JPH07170762A - 積層型伸縮アクチュエータとその製造方法 - Google Patents
積層型伸縮アクチュエータとその製造方法Info
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- JPH07170762A JPH07170762A JP31618393A JP31618393A JPH07170762A JP H07170762 A JPH07170762 A JP H07170762A JP 31618393 A JP31618393 A JP 31618393A JP 31618393 A JP31618393 A JP 31618393A JP H07170762 A JPH07170762 A JP H07170762A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電極間のギャップの管理と配線を容易にす
る。 【構成】 単位絶縁基板21の片面に電極22を形成す
ると共に、配線部23a,23bを単位絶縁基板21の
両面に跨がるように形成する。更に、スペーサ部材24
の両端部の全周に電気接続部25a,25bを形成し、
単位絶縁基板21の片面にギャップ分の厚さの犠牲層3
3を形成する。この後、複数枚の単位絶縁基板21をス
ペーサ部材24を介して重ね合わせて積層する。この
際、スペーサ部材24の位置を、単位絶縁基板21の両
端と、単位絶縁基板21の中央とに、1層ごとに交互に
代えて積層する。この積層と同時に、各単位絶縁基板2
1の配線部23a,23bが各スペーサ部材24の電気
接続部25a,25bと接触して、各電極22間が導通
された状態となる。積層後に、配線部23a,23bと
電気接続部25a,25bとを接合した後、犠牲層33
をエッチングして取り除く。
る。 【構成】 単位絶縁基板21の片面に電極22を形成す
ると共に、配線部23a,23bを単位絶縁基板21の
両面に跨がるように形成する。更に、スペーサ部材24
の両端部の全周に電気接続部25a,25bを形成し、
単位絶縁基板21の片面にギャップ分の厚さの犠牲層3
3を形成する。この後、複数枚の単位絶縁基板21をス
ペーサ部材24を介して重ね合わせて積層する。この
際、スペーサ部材24の位置を、単位絶縁基板21の両
端と、単位絶縁基板21の中央とに、1層ごとに交互に
代えて積層する。この積層と同時に、各単位絶縁基板2
1の配線部23a,23bが各スペーサ部材24の電気
接続部25a,25bと接触して、各電極22間が導通
された状態となる。積層後に、配線部23a,23bと
電気接続部25a,25bとを接合した後、犠牲層33
をエッチングして取り除く。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極又はコイルが形成
された複数枚の単位絶縁基板を所定間隔で積層し、各電
極又はコイル間に作用する静電的又は電磁的な吸引力又
は反発力を利用して、積層方向に伸縮させて駆動力を発
生する積層型伸縮アクチュエータとその製造方法に関す
るものである。
された複数枚の単位絶縁基板を所定間隔で積層し、各電
極又はコイル間に作用する静電的又は電磁的な吸引力又
は反発力を利用して、積層方向に伸縮させて駆動力を発
生する積層型伸縮アクチュエータとその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の積層型伸縮アクチュエータとし
ては、例えば特開平1−186179号公報に示すよう
な積層型静電アクチュエータが知られている。この積層
型静電アクチュエータは、所定のギャップを存して対向
する一対の電極を有する単位静電アクチュエータを複数
個積層することにより、その積層方向の伸縮変位量(駆
動力)を拡大するようにしたものである。このもので
は、各単位静電アクチュエータは、対向する電極の支持
板間を板ばね等の弾性連結部材により連結した構成とな
っている。このような積層型伸縮アクチュエータは、電
極間のギャップ寸法がアクチュエータの伸縮特性に大き
く影響することが知られている。例えば、上述した積層
型静電アクチュエータの場合、静電引力Fは、次の
(1)式で求められる。
ては、例えば特開平1−186179号公報に示すよう
な積層型静電アクチュエータが知られている。この積層
型静電アクチュエータは、所定のギャップを存して対向
する一対の電極を有する単位静電アクチュエータを複数
個積層することにより、その積層方向の伸縮変位量(駆
動力)を拡大するようにしたものである。このもので
は、各単位静電アクチュエータは、対向する電極の支持
板間を板ばね等の弾性連結部材により連結した構成とな
っている。このような積層型伸縮アクチュエータは、電
極間のギャップ寸法がアクチュエータの伸縮特性に大き
く影響することが知られている。例えば、上述した積層
型静電アクチュエータの場合、静電引力Fは、次の
(1)式で求められる。
【0003】 F=(ε・S・V2)/2d2 ……(1) ここで、εは電極間のギャップの誘電率、Sは電極面
積、Vは印加電圧、dはギャップ寸法である。上記
(1)式から明らかなように、静電引力Fは、印加電圧
が一定であれば、ギャップ寸法dが小さくなればなるほ
ど大きくなる。従って品質を安定させるには、ギャップ
寸法dのばらつきを少なくする必要がある。
積、Vは印加電圧、dはギャップ寸法である。上記
(1)式から明らかなように、静電引力Fは、印加電圧
が一定であれば、ギャップ寸法dが小さくなればなるほ
ど大きくなる。従って品質を安定させるには、ギャップ
寸法dのばらつきを少なくする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した公知例の積層
型静電アクチュエータは、電極間にギャップを形成する
手段として、板ばね等の弾性連結部材を採用している
が、特にギャップ間隔が数十ミクロン以下のものでは、
