JPH0717569Y2 - 車両用変速制御装置 - Google Patents

車両用変速制御装置

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JPH0717569Y2
JPH0717569Y2 JP1988053161U JP5316188U JPH0717569Y2 JP H0717569 Y2 JPH0717569 Y2 JP H0717569Y2 JP 1988053161 U JP1988053161 U JP 1988053161U JP 5316188 U JP5316188 U JP 5316188U JP H0717569 Y2 JPH0717569 Y2 JP H0717569Y2
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JP
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clutch
shift
engine
speed
vehicle
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敏昭 立野
滋樹 福島
一憲 金色
貫太郎 鈴木
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、エンジンと歯車式変速機との間に介装された
摩擦クラッチをクラッチ用エアアクチュエータを介し
て、電子制御とすると共に変速機のギヤ側の噛合い位置
をギヤ位置切換手段を介して電子制御する車両用自動変
速装置に適用するに好適な車両用変速制御装置に関す
る。
(従来の技術) 近年、大型貨物自動車や乗り合い自動車等における運転
者の運転操作の負担を軽減する目的で、車両の走行条件
に応じたギヤ位置を自動的に選択できるようにした自動
変速装置が考えられている。
従来の自動変速装置は、専ら小型の乗用車を対象とした
ものであり、エンジンと遊星歯車式との間にトルクコン
バータ等の流体継手を介在させ、圧油を制御媒体とした
遊星歯車式のギヤ位置切換え手段を備えたものが一般的
とされていた。
(考案が解決しようとする課題) 上述した自動変速装置にあっては、変速に要する時間が
長大化する虞れがある。
すなわち、第1に、変速時におけるクラッチ切り動作
は、変速前のアクセル電圧を初期状態に戻すことが行わ
れて後、開始されるため、エンジン側での加速度の増加
がなくなっている状態でも未だ、クラッチ切り動作が実
行されないことになり、この動作開始までの待機時間が
長くなる。
第2に、クラッチは、単一のエアアクチュエータによっ
てその接断操作を行われるため、特にエンジン側での回
転が高くなる登坂路等での接続時には、車速の低下防止
等の要求を満たすためにクラッチの繋ぎを早くしなけれ
ばならないが、単一の電磁弁では自ずと接続までの時間
に限界がある。
第3に、シフトダウンを行なう際には、クラッチを切る
場合、変速する前のクラッチ側の回転数を基にクラッチ
のホールドを設定するためのエンジン側での回転数の設
定が行われた後、変速に終わってから変速後のギヤ段位
から得られるクラッチ回転数に対応したエンジン回転数
を設定することが行われているため、変速後のエンジン
回転数を設定するまでの時間が長大化する。
そこで、本考案の目的は、上述した自動変速装置におけ
る変速時に行われる処理時間を短縮できる自動変速装置
を得ることにある。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するため、本考案は、第1に、車両のエ
ンジンと変速機との間のクラッチを断接させるクラッチ
アクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
制御装置において、 アクセルペダルの操作とは独立して上記エンジンへの燃
料供給を制御可能なエンジン制御手段と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段とを備え、 上記コントロールユニットは、上記変速時に上記アクセ
ルペダルの操作とは独立して上記エンジン制御手段の作
動を制御し、その後に車両の加速度が所定値以下になっ
たことを検出すると上記変速作動前のクラッチ遮断を実
行するよう構成されている。
第2に、車両のエンジンと変速機との間のクラッチを断
接させるクラッチアクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
制御装置において、 上記クラッチアクチュエータに供給される流体圧を調整
するよう並列に設けられた複数の電磁弁と、 上記アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ
とを備え、 上記コントロールユニットは上記変速操作後のクラッチ
再接続に当たり、通常は、上記複数の電磁弁の1つを使
用し、上記アクセルペダルの操作量が規定値以上であり
且つ低速段への変速であると判断した場合には、上記複
数の電磁弁を使用して上記流体圧をクラッチ接側に調整
するよう構成されている。
第3に、車両のエンジンと変速機との間のクラッチを断
接させるクラッチアクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
制御装置において、 クラッチの回転を検出するクラッチ回転センサと、 アクセルペダルの操作とは独立して、上記エンジンへの
燃料供給を制御可能なエンジン制御手段を備え、 上記コントロールユニットは、シフトダウン時、上記変
速作動前に予めシフトダウン後のクラッチ回転数相当の
エンジン回転数が得られるような燃料供給を行うと共
に、上記変速作動後には検出されるクラッチ回転数相当
のエンジン回転数が得られるような燃料供給を行うよう
上記アクセルペダルの操作とは独立して上記エンジン制
御手段の作動を制御するよう構成されている。
(作用) 第1の考案によれば、エンジン制御手段がアクセルペダ
ルの操作とは独立してエンジンへの燃料供給を制御可能
であり、加速度検出手段が車両の加速度を検出でき、コ
ントロールユニットが、変速時に、エンジン制御手段の
作動を制御し、その後に車両の加速度が所定値以下にな
ったことを検出すると、変速作動前のクラッチ遮断を実
行するので、アクセルペダルの操作に関係無く、車両の
加速度の急変が生じないし、加速度が所定値以下になる
と直ちにクラッチを遮断することとなる。
第2の考案によれば、クラッチアクチュエータに供給さ
れる流体圧を調整する複数の電磁弁が並列に設けられ、
アクセルセンサによりアクセルペダルの操作量が検出さ
れ、変速作動後のクラッチ再接続に当たり、コントロー
ルユニットが、通常は複数の電磁弁の1つを使用、アク
セルペダルの操作量が規定値以上であり且つ低速段への
変速であると判断すると、複数の電磁弁を使用して流体
圧をクラッチ接側に調整するので、クラッチの再接続で
の接続速度で高めることとなる。
第3の考案によれば、クラッチの回転がクラッチ回転セ
ンサにより検出され、エンジン制御手段によりアクセル
ペダルの操作とは独立してエンジンへの燃料供給が制御
され、コントロールユニットが、シフトダウン時、変速
作動前に予め、シフトダウン後のクラッチ回転数相当の
エンジン回転数が得られるような燃料供給を行うので、
変速後のクラッチ回転数とエンジン回転数との同期が早
期に達成され、更に、変速作動後には検出されるクラッ
チ回転数相当のエンジン回転数が得られるような燃料供
給を行うようアクセルペダルの操作とは独立してエンジ
ン制御手段の作動を制御するので、変速後にはクラッチ
回転数とエンジン回転数とが精度良く同期することとな
る。
(実施例) 以下、第1図乃至第18図において本考案実施例の詳細を
説明する。
第1図は、本考案実施例による車両用変速制御装置を装
備した自動変速装置の全体構成を示すブロック図であ
り、この自動変速装置はディーゼルエンジン(以下、エ
ンジンと称する)11と、その出力軸13の回転力を機械式
の摩擦クラッチ(以下、単に、クラッチを略称する)15
を介して受ける歯車式変速機17とに旦って取付けられ
る。
エンジン11には、その出力軸13の回転の1/2の回転速度
で回転する入力軸19を備えて燃料噴射ポンプ(以下、単
に噴射ポンプと称する)21が取付けられており、この噴
射ポンプ21のコントロールラック23には、電磁アクチュ
エータ25が連結され、入力軸19には、エンジン11の出力
軸13の回転信号を発するエンジン回転センサ27が付設さ
れている。
一方、クラッチ15は、フライホイール29に対してクラッ
チ板31を図示しない周知の挾持手段により圧接させ、ク
ラッチ用アクチュエータとしてのエアシリンダ33が非作
動状態から作動状態に移行すると前記挾持手段が解除方
向に作動し、クラッチ15は接続状態から遮断状態に変化
する(第1図は接続状態を示している)。なお、このク
ラッチ15には、クラッチ15の遮断状態あるいは接続状態
をクラッチストローク量により検出するクラッチストロ
ークセンサ(以下、単に、ストロークセンサと称する)
35が取付けられているが、これに代えて、クラッチタッ
チセンサ37を利用しても良い。
また、歯車式変速機17の入力軸39には、この入力軸39の
回転数(以下、これをクラッチ回転数と称する)信号を
発するクラッチ回転数センサ41が付設されている。
そして、上述したエアシリンダ33には、エア通路43が接
続され、これが逆止弁45を介して高圧エア源としての一
対のエアタンク47,49に連結されている。上述したエア
通路43の途中には、作動エアの供給をデューティー制御
する開閉手段としての互いに並列に接続された常閉タイ
プの電磁弁X1,X2と、エアシリンダ33内を大気開放する
ためのデューティー制御される互いに並列接続された常
閉の電磁弁Y1,Y2と、上記電磁弁X1,X2の上流側に設けら
れた3方向電磁弁Wとが設けられている。この電磁弁W
は走行中はエアタンク47,49側に接続され、電源オフ時
には大気側に接続される。
なお、上記した電磁弁X1,X2あるいはY1,Y2は交互にある
いは一方が故障した場合には他方が使用されるので、車
両が走行中の場合、クラッチ15を切る場合、クラッチ15
をゆっくり切る場合、クラッチ15をゆっくりつなぐ場
合、クラッチ15をつなぐ場合について各電磁弁の制御に
ついては第5図に示しておく。これら電磁弁の開閉制御
によりクラッチ15の断続とその断続時間の制御とがなさ
れるようになっている。
なお、一対のエアタンク47,49のうち一方のエアタンク4
9は非常用でメインのエアタンク47にエアが無い場合に
電磁弁55を開いてエアの供給を行なうようになってお
り、これらエアタンク47,49には内部エア圧が規定値以
下になるとON信号を出力するエアセンサ57,59が取付け
られている。それぞれの変速段を達成する歯車式変速機
17のギヤ位置を切換えするには、例えば第2図に示すよ
うなシフトパターンに対応した変速位置にチェンジレバ
ー61を運転者が操作することにより、変速段選択スイッ
チ63を切り換えて得られる変速信号に基づきギヤ位置切
換手段としてのギヤシフトユニット65を操作し、シフト
パターンに対応した目標変速段にギヤ位置を切り換える
と共にそのギヤ位置をギヤ位置インジケータ67に表示す
るようにしている。
ここで、Rは後進段を示し、NおよびN1は1,2,3,4,5は
それぞれの指定変速段を示し、PW,Dは2速から7速まで
の任意の自動変速段を示しており、PW,Dレンジを選択す
ると後述の最適変速段決定処理により2速〜7速が車両
の走行条件に基づいて自動的に決定される。なお、パワ
フル自動変速段であるPWとエコノミー自動変速段である
Dとの変速領域をそれぞれ表す第3図(a),(b)に
示す如く、アップシフトとダウンシフトとではそれぞれ
変速領域が変えられており、2速〜7速の変速時期は、
車両の高負荷等に対処するためPWレンジの方が高速側に
決定されている。
また、運転者がブレーキペダル69を踏んでいる場合や図
示しない排気ブレーキ装置を作動させている場合には、
それに応じて予めプログラムされたそれぞれ別のシフト
マップが選択されるようになっており、PWレンジおよび
Dレンジそれぞれの3つのシフトマップが用意されてい
る。前記ギヤシフトユニット65はコントロールユニット
71からの作動信号により作動する複数個の電磁弁73(第
1図では1つのみ示している)と、これら電磁弁73を介
してエアタンク47(49)から高圧の作動エアが供給され
て歯車式変速機17の図示しないセレクトフォークおよび
シフトフォークを作動させる一対の図示しないパワーシ
リンダとを有し、上記電磁弁73に与えられる作動信号に
よりそれぞれパワーシリンダを操作し、セレクト、シフ
トの順で歯車式変速機17の噛合い状態を変えるように作
動する。
