JPH0717448B2 - ガラス状カ−ボン複合体およびその製造方法 - Google Patents

ガラス状カ−ボン複合体およびその製造方法

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JPH0717448B2 JP60218330A JP21833085A JPH0717448B2 JP H0717448 B2 JPH0717448 B2 JP H0717448B2 JP 60218330 A JP60218330 A JP 60218330A JP 21833085 A JP21833085 A JP 21833085A JP H0717448 B2 JPH0717448 B2 JP H0717448B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス状カーボン複合体に関する。特に、ガ
ラス状カーボン材料の性質を維持し、しかも線熱膨張係
数が大きいガラス状カーボン複合体およびその製造方法
に関する。
〔概要〕
本発明は、ガラス状カーボン複合体において、 適切な無機物および製造方法を選択することにより、 ガラス状カーボン材料の優れた性質を維持しながら線熱
膨張係数が大きいガラス状カーボン複合体を得るもので
ある。
〔従来の技術〕
一般に、三次元網目構造で形成され不溶不融の性質をも
つ熱硬化性樹脂の硬化物を不活性雰囲気中で炭素化する
と、ガス不透過性に優れ、硬度が高く、しかも等方性組
織を有するガラス状カーボン材料が得られる。このガラ
ス状カーボン材料は、一般の炭素材料が有する軽量、耐
熱性、高電気伝導度、耐蝕性、熱伝導度、機械的強度、
潤滑性等の特性に加え、均質でかつ摺動部に用いても炭
素粉末を生じない特性を備えていて、エレクトロニクス
産業、原子力産業、宇宙産業をはじめ各種の分野で広範
囲な利用が期待されている。特に、一般の炭素材料やフ
ァインセラミックス焼結体に比べて均質でしかも精密加
工が容易であることから、極めて小さな部品でも精度よ
く仕上げることのできる材料として期待されている。
また、エレクトロニクス関係部品は、高密度化の要求に
より、さらに小さく精密に加工することが要求されてい
る。このような部品の例として磁気ヘッドがある。磁気
ヘッドを製造するには、例えばフロッピーディスク用ヘ
ッド等では、ソフトフェライト等の磁性材料のコア材と
非磁性材料の構造部品とにそれぞれ精密加工を施し、こ
れらを組み立てる。このような非磁性材料の構造部品
は、潤滑性および耐摩耗性に加えて、研磨により鏡面が
得られることが要求される。また、ハードディスク用の
コンポジット型磁気ヘッドや薄膜型磁気ヘッドに用いら
れるスライダ材では、上記の潤滑性、耐摩耗性および研
磨面の平滑性に加え、軽量であることも重要な性質であ
る。これらの構造部品やスライダ材を総称して磁気ヘッ
ド用基体という。
従来は、磁気ヘッド用基体として、チタン酸カルシウム
CaTiO3系、チタン酸バリウムBaTiO3系もしくは酸化アル
ミニウムAl2O3−チタンカーバイドTiC系の磁器が用いら
れていた。しかし、これらの磁器は非常に加工性が悪
く、欠けやクラックが発生しやすい欠点があった。すな
わち、磁気ヘッド用基体に用いられる材料は、磁気ヘッ
ドを構成するために極めて精密な加工を施す必要があ
り、研磨抵抗が小さく加工性に優れていることが要求さ
れた、また、磁気ヘッドに組立てたときの記録媒体に対
する耐摩耗性を向上させるとともに研磨抵抗を下げま、
さらに結晶組織を緻密にする必要がある。さらに、記録
媒体に対する摩擦係数を低下させることができればさら
に優れている。
ガラス状カーボン材料は、これらの要求をすべて満足で
きる優れた材料であり、これを磁気ヘッド用基体に利用
することが検討されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、ガラス状カーボン材料を他の物質とガラス接着
するためには、ガラス状カーボン材料の線熱膨張係数を
40〜130×10-7/℃程度に増大させることが必要であ
る。このために、無機物とガラス状カーボン材料とを複
合化することが考えられる。
黒鉛や高密度炭素等のガラス状カーボン材料以外の炭素
材料ては、高強度化の目的で、セラミック等との複合化
