JP2011074904A - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シューが自転運動するのを抑え、ピストン、斜板およびシューの耐久性、寿命を向上することができるようにする。
【解決手段】 シュー12の摺接部12Aに、円形状のシールランド18と内周側の静圧ポケット19とを設ける。円形状のシールランド18と静圧ポケット19とを、摺接部12Aの中心に対して互いに逆向きに偏心させて形成する。そして、シュー12のシールランド18には、ランド幅W1 の幅広部分18Aとランド幅W2 の幅狭部分18Bとを、油孔12Dを挟んで径方向で対向する位置に配置する。シュー12が斜板14の摺動面14A上を摺動変位するときに、摺動面14Aとシールランド18との間に形成される油膜には、シールランド18の幅広部分18Aと幅狭部分18Bとによりせん断力を不均一に発生させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械に設けられ、油圧ポンプまたは油圧モータとして好適に用いられる斜板式液圧回転機に関する。
一般に、可変容量型または固定容量型の斜板式液圧回転機は、例えば油圧ショベル等の建設機械において、その油圧源を構成する斜板式の油圧ポンプとして用いられる。また、油圧アクチュエータとして用いる場合には、例えば旋回用、走行用の油圧モータ等を構成するものである。
そして、この種の従来技術による斜板式液圧回転機は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンに揺動可能に取付けられた複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ表面側で該各シューを摺動可能に案内する斜板等とを備えている。
この場合、斜板の表面側には複数のシューが摺動する摺動面(平滑面)が設けられている。そして、シリンダブロックの回転に伴って複数のピストンと一緒に各シューが連れ回されるように斜板に対して相対回転するときには、各シューが斜板の摺動面上で回転軸を中心としたリング状軌跡を描くように摺動変位するものである(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平8−28435号公報 特開平9−119371号公報
ところで、上述した特許文献1による従来技術では、回転軸と一緒にシリンダブロックが回転するときに、斜板の表面(摺動面)上をリング状軌跡を描くように摺動変位するシューが自転運動を起こすことがある。そして、シューが斜板上で自転運動を始めると、これによってシューが早期に摩耗したり、局部的に偏摩耗したりして耐久性、寿命が低下する原因になる。
また、特許文献2による従来技術では、例えば台形状または扇形状にシューの外形状を形成し、隣接するシュー同士を互いに接触させることにより、シューの自転を規制する構成としている。しかし、この場合は互いに隣接するシュー同士が、例えば液圧回転機の起動時や停止時等に強く接触して干渉を起こすことがあり、これによってシューの耐久性、寿命が低下するという問題がある。
しかも、シューの外形状を台形状または扇形状に形成した場合には、例えば外形状が円形なシューに比較してシュー単体の質量が重くなるために、斜板式液圧回転機の小型、軽量化を図る上でも障害になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、シューの自転を抑えて耐久性、寿命を向上することができるようにした斜板式液圧回転機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内にそれぞれ往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられた複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ該各シューが摺動する摺動面を有した斜板とを備え、前記各シューは、前記ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられる継手部と、該継手部に一体に設けられ前記斜板の摺動面上を摺接する摺接部とにより構成し、前記各ピストンと各シューとには、前記シリンダ内から前記斜板の摺動面と各シューの摺接部との間に潤滑用の油液を供給する油路を設けてなる斜板式液圧回転機に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に対し前記各シューが相対回転するように摺接するときに、前記潤滑用の油液によって前記斜板と各シューとの間に形成される油膜に前記シューの周方向で不均一なせん断力を発生させ、前記シューの自転を規制する自転規制部を設ける構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接する円形状のシールランドと、該シールランドの内周側に円形に形成される静圧ポケットとを設け、該静圧ポケットは、前記油膜のせん断力が不均一になるように前記円形状のシールランドに対して偏心した形状に形成し、前記自転規制部は偏心した形状の前記シールランドにより構成している。
