JPH07174368A - 輻射冷暖房装置 - Google Patents

輻射冷暖房装置

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Publication number
JPH07174368A
JPH07174368A JP5198294A JP5198294A JPH07174368A JP H07174368 A JPH07174368 A JP H07174368A JP 5198294 A JP5198294 A JP 5198294A JP 5198294 A JP5198294 A JP 5198294A JP H07174368 A JPH07174368 A JP H07174368A
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JP
Japan
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panel unit
floor
ceiling
radiant
heat source
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Application number
JP5198294A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Tajima
秀樹 田島
Noriyasu Okamoto
徳泰 岡本
Toshimi Kanezaki
登士巳 金崎
Atsushi Ariyoshi
淳 有吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Publication date
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、天井,床,壁からなる所定の容積
の室の室内空間を輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房装置
に関し、冷温水の温度条件を緩和し、輻射冷房を行って
も除湿機を不要にするとともに輻射暖房を行っても低温
火傷を防止することを目的とする。 【構成】 冷水または温水を供給するための1以上の熱
源ユニットと、熱源ユニットからの冷水または温水が流
れる天井チューブを有し、天井輻射を行なう天井輻射パ
ネルユニットと、熱源ユニットからの冷水または温水が
流れる側面チューブを有し、側面輻射を行なう側面輻射
パネルユニットと、熱源ユニットからの冷水または温水
が流れる床チューブを有し、床輻射を行なう床輻射パネ
ルユニットとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天井,床,壁からなる
所定の容積の室の室内空間を輻射冷暖房で空調する輻射
冷暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空調システムとして、省エネルギ
ー性,脱フロン性,快適性の観点より輻射空調システム
が注目されている。特に、高齢者用共同住宅,保養施
設,老人ホーム,療養施設等におけるリビング室や病室
において、空調環境として快適な環境が要求されてい
る。
【0003】輻射空調システムは、顕熱も潜熱も一緒に
空気熱媒体で処理する対流空調に対して、例えば、天井
輻射冷房の場合には、顕熱は輻射冷房で、潜熱は除湿機
で別々に処理するという考え方に基づいている。
【0004】輻射空調システムでは、輻射パネル面積を
大きく確保することが重要な要素であるが、輻射パネル
面積を大きく確保できる床,天井に限定されており、輻
射式の壁パネルは用いられていなかった。
【0005】かかる輻射式の壁パネルとして、暖房用の
ものは用いられていたが、輻射パネル面積を大きく確保
することが困難という理由で、冷房用のものや、冷暖房
用のものは、採用されていなかった。
【0006】また、床,天井から輻射冷暖房を行なう場
合、床,天井を構成するコンクリートスラブ内に冷温水
配管を打ち込んでいるので、吸放熱効率が悪いという問
題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】輻射空調システムは省
エネルギー性を備えたシステムであるものの、天井輻射
パネルユニット,床輻射パネルユニットの面積が天井,
床にそれぞれ限定されている。
【0008】そして、天井,床,壁からなる所定の容積
の室を輻射冷暖房で空調しようとする場合、輻射熱量を
確保するために、例えば、輻射冷房を行なう場合には、
天井,床の面積を増やすことができないので、天井輻射
パネルユニット,床輻射パネルユニットの温度を低くす
れば良いことになるが、表面温度を低くすると結露を防
止するために冷房時、除湿機を必要とする。
【0009】また、暖房時には、天井輻射パネルユニッ
ト,床輻射パネルユニットの温度を高くすると、低温火
傷の虞れがある。このように、冷温水の温度条件が厳し
くなる。
【0010】また、結果として、従来の空気循環の空調
方式と、供給する冷温水の温度条件が同程度になり、省
エネルギー性の低いものとなっている。また、限定され
た天井,床の範囲内で天井輻射パネルユニット,床輻射
パネルユニットの面積を増やしても、側面からの輻射熱
を確保できないので、冷房時には各輻射パネルユニット
の平均輻射温度が冷房時に結露温度より低くなり、暖房
時には、各輻射パネルユニットの平均輻射温度が低温火
傷の虞れがある温度より高くなり、冷温水の温度条件を
緩和できず、好ましくない。なお、ここで、平均輻射温
度は、天井輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の各パネル表面温度の平均値におおむね比例するとされ
ている。
【0011】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、冷温水の温度条件を緩和
し、輻射冷房を行っても除湿機を不要にするとともに輻
射暖房を行っても低温火傷を防止できる輻射冷暖房装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
天井,床,壁からなる所定の容積の室を輻射冷暖房で空
調する輻射冷暖房装置において、冷水または温水を供給
するための1以上の熱源ユニットと、天井に取り付けら
れるとともに、熱源ユニットからの冷水または温水が流
れる天井チューブを有し、天井輻射を行なう天井輻射パ
