JPH07167465A - 吸収式ヒートポンプを利用した氷蓄熱システム - Google Patents

吸収式ヒートポンプを利用した氷蓄熱システム

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JPH07167465A
JPH07167465A JP31392593A JP31392593A JPH07167465A JP H07167465 A JPH07167465 A JP H07167465A JP 31392593 A JP31392593 A JP 31392593A JP 31392593 A JP31392593 A JP 31392593A JP H07167465 A JPH07167465 A JP H07167465A
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秀雄 亀山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は吸収式ヒートポンプシステムに設け
られる手段の一部を利用して水蒸気の効率的な排気と回
収を行なうことのできる構成の簡素な低コストの氷蓄熱
システムを提供することを目的とする。 【構成】 減圧に伴う水の蒸発潜熱の放出により外部か
らの低温熱媒体を冷却する蒸発器1と、蒸発器1からの
水蒸気を吸収液に吸収させる吸収器2と、吸収器2から
の吸収液Lを外部からの高温熱媒体により加熱して水蒸
気を発生させる発生器3と、発生器3からの水蒸気を凝
縮させる凝縮器4と、減圧、蒸発に伴う水の蒸発潜熱の
放出により氷を生成し冷熱蓄熱する氷蓄熱槽5と、蒸発
器1及び吸収器2を減圧する第1の排気状態と氷蓄熱槽
5を減圧する第2の排気状態とのうち任意の一方の排気
状態で作動する排気手段6と、氷蓄熱槽5に蓄熱された
冷熱によって外部からの低温熱媒体を冷却する熱交換手
段7と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深夜電力等による蓄熱
式の空調システムに好適な氷蓄熱システム、特に水を冷
媒とする吸収式ヒートポンプを利用し、水の蒸発潜熱を
利用して氷により冷熱蓄熱する氷蓄熱システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、夏季における最大電力消費量が冷
房等に使用される電力の急増によって増大している。一
方、電力多消費型産業の省エネルギー化に代表されるよ
うに、産業界においては電気エネルギー依存度の低減が
図られ、これに伴って発電設備に対する年平均の負荷率
は低下する傾向にある。そのため、夜間電力エネルギー
を効率良く貯蔵して冷房等に利用する技術が極めて有用
になっている。さらに、フロン系の冷媒を用いる従来の
氷蓄熱装置はオゾン層の保護という観点から好ましくな
いため、フロン系の冷媒を用いないで冷熱蓄熱すること
のできるものとして氷蓄熱システムが注目されている。
【0003】この種の氷蓄熱システムとして、本出願人
は先に、特開平3−912623号公報に記載されるも
のを提案した。このものでは、吸水性高分子ゲルを用い
て水−水蒸気の界面の面積を大きく取り得る蓄熱体を形
成するとともに、その蓄熱体を複数設けた氷蓄熱槽内を
真空排気装置により排気することで、蒸発潜熱の放出に
伴って前記ゲル中の多量の水を効率良く凍結させてい
る。
【0004】一方、フロン系の冷媒を使用しない他の空
調システムとしては、吸収式ヒートポンプシステムを用
いたものが知られている。この空調システムは、例えば
臭化リチウム(LiBr)を吸収剤とし、水を冷媒とし
て蒸発器、吸収器、発生器、凝縮器等から構成されるも
ので、蒸発器内の水の蒸発潜熱の放出により冷水を冷却
するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな水蒸気排気式の氷蓄熱システムにあっても、蓄熱槽
内をかなりの低圧に減圧しつつ水蒸気を外部に排出する
