JPH0717216B2 - 走行装置用クローラ部材、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

走行装置用クローラ部材、その製造方法及び製造装置

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JPH0717216B2
JPH0717216B2 JP9110792A JP9110792A JPH0717216B2 JP H0717216 B2 JPH0717216 B2 JP H0717216B2 JP 9110792 A JP9110792 A JP 9110792A JP 9110792 A JP9110792 A JP 9110792A JP H0717216 B2 JPH0717216 B2 JP H0717216B2
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吉郎 上野
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オーツタイヤ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クローラ長手方向に多
数のクローラ部材をピン連結して、無端環状のクローラ
走行装置とする走行装置用クローラ部材、その製造方法
及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のクローラ部材としては、
実開平3ー47290号公報に開示されたものがある。
この従来技術は、シュープレートの非接地面側に左右各
2枚の三角板状の取り付け部を突出して左右一対のシュ
ーリンクを固着し、前記シュープレートの非接地面及び
接地面をゴム等の弾性体で被覆して形成しており、弾性
体は左右シューリンクの左右方向外側のみにあり、内側
には設けられていなく、シューリンクはシュープレート
と固着されていて両者の間にも弾性体を設けるものでも
ない。
【0003】また、このクローラ部材は、1個の金型に
シュープレートを1個づつ配置して、弾性体を加硫接着
する方法及び装置が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、シ
ュープレートの非接地面側の弾性体が、左右シューリン
クの内側にも、シューリンクとシュープレートとの間に
も設けられていないので、弾性体は左右端部を有し、ス
ラスト力を受けるとその端部から剥離を生じ易く、シュ
ープレートが金属製であると、弾性体で覆われていない
表面から錆により剥離を生じることもあり、また、左右
のシューリンクがシュープレートに固着していてシュー
プレート又は弾性体との間に隙間がないため、左右シュ
ーリンク間に入った泥水、土等を左右方向には排出し難
く、更に、クローラ部材は1度に大量生産することが困
難になっている。
【0005】本発明は、シュープレートの非接地面側か
ら左右シューリンクまでの距離を同じ非接地面上の弾性
体7の肉厚寸法より大きく設定し、弾性体を左右シュー
リンクの左右方向外側から左右シューリンクの内側まで
一体成形することにより、弾性体の剥離を防止し、泥
水、土等の排出を可能にした走行装置用クローラ部材を
提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、シュープレートの非接地
面とシューリンクとの間に、非接地面を覆う材料止め板
を非接地面と一定寸法だけ離して対向配置し、これに弾
性材料を流入させることにより、シュープレートの全面
を弾性体で覆い、且つシューリンクと弾性体との間に間
隙を形成できるようにした走行装置用クローラ部材の製
造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0007】更に、本発明は、クローラ部材をクローラ
長手方向に多数同時に製造できるようにすることによ
り、大量生産可能にした走行装置用クローラ部材の製造
方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、シュープレート2の非接
地面3側に取り付け部4を突出して左右一対のシューリ
ンク5を固着し、前記シュープレート2の非接地面3及
び接地面6をゴム等の弾性体7で被覆したクローラ走行
装置用クローラ部材において、前記シュープレート2の
非接地面3側から左右シューリンク5までの距離Hを非
接地面3上の弾性体7の肉厚寸法Tより大きく設定し、
弾性体7を左右シューリンク5の左右方向外側から内側
まで一体成形していることである。
【0009】本発明における課題解決のための第2の具
体的手段は、第1の具体的手段に加えて、取り付け部4
