JPH07167191A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH07167191A
JPH07167191A JP34295293A JP34295293A JPH07167191A JP H07167191 A JPH07167191 A JP H07167191A JP 34295293 A JP34295293 A JP 34295293A JP 34295293 A JP34295293 A JP 34295293A JP H07167191 A JPH07167191 A JP H07167191A
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JP
Japan
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valve
piston
oil
reduction
orifice
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JP34295293A
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Akihiro Furuya
明弘 古谷
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁機構によって、ピストンの移動速度に基づ
いてピストンの油通路の流路面積を変化させることによ
り、ピストンの移動速度が高速域と中,低速域とで減衰
力特性を変化させることができる。 【構成】 ピストン本体22内に縮小側,伸長側の弁機
構36,41を設ける。弁機構36,41は油通路3
4,35の途中に位置した弁体収容空間28,29、環
状プレート37,42、弁ばね38,43からなる。そ
して、第1,第2のオリフィス孔が穿設され、環状プレ
ート37,42はピストン本体22の移動速度が高速域
のときには、第2のオリフィス孔の流れを閉じ、流路面
積を小さくし、大きい減衰力特性を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両の振動を緩
衝するのに好適に用いられる油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】ここで、図13および図14に従来技術
による油圧緩衝器を示す。
【0003】図中、1はシリンダ、2は該シリンダ1内
に突出させて設けたピストンロッド、3は該ピストンロ
ッド2の小径部2Aに固着され、前記シリンダ1内に摺
動可能に挿嵌されたピストンを示す。そして、ピストン
3によりシリンダ1内は2個の油室A,Bに画成されて
おり、ピストン3が縮小側または伸長側に変位するとき
に一方の油室から他方の油室に流れる油液に減衰力を発
生させることによって、振動の緩衝作用を行なわせるよ
うに構成されている。
【0004】次に、前述の減衰力発生機構について説明
する。
【0005】4,5はピストン3の両端外周部近傍に環
状に位置し、断面が台形状に形成された弁シート、6,
7はピストン3の両端内周部に設けた突部を示し、弁シ
ート4,5は突部6,7よりも僅かに軸方向に突出した
状態となっている。
【0006】8,9はピストンロッド2の小径部2Aに
嵌合され、その内周縁部がそれぞれ突部6,7と当接
し、外周縁部が弁シート4,5に離着座する減衰力発生
機構としての縮小側,伸長側のディスクバルブを示し、
該各ディスクバルブ8,9は前記各弁シート4,5の外
径よりも大径に形成され、縮小側のディスクバルブ8は
3枚のディスクプレートを重ね合わせることにより構成
され、伸長側のディスクバルブ9は4枚のディスクプレ
ートを重ね合わせることにより構成し、縮小側と伸長側
の減衰力を異なるようにしている。
【0007】10,11は該各ディスクバルブ8,9を
それぞれ弁シート4,5から離座する方向への弾性変形
を可能ならしめるスペーサ、12,13は前記各ディス
クバルブ8,9の弁開度を規制する規制部材(リテー
ナ)を示し、ディスクバルブ8、スペーサ10、規制部
材12はピストン3とピストンロッド2に形成した段部