更に、ギヤシフトユニット65には各ギヤ位置を検出する
ギヤ位置センサとしてのギヤ位置スイッチ75が付設さ
れ、これらギヤ位置スイッチ75からのギヤ位置信号がコ
ントロールユニット71に出力される。また、歯車式変速
機17の出力軸77には車速信号を発する車速センサ79が付
設され、更にアクセルペダル81にはその踏込み量に応じ
た抵抗変化を電圧値として生じさせ、これをA/D変換器8
3でデジタル信号化して出力するアクセル負荷センサ85
が取付けられている。前記ブレーキペダル69にはこれが
踏み込まれた時にハイレベルのブレーキ信号を出力する
ブレーキセンサ87が取付けられており、前記エンジン11
にはフライホイール29の外周のリングギヤに適時噛み合
ってエンジン11をスタートさせるスタータ89が取付けら
れ、そのスタータリレー91はコントロールユニット71に
接続している。
なお、第1図中の符号93はコントロールユニット71とは
別途に車両に取付けられて車両の各種制御を行なうマイ
クロコンピュータを示しており、図示しない各センサか
らの入力信号を受けてエンジン11の駆動制御等を行な
う。このマイクロコンピュータ93は噴射ポンプ21の電磁
アクチュエータ25に作動信号を与え、燃料の増減操作に
よりエンジン11の出力軸13の回転数(以降、これをエン
ジン回転数と称する)の増減を制御する。つまり、コン
トロールユニット71からのエンジン回転増減信号として
の出力信号に応じてエンジン回転数が増減される。
コントロールユニット71は自動変速装置専用のマイクロ
コンピュータであり、マイクロプロセッサ(以降、これ
をCPUと称する)95およびメモリ97および入力信号処理
回路としてのインターフェース99とで構成される。イン
ターフェース99のインプットポート101には、上述の変
速断選択スイッチ63とブレーキセンサ78とアクセル負荷
センサ85とエンジン回転センサ27とクラッチ回転数セン
サ41とギヤ位置スイッチ75と車速センサ79とクラッチセ
ンサ37(クラッチ15の遮断状態あるいは接続状態をクラ
ッチストロークセンサ35に代えて検出する時に用いる)
とクラッチストロークセンサ35とエアセンサ57,59と後
述する坂道発進補助スイッチ103と1速発進スイッチ105
とからそれぞれ各出力信号が入力される。
坂道発進補正スイッチ103は、坂道発進時に後退を防止
するシステム(以下、これをAUSと称する)を作動させ
るためのものであり、ホイールブレーキ107のエアマス
タ109に対するエアの供給を電磁弁(以下、これをMVQと
称する)111を介して制御しながら車両を発進させる
が、ものMVQ110の制御はコントロールユニット71にてな
される。また、1速発進スイッチ105はPWレンジあるい
はDレンジにおいて1速発進を達成させるためのもので
あり、これをON操作することによって自動変速動作での
1速発進がなされる。
一方、アウトプットポート113は上述のマイクロコンピ
ュータ93とスタータリレー91と電磁弁X1,X2,Y1,Y2,W,7
3,111とにそれぞれ接続してこれらに出力信号を送出で
きる。なお、図中の符号で115はエアタンク47,49のエア
圧が設定値に達しない場合、図示しない駆動回路から出
力を受けて点灯するエアウォーニングランプであり、11
7はクラッチ15の摩擦量が規定値を超えた場合に出力を
受けて点灯するクラッチウォーニングランプである。
メモリ97には第6図〜第9図および第13図〜第18図にフ
ローチャートとして示すプログラムやデータを書き込ん
だ読みだし専用のROMと書き込み専用のRAMとで構成され
る。すなわち、ROMには上記プログラムの外にアクセル
付加信号に対応した電磁弁X1,X2,Y1,Y2のデューティ率
αを予め第4図に示すようなマップとして記憶させてお
き、適宜このマップを参照して該当する値を読みだす。
上述した変速選択スイッチ63は変速信号としてのセレク
ト信号およびシフト信号を出力するが、この両信号の一
対の組合せに対応した変速段位置を予めデータマップと
して記憶させておき、セレクト信号およびシフト信号を
受けた際にこのマップを参照して該当する出力信号をギ
ヤシフトユニット65の各電磁弁73に出力し、変速信号に
対応した目標変速段にギヤを合わせる。
この場合、ギヤ位置スイッチ75からのギヤ位置信号は変
速完了により出力させ、セレクト信号およびシフト信号
に対応した各ギヤ位置信号が出力されたか否かを判断
し、噛み合いが正常か異常かの信号を発するのに用い
る。さらに、ROMにはPWレンジあるいはDレンジにおい
て目標変速段が存在する時、車速およびアクセル負荷お
よびエンジン回転の各信号に基づき、最適変速段を決定
するための第3図(a)および(b)に示すようなシフ
トマップも記憶させている。
次に、第6図〜第18図を参照して本実施例の動作につい
て説明する。まず、動作を説明するに先立って各フロー
チャートで用いられるフラグについてそのフラグが“1"
に設定される場合を説明する。
DELFLG…クラッチ接続後1秒間、HAFLG…発進処理に入
った場合、CNGFLG…始動および発進処理でチェンジが完
了していない場合、HFLG…始動時にLE点補正を行なった
場合、ENSTFLG…車速低下時にエンジン回転速度NEがエ
ンスト防止回転を下回った場合、ONFLG…下り坂発進時
クラッチを繋ぎ始めた場合、PFLG…発進時にエンジン回
転速度NEがピーク点を迎えた場合、NEFLG…発進時にエ
ンジン回転速度NEが400rpmを下回った場合、XFLG…発進
時にΔNEが上昇している場合、YFLG…発進時にΔNEが急
低下した場合、LEFLG…LE点までクラッチを繋げた場
合、CLFGLG…MVXIとMVX2,MVY1とMVY2との交互使用用フ
ラグ、ER1FLG,ER2FLG…チェンジ不可のエラーが発生し
た場合、SBFLG…再度ブレーキ発進時である場合、SEFLG
…ピーク点を迎える前にエンジン回転が上昇している場
合を示す。
MFLG…クラッチ回転数が規定値に満たない場合、VFLG…
パワーレンジ(PW)での発進状態の場合、ZEROFLG…車
体が停止している場合、PPFLG…ニュートラル時に車速
センサエラーを検出した場合RFLG…発進後、アクセル擬
似信号VACを解除された場合、NEWFLG…発進後アクセル
擬似信号VACが解除中である場合、GFLG…変速時にアク
セル擬似信号VACを出力した場合を示す。
まず、第6図に示すように、プログラムがスタートする
とコントロールユニット71では各フラグ、カウンタ、メ
モリがクリアされ(ステップA1)、クラッチ15が正規の
圧力および正規の状態で接続された場合、この位置から
ある程度クラッチ15が切られて車両の駆動輪が回転状態
から停止状態に移行する半クラッチ状態の位置(以降、
これをLE点と称する)ダミーデータ読み込みの初期設定
が行なわれた(ステップA2)後、AirFLGが「1」に設定
され、VouおよびMvw出力され(ステップA3)、第7図
(A)を参照して後述する始動処理に入り(ステップA
4)、始動処理が完了すると車速信号およびクラッチ回
転数信号等のデータが入力される(ステップA5)。
車速信号のみが3km/hを超える場合には変速処理(ステ
ップA7)を、3km/h以下の場合にはギヤはニュートラル
Nか否か判定される(ステップ)。ここで、ギヤ位置が
ニュートラルである場合には図示しない後退表示用のRe
vパイロットランプが消灯して(ステップA9)、第8図
を用いて詳細を後述する発進処理を行なっている(ステ
ップA10)。
一方、上記ステップA8の処理でギヤ位置がN以外である
と判定されるとクラッチ回転数NCLが規定値以下である
か判定される(ステップA11)。ここで、クラッチ回転
数NCLが規定値以下であると判定されると上記ステップA
9以降の処理がなされ、クラッチ回転数NCLが規定値より
も大きいと判定されると上記ステップA7に進んで変速処
理がなされる。
次に、第7図(A)を参照してエンジンの始動処理につ
いて説明する。まず、第7図(B)のデータを読むルー
チンが実行されてエンジン回転数NE等の信号が入力され
(ステップB1)、第7図(C)を用いて詳細を後述する
ダイアグノーシスルーチンの処理が実行される(ステッ
プB2)。そして、このダイアグノーシスルーチンで設定
されたフラグの判定が行なわれる。つまり、ER1FLGある
いはER2AFLGが「1」であるか否か判定される(ステッ
プB3)。
ここで、ER1FLGあるいはER2FLGが「1」である場合に
は、再度ステップB1およびB2の処理が繰り返される。つ
まり、ER1FLGあるいはER2FLGが「1」である場合には始
動処理は行なわれない。
一方、ステップB3において、ER1FLGおよびER2FLGが
「1」でないと判定されると、OPFLGおよびNFLGが判定
される(ステップB4)。ここで、OPFLGが「1」でNFLG
が「0」の場合には、HFLGが「1」であるか否か判定さ
れる(ステップB5)。このステップB5の判定で、HFLGが
「0」であると判定されるとクラッチ・オン信号を出力
して(ステップB6)。1.0秒のタイムラグを取り(ステ
ップB7)、LE点の補正を行なう(ステップB8)と共にHF
LGが「1」に設定される(ステップB9)。その後、図示
しないCHANGE(変速)ルーチンへと進む(ステップB1
0)。そして、CNGFLGが「1」であるか否か判定される
(ステップB11)。
ここで、CNGFLGが「1」である場合には上記ステップB1
処理に戻り、CNGFLGが「1」でない場合にはギヤがニュ
ートラルNか判定される(ステップB12)。ここで、N
であると判定されるとスタータ可能なリレーがオンされ
(ステップB13)、ギヤがニュートラルでないと判定さ
れるとスタータ可能リレーがオフされる(ステップB1
4)。
ところで、上記ステップB4において、OPFLGが「0」でN
FLGが「1」と判定された場合には、HFLGが「0」に設
定され(ステップB15)、スタータ可能リレーがオフさ
れる(ステップB16)。次に、メインタンク47のエアが
あるか否か判定され(ステップB17)、メインタンク47
のエアがある場合にはパイロットランプ“Air"が消され
る(ステップB18)。一方、メインタンク47のエアが無
い場合にはパイロットランプ“Air"が点灯されてメイン
タンク47のエアが無いことが知らされる(ステップB1
9)。その後、チェンジレバーがN以外からNにシフト
されたか否か判定され(ステップB20)、N以外からN
にシフトされた場合にはCHANGE(変速)ルーチンが実行
される。
次に、第6図のステップA10で行なわれる発進処理につ
いて第8図(A−1)乃至(O)を参照しながら説明す
る。
まず、HAFLG「1」が設定され(ステップC1)、各種デ
ータが読み込まれ、後述するダイアグノーシスルーチン
が実行される(ステップC2)。そして、ダイアグノーシ
スルーチンで設定されたER1FLG、ER2FLGに「1」が設定
されているか判定される(ステップC3)。ER1FLGあるい
はER2FLGが「1」に設定されいる場合には、第8図
(B)示のように、ギヤが“N"にされる(ステップC
4)。つまりER1FLGあるいはER2FLGが「1」の場合には
ギヤが“N"にされるのみで、発進処理は行なわれない。
一方、ER1FLGあるいはER2FLGが「1」に設定されていな
い場合にはHAFLGが「1」に設定されているか否かを再
度判定される(ステップC5)。そして、HFLGが「1」で
ある場合にはクラッチが切れたか判定され(ステップC
6)、切れていない場合にはクラッチ15にクラッチ切信
号が出力されてクラッチが切られる(ステップC7)。
一方、クラッチが既に切られている場合にはクラッチの
位置がホールドされ、図示しないアクセル擬似信号電圧
出力リレーをオンすると共に(ステップC8)に、エンジ
ン11をアイドリング回転させるアイドル相当電圧をアク
セル擬似信号電圧VACとしてマイクロコンピュータ95に
出力し(ステップC10)、図示しない排気ブレーキ解除
用リレーをオンすると共に(ステップC11)、フラグ類
のクリア(ステップC12)およびカウンタ類(NCNT)の
初期化を行ない(ステップC13)、これに次いで、変速
モードのチェックのためのパワーチェックルーチン(ス
テップC14)および前述したCHANGE(変速)ルーチン
(ステップC15)を実行する。
パワーチェックルーチン(ステップC14)は、第8図
(C)示のように、第2図におけるPWレンジであるかを
判断し(ステップC140)、そのレンジにない場合にはそ
のレンジを示すVFLGをクリアするとともに(ステップC1
41)、アクセル擬似信号出力用タイミングカウンタを所
定値にセット(ステップC142)して発進ルーチンに戻
る。
また、PWレンジである場合には、VFLGをセットし(ステ
ップC143)、アクセル差電圧ΔV、つまり、現アクセル