は左右シューリンク5のそれぞれに対してクローラ長手
方向に離れて複数設けられ、左右取り付け部4は側面視
において非オーバラップ状態になるべくクローラ長手方
向にずれていることである。本発明における課題解決の
ための第3の具体的手段は、第1の具体的手段に加え
て、取り付け部4はクローラ長手方向に離れて複数設け
られ、各取り付け部4は左右シューリンク5を同時に固
着していることである。
【0010】本発明における課題解決のための第4の具
体的手段は、第3の具体的手段に加えて、取り付け部4
はシュープレート2のクローラ長手方向前後を非接地面
3側に折り曲げて形成していることである。本発明方法
における課題解決のための第1の具体的手段は、非接地
面3側に突出の取り付け部4を介して左右一対のシュー
リンク5を固着したシュープレート2の非接地面3とシ
ューリンク5との間に、非接地面3を覆う材料止め板1
0を非接地面3と寸法Tだけ離して対向配置し、前記シ
ュープレート2と材料止め板10とを金型11のキャビ
ティ12内に挿入してシュープレート2の非接地面3及
び接地面6側に弾性材料を流入させることである。
【0011】本発明方法における課題解決のための第2
の具体的手段は、第1の方法の具体的手段に加えて、非
接地面3側に突出の取り付け部4を介して左右一対のシ
ューリンク5を固着したシュープレート2をクローラ長
手方向に多数配置して、各シュープレート2間に材料絞
り部12Aを有する金型11のキャビティ12内に挿入
することである。
【0012】本発明装置における課題解決のための第1
の具体的手段は、非接地面3側に突出の取り付け部4を
介して左右一対のシューリンク5を固着したシュープレ
ート2を金型11のキャビティ12内に挿入してシュー
プレート2の非接地面3及び接地面6側に弾性材料を被
覆する走行装置用クローラ部材の製造装置において、シ
ュープレート2の非接地面3とシューリンク5との間に
非接地面3を覆う材料止め板10を非接地面3と寸法T
だけ離して対向配置していることである。
【0013】本発明装置における課題解決のための第2
の具体的手段は、第1の装置の具体的手段に加えて、金
型11はシュープレート2をクローラ長手方向に多数配
置可能なキャビティ12を有し、このキャビティ12の
各シュープレート2配置間に対応する位置に材料絞り部
12Aを有することである。本発明装置における課題解
決のための第3の具体的手段は、第1の装置の具体的手
段に加えて、材料止め板10は取り付け部4を嵌合する
切欠9を有し且つこの切欠9を通る割り面21で左右方
向複数枚に分割していることである。
【0014】
【作用】クローラ部材1は、シュープレート2の非接地
面3側から左右シューリンク5までの距離Hが非接地面
3上の弾性体7の肉厚寸法Tより大きく、よって、非接
地面3側の弾性体7の表面とシューリンク5との間には
間隙14が形成され、左右シューリンク5の左右方向内
側に泥水、土等が入っても左右方向へ簡単に排出され
る。
【0015】弾性体7は左右シューリンク5の左右方向
外側から内側まで一体成形されていて、シュープレート
2の非接地面3を含む全面を覆っており、左右端部がな
いため、スラスト力を受けても剥離しなく、シュープレ
ート2の非接地面3が錆びるのを防止する。また、クロ
ーラ部材1は、シュープレート2の非接地面3側に突出
形成した取り付け部4に予め左右一対のシューリンク5
を固着しておき、このようにしたシュープレート2の非
接地面3とシューリンク5との間に、非接地面3を覆う
ように材料止め板10を配置し、これらのシュープレー
ト2と材料止め板10とを金型11のキャビティ12内
に挿入してシュープレート2の非接地面3及び接地面6
側に弾性材料を流入させて製造する。
【0016】前記材料止め板10は割り面21で左右方
向複数枚に分割されていて、合わせた状態で取り付け部
4に嵌合することになる切欠9を有し、取り付け部4の
左右外方から嵌合してシューリンク5に接触させると、
非接地面3と寸法Tだけ離れて対向配置され、非接地面
3との間に弾性体7の材料が流入する空間を形成し、ま
た、この空間に入った材料がシューリンク5側に流れ出
るのを阻止する。更に、この材料止め板10がシューリ
ンク5と弾性体7との間に間隙14を形成する。
【0017】金型11のキャビティ12内に、左右一対
のシューリンク5を固着したシュープレート2をクロー
ラ長手方向に多数配置して、弾性体7を形成する材料を
流入すると、多数個連結したクローラ部材1が1度に形
成され、これを環状にしてクローラ長手方向に隣接する
シューリンク5をピン15で連結すると、クローラ走行
装置16となる。
【0018】キャビティ12の各シュープレート2間の
中央に対応する位置には材料絞り部12Aが形成され、
