JPH07175481A - アコースティック・電子複合楽器 - Google Patents

アコースティック・電子複合楽器

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JPH07175481A
JPH07175481A JP5322092A JP32209293A JPH07175481A JP H07175481 A JPH07175481 A JP H07175481A JP 5322092 A JP5322092 A JP 5322092A JP 32209293 A JP32209293 A JP 32209293A JP H07175481 A JPH07175481 A JP H07175481A
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JP
Japan
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sound
pitch
musical instrument
acoustic
electronic musical
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JP5322092A
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English (en)
Inventor
Masato Kanehara
正人 金原
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アコースティック楽器音と電子楽器音とのピ
ッチを極力同じように調整し、同時演奏の場合の不快感
や単独演奏の場合の両者が異なることによる違和感等を
除去可能な複合楽器を提供すること。 【構成】 ピッチ補正実行モードに入った後、鍵盤装置
11において鍵11aを1鍵だけ押下し、アコースティ
ックピアノ部APから対応する音を発して拾音マイク3
6で拾い、DSP35で基準音の周波数データfsを抽
出する。そして対応する周波数の理論値foとその抽出
値fsとのずれ量△f=fo−fsを算出し、ずれ量△
fに基づいてピッチ補正処理を行う。例えばずれ量△f
=−5Hzであれば、各鍵番号に対応して設定されてい
るピッチデータにずれ量△fを一律に加算する補正を行
う。従って、例えアコースティックピアノ部AP側のピ
ッチが経年変化や調律具合い等で理論値からずれていて
も、電子楽器部EP側でそのずれに対応して補正され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティックな楽
器機構に加え、電子音源を制御して演奏する機構をも備
えたアコースティック・電子複合楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】アコースティック楽器は、経時変化や調
律の仕方等により音のピッチが変化する。例えばアコー
スティックピアノ等においては、弦に強い張力がかかっ
ており、弾いたり、気候の変化等によってピッチが変化
(一般的には音程が下がる)してしまう。そのため、所
定期間毎(例えば一般家庭では年に1〜2回)に調律を
行うのが普通である。
【0003】また、ピアノの調律の仕方に目を向けて見
ると、アコースティックピアノの場合、「低音部はより
低く、高音部はより高く」調律されることがある。ベテ
ラン調律師の行った調律結果を測定器で測定してみる
と、低音は理論値の周波数より低く、高音は理論値の周
波数よりも高く調律される傾向にある。これは、人間の
耳の間隔で聴いて合わせると、自然とその傾向が出てく
るからである。理論的にも、倍音が実際の振動数よりも
ややシャープ(高め)に発生することからも説明でき
る。このような傾向に調律することは、音楽表現上にも
良い結果を生むもので、調律師の耳による調律が最良と
される理由の一つである。
【0004】一方、電子音源を制御して楽音を発生させ
る電子楽器においては、このような経時変化等によるピ
ッチ変化はない。そして、電子楽器においてもピッチを
変化させることも可能であり、それを行う操作子等を備
えたものがあるが、それは例えばキーを「C]から
「G]に移調する際に用いるトランスポーズのための操
作子やピッチを微調整するための操作子である。すなわ
ち、経時変化等によるピッチ変化がないため、それを解
消するための調律という概念は電子楽器にはなじまな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たアコースティックピアノと電子楽器を複合させて、ア
