JPH07167043A - ピストン型液圧装置 - Google Patents

ピストン型液圧装置

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JPH07167043A
JPH07167043A JP5317989A JP31798993A JPH07167043A JP H07167043 A JPH07167043 A JP H07167043A JP 5317989 A JP5317989 A JP 5317989A JP 31798993 A JP31798993 A JP 31798993A JP H07167043 A JPH07167043 A JP H07167043A
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JP
Japan
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piston
cylinder
bias
yoke
swash plate
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Application number
JP5317989A
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English (en)
Inventor
Takamasa Yoshinari
考正 吉成
Takashi Sumita
隆 住田
Hiroaki Odajima
広明 小田島
Kazuyuki Kihara
和幸 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/025Boron
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

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  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動液中の異物の影響を受けにくくし、耐摩
耗性,耐凝着性,耐焼付き性,耐蝕性等を向上させる。 【構成】 斜板5を保持するヨーク8の搖動軸8aと軸
受9との摺接面8b,9a、制御ピストン10と制御ピ
ストンロッド11との摺接面10a,11b及びバイア
スピストン12とバイアスピストンロッド13との摺接
面12a,13bのそれぞれの少なくとも一方の面に、
高い表面硬度を有する厚さ20〜100μmのFe2
層を溶融塩浸漬法によって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダブロックの
回転に伴いピストンを往復運動させて流体の吸入及び吐
出を行うピストンポンプや、流体圧によってピストンを
往復運動させ、このピストンの往復運動をシリンダブロ
ックの回転に変換するピストンモータ等のピストン型液
圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種のピストン型液圧装置と
しては、斜板式あるいは斜軸式のピストンポンプやピス
トンモータ等が知られている。ピストンポンプは、いず
れの形式のものであっても、装置本体内に回転自在に装
着されたシリンダブロックの中心から同一ピッチ円上に
その中心軸と平行に複数のシリンダ部が設けてあり、シ
リンダブロックの回転に伴い上記シリンダ部内でそれぞ
れのピストンが往復運動して流体を吸入及び吐出する構
造となっている。
【0003】斜板式のピストンポンプでは、各ピストン
の一方の端部が斜板面に摺接しながら公転することによ
ってピストンの往復運動を行わせている。この時、その
吐出工程ではピストンが吐出圧力によって斜板に押圧さ
れ、吸入工程では、斜板と摺接するシュープレートがピ
ストンの一端に装着されたピストンシューを引張って斜
板面に沿わせている。斜板は駆動軸に垂直なトラニオン
方式又はクレードル方式の搖動軸の回りに搖動可能なヨ
ークに保持されており、このヨークの傾きを制御ピスト
ン及びバイアスピストンによって制御して斜板の角度を
変化させることによりポンプ容量を変えることができ
る。
【0004】一方、斜軸式のピストンポンプでは、シリ
ンダブロックと回転伝達軸とがユニバーサルリンクによ
