JPH07173147A - ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤 - Google Patents

ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤

Info

Publication number
JPH07173147A
JPH07173147A JP3051654A JP5165491A JPH07173147A JP H07173147 A JPH07173147 A JP H07173147A JP 3051654 A JP3051654 A JP 3051654A JP 5165491 A JP5165491 A JP 5165491A JP H07173147 A JPH07173147 A JP H07173147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
viscous substance
hydrogen atom
acetone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3051654A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Fujita
栄一 藤田
Kaoru Fuji
薫 冨士
Manabu Noide
学 野出
Junko Takashima
純子 高嶋
Megumi Furui
恵 古井
Tomoichi Abe
倫一 阿部
Mitsuo Egawa
三生 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP3051654A priority Critical patent/JPH07173147A/ja
Publication of JPH07173147A publication Critical patent/JPH07173147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 (式中のR1 〜R10は明細書中で定義した通りであ
る。)で示されるジテルペン系化合物およびそれを有効
成分とする鎮痛剤。 【効果】 本発明によれば優れた鎮痛剤が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジテルペン系化
合物及びそれを有効成分とする鎮痛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シソ科ヤマハッカ属植物であるクロバナ
ヒキオコシ(Rhabdosia trichocar
pa(Maxim.)Hara)は、延命草ともいわ
れ、山地に自生する宿根草で、古くから苦味健胃薬とし
て民間において使用され、特に腹痛に著効ありといわれ
ている。しかしながら、この植物に含まれる鎮痛活性成
分についての解明は、未だ充分なされていないのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、シソ科
ヤマハッカ属植物の生理活性成分について研究を重ねて
いたところ、新規なジテルペノイド系化合物の単離に成
功し、しかもこれらが優れた鎮痛活性を有する事を見い
だし、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
下記一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(上記式中、R1 はヒドロキシル基を表わ
し、R2 は水素原子を表わすか、R 1 およびR2 が一緒
になってオキソ基を形成する。R3 は水素原子を表わ
し、R 4 はC2 〜C6 のアルコキシアルキル基を表わす
か、R3 およびR4 が一緒になってメチレン基を形成す
る。R5 は水素原子を表わし、R6 は水素原子またはヒ
ドロキシル基を表わすか、R5 およびR6 が一緒になっ
て単結合もしくはエーテル結合を形成する。R7 は水素
原子またはヒドロキシル基を表わし、R8 およびR9
水素原子を表わすか、両者が一緒になってエーテル結合
を形成する。R10は水素原子またはC2 〜C4 のアシル
オキシ基を表わす。但し、R1 およびR2が一緒になっ
てオキソ基を形成し、かつR3 およびR4 が一緒になっ
てメチレン基を形成する場合、R7 は水素原子を表わす
かもしくはR10はアセチルオキシ基を表わさない。また
1 およびR6 は同時にヒドロキシル基を表わさな
い。)で表わされるジテルペン系化合物およびこれを有
効成分とする鎮痛剤に存する。
【0007】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明のジテルペン系化合物は、前記一般式(I)で表わさ
れる。
【0008】R4 で定義されるC2 〜C6 のアルコキシ
アルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチ
