JPH07176020A - 磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法

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JPH07176020A
JPH07176020A JP31960093A JP31960093A JPH07176020A JP H07176020 A JPH07176020 A JP H07176020A JP 31960093 A JP31960093 A JP 31960093A JP 31960093 A JP31960093 A JP 31960093A JP H07176020 A JPH07176020 A JP H07176020A
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JP31960093A
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Katsuya Mitsuoka
勝也 光岡
Susumu Soeya
進 添谷
Takao Imagawa
尊雄 今川
Moriaki Fuyama
盛明 府山
Hiroshi Fukui
宏 福井
Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッド性能が安定で、信頼性の高いノイズフ
リー、且つ高出力の磁気抵抗効果ヘッドを提供する。 【構成】 磁気抵抗効果膜40を平坦上に一様な厚みで
形成し、磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を印加するた
めの反強磁性酸化ニッケル膜45を磁気抵抗効果膜40
の両脇に配置した構成からなる。 【効果】 磁気抵抗効果膜40に段差がないため、信頼
性が高く、ノイズが無くしかも出力が高い高記録密度用
磁気抵抗効果ヘッドを提供出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体から情報
信号を読み取るための磁気変換器であって、磁気記録装
置、特に磁気ディスク装置に用いられる磁気抵抗効果を
利用した磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果ヘッドの主要課題は高出力
化とバルクハウゼンノイズ抑制である。そのため、従来
技術は磁気抵抗効果素子が最適に動作するように2つの
バイアス磁界が磁気抵抗効果膜に付与されなければなら
ないことを教示している。1つは高出力化を目的に磁気
記録媒体からの磁界に対する応答が線形となるように磁
気抵抗効果膜に印加されるバイアス磁界であり、横バイ
アス磁界と呼ばれている。もう1つのバイアス磁界はバ
ルクハウゼンノイズの抑制を目的に磁気抵抗効果膜内に
磁壁を発生させないように印加されるものであり、縦バ
イアス磁界と呼ばれている。
【0003】横バイアス磁界は磁気抵抗層、金属層と軟
磁性バイアス層が積層した三層構造を適用し、電流を通
じることにより印加出来ることは周知である。一方、縦
バイアス磁界を印加する一手法が特願昭53−6181
1号明細書に記載されている。この明細書によれば、反
強磁性・強磁性交換結合を用いており、反強磁性膜とし
てFeMn合金が最も有効であり、酸化ニッケル、酸化
鉄でも代用出来ることが記載されている。
【0004】反強磁性膜としてFeMn合金を用いるメ
リットは、FeMn合金の導電性にある。この特長によ
り磁気抵抗効果ヘッドは幅広いヘッド構造を取りうるこ
とが可能となる。このことは電極形成が磁気抵抗効果膜
形成前後のいずれの工程でも取りうることを意味する。
これに対し、酸化ニッケルの酸化物反強磁性膜では絶縁
性のため磁気抵抗効果ヘッド構造を特定化せざるをえな
い。即ち、酸化物反強磁性膜上に磁気抵抗効果膜を形成
後電極形成するプロセス工程となる。酸化物反強磁性膜
のメリットは高耐食性にあり、磁気ヘッドの信頼性向上
につながる。
【0005】図4に従来の磁気ヘッドの一例を示す。酸
化ニッケル(NiO)から成る酸化物反強磁性膜45を
用いた磁気ヘッド構造では、横バイアス磁界を印加する
ための磁気抵抗層40、金属層50及び軟磁性バイアス
層55の積層膜の形成前に反強磁性膜45を形成し、前
記積層膜を形成した後、最後に電極膜60を形成するプ
ロセスとすることが従来技術として教示されている。そ
こで、我々は図4の磁気ヘッドを作製し、その再生特性
を検討した。その結果、バルクハウゼンノイズは磁気抵