って相対角度可変に連結され、回転伝達軸の端部に設け
たピストン案内板とピストンとはピストンロッドで連結
され、シリンダブロックと回転伝達軸との傾きによって
ピストンを往復運動させている。
【0005】そして、斜板式及び斜軸式のいずれのピス
トンポンプにおいても、各ピストンは公転中の半回転間
は吸い込み方向に、残りの半回転は吐出方向にストロー
ク運動することになる。したがって、装置本体のシリン
ダブロックに摺接する端面にシリンダブロックのシリン
ダ部に対応したピッチ円上に流体供給用と流体排出用の
キドニーポートを有する弁板を固設することにより、連
続的なポンプ作用を得ることができる。また、制御ピス
トンに圧液を導くことによりヨークが搖動し、バイアス
ピストンとのモーメントの釣合いで定められるヨークの
傾転角により、液圧ポンプの吐出流量が決定される。
【0006】このような制御ピストン及び制御ピストン
ロッド(または制御シリンダ)とバイアスピストン及び
バイアスピストンロッド(またはバイアスシリンダ)
は、ポンプ吐出圧力仕様が例えば30MPa以上の高圧
域では耐凝着性や耐焼付性の良好な銅合金を摺動部に圧
入する場合もあるが、一般には低炭素鋼を浸炭熱処理等
の表面処理をして使用している。
【0007】さらに、斜板を保持するヨークの搖動軸の
軸受材は、トラニオン方式の搖動軸には、ころ軸受や樹
脂系の滑り軸受を、クレードル方式の軸受には銅合金や
樹脂系の滑り軸受を用いるものや軸受面に軟窒化や浸炭
等の表面処理をしたものをそれぞれ用いている。
【0008】なお、ピストンモータの構造はピストンポ
ンプとほぼ同様であって作動原理が逆となる。すなわ
ち、シリンダブロックのシリンダ部内に供給した作動流
体の圧力によってピストンを往復運動させ、このピスト
ンの運動をシリンダブロックの回転に変換するものであ
る。
【0009】このようなピストン型液圧装置において
は、ヨークの搖動軸とその軸受の摺動部が軸受面を構成
している。ヨークの搖動軸はその構造上ピストンの全荷
重を受けることになり、例えば30MPa以上の高圧域
においてはきわめて高い荷重を受ける。また、容量変化
の高応答化を達成するには搖動軸の軸受面は高速且つ高
荷重で摺動することになる。一方、制御ピストン及びバ
イアスピストンはそれぞれの摺動部が軸受面を構成する
と共にシール面も構成していていずれも耐摩耗性,耐凝
着性,耐焼付性等が要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のピストン型液圧装置の上述した各摺動部の材
質や表面処理では、高圧域における作動液中の異物に対
しての抵抗力が弱くて摩耗が進行しやすく、特に、30
MPa以上の高圧域における高速摺動時には、現行の摺
動材では負荷容量の限界値付近となって凝着,焼付きや
異常摩耗等が発生するおそれがあった。また、ヨークの
搖動軸の軸受に多用されている銅合金や樹脂系の材料
は、作動液の種類によっては耐蝕性の面で問題があっ
た。この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、
作動液中の異物の影響を受けにくくし、耐摩耗性,耐凝
着性,耐焼付き性,耐蝕性等を向上させることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、装置本体と、この装置本体の内部に回転
自在に組み込まれ且つ回転伝達軸の回転に同動するシリ
ンダブロックと、このシリンダブロックの中心から同一
ピッチ円上にその中心軸と平行に設けられた複数のシリ
ンダ部と、これらのシリンダ部へそれぞれ摺動自在に挿
入されたピストン部材と、これらのピストン部材の一端
に摺接し上記シリンダブロックの回転に伴って上記ピス
トン部材を上記シリンダ部内で往復運動させる斜板と、
この斜板を保持し上記シリンダブロックの中心軸に直交
する搖動軸の回りを搖動回転することにより上記斜板の
傾きを変化させるヨークと、このヨークの上記搖動軸を
回転自在に軸支する軸受とを備えた斜板式のピストン型
液圧装置において、上記搖動軸及び上記軸受の互いに摺
接する面の少なくとも一方にFe2 B層を形成したピス
トン型液圧装置を提供するものである。
【0012】また、装置本体と、この装置本体の内部に
回転自在に組み込まれ且つ回転伝達軸の回転に同動する
シリンダブロックと、このシリンダブロックの中心から
