JP5340710B2 - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械に設けられ、油圧ポンプまたは油圧モータとして好適に用いられる斜板式液圧回転機に関する。
一般に、可変容量型または固定容量型の斜板式液圧回転機は、例えば油圧ショベル等の建設機械において、その油圧源を構成する斜板式の油圧ポンプとして用いられる。また、油圧アクチュエータとして用いる場合には、例えば旋回用、走行用の油圧モータ等を構成するものである。
そして、この種の従来技術による斜板式液圧回転機は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンに揺動可能に取付けられた複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ表面側で該各シューを摺動可能に案内する斜板等とを備えている。
この場合、斜板の表面側には複数のシューが摺動する平滑な摺動面が設けられている。そして、シリンダブロックの回転に伴って複数のピストンと一緒に各シューが連れ回されるように斜板に対して相対回転するときには、該各シューが斜板の摺動面上で回転軸を中心としたリング状軌跡を描くように摺動変位するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、斜板の摺動面には、硬質の樹脂材料からなる樹脂膜を付着させて設け、該樹脂膜の表面を平坦な滑面に形成することにより斜板に対するシューの摺動特性を高めるようにしたものがいくつか提案されている(例えば、特許文献2,3,4参照)。
特開平11−50950号(特許第3703610号)公報 特開2004−300926号公報 特開2005−98294号公報 特開2005−30513号公報
ところで、上述した従来技術では、斜板の表面に樹脂膜を形成して表面粗さを金属表面に比較して滑らかにすることにより、斜板に対するシューの摺動特性を高めるようにしている。しかし、この場合の摺動面は、例えば10MPa(メガパスカル)以上となる高圧な圧力環境下では樹脂膜の摩耗、剥離が生じ易く、油圧ポンプ、油圧モータとしての使用に制約がある。
また、上記のように摺動面の表面粗さを滑らかに形成した場合には、表面の凹凸が小さくなって油液を保持する油溜まり効果が得られず、摩擦界面から油が排除される傾向がある。このため、斜板とシューとの摺動面では固体接触となり易く、この状態で両者の間に摩耗粉が侵入すると、例えば潤滑油のように摩耗粉を外部に流出させて除去する作用が得られず、斜板とシューとの摺動面では第3の物体として摩耗粉が介在した三元摩耗が発生する虞れがある。
一方、例えば斜板の摺動面を、その全領域にわたって微小な凹凸を有する凹凸面として形成した場合には、斜板とシューとの摺動面に凹凸により油液の一部を保持することができる。しかし、シリンダ内からシューと斜板との摺動面間にピストンの内孔(潤滑用油路)等を介して供給した大部分の油液は、斜板とシューとの摺動面間から前記凹凸を通じて外部に漏出し易くなり、両者の摺動面間でのシール効果が低下し、これによって、装置としての機械的な効率が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、斜板の摺動面に対し全域ではなく、予め決められた部分に凹凸面部を形成することにより、シューとの間に形成される油膜の保持性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができ、焼き付き、摩耗等の発生を防止することができるようにした斜板式液圧回転機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内にそれぞれ往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられた複数のシューと、該シューに対面して前記ケーシング内に設けられ前記回転軸を中心に該各シューが摺動する平滑な摺動面を有した斜板とを備えてなる斜板式液圧回転機に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記斜板には、金属材料からなる母材の表面に前記摺動面を形成し、かつ該摺動面のうち、前記ピストンの往復動時に前記シューとの間に形成される油膜の厚さが小となる部分に当該油膜に対し保油性を与える微細な凹凸面部を設け、該凹凸面部は前記回転軸を中心として前記斜板の周方向に円弧状に延びる構成とし、前記摺動面には、前記凹凸面部を形成した処理面とこれ以外の非処理面との境界で凹凸をなだらかに変化させるための遷移領域を設ける構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの上死点位置を基準として前記斜板の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びる構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの下死点位置を基準として前記斜板の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びる構成としている。
また、請求項4の発明によると、前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの上死点位置を起点として該起点位置から前記斜板の周方向一側へと約半周する範囲にわたって円弧状に延びる構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、金属材料からなる斜板の摺動面のうち、ピストンの往復動時にシューとの間に形成される油膜の厚さが小となる部分に当該油膜に対し保油性を与える微細な凹凸面部を設け、該凹凸面部は回転軸を中心として斜板の周方向に円弧状に延びる構成としているので、斜板の摺動面上を摺動する各シューと凹凸面部との間には、油膜を形成した状態で保油性を与えることができ、凹凸面部とシューとの摺動面が固体接触となるのを防ぐことができる。このため、両者の間に仮に摩耗粉が侵入しても、両者の間に確保した油膜の油液により摩耗粉を外部に流出させるように除去することができる。そして、シューと斜板との摺動面間で焼き付き、摩耗等が発生するのを防止することができる。
また、斜板の摺動面のうち凹凸面部を形成していない残余の部分(非処理面)では、摺動面の表面粗さは滑らかに形成された滑面となっている。このため、斜板の摺動面のうち前記凹凸面部側で仮に潤滑用の油液が漏洩したとしても、残余の滑面側では油液の漏洩をなくすことができるので、例えばシリンダ内からシューと斜板との摺動面間にピストンの内孔(潤滑用油路)を介して供給される油液が、斜板の摺動面側から外部に漏出するのを小さく抑えることができ、液圧回転機としての機械的な効率を良好に保つことができる。