専用の排気手段を設ける必要がある。また、蓄熱時に多
量の水分が水蒸気として蓄熱槽の外部に排出されるとと
もに蓄熱槽内の水量が減少するため、排出した水蒸気を
凝縮して再度蓄熱槽内に回収する専用の手段が必要であ
る。
【0006】また、吸収式ヒートポンプシステムを用い
た空調システムにあっては、冷熱蓄熱ができないことか
ら、要求される冷房出力を満足するためにはシステムの
大型化を避けるのが困難であり、この点から冷熱蓄熱装
置との組み合せについての実用化が望ましいが、水蒸気
排気式の氷蓄熱システムと吸収式ヒートポンプシステム
を用いる空調システムとを併用するような場合には、同
一機能の手段が複数存在することになり、構成の簡素化
とコスト低減の観点から改善すべき課題があった。
【0007】そこで本発明は、吸収式ヒートポンプシス
テムに設けられる手段の一部を利用して水蒸気の効率的
な排気と回収を行なうことができ、空調システムを小型
化することのできる構成の簡素な低コストの氷蓄熱シス
テムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明に係る吸収式ヒートポンプを利用した
氷蓄熱システムは、減圧により内部の水を蒸発させ、そ
の蒸発潜熱の放出により外部からの低温熱媒体を冷却す
る蒸発器と、蒸発器からの水蒸気を内部の吸収液に吸収
させるよう蒸発器に接続された吸収器と、吸収器との間
で吸収液を循環するよう設けられ、外部からの高温熱媒
体との熱交換により内部に導入した吸収液から水蒸気を
発生させる発生器と、発生器からの水蒸気を冷却して凝
縮させるよう発生器に接続された凝縮器と、減圧、吸収
により内部の水を蒸発させ、その蒸発潜熱の放出により
氷を生成して冷熱蓄熱する氷蓄熱槽と、蒸発器および吸
収器を減圧する第1の排気状態と氷蓄熱槽を減圧する第
2の排気状態とのうち任意の一方の排気状態で作動する
排気手段と、氷蓄熱槽に蓄熱された冷熱によって前記外
部からの低温熱媒体を冷却する熱交換手段と、を備えた
ことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、前記排気手
段が、前記第1および第2の排気状態で作動し吸収器を
減圧する第1排気ポンプと、前記第2の排気状態で作動
し蓄熱槽を減圧するとともに該蓄熱槽からの水蒸気を吸
収器に導く第2排気ポンプと、第2の排気状態で作動し
蒸発器と吸収器との接続を遮断する遮断弁と、を有する
ことを特徴とするものであり、請求項3記載の発明は、
前記第1の排気状態で作動し、前記凝縮器内で凝縮した
水を前記蒸発器に送水する第1送水手段と、前記第2の
排気状態で作動し、前記凝縮器内で凝縮した水を前記蓄
熱槽に送水する第2送水手段と、を設けたことを特徴と
するものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、排気手段が蒸発器お
よび吸収器を減圧する第1の排気状態で作動すると、蒸
発器内部の水が蒸発してその蒸発潜熱の放出により外部
からの低温熱媒体が冷却される。一方、排気手段が氷蓄
熱槽を減圧する第2の排気状態で作動すると、氷蓄熱槽
内の水が蒸発してその蒸発潜熱の放出により氷が製造さ
れ、冷熱蓄熱される。この氷蓄熱槽に蓄熱された冷熱は
熱交換手段によって低温熱媒体の冷却に供される。第1
排気状態で蒸発器から出た水蒸気あるいは第2の排気状
態で蓄熱槽から排気される水蒸気は、吸収器内の吸収液
に吸収され、この吸収により希釈された吸収液は発生器
内で外部からの高温熱媒体との熱交換により加熱されて
水蒸気を発生し、所定濃度に再生される。また、発生器
で発生した水蒸気は凝縮器で冷却されて凝縮し、水に戻
る。
【0011】したがって、排気手段の排気状態や熱交換
手段の作動状態を適宜切換えることで、水を冷媒とする
低温熱媒体の冷却と冷熱蓄熱とが任意に選択的に行なわ
れることになる。しかも、低温熱媒体の冷却あるいは冷
熱蓄熱の何れでも、吸収により希釈される吸収液が発生
器を通して再生されるから、効率良く冷熱蓄熱すること