さらに、請求項3の発明によると、前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接する円形状のシールランドを設け、該シールランドは、前記油膜のせん断力が不均一になるように当該シールランドの表面粗さを周方向で変えることにより前記自転規制部を構成している。
上述の如く、請求項1の発明によれば、各シューの摺接部と斜板の摺動面との間には潤滑用の油液によって油膜が形成され、この油膜にシューの周方向(自転方向)でせん断力を不均一に発生させることで、各シューの自転を規制することができる。従って、各シューは自転することなく回転軸の周囲を回転するようになるから、各シューの斜板およびピストンに対する余分な摩擦摺動を抑制することができ、摩擦摺動によるシューの摩耗を確実に低減できる。これにより、シュー、斜板およびピストンの耐久性、寿命を向上することができる。
また、請求項2の発明によれば、シューの摺接部に、円形状のシールランドと、該シールランドの内周側に形成される静圧ポケットとを設け、該静圧ポケットは、前記円形状のシールランドに対して偏心した形状に形成しているので、シューの周方向においてシールランドの幅寸法(ランド幅)を不均一にすることができる。これにより、シューのシールランドと斜板の摺動面との間において油膜に発生するせん断力をシューの周方向で不均一にすることができ、シューの自転防止を図ることができる。また、前記摺接部、シールランドの外形状を円形とすることで、楕円形状や円以外の多角形形状に比べ、製造時の加工性を高めることができる上に、互いに隣接するシュー同士が干渉し合うのを防ぐことができる。
さらに、請求項3の発明は、シューの摺接部に設けるシールランドの表面粗さを周方向で変える構成としているので、シューのシールランドと斜板の摺動面との間において油膜に発生するせん断力を不均一にすることができ、シューの自転防止を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による可変容量型斜板式の油圧モータを示す縦断面図である。 図1中のシリンダブロック、シリンダ、ピストン、シュー、斜板およびリテーナ等を拡大して示す縦断面図である。 図2中のシューを単体で示す縦断面図である。 図3に示すシューの底面図である。 斜板の摺動面上を摺動変位する複数のシューを図1中の矢示V−V方向から拡大してみた断面図である。 比較例によるシューを単体で示す縦断面図である。 図6に示すシューの底面図である。 比較例による複数のシューが斜板の摺動面上を摺動変位する状態を示す図5と同様位置での断面図である。 第2の実施の形態によるシューを単体で示す縦断面図である。 図9に示すシューの底面図である。 第3の実施の形態によるピストン、シューを斜板等と一緒に示す図2と同様位置での縦断面図である。 図11中のシューを単体で示す縦断面図である。 図12に示すシューの底面図である。
以下、本発明の実施の形態による斜板式液圧回転機を、可変容量型の斜板式油圧モータに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態で採用した可変容量型斜板式の油圧モータで、この油圧モータ1は、油圧ポンプ等の油圧源(図示せず)から圧油が供給されることにより後述の回転軸8を回転駆動するものである。
2は油圧モータ1の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング2は、一側がフロント底部3Aとなった段付筒状のケーシング本体3と、該ケーシング本体3の他側を閉塞するようにケーシング本体3に固定して設けられたリヤケーシング4とにより構成されている。そして、ケーシング2のケーシング本体3内には、フロント底部3A側に後述の斜板14を傾転可能に支持する斜板支持体13等が設けられている。
5はリヤケーシング4に固定して設けられた弁板を示し、該弁板5は、後述のシリンダ10内に向けた圧油の給排方向を切換える切換弁板として構成され、後述する回転軸8の周囲を眉形状をなして延びる一対の給排ポート5A,5Bを有している。そして、これらの給排ポート5A,5Bは、リヤケーシング4に形成された一対の給排通路6,7、油圧配管等を介して油圧源である油圧ポンプとタンク(いずれも図示せず)に接続されるものである。
8はケーシング2内に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸8は、軸方向の一側がケーシング本体3のフロント底部3A内に軸受等を介して回転可能に取付けられ、他側はリヤケーシング4に軸受等を介して回転可能に取付けられている。そして、回転軸8の一側は、ケーシング本体3のフロント底部3Aから外部に突出する突出端8Aとなっている。ここで、回転軸8は、油圧モータ1の出力軸を構成し、その突出端8A側には、例えば油圧ショベルの走行用減速機または旋回用減速機(いずれも図示せず)等が着脱可能に連結されるものである。