が行われている。しかし、一般に炭素材料自体で緻密な
材料を得ることが容易ではなく、また、セラミックと炭
素材料との均一な複合化も困難である。緻密で高強度の
炭素−セラミック複合体の製造方法としては、コークス
とセラミックとの混合粉末を加圧熱処理する方法や、自
己焼結性を有する炭素粉末を使用し、粘結材を用いない
方法がある。しかし、これらの方法で得られる炭素複合
材料は、ガラス状カーボン材料のような、均質で摺動部
に用いても炭素粉末を生じない性質を得ることはできな
い。
本発明は、ガラス状カーボン材料の性質を維持し、しか
も線熱膨張係数を極めて大きいガラス状カーボン複合体
およびその製造方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のガラス状カーボン複合体は、ガラス状カーボン
と線熱膨張係数が40×10-7/℃以上のTiC、HfC、TaC、N
bC、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マ
グネシウム、フッ化バリウム、フッ化ナトリウム、フッ
化クロムおよびフッ化チタン酸カリウムからなる群より
選ばれた一以上の無機とを6:1〜1:2の重量比で含み、線
熱膨張係数が40×10-7/℃ないし130×10-7/℃である
ことを特徴とする。この線熱膨張係数は、従来のガラス
状カーボンの線熱膨張係数、すなわち20×10-7/℃ない
し35×10-7/℃に比較して非常に大きい。
このようなガラス状カーボン複合体を製造するには、熱
硬化性樹脂に、上記の炭化物またはフッ素化合物あるい
は焼成により上記の炭化物またはフッ素化合物に変化す
ることのできる前駆体を、ガラス状カーボンおよび無機
物または無機化合物換算で6:1〜1:2の重量比で混入し、
これを800℃以上の温度で焼成する。
ここで「根硬化性樹脂」とは、触媒なしに加熱、触媒の
存在化で加熱、または加熱せずに触媒を添加するによ
り、架橋が進み熱的に溶融しない硬化物となる有機化合
物をいう。また、「不活性雰囲気」とは、酸素を含ま
ず、通常はヘリウム、アルゴン、窒素、水素からなる群
より選ばれた少なくとも一種の気体からなる雰囲気ある
いは減圧または真空下の雰囲気をいう。
無機物の熱膨張係数を測定すると、その値は結晶構造と
結晶結合強度とに大きく依存していることがわかる。一
般に、結晶構造の充填性の良い結晶および結晶結合強度
の小さい結晶は、大きな線熱膨張係数をもつ。このよう
な線熱膨張係数の大きい物質とガラス状カーボン材料と
を複合化し、線熱膨張係数の大きなガラス状カーボン複
合体を製造することを検討し、さらに、ガラス状カーボ
ン材料の特性を維持できるように、添加する物質の配合
率および種類を検討することにより、本発明を完成し
た。
炭化物は、高硬度物質で、結合強度が大きいため線熱膨
張係数が小さいものが多い。しかし、TiC、HfC、TaC、N
bCのように線膨張係数が比較的大きいものもあり、これ
らを本発明に用いることができる。
フッ素化合物は、線熱膨張係数が非常に大きく特に有効
である。なかでも、炭素化の温度より融点の高いものが
望ましく、例えばフッ化アルミニウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシ
ウム、フッ化バリウム、フッ化クロム、フッ化チタン酸
カリウムを用いることができる。特に、フッ化カルシウ
ム、フッ化マグネシウムおよびフッ化バリウムが望まし
い。
熱硬化性物質に無機物質を混入するときに、混合する物
質を均一に分散させる必要がある。このためには、ミ
ル、らいかい機、ホモミキサ、ボールミル、ニーダ、ロ
ーラ、サンドミル等で粉砕混合する。さらに分散材を加
えることも望ましい。このときに、添加される無機物質
の粒径は、10μm以下、さらには1μm以下にすること
が望ましい。
焼成に先立って熱硬化性樹脂を300〜750℃で熱処理し、
この後に不活気体雰囲気中で1000気圧以上で加圧して80
0℃以上の温度で焼成することが望ましい。熱処理温度
は500〜700℃がさらに望ましい。ここで「加圧」とは、
密閉された容器内に外部から油圧等の機械的力を加え、
処理中の材料に直接または間接に圧力を加えることを意
味し、密閉された容器内の気体の圧力で等方的圧力を加
えることを含む。