ネルユニットと、壁に取り付けられるとともに、熱源ユ
ニットからの冷水または温水が流れる側面チューブを有
し、側面輻射を行なうる側面輻射パネルユニットと、床
に取り付けられるとともに、熱源ユニットからの冷水ま
たは温水が流れる床チューブを有し、床輻射を行なう床
輻射パネルユニットとを備えていることを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、天井,床,壁から
なる所定の容積の室を輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房
装置において、冷水または温水を供給するための一対の
通水口を有する熱源ユニットと、天井に取り付けられる
とともに、熱源ユニットの一対の通水口の一方側に一端
が接続される天井チューブを有し、天井輻射を行なう天
井輻射パネルユニットと、側面チューブの他端に接続さ
れた冷温水配管と、床に取り付けられるとともに、一端
が冷温水配管に接続されて熱源ユニットの一対の通水口
の他方側に他端が接続された床チューブを有し、床輻射
を行なう床輻射パネルユニットとを備えていることを特
徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、天井,床,壁から
なる所定の容積の室を輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房
装置において、冷水または温水を供給するための一対の
通水口を有する熱源ユニットと、天井に取り付けられる
とともに、熱源ユニットの一対の通水口の一方側に一端
が接続される天井チューブを有し、天井輻射を行なう天
井輻射パネルユニットと、壁に取り付けられるととも
に、天井チューブの他端に一端が冷温水配管を介して接
続される側面チューブを有し、側面輻射を行なう側面輻
射パネルユニットと、床に取り付けられるとともに、一
端が側面チューブの他端に他の冷温水配管を介して接続
されて熱源ユニットの一対の通水口の他方側に他端が接
続された床チューブを有し、床輻射を行なう床輻射パネ
ルユニットとを備えていることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の輻射冷暖房装置は、請求項
1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源ユニッ
トは、冷水または温水の切り換えを行なう切換弁を内蔵
していることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の輻射冷暖房装置は、請求項
1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源ユニッ
トは、冷凍サイクルを利用して冷水または温水を供給す
る冷温水発生機を有していることを特徴とする。
【0017】請求項6記載の輻射冷暖房装置は、請求項
1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源ユニッ
トは、ガスエンジン冷凍サイクルを利用して冷水または
温水を供給する冷温水発生機を有していることを特徴と
する。
【0018】請求項7記載の輻射冷暖房装置は、請求項
1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源ユニッ
トは、吸収冷凍機を利用して冷水または温水を供給する
冷温水発生機及び凝縮水の冷却を行う冷却装置を有して
いることを特徴とする。
【0019】請求項8記載の輻射冷暖房装置は、請求項
1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源ユニッ
トは、冷凍サイクル及び温水熱交換器を利用して冷水ま
たは温水を供給する冷温水発生機を有していることを特
徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明においては、夏の冷房時に
は、天井輻射パネルユニットの天井チューブ,側面輻射
パネルユニットの側面チューブ,床輻射パネルユニット
の床チューブに熱源ユニットから冷水が供給され、天井
輻射パネルユニット,側面輻射パネルユニット,床輻射
パネルユニットからそれぞれ室内空間へ冷房輻射が行な
われる。
【0021】この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネ
ルユニット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユ
ニットの各表面温度の平均値におおむね比例するとされ
ている。
【0022】従って、冷房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を低くしても、平均輻射温度を、結露温度より高
くすることができ、結露が防止される。
【0023】一方、冬の暖房時には、天井輻射パネルユ
ニットの天井チューブ,側面輻射パネルユニットの側面
チューブ,床輻射パネルユニットの床チューブに熱源ユ
ニットから温水が供給され、天井輻射パネルユニット,
側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニットからそ
れぞれ室内空間へ暖房輻射が行なわれる。
【0024】この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネ
ルユニット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユ
ニットの各表面温度の平均値におおむね比例するとされ
ている。
【0025】従って、暖房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を高くしても、平均輻射温度を、低温火傷の虞の
ある温度より低くすることができ、低温火傷が防止され
る。
【0026】請求項2記載の発明においては、冷房時に
は、熱源ユニットの一対の通水口の一方側から天井輻射
パネルユニットの天井チューブに冷水が供給される。天
井チューブ内の冷水は、室内空間の上方の温められた空
気により吸熱作用を受け、吸熱分だけ冷水の温度が上昇
する。
【0027】冷水を、天井輻射パネルユニット→床輻射
パネルユニットの順序で流すので、冷水の温度は室内空
間の下方に行くに従って高くなっており、床輻射パネル
ユニットの表面温度は天井輻射パネルユニットの表面温
度より高くなる。