2Bとの間に配設され、またディスクバルブ9、スペー
サ11、規制部材13はピストン3とピストンロッド2
の小径部2A先端側に配設され、ロックナット14によ
って螺着されている。
【0008】15は例えば伸長側となるディスクバルブ
9のうち弁シート5に当接するディスクプレートを切欠
くことにより形成されたオリフィスを示し、該オリフィ
ス15は後述する油通路19を介して油室A,B間を恒
常的に連通し、ディスクバルブ8,9が開弁するまでピ
ストン3の低速域での、伸長側と縮小側、双方の減衰力
を発生する。
【0009】かくして、ピストン3を挟んで前記ロック
ナット14によりディスクバルブ8,9を挟持すること
により、該ディスクバルブ8,9はそれぞれ突部6,7
および弁シート4,5に当接する。これにより、ディス
クバルブ8,9とピストン3の各端面との間に円環状油
室16,17を画成している。また、18,19はそれ
ぞれピストン3に設けられた縮小側,伸長側の油通路
で、縮小側の油通路18は油室Aと円環状油室16とを
連通し、伸長側の油通路19は油室Bと円環状油室17
とを連通させるもので、油通路18,19はピストン3
の軸線に対し傾斜させて複数個設けられている。従っ
て、ディスクバルブ8,9が弁シート4,5から離座す
ることにより、縮小側、伸長側の減衰力を発生する。
【0010】なお、20はピストン3の外周面に装着さ
れたピストンリングを示す。
【0011】従来技術による油圧緩衝器は前述の構成を
有するもので、次にその作動について説明する。
【0012】いま、ピストン3がピストンロッド2と共
に図中の矢印X方向(縮小側)に変位したとする。ピス
トン3の移動速度が低速域の場合には、オリフィス15
および油通路19を介して油室A,Bが連通しているか
ら、このオリフィス15によって初期の減衰力を発生す
る。
【0013】さらに、ピストン3の移動速度が速くなっ
て、油室A内が高圧となると油室A内の圧力が上昇し、
この圧力は円環状油室16内に導かれ、縮小側のディス
クバルブ8に作用する。そして、このディスクバルブ8
に作用する圧力が該ディスクバルブ8のばね力より大き
くなると、その外周縁部が弾性変形し、弁シート4から
離座する。この結果、円環状油室16から油室Bへの流
路面積が増大し、図14の点線で示す特性線C1 のよう
な減衰力特性が得られる。
【0014】一方、ピストン3が前述とは反対に矢印Y
方向(伸長側)に変位した場合も前述と同様の作動を行
い、減衰力を発生するようになっている。
【0015】ただし、伸長側のディスクバルブ9のディ
スクプレートは4枚使用し、縮小側のディスクバルブ8
のディスクプレートは3枚であるから、ディスクバルブ
9の開弁圧はディスクバルブ8のそれより高く、従っ
て、ピストン3がY方向に変位する伸長行程の方がX方
向に変位する縮小行程より高い、図14の点線で示す特
性線E1 の減衰力特性を得ることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術においては、図14の点線で示したディスクバル
ブ8,9の開弁後の特性線C1 ,E1 の傾きはピストン
3の油通路18,19の流路面積によって決定されるた
め、ピストン3の移動速度が中速域における減衰力特性
が決まることにより、必然的に高速域における減衰力特
性も決まっていた。このため、中速域で比較的小さな減
衰力とし、高速域において大きな減衰力が必要な場合で
あっても、従来技術による油圧緩衝器ではそのような特
性を得ることができないという問題がある。
【0017】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はピストン内に減衰力バルブを設
けることにより、ピストンの移動速度が高速域と中速域
のときで、減衰力特性を変化できるようにした油圧緩衝
器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成の特徴は、ピストンには、
油通路の途中に位置して前記ピストン内に移動可能に設
けられ、第1のオリフィス孔と第2のオリフィス孔とが
形成された弁体と、該弁体を一方側に付勢するように前
記ピストン内に設けられた弁ばねとからなる弁機構を設