加圧して焼成することにより、 (1) 焼成時にボイドが発生することを防ぎ、 (2) 常圧と異なる条件で熱分解させてガラス状カーボ
ン複合体のミクロ構造に歪をもたせ、 (3) 複合材の接合界面での熱膨張吸収機構を押さえ込
む ことができる。
加圧の大きさ、加圧中の熱硬化性樹脂の焼成温度および
加圧中の最終温度のそれぞれの条件を選択することによ
り、線熱膨張係数が極めて大きいガラス状カーボン複合
体を得ることができる。
加圧方法としては、特にHIP処理(熱間静水圧加圧法)
が好ましい。HIP処理は、被処理体に高温下で不活性気
体の圧力を作用させる処理方法である。
次に、加圧中の圧力および最終温度について説明する。
熱硬化性樹脂の焼成温度が1200℃以上である場合には、
線熱膨張係数に対する効果は、圧力よりも最終温度に依
存する。
最終温度が1500℃以上の場合には、特に大きな線熱膨張
係数のガラス状カーボン複合体を得ることができるが、
マトリクスがフィラー表面で応力集中を受け、フィラー
周辺のカーボンが黒鉛化する。この場合には、得られた
ガラス状カーボン複合体は、層間剥離による摩耗が大き
くなる。圧力によっても異なるが、1000気圧以上の高圧
を加えた場合には、1500℃以上の高温で処理を行った場
合に、著しく摩耗が大きくなることが判明した。摩耗を
大きくする炭素の黒鉛化の程度はX線回析により調べる
ことができる。CuのK線を用いた広角X線回析プロファ
イルによれば、黒鉛層の重なりは2θ=26.4゜近傍にd
002ピークをもつ。このピークの半値幅の角度1゜以下
になると黒鉛化が進み耐摩耗性が大きく劣化することが
わかった。したがって、最終温度を1500℃以下にするこ
とが望ましい。
また、熱硬化性樹脂の焼成温度が1200℃より低い場合に
は、線熱膨張係数に対する圧力の効果が大きく、1000気
圧以上、好ましくは1500気圧以上、より好ましくは2000
気圧以上の圧力を用いることにより、ガラス状カーボン
材料の優れた性質を維持しながら、熱膨張係数の大きな
ガラス状カーボン複合体を得ることができる。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂としては、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、キシレン樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂
をそのまま、あるいはブレンドまたは変性させて用い
る。
熱硬化性樹脂に変性させることができるものとしては、
上述のフェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂、
あるいはアスファルト、ピッチ等をはじめとする天然に
産する高い炭素収率を有するものの他に、リグニン、セ
ルロース、トラガカントガム、アラビアゴム、フミン
酸、各種糖類などの比較的高い炭素収率を有する親水性
物質等がある。
また、ガラス状カーボン材料を製造するにあたって、製
造工程中にフィラー(骨材)を混入することもできる。
フィラーとしては、上記熱硬化性樹脂を含む各種カーボ
ン材料、例えばポリアクリロニトリル系カーボン材料、
セルロース系カーボン材料、リグニン系カーボン材料、
フェノール系カーボン材料、フラン系カーボン材料、エ
ポキシ樹脂系カーボン材料、アルキッド樹脂系カーボン
材料、不飽和ポリエステル系カーボン材料、キシレン樹
脂系カーボン材料の他に、各種黒鉛、カーボンブラック
等を用いることができ、繊維状、粒子状、粉末状、塊状
等のあらゆる形態のカーボン材料を使用することができ
る。ただし、フィラーを混入する場合には、前述のよう
に、熱分解により不均質部分が生じないように注意する
必要がある。
〔作用〕
本発明のガラス状カーボン複合体は、その線膨張係数が
金属、合金、フェライト等の金属化合物やその他多くの
材料の線膨張係数とはほぼ等しい。このため、これらの
材料に歪を生じることなしにガラス接着できる。このガ
ラス状カーボン複合体を製造する方法において、特に加
圧して焼成する場合には、混合する無機物質の分率が少
なくても大きな線熱膨張係数を得ることができる。した
がって、ガラス状カーボン材料の優れた性質を維持しな
がら、線膨張係数を大きくすることができる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例によりさらに詳細に説明するが、以
