JPH07177793A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH07177793A
JPH07177793A JP5317947A JP31794793A JPH07177793A JP H07177793 A JPH07177793 A JP H07177793A JP 5317947 A JP5317947 A JP 5317947A JP 31794793 A JP31794793 A JP 31794793A JP H07177793 A JPH07177793 A JP H07177793A
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control
output frequency
acceleration
motor
peak current
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JP5317947A
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Kazuharu Ohashi
和治 大橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 交流電動機の力行過電流状態或いは回生過電
流状態での不用意な過電流トリップ及び交流電動機の失
速を未然に防止すること。 【構成】 正側ピーク電流Idcp が許容値Idcpoを越え
た交流電動機の力行過電流状態となったときには、加速
制御中であった場合にIdcp がIdcpo以下に下がるまで
出力周波数を増加停止若しくは減少させる加速抑制制御
を行い、減速制御中であった場合にIdcp がIdcpo以下
に下がるまで出力周波数の減少割合を大きくする減速促
進制御を行い、すべりを減少させる。負側ピーク電流I
dcn が許容値Idcnoを越えた交流電動機の回生過電流状
態となったときには、加速制御中であった場合にIdcn
がIdcno以下に下がるまで出力周波数の増加割合を大き
くする加速促進制御を行い、減速制御中であった場合に
は、Idcn がIdcno以下に下がるまで出力周波数を減少
停止若しくは増加させる減速抑制制御を行い、負のすべ
りを減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電源とインバータ
主回路との間を流れる電流を検出する機能を備えたイン
バータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ装置においては、従来より、
直流電源からインバータ主回路への通電路中に電流検出
手段を設け、この電流検出手段による検出出力に基づい
て過電流保護動作や出力電流の表示動作などを行うよう
にしている。
【0003】図5には、この種のインバータ装置の構成
例が示されている。この図5において、交流電源1の出
力を整流するように設けられた直流電源2は、その整流
出力を平滑コンデンサ3を介して電源母線4、5間に出
力する。この電源母線4、5から給電されるインバータ
主回路6は、例えば6個のスイッチングトランジスタを
三相ブリッジ接続して成るもので、その出力により交流
電動機7を駆動するようになっている。例えばホールC
Tより成る電流検出器8は、直流母線5を通じて流れる
電流に応じたレベル及び極性の検出信号Idcを出力する
電流検出手段として設けられたもので、その検出信号I
dcは、全波整流回路9及び平均電流検出回路10に与え
られる。
【0004】前記全波整流回路9は、オペアンプを利用
した絶対値増幅回路として構成されたもので、その整流
出力はピーク検出回路11を介した後に負荷電流IL と
して制御回路装置12に与えられる。また、前記平均電
流検出回路10は、オペアンプを利用したローパス形の
アクティブフィルタとして機能するもので、その出力を
直流母線5に流れる電流の平均値を示す平均電流IAVと
して制御回路装置12に与えられる。
【0005】上記制御回路装置12は、インバータ主回
路6内の各トランジスタのスイッチング動作をドライブ
回路13を通じて制御するためのもので、入力された負
荷電流IL 及び平均電流IAVを、インバータ主回路6の
出力電圧及び出力周波数を所定の関係に保つ所謂V/F
制御に供すると共に、交流電動機7のすべり補償制御な
どに供する構成となっている。また、制御回路装置12
は、上記負荷電流ILを過電流及び過負荷検出制御や過
電流保防止御などに利用すると共に、必要に応じて外部
出力用の負荷電流値データとして利用するようになって
いる。
【0006】図6のフローチャートには、制御回路装置
12による制御内容のうち、過電流防止制御のためのル
ーチンが概略的に示されている。上記過電流防止制御ル