コースティックピアノ音による演奏以外に、電子音源に
よる演奏をも可能にした複合ピアノのような複合楽器の
場合には、上述したピッチ変化が問題となってくるので
ある。複合ピアノを例に取って具体的に説明する。
【0006】このような複合ピアノの使用方法としては
大きく分けて2種類ある。一つはアコースティックピア
ノ音だけで演奏したり電子楽器音だけで演奏したりする
ものであり、もう一つは両者を同時に発音させるもので
ある。この両者を同時に発音させる場合、例えば電子楽
器からはアコースティックピアノ以外の音、例えばチェ
ンバロの音を出す等すれば、違う音色のものを一人で同
時に発音させることができる。
【0007】この、両者を同時に発音させる場合、アコ
ースティックピアノのピッチが変化すると、アコーステ
ィックピアノからの音と電子楽器からの音とが一致しな
くなり、不快感が生じることとなる。また、アコーステ
ィックピアノ音による演奏と電子楽器音による演奏とを
単独で行う場合であっても、それぞれを演奏する際、同
じ音を弾いているつもりでも実際に発せられるピッチが
違うと、違和感を感じてしまい、ピッチ感を養う妨げに
もある。
【0008】そこで本発明は、アコースティック楽器の
音と電子楽器の音とのピッチが極力同じようになるよう
にし、同時演奏の場合の不快感や単独演奏の場合の両者
がことなることによる違和感等を除去し、良好な発音を
行えるようにしたアコースティック・電子複合楽器を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためになされた本発明のアコースティック・電子複合楽
器は、図1の基本構成図に例示するように、演奏音を指
定するための演奏音指定手段M1を備え、その演奏音指
定手段M1の操作を通じて指定された演奏音を発生させ
るアコースティックな楽器機構M2と、上記演奏音指定
手段M1の操作状態を検出する操作状態検出手段M3
と、その検出された上記演奏音指定手段M1の操作状態
に基づき、対応する楽音波形を生成する楽音波形生成手
段M4と、その生成された楽音を出力する楽音出力手段
M5とを有する電子的な楽器機構M6と、を備えたアコ
ースティック・電子複合楽器であって、上記アコーステ
ィック楽器機構M2から発音される音を拾音するために
一つだけ設けられた拾音手段M7と、該拾音手段M7に
より拾音した音のピッチを検出するピッチ検出手段M8
と、上記操作状態検出手段M3による検出結果に基づき
上記演奏音指定手段M1において1音のみの指定がされ
ているか否かを判定し、1音のみの指定の場合に限り、
該ピッチ検出手段M8により検出したピッチに基づい
て、上記楽音出力手段M5より発生させる対応楽音のピ
ッチを補正するピッチ補正手段M9と、を備えたことを
特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成を有する本発明のアコースティック・
電子複合楽器によれば、演奏音指定手段M1により演奏
音が指定されると、その指定された演奏音がアコーステ
ィックな楽器機構M2から発せられる。一方、電子的な
楽器機構M6側では、操作状態検出手段M3が演奏音指
定手段M1の操作状態を検出し、その検出された演奏音
指定手段M1の操作状態に基づき、楽音波形生成手段M
4が対応する楽音波形を生成し、その楽音が楽音出力手
段M5より発生される。
【0011】その際、電子的な楽器機構M6において
は、拾音手段M7が、アコースティック楽器機構M2か
ら発音される音を拾音し、ピッチ検出手段M8がその拾
音した基準音のピッチを検出するのであるが、ピッチ補
正手段M9は、操作状態検出手段M3による検出結果に
基づき演奏音指定手段M1において1音のみの指定がさ
れているか否かを判定し、1音のみの指定の場合に限
り、ピッチ検出手段M8により検出したピッチに基づい
て、楽音出力手段M5より発生させる楽音のピッチを補
正する。
【0012】従って、例えばアコースティック・電子複
合ピアノの場合、一度1鍵ずつ弾いて発音させていけば
全音について補正ができる。このように補正することに
よって、例えアコースティック楽器機構M2のピッチが
経年変化や調律具合い等で理論値からずれていても、電
子楽器機構M6側でそのずれに対応して補正されるた
め、アコースティック楽器機構M2と電子楽器機構M6
の両者から同時に発音させた音のピッチが等しくなる。
従って、両者から同時に発音されても不快感を生じるこ
ともなくなる。
【0013】また、アコースティック楽器機構M2によ
る演奏と電子楽器機構M6による演奏とをそれぞれ単独
で行う場合、従来はそれぞれを演奏する際、同じ音を弾