抗効果膜40の両脇に配置した酸化ニッケルの酸化物反
強磁性膜45の間隔をある程度狭くしなければ抑制出来
ないが、その反面磁気抵抗効果膜40の両脇に配置した
反強磁性膜45の間隔を狭くするに伴い出力も減少する
ことが新たに分かった。このような結果はバルクハウゼ
ンノイズ抑制と出力がトレ−ドオフの関係になることを
示唆し、酸化ニッケルの酸化物反強磁性膜45を用いた
図4の磁気ヘッド構造では高出力化を期待出来ないこと
になる。
【0006】図4の磁気ヘッド構造で高出力化を期待出
来ない理由を以下述べる。図5には磁気感知部の断面図
と図中の磁気抵抗効果膜40内の磁化分布すなわち磁気
モーメントの方向を矢印で示す。ここで、磁気抵抗効果
膜40の両脇に配置した反強磁性膜45のテ−パ角を
θ、磁気抵抗効果膜40の磁化をM、その膜厚をdと表
示する。図中、ポイントAで発生する磁荷量ρAは次式
で与えられる。
【0007】
【数1】ρA=M・d・cosθ−M・d<0 また、ポイントBで発生する磁荷量ρB
【0008】
【数2】ρB=M・d−M・d・cosθ>0 となり、磁気抵抗効果膜40と反強磁性酸化ニッケル膜
45の端部でポ−ルが生じることになる。ポイントA、
Bでポ−ルが発生するとA−B間にはポ−ルで生ずる磁
界が存在し、A−B間の磁気抵抗効果膜40にポ−ルで
発生したバイアス磁界が印加されることになる。その結
果、磁気抵抗効果膜40のA−B間の感磁部での磁化の
回転し易さが低下するため高出力化が期待出来ない。
【0009】上記考え方の妥当性は下記の実験で確認さ
れる。その結果を図6に破線で示す。実験は図5で示し
た構成のサンプルを作製し、磁気抵抗効果膜40の両脇
に配置した反強磁性膜45の間隔を変えた場合の磁気抵
抗効果膜40の感磁部の磁化の回転し易さを評価した。
磁化の回転し易さはマイクロカ−効果法で測定したM−
Hル−プより実効異方性磁界として求めた。ここで、実
効異方性磁界は磁化の回転のし易さを示している。即
ち、大きな実効異方性磁界は磁化が回転しにくいことを
意味する。図6の破線より、酸化物反強磁性膜45の間
隔が20μm以下に狭くなると磁化が回転しにくくなる
ことが分かる。すなわち図6より、酸化物反強磁性膜4
5の間隔が20μm以上ではポ−ルで発生する磁界の影
響がほとんどなく磁気抵抗効果膜40の形状異方性の影
響のみが現れている。これに対し、酸化物反強磁性膜4
5の間隔が20μm以下では磁化が回転しきるまでに必
要な磁界が急激に増加する。このような増加は上記ポ−
ルで発生する磁界の影響が強いためと理解される。すな
わち、磁気抵抗効果膜40が段差上に形成されることよ
りこの段差部でポ−ルが発生し、それに伴うバイアス磁
界が影響するためである。このことは強磁性・反強磁性
交換結合を用いる場合、強磁性膜に段差が生じるとポ−
ルが発生し、不用なバイアス磁界が印加されることを示
唆する。従って、高出力化するためには強磁性膜、ここ
では磁気抵抗効果膜が段差上に形成されない構造とする
ことが必要であということがわかって来る。
【0010】本発明の目的は、磁気ヘッドの信頼性を向
上出来る酸化物反強磁性膜を用いてバルクハウゼンノイ
ズを抑制し、高出力化なし得る磁気抵抗効果ヘッド及び
その製造方法、更にそのような磁気抵抗効果ヘッドをを
用いた磁気ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願第1発明は、基板に設けられた平坦な下部ギャップ
膜上に設けられ且つ一様な厚さの強磁性体材料から成る
磁気抵抗層と、この磁気抵抗層上の両脇に設けられ酸化
物から成る一対の反強磁性体層と、前記磁気抵抗層及び
反強磁性体層に接して両層の上に設けられた金属層と、
この金属層の上に設けられた軟磁性バイアス層とを備え
たことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドである。
【0012】また第2発明は、基板に設けられた下部ギ
ャップ膜上に設けられた強磁性体材料から成る磁気抵抗
層と、この磁気抵抗層上の両脇にて前記基板の面に平行
な面でのみ前記磁気抵抗層と接触するように形成され且
つ酸化物から成る一対の反強磁性体層と、前記磁気抵抗
層及び反強磁性体層に接して両層の上に設けられた金属
層と、この金属層の上に設けられた軟磁性バイアス層と
を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドである。
【0013】また第3発明は、前記第1又は第2発明に
おいて、前記一対の反強磁性体層の間隔が前記軟磁性バ