開度相当電圧(VA)とアクセル擬似信号電圧(VAC)と
の差電圧「0」にセットして(ステップC144)、発進ル
ーチンに戻る。
一方、CHANGE(変速)ルーチンにおける結果を示すCNGF
LGが「1」である場合にはエンジン回転の上昇を示すSE
FLGをクリアする(ステップC16,C17)。
そして、CNGFLGが「1」でない場合には、エンジン回転
数NEがエンスト防止回転を下回ったか判断する(ステッ
プC18)。
すなわち、ENSTFLGが「1」の場合には、エンスト防止
回転を下回ったと判断する。そしてエンスト防止回転を
下回った場合には、上述したステップC1以下の処理をエ
ンスト防止回転を上回るまで繰返し、エンジン回転数NE
がエンスト防止回転を上回った場合にはギヤ位置がNか
否かをセレクト信号により読取り(ステップC18)、ギ
ヤ位置が「N」の場合には、これが「N1」以外にあるか
否かを判断する(ステップC20)。ギヤ位置が「N1」以
外の場合には、クラッチ15を接続する処理が後述するス
テップC21〜C29において行なわれる。
このステップC21〜C29の処理でクラッチ15が接続され、
その接続後にギヤ位置が「N」であるか否かを判断し
(ステップC30)、1.5秒経過させて(ステップC31)、L
E点補正を行なった後(ステップC32)、ホイールブレー
キ用電磁弁(MVQ)をオフにし(ステップC33)、これと
は別に、接続後に1.5秒経過していない場合はそのまま
ホイールブレーキ用電磁弁(MVQ)をオフにし(ステッ
プC33)、アクセル擬似信号電圧出力リレーをオフにし
て(ステップC34)、再びステップC2以降の処理に戻
る。
ここでステップC21〜C29において行なわれるクラッチ15
の接続処理について第8図を(D)を基に説明する。ま
ず、クラッチ15がオン(接続)しているか判定され(ス
テップC21)、オンしていない場合には本願に係る先願
(実願昭63-10707号)に記載された方法によりクラッチ
オン信号が出力されてクラッチ15を接続する処理が行な
われる(ステップC22)。そして、クラッチ15がオン
(接続)している場合には、排気ブレーキ解除用リレー
をオフし(ステップC23)、DELFLGに「1」が設定され
た後(ステップC24)、上記ステップC2の処理に戻り、
再度上記ステップC21の処理でクラッチ15がオンしてい
ると判定されると、DELFLGが「1」である場合には1秒
経過した後にクラッチホールドする処理が行なわれてDE
LFLGが「0」とされ、そしてCLFLGが反転される(ステ
ップC25〜C28)。
また、DELFLGが「1」でない場合およびDELFLGが「1」
であって、1秒経過していない場合には、前述したクラ
ッチオン信号が出力される(ステップC29)。このCLFLG
は動作の当初で説明したように電磁弁X1,X2あるいは電
磁弁Y1,Y2を交互に使用するために反転される。
ところで、上記ステップC20の判定でギヤ位置がN1であ
ると判定されるとMVQ111をオフにし、アクセル擬似信号
電圧用リレーをオフにした後、上記C2の処理に戻る(ス
テップC33,C34)。
上記ステップC19の判定で、ギヤ位置がニュートラル以
外であると判定された場合には、車速センサの機能をチ
ェックし(ステップC35)、この車速センサ機能に異常
がある場合、つまりPPFLGが「1」である場合、発進時
での車速が低いことを踏まえ、クラッチ回転数NCLを規
定値と比較する(ステップC36)。車速センサの機能が
正常である場合、および発進時における車速である場合
には、スタータ可能リレーをオフ(ステップC37)およ
び、アクセル擬似信号電圧用リレーをオンにしてAUSル
ーチンに移行する(ステップC38,C39)。
AUSルーチンはその詳細を説明しないが、例えば、ホイ
ールブレーキ107を作動するためのルーチンとされてお
り、概略的には、クラッチ回転数が規定値であるか否か
を判断し、これによって、AUSルーチンであることに基
づいてホイールブレーキ用の電磁弁MVQがオンにセット
され、この状態で例えばばドアが開かれるような発進態
位にふさわしくないのチェックが行なわれるようになっ
ている。このようにして、坂道発進補助機能AUSが働か
されてホイールブレーキ107がきかされている場合にド
ライバーがドアをあけて自動車から離れるのを防止して
いる。クラッチ回転数NCLが規定値を越える場合あるい
はサイドブレーキを十分に引いていない場合、あるいは
AUSSWがオンされていない場合にはメインのフローに戻
る。
AUSルーチンが終了したら、サイドブレーキの作用を意
味するPARがオンしているか判定され(ステップC40)、
オンしていない場合、つまり、サイドブレーキが作用し
ていない場合にはクラッチ15をLE点直前まで動かすCLLE
ルーチンに移る(ステップC41)。
そして、本実施例にあってはサイドブレーキを作用する
ことによって行なわれるPARがオンしている場合には、
サイド発進判断ルーチンを実行される。
すなわち、このルーチンにおいて、まず、サイドブレー
キの解除による発進であるかをより正確に判断するため
にサイドブレーキがかけられている状態でアクセルが規
定以上の開度にあるかを判断し(ステップC2000)、規
定開度以上である場合には坂道発進時を示すSBFLGを
「1」にセットし(ステップC2001)、クラッチを切る
発進禁止処理が実行されて(ステップC2002)、ステッ
プC2以降のステップを繰り返す。
一方、ステップC40においてPARがオンしていないときに
行なれるCLLEルーチンは第9図に示すようにLE点までク
ラッチ15が接続されてLEFLGが「1」となっているかを
判断し、LEFLGが「1」となっている場合にはLE点まで
クラッチ15が接続されているので、クラッチ15をホール
ドしてメインのフローに戻る(ステップF1〜F3)。ま
た、LEFLGがクリアとなっている場合には第9図(E)
示のクラッチオン処理よりクラッチ15をLE点まで接続し
てメインのフローに戻る(C21〜29)。
CLLEルーチンが終了したら、下り坂発進のための処理が
実行され、この処理ではクラッチ回転数が50rpm以下で
あるか否かを判断し(ステップC42)、その回転数以下
である場合にはZEROFLGを「1」にし(ステップC43)、
その回転数以上である場合はアクセル開度をチェックし
て(ステップC44)、そのアクセル開度が10%以上であ
る場合にはZEROFLGをクリアして(ステップC45)、車体
が停止状態にないことを判断する。
一方、第8図(A−2)のステップC44において、アク
セル開度が10%以上でない場合には、アクセルを踏まず
にクラッチを繋ぐための処理が行なわれる。
すなわち、第8図(F)においてこの処理は、アクセル
開度が10%以上にない場合DHFLGを判断し(ステップC4
6)、当初はイニシャライズによりDHFLGが「0」である
のでこの場合は「DHILL1」で示す処理を実行する。この
DHILL1ルーチンにおいては、第8図(F)に示すよう
に、ONFLGが初期化により「0」である場合には(ステ
ップC300)、ZERO-FLGが「0」であるか否かを判断して
(ステップC301)、ZEROFLGの判断に応じてクラッチ回
転数を規定値と比較する(ステップC303,C304)。
なお、規定値の大小関係は規定値2>規定値4とされて
いる。そして規定値との比較結果に応じて発進ルーチン
に戻る。
また、ONFLGが「0」でない場合には(ステップC30
0)、ZEROFLGを判断したうえで(ステップC305)、ONFL
Gが「1」の時に比較した規定値2、規定値4のヒステ
リシステムとして設定された規定値1、規定値3とクラ
ッチ回転数が比較されて発進ルーチンに戻る(ステップ
C306C,307)。
そして、前述したステップC46において、DHFLGが「1」
である場合には、第8図(G)示においてONFLGのセッ
トを判定して(ステップC400)、セットされている場合
にはDHFLGを「1」とし、エンジンの回転数(NE)を規
定値(600rpm)と比較し、その規定値にない場合にはそ
の回転数が下り坂発進の後、ローアイドルのまま走行し
ているか否かを判定する(ステップC403)。ローアイド
ルではステップC48に進み、そうでないとステップC406
で、アクセル擬似信号VACを現段階で踏み込まれている
アクセル開度相当電圧VAに置き換える。
一方、ステップC400においてONFLGがクリアされている
場合、換言すれば、初期化後には、DHFLGをクリアし
(ステップC404)、VAC戻し用タイマーフラグをセット
して(ステップV405)、メインルーチンに移行する。
一方、ステップC45終了後、クラッチ回転数が規定値で
あるか否かを判断し(ステップC47)、規定値よりも小
さい場合にはONFLGを「0」にし、規定値以上の場合に
はクラッチの接状態を促進する。
すなわち、クラッチ回転数が規定値以上である場合に
は、第8図(H)示においてONFLGの判断をし(ステッ
プ500)、下り坂においてクラッチを繋ぎ初めの状態に
ない場合には、下り坂発進時車両が動き始めてからのタ
イムラグ用のカウンタNCNTが「80」に達したかどうかを
判定し(ステップC501)、その値が「80」の場合にはク
ラッチNCNTをクリアして(ステップC502)、回転数が変
化しているか否かを判別する(ステップC503)。そして
クラッチ回転数の変化が規定値を超える向きに変化して
いる場合にはONFLGを「1」とする(ステップC504)。
なお、ステップ500においてONFLGが「1」の場合には車
両が下り坂発進の態勢にあるとしてNCNTをクリアしてス
テップC504に進む。
また、NCNTが80にない場合およびクラッチ回転数が上昇
していない場合には発進ルーチンに戻る。
そして、上述したステップC504においてONFLGが「1」
とされるとクラッチ15が繋ぎ始められ、アクセル開度を
判定し(ステップC505)、その開度が10%以下である場
合にはアクセル擬似信号出力電圧をクラッチ回転数相当
電圧にセットし(ステップC506)、そして開度が10%以
上である場合にはアイドル相当の電圧に今回と前回との
アクセル開度に応じた電圧との差を加えた値をアクセル
擬似信号電圧として補正する(ステップC507)。
また、この状態においてエンジン回転数とクラッチ回転
数との差を判定することでクラッチの接続が行なわれた
かを判断し(ステップC508)、回転数が規定値(50)以
下の場合にはクラッチが「接」移行にあるとしてDOFLG
を「1」とする(ステップC509)。
一方、ステップC508において回転数の差が「50」以下で
ない場合には、クラッチ15を「接」とすべきフラグであ
るDOFLGを判定し(ステップC510)、そのフラグが
「1」の場合には上述した回転数との差を再度判定する
(ステップC511)。
また、DOFLGが「1」にない場合およびDOFLGが「1」で
あって回転数差が規定地位上である場合には、DOFLGを
クリアして(ステップC521)、クラッチストローク設定
のためのデューティ比を規定値に設定して(ステップC5
13)、クラッチデューティ信号を出力する(ステップC5
14)。従って、このような処理において下り坂での発進
時、クラッチ15はアクセルが踏み込まれなくても自動的
に接続されることになる。
そしてこの状態は、0.5秒のタイムラグを設けることで
トルクの急激な変化のないスムーズなクラッチの接続が
保障され、このタイムラグの判定(ステップC515)後、
クラッチオン信号出力される(ステップC516)。
なお、前述したステップC501において、NCNTが「80」で
ない場合、カウントアップが行なわれる(ステップC51
7)。
また、NCNTが「80」に達しておらず、かつ回転数の差が
20rpm以下である場合、換言すれば、下り坂発進でない
場合に、およびC44においてアクセル開度が10%以上で
ある場合には第8図(A−2)のステップC48に進み、O
NFLGがクリアされる。
次に、アクセル開度が例えば10%以上のように規定開度
以上であるかを判断し(ステップC49)、規定値以上の
場合には車両の発進時にクラッチが接続されトルクが伝
達したことによりエンジン回転数NEがピーク点を迎えた
か否かを判定し(ステップC50)、PFLGが「0」でない
場合は、VFLGの判定を行なう(ステップC51)。VFLGが
「0」にない場合には微動発進処理、そしてVFLGが
「0」にない場合には通常発進処理をそれぞれ実行す
る。
一方、アクセル開度が規定値を超えていない場合にはサ
イドブレーキ用のSBFLGをクリアして(ステップC52)、
発進待機処理を実行して(ステップC53)、C2以降の処
理に移る。
一方、上述したステップC50において、PFLGが「0」で
ある場合、ピーク点を迎えていないと判断され、VACMAK