いているつもりでも実際に発せられるピッチが違って違
和感を感じてしまい、ピッチ感を養う妨げになっていた
が、本発明では、上記補正によりこのような不都合もな
くなる。
【0014】また、本発明では、拾音手段M7が一つし
か設けられていない。例えばアコースティックピアノの
88鍵をそれぞれ各音毎に拾音しようとする構成の場合
には88個も必要となるが、本発明では一つで十分であ
り、また1音のみ発音されている場合に限ってピッチ検
出するので、正確に対応楽音を補正することができるの
である。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明のアコースティック・電子複合楽
器をアコースティック・電子複合ピアノ(以下、単に複
合ピアノと言う。)1に適用した場合の概略構成を示す
ブロック図である。本複合ピアノ1は、図2に示すよう
に、アコースティックピアノ部APと電子楽器部EPと
から構成されている。
【0016】まず、アコースティックピアノ部APの構
成について、説明する。アコースティックピアノ部AP
は、88鍵の鍵11aを備える鍵盤装置11と、図示し
ないハンマーを含む打弦機構13と、図3に示す弦G及
び響板K等の発音体19(図2参照)とを備えている。
押鍵操作により、打弦機構13が駆動されてハンマーが
慣性運動し、弦Gを打つことによって生じた振動が響板
K等の作用と相まってアコースティックなピアノ音とし
て発せられる。
【0017】一方、電子楽器部EPは、上記鍵盤装置1
1における鍵11aの操作状態を検出するキーセンサ2
1,22と、種々のスイッチを備えたパネル部23と、
これらキーセンサ21及びパネル部23からの入力信号
をインタフェイス(I/F)25を介して受信し、各種
の制御処理を実行するCPU27と、このCPU27に
よる各種制御処理のためのプログラムメモリや音色デー
タメモリを有するROM29と、CPU27によるアサ
イナ処理等種々の処理の際に使用されるRAM31と、
CPU27の指示に従って楽音信号を発生する楽音信号
発生部33と、拾音マイク36からA/D変換器(AD
C)34を介して入力したデータに基づいて、基準音
(この基準音については後述する)を抽出するためのデ
ィジタルシグナルプロセッサ(DSP)35とを備え、
これらがシステムバス37を介して相互に接続されてい
る。
【0018】パネル部23のスイッチには、電源スイッ
チや、ピッチ補正を行うピッチ補正実行スイッチ、アコ
ースティックピアノ音に加えて電子楽器音を出力する複
合モード選択スイッチ、電子楽器音だけを出力する電子
楽器モード選択スイッチ、電子楽器から発音させる音色
を選択する音色選択スイッチ等がある。なお、電子楽器
モード選択スイッチにより電子楽器音だけを出力するモ
ードを選択すると、アコースティックピアノ部APの鍵
盤装置11を操作しても、打弦されなくなる。このため
の構成としては、本実施例では、ハンマーが弦Gに当た
る前にハンマーシャンクに当接してその動きを阻止する
止音レール(図示せず)を備えている。なお、この止音
レールを含めたハンマー動作阻止に係る構成について
は、本発明の主要点ではないので、詳しくは、例えば本
願出願人による特願平5−214411号を参照してい
ただきたいが、要は、上記電子楽器モードにされた場合
には、止音レールによってハンマーが弦Gに当たらない
ようにされる。すなわち、アコースティックピアノ音は
出ないようにされるのである。
【0019】また、楽音信号発生部33には波形メモリ
41が接続されており、この波形メモリ41にはアコー
スティックピアノに関するデータはもちろん、チェンバ
ロやオルガン等、他の鍵盤楽器に関する波形データが記
憶されている。これらは、上記パネル部23の音色選択
スイッチによって任意に選択することができる。
【0020】さらに楽音信号発生部33にはD/A変換
器(DAC)51が接続されており、DAC51には2
つの発音系統、すなわちアンプ53a,53bを介して
それぞれスピーカ55a,55bが接続されている。こ
のスピーカ55a,55bは、例えばアコースティック
ピアノの上前板(図示せず)の上端付近に配置する等す
ればよい。
【0021】一方、上記拾音マイク36は本発明の拾音
手段M7として働くものであり、アコースティックピア
ノから発せられたピアノ音の全音を拾えるように構成さ
れている。この拾音マイク36を配置する場所として
は、例えば図3(a)に実線で示すように響板Kの間に
配してもよいし、または二点鎖線で示すように、その弦
Gよりも上方に配設してもよい。そして、1つの拾音マ
イク36で全音を確実に拾うことができるように、なる