け、該弁機構は、常時は前記弁ばねにより前記弁体が一
方側に付勢され、前記第1,第2のオリフィス孔によっ
て前記油通路の流路面積を大きくし、前記ピストンの移
動によって生じる圧力により、前記弁ばねに抗して前記
弁体が他方側に移動したときには、前記第2のオリフィ
ス孔からの流れを閉じることによって前記油通路の流路
面積を小さくする構成としたことにある。
【0019】
【作用】上記構成により、ピストンの移動速度が中速域
のときには、弁体の第1,第2のオリフィス孔によって
油通路の流路面積を大きくし、高速域のときには、第2
のオリフィス孔の流れを閉じて油通路の流路面積を小さ
くし、減衰力特性を中速域と高速域とで変化させること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図12に
基づいて説明する。なお、実施例では前述した従来技術
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0021】図中、21はピストンロッド2の小径部2
Aにロックナット14によって固着された本実施例によ
るピストンを示し、該ピストン21は前述した従来技術
のピストン3と同様に油室A,Bに画成するもので、該
ピストン21はピストンロッド2の伸長側に位置し、そ
の外形を形成したピストン本体22と、ピストンロッド
2の縮小側に位置し、該ピストン本体22の底板収容部
22Aに設けられた円盤状の底板23とから構成されて
いる。
【0022】ここで、前記ピストン本体22の軸方向に
は、図2に示すように、内周側に位置して円弧状に4個
穿設された縮小側油穴24,24,…と、外周側に位置
して円弧状に4個穿設された伸長側油穴25,25,…
とが形成されている。また、前記ピストン本体22の上
側端面には、縮小側のディスクバルブ8が着座する環状
の縮小側弁シート26が形成され、該縮小側弁シート2
6の内周側にはディスクバルブ8によって円環状油室2
7が形成され、該円環状油室27内には前記各縮小側油
穴24が開口し、前記縮小側弁シート26の外周側には
前記各伸長側油穴25が開口するようになっている。
【0023】さらに、前記ピストン本体22の下側に
は、同心円状に形成された環状の弁体収容空間28,2
9が形成され、該弁体収容空間28は各縮小側油穴24
と連通し、弁体収容空間29は各伸長側油穴25と連通
するようになる。
【0024】一方、前記底板23の軸方向には、図3に
示すように、内周側に位置して円弧状に4個穿設され、
前記弁体収容空間28と連通する縮小側油穴30,3
0,…と、外周側に位置して円弧状に4個穿設され、前
記弁体収容空間29と連通する伸長側油穴31,31,
…とが形成されている。また、前記底板23の側には、
伸長側のディスクバルブ9が着座する4個の台形部32
A,32A,…からなる伸長側弁シート32が形成さ
れ、該伸長側弁シート32の各台形部32A内にはディ
スクバルブ9によって台形油室33,33,…が形成さ
れ、該各台形油室33内には前記各伸長側油穴31がそ
れぞれ開口するようになっている。
【0025】34は縮小側油通路を示し、該縮小側油通
路34は前記ピストン本体22に形成された各縮小側油
穴24,弁体収容空間28および底板23に形成された
各縮小側油穴30とからなる。なお、ピストン本体22
に形成された各縮小側油穴24の位置と底板23に形成
された各縮小側油穴30の位置は同じ位置となるように
図示しない廻り止めによって保持されている。
【0026】35は伸長側油通路を示し、該伸長側油通
路35は前記ピストン本体22に形成された各伸長側油
穴25,弁体収容空間29および底板23に形成された
各伸長側油穴31とからなる。なお、ピストン本体22
に形成された各伸長側油穴25の位置と底板23に形成
された各伸長側油穴31の位置は同じ位置となるように
図示しない廻り止めによって保持されている。
【0027】36は縮小側の弁機構を示し、該弁機構3
6は前記弁体収容空間28内に摺動可能に収容された弁
体としての環状プレート37と、該環状プレート37を
縮小側(下側)に付勢する弁ばね38とから構成されて
いる。ここで、前記環状プレート37は図4,図5およ
び図8に示すように、薄板状のリング部37Aと、該リ