E処理が行なわれる。VACMAKEルーチン(ステップC300
0)においては、サイドブレーキ発進か否かを示すSBFLG
が「1」であるか判定され(ステップC3000-1)、
「1」の場合にはアクセル擬似信号VACを現段階で踏み
込まれているアクセル開度相当電圧VAに置き換え(ステ
ップC3000-2)トルクの落ち込みを抑える。また、SBFLG
が「1」でない場合には、後述するVAC作成処理が実行
される(ステップC3001)。
このVAC作成処理では、例えば、第8図(I)に示すよ
うに、VAC用リレーをオンにして電磁アクチュエータ25
にコントロールラック23の制御信号を出力できるように
し、後述するように第16図において詳しく説明されると
ころの、ACiNルーチンと称される処理によってアクセル
開度相当電圧VAが求められる。そして順次、アクセル擬
似信号電圧VACをVA-(VA-V3)×1/8、VA-(VA-V3)×1/4、V
A-(VA-V3)×3/8、VA-(VA-V3)×1/2に設定して一定時間
(例えば0.09秒)毎に出力する。
これはアクセル擬似信号VACを一気に落さずに、段階的
に低下させることで変速ショックの軽減を図っている。
その後、アクセル擬似信号VACが解除されたことを示すV
FLGをリセットする(ステップC3001-1〜3001-12)。
従って、上述した処理において、サイド発進時には、エ
ンジンの回転数がアクセル擬似信号でなく、アクセル開
度相当電圧に基づいて設定されることになる。
ところで、実施例にあっては、第8図(I)に示したV
AC作成ルーチンを基に、そのプログラムの内容を一部変
更して後述する変速時でのクラッチの切り動作に要する
時間を短縮化するようにしてある。
すなわち、第8図(I−1)はこのためVAC作成ルーチ
ンを示すものであって、ステップQ1〜Q2までは第8図
(I)と同様であり、次いでアクセル開度の初期値(VA
0)及びアクセル擬似信号電圧(VAC)を現段階でのアク
セル開度相当電圧(VA)に更新して記憶設定する(ステ
ップQ4)。
そして第16図において説明するACiNルーチンが行なわれ
(ステップQ5)、現段階でのアクセル開度相当電圧VA
アイドル回転相当電圧V3との差の1/8が「0」であるか
を判定される(ステップQ6)。この判定において「0」
の場合には、エンジン側での回転数NEの上昇が無い状態
と判断され、クラッチの切り動作の準備に移行する。
一方、上述したステップQ6においてエンジン側の回転数
が上昇している場合には、アクセル擬似信号電圧VACをV
A-(VA-V3)×1/8に設定すると共に、その電圧VACがアイ
ドル相当電圧V3に相当していない場合に一定時間のタイ
ムラグを設けて出力する(ステップQ7〜Q9)。上述した
アクセル擬似信号電圧VACがアイドル相当電圧V3にあれ
ばクラッチの切り動作準備に移行する。
そして、再度、アクセル擬似信号電圧VACが階段状に出
力され(ステップQ10)、クラッチ回転数NCLが規定値以
下にあるかを判定される(ステップQ11)。このクラッ
チ回転数NCLが規定値でない場合にはステップQ5〜Q11が
繰り返され、クラッチの切り動作が行なわれる。そして
ステップQ12において、クラッチ15が切れたかを判定
し、切れた場合にはアクセル擬似信号電圧VACをアイド
ル相当電圧V3とし(ステップQ13)、アイドル擬似信号
電圧VACを解除する。一方、クラッチ15が切れていない
場合には、クラッチ切信号出力ルーチンを実行し(ステ
ップQ15)、前述したステップQ7〜Q9と同様な処理をク
ラッチ15が切れるまで実行する(ステップQ16〜Q18)。
このように、エンジン回転数に上昇変化が無い場合、そ
のアクセル擬似信号戻し段階においてクラッチ15の切り
動作を行なうことで一旦、エンジン側がアイドル回転数
に達してからクラッチを切るようにしたのに比べ、クラ
ッチの切り動作を開始するまでの時間を短縮できること
になる。
一方、第8図(E)のVACMAKEルーチンを終了すると、
第8図(A−2)のステップC3002に進み、エンジン回
転数NEの変化を判定し、上昇し、所謂、正方向の変化で
ある場合にはSEFLGを「1」にして(ステップC3003)、
再度、SEFLGが「1」であることを判定する(ステップC
3004)。
そして、ステップC3004において、SEFLGが「1」の場
合、第8図(O)のステップD100に進み、後述するクラ
ッチストロークが(LE-α′)より小さい時は、VACMAKE
ルーチンで得られるVACに応じたクラッチ接続用のデュ
ーティ比が決定されて(ステップD102)、そのデューテ
ィ比によりエンジンの回転がピークを迎えたかを判断す
る(ステップE100)。そして、ステップE100において、
ピーク点を迎えたことを判断すると、更新されたデュー
ティ比によるクラッチストロークの判定が行なわれる
(ステップE101)。
このストローク判定は、第10図に示すように、更新前の
アクセル擬似信号電圧VACによって得られるLE点よりも
「接」側に偏った、換言すれば、繋ぎ具合が大きくなる
状態の(LE-α)点を基準とし、この(LE-α)点よりも
クラッチの「接」側の範囲にストロークがあるかにより
行なわれる。従って、このように新たなLE点を設定して
現段階でのクラッチストロークを判定することは、登坂
道等でより確実で迅速なクラッチの繋ぎを促進して車体
の発進を早めるのに効果がある。そしてクラッチストロ
ークがクラッチの接側(LE-α)に在ると判定した場合
には、クラッチの接続が開始されているので、ホイール
ブレーキの解除等の処理が行なわれて発進する(ステッ
プE102)。
また、ステップE101において、ピーク点を迎えていない
場合にはC2以降の処理に移行する。
また、ステップ3004でSEFLGが、「0」、即ち、エンジ
ン回転が下降していると判断された場合には、前述のク
ラッチ接続処理を行なわずループされる。
このような本実施例によれば、エンジン回転が降下して
いる場合にはクラッチの接続は行なわれず、エンジン回
転が上昇してから行なわれ、かつ、サイドブレーキ発進
である場合には、エンジンの回転をアクセル擬似信号に
よって設定するのではなく、現段階でのアクセル開度相
当電圧によって設定するので、エンジン回転の上昇も早
く、更に、クラッチ接続によるトルクの減少を抑えて車
両のずり下がりを防止できる。
ところで、本実施例にあっては、発進時のクラッチ接続
時において、アクセル踏み込み後、アクセル擬似信号電
圧に応じたデューティ制御によってクラッチを接続した
場合、アクセル踏み込み量が少ないとデューティ比も小
さいため、実際のトルク伝達が行われるまで、換言すれ
ば、エンジン回転がピークを迎えるまでの時間が長くな
ることを防ぐための処理が行なわれるようになってい
る。
すなわち、この処理は、アクセル踏み始めのデューティ
比をアクセル踏み込みによって設定された値よりも大き
くすることで、クラッチ接続時間を短縮する。
つまり、第10図において、アクセル踏み込むと、クラッ
チは、LE点から接続されてくるが、LE点から若干クラッ
チ接続側の位置(LE-α′)までを早くつなげることで
ピークまでの時間を早くする(第10図中、符号Tで示す
範囲の差だけ早くなる)。
従って第8図(O)において、ステップD100では、クラ
ッチストロークを比較し、(LE-α′)より大きい場
合、つまり、クラッチが切れ方向にある場合には、デュ
ーティ比は、固定された値に設定される(ステップD10
1)。
一方、上述したクラッチストロークが(LE-α′)以下
になった場合には、デューティ比は、アクセル擬似信号
に応じた値に設定される(ステップD102)。
また、本実施例にあっては、エンジン回転数NEがピーク
点を迎えたことを判断する場合、エンジン回転が低下し
たことに基づいて判断を行う場合に生じる誤判断を防止
することが行なわれている。
すなわち、エンジンの回転低下のみをピーク判断の要因
とした場合には、エンジン回転を検知するデータライン
にノイズ等が飛び込んだとすると、クラッチ15が十分に
接続していないにも拘らず、例えば第10図中、符号δで
示すように、エンジン回転数のデータ上に落ちこみが生
じ、これによってピーク判断と同じ状態とされ、実際の
クラッチ接続までに至る時間が長くなるので、発進動
作、つまりトルク伝達されて車両が動くまでの時間が長
くなり緩慢なクラッチ接続となる印象は否めないことに
なる。しかも、最悪の場合にはエンジン回転が上昇して
いるのに対し、なかなかクラッチが接続されないことも
ある。
そこで、本実施例にあっては、エンジン回転のピークと
クラッチストロークをチェックしてクラッチストローク
の変化により実際のエンジン回転のピークを判断するよ
うにしてある。
第8図(O)におけるステップE100では、第10図示のよ
うにエンジン回転数NEの最大値が例えばδ=30rpm低下
する向きに変化したかを判定し(ステップE100)、この
判定において回転数が低下している場合には、例えばク
ラッチストロークにおいて、LE点よりもクラッチ15の接
態位に近くなるのに相当する点(LE-α)をクラッチス
トロークでのしきい値として設定し、そのストロークよ
り実際のストロークが少ないか否かを判断して(ステッ
プE101)、そのストローク以下である場合には、ホイー
ルブレーキの解除をして発進すべく、電磁弁MVQ111をオ
フ(ステップE102)。
また、上述したエンジン回転数の低下が判定された際、
クラッチストロークが規定値(LE-α)以下にない場合
には、ピーク判断のためのエンジン回転の最大値をクリ
アしてステップC2の処理にもどる(ステップE101-1)。
そして、ホイールブレーキを解除した場合にはクラッチ
ストロークをホールドし(ステップE103)、エンジン回
転数がピーク点を迎えたとするPFLGを「1」にセットす
る(ステップE104)。
これによって、エンジン回転数におけるピーク点の真偽
が判断され、この際のピーク点はエンジン11の出力軸13
がクラッチ15を介して歯車式変速機17の入力軸39の回転
として駆動輪側へ動力が伝達され始めることにより低下
するために生じたものとされる。
そして、PFLGを「1」に設定した後、この発進がパワー
レンジであるか否かを判断し(ステップE105)、パワー
レンジである場合には通常発進処理に移行する。
一方、パワーレンジでなければ、SBFLGが「1」である
か否かを判定して(ステップE106)、サイドブレーキを
持用いた坂道発進(サイド発進)である場合にはアクセ
ル差電圧ΔVを現アクセル開度相当電圧Vaとアクセル擬
似信号電圧VACとの差とし(ステップE112)、発進時に
エンジン回転数がピーク点を迎えた際の現アクセル開度
相当電圧Vaが所定以上であるとし(VFLG=1)(ステッ
プE113)、通常発進処理に移行する。
また、サイド発進でない場合には、カウンタVCNTを「5
0」に設定し(ステップE107)、ギヤの位置が「R」で
あるか否かを判定し(ステップE108)、ギヤの位置が
R、R以外それぞれにつきアクセル開度が設定値以上で
あるかを判定する(ステップE109,E110)。
このアクセル開度の比較は、クラッチの繋ぎを徐々に行
ない、所謂、半クラッチ状態を継続する微動発進(開度
=50%)ととクラッチの繋ぎを早くして車両の移動を迅
速に行なう通常発進(開度=80%)とを区別するために
行なわれ、ギヤ位置が「R」になく、アクセル開度が50
%以上にない場合にはパワーレンジでない微動発進であ
るのでVFLGをクリアして(ステップE111)微動発進処理
に移行する。一方、ギヤ位置が「R」にある場合に
は、アクセル開度が80%以上であれば、アクセル開度電
圧の差を更新し(ステップE112)、かつ通常発進である
VFLGを「1」に設定して(ステップE113)通常発進処理
に移行する。
上述した微動処理は、例えば車庫入れ等のように、車両
の微動の際に、アクセル開度に応じたクラッチストロー
クを設定し、徐々にクラッチをために行なわれる。
すなわち、この処理においては、第8図(J−1),第
8図(J−2)に示すプログラムにより、アクセル開度
が10%以上であるか否かを判定し(ステップF100)、エ
ンジン側とクラッチ側とで回転数の差が50rpm以下であ
るかを判定し(ステップF101)、これによってクラッチ
15の繋がり状況を判断する。
そして、ステップF100においてアクセル開度が10%以上
である場合には、エンジン回転数NEとクラッチ回転数N
CLとの差の絶対値が50rpm以下か否かを判断する(ステ
ップF101)。このステップにおいて両回転数間の差の絶
対値が50rpm以下で、所謂エンジン側とクラッチ側との
同期の判断がなされると、スリップ等の原因となる急峻
なクラッチの接続を避ける処理に移行する。
すなわち、クラッチ15が接方向に移行すると、DOFLGが
「1」に設定され(ステップF101)、SVAOに現アクセル
