JP2005090880A - 製氷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成により低コストで製氷可能な製氷装置を提供する。
【解決手段】 製氷体2および冷媒回収器3が冷媒循環路6により循環接続され、冷媒循環路3に充填された冷媒が製氷体2を通過する際の蒸発潜熱により製氷体2を冷却するように構成され、冷媒回収器3は、製氷体2から供給される冷媒を、冷熱源から供給される冷却用ブラインとの熱交換により凝縮させる製氷装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】 製氷体2および冷媒回収器3が冷媒循環路6により循環接続され、冷媒循環路3に充填された冷媒が製氷体2を通過する際の蒸発潜熱により製氷体2を冷却するように構成され、冷媒回収器3は、製氷体2から供給される冷媒を、冷熱源から供給される冷却用ブラインとの熱交換により凝縮させる製氷装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、製氷装置に関する。
従来の製氷装置として、製氷板を冷却することにより製氷板の表面において製氷する一方、製氷板を加熱することにより製氷板に形成された氷を落下させるように構成されたハーベスト式製氷装置が知られている。製氷板を冷却する方法として、蒸発と凝縮とを繰り返す冷媒を製氷板に供給することにより、冷媒の蒸発潜熱を利用することが一般に行われている。すなわち、アンモニアなどの冷媒が、圧縮機により圧縮された後に凝縮器で凝縮され、ついで膨張弁において断熱膨張しながらフラッシュタンクに送られる。フラッシュタンク内の冷媒は、冷媒ポンプにより製氷板を通過して製氷面を冷却した後に、再びフラッシュタンクを経て圧縮機に戻される。
ところが、上記構成を備える製氷装置は、製氷板において蒸発した冷媒を液化するために、蒸発器や凝縮器などを設ける必要があるので、冷却通路が長くなって冷媒使用量が多くなることに加え、冷却通路が高圧に耐え得るように設計する必要があるので、設備コストやランニングコストが高くなるという問題がある。
このため、特許文献1に記載されているように、蒸発と凝縮とを繰り返す冷媒の代わりにブラインを製氷板に供給するように構成されたハーベスト式製氷装置が提案されている。この製氷装置によれば、蒸発と凝縮とを繰り返す冷媒(一次冷媒)により、製氷板を通過するブライン(二次冷媒)を介して製氷板の表面を間接的に冷却または加熱することが可能であり、各製氷板を冷媒により直接冷却または加熱する従来の構成に比べて冷媒使用量を低減することができる。
特開平11−325678号公報
ところが、蒸発と凝縮とを繰り返す冷媒による熱交換は、境膜伝熱係数が高い相変化熱交換であるのに対し、ブラインによる熱交換は、境膜伝熱係数が低い顕熱熱交換であるので、上記特許文献1のように製氷板にコールドブラインを通過させて製氷板を冷却する構成の場合、十分な熱伝達係数を得にくいという問題があった。したがって、必要な製氷量を確保するために多数の製氷板が必要になり、実用化の面で更に改良の余地があった。
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであって、簡易な構成により低コストで製氷可能な製氷装置の提供を目的とする。
本発明の前記目的は、製氷体および冷媒回収器が冷媒循環路により循環接続され、前記冷媒循環路に充填された冷媒が前記製氷体を通過する際の蒸発潜熱により前記製氷体の製氷面を冷却するように構成され、前記冷媒回収器は、前記製氷体から供給される冷媒を、冷熱源から供給される冷却用ブラインとの熱交換により凝縮させる製氷装置により達成される。
この製氷装置において、前記冷媒回収器は、前記製氷体の上方に配置されていることが好ましい。
また、前記冷媒循環路にバイパス接続され、切替弁の作動により前記冷媒回収器から供給される冷媒を通過させるバイパス路を更に備えることが好ましく、前記バイパス路は、通過する冷媒を、温熱源から供給された加熱用ブラインとの熱交換により加熱する熱交換器を備えることが好ましい。
また、液状の熱交換流体を気化させる蒸発器と、該蒸発器で気化した熱交換流体を吸収液に吸収させる吸収器と、熱交換流体を吸収した吸収液を加熱手段により加熱して再生する再生器と、該再生器で発生した熱交換流体の蒸気を凝縮する凝縮器とを有する吸収冷凍機を更に備えた構成にすることができる。この構成によれば、前記蒸発器における熱交換流体との熱交換によりブラインが冷却されることで、前記冷却用ブラインを生成することができ、前記再生器における前記加熱手段によりブラインを加熱することで、前記加熱用ブラインを生成することができる。前記熱交換流体は、アンモニアであることが好ましい。