これによりクローラ部材1がクローラ長手方向に区画さ
れたクローラ走行装置16が形成され、車輪に沿うよう
に湾曲可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜7に示す第1実施例において、1Aはクロ
ーラ長手方向(前後方向)に多数個連結し且つ無端環状
にすることによりクローラ走行装置16を構成するクロ
ーラ部材であり、駆動輪20に係合され且つ從動輪及び
転動輪に巻き掛けられる。
【0020】クローラ部材1Aは、平板状のシュープレ
ート2の非接地面(クローラ走行装置内周側)3側に、
左右それぞれ2枚の略三角形板を固着して形成した取り
付け部4を突出しており、左右各取り付け部4はそれぞ
れ左右シューリンク5を固着している。このシューリン
ク5はクローラ長手方向中途部が屈曲されていて、前後
部が左右にずれており、前後端にピン15を挿通するピ
ン孔17を有している。クローラ部材1Aをクローラ長
手方向に多数個連結するとき、隣合うシューリンク5は
一方の前部を他方の後部に重合し、両者にピン15を貫
通して連結する。このピン15は駆動輪20と係合する
係合部となる。
【0021】前記シュープレート2、取り付け部4の三
角板及びシューリンク5等は金属、プラスチック等で形
成され、溶着、接着するか又は一体成形されており、シ
ュープレート2の非接地面3及び接地面(クローラ走行
装置の外周側)6はゴム、プラスチック等の弾性体7で
被覆されている。この弾性体7はシュープレート2の前
後・左右側面を含む全周を被覆するもので、接地面6側
にシュープレート2に対応して1又は複数のラグ18が
一体成形により突出されている。
【0022】前記シュープレート2の非接地面3におい
て、非接地面3を被覆した弾性体7は、接地面6からシ
ュープレート2の周囲を通って連続して形成され、取り
付け部4を除いて非接地面3の全面に切れ目なく一体成
形されている。即ち、弾性体7は左右シューリンク5の
左右方向外側から左右シューリンク5の内側まで一体成
形されている。
【0023】シュープレート2の非接地面3から左右シ
ューリンク5までの距離Hは、弾性体7の肉厚寸法Tよ
り大きく設定されており、そのため、シューリンク5と
弾性体7の表面との間には間隙14が形成され、この間
隙14は左右シューリンク5の左右方向内外を連通させ
ており、シューリンク5内側の泥水、土の排出を可能に
している。
【0024】図4〜7において、8Aはクローラ製造装
置で、上下に分割されていてその内部にキャビティ12
を有する金型11と、キャビティ12内に配置される材
料止め板10Aとを有している。金型11のキャビティ
12は1本のクローラ走行装置16の前長に相当する長
いものであり、材料止め板10Aはキャビティ12と同
一長さか又は複数に分割されいる。
【0025】前記各クローラ部材1Aに対応するキャビ
ティ12はクローラ長手方向に独立して形成できるが、
ここでは連続されていて材料の流れを良くしており、そ
のキャビティ12の各シュープレート2配置間の中央に
対応する位置には、各クローラ部材1Aの区切り目を形
成する材料絞り部12Aが設けられている。この材料絞
り部12Aによって、隣合うクローラ部材1Aの連結部
分の弾性体7は薄く形成され、屈曲を容易にしている。
この薄肉部23は切れても良いが、シューリンク5をピ
ン15で連結しないで製造するときには、多数のクロー
ラ部材1Aを繋ぎ止めるのに有用である。
【0026】前記材料止め板10Aは図4、6に示すよ
うに、左右方向(図4では上下方向)に2分割されてい
て、取り付け部4に対応して切欠9が形成されており、
シュープレート2上の取り付け部4に切欠9を対応させ
て左右外方から嵌合し、シューリンク5の非接地面3側
の面に当接される。これにより、材料止め板10はシュ
ープレート2の非接地面3に対して寸法Tだけ離れて対
向し、非接地面3を覆うことになり、非接地面3と材料
止め板10との間には寸法Tの空間が形成され、弾性体
7の非接地面3側の肉厚を形成するためのキャビティ1
2の一部となる。
【0027】この材料止め板10Aの切欠9は、左右取
り付け部4がクローラ長手方向同一位置にあるため、割
り面21から取り付け部4嵌合位置まで切り欠かねばな
らず、そのため、左右取り付け部4間で切欠9から弾性
体7の材料が流出しないように非接地面3側へ突出した
切り起こし部22を形成している。クローラ部材1Aを
製造するには先ず、シュープレート2の非接地面3側に
取り付け部4を突設し、この取り付け部4を介して左右
一対のシューリンク5を固着しておき、これを多数用意
する。隣合うシューリンク5は離しておいても良く、ま
た、ピン15で連結しておいても良い。
【0028】そのように組み立てた後、シュープレート