ル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げら
れ、R10で定義されるC2 〜C4 のアシルオキシ基とし
てはアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリ
ルオキシ基等が挙げられる。
【0009】本発明においては、下記一般式(I′)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 〜R10は前記定義に同じ)で
表わされる立体配置を有する化合物が好ましく、その中
でも特に好ましい化合物として以下のものが挙げられ
る。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】次に本発明化合物の製造方法について説明
する。本発明のジテルペン系化合物は、例えばシソ科ヤ
マハッカ属植物のクロバナヒキオコシ〔Rabdosi
trichocarpa(Maxim.)Har
a〕の葉を乾燥し、エーテル、酢酸エチル、アセトニト
リル、アセトン、メタノール、エタノール、二塩化メタ
ン、クロロホルム等の有機溶媒で室温から還流温度まで
の、任意の温度で抽出したのち濃縮し、濃縮残渣を水洗
して糖類をのぞいた後、シリカゲルあるいはアルミナを
充填したカラムクロマトグラフィーによって分離するこ
とにより得られる。更に詳しくは、例えば、これらジテ
ルペン系化合物は、クロバナヒキオコシの乾燥葉より後
述の実施例に示す方法によって、メタノールで還流抽出
した後濃縮し、濃縮残渣を水洗後、カラムクロマトグラ
フィーにかけて得られる。
【0020】本発明のジテルペン系化合物は、後述する
薬理作用により、癌性疼痛、リューマチ痛、関節炎痛等
の緩解の目的で、優れた鎮痛剤としての使用が可能であ
る。本発明化合物は、これを医薬として用いるに当た
り、通常の製剤担体とともに投与経路に応じた製剤とす
る事が出来る。例えば、経口投与では錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤、液剤等の形態に調剤される。経口投
与用固形製剤に調整するに当たり、慣用の賦形剤、結合
剤、滑沢剤、その他着色剤、崩壊剤等を用いることがで
きる。賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセリ
ン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等が挙げら
れ、結合剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニル
エーテル、エチルセルロース、アラビアゴム、シエラッ
ク、白糖等が挙げられ、滑沢剤としてはステアリン酸マ
グネシウム、タルク等が挙げられる。その他、着色剤、
崩壊剤も通常公知のものを用いることができる。なお錠
剤は周知の方法によりコーティングしてもよい。また液
状製剤は水性または油性の懸濁液、溶液、シロップ、エ
リキシル剤、その他であってよく、通常用いられる方法
にて調整される。注射剤を調製する場合は本発明化合物
にpH調製剤、緩衝剤、安定化剤、等張剤、局所麻酔剤
等を添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤
を製造することができる。坐剤を製造する際の基剤とし
ては、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、ラノ
リン、脂肪酸トリグリセライド、ウイテプゾール(登録
商標ダイナマイトノーベル社)等の油脂性基剤を用いる
ことができる。
【0021】かくして調製される製剤の投与量は患者の
症状、体重、年齢等によって異なり、一様に服用するこ
とは出来ないが、通常成人1日当たり本発明化合物を約
10−2000mgの範囲となる量とするのがよく、これ
は通常1日1−4回に分けて投与されるのが好ましい。
【0022】
【実施例】次に本発明化合物であるジテルペン系化合物
を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、その要旨を越
えない限り、以下に限定されるものではない。 実施例1 (1) クロバナヒキオコシを風乾したのち、その乾燥
葉15kgをメタノール120リットル中で、12時間還
流した。この抽出液を減圧濃縮し、抽出残渣3.2kgを
得た。これを酢酸エチル30リットルに溶解し、水30
リットルで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧濃縮して残渣1.0kgを得た。この残渣を5
00gずつ2回に分けて、それぞれシリカゲル2.5kg
を充填したカラムクロマトグラフィーで分離した。〔酢
酸エチル:n−ヘキサン〕混液(1:4容積比)12.
5リットルで展開した後、〔酢酸エチル:n−ヘキサ
ン〕混液(1:1容積比)12.5リットルで溶出し、