同一ピッチ円上でその中心軸と平行に設けられた複数の
シリンダ部と、これらのシリンダ部へそれぞれ摺動自在
に挿入されたピストン部材と、これらのピストン部材の
一端に摺接し上記シリンダブロックの回転に伴って上記
ピストン部材を上記シリンダ部内で往復運動させる斜板
と、この斜板を保持し上記シリンダブロックの中心軸と
直交する搖動軸の回りに搖動回転可能なヨークと、この
ヨークを介して上記斜板の傾きを制御する制御ピストン
及びバイアスピストンと、これらの制御ピストン及びバ
イアスピストンをそれぞれ摺動自在に支持する制御ピス
トンロッド及びバイアスピストンロッドを備えた斜板式
のピストン型液圧装置において、上記制御ピストン及び
上記制御ピストンロッドの互いに摺接する面の少なくと
も一方にFe2 B層を形成したピストン型液圧装置も提
供する。
【0013】上記ピストン型液圧装置において、上記バ
イアスピストン及び上記バイアスピストンロッドの互い
に摺接する面の少なくとも一方にFe2 B層を形成する
とよい。
【0014】さらに、装置本体と、この装置本体の内部
に回転自在に組み込まれ且つヨークとバルブブロックと
の結合体により保持されたシリンダブロックと、このシ
リンダブロックの中心から同一ピッチ円上でその中心軸
と平行と平行に設けられた複数のシリンダ部と、これら
のシリンダ部へそれぞれ摺動自在に挿入されたピストン
部材と、これらのピストン部材の一端にピストンロッド
を介して連結され上記シリンダブロックの回転に伴って
上記ピストン部材を上記シリンダ部内で往復運動させる
ピストン案内板と、上記ヨークの傾きを制御する制御シ
リンダ及びバイアスシリンダにそれぞれ摺動自在に装着
された制御ピストン及びバイアスピストンとを備えた斜
軸式のピストン型液圧装置において、上記制御シリンダ
及び制御ピストンの互いに摺接する面の少なくとも一方
にFe2 B層を形成したピストン型液圧装置も提供す
る。
【0015】上記ピストン型液圧装置において、上記バ
イアスシリンダ及びバイアスピストンの互いに摺接する
面の少なくとも一方にFe2 B層を形成するとさらによ
い。なお、上記の各ピストン型液圧装置において、Fe
2 B層の厚さの最大値をそれぞれ20〜100μmとす
るのが好ましい。
【0016】
【作用】この発明によるピストン型液圧装置は、その各
摺動部を構成する鉄系金属の表面にボロン(硼素)処理
によりFe2 B層を形成することにより、従来の窒化や
浸炭あるいは焼入れでは得られない表面硬度(例えばH
v1400〜Hv2000)をその摺接面に付与するこ
とができる。その結果、斜板を保持するヨークの搖動軸
とその軸受とのようにきわめて高い荷重を受けて高速で
摺接する面の少なくとも一方にボロン処理を施すことに
より、耐摩耗性が飛躍的に向上すると共に、Fe2 B層
が不活性層であることにより耐凝着性,耐焼付性,耐蝕
性等にも優れた性能を得ることができる。
【0017】また、上記のボロン処理を斜板式液圧装置
の制御ピストンと制御ピストンロッドとの摺接面あるい
はバイアスピストンとバイアスピストンロッドとの摺接
面の少なくとも一方の面にも施すようにすると、これら
の摺接面における耐摩耗性,耐凝着性,耐焼付性,耐蝕
性も向上して液圧装置の寿命を大幅に延長させることが
可能になる。
【0018】さらに、斜軸式のピストン型液圧装置にお
いて、制御シリンダ及び制御ピストンあるいはバイアス
シリンダ及びバイアスピストンの互いに摺接する面の少
なくとも一方にボロン処理を施すと、これらの摺接面が
作動液中の異物に対する抵抗力が増大し、対摩耗性が著
しく向上すると共に、耐凝着性,耐焼付性,耐蝕性にも
優れた性能を得ることができる。
【0019】そして、これらのFe2 B層は、各摺接部
の円筒度,表面粗さ及びボロン浸透度のばらつきを考慮
すると、その厚さは最低20μmは必要となる。また、
その厚さの最大値が100μmを超えると母材との境界
層に不純物が多くなって剥離を生ずるおそれがあり、F
2 B層の厚さの最大値は20〜100μmとするのが
好ましい。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1は、この発明の第1実施例である
斜板式ピストンポンプの縦断面図、図2はそのクレード
ル方式のヨークを示すもので(a)は側面図、(b)は
正面図である。
【0021】まず、図1を参照して、装置本体(ボデ