2の非接地面3とシューリンク5との間に、左右方向外
方から一対の材料止め板10を嵌合していき、切欠9を
取り付け部4に嵌合し、また、この材料止め板10を非
接地面3と寸法Tだけ離して対向させる。そして、これ
らを金型11の下型のキャビティ12内に挿入し、且つ
上型を降下して金型11を閉じ、キャビティ12内にゴ
ム等の弾性材料のスラグを流入し、且つシュープレート
2を包囲させて、その非接地面3及び接地面6側に弾性
体7を加硫接着させる。スラグは帯板状に予備成形した
ものを、シュープレート2の非接地面3側と接地面6側
とに配置し、不足分をプレスで圧入するようにしても良
い。
【0029】加硫後に金型11を開放してクローラ部材
1Aを取り出すと、クローラ部材1Aは多数個がクロー
ラ長手方向に連続した状態になっていて、その両端のク
ローラ部材1Aのシューリンク5をピン15で連結すれ
ばクローラ走行装置16となる。尚、金型11は左右に
開閉させても良い。図8、9は前記第1実施例の材料止
め板10の変形例を示しており、この材料止め板10B
は左右方向3枚に分割され中央部が切欠9のない帯板
で、左右が切欠9のある帯板であり、中央帯板は左右取
り付け部4の間で材料の流れをせき止められるので、切
り起こし部22が不要になっている。尚、図8のクロー
ラ製造装置8Bの金型11は、上下型間でスラグ26を
プレスしてキャビティ12内に注入するようになってい
る。
【0030】図10は前記第1実施例の取り付け部4及
び材料止め板10の変形例を示しており、左右の取り付
け部4はクローラ長手方向にずれて配置され、即ち、側
面視において非オーバラップ状態になるべくずらされて
いる。材料止め板10Cは2枚で形成され、その割り面
21は左右の切欠9を交互に繋ぐように直線及び屈曲線
で形成され、従って、左右の帯板は互いに噛み合う櫛歯
状になっていて、左の帯板は右の切欠9まで、右の帯板
は左の切欠9まで達している。この材料止め板10Cも
切り起こし部22が不要になっている。
【0031】図11は前記第1実施例の材料絞り部12
A及び材料止め板10の変形例を示しており、材料止め
板10には凹部27が形成され、材料絞り部12Aはこ
の材料止め板10の凹部27にまで突入する形状であ
り、隣接するクローラ部材1の間にはクローラ走行装置
16内周側に盛り上がった薄肉部23を形成するように
なっている。この薄肉部23は切れ易く、伸縮性も良
い。前記薄肉部23を形成しない場合は、図23に示す
ように、材料絞り部12Aの先端を材料止め板10に当
接させる形状にすれば良く、そうすれば隣接するクロー
ラ部材1同志は分離状態で形成される。ただし、この場
合、隣接するシューリンク5をピン15で連結して製造
することが好ましい。
【0032】図12〜14は本発明の第2実施例を示し
ており、クローラ部材1Bは取り付け部4が左右各2本
の角柱状に形成されており、この角柱状取り付け部4は
側面視において非オーバラップ状態になるべくずらされ
ている。従って、製造に使用する材料止め板10は図1
0に示した材料止め板10Cと同様になり、その割り面
21は左右の切欠9を交互に繋ぐように形成され、左右
の帯板は互いに噛み合う櫛歯状になる。
【0033】しかし、材料止め板10は図15に示すよ
うに、左右切欠9を交互に直線の割り面21で繋いだ材
料止め板10Dにしても良い。図16〜18は本発明の
第3実施例を示しており、クローラ部材1Cは取り付け
部4が前後2本の横板状に形成されており、この前後各
横板状取り付け部4は左右シューリンク5を連結してお
り、左右シューリンク5が屈曲されていて前後間隔が異
なるので、前後一方が他方より長くなっている。
【0034】製造に使用する材料止め板10は、図18
に示すように、切欠9が横長で且つ左右方向中央に割り
面21を有した2つ割り形状の材料止め板10Eにする
他、図19に示すように、割り面21を短い切欠9の一
端側に設定した2つ割り形状の材料止め板10Fにして
も良い。尚、割り面21は総ての切欠9を繋いでいる。
【0035】図20〜21は本発明の第4実施例を示し
ており、クローラ部材1Dはシュープレート2の前後端
を非接地面3側に折り曲げて断面コ字形に形成してお
り、その突出した前後両端を取り付け部4とし、各取り
付け部4は左右シューリンク5を同時に固着している。
また、シュープレート2は前後両端の左右両側部を切り
欠いて、左右両側部が弾性体7の表面から突出しないよ
うになっている。
【0036】前記切り欠きにより、取り付け部4は前記
第3実施例と同様に、長さの異なる前後2本の横板状に
なり、生産に使用する材料止め板10も、図18、19
に示した材料止め板10E、10Fが使用できる。尚、
前記クローラ部材1Dの前後取り付け部4は、左右シュ