ーチンにおいては、負荷電流IL が許容値ILOを越えた
か否かを判断する。この場合、交流電動機7の加速制御
時は、一般的に、その回転がインバータ出力周波数(イ
ンバータ主回路6の出力周波数)により決定される速度
に追従できずにすべりが大きくなるため、負荷電流IL
が増大することになる。負荷電流IL が許容値ILOを越
えた場合において、交流電動機7が加速中であったとき
には、インバータ出力周波数の増加を一時停止するか若
しくは減少させることによって交流電動機7の加速を抑
制するステップB1を実行した後に通常の制御ルーチン
にリターンするものであり、上記ステップB1は、交流
電動機7の加速抑制に応じたすべりの減少により負荷電
流IL が許容値ILO以下に収まるまで反復実行されるこ
とになる。このような一連の制御は、一般的には加速ス
トール防止制御と呼ばれている。
【0007】また、交流電動機7の減速制御時には、平
滑コンデンサ3に大きな回生電流が流れ込むことがあ
り、負荷電流IL が許容値ILOを越えた場合(或いは図
6中には示していないが平滑コンデンサ3の端子電圧が
許容値を越えた場合)において、交流電動機7が減速中
であったときには、インバータ出力周波数の減少を一時
停止するか若しくは増大させることによって交流電動機
7の減速を抑制するステップB2を実行した後に通常の
制御ルーチンにリターンするものであり、上記ステップ
B2は、交流電動機7の減速抑制に応じた回生電流の減
少により負荷電流IL が許容値ILO以下に収まるまで
(或いは平滑コンデンサ3の端子電圧が許容値以下に収
まるまで)反復実行されることになる。このような一連
の制御は、一般的には過電圧ストール防止制御と呼ばれ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のインバータ
装置では、交流電動機7における加速時回生状態時及び
減速時力行状態時において、それぞれ加速抑制制御及び
減速抑制制御を行った場合には、過電流の増大を助長す
ることになり、場合によってはインバータ装置に設けら
れた過電流トリップ機能が不用意に働いたり、交流電動
機7が失速する虞がある。
【0009】即ち、図7(a)は、交流電動機7の加速
制御時におけるインバータ出力周波数(二点鎖線)と交
流電動機7の回転速度(実線)との関係の一例を示して
いる。ここで、例えば、交流電動機7の駆動軸を上記と
同様構成のインバータ装置を電源とした他の交流電動機
の駆動軸と機械的に結合し、このような状態で各電動機
を並列運転する場合において、交流電動機7がバックド
ライブ側に位置していたときには、当該電動機7が常に
回生状態となる。
【0010】このため、図5に示すインバータ装置にお
いては、交流電動機7からの回生電流が負荷電流IL と
して検出され、その負荷電流IL が図7(a)に示すタ
イミングt1 にて許容値ILOを越えた場合には、前述し
た加速抑制制御が行われてインバータ出力周波数の増加
が一時停止(若しくは減少)されるため、交流電動機7
において負のすべりが大きくなって、負荷電流がIL が
インバータ装置の過電流トリップレベルまで増大するこ
とがあり、例えばタイミングt2 において過電流トリッ
プ機能が不用意に働くことになる。
【0011】また、このような現象は、電動機の並列運
転時に限らず、負荷イナーシャが極端に大きい状態で加
速レートを緩くした場合や、急激な負荷変動があった場
合などにも、交流電動機7の加速制御時に回生状態が発
生するため、同様に加速抑制制御が行われてインバータ
装置が過電流トリップに至るすることがある。
【0012】図7(b)は、交流電動機7の減速制御時
におけるインバータ出力周波数(二点鎖線)と交流電動
機7の回転速度(実線)との関係の一例を示している。
ここで、同図(b)中の時刻t1 において負荷が急増し
た場合には、交流電動機7の回転速度がインバータ出力
周波数に応じた速度より下がって力行状態となり、これ
に伴い交流電動機7のすべりが大きくなった場合には、
負荷電流がIL が許容値ILOを越えたタイミングt2 か
ら前述した減速抑制制御が行われる。すると、インバー
タ出力周波数の減少が一時停止(若しくは増大)される
ため、すべりがさらに大きくなって、例えばタイミング
t3 においてインバータ装置が過電流トリップに至る
か、或いは交流電動機7の発生トルクが負荷トルク以下
となって、その電動機7が失速することがある。
【0013】上述したようなインバータ装置の過電流ト
リップ及び交流電動機7の失速という現象は、交流電動
機7が力行運転中であるか或いは回生運転中であるかを
検出しないで、当該電動機7の加速運転中に過電流状態
が発生したときに一義的に加速抑制制御を行うと共に、
減速運転中に過電流状態が発生したときには減速抑制制
御を一義的に行っているために引き起こされるものであ