ング部37Aの全周に亘って形成された環状凹部37B
と、該環状凹部37Bの逆側に位置して、前記リング部
37Aに45度毎に交互に伸長側(上側)に向けて突出
形成された円弧状弁部37C,37C,…と、該各円弧
状弁部37Cの内周側に位置して形成され、弁ばね38
が付勢するばね受部37Dとからなっている。
【0028】39,39,…は第1のオリフィス孔を示
し、該各第1のオリフィス孔39は前記環状プレート3
7に突出された各円弧状弁部37C内に位置し、3個ず
つ厚さ方向に穿設されている。
【0029】40,40,…は第2のオリフィス孔を示
し、該各第2のオリフィス孔40は前記環状プレート3
7の各円弧状弁部37Cの形成されていないリング部3
7Aに位置し、3個づつ厚さ方向に穿設されている。
【0030】なお、前記オリフィス孔39,40の径寸
法は第1のオリフィス孔39の方が小さくなっている。
【0031】さらに、各オリフィス孔39,40の合計
開口面積S01は、縮小側油穴24(30)の開口面積S
1 (S2 )より小さくなっている。
【0032】このように構成される縮小側の弁機構36
においては、ピストン21の縮小速度が低,中速域の場
合には、図9に示すように、縮小側油通路34を介して
環状プレート37に加わる油圧(油室A,Bの差圧)よ
りも弁ばね38の付勢力の方が勝っているから、該環状
プレート37は底板23に付勢したままの状態であり、
縮小側油通路34を流れる油液は環状プレート37の第
1,第2のオリフィス孔39,40を流通する。これに
より、縮小側油通路34の流路面積を大きく確保して、
油室Aからの油液を油室Bに流通させる。
【0033】一方、縮小速度が高速域の場合には、図1
0に示すように、縮小側油通路34を介して環状プレー
ト37に加わる油圧(油室A,Bの差圧)が弁ばね38
の付勢力よりも勝り、該環状プレート37は弁体収容空
間28内を摺動して、各円弧状弁部37Cが弁体収容空
間28の底部に当接して閉弁する。このとき、各円弧状
弁部37Cに対応する位置が各縮小側油穴24となって
いるから、縮小側油通路34を流れる油液は環状プレー
ト37の第1のオリフィス孔39のみを流通する。これ
により、縮小側油通路34の流路面積を小さくして、油
室Aからの油液を油室Bに流通させる。
【0034】41は伸長側の弁機構を示し、該弁機構4
1は前記弁体収容空間29内に摺動可能に収容された弁
体としての環状プレート42と、該環状プレート42を
伸長側(上側)に付勢する弁ばね43とから構成されて
いる。ここで、前記環状プレート42は図6,図7およ
び図8に示すように、薄板状のリング部42Aと、該リ
ング部42Aの全周に亘って形成された環状凹部42B
と、該環状凹部42Bの逆側に位置して、前記リング部
42Aに45度毎に交互に縮小側(下側)に突出形成さ
れた円弧状弁部42C,42C,…と、該各円弧状弁部
42Cの外周側に位置して形成され、弁ばね43が付勢
するばね受部42Dとからなる。
【0035】44,44,…は第1のオリフィス孔を示
し、該各第1のオリフィス孔44は前記環状プレート4
2に突出形成された各円弧状弁部42C内に位置し、3
個ずつ厚さ方向に穿設されている。
【0036】45,45,…は第2のオリフィス孔を示
し、該各第2のオリフィス孔45は前記環状プレート4
2の各円弧状弁部42Cの形成されていないリング部4
2Aに位置し、3個ずつ厚さ方向に穿設されている。
【0037】なお、前記オリフィス孔44,45の径寸
法は第1のオリフィス孔44の方が小さくなっている。
【0038】さらに、各オリフィス孔44,45の合計
開口面積S02は、伸長側油穴25(31)の開口面積S
3 (S4 )より小さくなっている。
【0039】このように構成される伸長側の弁機構41
においては、ピストン21の伸長速度が低,中速域の場
合には、図11に示すように、伸長側油通路35を介し
て環状プレート42に加わる油圧(油室A,Bの差圧)
よりも弁ばね43の付勢力の方が勝っているから、該環
状プレート42は弁体収容空間29の底部に付勢したま
まで、伸長側油通路35を流れる油液は環状プレート4
2の第1,第2のオリフィス孔44,45を流通する。
これにより、伸長側油通路35の流路面積を大きく確保