ーリンク5の間部分でもその両端と同様に切り欠くと、
前記第2実施例と同様になり、図14、15に示した材
料止め板10C、10Dが使用できる。また、シュープ
レート2は全長に切り欠きのないものを使用して、弾性
体7の表面から突出させても差し支えはない。
【0037】図22はクローラ製造装置8の変形例を示
しており、クローラ製造装置8Cの金型11は上型に材
料注入口28を有し、その材料注入口28の上側に置い
たスラグ26をピストン29で押して、材料注入口28
からキャビティ12内へ流入させるように構成されてい
る。クローラ部材1は第4実施例のものを示し、30は
ピストン29のガイドを示している。
【0038】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、種々変形することができる。例えば、シュー
プレート2に多数の貫通孔を形成しておいて、弾性体7
を非接地面3から接地面6に貫通させ、シュープレート
2の軽量化と弾性体7の耐剥離性を向上させるようにし
ても良い。また、材料止め板10は左右取り付け部4を
回避する長い切欠9を形成した1枚板であっても良い。
更に、材料絞り部12Aは隣接するシュープレート2間
の中央に位置することが好ましいが、一方に偏っていて
も良い。
【0039】また、シューリンク5を折曲部のない平板
で形成し、その左右間隔を大小に異ならせて2種類に
し、この2種類のものをクローラ長手方向に交互に配置
し、間隔大のシューリンク5と間隔小のシューリンク5
とを重合してピン15で連結しても良い。更に、金型1
1内のキャビティ12は直線状の他、円弧状に形成して
も良い。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、シュープ
レート2の非接地面3側から左右シューリンク5までの
距離Hを非接地面3上の弾性体7の肉厚寸法Tより大き
く設定し、弾性体7を左右シューリンク5の左右方向外
側から内側まで一体成形しているので、シュープレート
2の全面を弾性体7で被覆した上で、非接地面3側の弾
性体7を端部のない一体ものに形成することができ、弾
性体7の剥離を防止でき、また、シューリンク5と非接
地面3上の弾性体7との間に間隙14が形成され、泥
水、土等の左右方向排出を可能にできる。
【0041】また、本発明方法及び装置によれば、シュ
ープレート2の非接地面3とシューリンク5との間に材
料止め板10を非接地面3に間隔をおいて対向させるだ
けで、シュープレート2の非接地面3の略全面を弾性体
7で簡単に被覆でき、しかもその弾性体7とシューリン
ク5との間に間隙14も形成できる。更に、本発明方法
及び装置によれば、材料絞り部12Aを有する金型11
のキャビティ12内に、シュープレート2をクローラ長
手方向に多数配置して製造するので、多数のクローラ部
材1を1度に大量生産することができ、しかもその多数
のクローラ部材1は互いに連結されているので、製造後
の取扱及びクローラ走行装置16に形成するのが極めて
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のクローラ部材を示す断面
正面図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】第1実施例のクローラ部材を使用したクローラ
走行装置の平面図である。
【図4】同クローラ製造装置の断面正面図である。
【図5】同クローラ製造装置の断面側面図である。
【図6】材料止め板の平面図である。
【図7】材料絞り部の拡大断面図である。
【図8】クローラ製造装置の変形例を示す断面正面図で
ある。
【図9】材料止め板の第1変形例を示す平面図である。
【図10】材料止め板の第2変形例を示す平面図であ
る。
【図11】材料絞り部の変形例を示す拡大断面図であ
る。
【図12】本発明の第2実施例のクローラ部材を示す断
面正面図である。
【図13】同斜視図である。
【図14】第2実施例に使用可能な材料止め板の第1例
を示す平面図である。
【図15】同材料止め板の第2例を示す平面図である。
【図16】本発明の第3実施例のクローラ部材を示す断
面正面図である。
【図17】同斜視図である。
【図18】第3実施例に使用可能な材料止め板の第1例
を示す平面図である。
【図19】同材料止め板の第2例を示す平面図である。
【図20】本発明の第4実施例のクローラ部材を示す断
面正面図である。
【図21】同斜視図である。
【図22】クローラ製造装置の変形例を示す断面正面図
である。
【図23】材料絞り部の他の変形例を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 クローラ部材 2 シュープレート 3 非接地面 4 取り付け部 5 シューリンク 6 接地面 7 弾性体 8 クローラ製造装置 9 切欠 10 材料止め板 11 金型 12 キャビティ 12A 材料絞り部 23 薄肉部 H 距離 T 寸法