【0028】一方、暖房時には、熱源ユニットの一対の
通水口の他方側から床輻射パネルユニットの床チューブ
に温水が供給される。床チューブ内の温水は、室内空間
の下方の冷たい空気により冷却され、冷熱分だけ温水の
温度が下降する。温水を、床輻射パネルユニット→天井
輻射パネルユニットの順序で流すので、温水の温度は室
内空間の上方に行くに従って低くなっており、床輻射パ
ネルユニットの表面温度は天井輻射パネルユニットの表
面温度より高くなる。
【0029】このようにして、冷暖房時には、頭寒足熱
で快適性の高い環境が得られる。請求項3記載の発明に
おいては、夏の冷房時には、天井輻射パネルユニットの
天井チューブ,側面輻射パネルユニットの側面チュー
ブ,床輻射パネルユニットの床チューブに熱源ユニット
からの冷水が供給され、天井輻射パネルユニット,側面
輻射パネルユニット,床輻射パネルユニットからそれぞ
れ室内空間へ冷房輻射が行なわれる。
【0030】従って、冷房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を低くしても、平均輻射温度を、結露温度より高
くすることができ、結露が防止される。
【0031】そして、請求項2記載と同様にして頭寒足
熱で快適性の高い環境が得られる。一方、冬の暖房時に
は、天井輻射パネルユニットの天井チューブ,側面輻射
パネルユニットの側面チューブ,床輻射パネルユニット
の床チューブに熱源ユニットからの温水が供給され、天
井輻射パネルユニット,側面輻射パネルユニット,床輻
射パネルユニットからそれぞれ室内空間へ暖房輻射が行
なわれる。
【0032】従って、暖房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を高くしても、平均輻射温度を、低温火傷の虞の
ある温度より低くすることができ、低温火傷が防止され
る。
【0033】そして、請求項2記載と同様にして頭寒足
熱で快適性の高い環境が得られる。請求項4記載の輻射
冷暖房装置において、熱源ユニットは、冷水または温水
の切り換えを行なう切換弁を内蔵しているので、冷房時
には、冷水は、天井輻射パネルユニット→床輻射パネル
ユニットの順序で流れる。また、暖房時には、温水は、
床輻射パネルユニット→天井輻射パネルユニットの順序
で流れる。
【0034】請求項5記載の輻射冷暖房装置において、
熱源ユニットは、冷凍サイクルを利用して冷水または温
水を供給する冷温水発生機を有しているので、冷温水供
給条件が緩和されていることと相まって、従来の空気循
環式空調機と比して省エネルギー性が図られる。
【0035】請求項6記載の輻射冷暖房装置において、
熱源ユニットは、ガスエンジン冷凍サイクルを利用して
冷水または温水を供給する冷温水発生機を有しているの
で、請求項5記載の冷凍サイクルを利用する場合の効果
に加えて、暖房時における温水補助加熱を行なうことが
でき、より省エネルギを高くすることができる。
【0036】請求項7記載の輻射冷暖房装置において、
熱源ユニットは、吸収冷凍機を利用して冷水または温水
を供給する冷温水発生機及び凝縮水の冷却を行う冷却装
置を有しているので、請求項5記載の冷凍サイクルを利
用する場合の効果に加えて、冷却装置の密閉冷却化を図
ることができる。
【0037】請求項8記載の輻射冷暖房装置において、
熱源ユニットは、冷凍サイクル及び温水加熱を利用して
冷水または温水を供給する冷温水発生機を有しているの
で、請求項5記載の冷凍サイクルを利用する場合の効果
に加えて、暖房時における温水補助加熱が行なわれる。
これにより、地域温水供給設備等の温熱源から熱供給を
受けることができる。
【0038】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。図1ないし図5は請求項1,3,4,5記載の
発明の実施例に係わる輻射冷暖房装置を示す。
【0039】図1ないし図3において、図示しない建物
の室1は、直方体形状に構成され、天井2と、床3と、
4つの側壁4Aで囲まれてなる壁4とから構成され、室
1の室内空間を輻射冷暖房で空調するための熱源ユニッ
ト5が、室1に隣接して例えばバルコニー等の屋外に配
置されている。熱源ユニット5は、冷水または温水を供
給するための一対の通水口6,7を有している。
【0040】そして、室1の天井2には、天井輻射パネ
ルユニット8が取り付けられている。室1の壁4の各側
壁4Aには、壁輻射パネルユニットからなる側面輻射パ
ネルユニット9がそれぞれ取り付けられている。側面輻
射パネルユニット9の数は各側壁4Aについてそれぞれ
2個であり、全体としては8個になる。
【0041】室1の床3には、床輻射パネルユニット1
0が取り付けられている。以下、熱源ユニット5,天井
輻射パネルユニット8,側面輻射パネルユニット9,床
輻射パネルユニット10について述べる。
【0042】熱源ユニット5は、冷凍サイクルを利用
し、空気熱源により冷水または温水を供給するもので、
圧縮機11と、空気熱交換器12と、冷温水発生機とし
ての蒸発器兼凝縮機13とを備え、空気熱交換器12と
圧縮機11は第1配管14で接続され、圧縮機11と蒸
発器兼凝縮機13は第2配管15で接続され、蒸発器兼
凝縮機13と空気熱交換器12は第3配管16で接続さ
れている。第1配管14と第2配管15の間には第1切
換弁17が介装されている。
【0043】蒸発器兼凝縮機13には、通水口6に至る
第4配管18と通水口7に至る第5配管19が接続され
ている。第5配管19には循環ポンプ20が介装され、
第4配管18と第5配管19の間には第2切換弁21が
介装されている。
【0044】そして、天井輻射パネルユニット8には、
冷水または温水が流れる天井チューブ22が内蔵され、
この天井チューブ22は蛇行状に構成されている。天井
輻射パネルユニット8は図示しないパネルより天井輻射
を行なう。この天井チューブ22の一端22Aは熱源ユ
ニット5の一方の通水口6に第1冷温水配管23を介し
て接続されている。
【0045】側面輻射パネルユニット9には、冷水また
は温水が流れる側面チューブ24が内蔵され、この側面
チューブ24は蛇行状に構成されている。この側面チュ
ーブ24の一端24Aは、第2冷温水配管25を介して
天井チューブ22の他端22Bを介して接続されてい
る。
【0046】この側面チューブ24の他端24Bは、隣
接する側面輻射パネルユニット9の側面チューブ24の
一端24Aに図示しない冷温水配管を介して接続されて
おり、このようにして8個の側面輻射パネルユニット9
