JP5364020B2 - 可変容量型ピストンポンプモータ - Google Patents

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Description

本発明は、可変容量型ピストンポンプモータに関するもので、詳しくは斜板に作用するメインピストンからの押圧力を考慮して動作の安定化を図るように構成した可変容量型ピストンポンプモータに関するものである。
可変容量型のピストンポンプモータは、球状を成す一対の支持体によって傾動可能に支持された斜板の傾転角を制御ピストンによって変化させ、シリンダブロックが回転した場合に斜板に摺接するメインピストンの行程移動距離を変化させるようにしたものである。この種のピストンモータには、メインピストンから斜板に対して作用する圧力を考慮してその動作を安定化させるように構成したものが既に提供されている(例えば、特許文献1参照)。
このピストンポンプモータでは、一対の支持体による斜板の支持中心点、高圧側となる複数のメインピストンから斜板に作用する合力の中心点、制御ピストンによる斜板の支持中心点、さらには斜板を中間の傾転角に保持するための中間制御ピストンによる支持中心点を考慮の対象とし、中間制御ピストンによる支持中心点と一方の支持体による斜板の支持中心点とを結ぶ直線を基準として、動作中に斜板を浮き上がらせるモーメントを小さくするようにそれぞれの位置を設定することにより、動作の安定化を図るようにしている。
特開2003−314438号公報
上記のように構成された可変容量型ピストンポンプモータにあっても、シリンダの圧力が小さい場合やシリンダブロックの回転数が低い場合には、斜板の振動が抑制され、動作が安定化するかもしれない。
しかしながら、シリンダ内部の油が高圧となった場合、あるいはシリンダブロックの回転数が高くなった場合には、依然として動作中に斜板に振動が発生しているのが実情であり、斜板と支持体との間にかじりや焼き付き、騒音の発生を招来する恐れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、より動作の安定化を図ることのできる可変容量型ピストンポンプモータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは、まず、メインピストンから斜板に作用する合力の中心位置について考察し、当該合力の中心が1点ではなく、シリンダブロックの回転、並びに斜板の傾転角によって移動するという事実に着目し、その移動軌跡すべてを考慮の対象とした。さらに、本発明者らは、一対の支持体による支持中心点と制御ピストンによる斜板の支持中心点とを結んだ三角形の範囲を設定し、この三角形の範囲を基準として合力の中心位置を考慮することにより、以下に記載する発明を創作するに至った。
すなわち、本発明に係る可変容量型ピストンポンプモータは、所定の回転軸心を中心としてポンプモータケースに回転可能に配設し、かつ前記回転軸心を中心とした円周上に複数のシリンダを有したシリンダブロックと、前記シリンダブロックのシリンダにそれぞれ移動可能に配設した複数のメインピストンと、前記シリンダブロックにおけるシリンダの開口に対向する位置に一対の球状を成す支持体を介して前記ポンプモータケースに傾動可能に配設し、前記シリンダブロックに対向した摺動面を介して複数のメインピストンの基端部に摺動可能に係合する斜板と、前記ポンプモータケース及び前記斜板の間に介在し、前記斜板の傾転角を制御する制御ピストンとを備え、前記ポンプモータケースに対して前記シリンダブロックが回転した場合に前記斜板の傾転角に応じて前記メインピストンが前記シリンダに対して行程移動する可変容量型ピストンポンプモータにおいて、前記シリンダブロックが回転した場合に作用する前記複数のメインピストンからの合力の中心位置が、前記斜板の傾転角を変化させた場合にも前記摺動面を基準として常に、前記一対の支持体による支持中心点と前記制御ピストンによる支持中心点とを結ぶ三角形の範囲内に位置するようにこれら一対の支持体及び制御ピストンによる支持中心点の位置を設定したことを特徴とする。
また本発明は、上述の可変容量型ピストンポンプモータにおいて、一対の支持体の支持中心点間を結ぶ直線を二等分する鉛直面に対して前記制御ピストンによる支持中心点を、高圧側を支持する支持体の支持中心点に近接する方向にオフセットさせたことを特徴とする。
本発明によれば、シリンダブロックの回転位置や斜板の傾転角によらず、常に、複数のメインピストンからの合力の中心位置が一対の支持体による支持中心点と制御ピストンによる支持中心点とを結ぶ三角形の範囲から逸脱することがないため、いかなる動作状態にあっても斜板が浮き上がるようなモーメントが作用することはなく、シリンダ内部の油が高圧となった場合やシリンダブロックの回転数が高い場合にも斜板に振動が招来される恐れがなくなる。