しかも、斜板の摺動面には、前記凹凸面部を形成した処理面とこれ以外の非処理面との境界で凹凸をなだらかに変化させるための遷移領域を設けているので、前記処理面と非処理面との遷移領域(境界部位)で表面粗さを徐々に変化させ、表面粗さによる摩擦係数が急激に変わるのを防止できる。これにより、前記処理面と非処理面との遷移領域(境界部位)でシューと斜板との摺動面に焼き付き、かじり、摩耗等が発生するのを防止でき、その耐久性、寿命を向上することができる。
また、請求項2の発明によると、前記凹凸面部は斜板の摺動面のうちピストンの上死点位置を基準として、例えば±45度の角度範囲にわたり円弧状に延びる構成としているので、前記ピストンの上死点位置を基準として斜板(回転軸)の周方向一側と他側とに約90度の角度範囲で円弧状に延びる部分を凹凸面部として形成することができ、残余の約270度にわたる部分を表面粗さが滑らかな滑面として形成することができる。
一方、請求項3の発明によると、前記凹凸面部は斜板の摺動面のうちピストンの下死点位置を基準として、例えば±45度の角度範囲にわたり円弧状に延びる構成としているので、前記ピストンの下死点位置を基準として斜板(回転軸)の周方向一側と他側とに約90度の角度範囲で円弧状に延びる部分を凹凸面部として形成することができ、残余の約270度にわたる部分を表面粗さが滑らかな滑面として形成することができる。
また、請求項4の発明によると、前記凹凸面部は斜板の摺動面のうちピストンの上死点位置を起点として該起点位置から前記斜板の周方向一側へと約半周する範囲にわたって円弧状に延びる構成としているので、ピストンの上死点位置から下死点位置にわたる約半周の範囲(例えば、180度の角度範囲)を円弧状に延びる凹凸面部として形成することができ、残余の半周にわたる範囲の部分を表面粗さが滑らかな滑面として形成することができる。
以下、本発明の実施の形態による斜板式液圧回転機を、可変容量型の斜板式油圧ポンプに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態で採用した可変容量型の斜板式油圧ポンプ(以下、油圧ポンプ1という)、2は該油圧ポンプ1の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング2は、一側がフロント底部3Aとなった段付筒状のケーシング本体3と、該ケーシング本体3の他側を閉塞するようにケーシング本体3に固定して設けられたリヤケーシング4とにより構成されている。
そして、ケーシング2のケーシング本体3内には、フロント底部3A側に後述の斜板11を傾転可能に支持する斜板支持体10等が設けられている。また、リヤケーシング4側には、後述の弁板15、給排通路16,17等が設けられるものである。
5はケーシング2内に回転可能に設けられた回転軸を示し、該回転軸5は、軸方向の一側がケーシング本体3のフロント底部3A内に軸受等を介して回転可能に取付けられ、他側はリヤケーシング4に軸受等を介して回転可能に取付けられている。そして、回転軸5の一側は、ケーシング本体3のフロント底部3Aから外部に突出する突出端5Aとなっている。
ここで、回転軸5の突出端5A側には、例えば油圧ショベルの原動機となるエンジンが動力伝達機構(いずれも図示せず)等を介して連結される。そして、油圧ポンプ1は、前記エンジンで回転軸5を回転駆動することにより、後述の給排通路16から高圧油(圧油)を吐出させる所謂ポンプ作用を行うものである。
6はケーシング2内に位置して回転軸5の外周側に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック6には、図1に示す如く周方向に離間して軸方向に延びる複数(例えば、合計9個)のシリンダ7,7,…が穿設されている。また、シリンダブロック6の一側には、後述の斜板11側に向けて軸方向に突出する筒状突部6Aが一体形成されている。そして、該筒状突部6Aの外周側には、後述の球状ガイド13が軸方向に相対変位可能に挿嵌されている。
また、シリンダブロック6の内周側には、回転軸5の外周側にスプライン結合される段付きの軸穴6Bが形成され、この軸穴6Bは、筒状突部6Aの内周側を軸方向に延びている。そして、シリンダブロック6は、軸穴6Bを介して回転軸5と一体に回転駆動され、このときに後述の球状ガイド13も回転軸5と一体に回転されるものである。また、シリンダブロック6の他側は、後述の弁板15に対して摺動可能に当接される凹湾曲状の摺動面6Cとなっている。
8,8,…はシリンダブロック6の各シリンダ7内に往復動可能に挿嵌されたピストンで、該各ピストン8は、図1、図2に示す如く円柱状のロッドとして形成され、各シリンダ7内に摺動可能に挿入されている。そして、ピストン8は、シリンダブロック6の回転に伴って夫々のシリンダ7内を往復動し、後述の弁板15側から各シリンダ7内に作動油を吸込みつつ、これを高圧の圧油として吐出させるものである。
即ち、これらのピストン8は、図1に例示するように回転軸5の上側となる位置でシリンダ7内へと縮小した上死点位置(T.D.C)となり、回転軸5の下側となる位置ではシリンダ7から大きく突出(伸長)した下死点位置(B.D.C)となる。そして、シリンダブロック6が1回転する間に、各ピストン8はシリンダ7内を上死点から下死点に向けて摺動変位する吸入行程と、下死点から上死点に向けて摺動変位する吐出行程とを繰返すことになる。
そして、シリンダブロック6の半回転分に相当するピストン8の吸入行程においては、後述の給排通路17側からシリンダ7内に作動油を吸込み、シリンダブロック6の残りの半回転分に相当するピストン8の吐出行程では、ピストン8が各シリンダ7内の油液を高圧の圧油として後述の給排通路16側から吐出配管(図示せず)に吐出させるものである。
また、ピストン8には、図2に示すように軸方向の一側(突出端側)に位置する球形凹部8Aと、当該ピストン8の軸方向他側から一側の球形凹部8A内に向けて軸方向に延びる内孔としての潤滑用油路8Bとが設けられている。そして、ピストン8の球形凹部8Aには、後述のシュー9が揺動可能に取付けられている。また、潤滑用油路8Bは、シリンダ7内に流入した油液の一部をシュー9側に向けて潤滑油として供給するものである。
9,9,…は各ピストン8の軸方向一側(突出端側)に揺動可能に設けられたシューで、該各シュー9は、図2に示すように後述するリテーナ12の挿通穴12Bよりも大径な円板状に形成され、斜板11の摺動面11A上を摺接する摺接部として円板状の台座部9Aと、該台座部9Aよりも小径となって該台座部9Aに一体形成され、リテーナ12の挿通穴12B内に挿入される円形の段差部9Bと、該段差部9Bと共に挿通穴12B内に挿通され、ピストン8の突出端側に揺動可能に取付けられる継手部としての球形部9Cとにより構成されている。
そして、シュー9の段差部9Bは、球形部9Cを台座部9Aに一体化するための取付座を構成するものである。また、シュー9内には、球形部9C側から台座部9Aに向けて略直線状に延びる油孔9Dが穿設され、この油孔9Dは、シリンダ7内に流入した油液の一部がピストン8の潤滑用油路8Bを介して導かれることにより、これを潤滑油としてシュー9の台座部9Aと斜板11の摺動面11Aとの間に供給するものである。