開度相当電圧Vaを設定し(ステップF103)、クラッチ側
でのON用デューティ比を規定値に設定して(ステップF1
04)、クラッチデューティ信号を出力する(ステップF1
05)ことで、徐々にクラッチが接続され始める。そし
て、上記クラッチデューティ信号出力処理により、クラ
ッチ15がデューティ制御によって繋ぎ始めからt1秒経過
したか判定され(ステップF106)、t1秒経過後には前に
述べたクラッチオン信号出力ルーチンが実行されて(ス
テップF107)、クラッチ15が接続される。
そして、クラッチ15が繋がったか否かを判定され(ステ
ップF108)、繋がった場合には排気ブレーキ解除用リレ
ーをオフにし(ステップF109)、LEFLG,RFLG,NELFLGが
クリアされた後(ステップF110)、CLFLGが反転されて
(ステップF111)、メインのフローにリターンする。
一方、上述した微動発進処理の前後において、エンジン
回転とクラッチ回転が同期していないと判断した場合に
は、MFLGを判定しクラッチストロークに対する処理が行
なわれる(ステップF114〜F117)。
すなわち、上述したクラッチストロークは、本実施例の
場合、クラッチ15を操作するエアアクチュエータ33のブ
ッシュロッドストロークを意味し、このストローク量を
電圧(SVC)によって採り出している。
そして、MFLGが「1」の場合、つまり、目標ストローク
に達していると判断されているにも拘らず、実際にはま
だ駆動軸側へのトルク伝達が行なわれていない場合に
は、目標ストロークの基準点をアクセル開度10%時のLE
点とした場合のストローク変化が得られる電圧値(SV
C)を第11図示のようにクラッチ15の接方向に変化させ
て(第11図中、「CSVS−規定値」で示す状態)、接続を
確実化させる(ステップF116)。従って、このように目
標ストロークを変更することで、クラッチ15が実際に繋
がるのを保障する。
そして、このストローク変更に応じておよび、MFLGがク
リアされている時には目標ストロークを計算され(ステ
ップF117)、50msec毎のエンジン回転数の変化量ΔNE
40rpm以上であるか否かを判断される(ステップF11
8)。
前述したステップC55において得られる目標ストローク
をLE点とした後の処理としても、この変化量ΔNEが40rp
m以上か否かの判定が行なわれる(ステップF118)。
ところで、上記ステップF118の判定で、エンジン回転数
NEの変化量ΔNEが40rpmを越えない場合にはエンジン回
転数NEが400rpmを下回ったかを判断し(ステップF12
4)、400rpmより下の場合には、クラッチオフデューテ
ィ信号を出力してクラッチ15のクラッチ板31をフライホ
イール29と反対側にストロークさせ、NEFLGを1にする
(ステップF125〜F127)。なお、ここでNEFLGを1にし
たため、次にエンジン回転が下がっていることを判断す
る回転は、410rpmとなり(ステップF120)、410rpm以上
となると後述するクラッチストローク設定処理後、上述
したアクセル開度が10%以上かを判断する処理(ステッ
プF128)に移行する。
また、上記ステップF118の判定で50msec毎のエンジン回
転数NEの変化量ΔNEが40rpm以上であると判定された場
合には、クラッチオフデューティ信号を出力した後アク
セル開度が10%以上か否かを判断し(ステップF128)、
10%を越えない場合にはアクセル擬似信号電圧VACをAD
値で「51」として上記ステップC2の処理に戻り、アクセ
ル開度が10%以上の場合にはVACMAKE2ルーチン(VACMAK
E1のステップD1がVCUT=50か否かの判断に代わる点以外
は同様の処理が成される)を行なってエンジン回転数を
過度に上昇させないよう制御し、ステップC2の処理に戻
る(ステップF129〜F130)。
上述したクラッチストローク設定処理は、アクセル開度
に対応させてクラッチの接断を迅速に行なうための処理
であり、これを実現するためのクラッチストロークの監
視を行なっている。
すなわち、上記ステップF123でNEFLGをクリアした後に
は、第8図(K)示のように、クラッチストローク(本
実施例ではクラッチ15を操作するエアアクチュエータ33
のブッシュストローク量を電圧SVCで表示)がクラッチ1
5の半クラッチ状態を規定する目標値となっているかを
判断し(ステップG100)、クラッチストロークが目標値
より大きい場合(過遮断の場合)にはクラッチデューテ
ィ信号を出力して(ステップG101〜G103)クラッチ15の
クラッチ板31をフライホイール29側(接続側)にストロ
ークさせ、上述したアクセル開度が10%以上か否かを判
断する処理(ステップF128)に移行する。
ここで、ステップG100とステップG103との間において、
クラッチ15の作動方向すなわちエアシリンダ33作動方向
が遮断側から接続側へ切り換えられる場合について説明
する。クラッチアクチュエータ33のエア圧・ストローク
特性には第12図に示す様なヒステリシス特性があり、作
動方向切換時のデューティ比が小さいとヒステリシス分
遅れが生じ、実際にクラッチストロークが動くまでに時
間がかかる。
そこで、第8図(L)示のように、その切換えが行なわ
れたか否かを判定し(ステップG201-1)、この切換えが
なされている場合には作動方向が切換えられたクラッチ
15のストロークの変化量(ΔSVC)が規定値A(クラッ
チ板31が移動したと判断される変化量)より大きいか否
かを判定し(ステップG102-2)、作動方向を切換えたと
きにクラッチ板31が移動していないとされる「NO」の場
合には通常のデューティ比より大きいデューティ比(規
定値)を設定してクラッチデューティ信号を出力し、
(ステップG102,G103)、これによってエアシリンダ33
のエア圧排出率を通常より大きくしてクラッチ15の接続
方向への移動を迅速に実現する。
また、上記の判断(ステップG102-1,G102-2)におい
て、クラッチ15の作動方向の切換がなされていない場合
又はクラッチ15がすでに移動したとされる場合には、第
13図に示したヒステリシスの影響を考慮する必要が無い
ので通常のデューティ比(規定値)を設定して(ステッ
プG102-3)、通常のエア圧給排率によりクラッチ15をス
トロークさせる。
一方、上記ステップG100の判定で、クラッチストローク
(SVC)が目標値よりも小さいと判定された場合(過接
続の場合)には、第8図(K)において、クラッチオフ
デューティ信号を出力して(ステップG201〜G203)、ク
ラッチ15のクラッチ板31をフライホイール29と反対側
(遮断側)にストロークさせ、ステップF128に移行す
る。
ここで、ステップG100とステップG203との間において
も、クラッチ遮断側から接続側にしたときと同様に、第
8図(M)示のように、クラッチ15の作動方向が接続側
から遮断側へ切換えられたか否か判定し(ステップG201
-1)、この切換えがなされている場合にはクラッチスト
ロークの総変化量(ΔSVC)が規定値(クラッチ板31が
移動したと判断される変化量)より大きいか否かを判定
する(ステップG202-2)。
クラッチ板31が移動していないとされる「NO」の場合に
は通常のオフデューティ信号を出力して(ステップG202
-2,G202-3)、これによってエアシリンダ33のエア圧供
給率を通常より大きくしてクラッチ15の遮断方向への移
動を迅速に実現する。
また、上記の判断(ステップG202-1,G202-2)におい
て、クラッチ15の作動方向の切換えがなされていない場
合又はクラッチ15がすでに移動したとされる場合には、
第12図に示したヒステリシスの影響を考慮する必要が無
いのでアクセル開度が10%以上か否かを判断し(ステッ
プG202-4)、10%以上の場合には通常のオフデューティ
比(規定値)を設定して(G202-5)、通常のエア圧給排
率によりクラッチ15をストロークさせる。10%を越えな
い場合にはMFLGを0にする。
上記のように、クラッチストローク(SVC)が目標値に
一致していない場合にはエアシリンダ33へのエア圧の給
排によりクラッチ15をストロークさせて目標値に一致さ
せるのであるが、クラッチストロークの作動方向が切換
えられて第12図に示したヒステリシスの影響が常時ある
場合にはデューティ比もしくはオフデューティ比を通常
より大きくしてエアシリンダ33へのエア圧の給排率を通
常より大きくし、ヒステリシスの影響を減少させた状態
で迅速にクラッチ15をストロークさせることができる。
また、第8図(K)のステップG100の判定で、クラッチ
ストロークと目標値とが等しくなった場合には、現アク
セル開度相当圧Vaと規定値との比較を行ない(ステップ
G301)、これが規定2に満たない場合にはMFLGをクリア
にし(ステップG302)、クラッチ15接続用のエアシリン
ダ33を現状のまま(ホールド)(ステップG303)にして
アクセル開度が10%以上かを判断する処理(ステップF1
28)に移行する。
また、ステップG301において現アクセル開度相当電圧Va
が規定値以上の場合には、クラッチ回転数センサ41で検
出したクラッチ回転数NCLと規定値との比較を行ない
(ステップG401)、これが規定値以上すなわち実際に車
両が微動しているときにはMFLGをクリアにし(ステップ
G402)、クラッチ接続用のエアシリンダ33を現状のまま
ホールド(ステップG303)にしてステップF128移行の処
理に移行する。
また、ステップG401においてクラッチ回転数NCLが規定
値に満たない場合すなわち車両を微動させようとしてい
るもに拘らず実際に車両が微動していない場合には、MF
LGを「1」にした後(ステップG403)にステップF128以
降の処理に移行する。
すなわち、MFLGが「1」である状態で発進フローが再度
実行され、第8図(J−1)に示すステップF116におい
て目標ストロークを定める定数CSVC(CSVC規定値)に置
換えられ、この目標ストロークが規定値による割合で減
少(クラッチがさらに接続側となる状態)される。従っ
て、後のステップG100における目標値よりも実際のクラ
ッチストロークが大きいこととなり、クラッチ板31がフ
ライホイール29側にストロークされてクラッチ回転数
(クラッチ板の回転数)NCLが増大し、この回転が歯車
式変速機17に入力されて車両が微動する。
一方、通常発進処理では第8図の(O)のステップE113
においてVFLGを「1」にした後、第8図(J−2)にお
いて、アクセル擬似信号電圧VACからアクセル開度相当
電圧VAの変化量ΔVを引いた値に置き換える(ステップ
H100)。なお、この置換処理は前述した上記ステップC5
1においてVFLGがクリアされていないと判断された場合
にも行なわれ、この処理が通常発進時のアクセル擬似信
号電圧出力機能となっている。
次に、第8図(J−2)において、エンジン回転数NE
クラッチ回転数NCLとの差の絶対値が50rpm以下か否かを
判断し(ステップH101)、50rpm以下の場合にはDOFLGを
「1」とし(ステップH102)、エンジン回転数NEとクラ
ッチ回転数NCLとが同期していると判断して現アクセル
開度VaをSVaOとし、デューティ比を設定してクラッチデ
ューティ信号を出力する(ステップH103〜H105)。
そして、クラッチデューティ信号を出力してからt2秒経
過後(ステップH106)に、上記したステップF107〜F111
の処理が行なわれて、クラッチ15が接続される。上記ス
テップF107においてクラッチオン信号を出力する通常発
進の場合のクラッチ接続機能となっている。上述したH1
02〜H106の処理はエンジン回転のチェックをしながら行
なわれる(ステップAH108〜H110)。
本実施例にあっては、アクセルを強く踏み込んだ場合の
制御として、従来の如く、エンジン回転の変化をある範
囲内に納めるようにすることに加えてエンジン回転が設
定した値によりも上昇した場合には、強制的にクラッチ
を繋ぐ処理が行なわれる。
すなわち、上記ステップH101において、エンジン回転数
NEとクラッチ回転数NCLとの差の絶対値が50rpmを越えて
いると判定された場合には、そのエンジンの回転をチェ
ックするリミッタ機能を持たせてあり、第8図(N)示
のように、エンジン回転数NEが1500rpm以上であるか否
かを判断し(ステップJ100)、1500rpm以上と判断され
た場合には、LimFLGをセットして(ステップJ101)、ク
ラッチストロークに対するデューティ比を、現アクセル
開度相当電圧から規定値を差し引いた値に設定する(ス
テップJ102)。
このデューティ比はエンジン回転NEが1400rpm以下と判
断されるまで(ステップJ104)出力される。これは、エ
ンジン回転数がある程度高くなると、ある回転数の範囲