イアス層上の設けられた一対の信号検出用電極層の間隔
より大きく形成されたことを特徴とするものである。
【0014】また第4発明は、前記第1又は第2発明に
おいて、前記一対の反強磁性体層で挟まれた領域内の磁
気抵抗層の上に一対の信号検出用電極層が位置すること
を特徴とするものである。
【0015】また第5発明は、前記第1乃至第4発明の
いずれかにおいて、前記反強磁性体層と磁気抵抗層との
間に該反強磁性体層と磁気抵抗層の両方に交換結合する
強磁性スペーサ層が設けられたことを特徴とするもので
ある。
【0016】また第6発明は、前記第1乃至第5発明の
いずれかにおいて、磁気抵抗層はNiFe、NiCo又
はNiFeCo合金より成り、反強磁性体層はNiOか
ら成り、金属層はTa、Ti、Nb又はMoから成り、
軟磁性バイアス層はNiFeNb、NiFeRh、Ni
FeRu、NiFeTaまたはCoZrMoから成るこ
とを特徴とするものである。
【0017】また第7発明は、基板に設けられた平坦な
下部ギャップ膜の上に磁気抵抗層を一様な厚さで設け、
次いで前記磁気抵抗層の上の両脇に反強磁性体層を所定
間隔を開けて一対設け、前記反強磁性体層及び磁気抵抗
層の上に金属層を設け、この金属層の上に軟磁性バイア
ス層を設け、この軟磁性バイアス層の上に信号検出用電
極層を一対設け、この信号検出用電極層の上に上部シー
ルド膜を設けることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドの
製造方法である。
【0018】また第8発明は、スピンドルにより回転す
る磁気ディスクと、キャリッジに設けられ前記磁気ディ
スクと情報をやり取りする磁気ヘッドと、キャリッジを
駆動するボイスコイルモータとを備えた磁気ディスク装
置において、磁気ヘッドは前記第1乃至第6発明のいず
れかに記載のものであることを特徴とするものである。
【0019】
【作用】本願第1発明乃至第6発明によれば、磁気抵抗
効果膜が段差上に形成されない構造となっている。従っ
て、磁気抵抗効果膜が段差上に形成されないため、ポ−
ルが発生するポイントを無くすことが出来、その結果ポ
−ルにより生じるバイアス磁界は磁気抵抗効果膜に影響
を与えず、磁気抵抗効果ヘッドの出力を向上出来ること
になる。また、反強磁性体層として強磁性・反強磁性交
換結合を用いているので安定したプロセスが可能となり
当初の目標であるバルクハウゼンノイズを防止しうる。
【0020】本願第3発明又は第4発明によれば、より
一層磁気抵抗効果ヘッドの出力を向上出来る。また、第
5発明によれば強磁性スペーサ層の自発磁化による両膜
との交換結合により一層磁気抵抗効果ヘッドの出力を向
上出来る。第6発明によれば例えば反強磁性体層として
NiOを用いているので、バルクハウゼンノイズを十分
に防止しうる。
【0021】第7発明によれば、上記本発明に係る磁気
抵抗効果ヘッドを容易に製造することができる。また第
8発明によれば磁気ディスク装置の性能を向上させるこ
とができる。
【0022】
【実施例】まず、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドを適
用した磁気ディスク装置について図2を用いて説明す
る。図2では1つのスピンドル2に5枚の磁気ディスク
4を設けた例が示されているが、5枚に限るものではな
い。また、このように1つのスピンドル2に複数枚の磁
気ディスク4を設けたものを複数個設置して磁気ディス
ク装置としてもよい。符号3はスピンドル2を駆動し、
磁気ディスク4を回転するためのモ−タである。符号5
はデ−タ用磁気ヘッドを示し、符号5aは位置決め用磁
気ヘッドを示している。符号6はキャッリジ、符号7は
ボイスコイル、符号8はマグネットである。ボイスコイ
ル7とマグネット8によりボイスコイルモ−タが構成さ
れる。そして、キャッリジ6、ボイスコイル7及びマグ
ネット8により、磁気ヘッドの位置決めがなされる。ボ
イスコイル7と磁気ヘッド5、5aとは図示したボイス
コイルモ−タ制御回路を介して接続されている。図2に
示した上位装置とはたとえばコンピュ−タシステムを示
す。同様に図示したリ−ド/ライト回路とは、書き込み
及び読み出しの情報を識別し、磁気ディスク装置に信号
を送るものであり、インタ−フェイス部とは上位装置と
磁気ディスク装置を接続するものである。この上位装置
と磁気ディスク装置とを有するシステムが情報システム
である。
【0023】図1は本発明の磁気ディスク装置に搭載さ
れた磁気抵抗効果ヘッドの一実施例を示すものであり、
媒体対向面からみた拡大斜視図である。尚、図1では磁