ができ、システム全体が小型化される。
【0012】また、請求項2記載の発明では、第1の排
気状態、すなわち遮断弁が開弁して蒸発器と吸収器が接
続されている状態で第1排気ポンプが作動するときに
は、蒸発器および吸収器が減圧され、蒸発器内部の水が
蒸発してその蒸発潜熱の放出により外部からの低温熱媒
体が冷却される。また、第2の排気状態、すなわち遮断
弁が閉弁し蒸発器と吸収器との接続を遮断している状態
で第1および第2の排気ポンプが作動すると、氷蓄熱槽
内の水が蒸発してその蒸発潜熱の放出により氷が製造さ
れ、冷熱蓄熱される。
【0013】したがって、冷熱蓄熱を行なう場合には、
蒸発器と吸収器の接続を遮断して第1排気ポンプの負荷
を軽減するとともに、第1排気ポンプによる吸収器内の
排気により第2排気ポンプの負荷を大幅に軽減して、効
率的な蓄熱を行なうことができる。さらに、請求項3記
載の発明では、第1の排気状態においては凝縮器内で凝
縮した水が第1送水手段によって蒸発器に送水される。
また、第2の排気状態においては凝縮器内で凝縮した水
が第2送水手段によって蓄熱槽に送水される。したがっ
て、システムの運転状態に対応して適量の補給水を蒸発
器や氷蓄熱槽に補給することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1および図2は請求項1〜3記載の発
明に係る吸収式ヒートポンプを利用した氷蓄熱システム
の一実施例を示す図である。まず、その構成を説明す
る。
【0015】この実施例の氷蓄熱システムは、吸収式冷
凍装置となるヒートポンプシステムの熱サイクルを利用
して氷による冷熱蓄熱(氷蓄熱)を行なうもので、その
熱サイクルを構成する主な要素として蒸発器1、吸収器
2、発生器3および凝縮器4を有している。蒸発器1
は、内部に冷媒である水を収容するとともに、その水面
より上方に外部からの冷水(低温冷媒)を通すための伝
熱管1aを有している。この蒸発器1内の水は冷媒液ポ
ンプ11によって放水管12に送られ、そのノズル部から伝
熱管1aに向けて滴下又は噴出される。また、蒸発器1
内は真空ポンプ21によって吸収器2と共に所定気圧(例
えば6〜8mmHg)に排気・減圧されるようになってお
り、その減圧によって冷媒である水を蒸発させる。そし
て、その蒸発潜熱の放出により伝熱管1aに通水される
外部からの冷水を更に冷却するようになっている。伝熱
管1aに通水される水は、例えば冷房装置に使用され
る。吸収器2は内部に所定の吸収液L、例えば臭化リチ
ウム(LiBr)を収容しており、蒸発器1からの水蒸
気をその吸収液Lに吸収させるよう開閉弁15を介して蒸
発器1に接続されている。吸収器2内で水蒸気を吸収
し、希釈された吸収液Lは吸収液ポンプ22によって発生
器3に給送される。発生器3は外部からの高温の蒸気
(高温熱媒体:高温の温水等でもよい)を通す伝熱管3
aを有しており、この伝熱管3aを介し吸収器2から導
入した吸収液Lと前記高温熱媒体との熱交換を行なって
吸収液Lを加熱し、水蒸気を発生させる。発生器3内で
加熱され所定濃度を回復した吸収液Lは、熱交換器23お
よび液戻し管24を介して吸収器2内に戻される。また、
発生器3から吸収器2へ戻る吸収液Lと吸収器2から発
生器3へ送られる吸収液Lとが熱交換器23内で熱交換
し、吸収器2に戻る吸収液Lの温度は低下するようにな
っている。なお、本実施例では前記高温媒体の温度がか
なり高温であることから、発生器3から吸収器2に戻っ
た吸収液Lを更に冷却水の通った伝熱管2aにより冷却
している。凝縮器4は内部に冷却水の通った伝熱管4a
を有するとともに、発生器3に接続されている。凝縮器
4はこの伝熱管4aによって発生器3からの水蒸気を冷
却して凝縮させるようになっている。凝縮により凝縮器
4内に溜った水は、第1の排気状態では開閉弁25aを有
する第1送水通路25(第1送水手段)を通して蒸発器1
内に送られ、第2の排気状態では開閉弁26aを有する第