の側面チューブ24が連続しており、図1には、8個の
側面チューブ24のうちの最初の側面チューブ24と側
壁4Aを一周した最後の側面チューブ24が図示されて
いる。
【0047】図3に示すように、上記の輻射パネルユニ
ット9は、縦長矩形形状に構成された間仕切壁で、輻射
を行なう鋼板製の表パネル26と鋼板製の裏パネル27
の間に形成されるサンドイッチ型の空間に側面チューブ
24及び断熱材28を内蔵してなる。
【0048】側面チューブ24は、表面側に沿って形成
された輻射冷暖房用の表チューブ29とこの表チューブ
29に連続するとともに裏面側に沿って形成された裏チ
ューブ30とからなる。表チューブ29,裏チューブ3
0は、蛇行状に折れ曲がって構成されている。
【0049】そして、床輻射パネルユニット10には、
冷水または温水が流れる床チューブ31が内蔵され、こ
の床チューブ31は蛇行状に構成されている。床輻射パ
ネルユニット10は図示しないパネルにより床輻射を行
なう。この床チューブ31の一端31Aは輻射パネルユ
ニット9の側面チューブ24の他端24Bに第3冷温水
配管32を介して接続されている。
【0050】床チューブ31の他端31Bは熱源ユニッ
ト5の他方の通水口7に第4冷温水配管33を介して接
続されている。次に、本実施例において、夏の冷房時に
おける作用を図4により、冬の冷房時における作用を図
5により説明する。
【0051】図4に示す夏の冷房時には、熱源ユニット
5においては、第1切換弁17,第2切換弁21の制御
により蒸発器兼凝縮機13を蒸発器として、空気熱交換
器12を凝縮機として使用し、一方の通水口6から冷水
が供給するようになっている。
【0052】熱源ユニット5からの冷水は、天井輻射パ
ネルユニット8の天井チューブ22,側面輻射パネルユ
ニット9の側面チューブ24,床輻射パネルユニット1
0の床チューブ31に順番に流れ、熱源ユニット5の他
方の通水口7へ戻る。
【0053】そして、冷却された天井輻射パネルユニッ
ト8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニッ
ト10からそれぞれ室1の室内空間へ冷房輻射が行なわ
れる。
【0054】この場合、平均輻射温度TX は、天井輻射
パネルユニット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射
パネルユニット10の各表面温度の平均値におおむね比
例するとされている。例えば、天井輻射パネルユニット
8の表面温度をT1 ,側面輻射パネルユニット9の表面
温度をT2 ,床輻射パネルユニット10の表面温度をT
3 とすれば、 平均輻射温度TX ≒(T1 1 +T2 2 +T
3 3)/(S1 +S 2 +S 3)となる。
【0055】 ここで、S1 :天井輻射パネルユニット8の面積 S2 :側面輻射パネルユニット9の面積 S3 :床輻射パネルユニット10の面積とされている。
【0056】従って、冷房時には、天井輻射パネルユニ
ット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニ
ット10の表面温度を低くしても、平均輻射温度T
X を、結露温度より高くすることができ、結露が防止さ
れる。
【0057】そして、以下のように、頭寒足熱の高い快
適環境が得られる。夏の冷房時には、熱源ユニット5の
一方の通水口6から天井輻射パネルユニット8の天井チ
ューブ22に冷水が供給される。
【0058】天井チューブ22内の冷水は、室1の室内
空間の上方の温められた空気により吸熱作用を受け、吸
熱分だけ冷水の温度が上昇する。この温度上昇した冷水
は、側面輻射パネルユニット9の側面チューブ24に流
れ、側面チューブ24内の冷水は、室1の室内空間の中
央で温められた空気により吸熱作用を受け、吸熱分だけ
冷水の温度がさらに上昇する。
【0059】この温度上昇した冷水は、床輻射パネルユ
ニット10の床チューブ31に流れ、その後、熱源ユニ
ット5の他方の通水口7に戻り、熱源ユニット5で熱供
給を受ける。
【0060】従って、冷水の温度は室1の室内空間の下
方に行くに従って高くなっており、床輻射パネルユニッ
ト10の表面温度は天井輻射パネルユニット8の表面温
度より高く、頭寒足熱の高い快適環境が得られる。
【0061】ここで、例えば、天井輻射パネルユニット
8の表面温度を23〜28℃程度、床輻射パネルユニッ
ト10の表面温度を28〜30℃に設定すれば、供給さ
れる冷水の温度は15〜20℃になり、熱源ユニット5
の蒸発器兼凝縮機13における冷媒の蒸発温度は10〜
13℃程度となる。
【0062】一方、図5に示す冬の暖房時には、熱源ユ
ニット5においては、第1切換弁17,第2切換弁21
の制御により蒸発器兼凝縮機13を凝縮機として、空気
熱交換器12を蒸発器として使用し、他方の通水口7か
ら温水を供給するようになっている。
【0063】熱源ユニット5から温水が、床輻射パネル
ユニット10の床チューブ31,側面輻射パネルユニッ
ト9の側面チューブ24,天井輻射パネルユニット8の
天井チューブ22に順番に流れ、床輻射パネルユニット
10,側面輻射パネルユニット9,天井輻射パネルユニ
ット8からそれぞれ室1の室内空間へ暖房輻射が行なわ
れる。
【0064】この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネ
ルユニット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネ
ルユニット10の各表面温度の平均値におおむね比例す
るとされている。
【0065】従って、暖房時には、床輻射パネルユニッ
ト10,側面輻射パネルユニット9,天井輻射パネルユ
ニット8の表面温度を高くしても、平均輻射温度を、低
温火傷の虞のある温度より低くすることができ、低温火
傷が防止される。
【0066】そして、以下のように、頭寒足熱の高い快
適環境が得られる。先ず、熱源ユニット5の通水口7か
ら床輻射パネルユニット10の床チューブ31に温水が
供給される。
【0067】床チューブ31内の温水は、室1の室内空
間の下方の冷たい空気により冷却され、冷熱分だけ温水
の温度が下降する。この温度下降した温水は、側面輻射
パネルユニット9の側面チューブ24に流れ、側面チュ
ーブ24内の温水は、室1の室内空間の中央で冷やされ
た空気により冷熱作用を受け、冷熱分だけ温水の温度が
さらに下降する。
【0068】この温度下降した温水は、天井輻射パネル
ユニット8の天井チューブ22に流れ、その後、熱源ユ