図1は、本発明の実施の形態である可変容量型ピストンポンプモータの斜板が最大傾転角となった状態の断面側面図である。 図2は、図1に示した可変容量型ピストンポンプモータの断面平面図である。 図3は、図1に示した可変容量型ピストンポンプモータにおいて斜板に作用する複数のメインピストンからの押圧力の合力中心位置が移動する様子を説明するための模式図である。 図4は、図1に示した可変容量型ピストンポンプモータにおいて斜板に作用する複数のメインピストンからの押圧力の合力中心位置を、一対の支持体による支持中心点と制御ピストンによる支持中心点とを結ぶ三角形の範囲内に位置させるための説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る可変容量型ピストンポンプモータの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態である可変容量型ピストンポンプモータを示したものである。ここで例示するピストンポンプモータは、駆動した場合に油を吐出する油圧ポンプとして適用されるもので、ポンプモータケース10の内部にメインシャフト20を備えている。ポンプモータケース10は、ケース本体部11とエンドキャップ部12とを有し、互いの間に収容室13を構成したものである。メインシャフト20は、ポンプモータケース10の収容室13を横断するように配設した柱状部材であり、一方の端部がケース本体部11に回転可能に支持させてあり、他方の端部がエンドキャップ部12に回転可能に支持させてある。メインシャフト20の一方の端部は、油圧ポンプの場合、エンジン等の動力源からの動力を受け入れる入力端部としてケース本体部11の外部に突出している。メインシャフト20の他方の端部は、エンドキャップ部12の内部で終端している。このメインシャフト20には、収容室13に対応する部位の外周に斜板30及びシリンダブロック40が設けてある。
斜板30は、中心部に開口31を有した板状を成す部材であり、その開口31にメインシャフト20を貫通させた状態でケース本体部11の内壁面に近接した位置に配設してある。この斜板30は、一対の球状を成すボールリテーナ(支持体)32を介してケース本体部11の内壁面に支持させてある。ボールリテーナ32は、図2に示すように、それぞれが球面を介して斜板30を支持しており、互いの中心点間を結ぶ直線を傾動中心線として、斜板30をポンプモータケース10に対して傾動させることが可能である。本実施の形態においては、メインシャフト20の回転軸心20Cに対して直交する平面上であって、回転軸心20Cよりも図1において上方にずれた位置にボールリテーナ32による斜板30の傾動中心線(図1中の点32C)が設定してある。回転軸心20Cと各ボールリテーナ32の中心点(以下、「B/R中心点」という)との間の距離は互いに同一であり、回転軸心20Cは、図2に示すように、傾動中心となる直線を二等分する鉛直面(以下、この鉛直面を「分割面A」という)上に位置している。
図には明示していないが、斜板30は、分割面Aに対して左右がほぼ対称であり、エンドキャップ部12の内壁面に対向する部位に第1摺動面(摺動面)33を有する一方、ケース本体部11の内壁面に対向する部位に第2摺動面34を有している。これら第1摺動面33及び第2摺動面34は、分割面A上の回転軸心20Cを基準として傾動中心線32Cから離隔する方向に向かうに従って漸次斜板30の板厚が減少するように、互いに傾斜して設けてある。尚、以下においては便宜上、分割面Aにおいて斜板30の板厚が減少する方向(図1において下方)を単に下方として説明を行う場合がある。
斜板30の第2摺動面34とケース本体部11との間には、図1に示すように、サーボピストン(制御ピストン)50が設けてある。サーボピストン50は、ケース本体部11に設けたサーボスリーブ11aの内部に移動可能に配設したもので、サーボピストンシュー51を介して斜板30の第2摺動面34に当接している。サーボピストンシュー51は、サーボ球状部51aを介してサーボピストン50の先端部に傾動可能に支持させてある一方、サーボ平板部51bを介して第2摺動面34に摺動可能に当接したものである。このサーボピストン50は、ケース本体部11との間に設けたサーボピストンスプリング52の押圧力によって斜板30の第2摺動面34に常時当接した状態にあり、さらにサーボバルブ53からパイロット圧が供給された場合に、傾動中心線32Cを中心として斜板30を傾動させ、メインシャフト20に対する斜板30の傾転角を変更することが可能である。サーボバルブ53は、コントローラ54からの制御信号に応じて動作する電磁比例制御弁である。図3に模式的に示すように、このサーボピストンシュー51は、サーボ球状部51aの中心点(以下、「S/P中心点」という)が上述した分割面Aを基準として一方のボールリテーナ32のB/R中心点に近接する方向にオフセットさせてある。尚、以下においては便宜上、分割面Aに対してS/P中心点をオフセットさせた側を「高圧側」、その逆を「低圧側」と称する場合がある。