2送水通路26(第2送水手段)と通して氷蓄熱槽5内に
設けられた放水管35に送られる。
【0016】5は氷蓄熱槽であり、氷蓄熱槽5内には例
えば水を含んだゲル状の吸水性高分子材料(Water Abso
rbable Polymer)からなる複数の蓄熱体31が収納され、
その他にも所定量の水が収容されている。前記吸水性高
分子は、紙オムツや衛生品等に多用されているもので、
材質により自重の数倍から数十倍あるいは数百倍の水を
吸収してゲル状となる性質を有する。また、そのゲル中
の水は通常の水とほぼ同じ融点0℃の自由水で、その水
の蒸発、凝縮および凝固は通常の水に近い条件で起こる
と考えることができる。この氷蓄熱槽5は夜間電力を利
用して真空一次ポンプ32により所定気圧(例えば2〜
4.5mmHg)に排気・減圧され、内部の水を蒸発させる
とともにその蒸発潜熱の放出により氷を生成して冷熱蓄
熱するようになっている。また、氷蓄熱槽5内に収容さ
れた冷熱は水を介し冷水ポンプ33によって熱交換器34に
送られ、外部からの冷水(低温熱媒体)と熱交換する。
すなわち、蒸発器1により冷却される冷水と同様の冷水
を熱交換器34によっても冷却することができる。また、
水を冷媒とした吸収式ヒートポンプでは5℃〜7℃の冷
水を得るのが限界であるが、氷蓄熱槽5からは0℃〜5
℃程度の低水温の冷水を得ることができる。
【0017】前記開閉弁15、真空ポンプ21および真空一
次ポンプ32は、蒸発器1および吸収器2を減圧する第1
の排気状態と、氷蓄熱槽5を減圧する第2の排気状態と
のうち任意の一方の排気状態で作動する排気手段6を構
成しており、前記冷水ポンプ33および熱交換器34は氷蓄
熱槽5に蓄熱された冷熱によって前記外部からの冷水
(低温熱媒体)を冷却する熱交換手段7を構成してい
る。また、排気手段6のうち真空ポンプ21は第1および
第2の排気状態で作動し吸収器2を減圧する第1排気ポ
ンプであり、真空一次ポンプ32は第2の排気状態で作動
し氷蓄熱槽5を減圧するとともにその氷蓄熱槽5からの
水蒸気を吸収器2に導く第2排気ポンプであり、開閉弁
15は第2の排気状態で閉弁作動し蒸発器1と吸収器2と
の接続を遮断する遮断弁となっている。
【0018】なお、本実施例では図示しない補給手段に
より氷蓄熱槽1に所定蓄熱時間毎に外部から水を補給す
るようになっている。また、氷蓄熱槽1内の冷水は弁1
6、17を開弁した状態で冷水ポンプ33が作動するとき貯
蔵タンク18に貯蔵される。19は貯蔵タンク18に水を補給
するための補給弁である。次に、その作用を説明する。
【0019】まず、このシステムを吸収式冷凍装置とし
て運転する場合には、蒸発器1および吸収器2が一定の
減圧状態になるまで、排気手段6が第1の排気状態で作
動する。すなわち開閉弁15が開弁して蒸発器1と吸収器
2が接続されている状態で、真空ポンプ21が作動する。
このとき、蒸発器1内部の水が蒸発してその蒸発潜熱の
放出により外部から伝熱管1aに通水される冷水が冷却
される。したがって、この冷水を利用した昼間の冷房等
が可能になる。
【0020】一方、冷凍装置としての運転が停止される
夜間等において氷蓄熱を行なう場合には、氷蓄熱槽5を
減圧する第2の排気状態で排気手段6が作動する。すな
わち開閉弁15が閉弁して蒸発器1と吸収器2との接続を
遮断している状態で、一定の減圧状態まで真空ポンプ21
が作動し、また真空一次ポンプ32が作動する。このと
き、氷蓄熱槽5内の水が蒸発してその蒸発潜熱の放出に
より氷蓄熱槽5内の蓄熱体31に含まれたゲル中で氷が製
造され、これによる冷熱蓄熱がなされる。また、このと
き開閉弁15により蒸発器1と吸収器2の接続を遮断して
いるから、第1真空ポンプ21の負荷が軽減されるととも
に、吸収器2内が減圧されていることにより真空一次ポ
ンプ32の負荷が大幅に軽減される。すなわち、真空一次
ポンプ32の前後差圧は数mmHg程度になるから、真空一次
ポンプ32には大気中(760mmHg)に排気する場合や専
用の凝縮器内(例えば35mmHg程度)に排気する場合ほ