個々の弾性連結部材の弾性係数の管理や電極支持板と弾
性連結部材との接合が非常に面倒であり、電極間のギャ
ップ管理が難しいという欠点がある。また、このアクチ
ュエータを伸縮させるために各電極に電圧を印加するた
めの配線が必要となるが、前述した公知例の場合、各電
極に対して空中配線を行うか、各弾性連結部材に沿って
配線を行う必要があり、上述した事情と相俟って、製造
工程が非常に煩雑となり、製造能率(量産性)が低下し
て高価格化してしまう欠点がある。
型静電アクチュエータは、電極間にギャップを形成する
手段として、板ばね等の弾性連結部材を採用している
が、特にギャップ間隔が数十ミクロン以下のものでは、
個々の弾性連結部材の弾性係数の管理や電極支持板と弾
性連結部材との接合が非常に面倒であり、電極間のギャ
ップ管理が難しいという欠点がある。また、このアクチ
ュエータを伸縮させるために各電極に電圧を印加するた
めの配線が必要となるが、前述した公知例の場合、各電
極に対して空中配線を行うか、各弾性連結部材に沿って
配線を行う必要があり、上述した事情と相俟って、製造
工程が非常に煩雑となり、製造能率(量産性)が低下し
て高価格化してしまう欠点がある。
【0005】従って、本発明は、電極(又はコイル)間
のギャップの管理を容易に行うことを目的とし、また、
配線を容易に行うことも目的とする。
のギャップの管理を容易に行うことを目的とし、また、
配線を容易に行うことも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の積層型伸縮アクチュエー
タは、片面に電極用又はコイル用の導体部が形成された
複数枚の単位絶縁基板をスペーサ部材を介して積層した
ものであって、前記各単位絶縁基板に、前記導体部に配
線するための配線部を当該単位絶縁基板の両面に跨がる
ように形成し、前記スペーサ部材に、その厚み方向両面
に跨がる電気接続部を形成し、この電気接続部の両端部
を前記各単位絶縁基板の配線部に接触させることで、前
記各単位絶縁基板の導体部間を電気的に導通させるよう
に構成したものである。
に、本発明の請求項1に記載の積層型伸縮アクチュエー
タは、片面に電極用又はコイル用の導体部が形成された
複数枚の単位絶縁基板をスペーサ部材を介して積層した
ものであって、前記各単位絶縁基板に、前記導体部に配
線するための配線部を当該単位絶縁基板の両面に跨がる
ように形成し、前記スペーサ部材に、その厚み方向両面
に跨がる電気接続部を形成し、この電気接続部の両端部
を前記各単位絶縁基板の配線部に接触させることで、前
記各単位絶縁基板の導体部間を電気的に導通させるよう
に構成したものである。
【0007】この構成の積層型伸縮アクチュエータを製
造する場合、請求項2のように、単位絶縁基板の片面に
電極用又はコイル用の導体部を形成し、この単位絶縁基
板に、前記導体部に配線するための配線部を当該単位絶
縁基板の両面に跨がるように形成する工程と、スペーサ
部材に、その厚み方向両面に跨がるように電気接続部を
形成する工程と、前記単位絶縁基板と前記スペーサ部材
とを交互に複数枚積み重ねるように積層することで、前
記スペーサ部材の電気接続部の両端部を前記各単位絶縁
基板の配線部に接触させて前記各単位絶縁基板の導体部
間を電気的に導通させる工程とを実行するようにしても
良い。
造する場合、請求項2のように、単位絶縁基板の片面に
電極用又はコイル用の導体部を形成し、この単位絶縁基
板に、前記導体部に配線するための配線部を当該単位絶
縁基板の両面に跨がるように形成する工程と、スペーサ
部材に、その厚み方向両面に跨がるように電気接続部を
形成する工程と、前記単位絶縁基板と前記スペーサ部材
とを交互に複数枚積み重ねるように積層することで、前
記スペーサ部材の電気接続部の両端部を前記各単位絶縁
基板の配線部に接触させて前記各単位絶縁基板の導体部
間を電気的に導通させる工程とを実行するようにしても
良い。
【0008】或は、請求項3のように、単位絶縁基板の
片面に電極用又はコイル用の導体部を形成する工程と、
前記単位絶縁基板の片面に、ギャップ分の厚さの犠牲層
を形成する工程と、前記単位絶縁基板を前記犠牲層を挟
んで複数枚積み重ねるように積層する工程と、前記犠牲
層をエッチングして取り除く工程とを実行するようにし
ても良い。
片面に電極用又はコイル用の導体部を形成する工程と、
前記単位絶縁基板の片面に、ギャップ分の厚さの犠牲層
を形成する工程と、前記単位絶縁基板を前記犠牲層を挟
んで複数枚積み重ねるように積層する工程と、前記犠牲
層をエッチングして取り除く工程とを実行するようにし
ても良い。
【0009】
【作用】請求項1の構成によれば、電極用又はコイル用
の導体部が形成された単位絶縁基板間のギャップがスペ
ーサ部材によって一定に保たれると共に、このスペーサ
部材に形成された電気接続部によって、各単位絶縁基板
の導体部間の配線がなされる。そして、スペーサ部材に
形成された電気接続部を通して、各単位絶縁基板の導電
部に電圧を印加すると、各単位絶縁基板の導電部間に静
電的又は電磁的な吸引力又は反発力が生じて、各単位絶
縁基板がスペーサ部材を支点にして弾性変形し、アクチ
ュエータ全体が縮んだり伸びたりする。
の導体部が形成された単位絶縁基板間のギャップがスペ
ーサ部材によって一定に保たれると共に、このスペーサ
部材に形成された電気接続部によって、各単位絶縁基板
の導体部間の配線がなされる。そして、スペーサ部材に
形成された電気接続部を通して、各単位絶縁基板の導電
部に電圧を印加すると、各単位絶縁基板の導電部間に静
電的又は電磁的な吸引力又は反発力が生じて、各単位絶
縁基板がスペーサ部材を支点にして弾性変形し、アクチ
ュエータ全体が縮んだり伸びたりする。
【0010】この場合、請求項2の製造方法によれば、
導体部と配線部が形成された単位絶縁基板と、電気接続
部が形成されたスペーサ部材とを、交互に複数枚積み重
ねるように積層することで、スペーサ部材の電気接続部
の両端部を各単位絶縁基板の配線部に接触させて各単位
