JP2004144401A - 排熱回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排熱回収による空調機の暖房運転時のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる排熱回収装置を提供する。
【解決手段】排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10の熱交換器の一端が圧縮機13に各々配管接続され他端が膨張弁14に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、圧縮機13により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10の熱交換器の一端が圧縮機13に各々配管接続され他端が膨張弁14に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、圧縮機13により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、テナントビル、飲食店、一般住宅などの建物の空調用に用いられる排熱回収装置に係り、詳しくは建物内の内気を排出する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して建物内へ給気される外気を暖気する排熱回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外食チェーン店などの厨房では、調理装置を長時間稼動させておくことから、健全な労働環境を維持するため換気が義務付けられており、換気する際の排気風量も法定されている。例えば、中華料理用の厨房では中華レンジ系統の法定排気風量は3600m3/h、オーブン系統の法定排気風量は650m3/h等となっている。
【0003】
厨房内の換気を行う場合、外気をそのまま厨房内へ給気することによる不快感を解消したり、厨房内の暖房費の削減を図るため、排気用ダクト及び給気用ダクトにヒートパイプを用いた熱交換器が設けられている(例えば特許文献1参照)。具体的には、厨房内の排気より回収した熱により外気を暖めて給気するようにしている。ヒートパイプは、熱伝導率が良く、熱の長距離輸送が可能であり、輸送速度も速いため熱交換器に好適に用いられる。ヒートパイプ内には作動流体(例えばフロンガス、CO2ガス等)が封入されており、パイプを傾斜させて設けることにより自重により自然流下し、高温排気を通過させる際に潜熱を奪って液体から気体へ相変化し、低温給気を通過させる際に潜熱を奪われて気体から液体へ相変化することにより熱交換を行う。このように、換気用ダクトに熱交換器を用いることで、暖冷房用の空調機と併用することで建物内の暖冷房の温度効率を改善して消費エネルギーを削減している。
【0004】
尚、冷媒が封入された重力式ヒートパイプを用いた建物の空調システムとしては、ビルの屋上に設けられた冷却器と同一若しくは各階層毎に設けた空調器との間で冷媒の相変化を利用して建物の空調を行う空調システムが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−39912号公報(図3)
【特許文献2】
特開平5−312361号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
新築の建物や住宅などにおいては、予め厨房用の排気口の近くに給気口を設けて排気ダクト及び給気ダクトを並設しておくことができるため、特許文献1に示すヒートパイプを備えた熱交換器を、図4のように排気ダクト101及び給気ダクト102に各々交差して設けることができる。熱交換器103はヒートパイプ107内に封入された冷媒が自然流下式で相変化によりパイプ内を循環するようになっているため、各ヒートパイプ107は液相側が気相側より低くなるように傾けて設置される。ヒートパイプ107の液相側104が排気ダクト101に交差し、気相側105が給気ダクト102に交差するように配置されて熱交換を行うようになっている。
【0007】
しかしながら、排気ダクト101と給気ダクト102とを近接して配置する必要があり、厨房106や客室等のレイアウトを行う上で設計上の制約となる。また、テナントや貸し店舗などの既存設備を用いる場合、排気口と給気口とが離れた場所に配置されている場合があり、排気ダクト101−給気ダクト102間に特許文献1に示す熱交換器103が設置できない場合があった。特に、冷媒が相変化により循環するヒートパイプ107は傾斜して配置する必要があるため、ダクトどうしが離れていると設置できなくなる場合があった。したがって、空調機のみで暖房運転を行う場合、COP(加熱に利用される熱量と外部から与えられたエネルギーとの比;成績係数)は、3.0〜3.2にとどまり、エネルギー効率が良いとはいえなかった。