また、上述した吸収冷凍機を設ける代わりに、前記製氷装置の前記冷熱源をブラインチラーにすることも可能である。
本発明によれば、簡易な構成により低コストで製氷可能な製氷装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る製氷装置の概略構成図である。図1に示すように、この製氷装置1は、製氷板2、冷媒回収器3および吸収冷凍機4を備えている。製氷板2および冷媒回収器3は、冷媒循環路6により循環接続され、冷媒循環路6には冷媒が充填される。
製氷板2は、製氷用水供給手段(図示せず)により散布された水道水や海水などの製氷用水を冷却して製氷可能な製氷面を有しており、冷媒が通過する冷媒流路2aを内部に有している。
冷媒回収器3は、製氷板2の上方に配置されており、製氷板2を通過後の冷媒が供給される冷媒入口3aを上部に備え、冷媒を冷媒循環路6に排出する冷媒出口3bを底部に有している。
冷媒循環路6にはバイバス管8がバイパス接続されており、バイパス路8に熱交換器9が設けられている。バイバス管8の下流端には、三方弁からなる切替弁10が設けられており、この切替弁10の作動により、冷媒回収器3を通過後の冷媒を冷媒循環路6からバイバス管8にバイパス可能に構成されている。
吸収冷凍機4は、液状の熱交換流体を気化させる蒸発器11と、蒸発器11で気化した熱交換流体を吸収液に吸収させる吸収器12と、熱交換流体を吸収した吸収液を加熱手段13により加熱して再生する再生器14と、再生器14で発生した熱交換流体の蒸気を凝縮する凝縮器15とを備えており、熱交換流体はポンプ16によって循環される。加熱手段13として、例えば、コージェネレーションシステムにおける廃熱利用を挙げることができる。
蒸発器11と冷媒回収器3との間には、ポンプ20aによってブラインが循環する冷却用循環ライン20が形成されており、蒸発器11において熱交換流体が気化する際の蒸発潜熱を利用してブラインを冷却することにより冷却用ブラインを生成し、この冷却用ブラインを冷媒回収器3に供給することによりガス状の冷媒を凝縮させて冷媒回収器3の内部に冷媒液を貯留するように構成されている。熱交換流体としては、水やアンモニアなどを用いることが可能であるが、冷媒回収器3における冷媒の凝縮効率を高めるために、熱交換流体としてアンモニアを用い、吸収液として水を用いることが好ましい。
また、加熱手段13と熱交換器9との間には、ポンプ30aによってブラインが循環する加熱用循環ライン30が形成されており、加熱手段13によりブラインを加熱することで加熱用ブラインを生成し、この加熱用ブラインを熱交換器9において冷媒と熱交換させることで、冷媒を加熱するように構成されている。熱交換器9は、加熱用ブラインと冷媒とを効率良く熱交換するための公知の構成であり、例えば、プレート式、シェルアンドチューブ式などを挙げることができる。
次に、以上の構成を備えた製氷装置の作動について説明する。まず、冷媒循環路6に冷媒を充填すると共に、冷却用循環ライン20および加熱用循環ライン30にブラインを充填する。冷媒は、製氷板2における液体から気体に相変化することにより製氷面を冷却できるように蒸発潜熱の大きいものが好ましく、本実施形態においてはフロンを使用しているが、例えばアンモニアやハイドロカーボン(プロパンなど)のように他の冷媒を使用することもできる。また、ブラインは使用温度などを考慮して適宜定めればよく、冷却用ブラインとしては、例えば、塩化カルシウム、エチレングリコール、プロピレングリコール、アルコール類などを使用することができ、加熱用ブラインとしては、冷却用ブラインとして例示したものに加えて水などを使用することができる。
製氷時においては、冷媒が冷媒循環路6のみを通過してバイパス路8を流れないように切替弁10を設定する。この状態で、吸収冷凍機4および冷却用循環ライン20のポンプ20aを作動させ、製氷板2の製氷面に製氷用水を散布すると、製氷板2の冷媒流路2aを液状冷媒が通過する際の蒸発潜熱により氷が形成される。気化した冷媒は冷媒入口3aから冷媒回収器3に供給されて、冷却用循環ライン20を通過する冷却用ブラインとの熱交換により凝縮され、液化した冷媒が冷媒回収器3に貯留される。冷媒回収器3の液冷媒は製氷板2に供給される。冷媒回収器3に供給される冷却用ブラインの温度は、例えば−12℃であり、冷媒回収器3から排出される液冷媒の温度は、例えば−6℃である。