絶縁基板の導体部間を電気的に導通させる。このため、
積層という単純な作業で、単位絶縁基板の組立と同時
に、配線も行うことができ、従来のような積層組立後の
面倒な配線作業が不要となる。
導体部と配線部が形成された単位絶縁基板と、電気接続
部が形成されたスペーサ部材とを、交互に複数枚積み重
ねるように積層することで、スペーサ部材の電気接続部
の両端部を各単位絶縁基板の配線部に接触させて各単位
絶縁基板の導体部間を電気的に導通させる。このため、
積層という単純な作業で、単位絶縁基板の組立と同時
に、配線も行うことができ、従来のような積層組立後の
面倒な配線作業が不要となる。
【0011】また、請求項3の製造方法によれば、ギャ
ップ分の厚さの犠牲層が形成された単位絶縁基板を複数
枚積み重ねるように積層した後、犠牲層をエッチングし
て取り除いて、積層型伸縮アクチュエータを製造する。
この製造方法では、積層という単純な作業で、各単位絶
縁基板間のギャップ寸法が犠牲層により一定に決められ
る。しかも、この犠牲層は、積層後にエッチングにより
取り除くものであるから、単位絶縁基板の任意の場所に
形成することができる。従って、例えば、積層中に撓み
変形しやすい部分に犠牲層を形成すれば、単位絶縁基板
が変形されたままの状態で積層されるのを未然に防止す
ることができる。
ップ分の厚さの犠牲層が形成された単位絶縁基板を複数
枚積み重ねるように積層した後、犠牲層をエッチングし
て取り除いて、積層型伸縮アクチュエータを製造する。
この製造方法では、積層という単純な作業で、各単位絶
縁基板間のギャップ寸法が犠牲層により一定に決められ
る。しかも、この犠牲層は、積層後にエッチングにより
取り除くものであるから、単位絶縁基板の任意の場所に
形成することができる。従って、例えば、積層中に撓み
変形しやすい部分に犠牲層を形成すれば、単位絶縁基板
が変形されたままの状態で積層されるのを未然に防止す
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を積層型静電アクチュエータに
適用した一実施例を図1ないし図6に基づいて説明す
る。まず、図1及び図2を用いて、積層型静電アクチュ
エータ20全体の構成を説明する。積層される各単位絶
縁基板21は、例えばポリイミド,ガラス,プラスチッ
ク等の絶縁材料により長方形の薄い板状に形成され、後
述する静電引力により弾性変形可能になっている。各単
位絶縁基板21の上面には、電極22(導体部)が例え
ば蒸着により形成されている。更に、各単位絶縁基板2
1には、電極22に配線するための2本の配線部23
a,23bが当該単位絶縁基板21の両面に跨がるよう
に形成されている。各配線部23a,23bは、図3
(a),(b)に示すように、単位絶縁基板21の前縁
右側と後縁左側に位置して、一方の配線部23aが電極
22につながり、他方の配線部23bが電極22から分
離されている。この単位絶縁基板21は、図1に示すよ
うに、積層する過程で、1枚ごとに前後方向に反転され
て積層される。
適用した一実施例を図1ないし図6に基づいて説明す
る。まず、図1及び図2を用いて、積層型静電アクチュ
エータ20全体の構成を説明する。積層される各単位絶
縁基板21は、例えばポリイミド,ガラス,プラスチッ
ク等の絶縁材料により長方形の薄い板状に形成され、後
述する静電引力により弾性変形可能になっている。各単
位絶縁基板21の上面には、電極22(導体部)が例え
ば蒸着により形成されている。更に、各単位絶縁基板2
1には、電極22に配線するための2本の配線部23
a,23bが当該単位絶縁基板21の両面に跨がるよう
に形成されている。各配線部23a,23bは、図3
(a),(b)に示すように、単位絶縁基板21の前縁
右側と後縁左側に位置して、一方の配線部23aが電極
22につながり、他方の配線部23bが電極22から分
離されている。この単位絶縁基板21は、図1に示すよ
うに、積層する過程で、1枚ごとに前後方向に反転され
て積層される。
【0013】一方、各単位絶縁基板21間に挟み込まれ
る各スペーサ部材24は、例えばポリイミド,ガラス,
プラスチック等の絶縁材料により細長い角ブロック状に
形成されている。また、各スペーサ部材24は単位絶縁
基板21間のギャップを所定値に保持するものであって
弾性部材であっても良い。各スペーサ部材24の前縁部
と後縁部には、その厚み方向両面に跨がるように電気接
続部25a,25bが例えば蒸着により形成されてい
る。本実施例では、電気接続部25a,25bがスペー
サ部材24の全周を取り巻くように形成されているが、
左右側面のいずれか一方は形成しなくても良い。
る各スペーサ部材24は、例えばポリイミド,ガラス,
プラスチック等の絶縁材料により細長い角ブロック状に
形成されている。また、各スペーサ部材24は単位絶縁
基板21間のギャップを所定値に保持するものであって
弾性部材であっても良い。各スペーサ部材24の前縁部
と後縁部には、その厚み方向両面に跨がるように電気接
続部25a,25bが例えば蒸着により形成されてい
る。本実施例では、電気接続部25a,25bがスペー
サ部材24の全周を取り巻くように形成されているが、
左右側面のいずれか一方は形成しなくても良い。
【0014】本実施例の積層型静電アクチュエータ20
は、図1に示すように、複数枚の単位絶縁基板21を1
枚ごとに前後方向に反転しながらスペーサ部材24を挟
んで積層し、各単位絶縁基板21の配線部23a,23
bと各スペーサ部材24の電気接続部25a,25bと
を接触させて接合したものである。更に、各単位絶縁基
板21間に挟み込まれるスペーサ部材24の位置を、単
位絶縁基板21の両端と、単位絶縁基板21の中央と
に、1層ごとに交互に代えることで、図2に示すよう
に、各単位絶縁基板21が弾性変形できるようになって
いる。各単位絶縁基板21の配線部23a,23bの長
さを、単位絶縁基板21の側縁から中央付近まで延ばす