【0008】
また、特許文献2の空調システムは、ヒートパイプに封入された冷媒の相変化を利用しているが、建物の屋上に配置された冷却器と各部屋に設けられた室内ユニットとの間で熱交換を行う大型の空調システムを想定したものであり、店舗用や一般住宅用としては不向きである。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、排熱回収による空調機の暖房運転時のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる排熱回収装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
建物内の内気を排出する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して建物内へ給気される外気を暖気する排熱回収装置において、建物内の内気を排出する排気ダクトの排気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部と、建物内に外気を取り込む給気ダクトの給気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部とが設けられ、前記排気側熱交換部及び給気側熱交換部の熱交換器の一端が圧縮機に各々配管接続され他端が膨張弁に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、前記圧縮機により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して前記閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収することを特徴とする。
具体的には、圧縮機により蒸気化した冷媒が圧縮されて給気側熱交換部へ送り込まれ、該給気側熱交換部で低温の給気へ放熱して液化し、該液化した冷媒が膨張弁により減圧されて前記排気側熱交換部へ送り込まれ、該排気側熱交換部で高温の排気から吸熱して蒸気化して循環するサイクルを繰り返すことにより排熱回収することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。本実施例では、レストランの厨房に配設された排熱回収装置を例示して説明する。
図1は排熱回収装置の模式説明図、図2は排熱回収装置の冷凍サイクルを示す説明図、図3はレストランの厨房に配設された排熱回収装置の一例を示すレイアウト図である。
【0012】
先ず、図3を参照して外食チェーン店用の調理室のレイアウト図を参照して説明する。店舗内は厨房1と客室2とが間仕切り(ドア及び仕切り壁)3で仕切られている。厨房1内には排気口4と給気口5とが離れた位置に設けられている。排気口4には、厨房1内の熱気を排気する排気ダクト6が接続されている。排気ダクト6は、厨房1内の各種調理器(レンジグリル6a、オーブン6b、バーナー6c等)の上方に設けられた各フードと排気口4とを接続している。排気ダクト6内に設けられた図示しない排気ファンを回転させて、各種調理器で発生した熱気を含む内気を建物外へ排出するようになっている。また、給気口5には、給気ダクト7が接続されている。給気ダクト7には給気ファン8が2箇所に設けられており、該給気ファン8を回転させて、外気を厨房1内に取り込むようになっている。
【0013】
排気側熱交換部9は建物内の内気を排出する排気ダクト6の排気路に設けられており、給気側熱交換部10は建物内に外気を取り込む給気ダクト7の給気路に設けられている。排熱回収装置11は、排気側熱交換部9と給気側熱交換部10との間で冷媒を循環させて厨房内の熱気を建物外へ排気する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して厨房1内へ給気される外気を暖気するものである。
【0014】
図1及び図2において、排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10には、公知の熱交換器(図示せず)が設けられている。排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10は、熱交換器の一端側が圧縮機(コンプレッサ)13に各々配管接続され、他端側が膨張弁14に各々配管接続されて閉回路が形成されている。閉回路内には冷媒(例えばフロンガス等)が封入されている。熱交換器としては、排気及び給気と熱交換を効果的に行うため、鋼管の周面にスパイン状フィン、プレートフィン(ウエーブフィン)などが多数設けられたものなどが用いられる。
【0015】
また、排気側熱交換部9は、厨房から排出される内気より排熱回収するため、熱交換器の外周に汚れが付着し易い。このため、熱交換器に洗浄液を吐出して洗浄する洗浄機構(図示せず)を備えていても良い。また、給気側熱交換部10の給気方向上流側には、塵や虫などの進入を防止するためのフィルター15が設けられている。