ィ)1の内部には、シリンダブロック2を回転自在に組
み込んであり、このシリンダブロック2の中心軸A上に
回転伝達軸3を連結し、図示しない駆動モータからの回
転力を上記回転伝達軸3を介してシリンダブロック2に
伝達する。シリンダブロック2の中心から円一ピッチ円
上には、その中心軸Aと平行で且つ等間隔に複数のシリ
ンダ部2aを設け、これらのシリンダ部2aにはそれぞ
れピストン部材4を摺動自在に挿入してある。
【0022】また、装置本体1の内部には、シリンダブ
ロック2の中心軸Aに対して任意の傾きをもたせて斜板
5を設けてあり、各ピストン部材4の一端に形成した球
状部4aは、環状のシュープレート6によって連結され
るピストンシュー7に搖動自在にかしめられて斜板5に
摺接している。
【0023】斜板5を一体的に保持するクレードル方式
のヨーク8は、図2の(a),(b)に示すように、その
搖動軸8a,8aを装置本体1に一体的に形成された軸
受9に搖動自在に摺接し、図1に示すシリンダブロック
2の中心軸Aに直交する回転中心線X(搖動軸8aの中
心線)の回りを搖動回転する。
【0024】また、図1において装置本体1の上部には
制御ピストン10が装置本体1に固設された制御ピスト
ンロッド11に摺動自在に装着され、制御ピストン10
の一端はヨーク8の上端部に圧接されている。また、装
置本体1の下部にはバイアスピストン12が固定のバイ
アスピストンロッド13に摺動自在に装着され、バイア
スピストン12の一端はヨーク8の下端部にばね14の
付勢力によって圧接されている。図3はその制御ピスト
ン10、図4はその制御ピストンロッド11、図5はそ
のバイアスピストン12、図6はそのバイアスピストン
ロッド13をそれぞれ示す縦断面図である。
【0025】さらに、装置本体1の端面には、弁板14
が固設してある。この弁板14は、シリンダブロック2
の端面と摺接しており、シリンダブロック2の軸受けと
共にそのシリンダ部2aに供給する流体のシール部を形
成している。弁板15には、シリンダ部2aと対峙する
ピッチ円上に流体供給孔である吸込み側キドニーポート
と流体排出孔である吐出し側キドニーポート(いずれも
図示しない)が設けてある。
【0026】以上はクレードル方式のヨークを有するピ
ストンポンプの例を示したが、図7に示すトラニオン方
式のヨーク18を有するものは、ヨーク18の両端に延
びた円筒部18a,18aの内周軸受面18bを装置本
体1に固設された軸19′で搖動自在に軸支するように
したものであり、その他の構成は図1に示す第1実施例
と同様である。
【0027】図8は上記の斜板式ピストンポンプの作動
原理を示す説明図である。制御ピストンロッド11内に
形成された油路11aには、図示しない制御装置により
制御された圧力を有する圧液が供給されて制御ピストン
10をヨーク8の上部に押圧する。また、バイアスピス
トンロッド13内に形成された油路13aにはポンプ吐
出圧力が作用してバイアスピストン12をばね14と共
にヨーク8の下部に押圧する。このように、制御ピスト
ン10に圧液を導くことでヨーク8が搖動し、バイアス
ピストン12のモーメントとの釣合いで定まるヨーク8
の傾転角によってポンプの吐出流量が決定される。
【0028】これまでの構成は通常の斜板式ピストンポ
ンプと同様であるが、この実施例では図1乃至図6に示
すように、ヨーク8の搖動軸8とその軸受9との摺接面
8b,9a、制御ピストン10と制御ピストンロッド1
1との摺接面10a,11b及びバイアスピストン12
とバイアスピストンロッド13との摺接面12a,13
bにそれぞれFe2 B層を形成する。このFe2 B層
は、上記各摺接面のいずれか一方又は双方に形成する。
【0029】Fe2 B層は、金属表面に溶融塩浸漬法に
よってボロンを浸透させることにより低コストで形成す
ることができる。図9はポンプ構成部材のような鉄系金
属からなる母材100の表面に溶融塩浸漬法によってF
2 B層200を形成した組織状態を高倍率に拡大して
示す断面図である。このように溶融塩浸漬法によってF
2 B層を形成した場合、母材100に対してくさび状
にFe2 B層200が形成されて容易に剥離することは
ない。
【0030】また、このように形成したFe2 B層は、
上記の各摺接部の円筒度、表面粗さ及びボロンの浸透深
さのばらつきを考慮して、少くとも図9で最大厚さ(深