ニット5の一方の通水口6に戻り、熱源ユニット5で熱
供給を受ける。
【0069】従って、温水の温度は室1の室内空間の上
方に行くに従って低くなっており、床輻射パネルユニッ
ト10の表面温度は天井輻射パネルユニット8の表面温
度より高く、頭寒足熱の高い快適環境が得られる。
【0070】ここで、例えば、床輻射パネルユニット1
0の表面温度を23〜28℃程度、天井輻射パネルユニ
ット8の表面温度を20〜25℃に設定すれば、供給さ
れる温水の温度は35〜40℃になり、熱源ユニット5
の蒸発器兼凝縮機13における冷媒の凝縮温度は43〜
45℃程度となる。
【0071】以上の如き構成によれば、冷房時には、天
井輻射パネルユニット8,側面輻射パネルユニット9,
床輻射パネルユニット10からそれぞれ室1の室内空間
へ冷房輻射を行なうことができ、この場合、平均輻射温
度は、天井輻射パネルユニット8,側面輻射パネルユニ
ット9,床輻射パネルユニット10の各表面温度の平均
値におねね比例するとされている。
【0072】従って、冷房時には、天井輻射パネルユニ
ット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニ
ット10の温度を低くしても、平均輻射温度を、結露温
度より高くすることができ、結露が防止される。従っ
て、輻射冷房を行っても除湿機を不要にすることができ
る。
【0073】一方、暖房時には、天井輻射パネルユニッ
ト8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニッ
ト10からそれぞれ室1の室内空間へ暖房輻射を行なう
ことができ、この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネ
ルユニット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネ
ルユニット10の各表面温度の平均値におおむね比例す
るとされている。
【0074】従って、暖房時には、天井輻射パネルユニ
ット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニ
ット10の温度を高くしても、平均輻射温度を、低温火
傷の虞のある温度より低くすることができ、輻射暖房を
行っても低温火傷を防止できる。
【0075】また、側面輻射パネルユニット9を配置し
ているので、側面輻射パネルユニット9自体が断熱材の
機能を果たし、側面輻射パネルユニット9により室内の
熱を室内に閉じ込めて室内の断熱効果を向上させ、輻射
冷暖房の効果を顕著にし、快適性を向上させることもで
きる。
【0076】また、冷房時には、冷水を、天井輻射パネ
ルユニット8→側面輻射パネルユニット9→床輻射パネ
ルユニット10の順序で流すので、冷水の温度は室1の
室内空間の下方に行くに従って高くなっており、床輻射
パネルユニット10の表面温度は天井輻射パネルユニッ
ト8の表面温度より高く、頭寒足熱の高い快適環境を得
ることができる。
【0077】一方、暖房時には、温水を、床輻射パネル
ユニット10→側面輻射パネルユニット9→天井輻射パ
ネルユニット8の順序で流すので、温水の温度は室1の
室内空間の上方に行くに従って低くなっており、床輻射
パネルユニット10の表面温度は天井輻射パネルユニッ
ト8の表面温度より高く、頭寒足熱の高い快適環境を得
ることができる。
【0078】さらに、冷房時には、頭寒足熱の高い快適
環境を得ることができるという状態を基礎にして、平均
輻射温度を決定することができ、冷房時には同一平均輻
射温度を得ようとする場合、従来システムに比べて各輻
射パネルの表面温度をより高くでき、暖房時にはその逆
に低くでき、より快適性を確保できる効果を奏する。
【0079】ここで、ちなみに、本実施例の輻射冷暖房
装置の効果を、従来の空気循環式空調機と省エネルギー
性の面で比較して述べる。広さが12〜15畳程度のリ
ビング室を例にすると、従来の空気循環式空調機の冷暖
房能力は3000〜4000kcal/hr程度で、圧縮機の
動力は1.1kwとなる。この場合、冷房時における蒸
発器兼凝縮機13の蒸発温度は3℃、暖房時における蒸
発器兼凝縮機13の冷媒の凝縮温度は52℃と一般的に
設計されている。
【0080】これに対して、本実施例の輻射冷暖房装置
では、前述のように蒸発温度は10〜13℃、凝縮温度
は43〜45℃程度で、圧縮機11の動力も0.3〜
0.5kw程度となり、実に60%に近いエネルギーを
節約できる。
【0081】また、熱源ユニット5は小容量のものなの
で、幅60cm,奥行25cm,高さ200cm程度の
図示しない鋼板製ケーシングにも収容することができ、
標準とされる大きさのバルコニに設置することができ
る。
【0082】また、空気熱交換器12と、蒸発器兼凝縮
機13が鋼板製ケーシング内に収容されていることか
ら、第1配管14,第2配管15,第3配管16内に充
填されるフロンの量を最小限にでき、脱フロンの方向に
近づけることができる。従来の空調システムにおける屋
内機と屋外機を冷媒配管で接続する場合に比して1/1
0以下のフロン使用量となる。そして、高齢者用の共同
住宅等を対象とした個別運転性の高い輻射空調システム
として使用することができる。また、共同住宅等の給水
が可能な区域では、熱源ユニット5をガス湯沸器ととも
に一体化させ、共同住宅等における総合的な熱源ユニッ
トとして使用することもできる。
【0083】なお、本実施例においては、側面輻射パネ
ルユニットの例として、壁輻射パネルユニットを例に挙
げて説明しているが、これに限定されることなく、例え
ば、柔軟性のあるカーテン自体に側面チューブを組み込
んだカーテン輻射パネルユニットに適用することもでき
る。或いは、間仕切壁に適用することもできる。
【0084】また、天井輻射パネルユニット8,側面輻
射パネルユニット9,床輻射パネルユニット10に潜熱
蓄熱材を収納することにより、深夜電力によリ蓄熱運転
を可能にし、一層の省エネルギーを図ることができる。
なお、側面輻射パネルユニット9の場合は、側面チュー
ブ24と断熱材28の間に潜熱蓄熱材を収納することに
なる。
【0085】さらに、本実施例においては、冷房時に
は、冷水を、天井輻射パネルユニット8→側面輻射パネ
ルユニット9→床輻射パネルユニット10の順序で流
し、暖房時には、温水を、床輻射パネルユニット10→
側面輻射パネルユニット9→天井輻射パネルユニット8
の順序で流すことにより、頭寒足熱の効果を得ている