【0016】
ここで、排熱回収装置11の閉回路内を循環する冷媒の冷凍サイクルについて図2を参照して説明する。圧縮機13により蒸気化した冷媒が圧縮されて高圧高温の気体として給気側熱交換部(コンデンサ)10へ送り込まれる。給気側熱交換部10では熱交換器を通じて冷媒が凝縮潜熱を給気へ放出して高温高圧の液体となって膨張弁14へ送り込まれる。このとき、給気ダクト7を通じて取り込まれた例えば−5℃の外気は給気側熱交換部10を通過後に15℃に暖気されて厨房内へ給気される。高温高圧の液体となった冷媒は、膨張弁14にて減圧されて排気側熱交換部(エバポレータ)9へ送り込まれる。このとき、液化された冷媒は、減圧されることにより蒸気化が始まる。排気側熱交換部9では熱交換器を通じて冷媒が蒸発潜熱を排気より吸熱して高温の気体となってコンプレッサ13へ回収される。このとき、排気ダクト6を通じて例えば35℃の内気が排気側熱交換部9を通過後15℃に冷却されて建物外へ排気される。このような冷凍サイクルを繰り返すことにより排熱回収が行われる。ちなみに、本実施例では、排熱回収装置11の温度効率は50%となるように設計されている。
【0017】
以上のような簡易な配管構成で排熱回収を行うことができ、排熱回収による空調機のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる。また、排気側熱交換部9と給気側熱交換部10とが配管接続されて閉回路を形成するため、各熱交換部に設けられるヒートパイプは傾斜配置する必要がなく、建物の排気口4及び給気口5のレイアウトや高低差などに制約されることなく排熱回収装置11を自由なレイアウトで設置することができる。
【0018】
排熱回収条件を例示すると、内気温度を35℃、排気温度を15℃、外気温度を−5℃、給気温度を15℃で排熱回収が行われる。この場合、空調機の暖房運転で消費した消費電力が1800W、暖房能力が12000W(回収熱量10200W)となりCOP(暖房能力/消費電力)の値は6.7となり、空調機のみの暖房運転時に比べて2倍以上の暖房効率が得られることが判明している。尚、排熱回収装置11は夏場等の外気温が高い間は使用せず、使用外気温度は−15℃〜15℃とし、外気温15℃以上に上昇すると停止するものとする。また、排熱回収する室内温度は20℃〜35℃で適用するようになっている。
【0019】
以上、本発明の好適な実施例について述べてきたが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。また、排熱回収装置11は、建物の厨房に限らず、居間や浴室などの比較的熱気を帯び易い箇所の給排気用のダクトに利用しても良い。冷媒が循環する閉回路を形成する排気側熱交換部9や給気側熱交換部10の高低差やレイアウトは自由である等、法の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、排気側熱交換部及び給気側熱交換部の熱交換器の一端が圧縮機に各々配管接続され他端が膨張弁に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、圧縮機により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収するので、冷媒が閉回路内を循環する際の排熱回収により空調機の暖房運転時のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる。また、排気側熱交換部と給気側熱交換部とは閉回路に配管接続されているため、建物の排気口及び給気口のレイアウトや高低差に制約されることなく排熱回収装置を自由なレイアウトで設置することができる。
また、閉回路内に封入された冷媒が圧縮機により圧縮され、膨張弁により減圧膨張されて循環する際に相変化し、高温の排気より吸熱し低温の給気を暖気して熱交換が行われるので温度効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】排熱回収装置の模式説明図である。
【図2】排熱回収装置の冷凍サイクルを示す説明図である。
【図3】レストランに設置された排熱回収装置の一例を示すレイアウト図である。
【図4】従来の排熱回収装置の説明図である。
【符号の説明】
1 厨房
2 客室
3 間仕切り
4 排気口
5 給気口
6 排気ダクト
7 給気ダクト
8 給気ファン
9 排気側熱交換部
10 給気側熱交換部
11 排熱回収装置
13 圧縮機
14 膨張弁
15 フィルター
【発明の属する利用分野】