ここで、シュー9の台座部9Aは、ピストン8からの押付力(油圧力)で後述のリテーナ12等を介して斜板11の摺動面11Aに押付けられた状態に保持される。そして、各シュー9は、この状態で回転軸5、シリンダブロック6およびピストン8と一緒に回転することにより、回転軸5を中心としたリング状軌跡を描くように後述の摺動面11A上を摺動するものである。
10はケーシング本体3のフロント底部3Aに設けられた斜板支持体で、該斜板支持体10は、図1に示す如く回転軸5の周囲に位置して斜板11の裏面側に配置され、ケーシング本体3のフロント底部3Aに固定されている。そして、斜板支持体10には、斜板11を傾転可能に支持する一対の傾転案内面10A(一方のみ図示)が凹湾曲面として形成され、該各傾転案内面10Aは回転軸5を挟んで左,右(または、上,下)に離間している。
11は各シュー9と対面してケーシング2内に傾転可能に設けられた斜板で、該斜板11は、図1、図2に示すように各シュー9を摺動可能に案内する摺動面11Aが表面側に形成されている。また、斜板11の中央部には、回転軸5が隙間をもって挿通される軸挿通穴11Bが穿設されている。そして、斜板11は、その裏面(背面)側がケーシング本体3のフロント底部3A側に斜板支持体10を介して傾転可能に取付けられている。
ここで、斜板11は、例えば球状黒鉛鋳鉄(FCD材)等の鉄系金属材料からなる母材を用いて形成され、その摺動面11Aは、後述の平滑面20と凹凸面部21,22とを含んで構成されている。また、斜板11は当該油圧ポンプ1の容量可変部を構成し、斜板11の裏面側は、斜板支持体10の各傾転案内面10Aに対して傾転可能に当接した状態に保持されるものである。そして、斜板11は、ケーシング2に設けられた傾転アクチュエータ(図示せず)によって、摺動面11Aと一緒に図1中の矢示A,B方向に傾転駆動されるものである。
12は各シュー9を斜板11の摺動面11A上で摺動可能に保持するリテーナで、該リテーナ12は、図1に示す如く環状板として形成され、その内周側は、後述の球状ガイド13(図1参照)が摺動可能に嵌合される断面円弧状の嵌合穴12Aとなっている。また、リテーナ12には、その周方向に間隔をもって例えば9個の挿通穴12Bが形成され、これらの挿通穴12Bには、それぞれシュー9の段差部9Bが挿通されるものである。
ここで、リテーナ12は、後述のスプリング14により球状ガイド13を介して斜板11(摺動面11A)に向けて付勢される。そして、リテーナ12は、挿通穴12B内に挿通された夫々のシュー9を摺動面11Aの表面に押付けた状態に保持し、これによって、各シュー9が斜板11の摺動面11A上で回転軸5を中心としたリング状軌跡を描くように摺動変位するのを補償するものである。
13はシリンダブロック6の筒状突部6Aとリテーナ12の嵌合穴12Aとの間に設けられた球状ガイドで、該球状ガイド13は、図1に示すように内周側が筒状突部6Aの外周側に摺動可能に挿嵌され、その外周面(球形面)側にはリテーナ12の嵌合穴12Aが揺動(摺動)可能に嵌合されている。また、球状ガイド13は、内周側が回転軸5にスプライン結合され、回転軸5と一体に回転するものである。
14はシリンダブロック6の筒状突部6Aと球状ガイド13との間に配設されたスプリングで、該スプリング14は、例えば複数枚の皿ばねを重合わせることにより構成され、回転軸5の外周側でシリンダブロック6と球状ガイド13とを互いに逆向きに付勢している。そして、スプリング14は、シリンダブロック6の摺動面6Cを後述の弁板15に押圧すると共に、球状ガイド13によりリテーナ12を介して各シュー9を斜板11の摺動面11Aに押圧するものである。
15はリヤケーシング4に固定して設けられた弁板を示し、該弁板15は、シリンダブロック6の端面に摺接する切換弁板を構成している。ここで、弁板15には、回転軸5の周囲を眉形状をなして延びる一対の給排ポート15A,15Bが形成されている。そして、これらの給排ポート15A,15Bのうち、例えば給排ポート15Aは高圧側の吐出ポートとなり、給排ポート15Bは低圧側の吸込ポートを構成するものである。
16,17はリヤケーシング4に形成された一対の給排通路で、該給排通路16,17のうち高圧側の給排通路16は、例えば高圧の吐出配管等に接続され、低圧側の給排通路17は、作動油タンク(図示せず)側に接続されるものである。また、高圧側の給排通路16は、弁板15の給排ポート15Aに連通し、低圧側の給排通路17は給排ポート15Bに連通している。
そして、ケーシング2内で回転軸5を回転駆動すると、シリンダブロック6の回転に伴って各シリンダ7内をピストン8が往復動する。これにより、これらのピストン8は、給排通路17側から弁板15の給排ポート15Aを介してシリンダ7内に作動油を吸込みつつ、弁板15の給排ポート15Bを介して給排通路16側に圧油を吐出するものである。
次に、20は斜板11の摺動面11Aを構成する平滑面(図3参照)で、この平滑面20は、例えば球状黒鉛鋳鉄(FCD材)等の鉄系金属材料からなる斜板11の母材表面側に、硬化処理を含めた仕上げ加工を施すことにより形成され、その平均表面粗さRaは、例えば0.1〜0.4の範囲に設定されている。そして、平滑面20は、後述の凹凸面部21を形成する前に、斜板11の摺動面11A全体(全域)にわたって前記仕上げ加工を施すことによって形成されるものである。なお、図5中では、Ra1(以下、Ra1=0.1〜0.4)として平滑面20の平均表面粗さを示している。
21は斜板11の摺動面11Aを平滑面20と共に構成する微細な凹凸面部を示し、該凹凸面部21は、斜板11の表面側(摺動面11A)に形成された平滑面20に対して、例えばショットピーニング等の微細加工処理を施すことにより形成され、その平均表面粗さRaは、例えば0.5〜5.0の範囲内に設定されている(以下、Rai=0.5〜5.0)。これにより、凹凸面部21は、平滑面20を非処理面とした場合に、前記微細加工処理が施された微細な凹凸面からなる処理面として構成され、斜板11の摺動面11Aとシュー9との間に形成される油膜に対し保油性(油膜保持性)を与えるものである。
ここで、斜板11の摺動面11Aは、図3に示すように半径Rの円形状に形成され、回転軸5の中心となる点Oを通った基準線Lは、ピストン8(図1参照)の上死点位置(T.D.C)と下死点位置(B.D.C)とを結ぶ直線として設定されている。そして、この場合の凹凸面部21は、図3中の上死点位置(T.D.C)を基準として斜板11(回転軸5)の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びる構成としている。
即ち、凹凸面部21は、斜板11の摺動面11Aのうちで図3中の上死点位置(T.D.C)を基準として、例えば±45度の角度範囲となる点C、点O、点Dで囲まれた部分(図3中に斜線で示す部分)に形成されている。そして、点Oと点Cを結ぶ直線O−Cは、上死点位置(T.D.C)に対して−45度の角度となる位置に配置され、点Oと点Dを結ぶ直線O−Dは、上死点位置(T.D.C)に対して+45度の角度となる位置に配置されている。