その溶出液を減圧濃縮して、合計320gの粘性物質−
1を得た。さらに、酢酸エチル12.5リットルで溶出
し、その溶出液を減圧濃縮して、合計270gの粘性物
質−2を得た。
【0023】(2) 上記(1)で得られた粘性物質−
1(320g)をシリカゲル2kgで充填したカラムクロ
マトグラフィーで分離した。塩化メチレン10リットル
で展開した後、〔塩化メチレン:アセトン〕混液(1:
4容積比)10リットルで溶出し、その溶出液を減圧留
去して125gの粘性物質を得た。これをエーテルに懸
濁し不溶物を濾去した。この不溶物をさらにメタノール
に懸濁し、再び不溶物を濾去した。得られたエーテル溶
液とメタノール溶液を合わせて減圧濃縮し、108gの
粘性物質を得た。得られた粘性物質のうち100gを再
びシリカゲル2kgで充填したカラムクロマトグラフィー
で分離した。〔酢酸エチル:n−ヘキサン〕混液(3:
7容積比)10リットルで展開した後、〔酢酸エチル:
n−ヘキサン〕混液(2:3容積比)8リットルで溶出
し、その溶出液を減圧留去して11.0gの粘性物質−
3を得た。さらに、〔酢酸エチル:n−ヘキサン〕混液
(2:3容積比)2リットル続いて、〔酢酸エチル:n
−ヘキサン〕混液(1:1容積比)6リットルで溶出
し、その溶出液を合わせて減圧留去して析出した結晶1
2.7gを濾去した後、さらに溶媒を留去して13.6
5gの粘性物質−4を得た。さらに、〔酢酸エチル:n
−ヘキサン〕混液(1:1容積比)4リットル続いて、
酢酸エチル4リットルで溶出し、その溶出液を合わせて
減圧留去して38.3gの粘性物質−5を得た。
【0024】(3) 上記(2)で得られた粘性物質−
3のうち10.7gをさらにシリカゲル500gを充填
したカラムクロマトグラフィーで分離した。塩化メチレ
ン2.5リットル次いで〔アセトン:塩化メチレン〕混
液(1:9容積比)1.5リットルで展開した後、〔ア
セトン:塩化メチレン〕混液(1:9容積比)1リット
ルで溶出し、その溶出液を減圧留去して2.40gの粘
性物質−6を得た。さらに、〔アセトン:塩化メチレ
ン〕混液(1:4容積比)2.5リットルで溶出し、そ
の溶出液を減圧留去して1.35gの粘性物質−7を得
た。
【0025】(4) 上記(3)で得られた粘性物質−
6のうち2.30gをさらにシリカゲル100gを充填
したカラムクロマトグラフィーで分離した。〔アセト
ン:塩化メチレン〕混液(3:47容積比)500mlで
展開した後、〔アセトン:塩化メチレン〕混液(2:2
3容積比)500mlで溶出し、その溶出液を減圧留去し
て400mgの粘性物質−8を得た。さらに、〔アセト
ン:塩化メチレン〕混液(1:9容積比)500mlで溶
出し、その溶出液を減圧留去して160mgの粘性物質−
9を得た。
【0026】(5) 上記(1)で得られた粘性物質−
2(270g)をシリカゲル2kgで充填したカラムクロ
マトグラフィーで分離した。塩化メチレン10リットル
で展開した後、〔塩化メチレン:アセトン〕混液(4:
1容積比)10リットルで溶出し、その溶出液を減圧留
去して123gの粘性物質を得た。これをアセトンに懸
濁し不溶物を濾去した。この不溶物をさらにアセトンで
2回洗い、得られた濾液と洗液を合わせて減圧濃縮し、
64gの粘性物質を得た。
【0027】得られた粘性物質のうち63gを再びシリ
カゲル2kgで充填したカラムクロマトグラフィーで分離
した。〔酢酸エチル:n−ヘキサン〕混液(13:7容
積比)4リットルで展開した後、同液6リットルで溶出
し、その溶出液を減圧留去して20.8gの粘性物質−
10を得た。さらに、〔酢酸エチル:n−ヘキサン〕混
液(4:1容積比)12リットルで溶出し、その溶出液
を減圧留去して29.4gの粘性物質−11を得た。
【0028】実施例2 実施例1−(4)で得られた粘性物質−8(400mg)
を〔エーテル:n−ヘキサン〕混液(1:1容積比)に
溶かし、析出した結晶を濾去して、濾液を濃縮し、29
0mgの粘性物質を得た。これを分取シリカゲルTLC
(厚さ2mm、20cm*20cm)6枚で分離した。展開溶
媒には、〔アセトン:クロロホルム〕混液(3:7容積
比)を用いた。Rf0.47のUVスポットを抽出し
て、90mgの粗結晶を得た。これをエーテルから再結晶
して、31mgの前記化合物1の結晶を得た。
【0029】融点:186−187℃ 〔α〕D 25:−34°(c=0.52,クロロホルム) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3450,1725,16
30 UVスペクトル λmax (EtOH):229nm(ε6,800) EIマススペクトル m/e:346(M+),328,300 高分解能マススペクトル(C20265 ) 計算値:346.1779 実測値:346.1765 核磁気共鳴スペクトル(d5 −ピリジン、60℃)δp