9はケーシング2内に位置して回転軸8の外周側に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック9には、図1に示す如く周方向に離間して軸方向に延びる複数(例えば、合計9個)のシリンダ10が穿設されている。また、シリンダブロック9の一側には、後述の斜板14側に向けて軸方向に突出する筒状突部9Aが一体形成されている。そして、該筒状突部9Aの外周側には、後述の球状ガイド16が軸方向に相対変位可能に挿嵌されている。
また、シリンダブロック9の内周側には、回転軸8の外周側にスプライン結合される段付きの軸穴9Bが形成され、この軸穴9Bは、筒状突部9Aの内周側を軸方向に延びている。そして、シリンダブロック9は、軸穴9Bを介して回転軸8と一体に回転するように連結され、このときに後述の球状ガイド16も回転軸8と一体に回転するものである。また、シリンダブロック9の他側は、弁板5に対して摺動可能(回転可能)に当接される凹湾曲状の摺動面9Cとなっている。
11はシリンダブロック9の各シリンダ10内に往復動可能に挿嵌されたピストンで、該各ピストン11は、図1、図2に示す如く円柱状のロッドとして形成され、各シリンダ10内に摺動可能に挿入されている。そして、ピストン11は、弁板5の給排ポート5A,5Bのうちいずれか一方のポート側から供給される圧油により、夫々のシリンダ10内で往復動を繰返すように駆動される。
このとき、各ピストン11は、後述のシュー12を斜板14の表面に向けて軸方向に押圧し、斜板14側からは押圧反力がピストン11に対して作用する。この結果、シリンダブロック9には、このような各ピストン11の往復動に伴って回転軸8を中心とした回転駆動力が与えられ、この回転はシリンダブロック9と一体に回転する回転軸8から外部に出力される。
また、ピストン11には、図2に示す如く軸方向の一側(突出端側)に位置する球形凹部11Aと、当該ピストン11の軸方向他側から一側の球形凹部11A内に向けて軸方向に延びる給油孔11Bとが設けられている。そして、ピストン11の球形凹部11Aには、後述のシュー12が揺動可能に取付けられている。また、給油孔11Bは、シリンダ10内に供給された圧油(油液)の一部をシュー12側に向けて潤滑油として供給する油路を構成するものである。
12は各ピストン11の軸方向一側(突出端側)に揺動可能に設けられたシューで、該各シュー12は、図2に示すように後述するリテーナ15の挿通穴15Aよりも大径な円板状に形成され、斜板14の摺動面14A上を摺接する円板状の摺接部12Aと、該摺接部12Aよりも小径となって該摺接部12Aに一体形成され、後述するリテーナ15の挿通穴15A内に挿入される円形の段差部12Bと、該段差部12Bと共に挿通穴15A内に挿通され、ピストン11の突出端側に揺動可能に取付けられる継手部としての球形部12C等とにより構成されている。
そして、シュー12の摺接部12Aには、斜板14の摺動面14A上を摺接する摺接面側に後述のシールランド18と静圧ポケット19とが設けられている。また、シュー12内には、球形部12C側から摺接部12Aに向けて略直線状に延びる油路としての油孔12Dが穿設されている。そして、この油孔12Dは、シリンダ10内に供給された圧油(油液)の一部がピストン11の給油孔11Bを介して導かれることにより、これを潤滑油としてシュー12の摺接部12A(後述のシールランド18、静圧ポケット19)と斜板14の摺動面14Aとの間に供給するものである。
この場合、シュー12の摺接部12Aは、ピストン11からの押付力(油圧力)で後述のリテーナ15等を介して斜板14の摺動面14Aに押付けられた状態に保持される。そして、各シュー12は、この状態で回転軸8、シリンダブロック9およびピストン11と一緒に回転することにより、回転軸8を中心としたリング状軌跡を描くように後述の摺動面14A上を摺動するものである。
13はケーシング本体3のフロント底部3Aに設けられた斜板支持体で、該斜板支持体13は、図1に示す如く回転軸8の周囲に位置して斜板14の裏面側に配置され、ケーシング本体3のフロント底部3Aに固定されている。そして、斜板支持体13には、斜板14を傾転可能に支持する一対の傾転支持部13A(一方のみ図示)が凹湾曲面として形成され、該各傾転支持部13Aは回転軸8を挟んで左,右(または、上,下)に離間している。
14はケーシング2内に傾転可能に設けられた斜板で、該斜板14の表面側には、図1、図2に示すように各シュー12を摺動可能に案内する平滑な摺動面14Aが形成されている。また、斜板14の中央部には、回転軸8が隙間をもって挿通される軸挿通穴14Bが穿設されている。そして、斜板14は、その裏面(背面)側がケーシング本体3のフロント底部3A側に斜板支持体13を介して傾転可能に取付けられている。
ここで、斜板14は、当該油圧モータ1の容量可変部を構成し、斜板14の裏面側は、斜板支持体13の各傾転支持部13Aに対して傾転可能に当接した状態に保持される。そして、斜板14は、ケーシング2に設けられた傾転アクチュエータ(図示せず)によって、摺動面14Aと一緒に図1中の矢示A,B方向に傾転駆動されるものである。
