JPH07169604A - チップ型ptcサーミスタおよびその製造方法 - Google Patents

チップ型ptcサーミスタおよびその製造方法

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JPH07169604A
JPH07169604A JP5312279A JP31227993A JPH07169604A JP H07169604 A JPH07169604 A JP H07169604A JP 5312279 A JP5312279 A JP 5312279A JP 31227993 A JP31227993 A JP 31227993A JP H07169604 A JPH07169604 A JP H07169604A
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Japan
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recess
ptc thermistor
ptc
electrode
thermistor
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JP5312279A
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English (en)
Inventor
Masanaga Kikuzawa
将長 菊沢
Tetsuya Nishi
哲也 西
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電気絶縁性を有する合成樹脂からなる素子収
納体3を、PTC素子2を没入して保持するための凹部
7を有するように設け、上記凹部7に収納されたPTC
素子2の各電極2aに通電するための導電性膜4が素子
収納体3の外表面から凹部7の内壁にわたってそれぞれ
形成したチップ型PTCサーミスタおよびその製法。 【効果】 導電性膜4が素子収納体3から突出すること
が回避できるため、軽量化、小型化でき、また、素子収
納体3を複数有する合成樹脂成形体を作製でき、その合
成樹脂成形体の各素子収納体3に導電性膜4を一度に形
成できるので、一度に多くのチップ型PTCサーミスタ
を少ない工程にて容易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板等の電気
回路基板上に実装できる温度制御用素子、電流制限用素
子等として用いられるチップ型PTCサーミスタおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開昭56−150802号公報に開
示されているように、プリント基板等の電気回路基板上
に直接実装できるように小型化されたチップ型PTCサ
ーミスタが知られている。上記のPTCサーミスタと
は、正の温度特性を有する半導体素子であって、例えば
チタン酸バリウム系半導体磁器が知られている。
【0003】このようなチップ型PTCサーミスタは、
電気回路基板への実装を容易化するために、例えば図5
に示すように、両端部に電極が形成され、成形樹脂等か
らなる封止樹脂体20にモールドされて保持されてい
る。一方、上記封止樹脂体20には、金属製のリードフ
レーム21がそれぞれ外部に突出するように形成されて
いる。
【0004】このような上記チップ型PTCサーミスタ
22は、その各電極22a・22aが上記各リードフレ
ーム21・21に対し、銅線等のワイヤー23をそれぞ
れ用いるワイヤーボンディング法によって電気的にそれ
ぞれ接続されている。また、電極22aとワイヤー23
との間、リードフレーム21とワイヤー23との間は、
ハンダ24にて電気的にそれぞれ接続されている。
【0005】このようなモールドされたチップ型PTC
サーミスタの製造方法としては、例えば図6に示すよう
に、プレスの打ち抜き加工によって複数のリードフレー
ム21…が形成された金属型枠25を成形した後、各リ
ードフレーム21間にチップ型PTCサーミスタ22を
それぞれワイヤーボンディング法によるハンダ付けにて
電気的に接続した後、図5に示す封止樹脂体20にてモ
ールドして各リードフレーム21…毎に切断する方法が
考えられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法では、チップ型PTCサーミスタ22と各リードフ
レーム21・21とは、精密ロボットによってチップ型
PTCサーミスタ22にそれぞれ各ワイヤー23をハン
ダ付けしていく、いわゆるワイヤーボンディング法によ