る。
【0014】しかしながら、図5に示したインバータ装
置では、交流電動機7が力行状態及び回生状態の何れに
あるかを高速検出することができないため、上記のよう
な現象を未然に防止することができないという問題点が
あった。つまり、図5の構成では、電流検出器8による
検出信号Idcは、交流電動機7の力行状態では正方向成
分が多くなり、回生状態では逆方向成分が大くなるが、
その検出信号Idcの極性を全波整流回路9を介した後の
負荷電流IL に基づいて検出することは不可能である。
また、上記検出信号Idcが与えられる平均電流検出回路
10の時定数は、一般的に10msec 以上に設定される
ものであるから、この平均電流検出回路10を通った平
均電流IAVに基づいて、検出信号Idcの極性を高速検出
することも不可能である。従って、従来構成のインバー
タ装置では、過電流トリップ及び交流電動機7の失速と
いう現象を未然に防止することができない。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、負荷である交流電動機が力行状態及
び回生状態の何れにあるかを簡単な構成によって高速に
検出することができ、その検出結果に基づいて、過電流
トリップ及び上記交流電動機の失速という事態の発生を
未然に防止することが可能になるなどの効果を奏するイ
ンバータ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、直流電源出力をスイッチングするためのイ
ンバータ主回路と、このインバータ主回路のスイッチン
グ動作を制御することにより可変電圧・可変周波数の交
流電圧を出力させる制御回路装置とを備え、その出力周
波数を漸増或いは漸減させることにより交流電動機の可
変速駆動を行うように構成されたインバータ装置におい
て、前記直流電源及びインバータ主回路間に流れる直流
電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段によ
り検出される直流電流の正側ピーク電流を検出して前記
制御回路装置に与える正側ピーク電流検出手段と、延期
電流検出手段により検出される直流電流の負側ピーク電
流を検出して前記制御回路装置に与える負側ピーク電流
検出手段とを設けた上で、前記制御回路装置を、入力さ
れる正側ピーク電流が許容値を越えた状態においては、
前記交流電動機の加速制御中であった場合に当該正側ピ
ーク電流が上記許容値以下に下がるまで出力周波数を増
加停止若しくは減少させる加速抑制制御を行うと共に、
交流電動機の減速制御中であった場合に正側ピーク電流
が前記許容値以下に下がるまで出力周波数の減少割合を
大きくする減速促進制御を行うように構成すると共に、
入力される負側ピーク電流が許容値を越えた状態におい
ては、前記交流電動機の加速制御中であった場合に当該
負側ピーク電流が上記許容値以下に下がるまで出力周波
数の増加割合を大きくする加速促進制御を行うと共に、
交流電動機の減速制御中であった場合に負側ピーク電流
が前記許容値以下に下がるまで出力周波数を減少停止若
しくは増加させる減速抑制制御を行うように構成したも
のである(請求項1)。
【0017】この場合、前記制御回路装置は、前記減速
促進制御を、出力周波数の単位時間当たりの減少速度を
早めることにより当該出力周波数の減少割合を大きくす
ることによって行うと共に、前記加速促進制御を、出力
周波数の単位時間当たりの増加速度を早めることにより
当該出力周波数の増加割合を大きくすることによって行
う構成とすることもできる(請求項2)。
【0018】さらに、制御回路装置は、減速促進制御
を、出力周波数を所定の割合だけ減少させることにより
当該出力周波数の減少割合を大きくすることによって行
うと共に、加速促進制御を、出力周波数を所定の割合だ
け増加させることにより当該出力周波数の増加割合を大
きくすることによって行う構成とすることもできる(請
求項3)。
【0019】
【作用】請求項1記載のインバータ装置において、制御
回路装置は、交流電動機の加速制御時にはインバータ主
回路の出力周波数を漸増させ、減速制御時には漸減させ
る。電流検出手段は、交流電動機の駆動時に直流電源及
び主回路間を流れる直流電流を検出するようになり、そ
の検出電流は、交流電動機の力行状態で正の成分が多く
なり、また回生状態で負の成分が多くなる。正側ピーク
電流検出手段は、電流検出手段により検出された直流電
流の正側ピーク電流を検出して制御回路装置に与え、負
側ピーク電流検出手段は、上記検出直流電流の負側ピー
ク電流を検出して制御回路装置に与える。
【0020】制御回路装置は、入力される正側ピーク電
流が許容値を越えた状態(交流電動機の力行過電流状
態)となったとき、つまり、すべりが増大した状態とな