冷媒回収器3は、製氷板2の上方に配置されているので、液冷媒は自重により製氷板2に供給される。一方、製氷板2を通過後の冷媒はガス状であるので、冷媒回収器3に向けて上昇する。したがって、ポンプなどの搬送手段を設けることなく、冷媒循環路6において冷媒を自然循環させることができる。
脱氷時においては、切替弁10を作動させて、冷媒がバイパス路8を流れるように冷媒の流路を切り替える。また、これと同時に、加熱用循環ライン30のポンプ30aを作動させて、加熱用ブラインを熱交換器9に供給することにより、バイパス路8を通過する冷媒を加熱する。加熱された冷媒は、製氷板2および冷媒回収器3を通過して、再び熱交換器9に供給される。これにより、製氷板2が徐々に加熱される結果、形成された氷は製氷面近傍において融解し落下する。熱交換器9に供給される加熱用ブラインの温度は、例えば50〜80℃であり、熱交換器9を通過後の冷媒の温度は、例えば30〜60℃である。
こうして、製氷および脱氷を交互に繰り返すことにより、氷を蓄積することができる。製氷時および脱氷時における切替弁10の切り替え動作は、タイマなどを用いて所定時間(例えば12分程度)毎に自動で行ってもよく、或いは、製氷板2に形成される氷が所定の厚みや大きさに達した時点で手動により行ってもよい。
以上のように、本実施形態に係る製氷装置1によれば、製氷板2と冷媒回収器3とを冷媒循環路6により循環接続し、製氷板2を通過する冷媒の蒸発潜熱により製氷板2を冷却して、気化した冷媒が冷媒回収器3において冷却用ブラインとの熱交換により凝縮するように構成されているので、冷媒循環路6を耐圧構造にする必要がないだけでなく、冷媒循環路6に充填する冷媒の使用量を抑制することができる。したがって、製氷装置の構成を簡素にすることができ、設備コストおよびランニングコストを低廉化することができる。
また、コージェネレーションシステムにおける廃熱を有効利用して製氷および脱氷を行うことができるので、これによってもランニングコストの低減が可能である。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様が上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、製氷板2の上方に冷媒回収器3を配置することにより、冷媒循環路6を冷媒が自然循環するように構成しているが、図2に示すように、冷媒循環路6に冷媒ポンプ6aを配置することにより、冷媒を強制循環させるように構成してもよく、これによって、冷媒回収器3の配置上の制約が少なくなり、製氷板2への冷媒の供給を確実にすることができる。
また、本実施形態においては、吸収冷凍機4により冷却用ブラインおよび加熱用ブラインを生成するようにしているが、冷却用ブラインおよび加熱用ブラインの供給は、必ずしも吸収冷凍機4を利用する必要はなく、他の冷熱源および温熱源を利用してもよい。例えば、図3に示すように、吸収冷凍機4の代わりにブラインチラー40を設け、ブラインチラー40により冷却された冷却用ブラインを冷媒回収器3に供給するようにしてもよい。ブラインチラー40は、蒸発器41、圧縮機42、凝縮器43および膨張弁44を備える公知の構成であり、蒸発器41において冷却用ブラインを生成することができる。この場合、温熱源としては、凝縮器43の凝縮熱や他の廃熱などを利用することができる。
また、本実施形態においては、製氷を行う製氷面を有する製氷体として、ハーベスト式製氷装置に用いられる平板状の製氷板2を使用しているが、例えばリキッドアイス式のように製氷体を二重管により構成し、内管と外管との間に冷媒を通過させて内管の内周面が製氷面となるようにしてもよく、更に他のダイナミック型またはスタティック型の製氷体を使用することもできる。
また、本実施形態においては切替弁10として三方弁を使用し、冷媒循環路6とバイパス路8との分岐部に配置しているが、バイパス路8を通過する冷媒流れを制御可能である限り構成および配置は限定されるものではなく、例えば、2つの開閉弁を冷媒循環路6およびバイパス路8のそれぞれに配置するようにしてもよい。
1 製氷装置
2 製氷板
3 冷媒回収器
4 吸収冷凍機
6 冷媒循環路
8 バイパス路
10 切替弁
11 蒸発器
12 吸収器
13 加熱手段
14 再生器
15 凝縮器
20 冷却用循環ライン
20a ポンプ
30 加熱用循環ライン
30a ポンプ
40 ブラインチラー
2 製氷板