ど高い排気能力が必要でなく、しかも、十分な排気が可
能になる。したがって、効率的な蓄熱運転が可能とな
る。
【0021】第1排気状態で蒸発器1から出た水蒸気あ
るいは第2の排気状態で氷蓄熱槽5から排気される水蒸
気は、吸収器2内の吸収液Lに吸収され、この吸収によ
り希釈された吸収液Lは発生器3内で外部からの蒸気
(高温熱媒体)との熱交換により加熱されて水蒸気を発
生し、所定濃度に再生される。また、発生器3で発生し
た水蒸気は凝縮器4で冷却されて凝縮し、水に戻る。
【0022】上述のように夜間電力等を利用して氷蓄熱
槽5に蓄熱された冷熱は、上述した冷凍装置としての運
転時と同様に、外部からの冷水を冷却するのに供され
る。すなわち、弁16、17をそれぞれ開弁した状態で冷水
ポンプ33を作動させ、熱交換器34を通して氷蓄熱槽1お
よび貯蔵タンク18内の水を循環させるとともに、外部の
冷房装置等からの冷水(例えば15℃)を冷却する。し
たがって、夜間電力等を利用して真空ポンプ21、モータ
駆動回路22および真空一次ポンプ32を作動させ、発生器
3には適当な温排水や蒸気あるいは昼間の太陽熱を利用
して高温にした温水等を供給するだけで、低コストに冷
熱蓄熱を行なうことができ、それを消費する場合には冷
水ポンプ33のみを駆動すればよい。
【0023】また、第1の排気状態においては、開閉弁
25aを開くことで凝縮器4内で凝縮した水が第1送水通
路25を通して蒸発器1に送水され、第2の排気状態にお
いては、開閉弁26aを開くことで凝縮器4内で凝縮した
水が第2送水通路26を通して氷蓄熱槽5に送水されるか
ら、簡単な構成でシステムの運転状態に対応して適量の
補給水を蒸発器1や氷蓄熱槽5に補給することができ
る。
【0024】このように本実施例では、排気手段6の排
気状態や熱交換手段7の作動状態を適宜切換えること
で、前記冷水の冷却と冷熱蓄熱が任意に選択的に行なわ
れる。しかも、何れの場合も、吸収により希釈される吸
収液Lが発生器3を通して再生され、吸収器2、発生器
3および凝縮器4とそれらに付随する構成とが共用され
るから、効率良く冷熱蓄熱することができるとともに、
システム全体が小型化される。すなわち、吸収式ヒート
ポンプシステムに設けられる手段の一部を利用して水蒸
気の効率的な排気と回収を行なうことのできる構成の簡
素な低コストの氷蓄熱システムとなる。しかも、吸収式
ヒートポンプシステムを用いる空調システムであって冷
熱蓄熱が可能なものとなることから、夜間等に蓄熱した
冷熱を冷房時に利用することにより、吸収式ヒートポン
プシステムを従来の半分程度まで小型化することがで
き、空調システム全体の小型化とコストの低減を図るこ
とができる。
【0025】なお、上述の実施例では、吸収式ヒートポ
ンプシステムを氷蓄熱槽と同様に冷房等のために使用す
る冷凍機としてのみ説明したが、これをヒートポンプと
しても利用できることはいうまでもない。すなわち、冷
房等のために蒸発器により外部からの低温熱媒体(冷
水)を冷却するのでなく、例えば凝縮器内の凝縮熱によ
り外部からの熱媒体を昇温するような用途にも使用でき
る。また、開閉弁15を開いた状態で真空一次ポンプ32を
作動させ、蒸発器1を利用する冷水の冷却と氷蓄熱槽5
を利用した冷熱蓄熱とを同時に行なうことができるのは
いうまでもない。さらに、氷蓄熱槽5は蓄熱体31を有す
るものでなく、他の方式の蓄熱手段を有するものであっ
てもよい。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、排気手段
の排気状態や熱交換手段の作動状態を適宜切換えること
で、水を冷媒とする低温熱媒体の冷却と冷熱蓄熱とを任
意に選択的に行なうことができ、低温熱媒体の冷却ある
いは冷熱蓄熱の何れでも、吸収により希釈される吸収液
を発生器を通して再生することで効率良く冷熱蓄熱する
ことができるとともに、システム全体を小型化すること
ができる。その結果、吸収式ヒートポンプシステムに設