って接続するため、非常に生産効率が悪いとともに、設
備費がかかるという問題を生じている。
【0007】また、上記従来の構成では、リードフレー
ム21が封止樹脂体20から突出した部位においてリー
ドフレーム21と封止樹脂体20間に生じ易い隙間から
湿気が侵入して上記チップ型PTCサーミスタ22が湿
気によって劣化し易いという問題を生じている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のチップ型PTCサーミスタは、以上の課題を解決する
ために、電気絶縁性を有する合成樹脂からなる収納体
が、正の温度特性を有するPTCサーミスタを没入して
保持するための凹部を有するように設けられ、上記PT
Cサーミスタの各電極に通電するための導電性膜が上記
収納体における凹部の内壁から外表面にわたってそれぞ
れ形成され、上記PTCサーミスタを凹部内に封止する
封止部材が設けられていることを特徴としている。
【0009】本発明の請求項2記載のチップ型PTCサ
ーミスタの製造方法は、正の温度特性を有し、両端部に
電極がそれぞれ形成されたPTCサーミスタを没入して
保持し、かつ、各電極と近接して対面する凹部を有する
収納体を、複数、連続して形成するためのキャビティを
有する多数個取り金型に電気絶縁性を有する合成樹脂を
充填して、上記各収納体を有する樹脂ブロックが成形さ
れる成形工程と、上記PTCサーミスタの各電極にそれ
ぞれ通電するための各導電性膜を上記各収納体の外表面
から凹部の内壁面にかけてそれぞれ形成する形成工程
と、上記PTCサーミスタを、その電極と導電性膜とを
それぞれ対面するように上記各凹部に収納する収納工程
と、上記各導電性膜と、それと対面する前記電極とをハ
ンダによってそれぞれ電気的に接続する接続工程とを備
えることを特徴としている。
【0010】
【作用】上記の請求項1記載の構成によれば、導電性膜
を介して通電されたPTCサーミスタは、例えば、PT
Cサーミスタに流れる電流値が増大すると温度が上昇
し、その正の温度特性によって抵抗値が増加する。これ
により、上記電流値の上昇を抑制することができる。
【0011】また、上記導電性膜は、収納体の外表面か
ら凹部の内壁にわたってそれぞれ形成されているので、
従来におけるリードフレームのように上記収納体から突
出することが回避され、その上、収納体の外表面にそっ
て保持されているため、従来より薄くできる。
【0012】これにより、PTCサーミスタおよび導電
性膜を覆う封止部材は、収納体や導電性膜と密着し易
く、封止部材と収納体や導電性膜との間における隙間の
形成を軽減できる。
【0013】上記の請求項2記載の方法によれば、成形
工程によって、収納体を複数同時に成形できるため、上
記収納体の製造を効率よく行うことができ、また、形成
工程と収納工程によって、各収納体における各導電性膜
と各電極とをそれぞれ近接して対面させることができる
ので、上記各収納体における両者をハンダにより電気的
に同時に接続することが容易に可能となる。
【0014】これにより、上記方法では、導電性膜と電
極とを一度に電気的に接続できるから、従来のように個
々のPTC素子をそれぞれワイヤーボンディング法によ
ってリードフレームと接続することと比べて、接続を迅
速化、簡素化でき、また、従来のようなボンディング位
置の正確な設定の必要であったワイヤーを省いても、導
電性膜と電極との接続を確実化できる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図4に
基づいて説明すれば、以下の通りである。図1に示すよ
うに、チップ型PTCサーミスタ1では、略直方体形状
のPTC素子(PTCサーミスタ)2を保持するための
略直方体形状の素子収納体3が設けられ、上記PTC素
子2の両端面に、銀ペースト等の焼付けによる電極2a
がそれぞれ形成されている。
【0016】上記PTC素子2は、正の温度特性(Posi
tive Temperature Coefficient)を有する正特性サーミ
スタとしてのチタン酸バリウム系の半導体磁器からな
り、板状に焼成された半導体磁器をダイヤモンドブレー
ド、超音波加工等により格子状に切削加工されて、直方
体形状に切り出されたものである。
【0017】また、上記素子収納体3は、弾性および電
気絶縁性を有する合成樹脂からなっており、上記PTC
素子2を没入して保持できる凹部7を有している。上記
凹部7は、図2(a)および図2(b)にも示すよう
に、上記PTC素子2の各電極2a・2aにおける下半
部と近接してそれぞれ対面し、相互に平行となる壁面が
形成された対面凹部7aと、その対面凹部7aから上方