22は斜板11の摺動面11Aを平滑面20、凹凸面部21と共に構成する微細な他の凹凸面部で、該他の凹凸面部22も、前述した凹凸面部21と同様に平滑面20に対してショットピーニング等の微細加工処理を施すことにより形成され、その平均表面粗さRaは、例えば0.5〜5.0の範囲内に設定されている(以下、Rai=0.5〜5.0)。そして、凹凸面部22も、斜板11の摺動面11Aとシュー9との間に形成される油膜に対し保油性を与えるものである。
しかし、この場合の凹凸面部22は、図3中の下死点位置(B.D.C)を基準として斜板11(回転軸5)の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びている。即ち、凹凸面部22は、斜板11の摺動面11Aのうちで図3中の下死点位置(B.D.C)を基準として、例えば±45度の角度範囲となる点E、点O、点Fで囲まれた部分(図3中に斜線で示す部分)に形成されている。そして、点Oと点Eを結ぶ直線O−Eは、下死点位置(B.D.C)に対して−45度の角度となる位置に配置され、点Oと点Fを結ぶ直線O−Fは、下死点位置(B.D.C)に対して+45度の角度となる位置に配置されている。
23,24は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部21の両側に設けられた遷移領域で、この遷移領域23,24は、前記微細加工を施した処理面としての凹凸面部21と、これ以外の非処理面である平滑面20との境界部位で凹凸をなだらかに変化させるための領域である。そして、これらの遷移領域23,24は、斜板11(摺動面11A)の半径Rに対して予め決められた割合(例えば、4割)の寸法W(W=0.4×R)をもった領域幅で形成されている。
ここで、遷移領域24は、図3中に示すように3等分された区分a,b,cからなり、平均表面粗さがRai(Rai=0.5〜5.0)である凹凸面部21と平均表面粗さRa1(Ra1=0.1〜0.4)である平滑面20との間(境界部位)で、その平均表面粗さRaを3段階で徐々に変化させ、摺動面11Aの表面粗さによる摩擦係数が急激に変わるのを防ぐものである。
即ち、遷移領域24のうち区分aの平均表面粗さRaは、図5中に示す特性線25の如く処理面である凹凸面部21の平均表面粗さRaiよりも滑らかになるように小さく設定され、区分bの平均表面粗さRaは、区分aの平均表面粗さRaよりも滑らかになるように小さく設定されている。さらに、区分cの平均表面粗さRaは、区分bの平均表面粗さRaよりも滑らかになるように小さく設定され、非処理面である平滑面20の平均表面粗さRa1よりも僅かに大きく設定されている。
この場合、図4は、処理面である凹凸面部21と遷移領域24との違いを模式的に示した摺動面11Aの断面図である。そして、凹凸面部21は、例えばショットピーニング処理を行うことにより凹凸の分布が密に形成され、これに比較して遷移領域24では、凹凸の分布が漸次に疎となるように形成され、これにより表面粗さを徐々になだらかに変化させるものである。
また、遷移領域23についても、図3中に示すように3等分された区分a,b,cからなり、平滑面20と凹凸面部21との間(境界部位)で、その平均表面粗さRaを3段階で徐々に変化させる。これにより、遷移領域23も表面粗さをなだらかに変化させ、摺動面11Aの表面粗さによる摩擦係数が急激に変わるのを防ぐものである。
26,27は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部22の両側に設けられた他の遷移領域で、該他の遷移領域26,27も、前述した処理面としての凹凸面部22と非処理面である平滑面20との境界部位で凹凸をなだらかに変化させるように構成されている。そして、遷移領域26,27も、前記遷移領域23,24と同様に斜板11(摺動面11A)の半径Rに対して予め決められた割合の寸法W(例えば、W=0.4×R)をもった領域幅で形成され、3等分された区分a,b,cを有している。
本実施の形態による可変容量型斜板式の油圧ポンプ1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、エンジン等の原動機によって回転軸5を回転駆動すると、ケーシング2内でシリンダブロック6が回転軸5と一体に回転される。これにより、斜板11の表面(摺動面11A)に沿って複数のシュー9が回転軸5を中心としたリング状軌跡を描くように摺動変位し、これに伴って夫々のピストン8がシリンダブロック6の各シリンダ7内で往復動を繰返すようになる。
このため、シリンダブロック6が1回転する間に、各ピストン8はシリンダ7内を上死点から下死点に向けて摺動変位する吸入行程と、下死点から上死点に向けて摺動変位する吐出行程とを繰返す。そして、ピストン8の吸入行程では、例えば給排通路17側からシリンダ7内に作動油を吸込み、ピストン8の吐出行程では、ピストン8が各シリンダ7内の油液を高圧の圧油として給排通路16側から吐出させる。
この場合、リテーナ12は、スプリング14により球状ガイド13を介して斜板11(摺動面11A)に向けて付勢され、挿通穴12B内に挿通された夫々のシュー9を摺動面11Aの表面に押付けた状態に保持すると共に、回転軸5の周囲でシュー9に追従して連れ回わされるように回転する。これによりリテーナ12は、各シュー9が斜板11の摺動面11A上で回転軸5を中心としたリング状軌跡を描くように円滑に摺動変位するのを補償するものである。
また、シリンダブロック6の各シリンダ7内を往復動する各ピストン8には、軸方向他側から一側の球形凹部8A内に向けて軸方向に延びる潤滑用油路8Bが設けられ、シュー9内には球形部9C側から台座部9Aに向けて略直線状に延びる油孔9Dが穿設されている。そして、この油孔9Dは、シリンダ7内に流入した油液の一部をピストン8の潤滑用油路8Bを介して流通させることにより、この油液をシュー9の台座部9Aと斜板11の摺動面11Aとの間に潤滑油として供給することができる。
ところで、シリンダブロック6の各シリンダ7内を往復動するピストン8は、その上死点位置(T.D.C)と下死点位置(B.D.C)とで運動方向が逆向きに変わるので、その瞬間ではピストン8の潤滑用油路8B(シュー9の油孔D)内の圧力が零(0MPa)に近い圧力まで低下することがある。このため、シュー9の台座部9Aと斜板11の摺動面11Aとの間には、瞬間的に潤滑油が供給されない状態が発生し、これによって両者の摺動面間には一時的に油膜が消失される可能性がある。
そこで、本実施の形態では、斜板11の摺動面11Aをその全体(全域)にわたって予め仕上げ加工を施すことにより、その平均表面粗さがRa1(例えば、Ra1=0.1〜0.4)となる平滑面20を形成し、この摺動面11A(平滑面20)のうちピストン8の上死点位置(T.D.C)を基準として回転軸5の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲には、例えばショットピーニング等の微細加工処理を施すことにより平均表面粗さRai(Rai=0.5〜5.0)の微細な凹凸面部21を形成する構成としている。また、下死点位置(B.D.C)を基準として周方向の一側と他側とで予め決められた角度範囲には、同じく平均表面粗さRaiの微細な凹凸面部22を形成する構成としている。