さ)tが20μm以上であることが好ましい。一方、最
大厚さが100μmを超えると母材との境界層に不純物
が多くなって剥離が生じやすくなるので、Fe2 B層の
最大厚さは100μm以下とすることが好ましい。
【0031】次に、図10はこの発明の第2実施例であ
る斜軸式ピストンポンプの構成を示す縦断面図である。
この斜軸式ピストンポンプでは、装置本体21内に組み
込まれたシリンダブロック22と回転伝達軸23とがユ
ニバーサルリンク40によって連結されており、シリン
ダブロック22の中心軸に対して回転伝達軸23を任意
の傾きをもたせている。
【0032】そして、回転伝達軸23の端部に設けたピ
ストン案内板41と、ピストン部材24の一端部とをピ
ストンロッド42で連結し、上記シリンダブロック22
と回転伝達軸23の傾きによって、ピストン部材24を
往復運動させるようになっている。シリンダブロック2
2はヨーク28とバルブブロック43との結合体により
保持され、シリンダブロック22の端面には図1に示し
た前実施例と同様な弁板35を摺接させて設けてある。
【0033】ヨーク28は、図11にその詳細を示すよ
うに、装置本体21に固設された制御シリンダ30に摺
動自在に挿着された制御ピストン31と、同じく装置本
体21に固設されたバイアスシリンダ32に摺動自在に
装着されたバイアスピストン33とによってその傾転角
が定められ、バイアスピストン33の一端はベビーピス
トン33Aに圧接されており、このベビーピストン33
Aの受圧面積より制御ピストン33の受圧面積の方が大
きく設定してある。
【0034】制御シリンダ30には、ポンプ吐出圧力が
コンペンセータ44とチェック弁45とを介して導入さ
れ、制御ピストン31を図11で右方に移動させる。そ
して、ポンプ吐出圧力がコンペンセータ設定圧に近づく
と、スプール46を上方に押し上げてその通路面積が絞
り込まれる。一方、バイアスシリンダ32はポンプ吐出
圧力がそのまま導入され、ベビーピストン33Aを介し
てバイアスピストン33を右方へ移動させる。そして、
バイアスピストン33と制御ピストン31のモーメント
の釣合いによりヨーク28の傾きが制御され、ヨーク2
8の傾転角が大きくなるほどポンプ吐出量が増大する。
なお、上記のチェック弁45は、制御ピストン31が右
方に移動する時は自由で左方に移動する時には閉じて移
動端でクッションが効くようにするためのものである。
【0035】上記のような構成からなる斜軸式ピストン
ポンプにおいても、制御シリンダ30と制御ピストン3
1の互いに摺接する面30a,31a及びバイアスシリ
ンダ32とバイアスピストン33の互いに摺接する面3
2a,33aの一方又は双方にそれぞれ最大厚さが20
〜100μmのFe2 B層を形成する。これによって制
御シリンダ30と制御ピストン31間及びバイアスシリ
ンダ32とバイアスピストン33間の摺動面が作動液中
の異物に対して抵抗力が強くなって摩耗しにくくなると
共に、Fe2 B層は不活性層であるので耐凝着性が向上
し、耐摩耗性,耐焼付き性,耐蝕性の優れた摺動面を得
ることができる。
【0036】なお、上記の各実施例においては、制御ピ
ストン10と制御ピストンロッド11の摺接面及びバイ
アスピストン12とバイアスピストンロッド13の摺接
面の双方あるいは制御シリンダ30と制御ピストン31
の摺接面及びバイアスシリンダ32とバイアスピストン
33の摺接面の双方にFe2 B層を形成したが、これら
は制御側又はバイアス側のいずれか一方でも差支えな
い。また、これらの制御ピストンやバイアスピストン等
を設けず他の方法でヨークの傾転角を制御するものであ
っても、ヨークの搖動軸とその軸受との摺接面にFe2
B層を形成するのが好ましい。
【0037】さらに、上述した各実施例では、この発明
を斜板式及び斜軸式のピストンポンプに実施した場合に
ついて説明したが、この発明はそれに限られるものでは
なく、これらのピストンポンプと同様の構成からなるピ
ストンモータについても何等支障なく実施することがで
きる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による請求
項1のピストン型液圧装置は、高速且つ高荷重で摺動す
るヨークの搖動軸とその軸受との摺接面の少なくとも一
方にきわめて高い表面硬度を有するFe2 B層を形成し
たので、高圧での耐摩耗性を大幅に向上させることが可
能になる。