でクラッチがホールドされしまい、結果としてエンジン
回転をあげてクラッチを繋ぐ状態にあるにも拘らず、ク
ラッチの接方向でのストロークが固定されるので、この
ような状態において起こる無駄な回転上昇を抑え、ま
た、ホールド状態により生じるクラッチ15での滑り摩耗
等の機構上の問題を解決するためである。
一方、上記ステップH101において、エンジン回転数NE
クラッチ回転数NCLとの差の絶対値が50rpmを越えている
と判定された場合には、その後、車両発進時のエンジン
回転数NEが400rpmを下まわったかを判断し(ステップJ1
11)、400rpmより下の場合には、クラッチオフデューテ
ィ信号を出力してクラッチ15のクラッチ板31をフライホ
イール29と反対側にストロークさせNEFLGを1にする
(ステップJ112〜J114)。なお、ここでNEFLGを1にし
たため、次にエンジン回転が下がっていることを判断す
る回転は、410rpmとなり(ステップJ107)、410rpm以上
となると後述するクラッチストローク制御処理に移行す
る。
ステップJ110に達すると、NEFLGをクリアした後、50mse
c毎のエンジン回転数の変化量ΔNEが−5rpm以下か否か
を判断し(ステップJ116)、−5rpm以下の場合車両発進
時に変化量ΔNEが上昇していると判断した(XFLG=1)
後(ステップJ117)、変化量ΔNEが−5rpm以上であるか
否かを判断する(ステップJ118)。
このステップJ118で「NO」と判定、つまり変化量ΔNE
−5rpmを越えない場合、すなわち急にエンジン回転数NE
が低下しない場合にはデューティ比をVACに応じた値か
ら規定値を減算した値に設定し(ステップJ119)、その
デューティ比によりクラッチデューティ信号を出力して
(ステップJ122)、クラッチを徐々に接続した後、上記
ステップ2の処理に移行する。
上記ステップJ118の判定で、50msec毎のエンジン回転数
NEの変化量ΔNEが−5rpm以上と判定された場合、すなわ
ち、急にエンジン回転数NEが低下した場合には、XFLGを
クリアして(ステップJ123)クラッチ接続用のエアシリ
ンダ33を現状のまま(ホールド)(ステップJ124)にし
て前述したステップC2の処理に移行する。
一方、ステップJ116の判定で、変化量ΔNEが−5rpmを越
えると判定された場合にはXFLG「1」か否かを判断し
(ステップJ125)、XFLGが「1」の場合に上述した変化
量ΔNEが−5rpm以上か否かの判断を行ない(ステップJ1
18)、XFLGが「1」となっていない場合には変化量ΔNE
が30rpm以上か否かを判断する(ステップJ126)。30rpm
以上の場合には車両の発進時の変化量ΔNEが急低下した
と判断し(YFLG=1)(ステップJ127)、変化量ΔNE
30rpm以下かを判断する(ステップJ128)。
一方、上記ステップJ126の判定で30rpmを越えないと判
定された場合にはYFLGが「1」かを判断し(ステップJ1
29)、YFLGが「1」となっている場合には上記したステ
ップJ128に進んで変化量ΔNEが30rpm以下かを判断す
る。一方、上記したステップJ129の判定で、YFLGが
「1」がなっていない場合にはクラッチ15接続用のエア
シリンダ33を現状のまま(ホールド)、前述したステッ
プC2の処理に移行する。
一方、上記ステップJ128の判定で、50msec毎のエンジン
回転数NEの変化量ΔNEが30rpm以下の場合には、YFLGを
クリアして(ステップJ130)、クラッチ15接続用のエア
シリンダ33を現状のまま作動させて(ホールド)(ステ
ップJ124)、前述したC2の処理に進む。一方、上記ステ
ップJ128判定で、変化量ΔNEが30rpmを越えると判定さ
れた場合には、クラッチオフデューティ信号を出力して
クラッチ15を早めに遮断し、前述したステップC2の処理
に移行する(ステップJ131〜J132)。
そして、始動処理完了後、コントロールユニット71は車
速あるいはクラッチ回転数NCLが規定値を上回っている
場合に第13図(A−1)〜(F)に示す変速処理に入
る。まず、第13図(A−1)のステップH1では第7図
(C)に示したダイグノーシスルーチン(事故診断処
理)が実行され、エラーコード等が設定される(ステッ
プH1)。そして、ダイアグノーシスルーチンにより設定
されたER1FLG〜ER3FLGおよびPPFLGの判定が行なわれる
(ステップ2〜H4)。
まず、ER1FLGあるいはER2-FLGが「1」であると判定さ
れたばあいにはシフトレバーガ“N"(ニュートラル)で
ある場合に(ステップH5)、本願の先願に係る実願昭63
-10707号に記載された方式によりギヤをニュートラルに
する処理がなされる(ステップH6)。
また、ER3FLGが「1」の場合にはチェンジレバーの位置
がDあるいはPWかを判定し(ステップH7)、チェンジレ
バーの位置がDあるいはPWにない場合には、チェンジレ
バーの位置とギヤ位置とが同じか判定される(ステップ
H8)。このステップH8の処理で、位置が同じでないと判
定されるとチェンジレバーの位置が目標変速段に設定さ
れ、後述するステップにおいて、ギヤ位置が目標変速段
に設定される(ステップH9)。
さらに、PPFLGが「1」の場合、つまりニュートラル時
に車速センサエラーを検出した場合には、チェンジレバ
ー位置が“N"かを判定する(ステップH10)。ここで、
チェンジレバー位置が“N"でないと判定されると、ギヤ
を“N"にする前の段が目標設定段とされ(ステップH1
1)、ギヤの現段が目標段に等しいか判定され(ステッ
プH12)、等しくない場合には後述する処理により等し
くされる。このステップH12の処理で等しいと判定され
た場合にはPPFLGがリセットされる(ステップH13)。
一方、上記ステップH10において、チェンジレバー位置
が“N"であると判定されるとタンク切換用電磁弁55がオ
フされる(ステップH14)。そして、クラッチ15がオ
ン、つまり接続されているか判定され(ステップH1
5)、接続されていない場合にはクラッチオン信号が出
力されてクラッチ15を接続する処理が行なわれた後に、
DELFLGが「1」に設定されて(ステップH16,H17)、メ
インのフローに復帰する。
その後、ステップH15の判定に来て、クラッチ15が接続
されていると判定されると、DEFLG=「1」か判定され
(ステップH18)上記ステップH17でDEFLGが「1」に設
定されいる場合にはDEFLGが「1」に設定されてから、
「1秒」経過しているか判定される(ステップH19)。
そして「1秒」経過して初めて、クラッチ15がホールド
されると共にDELFLGがリセットされ、CLFLGが反転され
た後、排気ブレーキ解除用レリーをオフされる((ステ
ップH20〜H22)。
ところで、上記したステップH4の処理後に、本願の先願
にか係る実願昭63-10707号に記載された方法によりVAC
戻し処理が行なわれた後(ステップH23)、チェンジレ
バー61の位置とギヤ位置とが同じであるかを判断する
(ステップH24)。ここで、チェンジレバー61の位置と
ギヤ位置とが同じである場合には、Revパイロットラン
プの消灯操作を行なった後、ブザーをオフにする(ステ
ップH25,H26)。
次に、第13図(A−2)のステップH27に進み、ギヤ位
置がNか否かを調べる(ステップH27)。このステップH
27でギヤがNであると判定された場合には、クラッチ15
接続時の同期の問題は生じないので上記したステップH1
4以降の処理に進んでエアタンク切換用の電磁弁55をオ
フにした後、クラッチを接続する処理が行なわれる。
その後、変速時にアクセル擬似信号電圧VACを出力した
ことを表すGFLGが「1」か否かが判定され(ステップH2
8)、「1」である場合には発進後にVACが解除されたこ
とを表すRFLGが「1」か否かが判定される(ステップH2
9)。そしてアクセル擬似信号電圧VACが出力されている
場合には、アクセル擬似信号電圧VAC段解除用のタイム
ラグを設定した後、上述した実願昭63-10707号記載の方
法によりVAC段解除ルーチンを実行した後、NEWFLG,MAPM
ODE,LFFLGおよびVAFLGがクリアしてからメインのフロー
に戻る(ステップH30〜H34)。
一方、上記ステップH27において、ギヤ位置がNでない
と判定された場合にはステップH35以下のクラッチ15を
同期させるフローに移行する。まず、ENSTFLGが「1」
かを調べ(ステップH35)、ENSTFLGが「1」の時、つま
り車速低下時にエンジン回転数NEがエンスト防止回転数
を下回っている時はクラッチ15を切る処理が行なわれ
る。つまり、クラッチ15が切れていると判定された場合
には、そのクラッチストローク位置がホールドされて、
VAC用リレーをオフにされ、クラッチ15が切れていない
と判定された場合にはクラッチ切信号が出力されて、ク
ラッチが切られる(ステップH37〜H39)。その後、前述
のようにシフトマップ切換用メモリMAPMODEおよびLEFLG
クリアした後、メインのフローに戻る。
これに対し、上記ステップH35においてENSTFLGが「0」
と判定された場合にはエンジン回転数NEとクラッチ回転
数NCLとの差が規定値以下か、つまり同期しているか否
かの判断を行ない(ステップH40)、同期している「YE
S」の場合には前述のように直ちにクラッチ15を接続す
る。
一方、「NO」の場合にはクラッチ15が切れているかを調
べ(ステップH41)、クラッチ15が接続されている時は
そのまま前述のクラッチ接続フローに戻る。ここで、上
記H41で「YES」、つまりクラッチ15が切れていると判定
された場合にはアクセルがオンしているかを調べ(ステ
ップH42)、「NO」の場合、つまりアクセルペダル81が
踏み込まれていない時はクラッチ回転数NCLが規定値以
下で車速が規定値以下であることを条件に発進処理に移
行する(ステップH43,H44)。
一方、クラッチ回転数NCLとエンジン回転数NEとの差が
それらの規定値を上回っている場合には第9図で説明し
たCLLEルーチンを実行して半クラッチ状態とする(ステ
ップH45)。また、上記ステップH42でアクセルがオンの
場合には、走行の意志があるものとみなして、発進処理
は移行せずにそのままCLLEルーチンを実行する(ステッ
プH45)。
その後、クラッチ回転数NCL相当のアクセル擬似信号電
圧VACを出力し、最適デューティ率によりクラッチ15を
接続させて行く(ステップH46〜H48)。そして、変速処
理の最初のところに戻り、これが同期域あるいはクラッ
チ15が接続されるまで繰り返される。
一方、第13図(A−1)のステップH24よりステップH49
に進むと、チェンジレバー61位置がPWレンジあるいはD
レンジであるかが調べられる(ステップH49)。ここ
で、PWレンジが選択されている時は、運転状態に応じた
最適変速段を予め設定した複数のマップに中から1つを
選択する。すなわち、シフトマップ切換用メモリMAPMOD
Eの内容を調べ(ステップH50)、それが「0」の場合、
つまり未だシフトマップが選択されていない時には、図
示しない排気ブレーキを使用しているか否かを判断し
(ステップH51)、排気ブレーキを使用していない場合
には第1のシフトマップを選択してシフトマップ切換用
メモリMAPMODEを「1」とする(ステップH52,H53)。
一方、排気ブレーキを使用している場合にはさらにブレ
ーキペダル69が踏み込まれているか否かを調べ(ステッ
プH54)、ブレーキペダル69が踏み込まれている場合に
は第2のシフトマップを選択してシフトマップ切換用メ
モリMAPMODEを「2」とする(ステップH55,H56)。一
方、そうでない場合には第3のシフトマップを選択して
シフトマップ切換用メモリMAPMODEを「3」とする(ス
テップH57,H58)。
また、現在実行している変速処理において既にシフトマ
ップが選択されている時はそのシフトマップの所へ移行
する。これは、変速処理に開始して一旦シフトマップが
選択された場合にはその変速処理が終るまで常に同一の
シフトマップを維持するためである。
次に、PFLG=0の場合およびPFLG=NEWFLG=1の場合に
はVAC〜PPで目標段を決定し(ステップH59〜H61)、PFL
G=1でNEWFLG=0の場合にはVAC〜PPで目標段を決定す
るようにしている(ステップH62)。
次に現ギヤ位置がこの目標変速段と同じか否かを調べる
(ステップH63)。ここで、現ギヤ位置が目標変速段と
同じとなっている場合には、そのまま現状変速段を維持
する前述のENSTFLGの判断に移行する(ステップH35)。
また、現ギヤ位置が目標変速段と異なる場合には、目標
変速段が現ギヤ位置よりも上か下か、つまりシフトアッ
プすべきか否かを判断する(ステップH64)。シフトア