pm: 0.90(3H,s,19−CH3 ) 1.03(3H,s,18−CH3 ) 2.66(1H,d,J=5Hz,9−H) 4.13(1H,s,6−H) 4.87(1H,d,J=6Hz,14−H) 5.30(1H,s,17−H) 5.39(1H,s,20−H) 5.50(1H,br,OH) 6.14(1H,s,17−H) 8.27(1H,br,OH) 実施例3 実施例1−(3)で得られた粘性物質−7(1.35
g)をアセトンから結晶化し、得られた結晶500mgを
さらにメタノールより再結晶して130mgの前記化合物
2の結晶を得た。
【0030】融点:238−239℃ 〔α〕D 25:−22°(c=0.645,ピリジン) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3250,2950,28
50,1660 EIマススペクトル m/e:332(M+),314,286 高分解能マススペクトル(C20284 ) 計算値:332.1986 実測値:332.1966 核磁気共鳴スペクトル(d5 −ピリジン、25℃)δp
pm: 1.05(3H,s,19−CH3 ) 1.11(3H,s,18−CH3 ) 1.53(1H,d,J=4Hz,5−H) 1.83(1H,d,J=11.5Hz,14α−H) 2.44(1H,dd,J=4.5Hz,11.5H
z,14β−H) 2.93(1H,dd,J=1Hz,3Hz,9−H) 3.05(1H,dd,J=7Hz,4.5Hz,13
−H) 3.84(1H,d,J=9Hz,20−H) 4.03(1H,d,J=9Hz,20−H) 4.19(1H,dd,J=4Hz,5.5Hz,6−
H) 5.09(1H,s,17−H) 5.31(1H,s,15−H) 5.38(1H,s,17−H) 5.63(1H,dd,J=1Hz,9Hz,11−
H) 6.41(1H,ddd,J=3Hz,7Hz,9H
z,12−H) 6.78(1H,br,OH) 8.07(1H,s,OH) 8.20(1H,d,J=5.5Hz,6−OH) 実施例4 実施例1−(4)で得られた粘性物質−9(160mg)
を〔エーテル:n−ヘキサン〕混液(1:1容積比)よ
り結晶化して、20mgの粗結晶を得た。これをさらにエ
ーテルから再結晶して、10mgの前記化合物3の結晶を
得た。
【0031】融点:238−240℃ 〔α〕D 25:−68°(c=0.50,ピリジン) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3400,2920,16
60 EIマススペクトル m/e:334(M+),316,288 高分解能マススペクトル(C20304 ) 計算値:334.2143 実測値:334.2163 核磁気共鳴スペクトル(d5 −ピリジン、25℃)δp
pm: 1.06(3H,s,19−CH3 ) 1.17(3H,s,18−CH3 ) 1.58(1H,dd,J=1.5Hz,6Hz,5−
H) 1.88(1H,d,J=12Hz,14α−H) 2.07(1H,dd,J=5Hz,12Hz,14β
−H) 2.35(1H,ddd,J=2Hz,5.5Hz,1
1.5Hz,9−H) 2.64(1H,dd,J=5Hz,9Hz,13−
H) 3.98(1H,dd,J=1.5Hz,9.5Hz,
20−H) 4.10(1H,dd,J=2Hz,9.5Hz,20
−H) 4.20(1H,dd,J=4Hz,6Hz,11−
H) 5.13(1H,m,15H) 5.19(1H,m,17H) 5.46(1H,m,17−H) 6.90(1H,br,OH) 7.80(1H,br,OH) 8.13(1H,d,J=4Hz,6−OH) 実施例5 実施例1−(2)で得られた粘性物質−4(13.65
g)をシリカゲル500gを充填したカラムクロマトグ
ラフィーで分離した。塩化メチレン2.5リットルで展
開した後、〔塩化メチレン:アセトン〕混液(17:3
容積比)1.5リットルで展開した。続いて、同液1リ
ットル、さらに〔塩化メチレン:アセトン〕混液(4:
1容積比)1.5リットルで溶出し、溶出液を合わせて
減圧留去して、1.96gの粘性物質を得た。この粘性
物質をアセトンから結晶化し、さらにその粗結晶を酢酸
エチルから再結晶して、160mgの結晶を得た。このう
ち60mgをオクタデシルシリカゲルTLC(厚さ0.2
5mm,20cm*20cm)6枚で分離した。展開溶媒に
は、〔アセトニトリル:水〕混液(6:4容積比)を用
いた。Rf0.43以下の部分を抽出して、24.8mg
の粗結晶を得た。これをエーテルから再結晶して、9mg
の前記化合物4の結晶を得た。
【0032】融点:222−230℃ 〔α〕D 25:−161°(c=0.48,ピリジン) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3400,2950,16
65 EIマススペクトル m/e:348(M+),330,312,302,2
84 高分解能マススペクトル(C20285 ) 計算値:348.1936 実測値:348.1943 核磁気共鳴スペクトル(d5 −ピリジン、25℃)δp