【0039】また、このFe2 B層は不活性層であるの
で、耐凝着性や耐焼付き性,耐蝕性等においてもきわめ
て優れた効果をあげることができる。そして、上記のF
2 B層は金属表面に溶融塩法でボロンを浸透させるこ
とにより形成することができるので、きわめて低コスト
ですむ。
【0040】また、請求項2のピストン型液圧装置は、
ヨークを介して斜板の傾きを制御する制御ピストンとこ
の制御ピストンを摺動自在に支持する制御ピストンロッ
ドとの摺接面の少なくとも一方にFe2 B層を形成した
ので、作動液中の異物の影響を受けにくいヨークの駆動
装置を得ることができ、請求項3のピストン型液圧装置
では、上記の構成に加えてバイアスピストンとバイアス
ピストンロッドとの摺接面の少なくとも一方にもFe2
B層を形成したので、耐摩耗性,耐凝着性,耐焼付き
性,耐蝕性等の一層向上したヨークの駆動装置を構成す
ることができて、きわめて耐久性の良好な斜板式ピスト
ン型液圧装置を得ることができる。
【0041】さらに、請求項4のピストン型液圧装置
は、斜軸式のピストンポンプ又はピストンモータにおい
て、ヨークの傾きを制御する制御ピストンとこの制御ピ
ストンを摺動自在に支持する制御シリンダの摺動面の少
なくとも一方にFe2 B層を形成したので、この場合も
耐摩耗性,耐凝着性,耐焼付き性,耐蝕性に優れたヨー
クの駆動装置を得ることができ、請求項5のピストン型
液圧装置においては、上記の構成に加えてバイアスピス
トンとバイアスシリンダとの摺接面の少なくとも一方に
Fe2 B層を形成したので、一層耐久性に優れたヨーク
の駆動装置を得ることができて斜軸式ピストン型液圧装
置の寿命を著しく延長させることが可能になる。
【0042】そして、請求項6のピストン型液圧装置
は、これらの装置におけるFe2 B層の厚さが20〜1
00μmであるようにしたので、Fe2 B層を形成した
上記各部材の各摺接部の円筒度,表面粗さ及びボロン浸
透度のばらつきを考慮しても各摺接面に確実にFe2
層を形成することができると共に、母材との境界面に不
純物が混合してFe2 B層が剥離を生ずるおそれがなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す斜板式ピストンポ
ンプの縦断面図である。
【図2】同じくそのクレードル方式のヨークとその軸受
との関係を示す説明図である。
【図3】同じくその制御ピストンの縦断面図である。
【図4】同じくその制御ピストンロッドの縦断面図であ
る。
【図5】同じくそのバイアスピストンの縦断面図であ
る。
【図6】同じくそのバイアスピストンロッドの縦断面図
である。
【図7】斜板式ピストンポンプのトラニオン方式のヨー
クとその軸との関係を示す説明図である。
【図8】斜板式ピストンポンプの作動原理を示す説明図
である。
【図9】母材表面に形成したFe2 B層の組織状態を拡
大して示す断面図である。
【図10】この発明の第2実施例を示す斜軸式ピストン
ポンプの縦断面図である。
【図11】斜軸式ピストンポンプの作動原理を示す説明
図である。
【符号の説明】
1,21:装置本体 2,22:シリンダブロック 3,23:回転伝達軸 4,24:ピストン部材 5:斜板 8,28:ヨーク 8a:ヨークの搖動軸 9:軸受 10,31:制御ピストン 11:制御ピストンロッド 12,33:バイアスピストン 13:バイアスピストンロッド 30:制御シリンダ 32:バイアスシリンダ 40:ユニバーサルリンク 41:ピストン案内板 42:ピストンロッド 43:バルブブロック 44:コンペンセータ 45:チェック弁 A:中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 和幸 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体と、該装置本体の内部に回転自
    在に組み込まれ且つ回転伝達軸の回転に同動するシリン
    ダブロックと、該シリンダブロックの中心から同一ピッ
    チ円上にその中心軸と平行に設けられた複数のシリンダ
    部と、これらのシリンダ部へそれぞれ摺動自在に挿入さ
    れたピストン部材と、これらのピストン部材の一端に摺
    接し前記シリンダブロックの回転に伴って前記ピストン
    部材を前記シリンダ部内で往復運動させる斜板と、該斜