即ち、凹凸面部21は、斜板11の摺動面11Aのうちで図3中の上死点位置(T.D.C)を基準として、例えば±45度の角度範囲となる図3中の点C、点O、点Dで囲まれた斜線で示す部分にわたり円弧状に延びる構成としている。また、他の凹凸面部22は、斜板11の摺動面11Aのうちで図3中の下死点位置(B.D.C)を基準として、例えば±45度の角度範囲となる点E、点O、点Fで囲まれた斜線で示す部分にわたり円弧状に延びる構成としている。
これにより、斜板11の摺動面11Aには、ピストン8の上死点位置(T.D.C)を基準として回転軸5の周方向一側と他側とに約90度の角度範囲で円弧状に延びる部分を凹凸面部21として形成することができる。また、ピストン8の下死点位置(B.D.C)を基準として回転軸5の周方向一側と他側とに約90度の角度範囲で円弧状に延びる部分は他の凹凸面部22として形成することができる。そして、これらの凹凸面部21,22間に挟まれた残余の部分を表面粗さが滑らかな平滑面20として形成することができる。
この結果、斜板11の摺動面11A上を摺動する各シュー9と凹凸面部21,22との間には、油膜を形成した状態で保油性を与えることができ、凹凸面部21,22とシュー9との摺動面が固体接触となるのを防ぐことができる。これにより、両者の間に仮に摩耗粉が侵入しても、両者の間に確保した油膜の油液により摩耗粉を外部に流出させるように除去することができる。そして、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間で焼き付き、摩耗等が発生するのを防止することができる。
また、斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部21,22を形成していない残余の部分では、摺動面11Aの表面粗さは滑らかに形成された平滑面20となっているので、斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部21,22側で仮に潤滑用の油液が外部に漏洩したとしても、残余の平滑面20側では油液の漏洩をなくすことができる。このため、シリンダ7内からシュー9と斜板11との摺動面間にピストン8の潤滑用油路8B等を介して供給される油液が、斜板11の摺動面11A側から外部に漏出するのを小さく抑えることができ、油圧ポンプ1(液圧回転機)としての機械的な効率を良好に保つことができる。
また、斜板11の摺動面11Aには、凹凸面部21,22を形成した処理面とこれ以外の非処理面(平滑面20)との境界部位に、その表面粗さ(凹凸)をなだらかに変化させるための遷移領域23,24と他の遷移領域26,27とを設ける構成としている。
このため、平滑面20と凹凸面部21,22との境界部位では、遷移領域23,24と他の遷移領域26,27とにより、その表面粗さを凹凸がなだらかになるように徐々に変化させることができ、両者の境界部位で表面粗さによる摩擦係数が急激に変わるのを防止できる。これにより、平滑面20と凹凸面部21,22との境界部位でシュー9と斜板11との摺動面に焼き付き、かじり、摩耗等が発生するのを防止でき、その耐久性、寿命を向上することができる。
ここで、本発明者等は、公知の油膜試験機〔日本機械学会論文集(C編)73巻728号(2007−4)、280−288:「斜板式ピストンポンプ・モータにおけるスリッパ軸受の運動特性」等を参照〕を用いて、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間の油膜厚さをミリメートル(mm)の単位で計測し、図6に示すような試験結果を得ることができた。
即ち、図6中に実線で示す特性線28は、第1の実施の形態による斜板11の摺動面11Aとシュー9との間に形成される油膜厚さの特性データを示している。そして、第1の実施の形態による斜板11の摺動面11Aには、図3に示すように平滑面20と凹凸面部21,22とが形成され、両者の境界部位には遷移領域23,24と他の遷移領域26,27とが形成されている。
これに対し、点線で示す特性線29は比較例による特性データを示している。そして、この比較例の場合には、斜板11の摺動面11Aを全域にわたって平滑な面(例えば、平滑面20と同様な滑面)により形成しているだけで、凹凸面部21,22、遷移領域23,24,26,27等は形成していないものである。
そして、図6中の横軸は、シュー9が斜板11の摺動面11A上でリング状軌跡を描くように摺動変位するときの位相を角度として示し、図3中に二点鎖線で示す回転軸5が矢示G方向に回転する場合に、例えば0度から180度の範囲でピストン8は吸入行程となり、180度から360度の範囲でピストン8は吐出行程となる場合を表している。
しかし、比較例の場合(特性線29)は、凹凸面部21,22、遷移領域23,24,26,27等が形成されていないため、横軸の位相が0度から45度の範囲で油膜厚さが、例えば0.02mmから0.001mm以下まで急激に小さくなるように変化し、例えば90度から135度の範囲で油膜厚さが、例えば0.001mmよりも小さい値となっている。
また、180度から225度の範囲では、油膜厚さが0.02mmを越える膜厚まで急激に大きくなるように変化している。なお、これはピストン8が吐出行程に入って、シリンダ7内の圧力が上昇するためと考えられる。一方、回転位相が0度から180度の範囲ではピストン8が吸入行程に入り、シリンダ7内の圧力が低下するためと考えられる。
一方、第1の実施の形態では、斜板11の摺動面11Aのうちピストン8の上死点位置(T.D.C)を基準として、その前,後で約90度の角度範囲にわたり円弧状に延びる部分に微細な凹凸面部21を形成し、ピストン8の下死点位置(B.D.C)を基準として前,後の約90度の角度範囲にわたり円弧状に延びる部分には、微細な他の凹凸面部22を形成する構成としている。
このため、図6中に実線で示す特性線28のように、例えば横軸の位相が0度から90度の範囲で油膜厚さを、例えば0.01〜0.02mm程度まで厚くすることができ、膜厚が最小となる135度から180度の範囲でも油膜厚さを、例えば0.004mm程度まで厚くすることができる。
これにより、第1の実施の形態では、斜板11の摺動面11A全体にわたってシュー9との間に、例えば0.004mm以上となる膜厚の油膜を確保することができ、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間で焼き付き、摩耗等が発生するのを長期にわたって防止することができる。
しかも、斜板11の摺動面11Aには、図3に示すように平滑面20が凹凸面部21,22の間に存在しているため、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間の油膜厚さが余分に厚くなるのを抑えることができる。これにより、シリンダ7内から両者の摺動面間に供給される油液が外部に漏出するのを抑えることができ、油圧ポンプ1(液圧回転機)としての機械的な効率を良好に保つことができる。
