さ
れる。
参考例3(中間体の製造例) 下記の構造を有する末端アミノプロピルポリジメチルシ
ロキサン(分子量1,150)230部に、n−ブチルアルデヒ
ド15部を加え、80℃でよくかきまぜて反応させ、生成し
た水を減圧下に系外に除去しながら3時間反応させて、
透明液状の反応生成物(B)238部が得られた。
(nは分子量が1,150になる値である) 次に、トリメチロールプロパン1モルとキシリレンジイ
ソシアネート3モルとの付加体(タケネートD110N、武
田薬品製、NCO%11.5、固形分75%)186部を室温でよく
かきまぜながら、この中に上記反応生成物(B)490部
を徐々に滴下し、60℃で反応させた。
反応終了後、酢酸エチルを蒸発させると透明液体状の中
間体610部が得られた。
この中間体の赤外吸収スペクトルによれば、2270/cmの
遊離イソシアネート基による吸収は残っており、且つ10
90/cmにSi−O−C基による吸収帯を示していた。
又、この中間体中のフリーのイソシアネート基を定量す
ると、理論値が1.34%であるのに対して、実測値は1.25
%であった。
従って、上記の中間体の主たる構造は、下記式と推定さ
れる。
参考例4(中間体の製造例) 2,6−トリレンジイソシアネート35部と酢酸エチル110部
を60℃でよくかきまぜながら、この中に下記の構造を有
する末端メルカプトプロピルポリジメチルシロキサン
(分子量1,580)316部を徐々に滴下し反応させる。
(l、m、nは分子量が1,580になる値である) 反応終了後、酢酸エチルを蒸発させると透明液体状の中
間体340部が得られた。
この中間体の赤外吸収スペクトルによれば、2270/cmの
遊離イソシアネート基による吸収は残っており、且つ10
90/cmにSi−O−C基による吸収帯を示していた。
又、この中間体中のフリーのイソシアネート基を定量す
ると、理論値が2.39%であるのに対して、実測値は2.12
%であった。
従って、上記の中間体の主たる構造は、下記式と推定さ
れる。
(l、m、nは分子量が1.580になる値である) 参考例5(中間体の製造例) ヘキサメチレンジイソシアネート52部と酢酸エチル160
部を、60℃でよくかきまぜながら、この中に下記の構造
を有する末端ヒドロキシプロピルポリジメチルシロキサ
ン(分子量2,250)450部を徐々に滴下し反応させる。
(nは分子量が1,580になる値である) 反応終了後、酢酸エチルを蒸発させると透明液体状の中
間体488部が得られた。
この中間体の赤外吸収スペクトルによれば、2270/cmの
遊離イソシアネート基による吸収は残っており、且つ10
90/cmにSi−O−C基による吸収帯を示していた。
又、この中間体中のフリーのイソシアネート基を定量す
ると、理論値が1.67%であるのに対して、実測値は1.52
%であった。
従って、上記の中間体の主たる構造は、下記式と推定さ
れる。
参考例6(樹脂の変性…側鎖) ポリエチレンアジペート(平均分子量=約1,000、水酸
基価112)1,000部、1,4−ブタンジオール144部、メチル
エチルケトン1,144部及びジフェニルメタンジイソシア
ネート650部を70℃で8時間反応後、更にメチルエチル
ケトン3,042部を加えて均一化し、撹拌しながら常温ま
で冷却し、固形分30%の乳白色のポリウレタン分散液を
得た。
このポリウレタン分散液100部に参考例1の中間体5部
を加え、70℃で4時間反応させて中間体とポリウレタン
樹脂とが結合した乳白色ポリウレタン分散液(1)を得
た。
上記で得られた樹脂は赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基は認められなかった。これは中間体が樹脂に
グラフト結合したものと推定される。
参考例7(樹脂の変性…側鎖) 1,4−ブタンエチレンアジペート(平均分子量約1,000、
水酸基価112)1,000部、1,4−ブタンジオール144部、メ
チルエチルケトン1,144部及びジフェニルメタンジイソ
シアネート650部を70℃で8時間反応後、更にメチルエ
チルケトン3,042部を加えて均一化し、撹拌しながら常
温まで冷却し、固形分30%の乳白色のポリウレタン分散
液を得た。
このポリウレタン分散液100部に参考例2の中間体5部
を加え、70℃で4時間反応させて中間体とポリウレタン
樹脂とが結合した乳白色ポリウレタン分散液(2)を得
た。
上記で得られた樹脂は赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基は認められなかった。これは中間体が樹脂に
グラフト結合したものと推定される。
参考例8(樹脂の変性…側鎖) 1,6−ヘキサメチレンアジペート(平均分子量2,000、水
酸基価56)1,000部、1,4−ブタンジオール125部及びジ
フェニルメタンジイソシアネート472部をメチルエチル
ケトン1,200部中に加え、70℃で8時間反応後、更にメ
チルエチルケトン2,526部を加えて均一化し、撹拌しな
がら常温まで冷却し、固形分30%の乳白色のポリウレタ
ン分散液を得た。
このポリウレタン分散液100部に参考例3の中間体5部
を加え、70℃で4時間反応させて中間体とポリウレタン
樹脂とが結合した乳白色ポリウレタン分散液(3)を得
た。
上記で得られた樹脂は赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基は認められなかった。これは中間体が樹脂に
