JPH0716835A - 繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シートの製造装置 - Google Patents

繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シートの製造装置

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JPH0716835A
JPH0716835A JP18344093A JP18344093A JPH0716835A JP H0716835 A JPH0716835 A JP H0716835A JP 18344093 A JP18344093 A JP 18344093A JP 18344093 A JP18344093 A JP 18344093A JP H0716835 A JPH0716835 A JP H0716835A
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JP
Japan
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rolls
sheet
roll
thermoplastic resin
pressure
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JP18344093A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kawaguchi
裕 川口
Tatsuo Kikumoto
龍生 菊本
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂と補強繊維からなる複合材料の
成形に必要な含浸シートを効率よく生産し、薄物含浸シ
ートの生産も可能な装置を比較的安価に得ることを目的
とする。 【構成】 基材シートの送り出し部と予熱部4を有し、
金属ロール5,8,9,12とゴムロール6,7,1
0,11からなる複数の圧熱ロールが並列され、並列さ
れた圧熱ロールの金属ロールとゴムロールの位置が交互
に配置され、上側のロール間と下側のロール間に夫々シ
ート状コンベア14,15,16が回設されていること
を基本構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維補強熱可塑性樹脂複
合材を用いて行う成形において、必要な補強材料と熱可
塑性樹脂をあらかじめ含浸シートにする装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂と補強繊維を用いた
複合材料の成形においては、熱板プレスやダブルスチー
ルベルト法による連続プレス方式により成形用の含浸シ
ートを得ていた。しかしながらこれらの装置を用いた方
法によれば、ダブルスチールベルト方式は、連続的に生
産が可能なため生産性は良いが装置が非常に高額なとな
り、また、熱板プレスの場合は、プレスされる含浸シー
トの大きさに制限があり、生産性も効率的でないという
問題があった。また、近年、これら熱可塑性樹脂と複合
材料の組み合わせは、その特性上、薄物シートとして電
子材料などにも用いられるようになってきた。しかしな
がら、熱板プレスによる方法では、プレス板の面精度の
問題から薄物含浸シートの製造には不適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性樹
脂と補強繊維からなる複合材料の成形に必要な含浸シー
トを、効率よく生産し、薄物含浸シートの生産も可能な
装置を比較的安価に得ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記課題
を解決するために、基材シートの送出し部とそれに続く
予熱部を有し、該予熱部に続き少なくとも2対以上の圧
熱ロールが並列して配置され、各対をなす圧熱ロールの
片方が金属ロールで他の一方がゴムロールであり、か
つ、並列する圧熱ロールの金属ロールとゴムロールの位
置が交互に入れ替わっており、更に、並列する圧熱ロー
ルの同じ側のロール間にシート状コンベアが回設され、
反対側のロール間にもシート状コンベアが回設されてい
る繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シートの製造装置が有効
であることを見出だした。本願でいう繊維補強熱可塑性
樹脂用含浸シートには、各種のものがあげられるが、補