本発明は、テナントビル、飲食店、一般住宅などの建物の空調用に用いられる排熱回収装置に係り、詳しくは建物内の内気を排出する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して建物内へ給気される外気を暖気する排熱回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外食チェーン店などの厨房では、調理装置を長時間稼動させておくことから、健全な労働環境を維持するため換気が義務付けられており、換気する際の排気風量も法定されている。例えば、中華料理用の厨房では中華レンジ系統の法定排気風量は3600m3/h、オーブン系統の法定排気風量は650m3/h等となっている。
【0003】
厨房内の換気を行う場合、外気をそのまま厨房内へ給気することによる不快感を解消したり、厨房内の暖房費の削減を図るため、排気用ダクト及び給気用ダクトにヒートパイプを用いた熱交換器が設けられている(例えば特許文献1参照)。具体的には、厨房内の排気より回収した熱により外気を暖めて給気するようにしている。ヒートパイプは、熱伝導率が良く、熱の長距離輸送が可能であり、輸送速度も速いため熱交換器に好適に用いられる。ヒートパイプ内には作動流体(例えばフロンガス、CO2ガス等)が封入されており、パイプを傾斜させて設けることにより自重により自然流下し、高温排気を通過させる際に潜熱を奪って液体から気体へ相変化し、低温給気を通過させる際に潜熱を奪われて気体から液体へ相変化することにより熱交換を行う。このように、換気用ダクトに熱交換器を用いることで、暖冷房用の空調機と併用することで建物内の暖冷房の温度効率を改善して消費エネルギーを削減している。
【0004】
尚、冷媒が封入された重力式ヒートパイプを用いた建物の空調システムとしては、ビルの屋上に設けられた冷却器と同一若しくは各階層毎に設けた空調器との間で冷媒の相変化を利用して建物の空調を行う空調システムが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−39912号公報(図3)
【特許文献2】
特開平5−312361号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
新築の建物や住宅などにおいては、予め厨房用の排気口の近くに給気口を設けて排気ダクト及び給気ダクトを並設しておくことができるため、特許文献1に示すヒートパイプを備えた熱交換器を、図4のように排気ダクト101及び給気ダクト102に各々交差して設けることができる。熱交換器103はヒートパイプ107内に封入された冷媒が自然流下式で相変化によりパイプ内を循環するようになっているため、各ヒートパイプ107は液相側が気相側より低くなるように傾けて設置される。ヒートパイプ107の液相側104が排気ダクト101に交差し、気相側105が給気ダクト102に交差するように配置されて熱交換を行うようになっている。
【0007】
しかしながら、排気ダクト101と給気ダクト102とを近接して配置する必要があり、厨房106や客室等のレイアウトを行う上で設計上の制約となる。また、テナントや貸し店舗などの既存設備を用いる場合、排気口と給気口とが離れた場所に配置されている場合があり、排気ダクト101−給気ダクト102間に特許文献1に示す熱交換器103が設置できない場合があった。特に、冷媒が相変化により循環するヒートパイプ107は傾斜して配置する必要があるため、ダクトどうしが離れていると設置できなくなる場合があった。したがって、空調機のみで暖房運転を行う場合、COP(加熱に利用される熱量と外部から与えられたエネルギーとの比;成績係数)は、3.0〜3.2にとどまり、エネルギー効率が良いとはいえなかった。
【0008】
また、特許文献2の空調システムは、ヒートパイプに封入された冷媒の相変化を利用しているが、建物の屋上に配置された冷却器と各部屋に設けられた室内ユニットとの間で熱交換を行う大型の空調システムを想定したものであり、店舗用や一般住宅用としては不向きである。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、排熱回収による空調機の暖房運転時のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる排熱回収装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
建物内の内気を排出する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して建物内へ給気される外気を暖気する排熱回収装置において、建物内の内気を排出する排気ダクトの排気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部と、建物内に外気を取り込む給気ダクトの給気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部とが設けられ、前記排気側熱交換部及び給気側熱交換部の熱交換器の一端が圧縮機に各々配管接続され他端が膨張弁に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、前記圧縮機により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して前記閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収することを特徴とする。