ことで、全ての位置のスペーサ部材24の電気接続部2
5a,25bが配線部23a,23bと接合できるよう
になっている。
は、図1に示すように、複数枚の単位絶縁基板21を1
枚ごとに前後方向に反転しながらスペーサ部材24を挟
んで積層し、各単位絶縁基板21の配線部23a,23
bと各スペーサ部材24の電気接続部25a,25bと
を接触させて接合したものである。更に、各単位絶縁基
板21間に挟み込まれるスペーサ部材24の位置を、単
位絶縁基板21の両端と、単位絶縁基板21の中央と
に、1層ごとに交互に代えることで、図2に示すよう
に、各単位絶縁基板21が弾性変形できるようになって
いる。各単位絶縁基板21の配線部23a,23bの長
さを、単位絶縁基板21の側縁から中央付近まで延ばす
ことで、全ての位置のスペーサ部材24の電気接続部2
5a,25bが配線部23a,23bと接合できるよう
になっている。
【0015】前述したように、単位絶縁基板21を1枚
ごとに前後方向に反転しながら積層することで、奇数枚
目の単位絶縁基板21と偶数枚目の単位絶縁基板21と
がそれぞれ別々に導通され、それぞれ直流電源26の正
極と負極に電源スイッチ27を介して接続されている。
この電源スイッチ27をオンすると、奇数枚目の単位絶
縁基板21に例えば正の電圧が印加され、偶数枚目の単
位絶縁基板21に例えば負の電圧が印加されて、各単位
絶縁基板21に静電引力が生じ、図2に示すように各単
位絶縁基板21がスペーサ部材24を支点にして弾性変
形し、積層型静電アクチュエータ20全体が縮んだ状態
になる。この後、電源スイッチ27をオフすれば、静電
引力が消えて、図1に示すように、各単位絶縁基板21
が自身の弾性力で元の平面形状に戻り、積層型静電アク
チュエータ20全体が伸びた状態になる。
ごとに前後方向に反転しながら積層することで、奇数枚
目の単位絶縁基板21と偶数枚目の単位絶縁基板21と
がそれぞれ別々に導通され、それぞれ直流電源26の正
極と負極に電源スイッチ27を介して接続されている。
この電源スイッチ27をオンすると、奇数枚目の単位絶
縁基板21に例えば正の電圧が印加され、偶数枚目の単
位絶縁基板21に例えば負の電圧が印加されて、各単位
絶縁基板21に静電引力が生じ、図2に示すように各単
位絶縁基板21がスペーサ部材24を支点にして弾性変
形し、積層型静電アクチュエータ20全体が縮んだ状態
になる。この後、電源スイッチ27をオフすれば、静電
引力が消えて、図1に示すように、各単位絶縁基板21
が自身の弾性力で元の平面形状に戻り、積層型静電アク
チュエータ20全体が伸びた状態になる。
【0016】尚、積層型静電アクチュエータ20の最下
段には、支持ベース28が設けられ、この支持ベース2
8の上面にも電極29が形成されている。この支持ベー
ス28の上面には、直流電源26に接続するための端子
部30が形成されている。
段には、支持ベース28が設けられ、この支持ベース2
8の上面にも電極29が形成されている。この支持ベー
ス28の上面には、直流電源26に接続するための端子
部30が形成されている。
【0017】次に、上記構成の積層型静電アクチュエー
タ20の製造方法を説明する。まず、単位絶縁基板21
に電極22と配線部23a,23bを次のようにして形
成する。図4(a)に示すように、単位絶縁基板21の
上面に、ステンレス鋼,ガラス等で形成したマスク32
を被せて、真空蒸着槽(図示せず)内に収納し、マスク
32から露出する部分に導電性物質を均一に蒸着して電
極22と配線部23a,23bを形成する。この際、導
電性物質としては、Ni,Al,Cr等の金属、その他
の導電材料(例えば導電性ゴム)を用いれば良い。1回
の蒸着により、電極22全体が形成されるが、配線部2
3a,23bについては、蒸着方向の裏側が形成されな
いので、図4(b)に示すように、単位絶縁基板21を
裏返して2回目の蒸着を行い、配線部23a,23bの
残りの部分を形成する。
タ20の製造方法を説明する。まず、単位絶縁基板21
に電極22と配線部23a,23bを次のようにして形
成する。図4(a)に示すように、単位絶縁基板21の
上面に、ステンレス鋼,ガラス等で形成したマスク32
を被せて、真空蒸着槽(図示せず)内に収納し、マスク
32から露出する部分に導電性物質を均一に蒸着して電
極22と配線部23a,23bを形成する。この際、導
電性物質としては、Ni,Al,Cr等の金属、その他
の導電材料(例えば導電性ゴム)を用いれば良い。1回
の蒸着により、電極22全体が形成されるが、配線部2
3a,23bについては、蒸着方向の裏側が形成されな
いので、図4(b)に示すように、単位絶縁基板21を
裏返して2回目の蒸着を行い、配線部23a,23bの
残りの部分を形成する。
【0018】これと同様の方法で、スペーサ部材24に
ついても2回の蒸着を行い、スペーサ部材24の両端部
の全周に電気接続部25a,25bを形成する。
ついても2回の蒸着を行い、スペーサ部材24の両端部
の全周に電気接続部25a,25bを形成する。
【0019】次いで、図5に示すように、単位絶縁基板
21の片面に、ギャップ分の厚さ(例えば数μm〜数十
μm)の犠牲層33を形成する工程に移行する。この犠
牲層33の形成方法は、例えばZnO,SiO2,Al
等を蒸着したり、CVD等の成膜技術を用いれば良い。
但し、犠牲層33は最終的にエッチングにより取り除く
ため、電極22とは異なる材料で形成し、犠牲層33の
みを選択的にエッチングできるようにする必要がある。
各犠牲層33の厚み寸法は、電気接続部25a,25b
が形成されたスペーサ部材24の厚み寸法と同じに設定
する。
21の片面に、ギャップ分の厚さ(例えば数μm〜数十
μm)の犠牲層33を形成する工程に移行する。この犠
牲層33の形成方法は、例えばZnO,SiO2,Al
等を蒸着したり、CVD等の成膜技術を用いれば良い。
但し、犠牲層33は最終的にエッチングにより取り除く
ため、電極22とは異なる材料で形成し、犠牲層33の