して、油室Bからの油液を油室Aに流通させる。
【0040】一方、伸長速度が高速域の場合には、図1
2に示すように、伸長側油通路35を介して環状プレー
ト42に加わる油圧(油室A,Bの差圧)が弁ばね43
の付勢力よりも勝り、該環状プレート42は弁体収容空
間29内を摺動して、各円弧状弁部42Cが底板23に
当接して閉弁する。このとき、各円弧状弁部42Cに対
応する位置が各伸長側油穴31となっているから、伸長
側油通路35を流れる油液は環状プレート42の第1の
オリフィス孔44のみを流通する。これにより、伸長側
油通路35の流路面積を小さくして、油室Bからの油液
を油室Aに流通させる。
【0041】かくして、本実施例による油圧緩衝器は、
前述した如く、ピストン21に油室A,Bを連通するよ
うに形成した縮小側油通路34または伸長側油通路35
の途中に、流路面積をピストン21の移動速度が高速域
になったときに、流路面積を小さくする弁機構36,4
1を設けているから、図14に示す特性線C2 ,E2の
ような減衰力特性を得ることができる。
【0042】即ち、ピストン21の縮小速度が低速域の
ときには、前述したように、図9の如く、弁機構36の
環状プレート37に加わる油室A,Bの差圧は弁ばね3
8の付勢力に抗して作用するが、低速域においては弁ば
ね38のばね力よりも大きくならない。このため、環状
プレート37は底板23に付勢したままの状態(開弁状
態)であるから、縮小側油通路34を流れる油液は環状
プレート37の第1,第2のオリフィス孔39,40を
流通し、縮小側油通路34の流路面積を大きく確保し
て、油液が油室Bに流出するときに、縮小側のディスク
バルブ8が撓むことによって、図14中の特性線C2 の
低速域における小さい減衰力特性を発生させる。
【0043】さらに、ピストン21の縮小速度が高速域
のときには、図10の如く、縮小側油通路34を介して
環状プレート37に加わる油室A,Bの差圧が弁ばね3
8の付勢力よりも大きくなり、該環状プレート37は弁
体収容空間28内を摺動して、各円弧状弁部37Cが弁
体収容空間28の底部に当接して閉弁する。このとき、
縮小側油通路34を流れる油液は環状プレート37の第
1のオリフィス孔39のみが流通し、縮小側油通路34
の流路面積を小さくでき、図14中の特性線C2 の高速
域における大きい減衰力特性を発生させることができ
る。
【0044】一方、ピストン21の伸長速度が低速域の
ときにおいても同様に、図11のように、開弁状態とし
て伸長側油通路35を流れる油液は環状プレート42の
第1,第2のオリフィス孔44,45を流通し、伸長側
油通路35の流路面積を大きく確保して、油液が油室A
に流出するときに、伸長側のディスクバルブ9が撓むこ
とによって、図14中の特性線E2 の低速域における小
さい減衰力特性を発生させる。
【0045】さらに、ピストン21の伸長速度が高速域
のときにおいても同様に、図12のように、閉弁状態と
して伸長側油通路35を流れる油液は環状プレート42
の第1のオリフィス孔44のみが流通し、伸長側油通路
35の流路面積を小さくでき、図14中の特性線E2 の
高速域における大きい減衰力特性を発生させる。
【0046】この結果、本実施例における油圧緩衝器で
は、図14の実線で示す特性線C2,E2 の如く、ピス
トンの移動速度に基づいて減衰力特性を大きく変化させ
ることができ、ピストン21の高速域における大きな減
衰力を得ることができる。
【0047】なお、前記実施例では、ピストン21に縮
小側の弁機構36と伸長側の弁機構41の両方を設ける
ようにしたが、本発明はこれに限らず、伸長側または縮
小側のどちらか一方だけを設けるようにしてもよい。
【0048】また、環状プレート37,42には複数個
の第1,第2のオリフィス39,40,44,45を形
成したが、本発明はこれに限らず、円弧状弁部37C,
42Cに1個づつのオリフィスを形成するようにしても
よい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明による油圧緩
衝器のピストンには、油通路の途中に位置して前記ピス
トン内に移動可能に設けられ、第1のオリフィス孔と第