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュープレート(2)の非接地面(3)
    側に取り付け部(4)を突出して左右一対のシューリン
    ク(5)を固着し、前記シュープレート(2)の非接地
    面(3)及び接地面(6)をゴム等の弾性体(7)で被
    覆した走行装置用クローラ部材において、 前記シュープレート(2)の非接地面(3)側から左右
    シューリンク(5)までの距離(H)を非接地面(3)
    上の弾性体(7)の肉厚寸法(T)より大きく設定し、
    弾性体(7)を左右シューリンク(5)の左右方向外側
    から内側まで一体成形していることを特徴とする走行装
    置用クローラ部材。
  2. 【請求項2】 前記取り付け部(4)は左右シューリン
    ク(5)のそれぞれに対してクローラ長手方向に離れて
    複数設けられ、左右取り付け部(4)は側面視において
    非オーバラップ状態になるべくクローラ長手方向にずれ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の走行装置用ク
    ローラ部材。
  3. 【請求項3】 前記取り付け部(4)はクローラ長手方
    向に離れて複数設けられ、各取り付け部(4)は左右シ
    ューリンク(5)を同時に固着していることを特徴とす
    る請求項1に記載の走行装置用クローラ部材。
  4. 【請求項4】 前記取り付け部(4)はシュープレート
    (2)のクローラ長手方向前後を非接地面(3)側に折
    り曲げて形成していることを特徴とする請求項3に記載
    の走行装置用クローラ部材。
  5. 【請求項5】 非接地面(3)側に突出の取り付け部
    (4)を介して左右一対のシューリンク(5)を固着し
    たシュープレート(2)の非接地面(3)とシューリン
    ク(5)との間に、非接地面(3)を覆う材料止め板
    (10)を非接地面(3)と寸法(T)だけ離して対向
    配置し、前記シュープレート(2)と材料止め板(1
    0)とを金型(11)のキャビティ(12)内に挿入し
    てシュープレート(2)の非接地面(3)及び接地面
    (6)側に弾性材料を流入させることを特徴とする走行
    装置用クローラ部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 非接地面(3)側に突出の取り付け部
    (4)を介して左右一対のシューリンク(5)を固着し
    たシュープレート(2)をクローラ長手方向に多数配置
    して、各シュープレート(2)間に材料絞り部(12
    A)を有する金型(11)のキャビティ(12)内に挿
    入することを特徴とする請求項5に記載の走行装置用ク
    ローラ部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 非接地面(3)側に突出の取り付け部
    (4)を介して左右一対のシューリンク(5)を固着し
    たシュープレート(2)を金型(11)のキャビティ
    (12)内に挿入してシュープレート(2)の非接地面
    (3)及び接地面(6)側に弾性材料を被覆する走行装
    置用クローラ部材の製造装置において、 シュープレート(2)の非接地面(3)とシューリンク
    (5)との間に非接地面(3)を覆う材料止め板(1
    0)を非接地面(3)と寸法(T)だけ離して対向配置
    していることを特徴とする走行装置用クローラ部材の製
    造装置。
  8. 【請求項8】 前記金型(11)はシュープレート
    (2)をクローラ長手方向に多数配置可能なキャビティ
    (12)を有し、このキャビティ(12)の各シュープ
    レート(2)配置間に対応する位置に材料絞り部(12
    A)を有することを特徴とする請求項7に記載の走行装
    置用クローラ部材の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記材料止め板(10)は取り付け部
    (4)を嵌合する切欠(9)を有し且つこの切欠(9)
    を通る割り面(21)で左右方向複数枚に分割している
    ことを特徴とする請求項7に記載の走行装置用クローラ
    部材の製造装置。
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