ったときには、交流電動機の加速制御中であった場合に
当該正側ピーク電流が上記許容値以下に下がるまで出力
周波数を増加停止若しくは減少させる加速抑制制御を行
い、そのすべりを減少させる。また、上記状態におい
て、交流電動機の減速制御中であった場合には、正側ピ
ーク電流が前記許容値以下に下がるまで出力周波数の減
少割合を大きくする減速促進制御を行い、そのすべりを
減少させる。
【0021】制御回路装置は、入力される負側ピーク電
流が許容値を越えた状態(交流電動機の回生過電流状
態)となったとき、つまり、負のすべりが増大した状態
となったときには、前記交流電動機の加速制御中であっ
た場合に当該負側ピーク電流が上記許容値以下に下がる
まで出力周波数の増加割合を大きくする加速促進制御を
行い、その負のすべりを減少させる。また、上記状態に
おいて、交流電動機の減速制御中であった場合には、負
側ピーク電流が前記許容値以下に下がるまで出力周波数
を減少停止若しくは増加させる減速抑制制御を行い、負
のすべりを減少させる。
【0022】請求項2記載のインバータ装置では、上記
減速促進制御或いは加速促進制御を行う場合に、出力周
波数の単位時間当たりの減少速度或いは増加速度を早め
ることによって、出力周波数の減少割合或いは増加割合
を大きくする制御が行われるから、減速促進制御及び加
速促進制御が円滑に行われることになる。
【0023】請求項3記載のインバータ装置では、前記
減速促進制御或いは加速促進制御を行う場合に、出力周
波数を所定の割合だけ減少或いは増加させることによっ
て、出力周波数の減少割合或いは増加割合を大きくする
制御が行われるから、減速促進制御及び加速促進制御に
よる効果が早期に発揮されることになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図1〜図
3を参照しながら説明する。但し、図1中には前記図5
と同一の構成部分が存在するから、その部分については
図5と同一符号を付すことによって説明を省略する。正
側電流検出回路21は、電流検出器8からの検出信号I
dcを受ける反転増幅回路21aと、この反転増幅回路2
1aの出力を受ける反転形の半波整流回路21bとを組
み合わせて構成されており、その半波整流回路21bか
らの整流出力は、第1のピーク検出回路22を介した後
に直流正側ピーク電流Idcp として制御回路装置23に
与えられる。ここで、上記正側電流検出回路21及び第
1のピーク検出回路22の組み合わせによって、本発明
でいう正側ピーク電流検出手段24が構成されるもので
ある。尚、上記反転増幅回路21aは、その増幅率が
「1」に設定されており、また、半波整流回路21b
は、オペアンプを利用した片極性増幅器として構成され
たものであるものである。
【0025】反転形の半波整流回路より成る負側電流検
出回路25は、電流検出器8からの検出信号Idcを受け
るように設けられたもので、その整流出力は、第2のピ
ーク検出回路26を介した後に直流負側ピーク電流Idc
n として制御回路装置23に与えられる。ここで、上記
負側電流検出回路25及び第2のピーク検出回路26の
組み合わせによって、本発明でいう負側ピーク電流検出
手段27が構成されるものである。尚、上記負側電流検
出回路25を構成する半波整流回路も、オペアンプを利
用した片極性増幅器より成るものであるものである。
【0026】ここで、上記検出信号Idcは図2(a)に
示すような波形となるものであり、また、この検出信号
Idcの正側及び負側の各成分を各々整流した後に第1及
び第2のピーク検出回路22及び26を通じて得られる
直流正側ピーク電流Idcp 及び直流負側ピーク電流Idc
n は、それぞれ図2(b)及び(c)に示すような波形
となるものである。
【0027】図3のフローチャートには、制御回路装置
23による制御内容のうち、過電流防止制御のためのル
ーチンが概略的に示されており、以下これについて関連
する作用・効果と共に説明する。尚、制御回路装置23
は、直流正側ピーク電流Idcp 及び直流負側ピーク電流
Idcn の少なくとも一方が所定の過電流トリップレベル
を越えたときにトリップする構成となっている。
【0028】上記過電流防止制御ルーチンにおいては、
直流正側ピーク電流Idcp が予め設定された許容値Idc
poを越えたか否かを判断する(ステップA1)。この場
合、誘導電動機7が力行状態にあるときには、電流検出
器8による検出信号Idcは正方向成分が多くなるもので
あり、従って、上記直流正側ピーク電流Idcp が許容値
Idcpoを越えた状態(ステップA1で「YES」と判断
される状態)は、誘導電動機7が力行過電流状態にある
ことを示すものである。
【0029】誘導電動機7が力行過電流状態にないとき
には、直流負側ピーク電流Idcn が予め設定された許容