ップすべき場合において、チェンジレバーが「D」位置
にある場合で(ステップH65)、噴射ポンプ21のコント
ロールラック23の位置が規定値以上(ステップH66)の
時に限って変速操作を行ない、そうでない時は変速操作
を行なわずに現状変速段を維持する。これは、エンジン
11に十分な余裕馬力がないにもかかわらずシフトアップ
を行なうのを防止するためのものである。このシフトア
ップに対する処理については後でも詳述する。
一方、上記ステップH64においてシフトダウンすべきと
判定された場合には、排気ブレーキが使用されていなく
てブレーキペダル69が強く踏み込まれてGFLG=0の場合
で、かつ5速以下でのダウンシフトの場合(ステップH6
7〜H70)にかぎってステップH35以降の処理に進んで変
速操作を行なわずに現状変速段を維持し、それ以外の時
に変速操作を行なう。
また、上記ステップH65の判定で、「NO」、つまりチェ
ンジレバーが「D」位置以外であると判定された場合に
は現ラック位置が規定値以上か判定され(ステップH7
0)、規定値より小さい場合にはステップH35移行の処理
に進んで、現状変速段が維持され、規定値以上の場合に
は変速操作が行なわれる。
また、上記ステップH49のチェンジレバー61の位置がPW
レンジ、Dレンジにあるか否かの判断において「NO」の
場合、第13図(E−1)のステップH72に進み、チェン
ジレバー61の位置がマニュアルレンジの前進段にあるか
否かが調べられ、前進段が選択されている場合にはギヤ
位置がRないこと(ステップH73)を条件として次に進
む。続いてシフトアップの場合(ステップH74)には、
ブザーをオフした後(ステップH75)、チェンジレバー
がPWあるいはDでない場合にはレバー位置を目標変速段
とし、GFLGが「1」でない場合(ステップH76〜H79)
に、後述するNEAIDLルーチン(ステップH79)を実行す
る。
第14図に示すNEAIDLルーチンでは、まずアクセル擬似信
号電圧出力用第3作動メモリR3にエンジン11をアイドル
回転数とする予め決められた電圧値V3を読み込んで(ス
テップJ1)、第8図(I−I)のVAC作成ルーチンが呼
ばれる(ステップJ2)。この第8図(I−I)に示す処
理では、VACリレーをオンにしてマイクロコンピュータ9
3にコントロールユニット71の制御信号を出力できるよ
うにし、アクセル開度相当電圧VACが求められる。つま
り同図において、このVAをVAO,VACとしてメモリする
(ステップQ4)。
次に、再度第16図に示すACiNルーチンが処理され(ステ
ップQ5)、VAと上述としたV3との差がないことを判定す
る(ステップQ6)。ここで、差がなければ後述する処理
に移行しクラッチが切られる。
また、ここで差があれば、アクセル擬似信号VACをVAC-
(VA-V3)×1/8に設定して出力する(ステップQ7)。
次にACiNルーチンで読み込んだVAがアイドル相当か否か
判定され、アイドル相当であれば、クラッチが切られる
(ステップQ8)。これによりアクセルを離しているとき
に、無駄なVACの出力をなくすことができる。ステップQ
8でVAがアイドル相当でない場合、すなわちアクセルが
踏まれている場合には、ステップQ7で出力したVACを保
持するためのタイムラグ(例えば0.09秒)がおかれる
(ステップQ9)。
これは、アクセル擬似信号電圧VACを一気に落さずに、
段階的に低下させることで変速ショックの軽減を図った
ものである。そして、VACがVAとV3の差の1/2以下かどう
か判定され、1/2以下の場合は、エンジントルクが十分
低下したと判断し、後述するクラッチを切る処理に移行
する(ステップQ10)。
次に、クラッチ回転センサからのクラッチ回転の変化に
より、車両の加速度が判定され(ステップQ11)、加速
度があると範囲された場合は、前述したACiNルーチン
(ステップQ5)に戻りループする。また、ステップQ11
で、加速度がないと判断された場合には、クラッチが切
れたかどうか判定され(ステップQ12)、切れていない
場合には、クラッチ切信号が出力され(ステップQ1
5)、同時に擬似信号は、クラッチが切れるまで段階的
に出力される(ステップQ16〜17)。
これにより、車両の加速度がなくなったと判断された時
点で、クラッチを切り始めるため、無駄なVACの出力が
なくなり変速時間の短縮が図れるとともに、クラッチを
切りながらもアクセル擬似信号を出力するため、エンジ
ントルクの急激な変化がなく、スムーズな変速が可能と
なる。
また、ステップQ12でクラッチがきれていると判断され
た場合には、アクセル擬似信号電圧VACを第3作動メモ
リ電圧V3とすると共に発進後にVACが解除されたことを
示すRFLGがリセットしたあとに(ステップQ14)、第14
図のNEAIDLルーチンに戻って、アクセル擬似信号電圧V
ACを出力したことを表すフラグGFLGを「1」とし(ステ
ップJ3)、メインフローに戻る。
ところで、第8図(I−I)中のステップQ5におけるAC
iNルーチンにおいては第16図に示すように、RFLG=1で
あるか判定され(ステップN1)、RFLG=1である場合に
はアクセル開度相当電圧VAが読み込まれる(ステップN
2)。一方、RFLGが「1」でない場合にはアクセル擬似
信号電圧VACが開度相当電圧VAとされ、RFLG及びNEWFLG
がそれぞれ「1」に設定されて、その処理が終了され
る。
上記したNEAIDLEルーチンを実行した後、エアチェック
ルーチン(ステップH80)を実行する。
ここで、本実施例においては、クラッチ15に対するエア
アクチュエータ33の作動が行なわれた場合に、クラッチ
ストローク(SVC)がLE点、つまり半クラッチ直前の位
置に達してエンジン側からのトルク伝達が行なわれなく
なった時点でギヤ抜き動作を行なうようにするための処
理がなされる。
すなわち、エアチェックルーチンを実行した後、クラッ
チストロークが規定値にあるかを判定し(ステップH2
8)、その規定値に達している場合にはエキブレ解除リ
レーをオンにする(ステップH83)。一方、クラッチス
トロークが規定値に達していない場合にはクラッチ15を
切る信号を出力する(ステップH84)。
そして、エキブレ解除リレーをオンした後(ステップH8
3)、クラッチが実際に切れているかどうかを調べ(ス
テップH85)、切れている場合にはクラッチ15をホール
ドさせる。クラッチが切れていない場合でもクラッチス
トロークが規定値1(LE点付近に設定)に相当している
かを判定したうえで(ステップH85-2)、ギヤ位置を目
標変速段と一致させる変速信号を電磁弁73へ出力して変
速を行なう(ステップH85-3)。一方、クラッチ15が切
れていない場合にはクラッチ15を切る信号を出力し、そ
の後変速処理の最初のところに戻る(ステップH84)。
このように、クラッチストロークがクラッチ側へのトル
ク伝達を可能にする状態になくなった時点で、換言すれ
ば、完全な切状態に相当する位置に達する以前に変速機
側でのギヤ抜き動作を開始することで、クラッチの完全
な切状態になるまで待機して行なわれるギヤ抜き動作開
始までの時間を短縮することができる。
このような処理は、後述するダブルクラッチルーチンに
おいても実行され、変速時での変速に要する操作時間を
短縮化できる。
一方、第13図(E−1)のステップH74の判定で、シフ
トアップでない場合、つまりシフトダウンをすべきであ
る場合にはPWレンジあるいはDレンジからのシフトダウ
ンかを調べ(ステップH86)、PWレンジあるいはDレン
ジにおけるシフトダウンである場合には現変速段から1
段落したものを目標変速段と設定し(ステップH87)、
またマニュアルレンジにおけるシフトダウンである場合
にはそのチェンジレバー61の位置を目標変速段として設
定する(ステップH88,H89)。
そして、エンジン11の回転がオーバーランすることなく
シフトダウンを行なえるか否かを判断し(ステップH9
0)、オーバーランをする可能性のある場合にはブザー
により運転者にオーバーランの警告を行ない(ステップ
H91)、変速操作を行なわずに変速処理の最初に戻る。
一方、上記ステップH90において、オーバーランをしな
い場合にはブザーをオフした後(ステップH92)、GFLG
を調べてアクセル擬似信号電圧VACが出力されていない
時にかぎりNEHOLDルーチンを実行してクラッチ15を切る
(ステップH93,H94)。
本実施例におけるNEHOLDルーチンにあってはシフトダウ
ン時のクラッチの接続時に上昇するエンジン回転を、予
め変速後に得られるクラッチの回転数の変化を基にして
補正し、エンジン回転をシフトダウン後のエンジン回転
に合わせるべくマイクロコンピュータ93へのアクセル擬
似信号を設定し、シフトダウン後のクラッチつなぎ時の
クラッチ回転とエンジン回転の同期時間を短縮させるよ
うになっている。
すなわち、第15図において、前述したNEADILルーチンに
おけると同様に無負荷時の現エンジン回転数NEに相当す
る電圧V3として現クラッチ回転数NCL相当の値が読み込
まれ(ステップJ1′)、第8図(I−1)で示したVAC
作成ルーチンが呼び出されて実行され(ステップJ
2′)、アクセル擬似信号電圧VACを出力したことを表す
GFLGが「1」にセットされる(ステップJ3′)。
そして、この状態において、シフトダウンされた後に得
られるクラッチ回転数に相当する電圧をアクセル擬似信
号電圧として設定したうえでマイクロコンピュータ93に
出力する(ステップJ4′)。
従って、変速後のクラッチ回転数の変化を歯車比から求
め、この変化に見合うアクセル擬似信号電圧を設定する
ことにより、変速後のクラッチ回転数NCLの上昇分を予
め見込んでエンジン側での回転数を上昇させることで変
速後のエンジン側とクラッチ側との間の回転合せを早く
行なうことができる。
その後、ダウンシフトが5速以下でのシフトダウンでは
ないこと、あるいは車速がその変速段における規定車速
以上でないことを条件に(ステップH95,H96)、ステッ
プH80のエアチェックルーチンを実行してから変速操作
を行なう。
ところで、本実施例にあっては、第13図(A−1)乃至
(F)において説明した変速時、特に登坂路でのシフト
アップ時に起こるエンジン回転数NEの低下を抑えて伝達
トルクの低下を防止する処理が行なわれている。
すなわち、第2図に示すシフトパターンにおいて、登坂
路発進(坂道発進)等の特殊な発進に用いられる1段か
ら2段への変速時には、第13図(A−2)におけるステ
ップH45で示すCLLE処理の前に上述したシフトアップモ
ード(1→2)であるかを判定し(ステップP100),そ
のシフトモードである場合にはSBFLGを「1」にして
(ステップP101)、第8図(A−2)における坂道発進
処理に移行する。従って、この発進処理に移行すること
で、前述したようにアクセル擬似信号電圧VACに置換え
られ、その電圧に応じたデューティ比によってクラッチ
アクチュエータが制御される。
従って、アクセル擬似信号電圧VACがアクセル開度相当
電圧VAに置換えられることにより、エンジン回転数NE
上昇させられ、かつ、これに応じてクラッチストローク
がクラッチの接側に移ることになるので、クラッチ15が
繋がった際のトルクの低下は抑えられ、車速の落ち込み
も軽減されることになる。
一方、上述したステップP100において1段から2段への
シフトアップでない場合には、CLLEルーチンを実行した
後(ステップH45)、VAFLGが「0」であるかを判定して
(ステップP102)、エンジン回転数NEとクラッチ回転数
NCLとの同期状態を判断し、その後、ステップH46でクラ
ッチ回転数NCL相当のアクセル擬似信号電圧VACを出力し
て第13図(F)に進み、VAFLGを「1」に設定する(ス
テップP103)。
そして、エンジン回転数NEとクラッチ回転数NCLとを比
較し(ステップP104)、その大小に応じてアクセル擬似
信号電圧VACを補正あるいは現クラッチ回転数NCL相当に
更新してこのアクセル擬似信号電圧VACに応じた最適デ
ューティ率によりクラッチを接続させていく(ステップ
P105〜P108,ステップH47,H48)。
一方、第13図(E−1)のステップH95に達っすると、
5速以下のシフトダウンでかつ車速が規定車速以上であ
る場合にはダブルクラッチルーチンを実行する(ステッ
プH97)。
ダブルクラッチルーチンは第17図に示すように、クラッ
チストロークが規定値に達しているかを判定し(ステッ
プK1)、達していない場合にはクラッチ切信号出力を行
なう(ステップK2)。一方、その規定値に達している場
合には、現クラッチ回転数NCLに予め変速状態に応じて
決められた定数α(例えば、1.5)を乗じて目標クラッ
チ回転数を仮りに設定する(ステップK3)。次に、この
目標クラッチ回転数が上限回転数である2300rpm以上か