グラフト結合したものと推定される。
参考例9(樹脂の変性…側鎖) ポリテトラメチレングリコール(平均分子量約1,000、
水酸基価112)1,000部、エチレングリコール93部及びジ
フェニルメタンジイソシアネート625部をメチルエチル
ケトン1,500部中に加え、60℃で8時間反応後、更にメ
チルエチルケトン2,500部を加えて撹拌しながら常温ま
で冷却し、固形分30%の乳白色のポリウレタン分散液
(4)を得た。
このポリウレタン分散液100部に参考例4の中間体5部
を加え、60℃で4時間反応させて中間体とポリウレタン
樹脂とが結合した乳白色ポリウレタン分散液(4)を得
た。
上記で得られた樹脂は赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基は認められなかった。これは中間体が樹脂に
グラフト結合したものと推定される。
参考例10(樹脂の変性…側鎖) ポリカーボネートポリオール(平均分子量2,000、水酸
基価56)1,000部、エチレングリコール86部及びジフェ
ニルメタンジイソシアネート509部をメチルエチルケト
ン1,200部中に加え、70℃で8時間反応後、更にメチル
エチルケトン2,522部を加え均一化し、撹拌しながら常
温まで冷却し、固形分30%の乳白色のポリウレタン分散
液を得た。
このポリウレタン分散液100部に参考例5の中間体5部
を加え、70℃で4時間反応させて中間体とポリウレタン
樹脂とが結合した乳白色ポリウレタン分散液(5)を得
た。
上記で得られた樹脂は赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基は認められなかった。これは中間体が樹脂に
グラフト結合したものと推定される。
参考例11(樹脂の変性…主鎖) 1,4−ブタンエチレンアジペート(平均分子量約1,000、
水酸基価112)1,000部、下記構造のシリコーン化合物10
0部、1,4−ブタンジオール31部及びジフェニルメタンジ
イソシアネート338部をメチルエチルケトン3,435部中に
加え、70℃で8時間反応させ、平均分子量が6万5千で
ある固形分30%のポリウレタン分散液(A)を得た。
次いで上記分散液にエチレングリコール130部及びジフ
ェニルメタンジイソシアネート524部を加え、60℃で10
時間反応後、更にメチルエチルケトン1,526部を加えて
均一化し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリウレタ
ンの平均分子量が12万6千であり、析出した粒子の粒子
径が1μm以下である固形分30%の乳白色のポリウレタ
ン分散液(6)を得た。
(式中のmは分子量が5,000になる値である) 参考例12(樹脂の変性…主鎖) ポリテトラメチレングリコール(平均分子量約1,000、
水酸基価112)1,000部、下記構造のシリコーン化合物10
0部、エチレングリコール25部及びジフェニルメタンジ
イソシアネート348部をメチルエチルケトン3,435部中に
加え、70℃で9時間反応させ、平均分子量が5万2千で
ある固形分30%のポリウレタン分散液(B)を得た。
次いで上記樹脂溶液にエチレングリコール116部及びジ
フェニルメタンジイソシアネート465部を加え、60℃で1
0時間反応後、更にメチルエチルケトン1,356部を加えて
均一化し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリウレタ
ンの平均分子量が10万3千であり、析出した粒子の粒子
径が1μm以下である固形分30%の乳白色のポリウレタ
ン分散液(7)を得た。
(式中のnは分子量が5,000になる値である) 参考例13(樹脂の変性…主鎖) 1,6−ヘキサメチレンアジペート(平均分子量約2,000、
水酸基価56)2,000部、下記構造のシリコーン化合物200
部、1,4−ブタンジオール20部及びジフェニルメタンジ
イソシアネート310部をメチルエチルケトン5,903部中に
加え、70℃で9時間反応させ、平均分子量が7万3千で
ある固形分30%のポリウレタン樹脂溶液(C)を得た。
次いで上記樹脂溶液にトリメチロールプロパン390部及
びジフェニルメタンジイソシアネート1,091部を加え、6
0℃で10時間反応後、更にメチルエチルケトン3,456部を
加えて均一化し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリ
ウレタンの平均分子量が17万8千であり、固形分30%の
乳白色のポリウレタン分散液(8)を得た。
(式中のnは分子量が5,000になる値である) 参考例14(樹脂の変性…主鎖) 1,4−ブタンエチレンアジペート(平均分子量約1,000、
水酸基価112)1,000部、下記構造のシリコーン化合物10
0部、1,4−ブタンジオール31部及びジフェニルメタンジ
イソシアネート338部をメチルエチルケトン3,435部中に
加え、70℃で8時間反応させ、平均分子量が5万5千で
ある固形分30%のポリウレタン樹脂溶液(D)を得た。
次いで上記樹脂溶液にエチレングリコール130部及びジ
フェニルメタンジイソシアネート542部を加え、60℃で1
0時間反応後、更にメチルエチルケトン1,526部を加えて
均一化し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリウレタ
ンの平均分子量が11万2千であり、析出した粒子の粒子
径が1μm以下である固形分30%の乳白色のポリウレタ
ン分散液(9)を得た。
(式中のnは分子量が5,000になる値である) 参考例15乃至23 参考例6乃至14の生成物、乳化剤、有機溶剤及び水をホ
モミキサーで攪拌し、下記の本発明で使用するポリウレ
タン乳濁液を調製した。
参考例15;ポリウレタン乳濁液(1) ポリウレタン分散液(1) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 キシレン 20部 水 85部 参考例16;ポリウレタン乳濁液(2) ポリウレタン分散液(2) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 参考例17;ポリウレタン乳濁液(3) ポリウレタン分散液(3) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 150部 トルエン 20部 水 80部 参考例18;ポリウレタン乳濁液(4) ポリウレタン分散液(4) 100部 PO/EOブロックコポリマー型乳化剤 4部 ジオキサン 10部 トルエン 10部 キシレン 20部 水 70部 参考例19;ポリウレタン乳濁液(5) ポリウレタン分散液(5) 100部 ウレタン系乳化剤 1部 メチルイソブチルケトン 20部 トルエン 20部 水 75部 参考例20;ポリウレタン乳濁液(6) ポリウレタン分散液(6) 100部 PO/EOブロックコポリマー型乳化剤 1部 テトラヒドロフラン 20部 トルエン 20部 水 60部 参考例21;ポリウレタン乳濁液(7) ポリウレタン分散液(7) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 キシレン 20部 水 85部 参考例22;ポリウレタン乳濁液(8) ポリウレタン分散液(8) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 参考例23;ポリウレタン乳濁液(9) ポリウレタン分散液(9) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 150部 トルエン 20部 水 80部 比較例1乃至9 参考例15乃至23におけるシリコーンセグメント含有ポリ
ウレタン系樹脂に代えて、シリコーン化合物を使用しな
かったことを除いて参考例6乃至14と同様にして調製し
たシリコーンセグメントを有しないポリウレタン系樹脂
分散液を使用し、他は参考例15乃至23と同様にして、比
較例1乃至9のポリウレタン乳濁液を調製した。
上記参考例15乃至23及び比較例1乃至9のポリウレタン
乳濁液の性質は下記第1表の通りである。
実施例1乃至9 前記第1表のポリウレタン乳濁液を下記第2表に記載の
条件で各種の基材に含浸及び/又は塗布し、乾燥して下
記第3表に記載の特性を有する各種の本発明の多孔性シ
ート材料を得た。尚、比較実施例1乃至9も夫々実施例
1乃至9と同一条件で行った。
第2表(製造条件) 実施例1 乳濁液 1 基材 離型紙 塗布(含浸)量(g/m2) 200(塗布) 乾燥条件 80℃/2分+125℃/2分 実施例2 乳濁液 2 基材 離型紙 塗布(含浸)量(g/m2) 200(塗布) 乾燥条件 80℃/2分+125℃/2分 実施例3 乳濁液 3 基材 不織布 塗布(含浸)量(g/m2) 1000(塗布) 乾燥条件 90℃/3分+140℃/3分 実施例4 乳濁液 4 基材 綿布 塗布(含浸)量(g/m2) 400(塗布) 乾燥条件 140℃3分 実施例5 乳濁液 5 基材 ナイロンタフタ 塗布(含浸)量(g/m2) 200(塗布) 乾燥条件 80℃/2分+125℃/2分 実施例6 乳濁液 6 基材 T/R起毛布 塗布(含浸)量(g/m2) 600(塗布) 乾燥条件 120℃4分 実施例7 乳濁液 7 基材 テトロンタフタ 塗布(含浸)量(g/m2) 200(塗布) 乾燥条件 140℃2分 実施例8 乳濁液 8 基材 T/R起毛布 塗布(含浸)量(g/m2) 600(塗布) 乾燥条件 120℃4分 実施例9 乳濁液 9 基材 不織布 塗布(含浸)量(g/m2) 1000(塗布) 乾燥条件 120℃5分
フロントページの続き (72)発明者 柏村 雅司 東京都北区浮間4−18−13 (72)発明者 後藤 知子 埼玉県川口市西青木4−4−33 (72)発明者 栗山 勝美 埼玉県越谷市下間久里1135−1 (56)参考文献 特開 昭60−144318(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油中水型のポリウレタン乳濁液を基材に含
    浸及び/又は塗布し、ゲル化及び乾燥することからなる
    多孔性シート材料の製造方法において、上記ポリウレタ
    ン乳濁液が、主鎖及び/又は側鎖にシリコーンセグメン
    トを有するポリウレタン系樹脂の有機溶剤溶液及び/又
    は分散液中に水を乳化させてなることを特徴とする多孔
    性シート材料の製造方法。
  2. 【請求項2】シリコーンセグメントの量がポリウレタン
    系樹脂全量中で0.2乃至50重量%を占める特許請求の範
    囲第(1)項に記載の多孔性シート材料の製造方法。
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