気抵抗効果ヘッドの右側半分においては上部ギャップ膜
70と上部シ−ルド膜80は省略して示した。図1に示
した磁気抵抗効果ヘッドは、非磁性セラミックス基板1
01上に下部シ−ルド膜10と、この下部シ−ルド膜1
0の上側に形成される下部ギャップ膜20と、この下部
ギャップ膜20上に形成される磁気抵抗効果膜40と、
磁気抵抗効果膜40に接して上記磁気抵抗効果膜40の
両脇に配置して形成される酸化物反強磁性膜45と、こ
れら磁気抵抗効果膜40と酸化物反強磁性膜45に部分
的に接して形成されるシャントバイアス用金属膜50と
ソフトバイアス用強磁性膜55と、このソフトバイアス
用強磁性膜55の上に形成される信号検出電極60と、
信号検出電極60とソフトバイアス用強磁性膜55上に
形成される上部ギャップ膜70と、この上部ギャップ膜
70の上に形成される上部シ−ルド膜80を備えて形成
される。
【0024】次に、各層の作用、材料などを説明する。
磁気抵抗効果ヘッドのトラック幅は、上記一対の信号検
出電極60間の距離であり、1〜10μmの範囲にあ
る。また、磁気抵抗効果膜40のこの領域を感磁部とい
い、この部分で磁気ディスクからの信号の読み取りを行
う。上部シ−ルド膜80、下部シ−ルド膜10は、磁気
抵抗効果膜40に信号以外の磁界が影響するのを防止
し、磁気抵抗効果ヘッドの信号分解能を高める作用す
る。その材料は、Niベ−ス、Coベ−ス合金膜、Co
ベ−ス非晶質膜及びセンダスト等のFeベ−ス合金膜な
ど保磁力の小さい軟磁性膜であり、その膜厚は、0.5
〜3μmである。上部ギャップ膜70、下部ギャップ膜
20の間に形成される磁気抵抗効果素子は磁界に対して
その電気抵抗が変化する磁気抵抗効果膜40と、磁気デ
ィスクからの磁気的信号を高出力の電気信号とするた
め、磁気抵抗効果膜40に横バイアス磁界を印加すべく
形成されるシャントバイアス用金属膜50、ソフトバイ
アス用強磁性膜55から構成される。
【0025】磁気抵抗効果膜40は、NiFe、NiC
o及びNiFeCo合金膜のような磁化の方向によって
電気抵抗が変化する強磁性の軟磁性膜で形成される。そ
の膜厚は0.005〜0.040μmである。信号検出
電極60は、磁気抵抗効果膜40に充分な電流、例えば
1×106〜2×107A/cm2を流すため、通常電気抵抗
が小さいCu、Au、Wなどの薄膜が用いられる。シャ
ントバイアス用金属膜50及び、ソフトバイアス用強磁
性膜55は磁気抵抗効果膜40を高感度とするに充分な
レベルに横バイアス磁界を印加する作用を行う。このバ
イアス磁界印加方向は酸化物反強磁性膜45によって付
与される方向と垂直である。シャントバイアス用の金属
膜50としてはTi、Ta、Nb、Moなどの材料が用
いられる。その膜厚は0.01〜0.04μmが通常で
ある。また、ソフトバイアス用強磁性膜55としては、
NiFeNb、NiFeRh、NiFeRu、NiFe
Ta、CoZrMoなどの飽和磁束密度及び比抵抗が比
較的高い材料が用いられる。この理由は、飽和磁束密度
が高いと形状異方性が大きくなり磁気抵抗効果膜に入り
込む磁束量が多くなるためであり、また比抵抗が高くな
ると磁気抵抗効果膜への分流比が大きくなるためであ
る。更に、NiFeにZrO2またはAl23などのセラ
ッミクス材料を添加した複合材料を用いることも可能で
ある。
【0026】次に、図1に記載の磁気抵抗効果ヘッドの
製造方法について説明する。尚、下記の薄膜形成法及び
パタ−ニング法はスパッタリング、フォトリソグラフィ
−及びイオンミリング、ドライエッチングなどを用いて
行われる。最初に、下部シ−ルド膜10とするNiFe
膜を2μm厚形成し、その後、その上部に下部ギャップ
膜20とするアルミナ膜を0.3μm厚形成する。そし
て、この下部シ−ルド膜10と下部ギャップ膜20とを
所定の形状にパタ−ニングする。ここで、下部シ−ルド
膜10の端部は図1に示すように基板面に対して傾斜す
るようにパタ−ニングする。これは下部シ−ルド膜10
を覆う形に形成される信号検出電極60が、下部シ−ル
ド膜10の端部で断線するのを防止するためである。次
に、下部ギャップ膜20の上側に磁気抵抗効果膜40と
するNiFe合金膜を200Å厚形成し、その後、所定
形状にパタ−ニングする。続いて、NiOから成る酸化
物反強磁性膜45を上記磁気抵抗効果膜40の両脇位置
に所定間隔でリフトオフ法を用いて500Å厚で形成す
る。ここで、酸化物反強磁性膜45の形成にあたっては
形成前に磁気抵抗効果膜を軽くドライエッチングして磁
気抵抗効果膜の表面酸化膜を取り除くプロセスをいれた