シリンダブロック40は、中心孔41を有した円柱状部材であり、中心孔41にメインシャフト20を貫通させた状態でエンドキャップ部12と斜板30との間に配設してある。シリンダブロック40の中心孔41とメインシャフト20の外周面との間は、シリンダブロック40がメインシャフト20と一体に回転するようにスプラインによって結合してある。シリンダブロック40においてメインシャフト20の他端部側に位置する端面は、バルブプレート60を介してエンドキャップ部12の内壁面に当接する一方、斜板30に対向する端面は、収容室13の内部に露出した状態にある。
バルブプレート60は、図2に示すように、吸込ポート61及び吐出ポート62を有した板状部材である。吸込ポート61は、エンドキャップ部12に形成した吸込通路12aに接続してあり、吸込通路12aを通じて油タンクTに接続されている。吐出ポート62は、エンドキャップ部12に形成した吐出通路12bに接続してあり、吐出通路12bを通じて油圧作業機CLに接続してある。図には明示していないが、バルブプレート60の吸込ポート61及び吐出ポート62は、それぞれがメインシャフト20の回転軸心20Cを中心とする同一の円周(PCD)上に設けた円弧状を成すもので、分割面Aを基準として高圧側に吐出ポート62が設けてあり、低圧側に吸込ポート61が設けてある。
このシリンダブロック40には、メインシャフト20の回転軸心20Cを中心とした円周(PCD)上に複数のシリンダ42が形成してある。シリンダ42は、メインシャフト20の回転軸心20Cに平行となる態様で形成した横断面が円形の孔であり、互いに等間隔に配置してある。個々のシリンダ42は、シリンダブロック40において斜板30に対向する端面に開口する一方、バルブプレート60に近接した端部がシリンダブロック40の内部で終端した後、それぞれ細径の連絡ポート43を介してシリンダブロック40の端面に開口している。連絡ポート43の開口は、バルブプレート60の吸込ポート61及び吐出ポート62を形成した円周と同一の円周に設けてあり、回転軸心20Cを中心としてシリンダブロック40が回転した場合に、これら吸込ポート61及び吐出ポート62に対して選択的に連通することが可能である。
シリンダブロック40のシリンダ42には、それぞれメインピストン44が配設してある。メインピストン44は、横断面が円形の柱状を成すもので、シリンダ42の内部にそれぞれ軸心に沿って移動可能に嵌合してある。それぞれのメインピストン44において斜板30に対向する先端部には、メインピストンシュー45が設けてある。メインピストンシュー45は、互いに一体となるメイン球状部45a及びメイン平板部45bを有したもので、メイン球状部45aを介して個々のメインピストン44の先端部に傾動可能に支持させてある一方、メイン平板部45bを介して斜板30の第1摺動面33に当接している。尚、メインピストン44とメインピストンシュー45との関係は、必ずしもこれに限らない。例えば、メインピストンとしてその端部に球状部を有したものを適用する一方、メインピストンシューに凹部を設けたものを適用し、メインピストンの球状部をメインピストンシューの凹部に傾動可能に支持させるようにしても良い。
図1及び図2に示すように、それぞれのメインピストンシュー45は、メイン平板部45bにおいて斜板30の第1摺動面33に当接する部分が幅広に形成してあり、この幅広部とメイン球状部45aとの間に配設した押圧プレート70によって互いに連係してある。押圧プレート70は、シリンダブロック40とほぼ同じ外径を有し、中心部に押圧孔71を有した平板状部材である。押圧プレート70においてメインシャフト20の回転軸心20Cを中心とした円周(PCD)上には、それぞれシリンダブロック40のシリンダ42に対向する部位にシュー装着孔72が形成してある。シュー装着孔72は、メインピストンシュー45のメイン球状部45aを挿通可能、かつメイン平板部45bの幅広部を挿通不可とする大きさの貫通孔である。この押圧プレート70は、押圧孔71にメインシャフト20を貫通させ、かつ個々のシュー装着孔72にメインピストンシュー45のメイン球状部45aを挿通させた状態でシリンダブロック40と斜板30との間に配設してある。