15は各シュー12を斜板14の摺動面14A上で摺動可能に保持するリテーナで、該リテーナ15は、図1に示す如く環状板として形成され、その内周側には、後述の球状ガイド16(図1参照)が摺動可能に嵌合されている。また、リテーナ15には、その周方向に間隔をもって複数(例えば9個)の挿通穴15Aが形成され、これらの挿通穴15Aには、それぞれシュー12の段差部12Bが挿通されるものである。
ここで、リテーナ15は、後述のスプリング17により球状ガイド16を介して斜板14(摺動面14A)に向けて付勢される。そして、リテーナ15は、挿通穴15A内に挿通された夫々のシュー12を摺動面14Aの表面に押付けた状態に保持し、これによって、各シュー12が斜板14の摺動面14A上でリング状軌跡を描くように摺動変位するのを補償するものである。
16はシリンダブロック9の筒状突部9Aとリテーナ15の内周との間に設けられた球状ガイドで、該球状ガイド16は、図1に示すように内周側が筒状突部9Aの外周側に摺動可能に挿嵌され、その外周面(球形面)側にはリテーナ15の内周側が揺動(摺動)可能に嵌合されている。また、球状ガイド16は、内周側が回転軸8にスプライン結合され、回転軸8と一体に回転するものである。
17はシリンダブロック9の筒状突部9Aと球状ガイド16との間に配設されたスプリングで、該スプリング17は、例えば複数枚の皿ばねを重合わせることにより構成され、回転軸8の外周側でシリンダブロック9と球状ガイド16とを互いに逆向きに付勢している。そして、スプリング17は、シリンダブロック9の摺動面9Cを後述の弁板5に押圧すると共に、球状ガイド16によりリテーナ15を介して各シュー12を斜板14の摺動面14Aに押圧するものである。
次に、18はシュー12の摺接部12Aに設けられた円形状のシールランドで、該シールランド18は、図2〜図4に示すようにシュー12の摺接部12Aのうち、斜板14の摺動面14A上を摺接する摺接面側に形成され、後述の静圧ポケット19を径方向外側から全周にわたって取囲むように環状に延びている。そして、シールランド18は、例えば鉄系金属材料からなるシュー12の母材表面側に硬化処理を含めた仕上げ加工を施すことにより形成され、斜板14の摺動面14Aとシュー12との間に形成される油膜に対し保油性(油膜保持性)を与えるものである。
ここで、シュー12の摺接部12Aに形成した円形状のシールランド18は、斜板14の摺動面14Aに静圧軸受となって摺接し、シュー12の油孔12D側から摺接部12Aと摺動面14Aとの間に供給された油液を両者の間に封止する機能を有している。即ち、シールランド18は、後述の静圧ポケット19を外周側から取囲むことにより、摺接部12Aと摺動面14Aとの間に供給された油液が外部に漏出するのを抑えるものである。
また、シールランド18は、図4に示すように摺接部12Aの中心に位置する油孔12Dに対して僅かに偏心した円形状に形成され、後述の静圧ポケット19は、油孔12Dに対してシールランド18とは逆向きに偏心した円形状に形成されている。これによりシールランド18は、摺接部12Aの中心(油孔12D)に対して偏心した偏心円環状摺接面として形成されている。
即ち、シールランド18は、図3、図4に示す如く、シュー12の周方向において異なる幅寸法、即ちランド幅W1 ,W2 (W1 >W2 )を有するように形成され、ランド幅W1 の幅広部分18Aとランド幅W2 の幅狭部分18Bとは、摺接部12Aの中心(油孔12D)を挟んで径方向で対向する位置に配置されている。そして、シールランド18の幅広部分18Aと幅狭部分18Bとは、斜板14の摺動面14Aとシュー12との間に形成される油膜に後述の如くせん断力を不均一に発生させ、シュー12の自転規制部を構成するものである。
19はシールランド18の径方向内側に位置してシュー12の摺接部12Aに設けられた静圧ポケットで、該静圧ポケット19は、図2〜図4に示すようにシュー12の摺接部12Aのうち、シールランド18の内周側に円形の凹部として形成されている。そして、静圧ポケット19は、シュー12の油孔12D側から摺接部12Aと斜板14の摺動面14Aとの間に供給された油液を静圧ポケット19内に溜める。
これによって、静圧ポケット19は、シュー12の摺接部12Aに対して斜板14の摺動面14Aから離間する方向の油圧反力を発生させ、この油圧反力は、斜板14の摺動面14Aに摺接するシールランド18の面圧を低減するものである。また、静圧ポケット19は、シールランド18に対して偏心した円形状に形成され、シールランド19の幅寸法(ランド幅W1 ,W2 )を幅広部分18Aと幅狭部分18Bとで不均一にする構成となっている。
本実施の形態による可変容量型斜板式の油圧モータ1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、油圧ポンプ(油圧源)からの圧油が外部の油圧配管等を介してリヤケーシング4の給排通路6,7側から供給されると、この圧油は弁板5の給排ポート5A,5Bを介してシリンダブロック9の各シリンダ10内へと給排され、これに伴って夫々のピストン11が各シリンダ10内で往復動を繰返すように駆動される。