強繊維の連続繊維が少なくとも1種類用いられる。例え
ば、ガラス繊維や炭素繊維のような補強繊維織物、ま
た、補強繊維と熱可塑性樹脂繊維からなる混織織物や一
方向性織物、さらには補強繊維を一方向に引き揃えたも
のなどがあげられる。これらのものが原則的には、本願
でいう基材シートとして用いられる。この基材シートが
補強繊維と熱可塑性樹脂繊維からなる混織織物や一方向
性織物の場合、基材シートだけで本願の目的である含浸
シートを得ることもできる。また、基材シートの少なく
とも片側に熱可塑性樹脂のフィルム等のシートを重ね
て、含浸シートとする場合もある。本発明で得られた含
浸シートは、繊維補強熱可塑性樹脂成形品の中間材料と
される場合もあれば、それがそのまま最終製品とされる
場合もある。
【0005】図1に本発明の製造装置の一実施例を示
す。本装置は、基本的には基材シートの予熱部であるオ
ーブン4とマトリックス樹脂を補強繊維に溶融含浸せし
める圧熱ロール部5〜12とからなる。本装置は、補強
繊維への含浸を効果的に行う方法として、オーブンで予
熱された材料に一方向から交互に加熱することにより、
マトリックス樹脂を溶融含浸させている。また、マトリ
ックス樹脂を溶融させるための圧熱ロールは、金属ロー
ルとゴムロールからなる対をなし、この対をなす圧熱ロ
ールを少なくとも2組以上有する。これは熱板プレス同
様、本装置のような圧熱ロールにおいても、一対のロー
ルが均一に接し、均一に加圧することは非常に難しく、
特に薄物材料の場合において、ロール精度の問題は、材
料を局所的に加圧する結果となり、均一な含浸は行われ
ず、さらには、材料の破壊につながることもある。これ
に対し、圧熱ロールの一方を比較的硬いゴム質(ゴム硬
度で75〜85)にすることにより、ロール精度上発生
する含浸不良や材料破壊について効果がある。 しかし
ゴムロールの場合は、温度面での制約があるため(耐熱
ゴムの弗素ゴムの場合、ゴム自体の耐熱性は、200℃
以上あるが、ゴムと金属との接着部の耐熱性が最高18
0℃)、少なくとも2対以上の圧熱ロールを用い、金属
ロールとゴムロールを交互に配置することで、材料温度
のコントロールをする。図1においては、5,8,9,
12が金属ロールで、6,7,10,11がゴムロール
である。この様に、圧熱ロールの一方から加熱し、これ
を交互に繰り返すことにより材料の両面に加える熱量を
コントロールし、均一な加熱溶融の状態を得ることがで
きる。
【0006】この並列された圧熱ロールは、各圧熱ロー
ルごとに駆動部を有し、それぞれの駆動部が電気的に連
動され回転速度が制御可能にされている。また、本装置
には少なくとも一個の送り出し装置を必要とし、これに
より通常は基材シート1を予熱部に送り込む。目的とす
る含浸シートが混織織物や一方向性織物の一層から得ら
れるものであれば、送り出し装置は一個だけで良い。基
材シートがガラス繊維や炭素繊維などの補強繊維織物の
場合は、その上にマトリックス樹脂のフィルムなどを積
層する必要があり、目的に応じ図1に示すように、予熱
部4と圧熱ロール5,6の間に、また、圧熱ロール9,
10の前に送り出し装置を設けることができる。
【0007】また、本装置においては、並列する圧熱ロ
ールの同じ側のロール間にシート状コンベアが回設さ
れ、反対側のロール間にもシート状コンベアが回設され
ていることが必要である。図1において14,15,1
6がシート状コンベアである。シート状コンベアの作用
は、マトリックス樹脂の溶融した状態にある材料を上下
のコンベアで挟んで、圧熱ロール間を安定搬送させる役
目を有する。仮にコンベアなしで材料だけで圧熱ロール
間を搬送すると、溶融したマトリックス樹脂がロールに
粘着し、極端な場合は、ロールに材料が巻き付くなどの
問題が発生する。シート状コンベアに挟み搬送させるこ
とにより、この様なトラブルを防ぐことができる。従っ
て、このシート状コンベアも溶融樹脂が粘着しないよう
な材質のものが望ましい。ガラス繊維織物にテフロン樹
脂を塗布したものが、コンベアとしての寸法安定性、耐
熱性、温度の伝達性などの点で望ましい。図1において
は、上側のコンベアは一枚で、下側のコンベアは二枚に
分かれているが、これは図1の場合は、圧熱ロールの中
間に送り出し装置を設けたためで、この送り出し装置が
必要でない場合は、上側のコンベアと同じに一枚でも良
い。また、逆に上側のコンベアを下側と同じに、二枚に
分けることも可能である。
【0008】また、図1においては、圧熱ロール間にヒ
ーター17,18が設置されている。これは、圧熱ロー
ルで加熱された材料ができるだけその温度を維持した状