押圧プレート70に形成した押圧孔71は、内周面が球状を成すもので、その内部にリテーナガイド80を備えている。リテーナガイド80は、押圧プレート70の押圧孔71に嵌合する外径の半球状を成したもので、その中心部にメインシャフト20を貫通させ、かつ球状部分を押圧プレート70の押圧孔71に当接させた状態で押圧プレート70とシリンダブロック40との間に配設してある。リテーナガイド80とメインシャフト20の外周面との間は、リテーナガイド80がメインシャフト20と一体に回転し、かつメインシャフト20の回転軸心20Cに沿って移動可能となるようにスプラインによって結合してある。図1中に示した点R/Gは、リテーナガイド80において半球状を成す部分の中心点(以下、「R/G中心点」という)であり、メインシャフト20の回転軸心20C上に位置している。このリテーナガイド80には、シリンダブロック40に内蔵した押圧スプリング81の押圧力が伝達ロッド82を介して常時与えられている。リテーナガイド80に与えられた押圧スプリング81の押圧力は、押圧プレート70を介してメインピストンシュー45に与えられ、メインピストンシュー45のメイン平板部45bをそれぞれ斜板30の第1摺動面33に常時当接させるように作用する。
上記のように構成したピストンポンプモータでは、ポンプモータケース10に対してメインシャフト20を回転させると、シリンダブロック40がメインシャフト20と一体となって回転し、メインピストンシュー45を介して斜板30の第1摺動面33に当接したメインピストン44がシリンダ42に対して行程移動する。これにより、低圧側においては、メインピストン44がシリンダブロック40のシリンダ42から突出するように行程移動し(図1において左側へ移動)、吸込通路12a及びバルブプレート60の吸込ポート61を介してシリンダ42の内部に油タンクTの油が吸い込まれる。一方、高圧側においては、メインピストン44がシリンダブロック40のシリンダ42に退行するように行程移動し(図1において右側へ移動)、バルブプレート60の吐出ポート62及び吐出通路12bを介してシリンダ42の油が油圧作業機CLに吐出されることになる。
油圧作業機CLの負加圧に応じてコントローラ54からサーボバルブ53に制御信号が出力されると、サーボピストン50に対して対応するパイロット圧が供給され、これに応じて斜板30の傾転角が変更される。斜板30の傾転角が変更されると、シリンダブロック40の回転に伴うメインピストン44の行程距離が変化し、吐出通路12bを介して油圧作業機CLに吐出される油の流量が調整されることになる。
上述した動作の間、斜板30には、複数のメインピストン44から押圧力が作用することになる。この押圧力は、複数のメインピストン44のうち、高圧側に位置するものから加えられるもので、それらの合力が作用する中心位置は斜板30の第1摺動面33を基準とした場合、図3に示すように、シリンダブロック40の回転により、リテーナガイド80のR/G中心点を中心として円弧状の軌跡を描く。メインピストン44の数をZとした場合、図3中において実線で示した合力の中心位置は、メインピストン44の数:Zが奇数の場合のものであり、(Z−1)/2本のメインピストン44が高圧側となった場合と、(Z+1)/2本のメインピストン44が高圧側となった場合とで半径が異なる8の字状の軌跡を描く。図3中において二点鎖線で示した合力の中心位置は、メインピストン44の数:Zが偶数の場合のものであり、Z/2のメインピストン44が高圧側となった場合に単一の円弧状の軌跡を描く。合力中心位置の変動幅となる円弧の中心角度γは、メインピストン44の数:Zが奇数の場合、360°/(2×Z)であり、メインピストン44の数:Zが偶数の場合、360°/Zとなる。
R/G中心点が描く円弧の半径r1は、メインシャフト20の回転軸心20Cからメインピストン44の中心軸までの距離(PCD/2)と、半径比と称される定数:Rとの積によって定まる。半径比:Rは、メインピストン44の数及び高圧側に位置するメインピストン44の数によって決定される定数であり、具体的な例を示せば、メインピストン44の数:Z=7のとき、そのうちの3本が高圧側となった場合の半径比:R=0.749、4本が高圧側となった場合の半径比:R=0.561、Z=9のとき、そのうちの4本が高圧側となった場合の半径比:R=0.720、5本が高圧側となった場合の半径比:R=0.576、Z=10のときの半径比:R=0.647である。