このとき、これらのピストン11は、球形凹部11A側の各シュー12を斜板14の平滑な摺動面14Aに向けて軸方向に押圧し、斜板14側からは押圧反力がピストン11に対して作用する。このため、各ピストン11の球形凹部11A側に揺動可能に設けられた各シュー12は、回転軸8を中心としたリング状軌跡を描くように斜板14の摺動面14A上を摺動し、シリンダブロック9には、各ピストン11の往復動に伴って回転軸8を中心とした回転駆動力が与えられる。そして、この回転はシリンダブロック9と一体に回転する回転軸8から外部に出力される。
また、シリンダブロック9の各シリンダ10内に供給された圧油(油液)の一部は、ピストン11の給油孔11B、シュー12の油孔12Dを介して摺接部12Aの静圧ポケット19内へと導かれ、シュー12のシールランド18と斜板14の摺動面14Aとの間に潤滑油として供給される。そして、各シュー12のシールランド18と斜板14の摺動面14Aとの間には、潤滑用の油液によって油膜が形成される。
ここで、図2に示すように、斜板14の傾転角を角度θとし、ピストン11がシュー12を介して斜板14の摺動面14Aを軸方向に押圧する押付力Fとした場合、この押付力Fは、摺動面14Aに垂直な方向の垂直方向成分(F×cosθ)と摺動面14Aに水平な方向の水平方向成分(F×sinθ)とに分けることができる。そして、シュー12が斜板14の摺動面14A上を摺動変位するときの摩擦抵抗Rは、斜板14の摺動面14Aとシュー12との間の摩擦係数をμとしたときに、下記の数1式で表される。
Figure 2011074904
これにより、摩擦抵抗Rは、傾転角θが零に近付くように小さくなると、これに従って大きくなり、逆に傾転角θが最大傾転角(例えば、30〜45度)に近付くように大きくなると、これに従って小さくなることが分かる。即ち、シュー12は、斜板14の傾転角θが小さいときに摩擦抵抗Rを、斜板14の摺動面14A上を摺動変位するときの抵抗力として大きく受けるものである。
このため、シュー12は、斜板14の摺動面14A上を摺動変位するときに振動、その他の外力等の影響を受けてシュー12の姿勢、バランスが不安定となった場合に、傾転角θが大きいときに比較して傾転角θが小さいときほど斜板14の摺動面14A上で自転運動を起こし易くなる。さらに、斜板14の傾転角θが小さいときに、油圧モータ1を一般的には高速回転で使用することが多いことから、傾転角θが小さいときには、各シュー12が自転することにより早期摩耗、偏摩耗等が生じ易くなる。
ところで、図6〜図8に示す比較例のように、シュー12の摺接部12Aに設ける円形状のシールランド18′と内周側の静圧ポケット19′とを同心円状に形成し、シールランド18′のランド幅Wを全周にわたって同一にした場合には、シュー12が下記のように自転運動を起し、早期に摩耗したり、偏摩耗等が生じたりし易くなる。
即ち、斜板14の摺動面14Aとシールランド18′との間に形成される油膜には、シュー12が斜板14の摺動面14A上を図8中の矢示C方向に摺動変位するに伴ってせん断力が発生する。そして、この場合のせん断力は、例えばニュートンの粘性法則等により両者間の接触面積(摺動面積)に比例して増減することが知られている。
ここで、比較例の場合には、シュー12の全周にわたってシールランド18′のランド幅Wを同一にしているため、油膜に発生するせん断力はシールランド18′の全周にわたって均等に作用する。この結果、各シュー12が回転軸8を中心としたリング状軌跡を描くように、斜板14の摺動面14A上を図8中の矢示C方向に摺動変位するときに、各シュー12には、矢示D方向の自転運動が発生し易くなる。
そして、図6〜図8に示す比較例の場合、シュー12が矢示D方向の自転運動を始めると、シュー12のシールランド18′が斜板14の摺動面14Aに対して余分に摩擦接触するばかりでなく、シュー12の球形部12Cがピストン11の球形凹部11Aに対して相対回転するために、シュー12は斜板14との接触面ばかりでなく、ピストン11との接触面でも早期摩耗、偏摩耗等が発生する原因となってしまう。
そこで、本実施の形態では、このような問題を解決するために、シュー12の摺接部12Aに設ける円形状のシールランド18と内周側に形成される静圧ポケット19とを、摺接部12Aの中心(油孔12D)に対して互いに逆向きに偏心させ、円形状のシールランド18に対して静圧ポケット19を偏心した円形状に形成することにより、シールランド18を油孔12Dに対して偏心した偏心円環状摺接面として形成する構成としている。
これにより、シュー12のシールランド18を、図3、図4に示すように、シュー12の周方向において異なるランド幅W1 ,W2 (W1 >W2 )を有する構成とすることができ、ランド幅W1 の幅広部分18Aとランド幅W2 の幅狭部分18Bとは、油孔12Dを挟んで径方向で対向する位置に配置する構成としている。
このため、シュー12が斜板14の摺動面14A上を図5中の矢示C方向に摺動変位するときに、斜板14の摺動面14Aとシールランド18との間に形成される油膜には、シールランド18の幅広部分18Aと幅狭部分18Bとによってせん断力を不均一に発生することができる。即ち、両者間の油膜に発生するせん断力は、その接触面積に比例するため、シールランド18の幅広部分18Aで発生するせん断力は、幅狭部分18Bで発生するせん断力τ1よりも大きいせん断力τ2(τ2>τ1)となる。