みを選択的にエッチングできるようにする必要がある。
各犠牲層33の厚み寸法は、電気接続部25a,25b
が形成されたスペーサ部材24の厚み寸法と同じに設定
する。
【0020】また、犠牲層33を形成する位置は、スペ
ーサ部材24を接合する位置以外であれば、どこでも良
いが、後で行うエッチングのことを考えると、大きさは
小さい方がエッチング時間を短くできる。更に、図5に
示すように、単位絶縁基板21の外周縁部分のみに犠牲
層33を形成すれば、犠牲層33がエッチング液(エッ
チングガス)に接触し易くなり、エッチング時間を更に
短くできる。この観点から、本実施例では、単位絶縁基
板21の左右両端にスペーサ部材24を接合するものに
ついては、図5(a−1),(a−2)に示すように、
単位絶縁基板21の中央部の前後両縁部分にのみ犠牲層
33を形成し、単位絶縁基板21の中央にスペーサ部材
24を接合するものについては、図5(b−1),(b
−2)に示すように、単位絶縁基板21の左右両側の前
後両縁部分にのみ犠牲層33を形成する。
ーサ部材24を接合する位置以外であれば、どこでも良
いが、後で行うエッチングのことを考えると、大きさは
小さい方がエッチング時間を短くできる。更に、図5に
示すように、単位絶縁基板21の外周縁部分のみに犠牲
層33を形成すれば、犠牲層33がエッチング液(エッ
チングガス)に接触し易くなり、エッチング時間を更に
短くできる。この観点から、本実施例では、単位絶縁基
板21の左右両端にスペーサ部材24を接合するものに
ついては、図5(a−1),(a−2)に示すように、
単位絶縁基板21の中央部の前後両縁部分にのみ犠牲層
33を形成し、単位絶縁基板21の中央にスペーサ部材
24を接合するものについては、図5(b−1),(b
−2)に示すように、単位絶縁基板21の左右両側の前
後両縁部分にのみ犠牲層33を形成する。
【0021】この犠牲層33の形成後、積層工程に移行
する。この積層工程では、図5(a−1),(a−2)
の単位絶縁基板21と、図5(b−1),(b−2)の
単位絶縁基板21とを、スペーサ部材24を介して交互
に重ね合わせて、図6(a)に示すように積層する。こ
の際、図5(a−1),(a−2)の単位絶縁基板21
と、図5(b−1),(b−2)の単位絶縁基板21の
向きを、交互に前後方向に反転すると共に、各単位絶縁
基板21間に挟み込まれるスペーサ部材24の位置を、
単位絶縁基板21の両端と、単位絶縁基板21の中央と
に、1層ごとに交互に代えて積層する。この積層と同時
に、各単位絶縁基板21の配線部23a,23bが各ス
ペーサ部材24の電気接続部25a,25bと接触し
て、各電極22間が導通された状態となる。また、各単
位絶縁基板21間のギャップ寸法は、単位絶縁基板21
と犠牲層33とで一定に保たれる。尚、最下層には支持
ベース28を積層する。従って、予め、支持ベース28
の上面にも犠牲層33を形成しておく。
する。この積層工程では、図5(a−1),(a−2)
の単位絶縁基板21と、図5(b−1),(b−2)の
単位絶縁基板21とを、スペーサ部材24を介して交互
に重ね合わせて、図6(a)に示すように積層する。こ
の際、図5(a−1),(a−2)の単位絶縁基板21
と、図5(b−1),(b−2)の単位絶縁基板21の
向きを、交互に前後方向に反転すると共に、各単位絶縁
基板21間に挟み込まれるスペーサ部材24の位置を、
単位絶縁基板21の両端と、単位絶縁基板21の中央と
に、1層ごとに交互に代えて積層する。この積層と同時
に、各単位絶縁基板21の配線部23a,23bが各ス
ペーサ部材24の電気接続部25a,25bと接触し
て、各電極22間が導通された状態となる。また、各単
位絶縁基板21間のギャップ寸法は、単位絶縁基板21
と犠牲層33とで一定に保たれる。尚、最下層には支持
ベース28を積層する。従って、予め、支持ベース28
の上面にも犠牲層33を形成しておく。
【0022】積層後、配線部23a,23bと電気接続
部25a,25bとの接触部分を接合すれば、複数枚の
単位絶縁基板21がスペーサ部材24を介して一体化さ
れる。この接合方法としては、高温槽(図示せず)等で
加熱して融着したり、圧力を加えて圧着したり、導電性
接着剤を用いて接着したりすれば良い。
部25a,25bとの接触部分を接合すれば、複数枚の
単位絶縁基板21がスペーサ部材24を介して一体化さ
れる。この接合方法としては、高温槽(図示せず)等で
加熱して融着したり、圧力を加えて圧着したり、導電性
接着剤を用いて接着したりすれば良い。
【0023】接合後、犠牲層33を取り除くエッチング
工程に移行する。この犠牲層33は、スペーサ部材24
と共に、各単位絶縁基板21間のギャップ寸法を一定に
する役割を果たすものであるが、最終的には不要になる
ため、エッチングして取り除くものである。エッチング
方法は、単位絶縁基板21,スペーサ部材24及び電極
22等の非エッチング部分の材質と犠牲層33の材質と
を考慮して決める必要があるが、例えば絶縁部分(単位
絶縁基板21,スペーサ部材24)をガラスで形成し、
導電部分(電極22,配線部23a,23b,電気接続
部25a,25b)をAlで形成し、犠牲層33をZn
Oで形成した場合には、エッチング液を酢酸にしてエッ
チング処理すれば、犠牲層33のみが選択的に反応して
取り除かれる。この他、導電部分をCr、犠牲層33を
Alとする場合には、エッチング液としてりん酸等を用
いれば良い。このエッチングにより、図6(b)に示す
ように、犠牲層33を取り除けば、積層型静電アクチュ
エータ20の製造が完了する。
工程に移行する。この犠牲層33は、スペーサ部材24
と共に、各単位絶縁基板21間のギャップ寸法を一定に
する役割を果たすものであるが、最終的には不要になる
ため、エッチングして取り除くものである。エッチング
方法は、単位絶縁基板21,スペーサ部材24及び電極
22等の非エッチング部分の材質と犠牲層33の材質と
を考慮して決める必要があるが、例えば絶縁部分(単位