に延び、かつ、上方に向かって順次広がるテーパー凹部
7bとを有している。
【0018】また、上記素子収納体3には、前記各電極
2a…に通電するための膜状の導電性パターン(導電性
膜)4がそれぞれ上記素子収納体3の外表面から上記テ
ーパー凹部7bにわたって形成されている。
【0019】上記PTC素子2は、その電極2a…を上
記対面凹部7aおよびテーパー凹部7bと対面するよう
に上記凹部7内に収納され、各電極2a・2aとそれと
対面するテーパー凹部7bにおける各導電性パターン4
・4とがハンダ5により電気的にそれぞれ接続されて、
外部と通電できるようになっている。また、上記PTC
素子2は、ハンダ5によって、弾性体である素子収納体
3に対して機械的に連結されることになる。
【0020】さらに、上記素子収納体3にそれぞれ形成
された各導電性パターン4・4は、図2(b)および図
2(c)に示すように、素子収納体3の底面側にそれぞ
れ延びて外部との接続用の端子部8・8を有している。
また、上記凹部7に収納され導電性パターン4と電気的
に接続されたPTC素子2および各テーパー凹部7b・
7bの上には、エポキシ樹脂等の封止樹脂(封止部材)
6がモールドされ、上記PTC素子2を凹部7の内部に
封止するようになっている。
【0021】このように、上記実施例の構成では、PT
C素子2と外部との電気的な接続が、素子収納体3の外
表面に形成された膜状の導電性パターン4を介して行わ
れるため、従来のように金属製のリードフレームを接続
用として用いる場合と比べて、上記導電性パターン4を
薄型化できて軽量化を図ることが可能となる。
【0022】しかも、上記構成では、外部との電気的な
接続に用いられる端子部8・8を素子収納体3の外表面
に沿って設けたことから、従来のようにリードフレーム
を外方に突出させる必要がなく、小型化を図ることもで
きる。
【0023】その上、上記構成では、膜状の導電性パタ
ーン4と素子収納体3との密着性が高く、かつ、厚みが
薄いため、従来のようにリードフレームと成形樹脂や封
止樹脂との境界に生じる隙間から湿気が侵入することも
なく、PTC素子2の湿気による劣化や、電極2aに用
いた銀へのマイグレーションによる上記電極2aの抵抗
値の上昇を回避することが可能となる。
【0024】さらに、上記構成は、端子部8・8を平面
状に形成したから、表面実装技術(SMT)を適用し
て、プリント基板等の電気回路基板に直に装着すること
ができ、PTC素子2の実装効率を改善できる。
【0025】また、上記PTC素子2は、ハンダ5によ
って、弾性体である素子収納体3に対して機械的に連結
されているので、例えば、PTC素子2に対して直流を
印加した際における上記PTC素子2の膨張や収縮、あ
るいはPTC素子2に対して交流を印加した際における
PTC素子2の振動を、上記素子収納体3により吸収で
きる。
【0026】これにより、上記PTC素子2を、例えば
プリント基板等の電気回路基板に直にハンダ等により実
装した場合、上記のような膨張等により電気的な接続不
良を生じることがあるが、上記構成では、素子収納体3
を用いたため伸縮を吸収できて上記のような接続不良を
防止できる。
【0027】次に、上記チップ型PTCサーミスタの製
造方法について、図3および図4のフローチャートに基
づいて説明する。まず、前記素子収納体3を射出成形に
よって、複数、連続的に並設して成形できるようにキャ
ビティがランナ間にそれぞれ配した多数個取り金型を作
製した。
【0028】続いて、所定の成形機に取り付けられた上
記の多数個取り金型に対し、電気絶縁性の高い合成樹脂
を射出により充填して、図3(a)に示すように、複数
の素子収納体3…をランナ部9間に同時に連続的に並設
して成形した樹脂ブロック10を得た(ステップ1、以
下、ステップをSと略す)。
【0029】その後、上記樹脂ブロック10における各
素子収納体3…の所望表面を金属メッキして、図1ない
し図3に示す導電性パターン4をそれぞれ形成し(S
2)、続いて、上記各素子収納体3…の凹部7にPTC
素子2を、その各電極2aを凹部7の各内壁とそれぞれ
対面するように収納した(S3)。
【0030】このとき、PTC素子2の各電極2aを、
上記PTC素子2の最も寸法の小さい両端面、つまり最
も薄い両端面に形成し、かつ、PTC素子2を収納する
対面凹部7aの各内壁の間隔を、上記電極2a間の距離
より若干大きく形成し、上記電極2aの形成されるPT
C素子2の面を正方形に成形する。もしくは、上記の面
を長方形に形成した場合は、上記面の短手方向長さを上
記凹部7の幅より若干短くなるように設定する。
【0031】このことにより、ランナ部9により連結さ
れた各素子収納体3…上に各PTC素子2…を載せ、上