が、冷水,温水の流す順序を変えても、天井輻射パネル
ユニット8,側面輻射パネルユニット9,床輻射パネル
ユニット10から冷暖房輻射の効果を得ることもでき
る。
【0086】そして、本実施例においては、熱源ユニッ
トの個数は1個で、この熱源ユニットから冷温水を得て
いるが、冷水用の熱源ユニット、温水用の熱源ユニット
を別々に配置することもできる。
【0087】そして、また、本実施例においては、輻射
パネルユニット9の例として間仕切壁を例に挙げている
が、これに限定されず、間仕切壁以外の壁に適用するこ
とができる。この場合には、裏チューブ30は無くして
表チューブ29のみを使用することになる。
【0088】そして、さらに、本実施例においては、第
2切換弁21は熱源ユニット5の内部に内蔵されている
が、該熱源ユニット5の外側に位置させて第4配管18
と第5配管19の間に第2切換弁21を介装することも
できる。
【0089】図6,図7は熱源ユニットの第1の変形例
を示す。本実施例における熱源ユニット5に代えて、図
6,図7に示す熱源ユニット41を用いることができ
る。以下に説明する。
【0090】図において、この熱源ユニット41は、ガ
スエンジン冷凍サイクルを利用して冷水または温水を供
給する冷温水発生機13を有してなるガスエンジンヒー
トポンプ式熱源ユニットであり、図1の同様の冷凍サイ
クルにおける圧縮機11の駆動機関としてガスエンジン
42を使用し、ガスエンジン42から発生する多大な排
熱も回収利用するものである。
【0091】熱源ユニット41は図7に示す鋼板製ケー
シング43内に一体に収容されている。従って、熱源ユ
ニット41はコンパクトに構成されている。鋼板製ケー
シング43の表扉43Aには、空気熱交換器用排気口4
3B及びこの空気熱交換器用排気口43Bの下方に位置
する空気熱交換器用給気口43Cが設けられている。ま
た、鋼板製ケーシング43の側面には、ガスエンジン用
排気口43D,ガスエンジン用給気口43Eが設けられ
ている。また、表扉43Aはヒンジを用いることにより
開閉自在に構成され、鋼板製ケーシング43を共同住宅
のバルコニ,屋外廊下,外壁等に直接設置することがで
き、その場合にはメインテナンス性を高くしている。
【0092】上記の如き熱源ユニット41によれば、次
の効果を奏する。空気熱交換器12と、蒸発器兼凝縮機
13が鋼板製ケーシング43内に収容されていることか
ら、第1配管14,第2配管15,第3配管16内に充
填されるフロンの量を最小限にでき、脱フロンの方向に
近づけることができる。従来の空調システムにおける屋
内機と屋外機を冷媒配管で接続する場合に比して1/1
0以下のフロン使用量となる。
【0093】さらに、ガスエンジン廃熱回収装置を組み
合わせることにより、暖房時における温水補助加熱を行
なうことができ、より省エネルギを高くしている。そし
て、高齢者用の共同住宅等を対象とした個別運転性の高
い輻射空調システムとして使用することができる。
【0094】なお、一般のガスエンジンヒートポンプ式
熱源ユニットは、元来マルチ化を主体にした機器構成が
なされており、セントラル空調用の熱源として使用され
るもので、大容量のものに使用されるが、小容量のもの
には使用されない。従って、上述の小容量の熱源ユニッ
ト41は一般のガスエンジンヒートポンプ式熱源ユニッ
トを利用できない。
【0095】また、共同住宅等の給水が可能な区域で
は、熱源ユニット41をガス湯沸器とともに一体化さ
せ、共同住宅等における総合的な熱源ユニットとして使
用することもできる。
【0096】そして、さらに、第1配管14,第2配管
15,第3配管16,循環ポンプ20,第2切換弁21
を用いて冷水,温水を、天井輻射パネルユニット8,側
面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニット10に
対して循環させることができる。
【0097】図8,図9は熱源ユニットの第2の変形例
を示す。本実施例における熱源ユニット5に代えて、図
8,図9に示す熱源ユニット51を用いることができ
る。以下、説明する。
【0098】図において、この熱源ユニット51は、図
1の冷凍サイクルにおける冷温水発生機としての蒸発器
兼凝縮機13に代えて吸収冷凍機52を使用するもので
ある。
【0099】熱源ユニット51は図9に示す鋼板製ケー
シング53内に一体に収容されている。従って、熱源ユ
ニット51はコンパクトに構成されている。鋼板製ケー
シング53の表扉53Aには、空気熱交換器用排気口5
3B及びこの空気熱交換器用排気口53Bの下方に位置
する空気熱交換器用給気口53Cが設けられている。ま
た、鋼板製ケーシング53の側面下部には、ガスバーナ
用排気口53D,ガスバーナ用給気口53Eが設けられ
ている。また、表扉53Aはヒンジを用いることにより
開閉自在に構成され、鋼板製ケーシング53を共同住宅
のバルコニ,屋外廊下,外壁等に直接設置することがで
き、その場合にはメインテナンス性を高くしている。
【0100】熱源ユニット51は、上記の冷温水発生機
としての吸収冷凍機52以外に空気熱交換器54からな
る冷却装置を有し、吸収冷凍機52と空気熱交換器54
は第1冷却水配管55,第2冷却水配管56を介して連
結されている。第2冷却水配管56の途中には、循環ポ
ンプ57が装着され、また、吸収冷凍機52には加熱用
のガス管58が接続されている。
【0101】吸収冷凍機52には、図1の熱源ユニット
5と同様にして通水口6に至る第4配管18と通水口7
に至る第5配管19が接続されている。第5配管19に
は循環ポンプ20が介装され、第4配管18と第5配管
19の間には第2切換弁21が介装されている。
【0102】上記の如き構成の熱源ユニット51によれ
ば、次の効果を奏する。図10に示すように、熱源ユニ
ット51は、凝縮水の冷却を空気熱交換器54からなる
冷却装置により行なうものであり、従来の吸収冷凍機に
おける凝縮水の冷却を開放式冷却塔により行っていたも
のを密閉化することにより、冷却水の補給を不要にでき
る。
【0103】また、吸収冷凍機52を利用する冷温水発
生方式であるため、冷媒としてのフロンを全く不要と
し、脱フロンの空調システムとして、地球環境問題に対
応できる。
【0104】加えて、高齢者用の共同住宅等を対象とし
た個別運転性の高い輻射空調システムとして使用するこ
とができる。また、共同住宅等の給水が可能な区域で
は、熱源ユニット51をガス湯沸器とともに一体化さ
せ、共同住宅等における総合的な熱源ユニットとして使
用することもできる。