絶縁基板21,スペーサ部材24)をガラスで形成し、
導電部分(電極22,配線部23a,23b,電気接続
部25a,25b)をAlで形成し、犠牲層33をZn
Oで形成した場合には、エッチング液を酢酸にしてエッ
チング処理すれば、犠牲層33のみが選択的に反応して
取り除かれる。この他、導電部分をCr、犠牲層33を
Alとする場合には、エッチング液としてりん酸等を用
いれば良い。このエッチングにより、図6(b)に示す
ように、犠牲層33を取り除けば、積層型静電アクチュ
エータ20の製造が完了する。
【0024】以上説明した実施例によれば、電極22と
配線部23a,23bが形成された単位絶縁基板21
と、電気接続部25a,25bが形成されたスペーサ部
材24とを、交互に複数枚積み重ねるように積層するこ
とで、スペーサ部材24の電気接続部25a,25bの
両端部を各単位絶縁基板21の配線部23a,23bに
接触させて各単位絶縁基板21の電極22間を電気的に
導通させることができる。このため、積層という単純な
作業で、単位絶縁基板21の組立と同時に、配線も行う
ことができ、従来のような積層組立後の面倒な配線作業
が不要となる。
配線部23a,23bが形成された単位絶縁基板21
と、電気接続部25a,25bが形成されたスペーサ部
材24とを、交互に複数枚積み重ねるように積層するこ
とで、スペーサ部材24の電気接続部25a,25bの
両端部を各単位絶縁基板21の配線部23a,23bに
接触させて各単位絶縁基板21の電極22間を電気的に
導通させることができる。このため、積層という単純な
作業で、単位絶縁基板21の組立と同時に、配線も行う
ことができ、従来のような積層組立後の面倒な配線作業
が不要となる。
【0025】しかも、積層する際に、単位絶縁基板21
間のギャップ寸法に注意を払わなくても、単位絶縁基板
21間のギャップは、電気接続部25a,25bが形成
されたスペーサ部材24によって一定に保たれるため、
単位絶縁基板21間のギャップ管理が極めて容易であ
る。つまり、単位絶縁基板21間のギャップ管理は、ス
ペーサ部材24の厚みと電気接続部25a,25bの厚
みを管理するだけで良く、それらの厚み管理は、現在の
半導体製造技術レベルでも容易なことである。
間のギャップ寸法に注意を払わなくても、単位絶縁基板
21間のギャップは、電気接続部25a,25bが形成
されたスペーサ部材24によって一定に保たれるため、
単位絶縁基板21間のギャップ管理が極めて容易であ
る。つまり、単位絶縁基板21間のギャップ管理は、ス
ペーサ部材24の厚みと電気接続部25a,25bの厚
みを管理するだけで良く、それらの厚み管理は、現在の
半導体製造技術レベルでも容易なことである。
【0026】更に、本実施例によれば、各単位絶縁基板
21にギャップ分の厚さの犠牲層33を形成したので、
この犠牲層33によってもスペーサ部材24と同じく、
積層という単純な作業で、単位絶縁基板21間のギャッ
プを管理することができる。しかも、この犠牲層33
は、積層後にエッチングにより取り除くものであるか
ら、単位絶縁基板21の任意の場所に形成することがで
きる。従って、例えば、積層中に撓み変形しやすい部分
に犠牲層33を形成すれば、単位絶縁基板21が変形さ
れたままの状態で積層されるのを防止することができ、
単位絶縁基板21間のギャップ管理の精度を更に向上で
きる。
21にギャップ分の厚さの犠牲層33を形成したので、
この犠牲層33によってもスペーサ部材24と同じく、
積層という単純な作業で、単位絶縁基板21間のギャッ
プを管理することができる。しかも、この犠牲層33
は、積層後にエッチングにより取り除くものであるか
ら、単位絶縁基板21の任意の場所に形成することがで
きる。従って、例えば、積層中に撓み変形しやすい部分
に犠牲層33を形成すれば、単位絶縁基板21が変形さ
れたままの状態で積層されるのを防止することができ、
単位絶縁基板21間のギャップ管理の精度を更に向上で
きる。
【0027】しかしながら、本発明は、犠牲層33を形
成するものに限定されず、前述した実施例の製造方法か
ら、犠牲層33の形成工程とエッチング工程とを省いて
も良い。この場合でも、電極22と配線部23a,23
bが形成された単位絶縁基板21と、電気接続部25
a,25bが形成されたスペーサ部材24とを、交互に
複数枚積み重ねるように積層することで、単位絶縁基板
21の積層と同時に、配線も行うことができると共に、
単位絶縁基板21間のギャップをスペーサ部材24によ
って一定に保つことができて、単位絶縁基板21間のギ
ャップ管理も極めて容易である。
成するものに限定されず、前述した実施例の製造方法か
ら、犠牲層33の形成工程とエッチング工程とを省いて
も良い。この場合でも、電極22と配線部23a,23
bが形成された単位絶縁基板21と、電気接続部25
a,25bが形成されたスペーサ部材24とを、交互に
複数枚積み重ねるように積層することで、単位絶縁基板
21の積層と同時に、配線も行うことができると共に、
単位絶縁基板21間のギャップをスペーサ部材24によ
って一定に保つことができて、単位絶縁基板21間のギ
ャップ管理も極めて容易である。
【0028】また、単位絶縁基板21の電極22への配
線を、スペーサ部材24を用いずに他の方法で行うよう
にしても良い。この場合でも、各単位絶縁基板21にギ
ャップ分の厚さの犠牲層33を形成すれば、積層という
単純な作業で、単位絶縁基板21間のギャップを犠牲層
33により管理することができる。しかも、積層中に撓
み変形しやすい部分に犠牲層33を形成すれば、単位絶
縁基板21が変形されたままの状態で積層されるのを未
然に防止できる。この場合、各単位絶縁基板21間に電
気接続部25a,25bの形成されていない絶縁性のス
ペーサ部材を挟み込んで、これらを接着等により一体化
したり、或は、スペーサ部材以外の他の連結部材により
複数枚の単位絶縁基板21を一体化するようにしても良
い。