方が好ましい。引き続きシャントバイアス用金属膜50
とするTa膜を160Å形成し、ソフトバイアス用強磁
性膜55とするNiFeNb膜を250Åの厚さに形成
する。その後、シャントバイアス用金属膜40とソフト
バイアス用強磁性膜55を図1の形状に一括でパタ−ニ
ングする。その後、信号検出電極60とするAuとTi
の二層膜をリフトオフ法で0.1μm厚に形成する。そ
の後、Al23から成る上部ギャップ膜70を0.3μ
m厚に形成し、その上部に上部シ−ルド膜80とするN
iFe合金膜を2μm厚に形成し、保護膜としてアルミ
ナを形成する。
【0027】ここで、磁気ディスク装置に搭載する磁気
ヘッドとしては図3に示したデュアルヘッド(上記磁気
抵抗効果ヘッド31の上部に記録ヘッドが配置)であ
る。記録ヘッド32は従来の自己録再型薄膜磁気ヘッド
と基本構造は同一である。
【0028】以上のように本発明に係る磁気抵抗効果ヘ
ッドは、酸化物反強磁性膜45を用い、磁気抵抗効果膜
を平坦上に一様な厚さで形成しているところに特徴があ
る。本発明の磁気ヘッド構造で実効異方性磁界について
検討した結果を図6中の実線で示す。本発明の構成では
酸化物反強磁性膜45の間隔に関係なく実効異方性磁界
はほぼ一定であり、ポ−ルで発生されるバイアス磁界の
影響を防止出来ることが分かる。
【0029】次に本発明は図1に示した構造のみに限定
されるものではない。別の実施例を図7に示す。この発
明では磁気抵抗効果膜40と酸化物反強磁性膜45との
間に強磁性スペ−サ層25を介在している。この強磁性
スペ−サ層25は自発磁化を持ち、磁気抵抗効果膜と酸
化物反強磁性膜の両方に交換結合するものである。さら
に、キュリ−温度が高く、耐食性及び耐熱性が高いこと
が要求される。このような要求を満足する材料に、F
e、Co、Niを主成分とした強磁性合金膜が考えられ
る。すなわちNiFe、FeCo又はNiFeCo合金
等である。膜厚は100〜400Åの範囲である。
【0030】さらに、本発明の磁気抵抗効果ヘッドは磁
気ディスク装置用に限定されるものでなく、磁気テ−プ
用さらには各種磁界検出用磁気センサ−にも適用される
ものである。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、信頼性が高く、ノイズ
が無くしかも出力が高い高記録密度用の磁気抵抗効果ヘ
ッドを実現出来る。
【0032】さらに、本発明によるとプロセス安定性が
高く、上記ヘッド性能のバラツキを抑制した磁気抵抗効
果ヘッドを実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果ヘッドを一部
省略して示した斜視図である。
【図2】本発明の磁気ディスク装置及び情報処理システ
ムの構成を示す概略図である。
【図3】本発明が含まれているデユアルヘッドの構成を
示す概略図である。
【図4】従来の酸化物反強磁性膜を用いた磁気抵抗効果
ヘッドを示す斜視図である。
【図5】従来の磁気抵抗効果膜の感磁部で磁化の回転の
し易さを検討するために用いたモデルサンプルの概略断
面図である。
【図6】酸化物反強磁性膜の間隔と磁気抵抗効果膜内の
磁化の回転のし易さとの関係を示す線図である。
【図7】本発明の他の実施例の磁気抵抗効果ヘッドを示
す斜視図である。
【符号の説明】 2 スピンドル 4 磁気ディスク 5、5a 磁気ヘッド 31 磁気抵抗効果ヘッド 32 記録ヘッド 101 基板 25 強磁性スペ−サ層 10 下部シ−ルド膜 20 下部ギャップ膜 40 磁気抵抗効果膜 45 酸化物反強磁性膜 50 シャントバイアス用金属膜 55 ソフトバイアス用強磁性膜 60 信号検出電極 70 上部ギャップ膜 80 上部シ−ルド膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 府山 盛明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 宏 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 哲夫 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に設けられた平坦な下部ギャップ膜
    上に設けられ且つ一様な厚さの強磁性体材料から成る磁
    気抵抗層と、この磁気抵抗層上の両脇に設けられ酸化物
    から成る一対の反強磁性体層と、前記磁気抵抗層及び反
    強磁性体層に接して両層の上に設けられた金属層と、こ