態で、次の圧熱ロールに送り込まれるようにするためで
ある。さらに、図1においては、冷却ロール19,20
が並列された圧熱ロールの最後に設けられている。この
冷却ロールは、高温で加熱溶融された材料を冷却するこ
とにより、含浸シート13の取扱い性を良くすると同時
に、加熱溶融された状態にあるマトリックス樹脂を冷却
加圧することで、より一層の厚さの均一性や表面平滑性
を得ることができる。しかし、処理速度がそれ程大きく
ない場合や、厚さの均一性や表面平滑性がそれ程必要で
ない場合は、必ずしも必要ではない。
【0009】本装置で使用される温度は、基材シートや
マトリックス樹脂の種類、形態により異なるが、予熱部
であるオーブンや圧熱ロールの金属ロールの温度は、マ
トリックス樹脂の融点に近いか、もしくは、それ以上の
温度が必要であり、当然オーブンよりも金属ロールの温
度の方を高めに設定する必要がある。しかしあまり融点
より高い温度を設定すると、逆に樹脂の劣化や分解を招
くことになり、得られた含浸シートの特性の低下に繋が
ることになる。ゴムロールの温度は、前述したように、
ゴムの連続使用温度としての上限である180℃に近い
温度が使用される。また、圧熱ロールにより加えられる
圧力は、5〜15kg/cm、望ましくは7〜12kg
/cmの範囲である。この圧力より低いと溶融樹脂の含
浸が十分に得られず、厚さの均一度も低くなる。これ以
上になると、含浸シートに不必要な歪みが入ってしま
い、補強繊維の破壊に繋がる場合もある。
【0010】以上、本願の装置について述べたが、この
装置により、少なくとも一種類の連続補強繊維と熱可塑
性樹脂からなる基材の、熱可塑性樹脂を加熱溶融し、補
強繊維に含浸させ、ボイドの少ない繊維補強熱可塑性樹
脂用含浸シートを得ることができる。特に本装置は、マ
トリックス樹脂として使用される熱可塑性樹脂が、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PE
I)などの融点の高い樹脂の場合に適する。もちろん、
ポリエステルやポリアミド、ポリカーボネートなどの汎
用樹脂に対しても使用することができる。また、特に厚
さが50〜100μm程度の極薄物の含浸シートを得る
のに適している。
【0011】
【実施例】図1により本装置の実施例について説明す
る。図において1は、送り出し装置(図示せず)から送
り出された基材シートであるガラス繊維織物(厚さ50
μm)を示し、2,3は、それぞれ送り出し装置(図示
せず)から送り出されたポリフェニレンサルファイド樹
脂フィルム(以下PPSフィルムという;厚さ25μ
m)である。5,6は金属ロールとゴムロールとからな
る圧熱ロールで、5が金属ロールで、6がゴムロールを
表す。同様に圧熱ロール7,8、9,10及び11,1
2を示す。8,9,12が金属ロールで、7,10,1
1がゴムロールを示す。14,15,16はガラス繊維
織物にPPSフィルムを積層したシートを連続的に搬送
するためのエンドレスのシート状コンベアで、ガラス繊
維織物にテフロン樹脂を塗布したものを用いた。特に下
側のコンベアは材料供給の都合上二つに分けられてい
る。(15,16) さらに19,20は、溶融含浸されたシートを冷却する
ための冷却ロールである。また、圧熱ロール間には、1
7,18のヒーターが上下に配置され、圧熱ロール間の
シートの温度が低下しないように、ロール間の雰囲気温
度を高める作用を有する。
【0012】このような装置において、まずガラス繊維
織物1は、各圧熱ロール及び冷却ロールにとうされ、そ
の駆動力により移動を開始する。次にガラス繊維織物は
予熱部であるオーブン4を通過することにより、十分に
暖められ、後工程でのマトリックス樹脂の溶融含浸を行
われ易くする。一方、PPSフィルム2,3もガラス繊
維織物の移動と同時に、それぞれ圧熱ロールに供給さ
れ、移動を開始する。この際、図示はされていないがP
PSフィルムにも予熱部を設け、PPSフィルムが溶
融、もしくは、延伸、収縮したりしない程度に予備加熱
することが好ましい。その時の予備加熱の温度は、22
0〜270℃、好ましくは、250〜265℃である。
一方複数の対で配置された圧熱ロールの金属ロール5の
温度は、320〜345℃、好ましくは、325〜33
5℃である。他の金属ロールの温度も同様に設定する。
ゴムロール6の温度は175℃に設定した。このゴムロ
ールの材質は弗素でゴム硬度80のものを用いた。その
他のゴムロールの温度も同様に設定した。また、圧熱ロ
ールのロール圧は10kg/cmで行った。