下に示す例はあくまで一例であり、これにより本発明の
技術範囲を限定するものではない。また、実施例中で
「部」とあるのは、すべて「重量部」を意味する。
(実施例1) フルフリルアルコール100部に0.011N−HCl水溶液を5部
添加し、95℃で6時間反応させたのち減圧脱水した。得
られたフルフリルアルコール初期縮合物樹脂100部に対
して、70%パラトルエンスルホン酸水溶液1.5部を添加
して十分に攪拌した。
これにより得られた熱硬化樹脂から30gの試料を作り、
それぞれにCaF2を12g、18g、29g加えてニーダーで混練
した。熱硬化性樹脂30gは加熱処理(〜1200℃)により1
6gのガラス状カーボンとなる量である。これを、厚さ3m
mの短冊状の型に注入して減圧脱泡した。次に、50〜60
℃で3時間、さらに90℃で5日間加熱した。これにより
得られた短冊状の複合硬化樹脂を管状炉に入れ、窒素気
流中にて10℃/hr昇温速度で1200℃まで昇温し、この温
度で2時間保持した後に冷却した。この試料をX線回析
により測定したところ、CaF2−ガラス状カーボン複合体
であった。
混合したCaF2の重量が12g、18g、29gのそれぞれに対し
て、線熱膨張係数がそれぞれ46.1×10-7/℃、56.2×10-7
/℃のCaF2−ガラス状カーボン複合体を得た。
(実施例2) 実施例1で得た熱硬化性樹脂90gにCaF2を87g加え、サン
ドミルで粉砕して混合した。この後に実施例1と同様に
1200℃で焼成した。これにより、線熱膨張係数が102×1
0-7/℃のCaFB−ガラス状カーボン複合体を得た。
(実施例3) 実施例1で得た熱硬化性樹脂から30gの試料を作り、Ti
C、CaF2をそれぞれ12g加え、ボールミルで混合した。こ
の後に実施例1と同様にして複合硬化樹脂を作成し、こ
れを管状炉に入れ、窒素気流中にて10℃/hr昇温速度で7
00℃まで昇温し、この温度で2時間保持した後に冷却し
た。
この複合ガラス状カーボン前駆体をHIP装置の試料室に
挿入し、加圧した後に1500℃・1500気圧、1200℃・1500
気圧および1000℃・2000気圧の三条件で2時間処理し
た。
これにより得られた試料をX線回析で調べたところ、15
00℃・1500気圧の条件で処理した試料では黒鉛化が進ん
でいたが、他の条件では、無機物−ガラス状カーボン複
合体が得られていた。このガラス状カーボン複合体の線
熱膨張係数およびX線回析結果を第1表に示す。ただ
し、線熱膨張係数の単位は〔/℃〕であり、「GC」はガ
ラス状カーボン複合体を表す。
〔実施例4〕 実施例1で得た熱硬化性樹脂30gにCaF2を24g、29g加
え、ニーダーで混練した。これを実施例1と同様にして
700℃および1200℃で焼成した。この複合ガラス状カー
ボン前駆体をHIP装置の試料室に挿入し、加圧した後に1
200℃・1500気圧、1000℃・1800気圧の二つの条件で2
時間処理した。これにより得たCaF2−ガラス状カーボン
複合体の線熱膨張係数を第2表に示す。ここで線熱膨張
係数の単位は、〔×10-7/℃〕である。
(実施例5) 実施例1で得た熱硬化性樹脂30gにCaF2を12.6g、15.7
g、19.5g、29.0g加え、サンドミルでCaF2の平均粒径が
0.4μmになるまで粉砕して混合した。この後に、実施
例1と同様に700℃で焼成し、さらに1000℃・1800気圧
でHIP処理を施した。上記のCaF2添加量に対して、それ
ぞれ熱膨張係数が101×10-7/℃、100×10-7/℃、108×1
0-7/℃、120×10-7/℃のCaF2−ガラス状カーボン複合体
を得た。
(試験例) 実施例1および実施例3で得られたガラス状カーボン複
合体をコア支持体として用い、このコア支持体が磁気ヘ
ッドコアを挟み込む構造の磁気ヘッドを作成した。図は
この磁気ヘッドの斜視図である。
この磁気ヘッドは、磁気ヘッドコア2の両側に、ガラス
状カーボン複合体のコア支持体1を低融点ガラスで接着
し、これらをコイル3で巻いた構造である。
この磁気ヘッドに対するガラス接着による影響を調べる
ために、コイル3のインダクタンスを測定した。1kHzに
おけるインダクタンスL1kに対する測定周波数における