【0105】さらに、循環ポンプ20,第2切換弁21
を用いて冷水,温水を、天井輻射パネルユニット8,側
面輻射パネルユニット9,床輻射パネルユニット10に
対して循環させることができる。
【0106】そして、広さが12〜15畳程度のリビン
グ室を例にすると、本実施例の輻射冷暖房装置では、供
給される冷水の温度は15〜20℃、温水の温度は35
〜40℃程度になっているので、冷暖房能力は3000
〜4000kcal/hr程度の小容量にすることができる。
【0107】なお、同一容積の部屋に対して、従来の空
気循環式空調機では、負荷側に供給される冷水の温度は
5〜10℃(<本実施例の輻射冷暖房装置の冷水15〜
20℃)、温水の温度は40〜45℃(>本実施例の輻
射冷暖房装置の冷水35〜40℃)程度を必要とし、冷
温水の温度条件が厳しくなっている。
【0108】また、従来の吸収冷凍機はセントラル空調
を前提に開発されたものであり、大容量のものになって
しまう。個別空調に対応できる小容量のものは現存して
いない。最小の冷暖房能力のものでも22680kcal/
hr程度の機種しかなく、本実施例の輻射冷暖房装置に必
要とされる冷暖房能力(3000〜4000kcal/hr)
よりも大容量のものになってしまい、要求される負荷に
対してマッチングしない。また、かかる冷暖房能力を満
足するためには、その筐体の幅は190cm,奥行は9
8cm,高さ230cmとなり、標準とされる大きさの
バルコニに設置することはできない。
【0109】そして、熱源ユニット5,上述したガスエ
ンジンヒートポンプ式の熱源ユニット41及び吸収冷凍
式の熱源ユニット51に代えて、温水式の熱交換器を用
いることもできる。
【0110】温水式の熱交換器は、熱源ユニット5と基
本的に同様の構成であるが、蒸発器兼凝縮機13に温水
加熱による加熱手段を付加したものであり、温水を造る
場合に使用される。
【0111】温水式の熱交換器は、熱源ユニット5と同
様の効果を生じ、暖房時における温水補助加熱を行なう
ことができるため、大型の共同住宅等で最近導入されつ
つある地域温水供給設備の利用を可能にするとともに、
前述のガス湯沸器とともに一体化させ、それらからの温
熱供給も可能とするものである。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、冷房時には、天井輻射パネルユニット,側
面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニットの3方向
の面からそれぞれ室内空間へ冷房輻射を行なうことがで
き、この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネルユニッ
ト,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニットの
各表面温度の平均値におねね比例するとされている。
【0113】従って、冷房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を低くしても、平均輻射温度を、結露温度より高
くすることができ、結露が防止される。即ち、冷水の温
度条件を緩和し、輻射冷房を行っても除湿機を不要にす
ることができる。
【0114】一方、暖房時には、天井輻射パネルユニッ
ト,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニットの
3方向の面からそれぞれ室内空間へ暖房輻射を行なうこ
とができ、この場合、平均輻射温度は、天井輻射パネル
ユニット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニ
ットの各表面温度の平均値におおむね比例するとされて
いる。
【0115】従って、暖房時には、天井輻射パネルユニ
ット,側面輻射パネルユニット,床輻射パネルユニット
の温度を高くしても、平均輻射温度を、低温火傷の虞の
ある温度より低くすることができ、即ち、温水の温度条
件を緩和し、輻射暖房を行っても低温火傷を防止でき
る。
【0116】また、壁に側面輻射パネルユニットを配置
しているので、側面輻射パネルユニット自体が断熱材を
構成し、輻射冷暖房の効果を顕著にし、快適性をより向
上させることができる。
【0117】また、請求項2記載の発明によれば、冷房
時には、冷水を、天井輻射パネルユニット→床輻射パネ
ルユニットの順序で流すので、冷水の温度は室内空間の
下方に行くに従って高くなっており、床輻射パネルユニ
ットの表面温度は天井輻射パネルユニットの表面温度よ
り高く、頭寒足熱の高い快適環境を得ることができる。
【0118】一方、暖房時には、温水を、床輻射パネル
ユニット→天井輻射パネルユニットの順序で流すので、
温水の温度は室内空間の上方に行くに従って低くなって
おり、床輻射パネルユニットの表面温度は天井輻射パネ
ルユニットの表面温度より高く、頭寒足熱の高い快適環
境を得ることができる。
【0119】請求項3記載の発明によれば、請求項1及
び2記載の発明による効果に加えて、冷房時には、頭寒
足熱の高い快適環境を得ることができるという状態を基
礎にして、平均輻射温度を決定することができ、冷房時
には同一平均輻射温度を得ようとする場合、従来システ
ムより各パネル表面温度をより高くでき、暖房時にはそ
の逆により低くでき、従って、より快適性を確保できる
効果を奏する。
【0120】請求項4記載の輻射冷暖房装置によれば、
請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源
ユニットは、冷水または温水の切り換えを行なう切換弁
を内蔵しているので、冷房時には、冷水を、天井輻射パ
ネルユニット→床輻射パネルユニットの順序で流すこと
ができ、また、暖房時には、温水を、床輻射パネルユニ
ット→天井輻射パネルユニットの順序で流すことができ
る。これにより、冷房時,暖房時の両時期で、頭寒足熱
をすることができ、快適性を高めることができる。
【0121】請求項5記載の輻射冷暖房装置によれば、
請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源
ユニットは、冷凍サイクルを利用して冷水または温水を
供給する冷温水発生機を有しているので、冷温水供給条
件が緩和されていることと相まって、従来の空気循環式
空調機と比して省エネルギー性を図ることができる。
【0122】請求項6記載の輻射冷暖房装置によれば、