    板を保持し前記シリンダブロックの中心軸と直交する搖
    動軸の回りを搖動回転することにより前記斜板の傾きを
    変化させるヨークと、該ヨークの前記搖動軸を回転自在
    に軸支する軸受とを備えた斜板式のピストン型液圧装置
    において、 前記搖動軸及び前記軸受の互いに摺接する面の少なくと
    も一方にFe2 B層を形成したことを特徴とするピスト
    ン型液圧装置。
  2. 【請求項2】 装置本体と、該装置本体の内部に回転自
    在に組み込まれ且つ回転伝達軸の回転に同動するシリン
    ダブロックと、該シリンダブロックの中心から同一ピッ
    チ円上でその中心軸と平行に設けられた複数のシリンダ
    部と、これらのシリンダ部へそれぞれ摺動自在に挿入さ
    れたピストン部材と、これらのピストン部材の一端に摺
    接し前記シリンダブロックの回転に伴って前記ピストン
    部材を前記シリンダ部内で往復運動させる斜板と、該斜
    板を保持し前記シリンダブロックの中心軸と直交する搖
    動軸の回りに搖動回転可能なヨークと、該ヨークを介し
    て前記斜板の傾きを制御する制御ピストン及びバイアス
    ピストンと、これらの制御ピストン及びバイアスピスト
    ンをそれぞれ摺動自在に支持する制御ピストンロッド及
    びバイアスピストンロッドとを備えた斜板式のピストン
    型液圧装置において、 前記制御ピストン及び前記制御ピストンロッドの互いに
    摺接する面の少なくとも一方にFe2 B層を形成したこ
    とを特徴とするピストン型液圧装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のピストン型液圧装置にお
    いて、前記バイアスピストン及び前記バイアスピストン
    ロッドの互いに摺接する面の少なくとも一方にFe2
    層を形成したことを特徴とするピストン型液圧装置。
  4. 【請求項4】 装置本体と、該装置本体の内部に回転自
    在に組み込まれ且つヨークとバルブブロックとの結合体
    により保持されたシリンダブロックと、該シリンダブロ
    ックの中心から同一ピッチ円上でその中心軸と平行に設
    けられた複数のシリンダ部と、これらのシリンダ部へそ
    れぞれ摺動自在に挿入されたピストン部材と、これらの
    ピストン部材の一端にピストンロッドを介して連結され
    前記シリンダブロックの回転に伴って前記ピストン部材
    を前記シリンダ部内で往復運動させるピストン案内板
    と、前記ヨークの傾きを制御する制御シリンダ及びバイ
    アスシリンダにそれぞれ摺動自在に装着された制御ピス
    トン及びバイアスピストンとを備えた斜軸式のピストン
    型液圧装置において、 前記制御シリンダ及び制御ピストンの互いに摺接する面
    の少なくとも一方にFe2 B層を形成したことを特徴と
    するピストン型液圧装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のピストン型液圧装置にお
    いて、前記バイアスシリンダ及び前記バイアスピストン
    の互いに摺接する面の少なくとも一方にFe2 B層を形
    成したことを特徴とするピストン型液圧装置。
  6. 【請求項6】 Fe2 B層の厚さが20〜100μmで
    ある請求項1乃至5のいずれか1項に記載のピストン型
    液圧装置。
JP5317989A 1993-12-17 1993-12-17 ピストン型液圧装置 Pending JPH07167043A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2756326A1 (fr) * 1996-11-22 1998-05-29 Toyoda Automatic Loom Works Compresseur a deplacement variable, plateau oscillant et procede permettant de tremper le plateau oscillant

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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