否かを調べ、2300rpm以上の場合には2300rpmを目標クラ
ッチ回転数とし、2300rpmより小さい場合にはそれをそ
のまま目標クラッチ回転数とする(ステップK4)。
次に、ギヤの噛み合いを外すべく電磁弁A,Bをオンにし
(ステップK6)、クラッチ15を遮断を確認しながら(ス
テップK7,K8)、ギアシフト状態であることを示す信号
がなくなった後(ステップK9)にクラッチオン信号を出
力すると共にアクセル擬似信号電圧VACを所定の値に設
定してクラッチ回転数NCLが前記目標クラッチ回転数と
なるようにする。その後、アクセル擬似信号電圧VAC
クラッチ回転相当の電圧に設定してクラッチ15を遮断
し、その後ギヤ位置を合わせて第6図のメインのフロー
に戻る(ステップK10〜K19)。
次に、第18図を参照してクラッチオン信号処理について
説明する。
本実施例におけるクラッチオン信号出力処理にあって
は、第1図におけるエアアクチュエータ33に対する作動
エアの排出方法として、一対の排出用マグネットバルブ
の両方のマグネットバルブからのエア排出によってエア
アクチュエータ33におけるプッシュロッドの移動を早め
るようにするための処理が採り入れられている。
すなわち、アクセル負荷センサを介してアクセル開度を
判定し(ステップR2)、規定値以上であればギヤが規定
段以下であるかを判定する(ステップR3)。このような
各ステップでの判定は、アクセルが踏み込まれる状態に
ある加速時等でかつ変速時間を早くしなければ変速後に
車両が停止してしまうような低速段における変速がどう
かを判断するためのものである。
そして、R3においてギヤ規定段以下であることを判定す
ると、クラッチストロークが第10図示のように、クラッ
チの「切」側に偏って位置することを判断するLE点より
上方であるかを判定し(ステップR4)、クラッチストロ
ークがクラッチの「切」側に偏っている場合にはMVY1と
MVY2をオンして(ステップR5)クラッチ用エアアクチュ
エータ33からのエア排出容量を増加させる。従ってこれ
によりエアアクチュエータ33の作動時間が短縮され、早
くクラッチが繋がることになる。
一方、上述したステップR2〜R4において「NO」とされた
場合には、まずMY1FLGが「1」であるか、つまりMVY1が
異常であるか判定される(ステップR6)。異常がある場
合にはバルブMVY2がオンされる(ステップR10)。一
方、上記R6において、「NO」と判定された場合にはMY2F
LGが「1」であるか、つまりバルブMVY2が異常であるか
判定される(ステップR7)。このステップR7において
「NO」と判定されると、CLFLG=1の場合には(ステッ
プR8)、上記ステップR10に進んでバルブMVY2がオンさ
れる。一方、上記ステップR7において「YES」、あるい
はステップR8において「YES」と判定された場合にはMVY
1がオンされる(ステップR9)。
このようにコントロールユニット71は特有の制御機能を
備える。
特に、シフトアップ及びシフトダウンの変速時に、ステ
ップH79のNEAIDLルーチン、H94のNEHOLDのいずれかに進
み、両サブルーチンの各ステップJ2でVAC作成処理を行
い、同VAC作成サブルーチンのステップQ5乃至ステップQ
11では、その時のVACを直接、実アクセル開度VAとせ
ず、段階的に低下させ、VACがアイドル相当の値V3に近
似すると車両の加速度が所定値以下になったとの検出を
し、ステップQ12以降のクラッチ遮断を実行する。この
ため、変速作動前のクラッチ遮断に当たり、アクセルペ
ダルの操作に関係無く、加速度が所定値以下になると、
直ちにクラッチを遮断することとなり、その際、車両の
加速度の急変は生じないこととなる。
更に、変速作動後のクラッチ再接続でのクラッチON信号
出力のサブルーチンを実行するに当たり、ステップR2乃
至ステップR4を実行し、アクセル開度が規定値以上であ
り且つ低変速段への変速であると判断すると、ステップ
R5に進んで、複数の電磁弁を使用して流体圧をクラッチ
接側に調整し、アクセル開度が規定値未満であり且つ低
変速段への変速でない、通常時にはステップR9,R10で一
方の電磁弁を使用して流体圧をクラッチ接側に調整す
る。このため、アクセル開度が規定値以上であり且つ低
変速段への変速となる登坂路等でのクラッチの接続速度
が早くなる。
更に、シフトダウン時にステップH86からH94に進み、変
速作動前に予め、H94のNEHOLDに進み、同NEHOLDサブル
ーチン内のステップJ4′に達する。ここで、シフトダウ
ン後のクラッチ回転数NCL相当のエンジン回転数が得ら
れるようにVACを決定し、これに応じた燃料供給がなさ
れる。このため、変速作動後には精度良くクラッチ回転
数とエンジン回転数とが同期するようになる。
(考案の効果) 第1の考案によれば、変速作動前に、エンジン制御手段
の作動を制御し、その後に、車両の加速度が所定値以下
になったことを検出すると直ちにクラッチを遮断するの
で、その際車両の加速度の急変は生じないこととなり、
クラッチ遮断に伴うショックの発生を防止でき、しか
も、車両の加速度を判断材料にすることより、クラッチ
遮断のタイミングを不具合なく早めて、トータルの変速
時間の短縮を図れ、良好な変速フィーリングを確保でき
る。
第2の考案によれば、変速作動後のクラッチ再接続に当
たり、アクセル開度が規定値以上であり且つ低変速段へ
の変速であると判断すると、複数の電磁弁を使用して流
体圧をクラッチ接側に調整するので、クラッチの再接続
での接続速度を高めることとなるので、アクセル開度が
規定値以上であり且つ低変速段への変速となる登坂路等
でのクラッチの再接続を迅速に行い、トータルの変速時
間を短縮することができ、登坂路等での変速時に車速が
低下することを有効に防止することができる。
第3の考案によれば、シフトダウン時、変速作動前に予
め、シフトダウン後のクラッチ回転数相当のエンジン回
転数が得られるような燃料供給を行うので、変速後のク
ラッチ回転数とエンジン回転数との同期が早期に達成さ
れ、更に、変速作動後には検出されるクラッチ回転数相
当のエンジン回転数が得られるような燃料供給を行うよ
うアクセルペダルの操作とは独立してエンジン制御手段
の作動を制御するので、変速後にはクラッチ回転数とエ
ンジン回転数とが精度良く同期し、クラッチの再接続タ
イミングを早くでき、トータルの変速時間を短縮するこ
とができ、良好な変速フィーリングを確保できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例としての車両の発進制御装置
を装備した自動変速装置の全体構成を示すブロック図、
第2図は第1図に示した装置におけるシフトパターンの
一例を説明する概念図、第3図は第2図のシフトパター
ンにおけるPWおよびDレンジのシフトマップを示す線
図、第4図はそのデューティ率決定のためのマップの一
例を表すグラフ、第5図は走行中、クラッチ接、クラッ
チ切等のバルブの開閉を説明する状態図、第6図は第1
図に示したブロック図における制御プログラムのメイン
ルーチンを示すフローチャート、第7図(A)乃至
(C)はその制御プログラムのうちの始動ルーチンを示
すフローチャート、第8図(A−1)乃至(O)はその
制御プログラムの内の発進ルーチンを示すフローチャー
ト、第9図はその制御プログラムの内の「CLLE」ルーチ
ンを示すフローチャート、第10図はクラッチストローク
とそのストロークにおけるクラッチの作動時間との関係
を示す線図、第11図は第8図に示した発進処理における
微動処理を説明するための線図、第12図はクラッチスト
ロークのヒステリシス特性図、第13図(A−1)乃至
(F)は制御プログラム内の変速ルーチンを示すフロー
チャート、第14図は制御プログラム内のNEADILルーチン
を示すフローチャート、第15図は制御プログラムの内の
NEHOLDルーチンを示すフローチャート、第16図はその制
御プログラム内のACiNルーチンを示すフローチャート、
第17図はその制御プログラムの内のダブルクラッチルー
チンを示すフローチャート、第18図はその制御プログラ
ム内のクラッチオン信号出力ルーチンを示すフローチャ
ートである。 11……エンジン、15……摩擦クラッチ、17……歯車式変
速機、21……燃料噴射ポンプ、23……コントロールラッ
ク、25……電磁アクチュエータ、27……エンジン回転セ
ンサ、33……エアシリンダ、35……クラッチストローク
センサ、41……クラッチ回転センサ、53……電磁弁、71
……コントロールユニット、79……車速センサ、85……
アクセル負荷センサ、93……マイクロコンピュータ、97
……記憶装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:36 59:56 (72)考案者 鈴木 貫太郎 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−196455(JP,A) 特開 昭60−139958(JP,A) 特開 昭58−124860(JP,A) 実開 昭61−14248(JP,U) 実開 昭61−69550(JP,U) 実開 昭61−59950(JP,U) 実開 昭60−8140(JP,U)

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のエンジンと変速機との間のクラッチ
    を断接させるクラッチアクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
    ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
    接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
    制御装置において、 アクセルペダルの操作とは独立して上記エンジンへの燃
    料供給を制御可能なエンジン制御手段と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段とを備え、 上記コントロールユニットは、上記変速時に上記アクセ
    ルペダルの操作とは独立して上記エンジン制御手段の作
    動を制御し、その後に車両の加速度が所定値以下になっ
    たことを検出すると上記変速作動前のクラッチ遮断を実
    行するよう構成されている ことを特徴とする車両用変速制御装置。
  2. 【請求項2】車両のエンジンと変速機との間のクラッチ
    を断接させるクラッチアクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
    ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
    接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
    制御装置において、 上記クラッチアクチュエータに供給される流体圧を調整
    するよう並列に設けられた複数の電磁弁と、 上記アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ
    とを備え、 上記コントロールユニットは上記変速操作後のクラッチ
    再接続に当たり、通常は、上記複数の電磁弁の1つを使
    用し、上記アクセルペダルの操作量が規定値以上であり
    且つ低速段への変速であると判断した場合には、上記複
    数の電磁弁を使用して上記流体圧をクラッチ接側に調整
    するよう構成されている ことを特徴とする車両用変速制御装置。
  3. 【請求項3】車両のエンジンと変速機との間のクラッチ
    を断接させるクラッチアクチュエータと、 上記変速機を変速作動させる変速アクチュエータと、 上記各アクチュエータの作動を制御し、変速時に上記ク
    ラッチを上記変速作動前に遮断させ上記変速作動後に再
    接続させるコントロールユニットとを備えた車両用変速
    制御装置において、 クラッチの回転を検出するクラッチ回転センサと、 アクセルペダルの操作とは独立して、上記エンジンへの
    燃料供給を制御可能なエンジン制御手段を備え、 上記コントロールユニットは、シフトダウン時、上記変
    速作動前に予めシフトダウン後のクラッチ回転数相当の
    エンジン回転数が得られるような燃料供給を行うと共
    に、上記変速作動後には検出されるクラッチ回転数相当
    のエンジン回転数が得られるような燃料供給を行うよう
    上記アクセルペダルの操作とは独立して上記エンジン制
    御手段の作動を制御するよう構成されている ことを特徴とする車両用変速制御装置。
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