記各素子収納体3…を振動させることによって、凹部7
のテーパー凹部7bを介して各PTC素子2の各電極2
aが対面凹部7aの各内壁とそれぞれ確実に対面するよ
うに上記各PTC素子2…を1個づつ各素子収納体3…
に収納することが可能となる。これによって、上記各素
子収納体3…に対するPTC素子2の収納を容易化、迅
速化できる。
【0032】次に、上記電極2aと対面凹部7aとの最
大距離より大径な粒状ハンダを用意し、上記各素子収納
体3…における各電極2aとそれと対面するテーパー凹
部7bにおける導電性パターン4との間に介在するよう
に上記粒状ハンダを所定量それぞれ投入する(S4)。
このような粒状ハンダの所定量の各投入は、各素子収納
体3…の各位置がランナ部9によって予め設定され、か
つ、テーパー凹部7bがそれぞれ形成されているため、
粒状ハンダの投入機を容易に設定できる。
【0033】その後、上記ランナ部9によって連結され
た各素子収納体3…を加熱器の中を通して上記各粒状ハ
ンダを溶融させて、各電極2a…とそれと対面する各導
電性パターン4…とをハンダ5を介して電気的にそれぞ
れ接続する(S5)。
【0034】このとき、溶融したハンダは、大きな親和
性を有する電極2aと導電性パターン4上に広がり、小
さな親和性しか示さない対面凹部7aの表面である内壁
面には広がらない。これにより、PTC素子2の各電極
2a・2aに面してそれぞれ溶融したハンダの各表面張
力によって、上記PTC素子2は対面凹部7aのほぼ中
央部に位置することになる。
【0035】その次に、各PTC素子2…および各テー
パー凹部7b…上に封止樹脂6をそれぞれモールドし
て、上記各PTC素子2…を素子収納体3内にそれぞれ
封入する。その後、上記樹脂ブロック10をレーザー切
断によってランナ部9から各素子収納体3…にそれぞれ
切り離す(S6)。
【0036】このように上記方法では、粒状ハンダによ
って一度に各PTC素子2…を電気的に接続できるた
め、従来のように個々のPTC素子をワイヤーにてそれ
ぞれ接続するワイヤーボンディングのような時間のかか
る工程が不要となり、少ない工程で一度に多くのチップ
型PTCサーミスタを製造できるものである。
【0037】また、上記方法では、熱可塑性樹脂からな
る樹脂ブロック10を切断すればよいため、従来のよう
に金属のリードフレームを切断する場合と比べて、各素
子収納体3…への切り離しを迅速化、容易化できる。よ
って、上記方法は、接続や切断を迅速化、簡素化でき、
高価な設備も省くことができて製造コストを低減でき
る。
【0038】さらに、従来のワイヤーのような切れやす
いものに代えて、導電性パターン4を用いたから、従
来、生じ易かったワイヤーの切断による導電不良が防止
され、歩留りが向上する。
【0039】また、従来では、リードフレームの打ち抜
きおよび切断による金属廃棄物が生じ、上記金属廃棄物
処理に手間取っていたが、上記実施例の方法では、従来
必要であった廃棄物処理を省けて、製造コストを抑制で
きる。さらに、従来では、ワイヤーのボンディング位置
やリードフレーム形成位置のズレによって、PTC素子
の電極間の浮遊容量の変化やバラツキ、ワイヤのねじれ
によるインダクタンスの発生などの問題を生じていた
が、上記実施例の方法ではそのような問題も回避でき
る。
【0040】なお、上記実施例では、外部との接続用の
端子部8・8を、素子収納体3の底面側に設けた例を挙
げたが、チップ型PTCサーミスタの実装条件に応じ
て、素子収納体3の他の面、例えば側面に形成すること
も可能である。
【0041】上記導電性パターン4の形成には、次の方
法が好適に用いられる。まず、素子収納体3における導
電性パターン4を形成する面を含む部位を1次側成形部
とし、その1次側成形部をメッキ密着性の良好な熱可塑
性樹脂で射出成形する。続いて、素子収納体3における
導電性パターン4を形成しない面を含む部位を2次側成
形部とし、その2次側成形部を、上記1次側成形部の上
に、メッキ密着性の良好でない熱可塑性樹脂で成形して
一体化した素子収納体3を作製する。
【0042】その後、上記素子収納体3に対して金属メ
ッキを施すと、上記の1次側成形部上の表面上にのみ、
つまり所望する位置のみに上記導電性パターン4が形成
される。
【0043】また、次の方法も用いることができる。ま
ず、素子収納体3をメッキ密着性の良好な熱可塑性樹脂
で射出成形し、その全面にエッチング処理、触媒処理お
よび無電解銅メッキを施す。その後、全面にエッチング
レジストをマスキングし、導電性パターン4を形成する
部分をイメージングする。次に金属メッキを施すと共
に、マスキングしたレジストを剥離し、銅エッチングを