    の金属層の上に設けられた軟磁性バイアス層とを備えた
    ことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 【請求項2】 基板に設けられた下部ギャップ膜上に設
    けられた強磁性体材料から成る磁気抵抗層と、この磁気
    抵抗層上の両脇にて前記基板の面に平行な面でのみ前記
    磁気抵抗層と接触するように形成され且つ酸化物から成
    る一対の反強磁性体層と、前記磁気抵抗層及び反強磁性
    体層に接して両層の上に設けられた金属層と、この金属
    層の上に設けられた軟磁性バイアス層とを備えたことを
    特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果ヘ
    ッドにおいて、前記一対の反強磁性体層の間隔が前記軟
    磁性バイアス層上の設けられた一対の信号検出用電極層
    の間隔より大きく形成されたことを特徴とする磁気抵抗
    効果ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果ヘ
    ッドにおいて、前記一対の反強磁性体層で挟まれた領域
    内の磁気抵抗層の上に一対の信号検出用電極層が位置す
    ることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果ヘッドにおいて、前記反強磁性体層と磁気抵抗
    層との間に該反強磁性体層と磁気抵抗層の両方に交換結
    合する強磁性スペーサ層が設けられたことを特徴とする
    磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気
    抵抗効果ヘッドにおいて、磁気抵抗層はNiFe、Ni
    Co又はNiFeCo合金より成り、反強磁性体層はN
    iOから成り、金属層はTa、Ti、Nb又はMoから
    成り、軟磁性バイアス層はNiFeNb、NiFeR
    h、NiFeRu、NiFeTaまたはCoZrMoか
    ら成ることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  7. 【請求項7】 基板に設けられた平坦な下部ギャップ膜
    の上に磁気抵抗層を一様な厚さで設け、次いで前記磁気
    抵抗層の上の両脇に反強磁性体層を所定間隔を開けて一
    対設け、前記反強磁性体層及び磁気抵抗層の上に金属層
    を設け、この金属層の上に軟磁性バイアス層を設け、こ
    の軟磁性バイアス層の上に信号検出用電極層を一対設
    け、この信号検出用電極層の上に上部シールド膜を設け
    ることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 スピンドルにより回転する磁気ディスク
    と、キャリッジに設けられ前記磁気ディスクと情報をや
    り取りする磁気ヘッドと、キャリッジを駆動するボイス
    コイルモータとを備えた磁気ディスク装置において、磁
    気ヘッドは前記請求項1乃至6のいずれかに記載のもの
    であることを特徴とする磁気ディスク装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6556391B1 (en) 1999-12-07 2003-04-29 Fujitsu Limited Biasing layers for a magnetoresistance effect magnetic head using perpendicular current flow
US6721147B2 (en) 1999-12-07 2004-04-13 Fujitsu Limited Longitudinally biased magnetoresistance effect magnetic head and magnetic reproducing apparatus

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6556391B1 (en) 1999-12-07 2003-04-29 Fujitsu Limited Biasing layers for a magnetoresistance effect magnetic head using perpendicular current flow
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