値Idcnoを越えたか否かを判断する(ステップA2)。
この場合、誘導電動機7が回生状態にあるときには、検
出信号Idcは負方向成分が多くなるものであり、従っ
て、上記直流負側ピーク電流Idcn が許容値Idcnoを越
えた状態(ステップA2で「YES」と判断される状
態)は、誘導電動機7が回生過電流状態にあることを示
すものである。
【0030】誘導電動機7が過電流状態にない場合(ス
テップA2で「NO」)には、通常の制御ルーチンにリ
ターンするが、過電流状態となった場合(ステップA
1、A2の何れかで「YES」)には、その過電流が力
行電流によるものか、或いは回生電流によるものかで異
なる制御を行う。
【0031】ステップA1で「YES」と判断した場
合、つまり力行過電流状態となった場合には、交流電動
機7の加速制御中か否かを判断し(ステップA3)、加
速制御中であった場合には、インバータ出力周波数の増
加を一時停止するか若しくは減少させることによって交
流電動機7の加速を抑制する制御を実行し(ステップA
4)、この後に通常の制御ルーチンにリターンする。上
記のような加速抑制ステップA4は、交流電動機7のす
べりの減少により直流正側ピーク電流Idcp が許容値I
dcpo以下となるまで反復実行されるものであり、これに
より所謂加速ストール防止制御が行われる。
【0032】一方、交流電動機7の力行過電流状態で交
流電動機の加速制御を行っていなかった場合(ステップ
A3で「NO」)には、交流電動機7の減速制御中か否
かを判断する(ステップA5)。このとき、減速制御中
でなかった場合にはそのままリターンするが、減速制御
中であった場合、つまりインバータ周波数を順次減少さ
せる制御を行っていた場合には、その減少割合を大きく
するという減速促進制御を実行し(ステップA6)、こ
の後に通常の制御ルーチンにリターンする。従って、上
記のような減速促進ステップA6は、その減速促進制御
に伴う交流電動機7のすべりの減少により直流正側ピー
ク電流Idcp が許容値Idcpo以下となるまで反復実行さ
れることになる。
【0033】尚、上記減速促進ステップA6では、イン
バータ出力周波数の単位時間当たりの減少速度を早める
ことによって、その出力周波数が交流電動機7の実際の
速度に応じたレベルまで円滑に且つ比較的早期に下がる
制御を行う構成としたり、或いはインバータ出力周波数
を所定の割合だけ一気に減少させることによって、その
出力周波数低減による効果を早期に発揮させる制御を行
う構成とすることができる。
【0034】つまり、交流電動機7の減速制御時におい
て、負荷が急増するなどして交流電動機7の回転速度が
インバータ出力周波数に応じた速度より下がって力行状
態となり、これに伴い交流電動機7のすべりが大きくな
った場合でも、従来構成のように交流電動機7の減速を
抑制する制御が行われることがなく、その減速を促進す
る制御が行われるものである。この結果、交流電動機7
のすべり、ひいては直流正側ピーク電流Idcp が早期に
低下されることになり、インバータ装置が過電流トリッ
プに至ったり、或いは交流電動機7が発生トルクの不足
によって失速したりする虞がなくなるなるものである。
【0035】前記ステップA2で「YES」と判断した
場合、つまり回生過電流状態となった場合には、交流電
動機7の加速制御中か否かを判断し(ステップA7)、
加速制御中でなかった場合には、交流電動機7の減速制
御中か否かを判断する(ステップA8)。このとき、減
速制御中でなかった場合にはそのままリターンするが、
減速制御中であった場合には、インバータ出力周波数の
減少を一時停止するか若しくは増大させることによって
交流電動機7の減速を抑制する制御を実行し(ステップ
A9)、この後に通常の制御ルーチンにリターンする。
上記のような減速抑制ステップA9は、交流電動機7の
減速抑制に応じた回生電流の減少により直流負側ピーク
電流Idcn が許容値Idcno以下となるまで(或いは平滑
コンデンサ3の端子電圧が許容値以下に収まるまで)反
復実行されるものであり、これにより負のすべりが減少
されて所謂過電圧ストール防止制御が行われる。
【0036】一方、交流電動機7の回生過電流状態で交
流電動機の加速制御を行っていた場合(ステップA7で
「YES」)、つまりインバータ周波数を順次増加させ
る制御を行っていた場合には、その増加割合を大きくす
るという加速促進制御を実行し(ステップA10)、こ
の後に通常の制御ルーチンにリターンする。従って、上
記のような加速促進ステップA10は、その加速促進制
御に伴う交流電動機7の負のすべりの減少により直流負
側ピーク電流Idcn が許容値Idcno以下となるまで反復
実行されることになる。
【0037】尚、上記減速促進ステップA10では、イ
ンバータ出力周波数の単位時間当たりの増加速度を早め