行うとイメージングした部分に導電性パターン4が形成
される。
【0044】また、上記の素子収納体3に用いられる熱
可塑性樹脂としては、液晶ポリマー(LCP)が好適で
ある。液晶ポリマーを素子収納体3に用いると、射出成
形によって、配向性を有し、分子が剛直性であるという
性質を得ることができるため、高強度、高弾性率、寸法
安定性を有し、耐熱性、耐薬品性に優れた素子収納体3
を得ることができる。
【0045】このような特質を有する液晶ポリマーの中
でも、例えば成形温度( 180〜240℃)のコポリエステ
ルタイプが最も好適に用いられる。上記コポリエステル
タイプは、PHB(ポリ−p−ヒドロキシベンゾエー
ト)と、6-オキシ−2-ナフトエ酸との共重合体である。
上記PHBは、柱状晶であり、融点:216.3 ℃、防菌性
・殺菌性を有する。
【0046】上記コポリエステルタイプは、融点が比較
的低く( 280〜310 ℃)、射出成形が容易であること、
かつ、高流動性を有していて、微少な凹凸や間隔の狭い
導電性パターン4の形成に好適である。その上、上記コ
ポリエステルタイプは、融点が低い反面、ハンダ耐熱性
に優れている(260 ℃で30秒間、280 ℃で10秒間変形し
ない)という特質を有しているため、PTC素子2を素
子収納体3内に実装するのに好適である。
【0047】さらに、上記コポリエステルタイプは、1
10Hzの高周波数域における誘電正接が非常に低く、
すなわち誘電損率が小さく、外来ノイズの影響を受け難
いという特質も有するため、素子収納体3の素材として
好適である。
【0048】上記コポリエステルタイプは、PHBと、
6-オキシ−2-ナフトエ酸との混合比を変えることによ
り、メッキ密着性の良好なものと、メッキ密着性の良好
でないものとをそれぞれ調製できる。つまり、上記コポ
リエステルタイプは、そのコポリエステルタイプにおけ
るPHBの配合比を大きくすると、その極性が高くなっ
てメッキ密着性の良好なものとなり、そのコポリエステ
ルタイプにおけるPHBの配合比を小さくすると、その
極性が低くなってメッキ密着性の良好でないものとな
る。
【0049】このようにメッキ密着性を任意に変更でき
るコポリエステルタイプを、前述した導電性パターン4
の最初の製造方法に用いることにより、チップ型PTC
サーミスタを容易に作製することができる。
【0050】また、上記メッキ密着性の良好なものと、
メッキ密着性の良好でないものとは、化学的に同質で、
界面親和性に富むため、上記1次側成形部に対して2次
側成形部を形成しても、上記両者の密着性を高めること
ができて、上記両者を容易に一体化できる。
【0051】なお、上記実施例では、PTC素子2の各
電極2aと導電性パターン4との接続にハンダ5を用い
た例を挙げたが、上記両者を電気的に、かつ機械的に接
続できれば特に限定されることはなく、例えば導電性接
着剤を用いることも可能である。
【0052】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のチップ型PTC
サーミスタは、以上のように、電気絶縁性を有する合成
樹脂からなる収納体が、正の温度特性を有するPTCサ
ーミスタを没入して保持するための凹部を有するように
設けられ、上記PTCサーミスタの各電極に通電するた
めの導電性膜が上記収納体における凹部の内壁から外表
面にわたってそれぞれ形成され、上記PTCサーミスタ
を凹部内に封止する封止部材が設けられている構成であ
る。
【0053】それゆえ、上記構成は、上記導電性膜が収
納体の外表面から凹部の内壁にわたってそれぞれ形成さ
れているので、従来におけるリードフレームのように上
記収納体から突出することが回避されて小型化でき、そ
の上、上記導電性膜が収納体の表面にそって保持されて
いるため、従来より薄くできるため、軽量化できる。
【0054】さらに、上記構成では、PTCサーミスタ
および導電性膜を覆う封止部材は、収納体や導電性膜と
密着し易く、封止部材と収納体や導電性膜との間におけ
る隙間の形成を軽減できるから、従来のようにリードフ
レームと成形樹脂や封止樹脂との境界に生じる隙間から
湿気が侵入することも抑制できて、PTCサーミスタの
湿気による劣化を回避することが可能となるという効果
を奏する。
【0055】本発明の請求項2記載のチップ型PTCサ
ーミスタの製造方法は、以上のように、PTCサーミス
タを没入して保持し、かつ、各電極と近接して対面する
凹部を有する収納体を、複数、連続して形成するための
キャビティを有する多数個取り金型に電気絶縁性を有す
る合成樹脂を充填して、上記各収納体を有する樹脂ブロ
ックが成形される成形工程と、上記PTCサーミスタの