請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源
ユニットは、ガスエンジン冷凍サイクルを利用して冷水
または温水を供給する冷温水発生機を有しているので、
請求項5記載の冷凍サイクルを利用する場合の効果に加
えて、暖房時における温水補助加熱を行なうことがで
き、より省エネルギを高くすることができる。
【0123】請求項7記載の輻射冷暖房装置によれば、
請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源
ユニットは、吸収冷凍機を利用して冷水または温水を供
給する冷温水発生機を有しているので、請求項5記載の
冷凍サイクルを利用する場合の効果に加えて、凝縮水の
冷却を冷却装置により行なうことができ、従来の吸収冷
凍機における凝縮水の冷却を開放式冷却塔により行って
いたものを密閉化することにより、冷却水の補給を不要
にできる。また、脱フロン化を図ることができる。
【0124】請求項8記載の輻射冷暖房装置によれば、
請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置において、熱源
ユニットは、冷凍サイクル及び温水加熱を利用して冷水
または温水を供給する冷温水発生機を有しているので、
請求項5記載の冷凍サイクルを利用する場合の効果に加
えて、暖房時における温水補助加熱を行なうことがで
き、地域温水供給設備等にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる輻射冷暖房装置の構成
図である。
【図2】同輻射冷暖房装置の斜視説明図である。
【図3】同輻射冷暖房装置の側面輻射パネルユニットの
断面図である。
【図4】同輻射冷暖房装置の側面輻射パネルユニットの
使用状態説明図である。
【図5】同輻射冷暖房装置の側面輻射パネルユニットの
使用状態説明図である。
【図6】図1の熱源ユニットの第1変形例を示す構成図
である。
【図7】図6の熱源ユニットの外観図である。
【図8】図1の熱源ユニットの第2変形例を示す構成図
である。
【図9】図8の熱源ユニットの外観図である。
【図10】図8の熱源ユニットの詳細構成図である。
【符号の説明】
5 熱源ユニット 6 通水口 7 通水口 8 天井輻射パネルユニット 9 側面輻射パネルユニット 10 床輻射パネルユニット 22 天井チューブ 24 側面チューブ 31 床チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有吉 淳 愛知県名古屋市中区錦1丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井,床,壁からなる所定の容積の室を
    輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房装置において、 冷水または温水を供給するための1以上の熱源ユニット
    と、 天井に取り付けられるとともに、熱源ユニットからの冷
    水または温水が流れる天井チューブを有し、天井輻射を
    行なう天井輻射パネルユニットと、 壁に取り付けられるとともに、熱源ユニットからの冷水
    または温水が流れる側面チューブを有し、側面輻射を行
    なうる側面輻射パネルユニットと、 床に取り付けられるとともに、熱源ユニットからの冷水
    または温水が流れる床チューブを有し、床輻射を行なう
    床輻射パネルユニットとを備えていることを特徴とする
    輻射冷暖房装置。
  2. 【請求項2】 天井,床,壁からなる所定の容積の室を
    輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房装置において、 冷水または温水を供給するための一対の通水口を有する
    熱源ユニットと、 天井に取り付けられるとともに、熱源ユニットの一対の
    通水口の一方側に一端が接続される天井チューブを有
    し、天井輻射を行なう天井輻射パネルユニットと、 側面チューブの他端に接続された冷温水配管と、 床に取り付けられるとともに、一端が冷温水配管に接続
    されて熱源ユニットの一対の通水口の他方側に他端が接
    続された床チューブを有し、床輻射を行なう床輻射パネ
    ルユニットとを備えていることを特徴とする輻射冷暖房
    装置。
  3. 【請求項3】 天井,床,壁からなる所定の容積の室を
    輻射冷暖房で空調する輻射冷暖房装置において、 冷水または温水を供給するための一対の通水口を有する
    熱源ユニットと、 天井に取り付けられるとともに、熱源ユニットの一対の
    通水口の一方側に一端が接続される天井チューブを有
    し、天井輻射を行なう天井輻射パネルユニットと、 壁に取り付けられるとともに、天井チューブの他端に一
    端が冷温水配管を介して接続される側面チューブを有
    し、側面輻射を行なう側面輻射パネルユニットと、 床に取り付けられるとともに、一端が側面チューブの他
    端に他の冷温水配管を介して接続されて熱源ユニットの
    一対の通水口の他方側に他端が接続された床チューブを
    有し、床輻射を行なう床輻射パネルユニットとを備えて
    いることを特徴とする輻射冷暖房装置。
  4. 【請求項4】 熱源ユニットは、冷水または温水の切り
    換えを行なう切換弁を内蔵していることを特徴とする請
    求項1,2,3記載の輻射冷暖房装置。
  5. 【請求項5】 熱源ユニットは、冷凍サイクルを利用し
    て冷水または温水を供給する冷温水発生機を有している
    ことを特徴とする請求項1,2,3記載の輻射冷暖房装
    置。
  6. 【請求項6】 熱源ユニットは、ガスエンジン冷凍サイ
    クルを利用して冷水または温水を供給する冷温水発生機
    を有していることを特徴とする請求項1,2,3記載の
    輻射冷暖房装置。
  7. 【請求項7】 熱源ユニットは、吸収冷凍機を利用して
    冷水または温水を供給する冷温水発生機及び凝縮水の冷
    却を行う冷却装置を有していることを特徴とする請求項
    1,2,3記載の輻射冷暖房装置。
  8. 【請求項8】 熱源ユニットは、冷凍サイクル及び温水
    熱交換器を利用して冷水または温水を供給する冷温水発
    生機を有していることを特徴とする請求項1,2,3記
    載の輻射冷暖房装置。
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