本発明では、メインピストン44から斜板30に作用する合力の中心位置として、上述の移動軌跡すべてを考慮の対象とし、いずれの中心位置に合力が作用したとしても、斜板30がボールリテーナ32やサーボピストン50から浮き上がるようなモーメントを作用させないように一対のボールリテーナ32の各B/R中心点及びサーボピストン50のS/P中心点を設定するようにしている。具体的には、斜板30の第1摺動面33において図3中の破線で示す三角形、つまり一対のボールリテーナ32の各B/R中心点及びサーボピストン50のS/P中心点を結ぶ三角形(以下、「基準三角形」という)の範囲を設定し、メインピストン44から斜板30に作用する合力の中心位置が常にこの基準三角形の範囲に位置するようにしている。
以下、図4を参照しながら、一対のボールリテーナ32の各B/R中心点及びサーボピストン50のS/P中心点の設定方法について説明する。
まず、斜板30の傾転角が変化した場合には、図4(b)及び図4(c)に示すように、基準三角形に対して合力の中心位置も変化することになる。具体的には、傾転角が比較的小さい場合には、合力の中心位置が高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線に近接した傾向となり、傾転角が大きくなると、合力の中心位置が一対のB/R中心点間を結ぶ直線に近接した傾向となる。従って、本実施の形態では、高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線を基準とする場合と、一対のB/R中心点間を結ぶ直線を基準とする場合とに分けて説明を行う。
斜板30の傾転角が比較的大きい場合には、図4(c)に示すように、斜板30の第1摺動面33において合力の中心位置のもっとも上方に位置する点(以下、「第1判定点P1」という)が、一対のB/R中心点間を結ぶ直線上、もしくはこの直線よりもS/P中心点側に位置するように、一対のB/R中心点を設定すれば良い。つまり、B/R中心点間を結ぶ直線からの第1判定点P1のはみ出し量:La≧0(但し、図4(c)においてB/R中心点間を結ぶ直線に対して下方を+とした)となれば良い。上述のはみ出し量:Laは、下式(1)で表すことができる。
Figure 0005364020
但し、θはメインピストン44の数:Zが奇数の場合、360°/(4Z)、Zが偶数の場合、360°/(2Z)である。DPはメインピストン44のPCD、Rは上述した半径比。
式(1)中のL1は、メインピストン44からの合力中心位置のモーメントアーム長さであり、下式(2)で表すことができる。
Figure 0005364020
但し、図4(a)に示すように、αは斜板30の傾転角、lhyはB/R中心点とR/G中心点との間のX軸方向に沿った距離、L2は斜板30の第1摺動面33とメインピストンシュー45におけるメイン球状部45aの中心点との間の距離、L3は斜板30の第1摺動面33とB/R中心点との間の距離である。尚、X軸は分割面A上においてメインシャフト20の回転軸心20Cに直交する方向の軸である。
従って、第1判定点P1のはみ出し量:La≧0となるように、L1,L2,L3,lhyの各値を設定すれば、動作中の如何なる状態下であっても、一対のB/R中心点間を結ぶ直線回りのモーメントによって斜板30が浮き上がるような事態が発生することはない。
次に、斜板30の傾転角が比較的小さい場合には、図4(c)に示すように、斜板30の第1摺動面33において合力の中心位置のもっとも下方に位置する点(以下、「第2判定点P2」という)が、高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線上、もしくはこの直線よりも低圧側B/R中心点側に位置するように、高圧側B/R中心点及びS/P中心点を設定すれば良い。つまり、高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線からの第2判定点P2のはみ出し量:Lb≧0(但し、図4(c)において高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線に対して低圧側B/R中心点側を+とした)となれば良い。第2判定点P2の座標を(lx,ly)とし、かつ高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線をy=mx+nとした場合、直線に対する点の距離を表す公式により、上述のはみ出し量:Lbは、下式(3)で表すことができる。
Figure 0005364020
斜板30の第1摺動面33上において高圧側B/R中心点の座標を(−lhx,0)、S/P中心点の座標を(−lsx,v)とすると、式(3)のm、n及びvはそれぞれ下式(4)〜下式(6)によって表すことができる。
Figure 0005364020
Figure 0005364020
Figure 0005364020