具体的には、圧縮機により蒸気化した冷媒が圧縮されて給気側熱交換部へ送り込まれ、該給気側熱交換部で低温の給気へ放熱して液化し、該液化した冷媒が膨張弁により減圧されて前記排気側熱交換部へ送り込まれ、該排気側熱交換部で高温の排気から吸熱して蒸気化して循環するサイクルを繰り返すことにより排熱回収することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。本実施例では、レストランの厨房に配設された排熱回収装置を例示して説明する。
図1は排熱回収装置の模式説明図、図2は排熱回収装置の冷凍サイクルを示す説明図、図3はレストランの厨房に配設された排熱回収装置の一例を示すレイアウト図である。
【0012】
先ず、図3を参照して外食チェーン店用の調理室のレイアウト図を参照して説明する。店舗内は厨房1と客室2とが間仕切り(ドア及び仕切り壁)3で仕切られている。厨房1内には排気口4と給気口5とが離れた位置に設けられている。排気口4には、厨房1内の熱気を排気する排気ダクト6が接続されている。排気ダクト6は、厨房1内の各種調理器(レンジグリル6a、オーブン6b、バーナー6c等)の上方に設けられた各フードと排気口4とを接続している。排気ダクト6内に設けられた図示しない排気ファンを回転させて、各種調理器で発生した熱気を含む内気を建物外へ排出するようになっている。また、給気口5には、給気ダクト7が接続されている。給気ダクト7には給気ファン8が2箇所に設けられており、該給気ファン8を回転させて、外気を厨房1内に取り込むようになっている。
【0013】
排気側熱交換部9は建物内の内気を排出する排気ダクト6の排気路に設けられており、給気側熱交換部10は建物内に外気を取り込む給気ダクト7の給気路に設けられている。排熱回収装置11は、排気側熱交換部9と給気側熱交換部10との間で冷媒を循環させて厨房内の熱気を建物外へ排気する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して厨房1内へ給気される外気を暖気するものである。
【0014】
図1及び図2において、排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10には、公知の熱交換器(図示せず)が設けられている。排気側熱交換部9及び給気側熱交換部10は、熱交換器の一端側が圧縮機(コンプレッサ)13に各々配管接続され、他端側が膨張弁14に各々配管接続されて閉回路が形成されている。閉回路内には冷媒(例えばフロンガス等)が封入されている。熱交換器としては、排気及び給気と熱交換を効果的に行うため、鋼管の周面にスパイン状フィン、プレートフィン(ウエーブフィン)などが多数設けられたものなどが用いられる。
【0015】
また、排気側熱交換部9は、厨房から排出される内気より排熱回収するため、熱交換器の外周に汚れが付着し易い。このため、熱交換器に洗浄液を吐出して洗浄する洗浄機構(図示せず)を備えていても良い。また、給気側熱交換部10の給気方向上流側には、塵や虫などの進入を防止するためのフィルター15が設けられている。
【0016】
ここで、排熱回収装置11の閉回路内を循環する冷媒の冷凍サイクルについて図2を参照して説明する。圧縮機13により蒸気化した冷媒が圧縮されて高圧高温の気体として給気側熱交換部(コンデンサ)10へ送り込まれる。給気側熱交換部10では熱交換器を通じて冷媒が凝縮潜熱を給気へ放出して高温高圧の液体となって膨張弁14へ送り込まれる。このとき、給気ダクト7を通じて取り込まれた例えば−5℃の外気は給気側熱交換部10を通過後に15℃に暖気されて厨房内へ給気される。高温高圧の液体となった冷媒は、膨張弁14にて減圧されて排気側熱交換部(エバポレータ)9へ送り込まれる。このとき、液化された冷媒は、減圧されることにより蒸気化が始まる。排気側熱交換部9では熱交換器を通じて冷媒が蒸発潜熱を排気より吸熱して高温の気体となってコンプレッサ13へ回収される。このとき、排気ダクト6を通じて例えば35℃の内気が排気側熱交換部9を通過後15℃に冷却されて建物外へ排気される。このような冷凍サイクルを繰り返すことにより排熱回収が行われる。ちなみに、本実施例では、排熱回収装置11の温度効率は50%となるように設計されている。
【0017】