けられる手段の一部を利用して水蒸気の効率的な排気と
回収を行なうことができ、空調システムを小型化するこ
とのできる構成の簡素な低コストの氷蓄熱システムを提
供することができる。
【0027】また、請求項2記載の発明によれば、遮断
弁の開閉により蒸発器を含む熱サイクルと含まない熱サ
イクルとを切換えることができ、冷熱蓄熱を行なう場合
に蒸発器と吸収器の接続を遮断して第1排気ポンプの負
荷を軽減するとともに、吸収器内の排気により第2排気
ポンプの負荷を大幅に軽減して効率的な蓄熱を行なうこ
とができる。
【0028】さらに、請求項3記載の発明によれば、第
1の排気状態においては凝縮器内で凝縮した水を蒸発器
に送水し、第2の排気状態においては凝縮器内で凝縮し
た水を蓄熱槽に送水するので、簡素な構成でシステムの
運転状態に対応する適量の補給水を蒸発器や氷蓄熱槽に
補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収式ヒートポンプを利用した氷
蓄熱システムの一実施例を示すその概略構成図である。
【符号の説明】
1 蒸発器 1a,2a,3a,4a 伝熱管 2 吸収器 3 発生器 4 凝縮器 5 氷蓄熱槽 6 排気手段 7 熱交換手段 11 冷媒液ポンプ 12 放水管 15 開閉弁(遮断弁) 18 貯蔵タンク 21 真空ポンプ(第1排気ポンプ) 22 吸収液ポンプ 23 熱交換器 25 第1送水通路(第1送水手段) 26 第2送水通路(第2送水手段) 31 蓄熱体 32 真空一次ポンプ(第2排気ポンプ) 33 冷水ポンプ 34 熱交換器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧により内部の水を蒸発させ、その蒸発
    潜熱の放出により外部からの低温熱媒体を冷却する蒸発
    器と、 蒸発器からの水蒸気を内部の吸収液に吸収させるよう蒸
    発器に接続された吸収器と、 吸収器との間で吸収液を循環するよう設けられ、外部か
    らの高温熱媒体との熱交換により内部に導入した吸収液
    から水蒸気を発生させる発生器と、 発生器からの水蒸気を冷却して凝縮させるよう発生器に
    接続された凝縮器と、 減圧、吸収により内部の水を蒸発させ、その蒸発潜熱の
    放出により氷を生成して冷熱蓄熱する氷蓄熱槽と、 蒸発器および吸収器を減圧する第1の排気状態と氷蓄熱
    槽を減圧する第2の排気状態とのうち任意の一方の排気
    状態で作動する排気手段と、 氷蓄熱槽に蓄熱された冷熱によって前記外部からの低温
    熱媒体を冷却する熱交換手段と、を備えたことを特徴と
    する吸収式ヒートポンプを利用した氷蓄熱システム。
  2. 【請求項2】前記排気手段が、前記第1および第2の排
    気状態で作動し吸収器を減圧する第1排気ポンプと、前
    記第2の排気状態で作動し蓄熱槽を減圧するとともに該
    蓄熱槽からの水蒸気を吸収器に導く第2排気ポンプと、
    第2の排気状態で作動し蒸発器と吸収器との接続を遮断
    する遮断弁と、を有することを特徴とする請求項1記載
    の吸収式ヒートポンプを利用した氷蓄熱システム。
  3. 【請求項3】前記第1の排気状態で作動し、前記凝縮器
    内で凝縮した水を前記蒸発器に送水する第1送水手段
    と、 前記第2の排気状態で作動し、前記凝縮器内で凝縮した
    水を前記蓄熱槽に送水する第2送水手段と、を設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の吸収式ヒートポン
    プを利用した氷蓄熱システム。
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CN115264987A (zh) * 2022-07-29 2022-11-01 西安交通大学 一种氯化钙吸收式热泵储热系统及运行方法

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