pm: 1.03(3H,s,19−CH3 ) 1.09(3H,s,18−CH3 ) 1.48(1H,d,J=4Hz,5−H) 2.63(1H,m,9−H) 2.99(1H,m,13−H) 3.16(1H,m,11−H) 3.23(1H,m,12−H) 4.12(1H,m,20−H) 4.45(1H,d,J=9Hz,20−H) 5.18(1H,s,15−H) 5.22(1H,s,17−H) 5.55(1H,s,17−H) 6.79(1H,br,OH) 7.90(1H,br,OH) 8.44(1H,d,J=5.5Hz,6−OH) 実施例6 実施例1−(2)で得られた粘性物質−5(38.3
g)をシリカゲル500gを充填したカラムクロマトグ
ラフィーで分離した。〔アセトン:塩化メチレン〕混液
(1:4容積比)2.5リットルで展開した後、〔アセ
トン:塩化メチレン〕混液(1:1容積比)2.5リッ
トルで溶出し、その溶出液を減圧留去して3.98gの
粘性物質を得た。この粘性物質をアセトンにとかし、不
溶物を濾過して濾液を濃縮し、2.51gの粘性物質を
得た。得られた粘性物質をシリカゲル100gを充填し
たカラムクロマトグラフィーで分離した。〔酢酸エチ
ル:n−ヘキサン〕混液(1:1容積比)0.5リット
ルで展開した後、〔酢酸エチル:n−ヘキサン〕混液
(3:2容積比)0.1リットルで溶出し、その溶出液
を減圧留去して210mgの粘性物質を得た。この粘性物
質をアセトンから結晶化して28mgの前記化合物5の結
晶を得た。
【0033】融点:215.5−216.5℃ 〔α〕D 25:−102°(c=0.89,ピリジン) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3470,2930,17
05,1640 UVスペクトル λmax(EtOH):238nm(ε10,400) EIマススペクトル m/e:348(M+) 高分解能マススペクトル(C20285 ) 計算値:348.1936 実測値:348.1944 核磁気共鳴スペクトル(d5 −ピリジン、25℃)δp
pm: 1.11(3H,s,19−CH3 ) 1.31(3H,s,18−CH3 ) 1.44(1H,dd,J=1.5Hz,7Hz,5−
H) 1.51(1H,dd,J=1.5,4Hz,9−H) 2.59(1H,dd,J=4.5Hz,11.5H
z,14β−H) 3.13(1H,dd,J=4.5Hz,9.5Hz,
Hz,13−H) 3.65(1H,d,J=11.5Hz,14α−H) 4.25(1H,dd,J=2Hz,8.5Hz,20
−H) 4.33(1H,dd,J=7Hz,11Hz,6−
H) 4.42(1H,m,11H) 5.21(1H,dd,J=1.5Hz,8.5Hz,
20−H) 5.28(1H,s,17−H) 5.97(1H,s,17−H) 6.39(1H,d,J=3Hz,11−OH) 7.82(1H,d,J=11Hz,6−OH) 8.62(1H,br,7−OH) 実施例7 実施例1−(5)で得られた粘性物質−10(20.8
g)をアセトンに懸濁し、不溶物を濾去した。この不溶
物を再びアセトンに懸濁し濾過した。濾液を合わせて減
圧留去し、12.2gの粘性物質を得た。〔アセトン:
塩化メチレン〕混液(1:19容積比)2.5リットル
で展開した後、〔アセトン:塩化メチレン〕混液(1:
9容積比)1.5リットルで溶出し、その溶出液を減圧
留去して0.80gの粘性物質を得た。この粘性物質を
アセトンから結晶化して144mgの前記化合物6の結晶
を得た。
【0034】融点:174.2−174.5℃ 〔α〕D 25:−11°(c=1.04,クロロホルム) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3240,2920,17
15 EIマススペクトル m/e:380(M+),348,334 高分解能マススペクトル(C21326 ) 計算値:380.2197 実測値:380.2198 核磁気共鳴スペクトル(d−クロロホルム、25℃)δ
ppm 1.06(3H,s,19−CH3 ) 1.07(3H,s,18−CH3 ) 1.15(1H,dd,J=1Hz,7Hz,5−H) 3.33(3H,s,17−OCH3 ) 3.55(1H,dd,J=4Hz,9Hz,17−
H) 3.7−3.8(3H,m,6−H,17−H,20−
H) 4.06(1H,dd,J=1Hz,10Hz,20−
H) 4.64(1H,dd,J=1Hz,6.5Hz,14
−H) 5.06(1H,d,J=6.5Hz,14−OH) 5.73(1H,d,J=10Hz,6−OH) 6.20(1H,s,7−OH) 実施例8 実施例1−(5)で得られた粘性物質−11(29.4
g)をアセトンに懸濁し、不溶物を濾去した。濾液を減
圧留去し、23.8gの粘性物質を得た。この粘性物質
をシリカゲル500gを充填したカラムクロマトグラフ
ィーで分離した。〔塩化メチレン:アセトン〕混液
(9:1容積比)で展開した後、〔塩化メチレン:アセ
トン〕混液(17:3容積比)1リットルで展開した。