ることによって、その出力周波数が交流電動機7の実際
の速度に応じたレベルまで円滑に且つ比較的早期に上が
る制御を行う構成としたり、或いはインバータ出力周波
数を所定の割合だけ一気に増加させることによって、そ
の出力周波数増加による効果を早期に発揮させる制御を
行う構成とすることができる。
【0038】つまり、交流電動機7の加速制御時に、当
該電動機7が駆動軸を直結した他の電動機と並列運転さ
れている場合、或いは急激な負荷変動があった場合など
において回生状態を呈し、これに応じて負のすべりが大
きくなった場合でも、従来構成のように交流電動機7の
加速を抑制する制御が行われることがなく、その加速を
促進する制御が行われるものである。この結果、交流電
動機7の負のすべり、ひいては直流負側ピーク電流Idc
n が早期に低下されることになり、インバータ装置が過
電流トリップに至る虞がなくなるなるものである。
【0039】以上要するに、上記した本実施例では、交
流電動機7の力行過電流状態並びに回生過電流状態を、
時延要素を含まない正側電流検出回路21及び負側電流
検出回路25によって高速検出できるように構成すると
共に、その検出結果と交流電動機7の実際の制御状態と
に基づいて過電流を抑制する制御を的確に行うように構
成したものであり、これにより過電流トリップや交流電
動機7の失速という不具合を未然に防止できるものであ
る。この場合、本実施例では、交流電動機7の力行電流
並びに回生電流の検出のための電流検出手段として、1
個の電流検出器8を設けるだけで良く、しかも、この電
流検出器8からの検出信号Idcを処理するためのハード
ウエア構成は、図5に示した従来構成に比べて第2のピ
ーク検出回路26相当部分が増やすだけで良いから、上
記のような効果を得るための構成が比較的簡単になると
いう利点もある。
【0040】尚、図3中には示さなかったが、交流電動
機7の定速運転中において、直流正側ピーク電流Idcp
或いは直流負側ピーク電流Idcn が予め設定された許容
値を越えたときに、例えばインバータ出力電圧を抑制す
るなどの制御を行うことも可能である。また、図5に示
した従来構成のインバータ装置で検出対象となっている
平均電流IAVについては、直流正側ピーク電流Idcp 及
び直流負側ピーク電流Idcn から類推可能であるから、
同図5中の平均電流検出回路10を不要にできる。
【0041】また、上記第1実施例では、電流検出器8
からの検出信号Idcの正側及び負側をそれぞれ整流した
後に各整流出力のピークを検出する構成としたが、この
逆を行う構成としても良いものである。即ち、図4には
前記第1実施例と同様の効果を奏する本発明の第2実施
例が示されており、以下これについて第1実施例と異な
る部分のみ説明する。
【0042】図4において、正側ピーク電流検出手段2
8は、検出信号Idcの正側を整流するダイオード29
と、その整流出力のピークを検出する第1のピーク検出
回路30と、ダイオードドロップ補償回路31とにより
構成されており、その出力が直流正側ピーク電流Idcp'
として制御回路装置23に与えられる。また、負側ピー
ク電流検出手段32は、検出信号Idcの負側を整流する
ダイオード33と、その整流出力のピークを検出する第
2のピーク検出回路34と、ダイオードドロップ補償回
路35と、反転増幅回路36とにより構成されており、
その出力が直流正側ピーク電流Idcn'として制御回路装
置23に与えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば以上の説明によって明ら
かなように、交流電動機の力行過電流状態並びに回生過
電流状態を高速検出できるように構成すると共に、その
検出結果と交流電動機が加速制御状態及び減速制御状態
の何れにあるのかという制御条件とに基づいて、加速抑
制制御、減速促進制御、減速抑制制御及び加速促進制御
の何れかを選択的に行う構成としたから、過電流トリッ
プ及び交流電動機の失速という事態の発生を未然に防止
可能になるという有益な効果を奏するものであり、ま
た、上記各電流の検出のために一つの電流検出手段を設
けるだけで済んで構成の簡単化を実現できるという効果
も奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体の機能ブロック
【図2】波形図
【図3】制御内容を示すフローチャート
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】従来例を示す図1相当図
【図6】図3相当図
【図7】解決課題説明用の特性図
【符号の説明】
図面中、2は直流電源、3は平滑コンデンサ、6はイン
バータ主回路、7は交流電動機、8は電流検出器(電流
検出手段)、21は正側電流検出回路、22、30は第
1のピーク検出回路、23は制御回路装置、24、28