【0013】このような温度圧力条件で、補強材である
ガラス繊維織物とマトリックスであるPPSフィルムは
第一の圧熱ロールを通過することにより、PPSフィル
ムは補強材に仮接着状態で張り付き、圧熱ロール通過
後、さらに加熱され、溶融され、二番目の圧熱ロールに
より加熱加圧されつつ、補強材内に入り込む。即ちこの
段階では、補強材の一方向から連続的にマトリックス樹
脂であるPPS樹脂が、溶融、押し込まれるため、補強
材であるガラス繊維織物内に存在する空気(ボイドとし
て残りやすい)は、反対側に押し出され、補強材内での
空気とマトリックス樹脂との置換がスムーズに行われ
る。これらの作用が、コンベア14,15を介して行わ
れ、PPS樹脂が十分に補強材内に入った時点で、さら
に、下方よりPPSフィルム3が供給され、同様に圧熱
ロールにより溶融、加圧含浸が繰り返され、さらに、最
後に冷却ロール19,20により冷却され、ボイドのな
い一体化された繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シート13
が得られる。この様にして得られた含浸シートは、外観
上も、走査型電子顕微鏡写真においても、ボイドのみら
れない均一なシートであった。含浸シートにおける補教
材であるガラス繊維の重量%は40%であった。
【0014】[比較例1]実施例におけるゴムロールを
金属ロールとしたほかは、同じ条件で行った。その結
果、圧力が部分的に集中し、未含浸部が残ったり、材料
破壊が起こったりして、満足するシートがえられなかっ
た。
【0015】[比較例2]実施例と同様であるが、PP
Sフィルム2,3の供給をいずれも予熱部4と第一の圧
熱ロールとの間から、補強材であるガラス繊維織物を上
下から挟みこんで送り込む。その結果、脱泡が完全でな
く、得られたシート内部にボイドが観察された。
【0016】
【発明の効果】本願発明の装置により、ボイドの少ない
繊維補強熱可塑性樹脂用の含浸シートが連続的に、また
安価な装置で可能となった。特に本装置は、厚さ50〜
100μm程度の極薄い含浸シートを得るのに適し、ま
た、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂などの汎用の熱
可塑性樹脂から、スーパーエンプラといわれるPPS樹
脂や、PEEK樹脂、PEI樹脂などの融点の非常に高
い熱可塑性樹脂にも使用可能で幅広い適応性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本装置の一例を示す側面断面図
【符号の説明】
1.基材シート 2,3.マトリックス樹脂シート 4.予熱部 5,8,9,12.金属ロール 6,7,10,11.ゴムロール 13.含浸シート 14,15,16.コンベア 17,18.ヒーター 19,20.冷却ロール 21,22,23.ガイドロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの送出し部とそれに続く予熱
    部を有し、該予熱部に続き少なくとも2対以上の加熱加
    圧ロールが並列して配置され、各対をなす圧熱ロールの
    片方が金属ロールで他の一方がゴムロールであり、か
    つ、並列する圧熱ロールの金属ロールとゴムロールの位
    置が交互に入れ替わっており、更に、並列する圧熱ロー
    ルの同じ側のロール間にシート状コンベアが回設され、
    反対側のロール間にもシート状コンベアが回設されてい
    ることを特徴とする繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シート
    の製造装置
  2. 【請求項2】 請求項1の繊維補強熱可塑性樹脂用含浸
    シートの製造装置において、予熱部と圧熱ロールとの間
    に送り出し装置をもうけ、複数の対をなすロールの中間
    の位置で前記送出し装置の反対側にも送出し装置を設け
    たことを特徴とする繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シート
    の製造装置。
JP18344093A 1993-06-30 1993-06-30 繊維補強熱可塑性樹脂用含浸シートの製造装置 Pending JPH0716835A (ja)

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Cited By (3)

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