続いて、同液1.5リットル、さらに〔塩化メチレン:
アセトン〕混液(4:1容積比)0.5リットルで溶出
し、溶出液を合わせて減圧留去して、5.66gの粘性
物質を得た。この粘性物質をメタノールから結晶化し、
さらにその粗結晶をアセトンから再結晶して、340mg
の前記化合物7の結晶を得た。
【0035】融点:196−198℃ 〔α〕D 25:−15.6°(c=0.98,クロロホル
ム) 赤外吸収スペクトル ν max(KBr)cm-1:3200,2950,17
40,1710 EIマススペクトル m/e:438(M+),406,378,360 高分解能マススペクトル(C23348 ) 計算値:438.2253 実測値:438.2234 核磁気共鳴スペクトル(d−クロロホルム、25℃)δ
ppm 1.19(3H,s,18−CH3 ) 2.04(3H,s,19−OCOCH3 ) 3.35(3H,s,17−OCH3 ) 3.55(1H,dd,J=4Hz,9Hz,17−
H) 3.87(1H,d,J=10.5Hz,20−H) 4.02(1H,d,J=10.5Hz,20−H) 4.11(1H,d,J=11Hz,19−H) 4.47(1H,d,J=11Hz,19−H) 4.64(1H,d,J=7Hz,14−H) 5.06(1H,d,J=7Hz,14−OH) 5.68(1H,d,J=10Hz,6−OH) 6.17(1H,s,7−OH) 実施例9 本発明化合物の鎮痛作用について検討を行った。鎮痛試
験法としては、酢酸ライシング法を用いた〔引用文献:
Federation Proceeding;18巻
p.412(1959) R.Kosterら、を一
部改変して使用。〕。ddY系雄性マウス(体重22−
26g)6匹を一群として使用した。本発明の化合物
を、5%アラビアゴム液に懸濁し、25mg/kgを0.1
ml/10gの割合で経口投与し、45分後に、0.6%
酢酸溶液を0.1ml/10gの割合で腹腔内投与し、投
与10分後より10分間に発現するライシング数を計測
した。対象群のライシング数に比し、下式に従い、化合
物のライシング抑制率(%)を算出した。
【0036】
【数1】
【0037】下記表1に結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のジテルペノイド類は、優れた鎮
痛活性を有しているため、鎮痛剤として有効である。
フロントページの続き (72)発明者 古井 恵 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 阿部 倫一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 江川 三生 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (上記式中、R1 はヒドロキシル基を表わし、R2 は水
    素原子を表わすか、R 1 およびR2 が一緒になってオキ
    ソ基を形成する。R3 は水素原子を表わし、R 4 はC2
    〜C6 のアルコキシアルキル基を表わすか、R3 および
    4 が一緒になってメチレン基を形成する。R5 は水素
    原子を表わし、R6 は水素原子またはヒドロキシル基を
    表わすか、R5 およびR6 が一緒になって単結合もしく
    はエーテル結合を形成する。R7 は水素原子またはヒド
    ロキシル基を表わし、R8 およびR9 は水素原子を表わ
    すか、両者が一緒になってエーテル結合を形成する。R
    10は水素原子またはC2 〜C4 のアシルオキシ基を表わ
    す。但し、R1 およびR2が一緒になってオキソ基を形
    成し、かつR3 およびR4 が一緒になってメチレン基を
    形成する場合、R7 は水素原子を表わすかもしくはR10
    はアセチルオキシ基を表わさない。またR1 およびR6
    は同時にヒドロキシル基を表わさない)で表わされるジ
    テルペン系化合物。
  2. 【請求項2】 ジテルペン系化合物が下記一般式
    (I′)で表わされることを特徴とする請求項1記載の
    化合物。 【化2】 (式中、R1 〜R10は前記定義に同じ)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物を有効成分とする
    鎮痛剤。
JP3051654A 1991-03-15 1991-03-15 ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤 Pending JPH07173147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3051654A JPH07173147A (ja) 1991-03-15 1991-03-15 ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3051654A JPH07173147A (ja) 1991-03-15 1991-03-15 ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07173147A true JPH07173147A (ja) 1995-07-11