以上のような簡易な配管構成で排熱回収を行うことができ、排熱回収による空調機のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる。また、排気側熱交換部9と給気側熱交換部10とが配管接続されて閉回路を形成するため、各熱交換部に設けられるヒートパイプは傾斜配置する必要がなく、建物の排気口4及び給気口5のレイアウトや高低差などに制約されることなく排熱回収装置11を自由なレイアウトで設置することができる。
【0018】
排熱回収条件を例示すると、内気温度を35℃、排気温度を15℃、外気温度を−5℃、給気温度を15℃で排熱回収が行われる。この場合、空調機の暖房運転で消費した消費電力が1800W、暖房能力が12000W(回収熱量10200W)となりCOP(暖房能力/消費電力)の値は6.7となり、空調機のみの暖房運転時に比べて2倍以上の暖房効率が得られることが判明している。尚、排熱回収装置11は夏場等の外気温が高い間は使用せず、使用外気温度は−15℃〜15℃とし、外気温15℃以上に上昇すると停止するものとする。また、排熱回収する室内温度は20℃〜35℃で適用するようになっている。
【0019】
以上、本発明の好適な実施例について述べてきたが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。また、排熱回収装置11は、建物の厨房に限らず、居間や浴室などの比較的熱気を帯び易い箇所の給排気用のダクトに利用しても良い。冷媒が循環する閉回路を形成する排気側熱交換部9や給気側熱交換部10の高低差やレイアウトは自由である等、法の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、排気側熱交換部及び給気側熱交換部の熱交換器の一端が圧縮機に各々配管接続され他端が膨張弁に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、圧縮機により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収するので、冷媒が閉回路内を循環する際の排熱回収により空調機の暖房運転時のCOPを向上させて消費エネルギーを削減できる。また、排気側熱交換部と給気側熱交換部とは閉回路に配管接続されているため、建物の排気口及び給気口のレイアウトや高低差に制約されることなく排熱回収装置を自由なレイアウトで設置することができる。
また、閉回路内に封入された冷媒が圧縮機により圧縮され、膨張弁により減圧膨張されて循環する際に相変化し、高温の排気より吸熱し低温の給気を暖気して熱交換が行われるので温度効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】排熱回収装置の模式説明図である。
【図2】排熱回収装置の冷凍サイクルを示す説明図である。
【図3】レストランに設置された排熱回収装置の一例を示すレイアウト図である。
【図4】従来の排熱回収装置の説明図である。
【符号の説明】
1 厨房
2 客室
3 間仕切り
4 排気口
5 給気口
6 排気ダクト
7 給気ダクト
8 給気ファン
9 排気側熱交換部
10 給気側熱交換部
11 排熱回収装置
13 圧縮機
14 膨張弁
15 フィルター
Claims (2)
- 建物内の内気を排出する際に排熱回収し、回収された排熱を利用して建物内へ給気される外気を暖気する排熱回収装置において、
建物内の内気を排出する排気ダクトの排気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部と、建物内に外気を取り込む給気ダクトの給気路と熱交換器が交差して配設された熱交換部とが設けられ、前記排気側熱交換部及び給気側熱交換部の熱交換器の一端が圧縮機に各々配管接続され他端が膨張弁に各々配管接続されて冷媒が封入された閉回路が形成され、前記圧縮機により冷媒を圧縮して送り出して相変化を繰り返して前記閉回路内を循環する際に熱交換が行われて排熱回収することを特徴とする排熱回収装置。 - 前記圧縮機により蒸気化した冷媒が圧縮されて給気側熱交換部へ送り込まれ、該給気側熱交換部で低温の給気へ放熱して液化し、該液化した冷媒が膨張弁により減圧されて前記排気側熱交換部へ送り込まれ、該排気側熱交換部で高温の排気から吸熱して蒸気化して循環するサイクルを繰り返すことにより排熱回収することを特徴とする請求項1記載の排熱回収装置。
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-
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- 2002-10-25 JP JP2002310466A patent/JP2004144401A/ja not_active Withdrawn
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