この結果、各シュー12が図5に示す如く、斜板14の摺動面14A上を矢示C方向(回転軸8を中心としたリング状軌跡を描くよう)に摺動変位するときに、シュー12は、矢示C方向の運動方向に対してシールランド18の幅広部分18Aが後方へと相対的に移動し、シールランド18の幅狭部分18Bは運動方向に対して前方に相対移動する。
これにより、斜板14の摺動面14A上を矢示C方向に摺動変位する夫々のシュー12が回転運動による外力を受けても、シュー12が比較例のように自転するのを、シールランド18の幅広部分18Aと幅狭部分18Bとによりせん断力を不均一に発生することで規制することができ、シュー12の自転抑止を効果的に行うことができる。
従って、本実施の形態によれば、各シュー12が回転軸8の周囲を矢示C方向に回転するときに、シールランド18の幅広部分18Aは、油膜によるせん断力を大きく受け、幅狭部分18Bではせん断力を小さく受けるので、シールランド18の幅広部分18Aを矢示C方向の回転方向に対して後方に、幅狭部分18Bを回転方向の前方に位置させ、結果として各シュー12の自転動作を規制することができる。
これにより、各シュー12は自転することなく、回転軸8の周囲を矢示C方向に回転できるから、各シュー12と斜板14との余分な摩擦接触、摺動を防止することができ、各シュー12のシールランド18と斜板14の摺動面14Aとの摩耗を低減することができる。特に、斜板14の傾転角θが小さい場合で、回転軸8が高速回転されるような場合の運転において、より一層に摩耗低減効果を発揮することができる。また、各シュー12の球形部12Cとピストン11の球形凹部11Aとの間でも、自転動作の抑制により両者間の摺動、摩耗を低減することができる。
このように、本実施の形態によれば、斜板14の摺動面14Aとシールランド18との間に形成される油膜には、シュー12の周方向でせん断力を不均一に発生させることにより、各シュー12の自転を規制することができる。これにより、各シュー12の斜板14およびピストン11に対する余分な摩擦摺動を抑制することができるので、油圧モータ1の構成部品(例えば、複数のピストン11、シュー12、斜板14およびリテーナ15等)の耐久性、寿命を大幅に向上させることができ、斜板式ピストンポンプ・モータである油圧モータ1の良好な運転性能を長期に亘って保持することができる。
また、シュー12の摺接部12Aおよびシールランド18の外形状を円形に形成しているため、例えば特許文献2による従来技術のように、シューの外形状を台形状または扇形状に形成する場合に比較して、シュー12を製造するときの加工性を高めることができる上に、隣接するシュー12同士が互いに接触、干渉し合うのを防ぐことができ、結果としてシュー12の耐久性、寿命を延ばすことができる。
次に、図9および図10は本発明の第2の実施の形態を示し、第2の実施の形態の特徴は、シールランドの表面粗さを周方向で部分的に変えることにより、油膜に発生するせん断力をシールランドの周方向で不均一にする構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、21は第2の実施の形態で採用したシューを示し、該シュー21は、第1の実施の形態で述べたシュー12と同様に構成され、摺接部21A、段差部21B、球形部21Cおよび油孔21Dを有している。しかし、この場合のシュー21には、摺接部21Aに設ける後述のシールランド22の構成が第1の実施の形態とは異なるものである。
22は第2の実施の形態で採用したシールランド、23は該シールランド22の内周側に設けられた静圧ポケットを示し、該シールランド22および静圧ポケット23は、第1の実施の形態で述べたシールランド18および静圧ポケット19と同様に構成されている。しかし、第2の実施の形態にあっては、円形状のシールランド22と静圧ポケット23とを、摺接部21Aの中心(油孔21D)に対して同心円状に形成している点で、第1の実施の形態とは異なっている。
これにより、シールランド22は、図9に示すように、そのランド幅Wが全周にわたって同一の寸法となるように形成されている。しかし、本実施の形態にあっては、シールランド22に後述の粗面部22Aを形成することにより、シュー21の自転運動を規制する構成としているものである。
即ち、第2の実施の形態では、シュー21の摺接部21Aに設けたシールランド22と静圧ポケット23とを、油孔21Dを中心として同心円状に形成し、この上で、円形状をなすシールランド22の表面には、図10に示すように、例えば20〜40度程度の角度で扇形状に形成された粗面部22Aを設け、残余の部分(例えば、シールランド22の全周のうち、320〜340度程度の角度範囲にわたる部分)は、粗面部22Aよりも表面粗さが相対的に小さく形成された滑面部22Bとして形成する構成としている。