は正側ピーク電流検出手段、25は負側電流検出回路、
26、34は第2のピーク検出回路、27、32は負側
ピーク電流検出手段、29、33はダイオード、31、
35はダイオードドロップ補償回路を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源出力をスイッチングするための
    インバータ主回路と、このインバータ主回路のスイッチ
    ング動作を制御することにより可変電圧・可変周波数の
    交流電圧を出力させる制御回路装置とを備え、その出力
    周波数を漸増或いは漸減させることにより交流電動機の
    可変速駆動を行うように構成されたインバータ装置にお
    いて、 前記直流電源及びインバータ主回路間に流れる直流電流
    を検出する電流検出手段と、 この電流検出手段により検出される直流電流の正側ピー
    ク電流を検出して前記制御回路装置に与える正側ピーク
    電流検出手段と、 延期電流検出手段により検出される直流電流の負側ピー
    ク電流を検出して前記制御回路装置に与える負側ピーク
    電流検出手段とを備え、 前記制御回路装置は、 入力される正側ピーク電流が許容値を越えた状態におい
    ては、前記交流電動機の加速制御中であった場合に当該
    正側ピーク電流が上記許容値以下に下がるまで出力周波
    数を増加停止若しくは減少させる加速抑制制御を行うと
    共に、交流電動機の減速制御中であった場合に正側ピー
    ク電流が前記許容値以下に下がるまで出力周波数の減少
    割合を大きくする減速促進制御を行い、 入力される負側ピーク電流が許容値を越えた状態におい
    ては、前記交流電動機の加速制御中であった場合に当該
    負側ピーク電流が上記許容値以下に下がるまで出力周波
    数の増加割合を大きくする加速促進制御を行うと共に、
    交流電動機の減速制御中であった場合に負側ピーク電流
    が前記許容値以下に下がるまで出力周波数を減少停止若
    しくは増加させる減速抑制制御を行うように構成されて
    いることを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 制御回路装置は、減速促進制御を行う場
    合に出力周波数の単位時間当たりの減少速度を早めるこ
    とによって当該出力周波数の減少割合を大きくするよう
    に構成され、加速促進制御を行う場合に出力周波数の単
    位時間当たりの増加速度を早めることによって当該出力
    周波数の増加割合を大きくするように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 制御回路装置は、減速促進制御を行う場
    合に出力周波数を所定の割合だけ減少させることによっ
    て当該出力周波数の減少割合を大きくするように構成さ
    れ、加速促進制御を行う場合に出力周波数を所定の割合
    だけ増加させることによって当該出力周波数の増加割合
    を大きくするように構成されていることを特徴とする請
    求項1記載のインバータ装置。
JP5317947A 1993-12-17 1993-12-17 インバータ装置 Pending JPH07177793A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7414425B2 (en) 2004-05-10 2008-08-19 Temic Automotive Of North America, Inc. Damping control in a three-phase motor with a single current sensor
JP2008295143A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 回生抵抗故障判断方式
JP2008312338A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Panasonic Corp モータ駆動装置およびモータ装置
US7579800B2 (en) 2002-10-11 2009-08-25 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Motor control method and device thereof
JP2020137193A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 ローム株式会社 ステッピングモータの駆動回路およびその駆動方法、それを用いた電子機器

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