べく広範囲の音を拾えるマイクロフォンを使用すること
が望ましい。
【0022】さらには、拾音手段M7としてはマイクロ
フォンだけに限定されず、例えば図3(b)に示すよう
に、拾音マイク36の代わりにピックアップ71を採用
してもよい。続いて、キーセンサ21,22及び関連す
る構成について図4も参照して説明しておく。図4に示
すように、鍵11aの下面には段付シャッタ20と、キ
ーセンサ21,22とが、操作状態検出手段M3として
配設されている。キーセンサ21,22は共に、それぞ
れが発光素子と受光素子とを一組としてなり、両素子の
間を遮るとオン信号を発するように構成されている。段
付シャッタ20は、鍵11aが押された際に、ある時間
差をもってキーセンサ21,22の光路を遮ることにな
る。
【0023】上記CPU27は、キーセンサ21,22
の光路を遮断する時期と時間差とを検出し、ROM29
に記憶された制御プログラムに基づいて演奏情報を作成
する。この演奏情報を構成するイベントデータは、1バ
イトのステータスバイトと2バイトのデータバイトとか
らなる3バイトを1単位とするデータとして構成され
る。このうちステータスバイトには、押鍵(ノートオ
ン)、離鍵(ノートオフ)等を示すデータが設定され、
データバイトには、音程となる鍵番号(ノートナンバ
ー)、音量となる打鍵強度(ベロシティ)等を示すデー
タが設定される。
【0024】次に、本実施例の作動を説明する。図5は
本実施例の電子楽器部EPにおいて実行される全般処理
を示すフローチャートである。電源がオンされると、ス
テップ100(以下ステップをSで示す)にてCPU2
7、RAM31等の初期化が行われる。続くS200で
はパネルイベント処理、S300では鍵盤イベント処理
がそれぞれ行われ、S300の鍵盤イベント処理の後は
S200に戻って以下の処理を繰り返す。以下各イベン
ト処理S200,S300について説明する。
【0025】まず、図6のフローチャートを参照して、
パネルイベント処理(S200)について説明する。本
処理は、パネル部23関係の処理であり、先ずパネルイ
ベントのあったスイッチがピッチ補正実行スイッチであ
るか否かを判断する内のいずれかがオンされているか否
かを判断し(S210)、ピッチ補正実行スイッチで無
い場合(S210:NO)には、S220〜S260の
処理を行うことなくS270へ移行して、その他のスイ
ッチに対応するパネル処理を行い、一旦本処理を終了す
る。
【0026】ここでいう「その他のパネル処理」とは、
例えば、複合モード選択スイッチがオンされたのであれ
ば、アコースティックピアノ音に加えて電子楽器音を出
力できるように、電子楽器部EP側もその準備すると共
に、アコースティックピアノ部AP側においても、上述
した止音レールをハンマーの打弦動作を阻止しない位置
に移動させる。また、電子楽器モード選択スイッチがオ
ンされたのであれば、電子楽器音だけを出力するよう
に、止音レールをハンマーの打弦動作を阻止しない位置
に移動させる。さらに、音色選択スイッチが操作された
のであれば、その選択結果に応じて波形メモリ41の音
色データを選択する処理が行われる。
【0027】一方、ピッチ補正実行スイッチがオンされ
た場合(S210:YES)には、S220へ移行して
ピッチ補正にかかる処理を行う。まず、S220では、
1音のみの指定であるか否か、すなわちノートオンされ
たデータが一つであるか否かを判断し、1音のみの指定
でない場合(S220:NO)は、S230〜S260
の処理を行うことなくS270へ移行する。
【0028】そして、1音のみの指定である場合(S2
20:YES)にのみ、S230へ行こうしてピッチ取
り込み処理を行う。このピッチ取り込み処理は、拾音マ
イク36からADC34を介して入力したデータに基づ
きDSP35が抽出した音の周波数データfsを取り込
む処理である。具体的には、ピッチ補正実行スイッチが
オンされてピッチ補正実行モードに入った後、鍵盤装置
11においてある一つの鍵11aを押下すると、対応す
る弦Gが打たれて響板Kによる共鳴作用等によって、こ
のアコースティックピアノ音が発せられることとなる。
これを拾音マイク36で拾い、その周波数データfsを
RAM31の所定領域に格納する。
【0029】そして取込抽出が完了すると(S240:
YES)、続くS250では、基準音に関する周波数の
理論値foと抽出値fsとのずれ量△f=fo−fsを
算出し、S260ではそのずれ量△fに基づいてピッチ
補正処理を行う。なお、この周波数データfsの取り込
みが完了した場合(S240:YES)には、LED等
を点灯させて取込完了を報知するようにすれば、使用時