2のオリフィス孔とが形成された弁体と、該弁体を一方
に付勢するように前記ピストン内に設けられた弁ばねと
からなる弁機構を設け、該弁機構は、常時は前記弁ばね
により前記弁体が一方側に付勢され、前記第1,第2の
オリフィス孔による前記油通路の流路面積を大きくし、
前記ピストンの移動によって生じる圧力により、前記弁
ばねに抗して前記弁体が他方側に移動したときには、前
記第2のオリフィス孔からの流れを閉じることによって
前記油通路の流路面積を小さくする構成としたから、ピ
ストンの移動速度が中速域のときには、弁体の第1,第
2のオリフィス孔によって油通路の流路面積を大きくし
て小さい減衰力特性を発生でき、高速域のときには、第
2のオリフィス孔の流れを閉じて油通路の流路面積を小
さくして大きい減衰力特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す油圧緩衝器の要部縦断面
図である。
【図2】ピストンの縮小側端面を示す平面図である。
【図3】ピストンの伸長側端面を示す平面図である。
【図4】縮小側の弁機構を構成する環状プレートの平面
図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向からみた断面図であ
る。
【図6】伸長側の弁機構を構成する環状プレートの平面
図である。
【図7】図6中の矢示VII −VII 方向からみた断面図で
ある。
【図8】ピストン本体に環状プレートを組立てる前の状
態を示す斜視図である。
【図9】ピストンロッドの縮小速度が中速域のときの減
衰力の発生機構の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】ピストンロッドの縮小速度が高速域のときの
減衰力の発生機構の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図11】ピストンロッドの伸長速度が中速域のときの
減衰力の発生機構の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図12】ピストンロッドの伸長速度が高速域のときの
減衰力の発生機構の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図13】従来技術による油圧緩衝器の要部縦断面図で
ある。
【図14】油圧緩衝器の減衰力特性を示す特性線図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダ 8 縮小側のディスクバルブ 9 伸長側のディスクバルブ 21 ピストン 24,30 縮小側油穴 25,31 伸長側油穴 28,29 弁体収容空間 34 縮小側油通路 35 伸長側油通路 36,41 弁機構 37,42 環状プレート(弁体) 38,43 弁ばね 39,44 第1のオリフィス孔 40,45 第2のオリフィス孔 A,B 油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に
    挿嵌され、該シリンダ内を2つの油室に画成したピスト
    ンと、該ピストンに形成され、前記各油室間を連通する
    油通路と、該油通路を開,閉するように、前記ピストン
    の端面に設けられたディスクバルブとからなる油圧緩衝
    器において、前記ピストンには、前記油通路の途中に位
    置して前記ピストン内に移動可能に設けられ、第1のオ
    リフィス孔と第2のオリフィス孔とが形成された弁体
    と、該弁体を一方側に付勢するように前記ピストン内に
    設けられた弁ばねとからなる弁機構を設け、該弁機構
    は、常時は前記弁ばねにより前記弁体が一方側に付勢さ
    れ、前記第1,第2のオリフィス孔によって前記油通路
    の流路面積を大きくし、前記ピストンの移動によって生
    じる圧力により、前記弁ばねに抗して前記弁体が他方側
    に移動したときには、前記第2のオリフィス孔からの流
    れを閉じることによって前記油通路の流路面積を小さく
    する構成としたことを特徴とする油圧緩衝器。
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