各電極にそれぞれ通電するための各導電性膜を上記各収
納体の外表面から凹部の内壁面にかけてそれぞれ形成す
る形成工程と、上記PTCサーミスタを、その電極と導
電性膜とをそれぞれ対面するように上記各凹部に収納す
る収納工程と、上記各導電性膜と、それと対面する前記
電極とをハンダによってそれぞれ電気的に接続する接続
工程とを備える方法である。
【0056】それゆえ、上記方法は、小型化および軽量
化が可能となると共に、各収納体における各導電性膜と
各電極とをハンダにより電気的に同時に接続することが
容易に可能となるので、従来のように個々のPTC素子
をそれぞれワイヤーボンディング法によってリードフレ
ームと接続することと比べて、上記両者の接続を迅速
化、簡素化できて、高価な設備も省くことができる。こ
れにより、上記方法は製造コストを軽減できるという効
果を奏する。
【0057】また、各電極と近接して対面する凹部を複
数有するように成形する成形工程によって、導電性膜と
電極との接続を確実化できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップ型PTCサーミスタの斜視図で
ある。
【図2】上記のチップ型PTCサーミスタの説明図であ
って、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は底面
図である。
【図3】上記チップ型PTCサーミスタを製造するため
に複数の素子収納体が形成されたランナ部の説明図であ
って、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は上記
(a)の拡大要部平面図である。
【図4】上記チップ型PTCサーミスタの製造のための
フローチャートである。
【図5】従来のチップ型PTCサーミスタの要部斜視図
である。
【図6】上記チップ型PTCサーミスタを製造するため
に複数の素子収納体が形成されたランナ部の説明図であ
る。
【符号の説明】
2 PTC素子(PTCサーミスタ) 2a 電極 3 素子収納体 4 導電性パターン(導電性膜) 7 凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性を有する合成樹脂からなる収納
    体が、正の温度特性を有するPTCサーミスタを没入し
    て保持するための凹部を有するように設けられ、上記P
    TCサーミスタの各電極に通電するための導電性膜が上
    記収納体における凹部の内壁から外表面にわたってそれ
    ぞれ形成され、上記PTCサーミスタを凹部内に封止す
    る封止部材が設けられていることを特徴とするチップ型
    PTCサーミスタ。
  2. 【請求項2】正の温度特性を有し、両端部に電極がそれ
    ぞれ形成されたPTCサーミスタを没入して保持し、か
    つ、各電極と近接して対面する凹部を有する収納体を、
    複数、連続して形成するためのキャビティを有する多数
    個取り金型に電気絶縁性を有する合成樹脂を充填して、
    上記各収納体を有する樹脂ブロックが成形される成形工
    程と、 上記PTCサーミスタの各電極にそれぞれ通電するため
    の各導電性膜を上記各収納体の外表面から凹部の内壁面
    にかけてそれぞれ形成する形成工程と、 上記PTCサーミスタを、その電極と導電性膜とをそれ
    ぞれ対面するように上記各凹部に収納する収納工程と、 上記各導電性膜と、それと対面する前記電極とをハンダ
    によってそれぞれ電気的に接続する接続工程とを備える
    ことを特徴とするチップ型PTCサーミスタの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20120053458A (ko) * 2010-11-12 2012-05-25 삼성에스디아이 주식회사 서미스터가 장착된 보호회로모듈 및 이를 구비한 이차전지 팩

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120053458A (ko) * 2010-11-12 2012-05-25 삼성에스디아이 주식회사 서미스터가 장착된 보호회로모듈 및 이를 구비한 이차전지 팩
JP2012104833A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Samsung Sdi Co Ltd サーミスタが装着された保護回路モジュールおよびこれを備えた二次電池パック

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