この場合、シールランド22の粗面部22Aと滑面部22Bとは、その表面粗さが相対的に大きいか、小さいかを表わしているものであり、粗面部22Aは滑面部22Bよりも相対的に粗い表面として形成され、滑面部22Bは粗面部22Aよりも相対的に滑らかな表面で形成されていればよいものである。これにより、シールランド22は、斜板14の摺動面14Aとシールランド22との間に形成される油膜のせん断力が不均一になるように、シールランド22の表面粗さを周方向で変える構成としている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、シールランド22の粗面部22Aと滑面部22Bとにより、シュー21の自転規制部を構成することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、シールランド22の表面に粗面部22Aと滑面部22Bとを設け、シールランド22の表面粗さを周方向で変える構成としている。
このため、シュー21が斜板14の摺動面14A上でリング状軌跡を描くように摺動変位するときに、両者の摺接面間に油膜によるせん断力を粗面部22A側で大きく、滑面部22B側ではより小さい油膜のせん断力を発生させることができる。そして、シュー21のシールランド22は、その周方向で区分された粗面部22Aと滑面部22Bとによって、不均一な油膜のせん断力を受けることになり、粗面部22Aの方が滑面部22Bよりも摺動抵抗が大きくなり、結果として粗面部22Aの領域は回転方向(図5中の矢示C方向)に対して後方に位置し、シュー21の自転動作を規制することができる。
しかも、本実施の形態では、各シュー21の摺接部21Aに設ける円形状のシールランド22と静圧ポケット23とを、摺接部21Aの中心(油孔21D)に対して同心円状に形成することができるため、シールランド22と静圧ポケット23との形成、加工作業を現行品と同様に行うことができ、製作時の作業性を向上できると共に、製造コストの低減化を図ることができる。
次に、図11ないし図13は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ピストンの突出端側に球形部を一体に形成し、シューの継手部を該球形部が装着される凹球面部として形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は本実施の形態で採用したピストンで、該ピストン31は、第1の実施の形態で述べたピストン11とほぼ同様に構成され、シリンダブロック9の各シリンダ10内に往復動可能に挿嵌されている。しかし、この場合のピストン31は、その一側(突出端側)に球形部31Aが一体に形成されている点で第1の実施の形態とは異なるものである。
そして、ピストン31の球形部31Aは、後述するシュー32とピストン31とを揺動可能に連結する継手部を後述の凹球面部32Cと共に構成するものである。また、ピストン31には、軸方向他側から一側の球形部31Aに向けて軸方向に延びる油路としての給油孔31Bが設けられ、該給油孔31Bは、シリンダ10内に供給された圧油(油液)の一部をシュー32側に向けて潤滑油として導くものである。
32はピストン31の突出端側に揺動可能に設けられたシューで、該シュー32は、第1の実施の形態で述べたシュー12とほぼ同様に構成され、斜板14の摺動面14A上を摺接する摺接部32Aと、該摺接部32Aに一体形成され摺接部32Aよりも小径になった凸状部32B等とを有している。
しかし、この場合のシュー32は、凹球面部32Cが凸状部32Bに形成されている点で第1の実施の形態とは異なっている。そして、シュー32の凹球面部32Cは、ピストン31の球形部31Aが揺動可能に取付けられる継手部を、球形部31Aと共に構成するものである。また、シュー32内には、凹球面部32C側から摺接部32Aに向けて略直線状に延びる油路としての油孔32Dが穿設されている。
33は第3の実施の形態で採用したシールランド、34は該シールランド33の内周側に設けられた静圧ポケットを示し、該シールランド33および静圧ポケット34は、第1の実施の形態で述べたシールランド18および静圧ポケット19と同様に構成されている。
即ち、シールランド33は、図12に示すように摺接部32Aの中心に位置する油孔32Dに対して僅かに偏心した円形状に形成され、静圧ポケット34は、油孔32Dに対してシールランド33とは逆向きに偏心した円形状に形成されている。これによりシールランド33は、摺接部32Aの中心(油孔32D)に対して偏心した偏心円環状摺接面として形成されている。
そして、シールランド33は、図12、図13に示す如く、シュー12の周方向において異なる幅寸法、即ちランド幅W1 ,W2 (W1 >W2 )を有するように形成され、ランド幅W1 が大きい幅広部分33Aとランド幅W2 が小さい幅狭部分33Bとは、摺接部32Aの中心(油孔32D)を挟んで径方向で対向する位置に配置されている。これにより、シールランド33の幅広部分33Aと幅狭部分33Bとは、斜板14の摺動面14Aとシュー32との間に形成される油膜に、シュー32の周方向でせん断力を不均一に発生させ、シュー32の自転規制部を構成するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、シュー32の摺接部32Aにシールランド33と静圧ポケット34とを互いに偏心させて設け、シールランド33には、寸法W1 の幅広部分33Aとランド幅W2 の幅狭部分33Bとを形成することにより、第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、前記第3の実施の形態では、シールランド33に幅広部分33Aと幅狭部分33Bとを形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図9、図10に示す第2の実施の形態と同様に、シールランドの表面粗さを、周方向で変える構成としてもよいものである。