また、前述した油圧ポンプ1に替えて、例えば斜板式の油圧モータに第1の実施の形態による構成を適用した場合には、例えば車両の前進、後進に伴い回転軸5が正方向(図3中の矢示G方向)と逆方向(図3中の矢示H方向)とに回転駆動される。しかし、この場合でも、斜板11の摺動面11Aには上死点位置(T.D.C)を基準として、±45度の角度範囲にわたり円弧状に延びる凹凸面部21を形成しているので、回転軸5が正方向と逆方向との両方向に回転するときにも、前述の如き油膜厚さを確保して潤滑性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができる。
また、斜板11の摺動面11Aには下死点位置(B.D.C)を基準として、±45度の角度範囲にわたり円弧状に延びる凹凸面部22を形成しているので、例えば斜板式の油圧モータとして用いることにより、回転軸5を正方向と逆方向との両方向(図3中の矢示G方向と矢示H方向)に回転させるときにも、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間の潤滑性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができ、焼き付き、摩耗等の発生を防止することができる。
次に、図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、回転軸の中心に対して同心円状をなす2つの輪郭線の範囲内に凹凸面部を形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は第2の実施の形態で採用した凹凸面部で、該凹凸面部31は、第1の実施の形態で述べた凹凸面部21と同様に構成され、斜板11の摺動面11Aのうちピストン8の上死点位置(T.D.C)を基準にして、±45度の角度範囲となる点C、点O、点Dで囲まれた部分(図7中に斜線で示す部分)に形成されている。しかし、この場合の凹凸面部31は、後述する2つの輪郭線33,34の範囲内に形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
32は第2の実施の形態で採用した他の凹凸面部で、該凹凸面部32は、第1の実施の形態で述べた凹凸面部22と同様に構成され、斜板11の摺動面11Aのうちピストン8の下死点位置(B.D.C)を基準にして、±45度の角度範囲となる点E、点O、点Fで囲まれた部分(図7中に斜線で示す部分)に形成されている。しかし、この場合の凹凸面部32も、後述する2つの輪郭線33,34の範囲内に形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
33は凹凸面部31,32の外径側を規定する外側の輪郭線で、該輪郭線33は、図7中に二点鎖線で示すように斜板11の外径よりも予め決められた寸法分だけ小さい仮想円として設定され、回転軸5の中心(点O)に対し同心円をなしているものである。そして、輪郭線33は、図1に例示した各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に対し、この軌跡よりも大なる輪郭線として設定されている。
34は凹凸面部31,32の内径側を規定する内側の輪郭線で、該輪郭線34は、図7中に二点鎖線で示すように斜板11の軸挿通穴11Bよりも予め決められた寸法分だけ大きい仮想円として設定され、回転軸5の中心(点O)に対し同心円をなしているものである。そして、輪郭線34は、前記各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に対し、この軌跡よりも小さい輪郭線として設定されている。
即ち、斜板11の摺動面11Aに対してショットピーニング等の微細加工を施して前述の如き凹凸面部31,32を形成する場合には、輪郭線33,34に沿ったマスキングを斜板11の摺動面11A上で行う。そして、この状態で斜板11の摺動面11Aに対してショットピーニング加工を施すことにより、凹凸面部31,32を図7に示す如く円弧状をなして形成することができる。これにより斜板11の摺動面11Aは、輪郭線33の径方向外側に位置する部位と、輪郭線34の径方向内側に位置する部位とが非処理面としての平滑面20として形成される。
35,36は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部31の両側に設けられた遷移領域で、この遷移領域35,36は、第1の実施の形態で述べた遷移領域23,24と同様に構成され、図7中に示すように3等分された区分a,b,cを有している。しかし、この場合の遷移領域35,36は、斜板11の摺動面11A上に輪郭線33,34に沿った前記マスキングを行うことにより、輪郭線33,34間の内側部位にのみ形成されるものである。
37,38は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部32の両側に設けられた他の遷移領域で、該他の遷移領域37,38も、第1の実施の形態で述べた遷移領域26,27と同様に構成され、図7中に示すように3等分された区分a,b,cを有している。しかし、この場合の遷移領域37,38は、前述した輪郭線33,34間の内側部位に形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に沿って凹凸面部31,32等を形成することにより、例えばショットピーニング等の微細加工を施す範囲を、必要最小限の範囲に設定することができる。
また、凹凸面部31,32の内周側と外周側とに、それぞれ表面が滑らかな平滑面20を取囲むように配置することにより、凹凸面部31,32に保持した油液が外側に漏出するように流れ出すのを周囲の平滑面20で抑えることができ、凹凸面部31,32における油膜の保持効果を高めることができる。
次に、図8および図9は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ピストンの上死点位置を起点として約半周する範囲にわたって微細な凹凸面部を形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は第3の実施の形態で採用した微細な凹凸面部で、該凹凸面部41は、第1の実施の形態で述べた凹凸面部21と同様に、斜板11の表面側(摺動面11A)に形成された平滑面20に対して、例えばショットピーニング等の微細加工処理を施すことにより形成され、その平均表面粗さRaは、例えば0.5〜5.0の範囲内に設定されている(以下、Rai=0.5〜5.0)。
これにより、凹凸面部41は、平滑面20を非処理面とした場合に、前記微細加工処理が施された微細な凹凸面からなる処理面として構成され、斜板11の摺動面11Aとシュー9との間に形成される油膜に対し保油性(油膜の保持性能)を与えるものである。
しかし、この場合の凹凸面部41は、図8中の上死点位置(T.D.C)を起点として該起点位置から回転軸5の周方向一側へと約半周する範囲にわたって円弧状に延びるように形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。即ち、凹凸面部41は、斜板11の摺動面11Aのうち上死点位置(T.D.C)を起点として、下死点位置(B.D.C)に達する位置まで、例えば180度の角度範囲となる部分(図8中に斜線で示す部分)に形成されている。