線を、スペーサ部材24を用いずに他の方法で行うよう
にしても良い。この場合でも、各単位絶縁基板21にギ
ャップ分の厚さの犠牲層33を形成すれば、積層という
単純な作業で、単位絶縁基板21間のギャップを犠牲層
33により管理することができる。しかも、積層中に撓
み変形しやすい部分に犠牲層33を形成すれば、単位絶
縁基板21が変形されたままの状態で積層されるのを未
然に防止できる。この場合、各単位絶縁基板21間に電
気接続部25a,25bの形成されていない絶縁性のス
ペーサ部材を挟み込んで、これらを接着等により一体化
したり、或は、スペーサ部材以外の他の連結部材により
複数枚の単位絶縁基板21を一体化するようにしても良
い。
【0029】また、前述した実施例は、本発明を積層型
静電アクチュエータに適用したものであるが、図7に示
すように、本発明は積層型電磁アクチュエータにも適用
可能である。図7の実施例では、単位絶縁基板21の片
面に、電極に代えてコイル35(導体部)を形成し、こ
のコイル35の両端を配線部23a,23bにつないで
いる。これ以外の構成及び製造方法は、前述した実施例
と同じで良い。
静電アクチュエータに適用したものであるが、図7に示
すように、本発明は積層型電磁アクチュエータにも適用
可能である。図7の実施例では、単位絶縁基板21の片
面に、電極に代えてコイル35(導体部)を形成し、こ
のコイル35の両端を配線部23a,23bにつないで
いる。これ以外の構成及び製造方法は、前述した実施例
と同じで良い。
【0030】この場合、各配線部23a,23bを通し
て全てのコイル35に電流を流すと、各コイル35から
生じる電磁力により各コイル35間に磁気吸引力又は反
発力が働き、各コイル35間の間隔が単位絶縁基板21
の弾性力と釣り合う位置まで伸縮し、その伸縮量の積算
値分だけ、積層型電磁アクチュエータ36全体が伸縮す
るように動作する。この後、電流をオフすれば、この積
層型電磁アクチュエータ36は単位絶縁基板21の弾性
により元の状態に戻る。
て全てのコイル35に電流を流すと、各コイル35から
生じる電磁力により各コイル35間に磁気吸引力又は反
発力が働き、各コイル35間の間隔が単位絶縁基板21
の弾性力と釣り合う位置まで伸縮し、その伸縮量の積算
値分だけ、積層型電磁アクチュエータ36全体が伸縮す
るように動作する。この後、電流をオフすれば、この積
層型電磁アクチュエータ36は単位絶縁基板21の弾性
により元の状態に戻る。
【0031】このように、本発明を積層型電磁アクチュ
エータに適用した場合でも、積層型静電アクチュエータ
に適用した場合と全く同じ効果が得られる。
エータに適用した場合でも、積層型静電アクチュエータ
に適用した場合と全く同じ効果が得られる。
【0032】尚、上記各実施例では、単位絶縁基板21
の上下両面に跨がって配線部23a,23bを蒸着によ
り形成するようにしたが、例えば、単位絶縁基板21に
スルーホールをエッチングやレーザ加工等により形成
し、このスルーホールを導電性物質で埋めることにより
上下両面の導通を取り、これを利用して上下両面に跨が
る配線部を形成するようにしても良い。
の上下両面に跨がって配線部23a,23bを蒸着によ
り形成するようにしたが、例えば、単位絶縁基板21に
スルーホールをエッチングやレーザ加工等により形成
し、このスルーホールを導電性物質で埋めることにより
上下両面の導通を取り、これを利用して上下両面に跨が
る配線部を形成するようにしても良い。
【0033】その他、本発明は、これら各実施例に限定
されるものではなく、アクチュエータの用途に応じて、
単位絶縁基板21の形状(電極22やコイル35の形
状)を長方形,三角形,円形等の他の形状に変更した
り、単位絶縁基板21の積層枚数を変更したり、或は、
各単位絶縁基板21間に挟み込むスペーサ部材24の位
置や形状を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内
で、種々変更して実施できることは言うまでもない。
されるものではなく、アクチュエータの用途に応じて、
単位絶縁基板21の形状(電極22やコイル35の形
状)を長方形,三角形,円形等の他の形状に変更した
り、単位絶縁基板21の積層枚数を変更したり、或は、
各単位絶縁基板21間に挟み込むスペーサ部材24の位
置や形状を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内
で、種々変更して実施できることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電極用又はコイル用の導体部と配線部が形成
された単位絶縁基板と、電気接続部が形成されたスペー
サ部材とを、交互に複数枚積み重ねるように積層するこ
とで、単位絶縁基板21の組立と同時に、配線も行うこ
とができ、従来のような積層組立後の面倒な配線作業が
不要となる。
によれば、電極用又はコイル用の導体部と配線部が形成
された単位絶縁基板と、電気接続部が形成されたスペー
サ部材とを、交互に複数枚積み重ねるように積層するこ
とで、単位絶縁基板21の組立と同時に、配線も行うこ
とができ、従来のような積層組立後の面倒な配線作業が
不要となる。
【0035】しかも、積層する際に、単位絶縁基板間の
ギャップ寸法に注意を払わなくても、単位絶縁基板間の
ギャップがスペーサ部材によって一定に保たれるため、
単位絶縁基板間のギャップ管理が極めて容易である。
ギャップ寸法に注意を払わなくても、単位絶縁基板間の
ギャップがスペーサ部材によって一定に保たれるため、
単位絶縁基板間のギャップ管理が極めて容易である。
【0036】また、各単位絶縁基板にギャップ分の厚さ
の犠牲層を形成すれば、この犠牲層によってもスペーサ
部材と同じく、積層という単純な作業で、単位絶縁基板
間のギャップを管理することができる。しかも、この犠
牲層は、積層後にエッチングにより取り除くものである
から、単位絶縁基板の任意の場所に形成することがで