インダクタンスLの比、すなわちL/L1kの値は、5×106H
zまで0.8以上であった。特に、実施例3で得られたCaF2
−ガラス状カーボン複合体を用いた場合には、0.83以上
の高い値が得られた。
〔発明の効果〕
本発明のガラス状カーボン複合体は、その製造方法によ
り、金属、合金、フェライト等の金属化合物やその他多
くの材料と完全またはほぼ等しい線熱膨張係数をもつこ
とができる。一般に、線熱膨張係数の差が小さい材料ど
うしは、信頼性の高い接着が可能である。したがって、
信頼性の高いガラス接着が可能であり、また平滑面上に
歪なしに機能性薄膜を形成できる。このため、ガラス状
カーボン材料の性質と金属や他の機能材料の性質とを複
合して備えたエレクトロニクス部品の開発が可能とな
り、多機能の部品の開発が可能となる優れた効果があ
る。
また、本発明のガラス状カーボン複合体は、線熱膨張係
数の制御と鏡面性とを利用して、薄膜蒸着またはスパッ
タリングを行い、極薄膜製造基体として利用することが
できる。例えば、フロッピーディスク用またはVTR用の
磁気ヘッド基体、磁気ヘッドスライダ、摺接部分の非磁
性保護部材、磁気ディスク用磁気ヘッドの薄膜支持体等
の極薄膜基体に利用できる。さらに、一般の精密電子部
品に用いられる耐摩耗性の摺接部品や、高集積化および
高密度化に伴う電子材料にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明のガラス状カーボン複合体の試験に用いた磁
気ヘッドの斜視図。 1……コア支持体、2……磁気ヘッドコア、3……コイ
ル。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス状カーボンと、線熱膨張係数が40×
    10-7/℃以上のTiC、HfC、TaC、NbC、フッ化フルミニウ
    ム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バ
    リウム、フッ化ナトリウム、フッ化クロムおよびフッ化
    チタン酸カリウムからなる群より選ばれた一以上の無機
    化合物とを6:1〜1:2の重量比で含み、 線熱膨張係数が40×10-7/℃ないし130×10-7/℃であ
    るガラス状カーボン複合体。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂に、線熱膨張係数が40×10-7
    /℃以上のTiC、HfC、TaC、NbC、フッ化アルミニウム、
    フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウ
    ム、フッ化ナトリウム、フッ化クロムおよびフッ化チタ
    ン酸カリウムからなる群より選ばれた一以上の無機化合
    物を、上記熱硬化性樹脂を焼成して得られるガラス状カ
    ーボンと上記無機化合物との重量比が6:1〜1:2となる割
    合で混合し、 これにより得られた混合物を800℃以上で焼成する ガラス状カーボン複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】焼成は、300〜750℃であらかじめ熱処理し
    た後に、不活性雰囲気中で1000気圧以上の圧力を加えて
    行う特許請求の範囲第(3)項に記載のガラス状カーボン
    複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】熱硬化性樹脂に、焼成により熱膨張係数が
    40×10-7/℃以上のTiC、HfC、TaC、NbC、フッ化アルミ
    ニウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ
    化バリウム、フッ化ナトリウム、フッ化クロムおよびフ
    ッ化チタン酸カリウムからなる群より選ばれた一以上の
    無機化合物となる前駆体を、上記熱硬化性樹脂を焼成し
    て得られるガラス状カーボンと上記無機化合物との重量
    比が6:1〜1:2となる割合で混合し、 これにより得られた混合物を800℃以上で焼成する ガラス状カーボン複合体の製造方法。
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