3 冷媒回収器
4 吸収冷凍機
6 冷媒循環路
8 バイパス路
10 切替弁
11 蒸発器
12 吸収器
13 加熱手段
14 再生器
15 凝縮器
20 冷却用循環ライン
20a ポンプ
30 加熱用循環ライン
30a ポンプ
40 ブラインチラー
Claims (6)
- 製氷体および冷媒回収器が冷媒循環路により循環接続され、前記冷媒循環路に充填された冷媒が前記製氷体を通過する際の蒸発潜熱により前記製氷体を冷却するように構成され、
前記冷媒回収器は、前記製氷体から供給される冷媒を、冷熱源から供給される冷却用ブラインとの熱交換により凝縮させる製氷装置。 - 前記冷媒回収器は、前記製氷体の上方に配置されている請求項1に記載の製氷装置。
- 前記冷媒循環路にバイパス接続され、切替弁の作動により前記冷媒回収器から供給される冷媒を通過させるバイパス路を更に備え、
前記バイパス路は、通過する冷媒を、温熱源から供給された加熱用ブラインとの熱交換により加熱する熱交換器を備える請求項1又は2に記載の製氷装置。 - 液状の熱交換流体を気化させる蒸発器と、該蒸発器で気化した熱交換流体を吸収液に吸収させる吸収器と、熱交換流体を吸収した吸収液を加熱手段により加熱して再生する再生器と、該再生器で発生した熱交換流体の蒸気を凝縮する凝縮器とを有する吸収冷凍機を更に備え、
前記蒸発器における熱交換流体との熱交換によりブラインが冷却されることで、前記冷却用ブラインが生成され、
前記再生器における前記加熱手段によりブラインを加熱することで、前記加熱用ブラインが生成される請求項3に記載の製氷装置。 - 前記熱交換流体がアンモニアである請求項4に記載の製氷装置。
- 前記冷熱源がブラインチラーである請求項1から3のいずれかに記載の製氷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003325908A JP2005090880A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 製氷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003325908A JP2005090880A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 製氷装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003325908A Pending JP2005090880A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 製氷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005090880A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103423930A (zh) * | 2012-05-23 | 2013-12-04 | 杭州三花研究院有限公司 | 一种制冰机 |
CN110440366A (zh) * | 2019-08-15 | 2019-11-12 | 上海雪森林制冷设备有限公司 | 无源冰蓄冷系统 |
CN113983745A (zh) * | 2021-04-26 | 2022-01-28 | 江苏弗特尔制冷设备有限公司 | 一种模块化高效多用途制冷设备及制冰制冷工艺 |
-
2003
- 2003-09-18 JP JP2003325908A patent/JP2005090880A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103423930A (zh) * | 2012-05-23 | 2013-12-04 | 杭州三花研究院有限公司 | 一种制冰机 |
CN103423930B (zh) * | 2012-05-23 | 2017-03-15 | 杭州三花研究院有限公司 | 一种制冰机 |
CN110440366A (zh) * | 2019-08-15 | 2019-11-12 | 上海雪森林制冷设备有限公司 | 无源冰蓄冷系统 |
CN113983745A (zh) * | 2021-04-26 | 2022-01-28 | 江苏弗特尔制冷设备有限公司 | 一种模块化高效多用途制冷设备及制冰制冷工艺 |
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