き、例えば、積層中に撓み変形しやすい部分に犠牲層を
形成すれば、単位絶縁基板が変形されたままの状態で積
層されるのを未然に防止することができる。
の犠牲層を形成すれば、この犠牲層によってもスペーサ
部材と同じく、積層という単純な作業で、単位絶縁基板
間のギャップを管理することができる。しかも、この犠
牲層は、積層後にエッチングにより取り除くものである
から、単位絶縁基板の任意の場所に形成することがで
き、例えば、積層中に撓み変形しやすい部分に犠牲層を
形成すれば、単位絶縁基板が変形されたままの状態で積
層されるのを未然に防止することができる。
【図1】本発明を積層型静電アクチュエータに適用した
実施例を示すアクチュエータ全体の斜視図
実施例を示すアクチュエータ全体の斜視図
【図2】積層型静電アクチュエータが縮んだときの状態
を示す斜視図
を示す斜視図
【図3】(a)は単位絶縁基板の上面図、(b)は単位
絶縁基板の下面図、(c)はスペーサ部材の上面図、
(d)はスペーサ部材の下面図
絶縁基板の下面図、(c)はスペーサ部材の上面図、
(d)はスペーサ部材の下面図
【図4】(a)は単位絶縁基板の上面側を蒸着するとき
の様子を示す正面図、(b)は単位絶縁基板を裏返して
蒸着する様子を示す正面図
の様子を示す正面図、(b)は単位絶縁基板を裏返して
蒸着する様子を示す正面図
【図5】(a−1)と(a−2)は単位絶縁基板の中央
部分に犠牲層を形成したときの正面図と上面図、(b−
1)と(b−2)は単位絶縁基板の両側部分に犠牲層を
形成したときの正面図と平面図
部分に犠牲層を形成したときの正面図と上面図、(b−
1)と(b−2)は単位絶縁基板の両側部分に犠牲層を
形成したときの正面図と平面図
【図6】(a)は積層工程を説明する正面図、(b)は
エッチングにより犠牲層を取り除いた状態を示す正面図
エッチングにより犠牲層を取り除いた状態を示す正面図
【図7】本発明を積層型電磁アクチュエータに適用した
実施例を示すアクチュエータ全体の斜視図
実施例を示すアクチュエータ全体の斜視図
20…積層型静電アクチュエータ、21…単位絶縁基
板、22…電極(導体部)、23a,23b…配線部、
24…スペーサ部材、25a,25b…電気接続部、2
8…支持ベース、33…犠牲層、35…コイル(導体
部)。
板、22…電極(導体部)、23a,23b…配線部、
24…スペーサ部材、25a,25b…電気接続部、2
8…支持ベース、33…犠牲層、35…コイル(導体
部)。
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
Claims (3)
- 【請求項1】 片面に電極用又はコイル用の導体部が形
成された複数枚の単位絶縁基板をスペーサ部材を介して
積層したものであって、 前記各単位絶縁基板に、前記導体部に配線するための配
線部を当該単位絶縁基板の両面に跨がるように形成し、 前記スペーサ部材に、その厚み方向両面に跨がる電気接
続部を形成し、この電気接続部の両端部を前記各単位絶
縁基板の配線部に接触させることで、前記各単位絶縁基
板の導体部間を電気的に導通させるように構成したこと
を特徴とする積層型伸縮アクチュエータ。 - 【請求項2】 単位絶縁基板の片面に電極用又はコイル
用の導体部を形成し、この単位絶縁基板に、前記導体部
に配線するための配線部を当該単位絶縁基板の両面に跨
がるように形成する工程と、 スペーサ部材に、その厚み方向両面に跨がるように電気
接続部を形成する工程と、 前記単位絶縁基板と前記スペーサ部材とを交互に複数枚
積み重ねるように積層することで、前記スペーサ部材の
電気接続部の両端部を前記各単位絶縁基板の配線部に接
触させて前記各単位絶縁基板の導体部間を電気的に導通
させる工程と、 を実行する積層型伸縮アクチュエータの製造方法。 - 【請求項3】 単位絶縁基板の片面に電極用又はコイル
用の導体部を形成する工程と、 前記単位絶縁基板の片面に、ギャップ分の厚さの犠牲層
を形成する工程と、 前記単位絶縁基板を前記犠牲層を挟んでスペーサ部材と
交互に複数枚積み重ねるように積層する工程と、 前記犠牲層をエッチングして取り除く工程と、 を実行する積層型伸縮アクチュエータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31618393A JPH07170762A (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 積層型伸縮アクチュエータとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31618393A JPH07170762A (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 積層型伸縮アクチュエータとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07170762A true JPH07170762A (ja) | 1995-07-04 |
Family
ID=18074225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31618393A Pending JPH07170762A (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 積層型伸縮アクチュエータとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07170762A (ja) |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP31618393A patent/JPH07170762A/ja active Pending
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