Family

ID=12892864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3051654A Pending JPH07173147A (ja) 1991-03-15 1991-03-15 ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07173147A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009523742A (ja) * 2006-01-18 2009-06-25 フレン ファーマシューティカル グループ シーオー., エルティーディー. 新規のent−カウレン型ジテルペン化合物及びその誘導体、その調製方法及び用途

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009523742A (ja) * 2006-01-18 2009-06-25 フレン ファーマシューティカル グループ シーオー., エルティーディー. 新規のent−カウレン型ジテルペン化合物及びその誘導体、その調製方法及び用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8598339B2 (en) Withanolide isolated from Physalis longifolia and analogs and methods of use thereof
TW200300094A (en) Steroidal glycosides having appetite suppressant activity and the pharmaceutical compositions thereof
Smith-Kielland et al. Cytotoxic triterpenoids from the leaves of Euphorbia pulcherrima
TWI648257B (zh) 牛樟芝化合物、製備方法及其用途
CN109575099A (zh) 达玛烷皂苷元衍生物及其制备方法和应用
GB1599863A (en) Pharmaceutical compositions for use in the inhibition of the biosynthesis of mevalonic acid
CN112915096B (zh) 刺囊酸-28-O-β-D-葡萄糖苷的制药用途
CN104892714B (zh) 一种新的灵芝三萜及其制备方法和医药用途
CN110028535B (zh) 连钱草中的二萜苷类化合物及其提取分离方法
CN111825735A (zh) 达玛烷皂苷元和齐墩果烷皂苷元衍生物及其制备和应用
CN107266516B (zh) 具有抗肿瘤活性的三萜化合物及其制备方法与应用
JPH07173147A (ja) ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤
Triana et al. Secondary metabolites from two species of Pulicaria and their cytotoxic activity
CN111349134B (zh) 核桃青皮中一种达玛烷型三萜化合物的制备方法
CN110507662B (zh) 一种黄精甾体皂苷元及其制备方法与应用
CN109180632B (zh) 一种从雷公藤中分离出的化合物的制备方法
JPH07173150A (ja) ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤
JPH0386824A (ja) ジテルペン系化合物及びこれを有効成分とする抗炎症剤
US3706727A (en) Steroid compounds effective against cardiac conditions and method of their preparation
KR19990016761A (ko) 신규한 트리테르펜 글리코사이드 화합물, 그의 제조방법 및 그를 함유하는 항암제 조성물
CN113372407B (zh) 甾体皂苷类化合物及其制备方法和应用
CN111303231B (zh) 甾体皂苷类化合物及其制备方法和应用
Liu et al. C21 steroids from the roots of Marsdenia tenacissima
JPH04288082A (ja) ジテルペン系化合物およびそれを有効成分とする鎮痛剤
JPH05163202A (ja) 新規ポリアセチレン系化合物類およびポリアセチレン系化合物類を有効成分とする5−リポキシゲナーゼ阻害剤