の便が向上する。
【0030】S250,S260の処理に戻り、例えば
理論値fo=440Hz、抽出値fs=435Hzとす
ると、そのずれ量△f=−5Hzとなり、S260にお
けるピッチ補正処理では、その取り込んだ音に対応する
鍵番号(ノートナンバー)に応じて設定されているピッ
チデータに対して、上記ずれ量△fを加算する。従っ
て、この場合はずれ量△f=−5Hzなので「5Hz減
算」されることとなる。なお、この補正処理において過
度な補正とならないように、ずれ量△fをそのまま加算
するのではなく、1より小さな数(例えば0.9等)を
掛けた後に補正するするようにしてもよい。
【0031】また、現実的には、ピッチ補正実行モード
に入った後、例えば低音弦から高音弦に向かって1鍵ず
つ弾いて発音させていき、全音について一度補正をして
おけば確実に全音についての補正ができ、その後普通に
弾いても支障がない。また、特定の音についてアコース
ティックピアノ部APと電子楽器部EPとで違いがある
場合(それに気付いた場合等)には、その音だけ補正す
るようにしてもよい。この使用者が行なう補正方法につ
いては種々考えられる。
【0032】このようにピッチ補正処理が完了した後、
上記複合モード選択スイッチあるいは電子楽器モード選
択スイッチがオンされたのであれば、電子楽器から音を
出力させる準備をする。そして、演奏者によって鍵盤装
置11が操作されると、電子楽器から発音される。な
お、複合モードの場合は、アコースティックピアノから
もピアノ音が発せられる。
【0033】ここで、電子楽器からの発音に係る処理で
ある鍵盤イベント処理(S300)を、図7のフローチ
ャートを参照して説明する。本鍵盤イベント処理では、
まず鍵盤のオンイベントがあったかどうかが判断され
(S310)、オンイベントがあった場合には(S31
0:YES)、鍵番号(ノートナンバー)や打鍵強度
(ベロシティ)等のデータをセットする(S320)。
楽音信号発生部33は、このセットされたキーナンバー
に対応する波形データを及びエンベロープ波形を波形メ
モリ41から読み出し、キータッチ,キーナンバーに応
じて各種倍音成分を含んだ楽音波形信号を生成する。そ
して、この生成された楽音波形信号が、DAC35及び
アンプ53a,53b、スピーカ55aを通って発音が
開始される(S340)。
【0034】一方、S310でオンイベントがなかった
場合には、オフイベントがあったかどうかが判断され
(S350)、オフイベントがあった場合は(S35
0:YES)、リリースデータをセットとして本処理を
一旦終了する。また、オフイベントがなかった場合(S
350:NO)、すなわちオンベントもオフイベントも
なかった場合には、何もせず本鍵盤イベント処理を終了
する。
【0035】以上説明したように、本実施例の複合ピア
ノ1によれば、ピッチ補正実行モードに入った後、鍵盤
装置11において鍵盤11aを1鍵のみ押下すると、ア
コースティックピアノ部APから対応する音が発せられ
ることとなる。これを拾音マイク36で拾い、ADC3
4を介して入力したデータに基づきDSP35が基準音
の周波数データfsを抽出し、RAM31の所定領域に
格納する。そして対応する周波数の理論値foと上記抽
出値fsとのずれ量△f=fo−fsを算出し、そのず
れ量△fに基づいてピッチ補正処理を行う。例えばずれ
量△f=−5Hzであれば、上記押下された鍵11aの
鍵番号(ノートナンバー)に対応して設定されているピ
ッチデータにずれ量△fを加算する補正を行う。
【0036】このように補正することによって、例えア
コースティックピアノ部AP側のピッチが経年変化や調
律具合い等で理論値からずれていても、電子楽器部EP
側でそのずれに対応して補正されるため、アコースティ
ックピアノ部APと電子楽器部EPの両者から同時に発
音させた音のピッチがほぼ等しくなる。従って、両者か
ら同時に発音されても不快感を生じることもなくなる。
【0037】また、アコースティックピアノ部APによ
る演奏と電子楽器部EPによる演奏とをそれぞれ単独で
行う場合、従来はそれぞれを演奏する際、同じ音を弾い
ているつもりでも実際に発せられるピッチが違って違和
感を感じてしまい、ピッチ感を養う妨げになっていた
が、本実施例では、上記補正によりこのような不都合も
なくなる。
【0038】以上本発明の一実施例を説明したが、本発
明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内の種々なる態様を採用することができる。例えば、上
記実施例では、本発明のアコースティック・電子複合楽
器をアコースティック・電子複合ピアノ1に適用した場