但し、βは斜板30の第1摺動面33と第2摺動面34との傾斜角度、ls4は斜板30の第2摺動面34とS/P中心点との間の距離、ls5は斜板30の第2摺動面34とB/R中心点との間の距離、lhyはR/G中心点とB/R中心点間との間のX軸方向に沿った距離、lsyはR/G中心点とS/P中心点との間のX軸方向に沿った距離である。尚、X軸は分割面A上においてメインシャフト20の回転軸心20Cに直交する方向の軸である。
第2判定点P2の座標値は、それぞれ下式(7)及び下式(8)によって表すことができる。
Figure 0005364020
Figure 0005364020
但し、θはメインピストン44の数:Zが奇数の場合、360°/(4Z)、Zが偶数の場合、360°/(2Z)である。DPはメインピストン44のPCD、Rは上述した半径比。
従って、第2判定点P2のはみ出し量:Lb≧0となるように、L1,L2,L3,lhy,lsy,ls4,ls5,βの各値を設定すれば、動作中の如何なる状態下であっても、高圧側B/R中心点とS/P中心点とを結ぶ直線回りのモーメントによって斜板30が浮き上がるような事態が発生することはない。
上記のように構成した可変容量型ピストンポンプモータによれば、シリンダブロック40の回転位置や斜板30の傾転角によらず、常に、複数のメインピストン44からの合力の中心位置が一対のB/R中心点とS/P中心点とを結ぶ基準三角形の範囲から逸脱することがなくなる。従って、シリンダ42の圧力が小さい場合やシリンダブロック40の回転数が低い場合にはもちろん、シリンダ42が高圧となった場合、あるいはシリンダブロック40の回転数が高くなった場合にも斜板30をボールリテーナ32やサーボピストン50のサーボピストンシュー51から浮かせるようなモーメントは発生しない。従って、動作中に斜板30が振動する事態を確実に防止し、斜板30とボールリテーナ32やサーボピストンシュー51との間にかじりや焼き付きが発生する事態や騒音が発生する事態を招来する恐れがなくなる。
尚、上述した実施の形態では、油圧ポンプとして適用されるものを例示しているが、油圧モータとして適用されるものにも同様に適用することは可能である。また、上述した実施の形態では、一対の支持中心点に対して制御ピストンによる支持中心点の位置をオフセットさせているため、一対の支持中心点間隔を小さく設定することが可能であるが、必ずしもこれに限定されず、制御ピストンによる支持中心点をオフセットさせない状態において3つの中心点の位置を設定しても良い。
10 ポンプモータケース
20C 回転軸心
30 斜板
32 ボールリテーナ
33 第1摺動面
40 シリンダブロック
42 シリンダ
44 メインピストン
50 サーボピストン
51 サーボピストンシュー
51a サーボ球状部
80 リテーナガイド
A 分割面

Claims (2)

  1. 所定の回転軸心を中心としてポンプモータケースに回転可能に配設し、かつ前記回転軸心を中心とした円周上に複数のシリンダを有したシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックのシリンダにそれぞれ移動可能に配設した複数のメインピストンと、
    前記シリンダブロックにおけるシリンダの開口に対向する位置に一対の球状を成す支持体を介して前記ポンプモータケースに傾動可能に配設し、前記シリンダブロックに対向した摺動面を介して複数のメインピストンの基端部に摺動可能に係合する斜板と、
    前記ポンプモータケース及び前記斜板の間に介在し、前記斜板の傾転角を制御する制御ピストンと
    を備え、前記ポンプモータケースに対して前記シリンダブロックが回転した場合に前記斜板の傾転角に応じて前記メインピストンが前記シリンダに対して行程移動する可変容量型ピストンポンプモータにおいて、
    前記シリンダブロックが回転した場合に作用する前記複数のメインピストンからの合力の中心位置が、前記斜板の傾転角を変化させた場合にも前記摺動面を基準として常に、前記一対の支持体による支持中心点と前記制御ピストンによる支持中心点とを結ぶ三角形の範囲内に位置するようにこれら一対の支持体及び制御ピストンによる支持中心点の位置を設定したことを特徴とする可変容量型ピストンポンプモータ。
  2. 一対の支持体の支持中心点間を結ぶ直線を二等分する鉛直面に対して前記制御ピストンによる支持中心点を、高圧側を支持する支持体の支持中心点に近接する方向にオフセットさせたことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ピストンポンプモータ。
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