換言すると、凹凸面部41は、斜板11の摺動面11Aのうちで基準線L(即ち、回転軸5の中心の点Oを通って上死点位置(T.D.C)と下死点位置(B.D.C)とを結ぶ直線からなる基準線L)よりも、図8中の右側に位置する斜線部分に略半円形状をなして配置されている。
42,43は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部41に隣接した位置に設けられた遷移領域で、この遷移領域42,43は、第1の実施の形態で述べた遷移領域23,24と同様に構成され、図8中に示すように3等分された区分a,b,cを有している。しかし、この場合の遷移領域42,43は、斜板11の摺動面11A上で基準線Lに沿って平行となるように区分a,b,cを配置している点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
そして、遷移領域42,43の区分a,b,cは、摺動面11Aの表面粗さによる摩擦係数が、平滑面20と凹凸面部41との間で急激に変わるのを防ぐため、図5中に例示した特性線25のように、その平均表面粗さRaを3段階で徐々に変化させるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、斜板11の摺動面11A上に平滑面20と凹凸面部41とを形成することにより、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間の潤滑性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
特に、第3の実施の形態では、斜板11の摺動面11Aのうちで図8中の上死点位置(T.D.C)を起点として、例えば180度の角度範囲となる部分(図8中に斜線で示す部分)に凹凸面部41を形成しているので、回転軸5が矢示G方向にのみ回転される油圧ポンプ1において、下記のように特有な効果を奏するものである。
即ち、本発明者等は、前述した公知の油膜試験機を用いて、第3の実施の形態による斜板11の摺動面11Aとシュー9との間の油膜厚さを計測し、図9に示すような試験結果を得ることができた。この場合、図9中の横軸に示す位相が0度から180度にわたる範囲はピストン8の吸入行程に該当し、180度から360度にわたる範囲はピストン8の吐出行程に該当している。
そして、第3の実施の形態では、上述の如き構成を採用することにより、図9中に実線で示す特性線44のように、例えば横軸の位相が0度から45度の範囲で油膜厚さが急激に小さくなるのを抑え、例えば0.007〜0.0075mm以上の油膜厚さを確保することができ、位相が45度から180度にわたる範囲でも油膜厚さを、例えば0.0075mm程度まで厚くすることができ、180度から360度の範囲では、例えば0.01〜0.02mm以上まで厚くすることができる。
一方、比較例によるものは、前述した第1の実施の形態と同じく点線で示す特性線29のように、横軸の位相が0度から45度の範囲で油膜厚さが、例えば0.02mmから0.001mm以下まで急激に小さくなるように変化し、例えば90度から135度の範囲で油膜厚さが、例えば0.001mmよりも小さい値となっている。
このように第3の実施の形態では、回転軸5が矢示G方向にのみ回転される油圧ポンプ1に適用した場合に、斜板11の摺動面11A全体にわたってシュー9との間に、例えば0.007〜0.0075mm以上となる膜厚の油膜を確保することができ、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間で焼き付き、摩耗等が発生するのを長期にわたって防止することができる。
しかも、斜板11の摺動面11Aには、図8に示すように平滑面20が凹凸面部41と共に存在しているため、シュー9と斜板11の摺動面11Aとの間の油膜厚さが余分に厚くなるのを抑えることができる。これにより、シリンダ7内から両者の摺動面間に供給される油液が外部に漏出するのを抑えることができ、油圧ポンプ1(液圧回転機)としての機械的な効率を良好に保つことができる。
次に、図10は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ピストンの上死点位置を起点として凹凸面部を形成すると共に、該凹凸面部を回転軸の中心に対して同心円状をなす2つの輪郭線の範囲内に配置する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第3の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、51は第4の実施の形態で採用した凹凸面部で、該凹凸面部51は、第3の実施の形態で述べた凹凸面部41と同様に構成され、斜板11の摺動面11Aのうちピストン8の上死点位置(T.D.C)を起点にして、例えば180度の角度範囲となる部分(図10中に斜線で示す部分)に形成されている。しかし、この場合の凹凸面部51は、後述する2つの輪郭線52,53の範囲内に形成されている点で、第3の実施の形態とは異なるものである。
52は凹凸面部51の外径側を規定する外側の輪郭線で、該輪郭線52は、図10中に二点鎖線で示すように斜板11の外径よりも予め決められた寸法分だけ小さい仮想円として設定され、回転軸5の中心(点O)に対し同心円をなしているものである。そして、輪郭線52は、図1に例示した各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に対し、この軌跡よりも大なる輪郭線として設定されている。
53は凹凸面部51の内径側を規定する内側の輪郭線で、該輪郭線53は、図10中に二点鎖線で示すように斜板11の軸挿通穴11Bよりも予め決められた寸法分だけ大きい仮想円として設定され、回転軸5の中心(点O)に対し同心円をなしているものである。そして、輪郭線53は、前記各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に対し、この軌跡よりも小さい輪郭線として設定されている。
即ち、斜板11の摺動面11Aに対してショットピーニング等の微細加工を施して前述の如き凹凸面部51を形成する場合には、輪郭線52,53に沿ったマスキングを斜板11の摺動面11A上で行う。そして、この状態で斜板11の摺動面11Aに対してショットピーニング加工を施すことにより、凹凸面部51を図7に示す如く円弧状をなして形成することができる。これにより斜板11の摺動面11Aは、輪郭線52の径方向外側に位置する部位と、輪郭線53の径方向内側に位置する部位とが非処理面としての平滑面20として形成される。