合を説明したが、ピアノには限定されず、他の楽器でも
同様に適用できるものがある。例えばチェンバロでは基
本的な違いとしてピアノにおける「弦を打つ」構成を
「弦を爪が弾く」構成にしただけなので、ほとんど同様
に適用できる。また、鍵盤楽器だけではなく、例えばハ
ープでも適用できる。このように、基本的に音源が弦で
あり、各弦と発生する音とが1対1に対応しているよう
な楽器であれば、本発明は実施可能である。
【0039】さらに、ギターのように、1本の弦で何種
類もの音を出すような楽器の場合でも適用は可能である
が、そのようないわゆる弦楽器では、一般的に弦数が4
〜6本、多いものでも12本程度であり、また演奏者自
身が調律するのが一般的である。従って、上述したピア
ノのように演奏者自身が調律をすることはほとんどな
く、調律に高度な専門性が要求されるような楽器の場合
に、特に効果を発揮するのである。
【0040】
【発明の効果】以上の如く本発明のアコースティック・
電子複合楽器によれば、例えアコースティック楽器機構
のピッチが経年変化や調律具合い等で理論値からずれて
いても、電子楽器機構側でそのずれに対応して補正され
るため、アコースティック楽器機構と電子楽器機構の両
者から同時に発音させた音のピッチがほぼ等しくなる。
従って、両者から同時に発音されても不快感を生じるこ
ともなくなる。また補正がされないと、それぞれを単独
演奏する際に同じ音を弾いているつもりでも実際に発せ
られるピッチが違って違和感を感じてしまい、ピッチ感
を養う妨げになっていたが、本発明では、上記補正によ
りこのような不都合もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアコースティック・電子複合楽器の
基本構成を例示するブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例である複合ピアノの概略構
成を示すブロック図である。
【図3】 (a)は拾音マイクの取付位置を、(b)は
ピックアップを用いた場合の取付位置をそれぞれ示す説
明図である。
【図4】 実施例におけるキーセンサ及び関連する構成
を示す説明図である。
【図5】 本実施例の全般処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】 本実施例のパネルイベント処理を示すフロー
チャートである。
【図7】 本実施例の鍵盤イベント処理を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1…アコースティック・電子複合ピアノ、 11…鍵
盤、 11a…鍵、13…打弦機構、 21…キ
ーセンサ、 23…パネル部、33…楽音信号発生部、
36…拾音マイク、 41…波形メモリ、53a,5
3b…アンプ、 55a,55b…スピーカ、AP…
アコースティックピアノ部、 EP…電子楽器部、 G
…弦、 K…響板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏音を指定するための演奏音指定手段
    を備え、その演奏音指定手段の操作を通じて指定された
    演奏音を発生させるアコースティックな楽器機構と、 上記演奏音指定手段の操作状態を検出する操作状態検出
    手段と、その検出された上記演奏音指定手段の操作状態
    に基づき、対応する楽音波形を生成する楽音波形生成手
    段と、その生成された楽音を出力する楽音出力手段とを
    有する電子的な楽器機構と、 を備えたアコースティック・電子複合楽器であって、 上記アコースティック楽器機構から発音される音を拾音
    するために一つだけ設けられた拾音手段と、 該拾音手段により拾音した音のピッチを検出するピッチ
    検出手段と、 上記操作状態検出手段による検出結果に基づき上記演奏
    音指定手段において1音のみの指定がされているか否か
    を判定し、1音のみの指定の場合に限り、上記ピッチ検
    出手段により検出したピッチに基づいて、上記楽音発生
    手段より発生させる対応楽音のピッチを補正するピッチ
    補正手段と、 を備えたことを特徴とするアコースティック・電子複合
    楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014228751A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 ヤマハ株式会社 情報処理装置及び楽器

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