また、前記第2の実施の形態では、円形状をなすシールランド22の全周のうち、例えば20〜40度程度の角度範囲で粗面部22Aを扇形状に形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば20度以下の角度で粗面部を形成してもよく、逆に40度以上の角度をもって粗面部を形成する構成としてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、シュー12の摺接部12A、段差部12Bおよび球形部12Cを同一の材料で一体形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、シューの摺接部と継手部(球形部)とを予め別部材から形成し、シューの組立時に一体化する構成としてもよい。そして、この点は第2,第3の実施の形態についても同様である。
さらに、前記各実施の形態では、斜板式液圧回転機として可変容量型斜板式の油圧モータ1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば可変容量型斜板式の油圧ポンプに適用してもよい。また、固定容量型の斜板式液圧回転機(例えば、斜板式油圧ポンプまたは油圧モータ)に適用してもよいものである。
1 可変容量型の油圧モータ(斜板式液圧回転機)
2 ケーシング
3 ケーシング本体
3A フロント底部
4 リヤケーシング
5 弁板
6,7 給排通路
8 回転軸
9 シリンダブロック
10 シリンダ
11,31 ピストン
11B,31B 給油孔(油路)
12,21,32 シュー
12A,21A,32A 摺接部
12C,21C 球形部(継手部)
12D,21D,32D 油孔(油路)
13 斜板支持体
14 斜板
14A 摺動面
14B 軸挿通穴
18,22,33 シールランド
18A,33A 幅広部分(自転規制部)
18B,33B 幅狭部分(自転規制部)
19,23,34 静圧ポケット
22A 粗面部(自転規制部)
22B 滑面部(自転規制部)
32C 凹球面部(継手部)

Claims (3)

  1. 筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内にそれぞれ往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられた複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ該各シューが摺動する摺動面を有した斜板とを備え、前記各シューは、前記ピストンの突出端側に揺動可能に取付けられる継手部と、該継手部に一体に設けられ前記斜板の摺動面上を摺接する摺接部とにより構成し、前記各ピストンと各シューとには、前記シリンダ内から前記斜板の平滑面と各シューの摺接面との間に潤滑用の油液を供給する油路を設けてなる斜板式液圧回転機において、
    前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に対し前記各シューが相対回転するように摺接するときに、前記潤滑用の油液によって前記斜板と各シューとの間に形成される油膜に前記シューの周方向で不均一なせん断力を発生させ、前記シューの自転を規制する自転規制部を設ける構成としたことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接する円形状のシールランドと、該シールランドの内周側に円形に形成される静圧ポケットとを設け、該静圧ポケットは、前記油膜のせん断力が不均一になるように前記円形状のシールランドに対して偏心した形状に形成し、前記自転規制部は偏心した形状の前記シールランドにより構成してなる請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
  3. 前記シューの摺接部には、前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接する円形状のシールランドを設け、該シールランドは、前記油膜のせん断力が不均一になるように当該シールランドの表面粗さを周方向で変えることにより前記自転規制部を構成してなる請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105673478A (zh) * 2016-04-11 2016-06-15 青岛力克川液压机械有限公司 一种基于静压支承的滑靴副

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