54,55は斜板11の摺動面11Aのうち凹凸面部51に隣接して設けられた遷移領域で、この遷移領域54,55は、第3の実施の形態で述べた遷移領域42,43と同様に構成され、図10中に示すように3等分された区分a,b,cを有している。しかし、この場合の遷移領域54,55は、斜板11の摺動面11A上に輪郭線52,53に沿った前記マスキングを行うことにより、輪郭線52,53間の内側部位にのみ形成されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第3の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、各シュー9が斜板11の摺動面11A上で摺動変位するときのリング状軌跡に沿って凹凸面部51等を形成することにより、例えばショットピーニング等の微細加工を施す範囲を、必要最小限の範囲に設定することができる。
また、凹凸面部51の内周側と外周側とに、それぞれ表面が滑らかな平滑面20を配置することにより、凹凸面部51に保持した油液が外側に漏出するように流れ出すのを周囲の平滑面20で抑えることができ、凹凸面部51における油膜の保持効果を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、斜板式液圧回転機を可変容量型の斜板式油圧ポンプ1に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば可変容量型の斜板式油圧モータに適用してもよい。また、固定容量型の斜板式液圧回転機(例えば、斜板式油圧ポンプまたは油圧モータ)に適用してもよいものである。
特に、第1の実施の形態では、斜板11の摺動面11Aには上死点位置(T.D.C)を基準として±45度の角度範囲にわたり凹凸面部21を形成し、他の凹凸面部22は下死点位置(B.D.C)を基準として±45度の角度範囲にわたり形成しているので、例えば油圧モータとして用いることにより回転軸5を正方向と逆方向(図3中の矢示G方向と矢示H方向)とのいずれにも回転駆動するときにも、前述の如き油膜厚さを確保して潤滑性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができる。そして、この点は第2の実施の形態についても同様である。
また、例えば油圧閉回路に適用する斜板式油圧ポンプのように、容量可変部を構成する斜板を傾転角が零の中立位置から正方向と逆方向との双方向に傾転する場合にも、前述の如き構成を採用することにより、斜板の摺動面上に所要の油膜厚さを確保して潤滑性能を向上できると共に、油液の漏洩を小さく抑えて機械的な効率を確保することができる。
また、前記第1の実施の形態では、斜板11の摺動面11Aに対しショットピーニング等の微細加工を施すことにより凹凸面部21,22を形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばエッチング等の化学的処理方法を用いて微細な凹凸面部を形成する構成としてもよい。そして、この点は、第2〜第4の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、斜板11の摺動面11Aに対し上死点位置(T.D.C)を基準とした凹凸面部21と、下死点位置(B.D.C)を基準とした凹凸面部22との両方を形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば凹凸面部21,22のうちいずれか一方のみを斜板の摺動面に設け、他方は省略する構成としてもよい。そして、この点は第2の実施の形態についても同様である。
本発明の第1の実施の形態による可変容量型の斜板式油圧ポンプを示す縦断面図である。 図1中のシリンダブロック、シリンダ、ピストン、シュー、斜板およびリテーナ等を拡大して示す縦断面図である。 斜板の摺動面に形成した平滑面および2つの凹凸面部等を拡大して示す正面図である。 凹凸面部および遷移領域の凹凸形状を図3中の矢示IV−IV方向から模式的に示した断面図である。 処理面(凹凸面部)と非処理面(平滑面)との間に設ける遷移領域の平均表面粗さ特性を示す特性線図である。 第1の実施の形態と比較例との油膜厚さの特性を示す特性線図である。 第2の実施の形態による斜板の摺動面に形成した2つの凹凸面部等を拡大して示す正面図である。 第3の実施の形態による斜板の摺動面に形成した凹凸面部等を拡大して示す正面図である。 第3の実施の形態と比較例との油膜厚さの特性を示す特性線図である。 第4の実施の形態による斜板の摺動面に形成した凹凸面部等を拡大して示す正面図である。
符号の説明
1 可変容量型の油圧ポンプ(斜板式液圧回転機)
2 ケーシング
3 ケーシング本体
3A フロント底部
4 リヤケーシング
5 回転軸
6 シリンダブロック
7 シリンダ
8 ピストン
9 シュー
10 斜板支持体
11 斜板
11A 摺動面
11B 軸挿通穴
15 弁板
16,17 給排通路
20 平滑面(非処理面)
21,22,31,32,41,51 凹凸面部(処理面)
23,24,26,27,35,36,37,38,42,43,54,55 遷移領域

Claims (4)

  1. 筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内にそれぞれ往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられた複数のシューと、該シューに対面して前記ケーシング内に設けられ前記回転軸を中心に該各シューが摺動する平滑な摺動面を有した斜板とを備えてなる斜板式液圧回転機において、
    前記斜板には、金属材料からなる母材の表面に前記摺動面を形成し、
    かつ該摺動面のうち、前記ピストンの往復動時に前記シューとの間に形成される油膜の厚さが小となる部分に当該油膜に対し保油性を与える微細な凹凸面部を設け、
    該凹凸面部は、前記回転軸を中心として前記斜板の周方向に円弧状に延びる構成とし
    前記摺動面には、前記凹凸面部を形成した処理面とこれ以外の非処理面との境界で凹凸をなだらかに変化させるための遷移領域を設ける構成としたことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの上死点位置を基準として前記斜板の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びる構成としてなる請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
  3. 前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの下死点位置を基準として前記斜板の周方向一側と他側とに予め決められた角度範囲にわたって円弧状に延びる構成としてなる請求項1または2に記載の斜板式液圧回転機。
  4. 前記凹凸面部は、前記摺動面のうち前記ピストンの上死点位置を起点として該起点位置から前記斜板の周方向一側へと約半周する範囲にわたって円弧状に延びる構成としてなる請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
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